JP3957239B2 - エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤、エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤およびそれらの製法、ならびにエポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤、エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤およびそれらの製法、ならびにエポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯蔵安定性および機械的強度に優れ、熱賦活時の内包物の放出性に優れるエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤、エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤、およびそれらの製法、ならびにエポキシ樹脂組成物、さらに半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エポキシ樹脂は、接着剤や塗料、コーティング剤、封止材、積層体等の多岐にわたる用途に用いられている。また、これらエポキシ樹脂には、通常、各種硬化剤や硬化促進剤が含有されている。汎用されているエポキシ樹脂組成物には、アミンやルイス酸、酸無水物のような硬化剤や硬化促進剤を使用する直前にエポキシ樹脂と混合する、いわゆる2液型の組成物がある。このような2液型のものでは、エポキシ樹脂と硬化剤とを別々に保存しておき必要に応じて両者を混合して用いるが、混合した後の可使時間が比較的短いために多量に混合しておくことができず、したがって、多量に使用する場合には少量ずつ何度も配合を分けて行う必要があり、作業能率が極めて悪いものであった。
【0003】
一方、このような問題を解決するものとして、エポキシ樹脂に予め配合しておいても硬化反応が生じず、光照射や加熱によって硬化反応が起こるような潜在性硬化剤もしくは潜在性硬化促進剤を用いた1液型のものが種々提案されている。しかしながら、これらの潜在性硬化剤や潜在性硬化促進剤を用いてもエポキシ樹脂に配合した場合の貯蔵安定性に優れるものは、硬化反応を比較的高温条件で行う必要があり、また、低温条件で硬化するものは貯蔵安定性が悪いという問題を有している。このように、貯蔵安定性と硬化性との両性能においてバランスがとれた良好なものは未だ開発されていないのが実状である。
【0004】
ところで、近年、エポキシ樹脂組成物の構成成分のうちの1成分をマイクロカプセル化して1液保存を行う方法が提案されている。具体的には、特公昭54−31468号公報や特開平1−242616号公報、特開平2−292325号公報、特開平3−182520号公報、特開平5−123565号公報、特開平8−337633号公報、特開平9−3164号公報等には、硬化剤や硬化促進剤を内包するマイクロカプセルをエポキシ樹脂に配合する技術が開示されている。これらの公報には、上記マイクロカプセルの壁膜材料として、エポキシ樹脂硬化物、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂等があげられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなマイクロカプセルを用いた1液型のエポキシ樹脂組成物は、貯蔵時の保存安定性や加熱使用時の硬化性、硬化物の優れた物性をバランス良く満足させる必要があり、これら特性はマイクロカプセルの壁膜を構成する材料に大きく左右される。上記にあげた壁膜材料のなかで、ポリウレア樹脂は貯蔵安定性と硬化反応性のバランスにおいて比較的優れている。しかしながら、これら壁膜を有するマイクロカプセルを調製してエポキシ樹脂中に配合した場合、反応が生じて、経時で硬化反応性が低下するという問題を有していた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、貯蔵時の安定性に優れ、しかも、経時で硬化反応性の低下を防止することのできる、エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤、エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤およびそれらの製法、ならびにエポキシ樹脂組成物の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、硬化剤からなるコア部が、下記の一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とするシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤であって、上記シェル部に存在する反応性アミノ基がブロック化されているエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤を第1の要旨とする。
【0008】
【化3】
Figure 0003957239
【0009】
また、硬化促進剤からなるコア部が、上記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とするシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤であって、上記シェル部に存在する反応性アミノ基がブロック化されているエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤を第2の要旨とする。
【0010】
そして、多価イソシアネートと硬化剤を含有する疎水性液体を、水系溶媒中に乳化させてO/W型エマルジョンを調製した後、このO/W型エマルジョンに多価アミンを添加して水相部分を溶解させ、上記多価イソシアネートと多価アミンとをO/W界面で界面重合させることによりポリウレアを生成させるか、もしくは、上記O/W型エマルジョンの油相中の多価イソシアネートと水相中の水との反応によりアミンを生成させ、このアミンと多価イソシアネートとをO/W界面で界面重合させることによりポリウレアを生成させて、硬化剤からなるコア部が、上記ポリウレアからなるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤を媒体中に生成させるエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤の製造方法であって、上記エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤が分散された媒体に、下記の化合物(α)を添加して、上記ポリウレアからなるシェル部に存在する未反応のアミノ基をブロックするエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤の製法を第3の要旨とする。
(α)アミノ基と反応してアミノ基をブロックする化合物。
【0011】
また、多価イソシアネートと硬化促進剤を含有する疎水性液体を、水系溶媒中に乳化させてO/W型エマルジョンを調製した後、このO/W型エマルジョンに多価アミンを添加して水相部分を溶解させ、上記多価イソシアネートと多価アミンとをO/W界面で界面重合させることによりポリウレアを生成させるか、もしくは、上記O/W型エマルジョンの油相中の多価イソシアネートと水相中の水との反応によりアミンを生成させ、このアミンと多価イソシアネートとをO/W界面で界面重合させることによりポリウレアを生成させて、硬化促進剤からなるコア部が、上記ポリウレアからなるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤を媒体中に生成させるエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤の製造方法であって、上記エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤が分散された媒体に、下記の化合物(α)を添加して、上記ポリウレアからなるシェル部に存在する未反応のアミノ基をブロックするエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤の製法を第4の要旨とする。
(α)アミノ基と反応してアミノ基をブロックする化合物。
【0012】
さらに、上記エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤と、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物を第5の要旨とし、上記エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤と、エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物を第6の要旨とする。
【0013】
そして、下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物を第7の要旨とする。
(A)エポキシ樹脂。
(B)フェノール樹脂。
(C)無機質充填剤。
(D)上記エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤。
【0014】
本発明者らは、マイクロカプセル型の硬化剤あるいは硬化促進剤を作製し、これをエポキシ樹脂に配合した際に生じる上記のような問題を解決して貯蔵安定性に優れたエポキシ樹脂用マイクロカプセルを得るために一連の研究を重ねた。その過程において、まず、上記問題が発生する原因を突き止めるべく研究を重ねた結果、エポキシ樹脂用マイクロカプセルの調製に際して、その壁膜において未反応のアミン化合物が残存したり、壁膜原料である多価イソシアネートの加水分解により生成したアミノ基が未反応の状態で存在し、このアミノ基が存在したままのエポキシ樹脂用マイクロカプセルをエポキシ樹脂中に配合した場合、これらアミノ基とエポキシ樹脂との間で反応が生じるという知見を得た。このような知見に基づき、さらに研究を重ねた結果、上記エポキシ樹脂用マイクロカプセルの壁膜部分に存在するアミノ基をブロックすることを想起し本発明に到達した。ここでいうアミノ基とは、エポキシ樹脂と付加反応を起こしたり、エポキシ樹脂と触媒的に反応させる反応性のアミノ基であり、1級,2級,3級のアミノ基があげられる。
【0015】
そして、上記エポキシ樹脂用マイクロカプセルの壁膜部分に存在するアミノ基をブロックする方法として、エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤あるいはエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤を界面重合により作製して、マイクロカプセルが分散された媒体中に、アミノ基と反応してアミノ基をブロックする化合物を添加してアミノ基をブロックすることを見出した。
【0016】
このようなエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤あるいはエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤を、エポキシ樹脂とともに用いてなるエポキシ樹脂組成物は貯蔵安定性に優れ、経時で硬化反応性が低下するという問題が生じない。
【0017】
さらに、上記エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤を、エポキシ樹脂、フェノール樹脂および無機質充填剤とともに用いてなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物も、上記と同様、貯蔵安定性に優れたものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0019】
本発明のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤(以下、「マイクロカプセル型硬化剤」という)は、硬化剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂からなるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル(以下、「マイクロカプセル」という)である。また、本発明のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤(以下、「マイクロカプセル型硬化促進剤」という)は、硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂からなるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル(以下、「マイクロカプセル」という)である。そして、上記いずれのマイクロカプセルにおいても、そのシェル部分に存在する反応性のアミノ基がブロック化されていることを最大の特徴とする。なお、シェル部に存在するアミノ基がブロック化されているとは、シェル部の壁膜表面に存在するアミノ基はもちろんシェル部内部に存在するアミノ基がブロック化されていることをいう。
【0020】
(1)まず、本発明のマイクロカプセル型硬化剤について述べる。このマイクロカプセル型硬化剤は、硬化剤からなるコア部が、下記の一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とするシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するものである。
【0021】
【化4】
Figure 0003957239
【0022】
上記コア部を構成する硬化剤としては、重合体の硬化反応を生じさせる作用を有するものであれば特に限定するものではなく、例えば、接着剤や塗料、コーティング剤、封止材等の用途に硬化剤として用いるものが使用できる。この場合、マイクロカプセルを調製する際の作業性や得られるマイクロカプセルの特性の点から、常温で液状を示す硬化剤が好ましい。なお、本発明において、常温で液状とは、硬化剤自体の性状が常温で液状である場合のほか、常温で固体であっても任意の有機溶媒等に溶解もしくは分散させて液状にしたものをも含むものである。
【0023】
上記硬化剤としては、例えば、メチルハイミック酸無水物、フタル酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の酸無水物類、ビスフェノールA、フェノール樹脂等のフェノール類、トリブチルアミン等の脂肪族三級アミン類、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノ)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール等の芳香族三級アミン類や脂環族三級アミン類、またはこれらの変性アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、これらのイミダゾール類と酢酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、トリメリット酸等のイミダゾールカルボン酸塩、三フッ化ホウ素、五フッ化リン等のルイス酸等があげられる。これら硬化剤のうち、加熱時の硬化反応性の点から、三級アミン類やイミダゾール類等の触媒型硬化剤を用いることが好ましい。また、本発明においては、これら硬化剤を少量配合しても充分な硬化反応が生起するように、通常使用される公知の硬化促進剤を任意量配合することができる。
【0024】
前記式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とする重合体は、例えば、多価イソシアネート類と多価アミン類との重付加反応によって得られる。あるいは、多価イソシアネート類と水との反応によって得られる。
【0025】
上記多価イソシアネート類としては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であればよく、具体的には、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物、2,4−トリレンジイソシアネートとプレンツカテコールとの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート、テトラフェニルトリメチレンテトライソシアネート、ペンタフェニルテトラメチレンペンタイソシアネート、リジンイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族多価イソシアネートの三量体のようなイソシアネートプレポリマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0026】
上記多価イソシアネート類のなかでもマイクロカプセルを調製する際の造膜性や機械的強度の点から、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート等のポリメチレンポリフェニルイソシアネート類に代表されるイソシアネートプレポリマーを用いることが好ましい。
【0027】
一方、上記多価イソシアネート類と反応させる多価アミン類としては、分子内に2個以上のアミノ基を有する化合物であればよく、具体的にはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0028】
また、上記多価イソシアネート類と水との反応では、まず、多価イソシアネート類の加水分解によってアミンが形成され、このアミンが未反応のイソシアネート基と反応(いわゆる自己重付加反応)することによって、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とする重合体が形成される。
【0029】
さらに、上記シェル部(壁膜)を形成する重合体として、例えば、上記多価イソシアネートとともに多価アルコールを併用して、ウレタン結合を併有したポリウレタン−ポリウレアをあげることもできる。
【0030】
上記多価アルコールとしては、脂肪族、芳香族または脂環族のいずれであってもよく、例えば、カテコール、レゾルシノール、1,2−ジヒドロキシ−4−メチルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−メチルベンゼン、3,4−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、3,5−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、2,4−ジヒドロキシエチルベンゼン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、2,3−ナフタレンジオール、o,o′−ビフェノール、p,p′−ビフェノール、ビスフェノールA、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、キシリレンジオール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0031】
本発明のマイクロカプセル型硬化剤は、例えば、下記に示す3段階の工程を経由することにより作製される。
【0032】
〔第1工程〕
コア成分である硬化剤を、壁膜(シェル)の原料である多価イソシアネート中に溶解して油相を形成する。ついで、分散安定剤を含有する水系媒体(水相)中に、上記油相を油滴状に分散させてO/W型(油相/水相型)のエマルジョンを作製する。このとき、分散した各油滴の粒径は0.05〜20μm、好ましくは0.1〜10μm程度とすることが、重合中のエマルジョンの安定性の点から好ましい。つぎに、上記O/W型エマルジョンの水相に、多価アミンを添加して溶解することにより、油相中の多価イソシアネートとの間で界面重合させて重付加反応を生起する。あるいは、上記O/W型エマルジョンを加温することによって、油相中の多価イソシアネートが水相との界面で水と反応してアミンを生成し、引き続き自己重付加反応を生起する。このようにして、ポリウレア系の重合体、好ましくは前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリウレアをシェル部(壁膜)とするマイクロカプセルを作製することにより、マイクロカプセル分散液が得られる。
【0033】
一方、固体状の硬化剤を有機溶剤に分散させてコア成分とする場合には、S/O/W(固相/油相/水相)タイプのエマルジョンとなる。また、このエマルジョンタイプは硬化剤が親油性の場合であり、硬化剤が親水性を有する場合には上記エマルジョンタイプに形成され難いが、この場合には溶解度の調整を行うことによりO/O(油相/油相)型のエマルジョンタイプや、S/O/O(固相/油相/油相)型のエマルジョンタイプとして界面重合を行えばよい。
【0034】
この場合の有機溶剤としては、常温で液状であれば特に限定するものではないが、少なくともシェル部(壁膜)を溶解しないものを選択する必要がある。具体的には、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、塩化メチレン、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤の他、フェニルキシリルエタン、ジアルキルナフタレン等のオイル類を用いることができる。
【0035】
〔第2工程〕
上記第1工程で得られたマイクロカプセル分散液に対して、アミノ基と反応してアミノ基をブロックする化合物(以下「ブロック化剤」という)を添加し溶解もしくは分散させる。このとき、遠心分離等により一度水相中の分散安定剤や未反応アミンを取り除いた後に、上記ブロック化剤を添加することが効果的である。
【0036】
〔第3工程〕
上記第2工程でアミノ基をブロック化剤でブロックしたマイクロカプセル分散液を、遠心分離や濾過等により、過剰のブロック化剤を取り除いた後、乾燥することにより、粉末状のマイクロカプセル型硬化剤を作製することができる。
【0037】
上記第1工程に示す、界面重合によりマイクロカプセルを合成する過程では、形成される壁膜表面や壁膜内部において未反応の多価アミンが残存したり、多価イソシアネートと反応せずに壁膜に共有結合するアミノ基が多数存在することが本発明者らの研究の過程において明らかとなった。そして、このような状態のマイクロカプセル型硬化剤(上記第2工程を経由せずに作製したマイクロカプセル型硬化剤)をエポキシ樹脂中に配合した場合、エポキシ樹脂組成物が変質し硬化性が低下することを突き止めた。
【0038】
まず、上記第1工程において、水系媒体(水相)に添加する分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロース等の水溶性高分子類、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等の界面活性剤類等があげられる。また、コロイダルシリカ、粘度鉱物等の親水性無機コロイド物質類等を使用することもできる。これら分散安定剤の添加量は、水相中、0.1〜10重量%となるよう設定することが好ましい。
【0039】
また、上記第2工程において使用するブロック化剤としては、アミノ基と反応性を有する化合物であれば特に限定するものではないが、例えば、エポキシ化合物、アルデヒド化合物、酸無水物、エステル化合物、イソシアネート化合物等のアミノ基と反応し共有結合を形成する化合物があげられる。さらに、酢酸、蟻酸、乳酸、蓚酸、琥珀酸等の有機カルボン酸類、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類、フェノール化合物、ホウ酸、リン酸、硝酸、亜硝酸、塩酸等の無機酸類、シリカ、アエロジル等の酸性表面を有する固体物質等のアミノ基と中和反応し塩を形成する酸性化合物があげられる。そして、これら化合物のなかでも、上記酸性化合物は壁膜表面および壁膜内部に存在するアミノ基を効果的にブロックする化合物として好ましく用いられ、特に蟻酸、有機スルホン酸類が好ましく用いられる。
【0040】
上記ブロック化剤の添加量は、壁膜表面および壁膜内部に存在するアミノ基と等量モル数のブロック化剤が添加される。実用的には、例えば、ブロック化剤として酸性化合物を用いる場合、マイクロカプセル調製(界面重合)直後の分散液に酸性物質(酸性化合物)を添加し、分散液のpHを塩基性から酸性、好ましくはpH2〜5に調整し、しかる後、遠心分離や濾過等の手段により過剰の酸性化合物を除去する方法があげられる。
【0041】
また、上記第1〜第3工程からなるマイクロカプセル型硬化剤の製法において、第2工程として、マイクロカプセル分散液を酸性陽イオン交換樹脂カラムを通すことにより、未反応の遊離アミンを除去したり、残存アミノ基を中和させる手法も用いられる。
【0042】
得られたマイクロカプセル型硬化剤の平均粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂等への均一な分散性の点から、0.05〜500μmの範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.1〜30μmである。なお、本発明において、上記マイクロカプセル型硬化剤の形状としては球状が好ましいが楕円状であってもよい。そして、このマイクロカプセルの形状が真球状ではなく楕円状や偏平状等のように一律に粒径が定まらない場合には、その最長径と最短径との単純平均値を平均粒径とする。
【0043】
上記マイクロカプセル型硬化剤において、内包される硬化剤の量は、マイクロカプセル全量の10〜95重量%に設定することが好ましく、特に好ましくは30〜80重量%である。すなわち、硬化剤の内包量が10重量%未満では、硬化反応の時間が長くなりすぎて反応性に乏しくなり、逆に硬化剤の内包量が95重量%を超えると、壁膜の厚みが薄すぎてコア部(硬化剤)の隔離性や機械的強度に乏しくなる恐れがあるからである。
【0044】
また、上記マイクロカプセル型硬化剤の粒径に対するシェル部(壁膜)の厚みの比率は3〜25%に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜25%に設定される。すなわち、上記比率が3%未満ではエポキシ樹脂組成物製造時の混練工程において加わる剪断力(シェア)に対して充分な機械的強度が得られず、また、25%を超えると内包される硬化剤の放出が不充分となる傾向がみられるからである。
【0045】
(2)つぎに、本発明のマイクロカプセル型硬化促進剤について述べる。このマイクロカプセル型硬化促進剤は、上記のように、硬化促進剤からなるコア部が、下記の一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とするシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するものである。
【0046】
【化5】
Figure 0003957239
【0047】
上記コア部を構成する硬化促進剤としては、重合体の硬化反応を促進する作用を有するものであれば特に限定するものではなく、例えば、接着剤や塗料、コーティング剤、封止材等の用途に硬化促進剤として用いるものが使用できる。この場合、マイクロカプセルを調製する際の作業性や得られるマイクロカプセルの特性の点から、常温で液状を示す硬化促進剤が好ましい。なお、本発明において、常温で液状とは、硬化促進剤自体の性状が常温で液状である場合のほか、常温で固体であっても任意の有機溶媒等に溶解もしくは分散させて液状にしたものをも含むものである。
【0048】
そして、上記硬化促進剤としては、例えば、アミン系、イミダゾール系、リン系、ホウ素系、リン−ホウ素系等の硬化促進剤があげられる。具体的には、エチルグアニジン、トリメチルグアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジン等のアルキル置換グアニジン類、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素等の3−置換フェニル−1,1−ジメチル尿素類、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン等のイミダゾリン類、2−アミノピリジン等のモノアミノピリジン類、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロピル)アミン−N′−ラクトイミド等のアミンイミド系類、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、フェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン/トリフェニルボラン錯体、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の有機リン系化合物、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン等のジアザビシクロウンデセン系化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、硬化促進剤含有マイクロカプセルの作製の容易さ、また取扱い性の容易さという点から、上記イミダゾール系化合物や有機リン系化合物が好適に用いられる。なお、前記硬化剤として例示した化合物も硬化促進剤として用いることができる。
【0049】
上記式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とする重合体は、先に述べた反応と同様、多価イソシアネート類と多価アミン類との重付加反応によって得られる。あるいは、多価イソシアネート類と水との反応によって得られる。
【0050】
上記多価イソシアネート類および多価アミン類は、前記マイクロカプセル型硬化剤と同様のものがあげられる。
【0051】
本発明のマイクロカプセル型硬化促進剤は、前記マイクロカプセル型硬化剤と同様、例えば、下記に示す3段階の工程を経由することにより作製される。
【0052】
〔第1工程〕
コア成分である硬化促進剤を、壁膜(シェル)の原料である多価イソシアネート中に溶解もしくは微分酸して油相を形成する。ついで、分散安定剤を含有する水系媒体(水相)中に、上記油相を油滴状に分散させてO/W型(油相/水相型)のエマルジョンを作製する。つぎに、上記O/W型エマルジョンの水相に、多価アミンを添加して溶解することにより、油相中の多価イソシアネートとの間で界面重合させて重付加反応を生起する。あるいは、上記O/W型エマルジョンを加温することによって、油相中の多価イソシアネートが水相との界面で水と反応してアミンを生成し、引き続き自己重付加反応を生起する。このようにして、ポリウレア系の重合体、好ましくは前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリウレアをシェル部(壁膜)とするマイクロカプセルを作製することにより、マイクロカプセル分散液が得られる。
【0053】
一方、固体状の硬化促進剤を有機溶剤に溶解してコア成分とする場合には、S/O/W(固相/油相/水相)タイプのエマルジョンとなる。また、このエマルジョンタイプは硬化促進剤が親油性の場合であり、硬化促進剤が親水性を有する場合には上記エマルジョンタイプに形成され難いが、この場合には溶解度の調整を行うことによりO/O(油相/油相)型のエマルジョンタイプや、S/O/O(固相/油相/油相)型のエマルジョンタイプとして界面重合を行えばよい。
【0054】
この場合の有機溶剤としては、常温で液状であれば特に限定するものではないが、少なくともシェル部(壁膜)を溶解しないものを選択する必要がある。具体的には、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、塩化メチレン、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤の他、フェニルキシリルエタン、ジアルキルナフタレン等のオイル類を用いることができる。
【0055】
〔第2工程〕
上記第1工程で得られたマイクロカプセル分散液に対して、ブロック化剤を添加し溶解もしくは分散させる。このとき、遠心分離等により一度水相中の分散安定剤や未反応アミンを取り除いた後に、上記ブロック化剤を添加することが効果的である。
【0056】
〔第3工程〕
上記第2工程でアミノ基をブロック化剤でブロックしたマイクロカプセル分散液を、遠心分離や濾過等により、過剰のブロック化剤を取り除いた後、乾燥することにより、粉末状のマイクロカプセル型硬化促進剤を作製することができる。
【0057】
まず、上記第1工程において用いる分散安定剤の種類および添加量は、前記マイクロカプセル型硬化剤の製造工程と同様に設定される。
【0058】
また、上記第2工程において使用するブロック化剤も前記マイクロカプセル型硬化剤で使用した化合物と同様のものが用いられる。さらに、上記ブロック化剤の添加量も、前記マイクロカプセル型硬化剤と同様に設定される。
【0059】
また、上記第1〜第3工程からなるマイクロカプセル型硬化促進剤の製法において、第2工程として、マイクロカプセル分散液を酸性陽イオン交換樹脂カラムを通すことにより、未反応の遊離アミンを除去したり、残存アミノ基を中和させる手法も用いられる。
【0060】
得られたマイクロカプセル型硬化促進剤の平均粒径も、前記マイクロカプセル型硬化剤と同様、0.05〜500μmの範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.1〜30μmである。
【0061】
さらに、上記マイクロカプセル型硬化促進剤の、内包される硬化促進剤の量は、マイクロカプセル全量の10〜95重量%に設定することが好ましく、特に好ましくは30〜80重量%である。すなわち、硬化促進剤の内包量が10重量%未満では、硬化反応の時間が長くなりすぎて反応性に乏しくなり、逆に硬化促進剤の内包量が95重量%を超えると、壁膜の厚みが薄すぎてコア部(硬化剤)の隔離性や機械的強度に乏しくなる恐れがあるからである。
【0062】
また、上記マイクロカプセル型硬化促進剤の粒径に対するシェル部(壁膜)の厚みの比率は3〜25%に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜25%に設定される。すなわち、上記比率が3%未満ではエポキシ樹脂組成物製造時の混練工程において加わる剪断力(シェア)に対して充分な機械的強度が得られず、また、25%を超えると内包される硬化促進剤の放出が不充分となる傾向がみられるからである。
【0063】
(3)つぎに、上記マイクロカプセル型硬化剤、マイクロカプセル型硬化促進剤を用いることによりエポキシ樹脂組成物が得られる。まず、第1のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、上記特定のマイクロカプセル型硬化剤を用いて得られるものであり、エポキシ樹脂100重量部(以下「部」と略す)に対して上記特定のマイクロカプセル型硬化剤を1〜80部の割合で配合することが好ましく、より好ましくは5〜50部である。また、第2のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、上記特定のマイクロカプセル型硬化促進剤を用いて得られるものであり、エポキシ樹脂100部に対して上記特定のマイクロカプセル型硬化促進剤を0.1〜30部の割合で配合することが好ましく、より好ましくは1〜20部である。この場合の、マイクロカプセル型硬化剤もしくはマイクロカプセル型硬化促進剤の配合部数は、マイクロカプセル中の硬化剤もしくは硬化促進剤を基本としたものであり、壁膜部分の重量は含まない。
【0064】
上記第1および第2のエポキシ樹脂組成物における、エポキシ樹脂としては、液状であっても固形状であってもよく、通常、エポキシ当量が100〜3500程度のもので、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するものを好ましく用いることができる。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、ヒダントインエポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリグリシジルエーテルトリフェニルメタン等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、4,4′−ビス(グリシジルオキシ)−3,3′−ジアリルビフェニル等のビフェニル型エポキシ樹脂、ホルマリン以外のアルデヒドを用いて縮合反応によって得られるフェノール樹脂をベースとするエポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらエポキシ樹脂のなかでも、マイクロカプセルを形成する壁膜材料の加熱時における速やかな破壊という点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0065】
上記硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであれば特に限定するものではなく、エポキシ樹脂用硬化剤として加熱硬化に用いられる各種硬化剤があげられる。具体的には、ジシアンジアミド系、イミダゾール系、フェノール系、酸無水物系、酸ヒドラジド系、フッ素化ホウ素化合物系、アミンイミド系、アミン系等のエポキシ樹脂の硬化剤があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これら硬化剤の配合量は、上記エポキシ樹脂100部に対して1〜200部、好ましくは5〜100部の範囲に設定される。
【0066】
そして、必要に応じて本発明のエポキシ樹脂組成物に含有させることのできる充填剤としては、シリカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、石英粉、ガラス繊維、カオリン、マイカ、アルミナ、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、ドロマイト、ジルコン、チタン化合物、モリブデン化合物、アンチモン化合物等があげられる。これら充填剤は、エポキシ樹脂組成物全体中、90重量%以下、好ましくは0.1〜85重量%の範囲で含有させることができる。
【0067】
また、上記充填剤に加えて、シランカップリング剤や顔料、老化防止剤、その他任意の各種添加剤も目的や用途に応じて適宜配合することができる。さらに、銅や亜鉛、ニッケル、カドミウム、ステンレス、アルミニウム、銀等の金属粉末を配合して、本発明のエポキシ樹脂組成物に導電性を付与することもできる。導電性を付与する場合には、上記金属粉末をエポキシ樹脂組成物全体中に25重量%以上配合することが好ましく、より好ましくは70〜90重量%である。
【0068】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、ロール、ミキサー、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ニーダー、ディスパー等を用いて、常温下で均一に分散、混合することにより得ることができる。
【0069】
(4)つぎに、前記マイクロカプセル型硬化促進剤を用いてなる、半導体封止用エポキシ樹脂組成物について述べる。
【0070】
上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、フェノール樹脂(B成分)と、無機質充填剤(C成分)と、前記マイクロカプセル型硬化促進剤(D成分)とを用いて得られるものであって、通常、粉末状もしくはそれを打錠したタブレット状になっている。
【0071】
上記半導体封止におけるエポキシ樹脂としては、特に限定するものではなく従来公知の各種エポキシ樹脂があげられる。例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ノボラックビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂等があげられる。なかでも、低粘度で低吸湿性を備えているという点から、下記の一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0072】
【化6】
Figure 0003957239
【0073】
上記式(2)において、R3 〜R6 として、水素原子、メチル基を有するものが好ましく、特にそのなかでも、メチル基を有するものが、低吸湿性および反応性の点から一層好ましい。
【0074】
上記一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量120〜300、軟化点50〜130℃のものが好ましい。
【0075】
上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用いられるフェノール樹脂(B成分)としては、上記エポキシ樹脂(A成分)に対して硬化作用を奏する各種フェノール樹脂が用いられる。例えば、アラルキル系フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、トリフェニルメタン系フェノール樹脂が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、フェノールアラルキル樹脂を用いることが好ましく、具体的には下記の一般式(3)で表されるフェノールアラルキル樹脂を用いることが特に好ましい。
【0076】
【化7】
Figure 0003957239
【0077】
上記式(3)において、繰り返し数nは0〜40の範囲が好ましく、特に好ましくはn=0〜30の範囲である。
【0078】
上記一般式(3)で表されるフェノールアラルキル樹脂は、水酸基当量150〜220、軟化点40〜110℃が好ましく、より好ましくは水酸基当量150〜200、軟化点50〜90℃である。
【0079】
上記エポキシ樹脂(A成分)とフェノール樹脂(B成分)の配合割合は、上記エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.8〜1.2当量となるように配合することが好適である。より好適なのは0.9〜1.1当量である。
【0080】
上記A成分およびB成分とともに用いられる無機質充填剤(C成分)としては、シリカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミナ、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等があげられる。なかでも、溶融シリカ、結晶性シリカが好ましく用いられ、具体的には、破砕状結晶性シリカ、球状溶融シリカが特に好ましく用いられ、これらを単独でもしくは混合して用いられる。
【0081】
上記無機質充填剤(C成分)の配合量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物全体の75重量%以上に設定することが好ましく、特に好ましくは80〜95重量%である。すなわち、無機質充填剤(C成分)の配合量が75重量%未満では、半田耐熱性が大幅に低下する傾向がみられるからである。
【0082】
上記A〜C成分とともに用いられる特定のマイクロカプセル型硬化促進剤(D成分)は、先に述べたものが使用される。そして、半導体封止材料として使用する場合での内包される硬化促進剤としては、先に述べた化合物のなかでも、トリフェニルホスフィン、トリス−(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリメタトリルホスフィン、トリス−(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン/トリフェニルボラン錯体等の有機リン系化合物、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、ジメチルベンジルアミン等の三級アミン系化合物、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7等のジアザビシクロウンデセン系化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、これら硬化促進剤のなかでも、信頼性の面から有機リン化合物が好ましい。
【0083】
上記特定のマイクロカプセル型硬化促進剤(D成分)の配合量は、エポキシ樹脂(A成分)100部に対して0.1〜30部に設定することが好ましい。特に好ましくは5〜15部の割合である。すなわち、上記マイクロカプセル型硬化促進剤(D成分)の配合量が0.1部未満では、硬化速度が遅すぎて強度の低下を引き起こす傾向がみられ、30部を超えると硬化速度が速すぎて流動性が損なわれる傾向がみられるからである。この場合、マイクロカプセル型硬化促進剤の配合部数は、マイクロカプセル中の硬化促進剤を基本としたものであり、壁膜部分の重量は含まない。
【0084】
なお、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記A〜D成分以外に、必要に応じて他の添加剤を適宜に配合することができる。
【0085】
上記他の添加剤としては、難燃剤、ワックス等があげられる。
【0086】
上記難燃剤としては、ノボラック型ブロム化エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0087】
上記ワックスとしては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物があげられ、具体的にはポリエチレン系ワックス等が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0088】
さらに、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記他の添加剤以外にシリコーンオイルおよびシリコーンゴム、合成ゴム等の成分を配合して低応力化を図ったり、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的としてハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等のイオントラップ剤を配合してもよい。
【0089】
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。まず、先に述べたような製造工程を経由することにより、特定のマイクロカプセル型硬化促進剤(D成分)を作製する。
【0090】
ついで、上記マイクロカプセル型硬化促進剤(D成分)とともに、残りの他の成分を全て混合した後、ミキシングロール機等の混練機にかけ加熱状態で混練りして溶融混合する。つぎに、これを室温にて冷却した後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程を経由することにより目的とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造することができる。
【0091】
本発明において、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いてなる半導体素子の封止は、特に限定するものではなく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド方法により行うことができる。
【0092】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0093】
【実施例1】
〔マイクロカプセル型硬化促進剤の調製〕
キシリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物11部、トリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物4.6部を、硬化促進剤としてのトリフェニルホスフィン7部と酢酸エチル3.9部との混合液中に均一に溶解させて油相を調製した。
【0094】
蒸留水100部とポリビニルアルコール5部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調製した油相を添加してホモミキサーにて乳化しエマルジョン状態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重合反応器に仕込んだ。
【0095】
一方、トリエチレンテトラミン3部を含む水溶液10部を調製し、これを上記重合反応器に備えた滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型硬化促進剤の水性サスペンジョンを得た。続いて、遠心分離により水相中のポリビニルアルコール等を除去した後、蒸留水100部を加え再び分散を行いサスペンジョンを得た。
【0096】
このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し系のpHを3に調整した。これにより壁膜表面および内部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプセル型硬化促進剤を作製した。このようにして得られたマイクロカプセル型硬化促進剤は遠心分離にて分別、水洗を繰り返した後、乾燥することによって自由流動性を有する粉末状粒子として単離した。このマイクロカプセル型硬化促進剤の平均粒径は2μmであった。また、マイクロカプセルの粒径に対するシェル厚み比率は15%であり、トリフェニルホスフィンの内包量は全体の30重量%であった。
【0097】
〔マイクロカプセル型硬化促進剤含有半導体封止用エポキシ樹脂組成物の作製〕
前記一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量200:式(2)中、R3 〜R6 は全てメチル基)128部、前記一般式(3)で表されるフェノールアラルキル樹脂(水酸基当量175:式(3)中、n=0〜21)99部、球状溶融シリカ粉末1280部、破砕結晶性シリカ粉末550部、ポリエチレン系ワックス3部、上記マイクロカプセル型硬化促進剤12部を配合し、ミキシングロール機(100℃)で混練して冷却した後粉砕することにより半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
【0098】
【実施例2】
蟻酸に代えて、p−トルエンスルホン酸を使用した。それ以外は実施例1と同様にして半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0099】
【実施例3】
蟻酸に代えて、乳酸を使用した。それ以外は実施例1と同様にして半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0100】
【実施例4】
蟻酸に代えて、ホウ酸を1部使用し、その後、遠心分離をせずに乾燥を行った。それ以外は実施例1と同様にして半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0101】
【実施例5】
蟻酸に代えて、ブチルグリシジルエーテルを0.2部使用した。それ以外は実施例1と同様にして半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0102】
【実施例6】
蟻酸に代えて、ホルムアルデヒドを0.1部使用した。それ以外は実施例1と同様にして半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0103】
【比較例1】
蟻酸を用いなかった。それ以外は実施例1と同様にして半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0104】
【比較例2】
前記一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量200:式(2)中、R3 〜R6 は全てメチル基)128部、前記一般式(3)で表されるフェノールアラルキル樹脂(水酸基当量175:式(3)中、n=0〜21)99部、球状溶融シリカ粉末1280部、破砕結晶性シリカ粉末550部、ポリエチレン系ワックス3部、トリフェニルホスフィン2.8部を配合し、ミキシングロール機(100℃)で混練して冷却した後粉砕することにより半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
【0105】
【実施例7】
〔マイクロカプセル型硬化剤の調製〕
キシリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物10部を、硬化剤としての1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール10部とトルエン10部との混合液中に均一に溶解させて油相を調製した。
【0106】
蒸留水100部とポリビニルアルコール5部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調製した油相を添加してホモミキサーにて乳化しエマルジョン状態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重合反応器に仕込んだ。
【0107】
一方、トリエチレンテトラミン3部を含む水溶液10部を調製し、これを上記重合反応器に備えた滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型硬化剤の水性サスペンジョンを得た。続いて、遠心分離により水相中のポリビニルアルコール等を除去した後、蒸留水100部を加え再び分散を行いサスペンジョンを得た。
【0108】
このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し系のpHを3に調整した。これにより壁膜表面および内部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプセル型硬化剤を作製した。このようにして得られたマイクロカプセル型硬化剤は遠心分離にて分別、水洗を繰り返した後、乾燥することによって自由流動性を有する粉末状粒子として単離した。このマイクロカプセル型硬化剤の平均粒径は3μmであった。また、マイクロカプセルの粒径に対するシェル厚み比率は8%であり、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールの内包量は全体の50重量%であった。
【0109】
〔マイクロカプセル型硬化剤含有エポキシ樹脂組成物の作製〕
上記のようにして得られたマイクロカプセル型硬化剤10部を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、重量平均分子量380、25℃での粘度125ポイズ)100部に添加し、混合釜にて常温で1時間混練し、さらに3本ロールミルに通すことによりエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0110】
【比較例3】
蟻酸を用いなかった。それ以外は実施例7と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
【0111】
【比較例4】
1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール4部を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、重量平均分子量380、25℃での粘度125ポイズ)100部に添加し、混合釜にて常温で10分間混練し、さらに3本ロールミルに通すことによりエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0112】
【実施例8】
〔マイクロカプセル型硬化促進剤の調製〕
キシリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物10部を、硬化促進剤としての平均粒径3μmの3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素10部と、溶媒としてのジイソプロピルナフタレン10部をボールミルで均一に混合して、硬化促進剤粒子が均一に分散したS(固相)/O(油相)型の油相を調製した。
【0113】
蒸留水100部とポリビニルアルコール5部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調製した油相を添加してホモミキサーにて乳化しエマルジョン状態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重合反応器に仕込んだ。
【0114】
一方、ジエチレントリアミン3部を含む水溶液10部を調製し、これを上記重合反応器に備えた滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型硬化促進剤の水性サスペンジョンを得た。続いて、遠心分離により水相中のポリビニルアルコール等を除去した後、蒸留水100部を加え再び分散を行いサスペンジョンを得た。
【0115】
このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し系のpHを3に調整した。これにより壁膜表面および内部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプセル型硬化促進剤を作製した。このようにして得られたマイクロカプセル型硬化促進剤は遠心分離にて分別、水洗を繰り返した後、乾燥することによって自由流動性を有する粉末状粒子として単離した。このマイクロカプセル型硬化剤の平均粒径は6μmであった。また、マイクロカプセルの粒径に対するシェル厚み比率は7%であり、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素の内包量は全体の30重量%であった。
【0116】
〔マイクロカプセル型硬化促進剤含有エポキシ樹脂組成物の作製〕
上記のようにして得られたマイクロカプセル型硬化促進剤5部を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、重量平均分子量380、25℃での粘度125ポイズ)100部と、ジシアンジアミド8部とともに混合釜にて常温で1時間混練し、さらに3本ロールミルに通すことによりエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0117】
【比較例5】
蟻酸を用いなかった。それ以外は実施例8と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0118】
【比較例6】
平均粒径3μmの3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素1部を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量約190、重量平均分子量380、25℃での粘度125ポイズ)100部と、ジシアンジアミド8部とともに混合釜にて常温で1時間混練し、さらに3本ロールミルに通すことによりエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0119】
【実施例9】
〔マイクロカプセル型硬化促進剤の調製〕
キシリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物11部、ポリテトラメチレングリコール5部を、硬化促進剤としてのトリフェニルホスフィン7部と酢酸エチル3.9部との混合液中に均一に溶解させて油相を調製した。
【0120】
蒸留水100部とポリビニルアルコール5部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調製した油相を添加してホモミキサーにて乳化しエマルジョン状態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重合反応器に仕込んだ。
【0121】
一方、ジエチレントリアミン3部を含む水溶液10部を調製し、これを上記重合反応器に備えた滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型硬化促進剤の水性サスペンジョンを得た。続いて、遠心分離により水相中のポリビニルアルコール等を除去した後、蒸留水100部を加え再び分散を行いサスペンジョンを得た。
【0122】
このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し系のpHを3に調整した。これにより壁膜表面および内部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプセル型硬化促進剤を作製した。このようにして得られたマイクロカプセル型硬化促進剤は遠心分離にて分別、水洗を繰り返した後、乾燥することによって自由流動性を有する粉末状粒子として単離した。このマイクロカプセル型硬化剤の平均粒径は2μmであった。また、壁膜(シェル部分)はウレア結合の他にウレタン結合を併有していた。そして、マイクロカプセルの粒径に対するシェル厚み比率は13%であり、トリフェニルホスフィンの内包量は全体の30重量%であった。
【0123】
〔マイクロカプセル型硬化促進剤含有半導体封止用エポキシ樹脂組成物の作製〕
前記一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量200:式(2)中、R3 〜R6 は全てメチル基)128部、前記一般式(3)で表されるフェノールアラルキル樹脂(水酸基当量175:式(3)中、n=0〜21)99部、球状溶融シリカ粉末1280部、破砕結晶性シリカ粉末550部、ポリエチレン系ワックス3部、上記マイクロカプセル型硬化促進剤18部を配合し、ミキシングロール機(100℃)で混練して冷却した後粉砕することにより半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
【0124】
【比較例7】
蟻酸を用いなかった。それ以外は実施例9と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0125】
【実施例10】
〔マイクロカプセル型硬化促進剤の調製〕
キシリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物11部、トリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物4.6部を、硬化促進剤としてのトリメタトリルホスフィン7部とクロロホルム15部との混合液中に均一に溶解させて油相を調製した。
【0126】
蒸留水100部とポリビニルアルコール5部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調製した油相を添加してホモミキサーにて乳化しエマルジョン状態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重合反応器に仕込んだ。
【0127】
一方、トリエチレンテトラミン3部を含む水溶液10部を調製し、これを上記重合反応器に備えた滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型硬化促進剤の水性サスペンジョンを得た。続いて、遠心分離により水相中のポリビニルアルコール等を除去した後、蒸留水100部を加え再び分散を行いサスペンジョンを得た。
【0128】
このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し系のpHを3に調整した。これにより壁膜表面および内部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプセル型硬化促進剤を作製した。このようにして得られたマイクロカプセル型硬化促進剤は遠心分離にて分別、水洗を繰り返した後、乾燥することによって自由流動性を有する粉末状粒子として単離した。このマイクロカプセル型硬化剤の平均粒径は3μmであった。そして、マイクロカプセルの粒径に対するシェル厚み比率は10%であり、トリメタトリルホスフィンの内包量は全体の30重量%であった。
【0129】
〔マイクロカプセル型硬化促進剤含有半導体封止用エポキシ樹脂組成物の作製〕
前記一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量200:式(2)中、R3 〜R6 は全てメチル基)128部、前記一般式(3)で表されるフェノールアラルキル樹脂(水酸基当量175:式(3)中、n=0〜21)99部、球状溶融シリカ粉末1280部、破砕結晶性シリカ粉末550部、ポリエチレン系ワックス3部、上記マイクロカプセル型硬化促進剤18部を配合し、ミキシングロール機(100℃)で混練して冷却した後粉砕することにより半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
【0130】
上記各実施例および比較例にて得られたエポキシ樹脂組成物の各特性を、下記に示す試験方法に従って測定し、その結果を下記の表1に示した。
【0131】
〔硬化性〕
ゲルタイム法および熱時硬度により評価した。
【0132】
▲1▼ゲルタイム法
150℃もしくは175℃における硬化時間を熱板式ゲルタイム測定法によって測定した。なお、実施例7,8、比較例3〜6については、測定温度を150℃とし、それ以外は175℃で測定した。
【0133】
▲2▼熱時硬度
175℃×180秒の成形条件で成形して得られた硬化物の硬度(ショアーD)を測定した。
【0134】
〔貯蔵安定性〕
各実施例および比較例にて得られたエポキシ樹脂組成物を、30℃×1か月の条件下で貯蔵し、粘度、ゲルタイム、熱時硬度の変化率を求めた。
【0135】
粘度に関しては、実施例7,8、比較例3〜6については、BH型粘度計により30℃においての粘度を測定した。それ以外はフローテスター粘度計により175℃での粘度を測定した。
【0136】
▲1▼粘度変化率(%)=(30℃×1か月後の粘度値)/(初期の粘度値)×100
【0137】
▲2▼ゲルタイム変化率(%)=(30℃×1か月後のゲルタイム値)/(初期のゲルタイム値)×100
【0138】
▲3▼熱時硬度変化率(%)=(30℃×1か月後のショアーD硬度値)/(初期のショアーD硬度値)×100
【0139】
【表1】
Figure 0003957239
【0140】
上記表1の結果から、実施例品では、ゲルタイム変化率が比較例品に比べて小さく、熱時硬度変化率は全て90%を超えていた。これらのことから、実施例品は貯蔵安定性に優れていることがわかる。これに対して、マイクロカプセル型硬化剤あるいはマイクロカプセル型硬化促進剤のアミノ基を酸性化合物でブロック化しなかった比較例品はゲルタイム変化率が高く、熱時硬度低下率が大きかった。さらに、硬化剤あるいは硬化促進剤をそのまま配合した比較例2,4,6品では、30℃の条件下、2日、1日、10日でそれぞれゲル化してしまった。
【0141】
つぎに、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物(実施例1〜6、実施例9、実施例10、比較例1,2、比較例7)を用いて、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわち、上記各実施例および比較例で得られた粉末状のエポキシ樹脂組成物を用いてタブレット状(直径:24.5mm×厚み20mm)に予備成形し、このタブレットを30℃の温度条件で10日間放置した。ついで、この放置したタブレットを用いて半導体装置〔80ピン四方向フラットパッケージ:QFP−80(14mm×20mm×厚み2.7mm)、リードフレームMF202、半導体素子(8mm×8mm×厚み0.37mm)〕をトランスファー成形(条件:175℃×2分)にて作製した。
【0142】
〔成形不良評価〕
まず、得られた半導体装置について、成形不良が発生した個数(120個中)を測定した。すなわち、自動成形機(TOWA社製、VPS−40)で上記QFP−80(14mm×20mm×厚み2.7mm)を10ショット成形して、未充填の発生、ボイドの形成を評価した。なお、上記ボイドの形成は、軟X線装置にて測定し、直径0.1mm以上のものが形成されたものを不良とした。
【0143】
また、得られた半導体装置を、121℃×2気圧×100%RH放置の条件に供し(PCTテスト)、パッケージ中のテストデバイスの通電試験を行い、ショートしたものを不良とした。
【0144】
〔耐半田クラック発生率〕
さらに、得られた半導体装置を用い、120℃×1時間のプリベーク後、これを85℃/85%RH×168時間吸湿させた後、215℃のVPS(ベーパーフェイズソルダリング)で90秒の評価試験(耐クラック性)を行った。その結果を下記の表2に示す。
【0145】
【表2】
Figure 0003957239
【0146】
上記表2の結果から、全ての実施例品は、ボイドの発生も未充填も生じておらず、良好な成形性を示し、かつPCTテストおよび耐半田性試験において良好な結果を示していることから、高い信頼性が得られたことがわかる。一方、比較例品は、充分な硬化性が得られていない点から、信頼性が低いものであった。
【0147】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、硬化剤もしくは硬化促進剤からなるコア部が、例えば、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とするシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプセル型の硬化剤あるいは硬化促進剤であって、上記シェル部に存在する反応性のアミノ基がブロック化されている。このため、例えば、エポキシ樹脂中に配合してもエポキシ樹脂との間で反応が生じず、優れた貯蔵安定性を有し、経時の硬化反応性の低下を防止することができる。
【0148】
そして、上記マイクロカプセル型硬化剤、マイクロカプセル型硬化促進剤は、これらが分散された媒体に、アミノ基と反応してアミノ基をブロックする化合物を添加して、未反応のアミノ基をブロックすることにより容易に得られる。
【0149】
このようなマイクロカプセル型硬化剤あるいはマイクロカプセル型硬化促進剤を、エポキシ樹脂とともに用いてなるエポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れ、経時で硬化反応性が低下するという問題が生じない。
【0150】
さらに、上記マイクロカプセル型硬化促進剤を、エポキシ樹脂、フェノール樹脂および無機質充填剤とともに用いてなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物も、上記と同様、貯蔵安定性に優れたものとなる。
【0151】
このように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、封止材に限らず、接着剤や接着シート、各種成形材料、積層板、液状塗料、粘着剤、粘接着材等の多種の用途に適したものである。

Claims (11)

  1. 硬化剤からなるコア部が、下記の一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とするシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤であって、上記シェル部に存在する反応性アミノ基がブロック化されていることを特徴とするエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
    Figure 0003957239
  2. 上記アミノ基のブロック化が、酸性化合物を用いてブロック化されている請求項1記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
  3. 上記アミノ基が、一般式(1)で表されるシェル部の合成原料に由来するものである請求項1または2記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤。
  4. 硬化促進剤からなるコア部が、下記の一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とするシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤であって、上記シェル部に存在する反応性アミノ基がブロック化されていることを特徴とするエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤。
    Figure 0003957239
  5. 上記アミノ基のブロック化が、酸性化合物を用いてブロック化されている請求項4記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤。
  6. 上記アミノ基が、一般式(1)で表されるシェル部の合成原料に由来するものである請求項4または5記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤。
  7. 多価イソシアネートと硬化剤を含有する疎水性液体を、水系溶媒中に乳化させてO/W型エマルジョンを調製した後、このO/W型エマルジョンに多価アミンを添加して水相部分を溶解させ、上記多価イソシアネートと多価アミンとをO/W界面で界面重合させることによりポリウレアを生成させるか、もしくは、上記O/W型エマルジョンの油相中の多価イソシアネートと水相中の水との反応によりアミンを生成させ、このアミンと多価イソシアネートとをO/W界面で界面重合させることによりポリウレアを生成させて、硬化剤からなるコア部が、上記ポリウレアからなるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤を媒体中に生成させるエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤の製造方法であって、上記エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤が分散された媒体に、下記の化合物(α)を添加して、上記ポリウレアからなるシェル部に存在する未反応のアミノ基をブロックすることを特徴とするエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤の製法。
    (α)アミノ基と反応してアミノ基をブロックする化合物。
  8. 多価イソシアネートと硬化促進剤を含有する疎水性液体を、水系溶媒中に乳化させてO/W型エマルジョンを調製した後、このO/W型エマルジョンに多価アミンを添加して水相部分を溶解させ、上記多価イソシアネートと多価アミンとをO/W界面で界面重合させることによりポリウレアを生成させるか、もしくは、上記O/W型エマルジョンの油相中の多価イソシアネートと水相中の水との反応によりアミンを生成させ、このアミンと多価イソシアネートとをO/W界面で界面重合させることによりポリウレアを生成させて、硬化促進剤からなるコア部が、上記ポリウレアからなるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤を媒体中に生成させるエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤の製造方法であって、上記エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤が分散された媒体に、下記の化合物(α)を添加して、上記ポリウレアからなるシェル部に存在する未反応のアミノ基をブロックすることを特徴とするエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤の製法。
    (α)アミノ基と反応してアミノ基をブロックする化合物。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤と、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  10. 請求項4〜6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤と、エポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  11. 下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    (A)エポキシ樹脂。
    (B)フェノール樹脂。
    (C)無機質充填剤。
    (D)請求項4〜6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化促進剤。
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