JPH11343332A - マイクロカプセル型硬化剤、マイクロカプセル型硬化促進剤およびそれらの製法、ならびにエポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

マイクロカプセル型硬化剤、マイクロカプセル型硬化促進剤およびそれらの製法、ならびにエポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物

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JPH11343332A
JPH11343332A JP15342998A JP15342998A JPH11343332A JP H11343332 A JPH11343332 A JP H11343332A JP 15342998 A JP15342998 A JP 15342998A JP 15342998 A JP15342998 A JP 15342998A JP H11343332 A JPH11343332 A JP H11343332A
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Sadahito Misumi
貞仁 三隅
Minoru Yamane
実 山根
Tadaaki Harada
忠昭 原田
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和弘 池村
Takashi Taniguchi
剛史 谷口
Shinichi Oizumi
新一 大泉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】貯蔵時の安定性に優れ、しかも、経時で硬化反
応性の低下を防止することのできる、マイクロカプセル
型硬化剤を提供する。 【解決手段】硬化剤からなるコア部が、下記の一般式
(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とす
るシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するマイ
クロカプセル型硬化剤であって、上記シェル部に存在す
るアミノ基がブロック化されている。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯蔵安定性および
機械的強度に優れ、熱賦活時の内包物の放出性に優れる
マイクロカプセル型硬化剤、マイクロカプセル型硬化促
進剤、およびそれらの製法、ならびにエポキシ樹脂組成
物、さらに半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、エポキシ樹脂は、接着剤や塗
料、コーティング剤、封止材、積層体等の多岐にわたる
用途に用いられている。また、これらエポキシ樹脂に
は、通常、各種硬化剤や硬化促進剤が含有されている。
汎用されているエポキシ樹脂組成物には、アミンやルイ
ス酸、酸無水物のような硬化剤や硬化促進剤を使用する
直前にエポキシ樹脂と混合する、いわゆる2液型の組成
物がある。このような2液型のものでは、エポキシ樹脂
と硬化剤とを別々に保存しておき必要に応じて両者を混
合して用いるが、混合した後の可使時間が比較的短いた
めに多量に混合しておくことができず、したがって、多
量に使用する場合には少量ずつ何度も配合を分けて行う
必要があり、作業能率が極めて悪いものであった。
【0003】一方、このような問題を解決するものとし
て、エポキシ樹脂に予め配合しておいても硬化反応が生
じず、光照射や加熱によって硬化反応が起こるような潜
在性硬化剤もしくは潜在性硬化促進剤を用いた1液型の
ものが種々提案されている。しかしながら、これらの潜
在性硬化剤や潜在性硬化促進剤を用いてもエポキシ樹脂
に配合した場合の貯蔵安定性に優れるものは、硬化反応
を比較的高温条件で行う必要があり、また、低温条件で
硬化するものは貯蔵安定性が悪いという問題を有してい
る。このように、貯蔵安定性と硬化性との両性能におい
てバランスがとれた良好なものは未だ開発されていない
のが実状である。
【0004】ところで、近年、エポキシ樹脂組成物の構
成成分のうちの1成分をマイクロカプセル化して1液保
存を行う方法が提案されている。具体的には、特公昭5
4−31468号公報や特開平1−242616号公
報、特開平2−292325号公報、特開平3−182
520号公報、特開平5−123565号公報、特開平
8−337633号公報、特開平9−3164号公報等
には、硬化剤や硬化促進剤を内包するマイクロカプセル
をエポキシ樹脂に配合する技術が開示されている。これ
らの公報には、上記マイクロカプセルの壁膜材料とし
て、エポキシ樹脂硬化物、ポリスチレン、ポリメタクリ
ル酸メチル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレ
ア樹脂、ポリウレタン樹脂等があげられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなマイクロ
カプセルを用いた1液型のエポキシ樹脂組成物は、貯蔵
時の保存安定性や加熱使用時の硬化性、硬化物の優れた
物性をバランス良く満足させる必要があり、これら特性
はマイクロカプセルの壁膜を構成する材料に大きく左右
される。上記にあげた壁膜材料のなかで、ポリウレア樹
脂は貯蔵安定性と硬化反応性のバランスにおいて比較的
優れている。しかしながら、これら壁膜を有するマイク
ロカプセルを調製してエポキシ樹脂中に配合した場合、
反応が生じて、経時で硬化反応性が低下するという問題
を有していた。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、貯蔵時の安定性に優れ、しかも、経時で硬化反
応性の低下を防止することのできる、マイクロカプセル
型硬化剤、マイクロカプセル型硬化促進剤およびそれら
の製法、ならびにエポキシ樹脂組成物の提供をその目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、硬化剤からなるコア部が、下記の一般式
(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とす
るシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するマイ
クロカプセル型硬化剤であって、上記シェル部に存在す
る反応性アミノ基がブロック化されているマイクロカプ
セル型硬化剤を第1の要旨とする。
【0008】
【化3】
【0009】また、硬化促進剤からなるコア部が、上記
一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成
分とするシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有す
るマイクロカプセル型硬化促進剤であって、上記シェル
部に存在する反応性アミノ基がブロック化されているマ
イクロカプセル型硬化促進剤を第2の要旨とする。
【0010】そして、多価イソシアネートと硬化剤を含
有する疎水性液体を、水系溶媒中に乳化させてO/W型
エマルジョンを調製した後、このO/W型エマルジョン
に多価アミンを添加して水相部分を溶解させ、上記多価
イソシアネートと多価アミンとをO/W界面で界面重合
させることによりポリウレアを生成させるか、もしく
は、上記O/W型エマルジョンの油相中の多価イソシア
ネートと水相中の水との反応によりアミンを生成させ、
このアミンと多価イソシアネートとをO/W界面で界面
重合させることによりポリウレアを生成させて、硬化剤
からなるコア部が、上記ポリウレアからなるシェル部で
被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプセル
型硬化剤を媒体中に生成させるマイクロカプセル型硬化
剤の製造方法であって、上記マイクロカプセル型硬化剤
が分散された媒体に、下記の化合物(α)を添加して、
上記ポリウレアからなるシェル部に存在する未反応のア
ミノ基をブロックするマイクロカプセル型硬化剤の製法
を第3の要旨とする。 (α)アミノ基と反応してアミノ基をブロックする化合
物。
【0011】また、多価イソシアネートと硬化促進剤を
含有する疎水性液体を、水系溶媒中に乳化させてO/W
型エマルジョンを調製した後、このO/W型エマルジョ
ンに多価アミンを添加して水相部分を溶解させ、上記多
価イソシアネートと多価アミンとをO/W界面で界面重
合させることによりポリウレアを生成させるか、もしく
は、上記O/W型エマルジョンの油相中の多価イソシア
ネートと水相中の水との反応によりアミンを生成させ、
このアミンと多価イソシアネートとをO/W界面で界面
重合させることによりポリウレアを生成させて、硬化促
進剤からなるコア部が、上記ポリウレアからなるシェル
部で被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプ
セル型硬化促進剤を媒体中に生成させるマイクロカプセ
ル型硬化促進剤の製造方法であって、上記マイクロカプ
セル型硬化促進剤が分散された媒体に、下記の化合物
(α)を添加して、上記ポリウレアからなるシェル部に
存在する未反応のアミノ基をブロックするマイクロカプ
セル型硬化促進剤の製法を第4の要旨とする。 (α)アミノ基と反応してアミノ基をブロックする化合
物。
【0012】さらに、上記マイクロカプセル型硬化剤
と、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物を第5
の要旨とし、上記マイクロカプセル型硬化促進剤と、エ
ポキシ樹脂用硬化剤と、エポキシ樹脂を含有するエポキ
シ樹脂組成物を第6の要旨とする。
【0013】そして、下記の(A)〜(D)成分を含有
する半導体封止用エポキシ樹脂組成物を第7の要旨とす
る。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノール樹脂。 (C)無機質充填剤。 (D)上記マイクロカプセル型硬化促進剤。
【0014】本発明者らは、マイクロカプセル型の硬化
剤あるいは硬化促進剤を作製し、これをエポキシ樹脂に
配合した際に生じる上記のような問題を解決して貯蔵安
定性に優れたマイクロカプセルを得るために一連の研究
を重ねた。その過程において、まず、上記問題が発生す
る原因を突き止めるべく研究を重ねた結果、マイクロカ
プセルの調製に際して、その壁膜において未反応のアミ
ン化合物が残存したり、壁膜原料である多価イソシアネ
ートの加水分解により生成したアミノ基が未反応の状態
で存在し、このアミノ基が存在したままのマイクロカプ
セルをエポキシ樹脂中に配合した場合、これらアミノ基
とエポキシ樹脂との間で反応が生じるという知見を得
た。このような知見に基づき、さらに研究を重ねた結
果、上記マイクロカプセルの壁膜部分に存在するアミノ
基をブロックすることを想起し本発明に到達した。ここ
でいうアミノ基とは、エポキシ樹脂と付加反応を起こし
たり、エポキシ樹脂と触媒的に反応させる反応性のアミ
ノ基であり、1級,2級,3級のアミノ基があげられ
る。
【0015】そして、上記マイクロカプセルの壁膜部分
に存在するアミノ基をブロックする方法として、マイク
ロカプセル型硬化剤あるいはマイクロカプセル型硬化促
進剤を界面重合により作製して、マイクロカプセルが分
散された媒体中に、アミノ基と反応してアミノ基をブロ
ックする化合物を添加してアミノ基をブロックすること
を見出した。
【0016】このようなマイクロカプセル型硬化剤ある
いはマイクロカプセル型硬化促進剤を、エポキシ樹脂と
ともに用いてなるエポキシ樹脂組成物は貯蔵安定性に優
れ、経時で硬化反応性が低下するという問題が生じな
い。
【0017】さらに、上記マイクロカプセル型硬化促進
剤を、エポキシ樹脂、フェノール樹脂および無機質充填
剤とともに用いてなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物
も、上記と同様、貯蔵安定性に優れたものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0019】本発明のマイクロカプセル型硬化剤は、硬
化剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂からなるシェル部
で被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプセ
ルである。また、本発明のマイクロカプセル型硬化促進
剤は、硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂から
なるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するマ
イクロカプセルである。そして、上記いずれのマイクロ
カプセルにおいても、そのシェル部分に存在する反応性
のアミノ基がブロック化されていることを最大の特徴と
する。なお、シェル部に存在するアミノ基がブロック化
されているとは、シェル部の壁膜表面に存在するアミノ
基はもちろんシェル部内部に存在するアミノ基がブロッ
ク化されていることをいう。
【0020】(1)まず、本発明のマイクロカプセル型
硬化剤について述べる。このマイクロカプセル型硬化剤
は、硬化剤からなるコア部が、下記の一般式(1)で表
される構造単位を有する重合体を主成分とするシェル部
で被覆されたコア/シェル構造を有するものである。
【0021】
【化4】
【0022】上記コア部を構成する硬化剤としては、重
合体の硬化反応を生じさせる作用を有するものであれば
特に限定するものではなく、例えば、接着剤や塗料、コ
ーティング剤、封止材等の用途に硬化剤として用いるも
のが使用できる。この場合、マイクロカプセルを調製す
る際の作業性や得られるマイクロカプセルの特性の点か
ら、常温で液状を示す硬化剤が好ましい。なお、本発明
において、常温で液状とは、硬化剤自体の性状が常温で
液状である場合のほか、常温で固体であっても任意の有
機溶媒等に溶解もしくは分散させて液状にしたものをも
含むものである。
【0023】上記硬化剤としては、例えば、メチルハイ
ミック酸無水物、フタル酸無水物、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸無水物等の酸無水物類、ビスフェノール
A、フェノール樹脂等のフェノール類、トリブチルアミ
ン等の脂肪族三級アミン類、ベンジルジメチルアミン、
2−(ジメチルアミノ)フェノール、2,4,6−トリ
ス(ジアミノメチル)フェノール等の芳香族三級アミン
類や脂環族三級アミン類、またはこれらの変性アミン
類、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプ
ロピルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−
ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メ
チルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等
のイミダゾール類、これらのイミダゾール類と酢酸、乳
酸、サリチル酸、安息香酸、アジピン酸、フタル酸、ク
エン酸、酒石酸、マレイン酸、トリメリット酸等のイミ
ダゾールカルボン酸塩、三フッ化ホウ素、五フッ化リン
等のルイス酸等があげられる。これら硬化剤のうち、加
熱時の硬化反応性の点から、三級アミン類やイミダゾー
ル類等の触媒型硬化剤を用いることが好ましい。また、
本発明においては、これら硬化剤を少量配合しても充分
な硬化反応が生起するように、通常使用される公知の硬
化促進剤を任意量配合することができる。
【0024】前記式(1)で表される構造単位を有する
重合体を主成分とする重合体は、例えば、多価イソシア
ネート類と多価アミン類との重付加反応によって得られ
る。あるいは、多価イソシアネート類と水との反応によ
って得られる。
【0025】上記多価イソシアネート類としては、分子
内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であれ
ばよく、具体的には、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジ
メトキシ−4,4′−ビフェニルジイソシアネート、
3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、
ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレ
ン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−
1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、p
−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,
4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシア
ネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチル
ジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシ
アネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレン
ジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物、
2,4−トリレンジイソシアネートとプレンツカテコー
ルとの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサント
リオールとの付加物、トリレンジイソシアネートとトリ
メチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネ
ートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加
物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート、テト
ラフェニルトリメチレンテトライソシアネート、ペンタ
フェニルテトラメチレンペンタイソシアネート、リジン
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の
脂肪族多価イソシアネートの三量体のようなイソシアネ
ートプレポリマー等があげられる。これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。
【0026】上記多価イソシアネート類のなかでもマイ
クロカプセルを調製する際の造膜性や機械的強度の点か
ら、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパ
ンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロ
ールプロパンの付加物、トリフェニルジメチレントリイ
ソシアネート等のポリメチレンポリフェニルイソシアネ
ート類に代表されるイソシアネートプレポリマーを用い
ることが好ましい。
【0027】一方、上記多価イソシアネート類と反応さ
せる多価アミン類としては、分子内に2個以上のアミノ
基を有する化合物であればよく、具体的にはジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8
−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレン
ジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジ
アミン、p−フェニレンジアミン、o−キシリレンジア
ミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチル
シクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、1,3
−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミ
ン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。
【0028】また、上記多価イソシアネート類と水との
反応では、まず、多価イソシアネート類の加水分解によ
ってアミンが形成され、このアミンが未反応のイソシア
ネート基と反応(いわゆる自己重付加反応)することに
よって、前記一般式(1)で表される構造単位を有する
重合体を主成分とする重合体が形成される。
【0029】さらに、上記シェル部(壁膜)を形成する
重合体として、例えば、上記多価イソシアネートととも
に多価アルコールを併用して、ウレタン結合を併有した
ポリウレタン−ポリウレアをあげることもできる。
【0030】上記多価アルコールとしては、脂肪族、芳
香族または脂環族のいずれであってもよく、例えば、カ
テコール、レゾルシノール、1,2−ジヒドロキシ−4
−メチルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−メチル
ベンゼン、3,4−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼ
ン、3,5−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、2,
4−ジヒドロキシエチルベンゼン、1,3−ナフタレン
ジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,7−ナフ
タレンジオール、2,3−ナフタレンジオール、o,
o′−ビフェノール、p,p′−ビフェノール、ビスフ
ェノールA、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、キシリレンジオール、エチレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジ
オール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサ
ントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソ
ルビトール等があげられる。これらは単独でもしくは2
種以上併せて用いられる。
【0031】本発明のマイクロカプセル型硬化剤は、例
えば、下記に示す3段階の工程を経由することにより作
製される。
【0032】〔第1工程〕コア成分である硬化剤を、壁
膜(シェル)の原料である多価イソシアネート中に溶解
して油相を形成する。ついで、分散安定剤を含有する水
系媒体(水相)中に、上記油相を油滴状に分散させてO
/W型(油相/水相型)のエマルジョンを作製する。こ
のとき、分散した各油滴の粒径は0.05〜20μm、
好ましくは0.1〜10μm程度とすることが、重合中
のエマルジョンの安定性の点から好ましい。つぎに、上
記O/W型エマルジョンの水相に、多価アミンを添加し
て溶解することにより、油相中の多価イソシアネートと
の間で界面重合させて重付加反応を生起する。あるい
は、上記O/W型エマルジョンを加温することによっ
て、油相中の多価イソシアネートが水相との界面で水と
反応してアミンを生成し、引き続き自己重付加反応を生
起する。このようにして、ポリウレア系の重合体、好ま
しくは前記一般式(1)で表される構造単位を有するポ
リウレアをシェル部(壁膜)とするマイクロカプセルを
作製することにより、マイクロカプセル分散液が得られ
る。
【0033】一方、固体状の硬化剤を有機溶剤に分散さ
せてコア成分とする場合には、S/O/W(固相/油相
/水相)タイプのエマルジョンとなる。また、このエマ
ルジョンタイプは硬化剤が親油性の場合であり、硬化剤
が親水性を有する場合には上記エマルジョンタイプに形
成され難いが、この場合には溶解度の調整を行うことに
よりO/O(油相/油相)型のエマルジョンタイプや、
S/O/O(固相/油相/油相)型のエマルジョンタイ
プとして界面重合を行えばよい。
【0034】この場合の有機溶剤としては、常温で液状
であれば特に限定するものではないが、少なくともシェ
ル部(壁膜)を溶解しないものを選択する必要がある。
具体的には、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセト
ン、塩化メチレン、キシレン、トルエン、テトラヒドロ
フラン等の有機溶剤の他、フェニルキシリルエタン、ジ
アルキルナフタレン等のオイル類を用いることができ
る。
【0035】〔第2工程〕上記第1工程で得られたマイ
クロカプセル分散液に対して、アミノ基と反応してアミ
ノ基をブロックする化合物(以下「ブロック化剤」とい
う)を添加し溶解もしくは分散させる。このとき、遠心
分離等により一度水相中の分散安定剤や未反応アミンを
取り除いた後に、上記ブロック化剤を添加することが効
果的である。
【0036】〔第3工程〕上記第2工程でアミノ基をブ
ロック化剤でブロックしたマイクロカプセル分散液を、
遠心分離や濾過等により、過剰のブロック化剤を取り除
いた後、乾燥することにより、粉末状のマイクロカプセ
ル型硬化剤を作製することができる。
【0037】上記第1工程に示す、界面重合によりマイ
クロカプセルを合成する過程では、形成される壁膜表面
や壁膜内部において未反応の多価アミンが残存したり、
多価イソシアネートと反応せずに壁膜に共有結合するア
ミノ基が多数存在することが本発明者らの研究の過程に
おいて明らかとなった。そして、このような状態のマイ
クロカプセル型硬化剤(上記第2工程を経由せずに作製
したマイクロカプセル型硬化剤)をエポキシ樹脂中に配
合した場合、エポキシ樹脂組成物が変質し硬化性が低下
することを突き止めた。
【0038】まず、上記第1工程において、水系媒体
(水相)に添加する分散安定剤としては、ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシメチルセルロース等の水溶性高分
子類、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、
カチオン系界面活性剤等の界面活性剤類等があげられ
る。また、コロイダルシリカ、粘度鉱物等の親水性無機
コロイド物質類等を使用することもできる。これら分散
安定剤の添加量は、水相中、0.1〜10重量%となる
よう設定することが好ましい。
【0039】また、上記第2工程において使用するブロ
ック化剤としては、アミノ基と反応性を有する化合物で
あれば特に限定するものではないが、例えば、エポキシ
化合物、アルデヒド化合物、酸無水物、エステル化合
物、イソシアネート化合物等のアミノ基と反応し共有結
合を形成する化合物があげられる。さらに、酢酸、蟻
酸、乳酸、蓚酸、琥珀酸等の有機カルボン酸類、p−ト
ルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類、フェノー
ル化合物、ホウ酸、リン酸、硝酸、亜硝酸、塩酸等の無
機酸類、シリカ、アエロジル等の酸性表面を有する固体
物質等のアミノ基と中和反応し塩を形成する酸性化合物
があげられる。そして、これら化合物のなかでも、上記
酸性化合物は壁膜表面および壁膜内部に存在するアミノ
基を効果的にブロックする化合物として好ましく用いら
れ、特に蟻酸、有機スルホン酸類が好ましく用いられ
る。
【0040】上記ブロック化剤の添加量は、壁膜表面お
よび壁膜内部に存在するアミノ基と等量モル数のブロッ
ク化剤が添加される。実用的には、例えば、ブロック化
剤として酸性化合物を用いる場合、マイクロカプセル調
製(界面重合)直後の分散液に酸性物質(酸性化合物)
を添加し、分散液のpHを塩基性から酸性、好ましくは
pH2〜5に調整し、しかる後、遠心分離や濾過等の手
段により過剰の酸性化合物を除去する方法があげられ
る。
【0041】また、上記第1〜第3工程からなるマイク
ロカプセル型硬化剤の製法において、第2工程として、
マイクロカプセル分散液を酸性陽イオン交換樹脂カラム
を通すことにより、未反応の遊離アミンを除去したり、
残存アミノ基を中和させる手法も用いられる。
【0042】得られたマイクロカプセル型硬化剤の平均
粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、エポ
キシ樹脂等への均一な分散性の点から、0.05〜50
0μmの範囲に設定することが好ましく、より好ましく
は0.1〜30μmである。なお、本発明において、上
記マイクロカプセル型硬化剤の形状としては球状が好ま
しいが楕円状であってもよい。そして、このマイクロカ
プセルの形状が真球状ではなく楕円状や偏平状等のよう
に一律に粒径が定まらない場合には、その最長径と最短
径との単純平均値を平均粒径とする。
【0043】上記マイクロカプセル型硬化剤において、
内包される硬化剤の量は、マイクロカプセル全量の10
〜95重量%に設定することが好ましく、特に好ましく
は30〜80重量%である。すなわち、硬化剤の内包量
が10重量%未満では、硬化反応の時間が長くなりすぎ
て反応性に乏しくなり、逆に硬化剤の内包量が95重量
%を超えると、壁膜の厚みが薄すぎてコア部(硬化剤)
の隔離性や機械的強度に乏しくなる恐れがあるからであ
る。
【0044】また、上記マイクロカプセル型硬化剤の粒
径に対するシェル部(壁膜)の厚みの比率は3〜25%
に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜25%
に設定される。すなわち、上記比率が3%未満ではエポ
キシ樹脂組成物製造時の混練工程において加わる剪断力
(シェア)に対して充分な機械的強度が得られず、ま
た、25%を超えると内包される硬化剤の放出が不充分
となる傾向がみられるからである。
【0045】(2)つぎに、本発明のマイクロカプセル
型硬化促進剤について述べる。このマイクロカプセル型
硬化促進剤は、上記のように、硬化促進剤からなるコア
部が、下記の一般式(1)で表される構造単位を有する
重合体を主成分とするシェル部で被覆されたコア/シェ
ル構造を有するものである。
【0046】
【化5】
【0047】上記コア部を構成する硬化促進剤として
は、重合体の硬化反応を促進する作用を有するものであ
れば特に限定するものではなく、例えば、接着剤や塗
料、コーティング剤、封止材等の用途に硬化促進剤とし
て用いるものが使用できる。この場合、マイクロカプセ
ルを調製する際の作業性や得られるマイクロカプセルの
特性の点から、常温で液状を示す硬化促進剤が好まし
い。なお、本発明において、常温で液状とは、硬化促進
剤自体の性状が常温で液状である場合のほか、常温で固
体であっても任意の有機溶媒等に溶解もしくは分散させ
て液状にしたものをも含むものである。
【0048】そして、上記硬化促進剤としては、例え
ば、アミン系、イミダゾール系、リン系、ホウ素系、リ
ン−ホウ素系等の硬化促進剤があげられる。具体的に
は、エチルグアニジン、トリメチルグアニジン、フェニ
ルグアニジン、ジフェニルグアニジン等のアルキル置換
グアニジン類、3−(3,4−ジクロロフェニル)−
1,1−ジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチ
ル尿素、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチ
ル尿素等の3−置換フェニル−1,1−ジメチル尿素
類、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリ
ン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイ
ミダゾリン等のイミダゾリン類、2−アミノピリジン等
のモノアミノピリジン類、N,N−ジメチル−N−(2
−ヒドロキシ−3−アリロキシプロピル)アミン−N′
−ラクトイミド等のアミンイミド系類、エチルホスフィ
ン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、フェニル
ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホス
フィン、トリフェニルホスフィン/トリフェニルボラン
錯体、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレ
ート等の有機リン系化合物、1,8−ジアザビシクロ
〔5,4,0〕ウンデセン−7、1,4−ジアザビシク
ロ〔2,2,2〕オクタン等のジアザビシクロウンデセ
ン系化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2
種以上併せて用いられる。なかでも、硬化促進剤含有マ
イクロカプセルの作製の容易さ、また取扱い性の容易さ
という点から、上記イミダゾール系化合物や有機リン系
化合物が好適に用いられる。なお、前記硬化剤として例
示した化合物も硬化促進剤として用いることができる。
【0049】上記式(1)で表される構造単位を有する
重合体を主成分とする重合体は、先に述べた反応と同
様、多価イソシアネート類と多価アミン類との重付加反
応によって得られる。あるいは、多価イソシアネート類
と水との反応によって得られる。
【0050】上記多価イソシアネート類および多価アミ
ン類は、前記マイクロカプセル型硬化剤と同様のものが
あげられる。
【0051】本発明のマイクロカプセル型硬化促進剤
は、前記マイクロカプセル型硬化剤と同様、例えば、下
記に示す3段階の工程を経由することにより作製され
る。
【0052】〔第1工程〕コア成分である硬化促進剤
を、壁膜(シェル)の原料である多価イソシアネート中
に溶解もしくは微分酸して油相を形成する。ついで、分
散安定剤を含有する水系媒体(水相)中に、上記油相を
油滴状に分散させてO/W型(油相/水相型)のエマル
ジョンを作製する。つぎに、上記O/W型エマルジョン
の水相に、多価アミンを添加して溶解することにより、
油相中の多価イソシアネートとの間で界面重合させて重
付加反応を生起する。あるいは、上記O/W型エマルジ
ョンを加温することによって、油相中の多価イソシアネ
ートが水相との界面で水と反応してアミンを生成し、引
き続き自己重付加反応を生起する。このようにして、ポ
リウレア系の重合体、好ましくは前記一般式(1)で表
される構造単位を有するポリウレアをシェル部(壁膜)
とするマイクロカプセルを作製することにより、マイク
ロカプセル分散液が得られる。
【0053】一方、固体状の硬化促進剤を有機溶剤に溶
解してコア成分とする場合には、S/O/W(固相/油
相/水相)タイプのエマルジョンとなる。また、このエ
マルジョンタイプは硬化促進剤が親油性の場合であり、
硬化促進剤が親水性を有する場合には上記エマルジョン
タイプに形成され難いが、この場合には溶解度の調整を
行うことによりO/O(油相/油相)型のエマルジョン
タイプや、S/O/O(固相/油相/油相)型のエマル
ジョンタイプとして界面重合を行えばよい。
【0054】この場合の有機溶剤としては、常温で液状
であれば特に限定するものではないが、少なくともシェ
ル部(壁膜)を溶解しないものを選択する必要がある。
具体的には、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセト
ン、塩化メチレン、キシレン、トルエン、テトラヒドロ
フラン等の有機溶剤の他、フェニルキシリルエタン、ジ
アルキルナフタレン等のオイル類を用いることができ
る。
【0055】〔第2工程〕上記第1工程で得られたマイ
クロカプセル分散液に対して、ブロック化剤を添加し溶
解もしくは分散させる。このとき、遠心分離等により一
度水相中の分散安定剤や未反応アミンを取り除いた後
に、上記ブロック化剤を添加することが効果的である。
【0056】〔第3工程〕上記第2工程でアミノ基をブ
ロック化剤でブロックしたマイクロカプセル分散液を、
遠心分離や濾過等により、過剰のブロック化剤を取り除
いた後、乾燥することにより、粉末状のマイクロカプセ
ル型硬化促進剤を作製することができる。
【0057】まず、上記第1工程において用いる分散安
定剤の種類および添加量は、前記マイクロカプセル型硬
化剤の製造工程と同様に設定される。
【0058】また、上記第2工程において使用するブロ
ック化剤も前記マイクロカプセル型硬化剤で使用した化
合物と同様のものが用いられる。さらに、上記ブロック
化剤の添加量も、前記マイクロカプセル型硬化剤と同様
に設定される。
【0059】また、上記第1〜第3工程からなるマイク
ロカプセル型硬化促進剤の製法において、第2工程とし
て、マイクロカプセル分散液を酸性陽イオン交換樹脂カ
ラムを通すことにより、未反応の遊離アミンを除去した
り、残存アミノ基を中和させる手法も用いられる。
【0060】得られたマイクロカプセル型硬化促進剤の
平均粒径も、前記マイクロカプセル型硬化剤と同様、
0.05〜500μmの範囲に設定することが好まし
く、より好ましくは0.1〜30μmである。
【0061】さらに、上記マイクロカプセル型硬化促進
剤の、内包される硬化促進剤の量は、マイクロカプセル
全量の10〜95重量%に設定することが好ましく、特
に好ましくは30〜80重量%である。すなわち、硬化
促進剤の内包量が10重量%未満では、硬化反応の時間
が長くなりすぎて反応性に乏しくなり、逆に硬化促進剤
の内包量が95重量%を超えると、壁膜の厚みが薄すぎ
てコア部(硬化剤)の隔離性や機械的強度に乏しくなる
恐れがあるからである。
【0062】また、上記マイクロカプセル型硬化促進剤
の粒径に対するシェル部(壁膜)の厚みの比率は3〜2
5%に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜2
5%に設定される。すなわち、上記比率が3%未満では
エポキシ樹脂組成物製造時の混練工程において加わる剪
断力(シェア)に対して充分な機械的強度が得られず、
また、25%を超えると内包される硬化促進剤の放出が
不充分となる傾向がみられるからである。
【0063】(3)つぎに、上記マイクロカプセル型硬
化剤、マイクロカプセル型硬化促進剤を用いることによ
りエポキシ樹脂組成物が得られる。まず、第1のエポキ
シ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、上記特定のマイクロ
カプセル型硬化剤を用いて得られるものであり、エポキ
シ樹脂100重量部(以下「部」と略す)に対して上記
特定のマイクロカプセル型硬化剤を1〜80部の割合で
配合することが好ましく、より好ましくは5〜50部で
ある。また、第2のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹
脂と、硬化剤と、上記特定のマイクロカプセル型硬化促
進剤を用いて得られるものであり、エポキシ樹脂100
部に対して上記特定のマイクロカプセル型硬化促進剤を
0.1〜30部の割合で配合することが好ましく、より
好ましくは1〜20部である。この場合の、マイクロカ
プセル型硬化剤もしくはマイクロカプセル型硬化促進剤
の配合部数は、マイクロカプセル中の硬化剤もしくは硬
化促進剤を基本としたものであり、壁膜部分の重量は含
まない。
【0064】上記第1および第2のエポキシ樹脂組成物
における、エポキシ樹脂としては、液状であっても固形
状であってもよく、通常、エポキシ当量が100〜35
00程度のもので、1分子中に平均2個以上のエポキシ
基を有するものを好ましく用いることができる。具体的
には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、ヒダントインエポキシ樹
脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、レゾルシノール型
エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エ
ポキシ樹脂、トリグリシジルエーテルトリフェニルメタ
ン等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ヘキサヒド
ロフタル酸グリシジルエステル等のグリシジルアミン型
エポキシ樹脂、4,4′−ビス(グリシジルオキシ)−
3,3′−ジアリルビフェニル等のビフェニル型エポキ
シ樹脂、ホルマリン以外のアルデヒドを用いて縮合反応
によって得られるフェノール樹脂をベースとするエポキ
シ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以
上併せて用いることができる。これらエポキシ樹脂のな
かでも、マイクロカプセルを形成する壁膜材料の加熱時
における速やかな破壊という点から、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂を用いることが好まし
い。
【0065】上記硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂
の硬化剤として作用するものであれば特に限定するもの
ではなく、エポキシ樹脂用硬化剤として加熱硬化に用い
られる各種硬化剤があげられる。具体的には、ジシアン
ジアミド系、イミダゾール系、フェノール系、酸無水物
系、酸ヒドラジド系、フッ素化ホウ素化合物系、アミン
イミド系、アミン系等のエポキシ樹脂の硬化剤があげら
れる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いるこ
とができる。これら硬化剤の配合量は、上記エポキシ樹
脂100部に対して1〜200部、好ましくは5〜10
0部の範囲に設定される。
【0066】そして、必要に応じて本発明のエポキシ樹
脂組成物に含有させることのできる充填剤としては、シ
リカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
石英粉、ガラス繊維、カオリン、マイカ、アルミナ、水
和アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、ドロマイ
ト、ジルコン、チタン化合物、モリブデン化合物、アン
チモン化合物等があげられる。これら充填剤は、エポキ
シ樹脂組成物全体中、90重量%以下、好ましくは0.
1〜85重量%の範囲で含有させることができる。
【0067】また、上記充填剤に加えて、シランカップ
リング剤や顔料、老化防止剤、その他任意の各種添加剤
も目的や用途に応じて適宜配合することができる。さら
に、銅や亜鉛、ニッケル、カドミウム、ステンレス、ア
ルミニウム、銀等の金属粉末を配合して、本発明のエポ
キシ樹脂組成物に導電性を付与することもできる。導電
性を付与する場合には、上記金属粉末をエポキシ樹脂組
成物全体中に25重量%以上配合することが好ましく、
より好ましくは70〜90重量%である。
【0068】本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、
ロール、ミキサー、ヘンシェルミキサー、ボールミル、
ニーダー、ディスパー等を用いて、常温下で均一に分
散、混合することにより得ることができる。
【0069】(4)つぎに、前記マイクロカプセル型硬
化促進剤を用いてなる、半導体封止用エポキシ樹脂組成
物について述べる。
【0070】上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、
エポキシ樹脂(A成分)と、フェノール樹脂(B成分)
と、無機質充填剤(C成分)と、前記マイクロカプセル
型硬化促進剤(D成分)とを用いて得られるものであっ
て、通常、粉末状もしくはそれを打錠したタブレット状
になっている。
【0071】上記半導体封止におけるエポキシ樹脂とし
ては、特に限定するものではなく従来公知の各種エポキ
シ樹脂があげられる。例えば、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
ノボラックビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン系エポ
キシ樹脂等があげられる。なかでも、低粘度で低吸湿性
を備えているという点から、下記の一般式(2)で表さ
れるビフェニル型エポキシ樹脂を用いることが好まし
い。
【0072】
【化6】
【0073】上記式(2)において、R3 〜R6 とし
て、水素原子、メチル基を有するものが好ましく、特に
そのなかでも、メチル基を有するものが、低吸湿性およ
び反応性の点から一層好ましい。
【0074】上記一般式(2)で表されるビフェニル型
エポキシ樹脂としては、エポキシ当量120〜300、
軟化点50〜130℃のものが好ましい。
【0075】上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用い
られるフェノール樹脂(B成分)としては、上記エポキ
シ樹脂(A成分)に対して硬化作用を奏する各種フェノ
ール樹脂が用いられる。例えば、アラルキル系フェノー
ル樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、トリ
フェニルメタン系フェノール樹脂が用いられる。これら
は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかで
も、フェノールアラルキル樹脂を用いることが好まし
く、具体的には下記の一般式(3)で表されるフェノー
ルアラルキル樹脂を用いることが特に好ましい。
【0076】
【化7】
【0077】上記式(3)において、繰り返し数nは0
〜40の範囲が好ましく、特に好ましくはn=0〜30
の範囲である。
【0078】上記一般式(3)で表されるフェノールア
ラルキル樹脂は、水酸基当量150〜220、軟化点4
0〜110℃が好ましく、より好ましくは水酸基当量1
50〜200、軟化点50〜90℃である。
【0079】上記エポキシ樹脂(A成分)とフェノール
樹脂(B成分)の配合割合は、上記エポキシ樹脂成分中
のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が
0.8〜1.2当量となるように配合することが好適で
ある。より好適なのは0.9〜1.1当量である。
【0080】上記A成分およびB成分とともに用いられ
る無機質充填剤(C成分)としては、シリカ、クレー、
石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミナ、
酸化ベリリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等があげられ
る。なかでも、溶融シリカ、結晶性シリカが好ましく用
いられ、具体的には、破砕状結晶性シリカ、球状溶融シ
リカが特に好ましく用いられ、これらを単独でもしくは
混合して用いられる。
【0081】上記無機質充填剤(C成分)の配合量は、
半導体封止用エポキシ樹脂組成物全体の75重量%以上
に設定することが好ましく、特に好ましくは80〜95
重量%である。すなわち、無機質充填剤(C成分)の配
合量が75重量%未満では、半田耐熱性が大幅に低下す
る傾向がみられるからである。
【0082】上記A〜C成分とともに用いられる特定の
マイクロカプセル型硬化促進剤(D成分)は、先に述べ
たものが使用される。そして、半導体封止材料として使
用する場合での内包される硬化促進剤としては、先に述
べた化合物のなかでも、トリフェニルホスフィン、トリ
ス−(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリメタト
リルホスフィン、トリス−(2,6−ジメトキシフェニ
ル)ホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィ
ン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホス
フィン/トリフェニルボラン錯体等の有機リン系化合
物、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等のイミ
ダゾール系化合物、ジメチルベンジルアミン等の三級ア
ミン系化合物、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕
ウンデセン−7等のジアザビシクロウンデセン系化合物
等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せ
て用いられる。そして、これら硬化促進剤のなかでも、
信頼性の面から有機リン化合物が好ましい。
【0083】上記特定のマイクロカプセル型硬化促進剤
(D成分)の配合量は、エポキシ樹脂(A成分)100
部に対して0.1〜30部に設定することが好ましい。
特に好ましくは5〜15部の割合である。すなわち、上
記マイクロカプセル型硬化促進剤(D成分)の配合量が
0.1部未満では、硬化速度が遅すぎて強度の低下を引
き起こす傾向がみられ、30部を超えると硬化速度が速
すぎて流動性が損なわれる傾向がみられるからである。
この場合、マイクロカプセル型硬化促進剤の配合部数
は、マイクロカプセル中の硬化促進剤を基本としたもの
であり、壁膜部分の重量は含まない。
【0084】なお、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物には、上記A〜D成分以外に、必要に応じて他の
添加剤を適宜に配合することができる。
【0085】上記他の添加剤としては、難燃剤、ワック
ス等があげられる。
【0086】上記難燃剤としては、ノボラック型ブロム
化エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等があげら
れ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0087】上記ワックスとしては、高級脂肪酸、高級
脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物があ
げられ、具体的にはポリエチレン系ワックス等が用いら
れる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0088】さらに、本発明の半導体封止用エポキシ樹
脂組成物には、上記他の添加剤以外にシリコーンオイル
およびシリコーンゴム、合成ゴム等の成分を配合して低
応力化を図ったり、耐湿信頼性テストにおける信頼性向
上を目的としてハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス
等のイオントラップ剤を配合してもよい。
【0089】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、例えば、つぎのようにして製造することができる。
まず、先に述べたような製造工程を経由することによ
り、特定のマイクロカプセル型硬化促進剤(D成分)を
作製する。
【0090】ついで、上記マイクロカプセル型硬化促進
剤(D成分)とともに、残りの他の成分を全て混合した
後、ミキシングロール機等の混練機にかけ加熱状態で混
練りして溶融混合する。つぎに、これを室温にて冷却し
た後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠す
るという一連の工程を経由することにより目的とする半
導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造することができ
る。
【0091】本発明において、上記半導体封止用エポキ
シ樹脂組成物を用いてなる半導体素子の封止は、特に限
定するものではなく、通常のトランスファー成形等の公
知のモールド方法により行うことができる。
【0092】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0093】
【実施例1】〔マイクロカプセル型硬化促進剤の調製〕
キシリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプ
ロパン1モルとの付加物11部、トリレンジイソシアネ
ート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物
4.6部を、硬化促進剤としてのトリフェニルホスフィ
ン7部と酢酸エチル3.9部との混合液中に均一に溶解
させて油相を調製した。
【0094】蒸留水100部とポリビニルアルコール5
部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調製した
油相を添加してホモミキサーにて乳化しエマルジョン状
態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重
合反応器に仕込んだ。
【0095】一方、トリエチレンテトラミン3部を含む
水溶液10部を調製し、これを上記重合反応器に備えた
滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下し
て70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型
硬化促進剤の水性サスペンジョンを得た。続いて、遠心
分離により水相中のポリビニルアルコール等を除去した
後、蒸留水100部を加え再び分散を行いサスペンジョ
ンを得た。
【0096】このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し
系のpHを3に調整した。これにより壁膜表面および内
部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプ
セル型硬化促進剤を作製した。このようにして得られた
マイクロカプセル型硬化促進剤は遠心分離にて分別、水
洗を繰り返した後、乾燥することによって自由流動性を
有する粉末状粒子として単離した。このマイクロカプセ
ル型硬化促進剤の平均粒径は2μmであった。また、マ
イクロカプセルの粒径に対するシェル厚み比率は15%
であり、トリフェニルホスフィンの内包量は全体の30
重量%であった。
【0097】〔マイクロカプセル型硬化促進剤含有半導
体封止用エポキシ樹脂組成物の作製〕前記一般式(2)
で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量2
00:式(2)中、R3 〜R6 は全てメチル基)128
部、前記一般式(3)で表されるフェノールアラルキル
樹脂(水酸基当量175:式(3)中、n=0〜21)
99部、球状溶融シリカ粉末1280部、破砕結晶性シ
リカ粉末550部、ポリエチレン系ワックス3部、上記
マイクロカプセル型硬化促進剤12部を配合し、ミキシ
ングロール機(100℃)で混練して冷却した後粉砕す
ることにより半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製し
た。
【0098】
【実施例2】蟻酸に代えて、p−トルエンスルホン酸を
使用した。それ以外は実施例1と同様にして半導体封止
用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0099】
【実施例3】蟻酸に代えて、乳酸を使用した。それ以外
は実施例1と同様にして半導体封止用エポキシ樹脂組成
物を得た。
【0100】
【実施例4】蟻酸に代えて、ホウ酸を1部使用し、その
後、遠心分離をせずに乾燥を行った。それ以外は実施例
1と同様にして半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得
た。
【0101】
【実施例5】蟻酸に代えて、ブチルグリシジルエーテル
を0.2部使用した。それ以外は実施例1と同様にして
半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0102】
【実施例6】蟻酸に代えて、ホルムアルデヒドを0.1
部使用した。それ以外は実施例1と同様にして半導体封
止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0103】
【比較例1】蟻酸を用いなかった。それ以外は実施例1
と同様にして半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0104】
【比較例2】前記一般式(2)で表されるビフェニル型
エポキシ樹脂(エポキシ当量200:式(2)中、R3
〜R6 は全てメチル基)128部、前記一般式(3)で
表されるフェノールアラルキル樹脂(水酸基当量17
5:式(3)中、n=0〜21)99部、球状溶融シリ
カ粉末1280部、破砕結晶性シリカ粉末550部、ポ
リエチレン系ワックス3部、トリフェニルホスフィン
2.8部を配合し、ミキシングロール機(100℃)で
混練して冷却した後粉砕することにより半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物を作製した。
【0105】
【実施例7】〔マイクロカプセル型硬化剤の調製〕キシ
リレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパ
ン1モルとの付加物10部を、硬化剤としての1−ベン
ジル−2−フェニルイミダゾール10部とトルエン10
部との混合液中に均一に溶解させて油相を調製した。
【0106】蒸留水100部とポリビニルアルコール5
部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調製した
油相を添加してホモミキサーにて乳化しエマルジョン状
態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重
合反応器に仕込んだ。
【0107】一方、トリエチレンテトラミン3部を含む
水溶液10部を調製し、これを上記重合反応器に備えた
滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下し
て70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型
硬化剤の水性サスペンジョンを得た。続いて、遠心分離
により水相中のポリビニルアルコール等を除去した後、
蒸留水100部を加え再び分散を行いサスペンジョンを
得た。
【0108】このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し
系のpHを3に調整した。これにより壁膜表面および内
部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプ
セル型硬化剤を作製した。このようにして得られたマイ
クロカプセル型硬化剤は遠心分離にて分別、水洗を繰り
返した後、乾燥することによって自由流動性を有する粉
末状粒子として単離した。このマイクロカプセル型硬化
剤の平均粒径は3μmであった。また、マイクロカプセ
ルの粒径に対するシェル厚み比率は8%であり、1−ベ
ンジル−2−フェニルイミダゾールの内包量は全体の5
0重量%であった。
【0109】〔マイクロカプセル型硬化剤含有エポキシ
樹脂組成物の作製〕上記のようにして得られたマイクロ
カプセル型硬化剤10部を、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(エポキシ当量190、重量平均分子量380、
25℃での粘度125ポイズ)100部に添加し、混合
釜にて常温で1時間混練し、さらに3本ロールミルに通
すことによりエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0110】
【比較例3】蟻酸を用いなかった。それ以外は実施例7
と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
【0111】
【比較例4】1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール
4部を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当
量190、重量平均分子量380、25℃での粘度12
5ポイズ)100部に添加し、混合釜にて常温で10分
間混練し、さらに3本ロールミルに通すことによりエポ
キシ樹脂組成物を作製した。
【0112】
【実施例8】〔マイクロカプセル型硬化促進剤の調製〕
キシリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプ
ロパン1モルとの付加物10部を、硬化促進剤としての
平均粒径3μmの3−(3,4−ジクロロフェニル)−
1,1−ジメチル尿素10部と、溶媒としてのジイソプ
ロピルナフタレン10部をボールミルで均一に混合し
て、硬化促進剤粒子が均一に分散したS(固相)/O
(油相)型の油相を調製した。
【0113】蒸留水100部とポリビニルアルコール5
部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調製した
油相を添加してホモミキサーにて乳化しエマルジョン状
態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重
合反応器に仕込んだ。
【0114】一方、ジエチレントリアミン3部を含む水
溶液10部を調製し、これを上記重合反応器に備えた滴
下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して
70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型硬
化促進剤の水性サスペンジョンを得た。続いて、遠心分
離により水相中のポリビニルアルコール等を除去した
後、蒸留水100部を加え再び分散を行いサスペンジョ
ンを得た。
【0115】このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し
系のpHを3に調整した。これにより壁膜表面および内
部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプ
セル型硬化促進剤を作製した。このようにして得られた
マイクロカプセル型硬化促進剤は遠心分離にて分別、水
洗を繰り返した後、乾燥することによって自由流動性を
有する粉末状粒子として単離した。このマイクロカプセ
ル型硬化剤の平均粒径は6μmであった。また、マイク
ロカプセルの粒径に対するシェル厚み比率は7%であ
り、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメ
チル尿素の内包量は全体の30重量%であった。
【0116】〔マイクロカプセル型硬化促進剤含有エポ
キシ樹脂組成物の作製〕上記のようにして得られたマイ
クロカプセル型硬化促進剤5部を、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(エポキシ当量190、重量平均分子量3
80、25℃での粘度125ポイズ)100部と、ジシ
アンジアミド8部とともに混合釜にて常温で1時間混練
し、さらに3本ロールミルに通すことによりエポキシ樹
脂組成物を作製した。
【0117】
【比較例5】蟻酸を用いなかった。それ以外は実施例8
と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0118】
【比較例6】平均粒径3μmの3−(3,4−ジクロロ
フェニル)−1,1−ジメチル尿素1部を、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量約190、重量平
均分子量380、25℃での粘度125ポイズ)100
部と、ジシアンジアミド8部とともに混合釜にて常温で
1時間混練し、さらに3本ロールミルに通すことにより
エポキシ樹脂組成物を作製した。
【0119】
【実施例9】〔マイクロカプセル型硬化促進剤の調製〕
キシリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプ
ロパン1モルとの付加物11部、ポリテトラメチレング
リコール5部を、硬化促進剤としてのトリフェニルホス
フィン7部と酢酸エチル3.9部との混合液中に均一に
溶解させて油相を調製した。
【0120】蒸留水100部とポリビニルアルコール5
部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調製した
油相を添加してホモミキサーにて乳化しエマルジョン状
態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重
合反応器に仕込んだ。
【0121】一方、ジエチレントリアミン3部を含む水
溶液10部を調製し、これを上記重合反応器に備えた滴
下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して
70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型硬
化促進剤の水性サスペンジョンを得た。続いて、遠心分
離により水相中のポリビニルアルコール等を除去した
後、蒸留水100部を加え再び分散を行いサスペンジョ
ンを得た。
【0122】このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し
系のpHを3に調整した。これにより壁膜表面および内
部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプ
セル型硬化促進剤を作製した。このようにして得られた
マイクロカプセル型硬化促進剤は遠心分離にて分別、水
洗を繰り返した後、乾燥することによって自由流動性を
有する粉末状粒子として単離した。このマイクロカプセ
ル型硬化剤の平均粒径は2μmであった。また、壁膜
(シェル部分)はウレア結合の他にウレタン結合を併有
していた。そして、マイクロカプセルの粒径に対するシ
ェル厚み比率は13%であり、トリフェニルホスフィン
の内包量は全体の30重量%であった。
【0123】〔マイクロカプセル型硬化促進剤含有半導
体封止用エポキシ樹脂組成物の作製〕前記一般式(2)
で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量2
00:式(2)中、R3 〜R6 は全てメチル基)128
部、前記一般式(3)で表されるフェノールアラルキル
樹脂(水酸基当量175:式(3)中、n=0〜21)
99部、球状溶融シリカ粉末1280部、破砕結晶性シ
リカ粉末550部、ポリエチレン系ワックス3部、上記
マイクロカプセル型硬化促進剤18部を配合し、ミキシ
ングロール機(100℃)で混練して冷却した後粉砕す
ることにより半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製し
た。
【0124】
【比較例7】蟻酸を用いなかった。それ以外は実施例9
と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0125】
【実施例10】〔マイクロカプセル型硬化促進剤の調
製〕キシリレンジイソシアネート3モルとトリメチロー
ルプロパン1モルとの付加物11部、トリレンジイソシ
アネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付
加物4.6部を、硬化促進剤としてのトリメタトリルホ
スフィン7部とクロロホルム15部との混合液中に均一
に溶解させて油相を調製した。
【0126】蒸留水100部とポリビニルアルコール5
部からなる水相を別途調製し、このなかに上記調製した
油相を添加してホモミキサーにて乳化しエマルジョン状
態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重
合反応器に仕込んだ。
【0127】一方、トリエチレンテトラミン3部を含む
水溶液10部を調製し、これを上記重合反応器に備えた
滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下し
て70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型
硬化促進剤の水性サスペンジョンを得た。続いて、遠心
分離により水相中のポリビニルアルコール等を除去した
後、蒸留水100部を加え再び分散を行いサスペンジョ
ンを得た。
【0128】このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し
系のpHを3に調整した。これにより壁膜表面および内
部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプ
セル型硬化促進剤を作製した。このようにして得られた
マイクロカプセル型硬化促進剤は遠心分離にて分別、水
洗を繰り返した後、乾燥することによって自由流動性を
有する粉末状粒子として単離した。このマイクロカプセ
ル型硬化剤の平均粒径は3μmであった。そして、マイ
クロカプセルの粒径に対するシェル厚み比率は10%で
あり、トリメタトリルホスフィンの内包量は全体の30
重量%であった。
【0129】〔マイクロカプセル型硬化促進剤含有半導
体封止用エポキシ樹脂組成物の作製〕前記一般式(2)
で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量2
00:式(2)中、R3 〜R6 は全てメチル基)128
部、前記一般式(3)で表されるフェノールアラルキル
樹脂(水酸基当量175:式(3)中、n=0〜21)
99部、球状溶融シリカ粉末1280部、破砕結晶性シ
リカ粉末550部、ポリエチレン系ワックス3部、上記
マイクロカプセル型硬化促進剤18部を配合し、ミキシ
ングロール機(100℃)で混練して冷却した後粉砕す
ることにより半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製し
た。
【0130】上記各実施例および比較例にて得られたエ
ポキシ樹脂組成物の各特性を、下記に示す試験方法に従
って測定し、その結果を下記の表1に示した。
【0131】〔硬化性〕ゲルタイム法および熱時硬度に
より評価した。
【0132】ゲルタイム法 150℃もしくは175℃における硬化時間を熱板式ゲ
ルタイム測定法によって測定した。なお、実施例7,
8、比較例3〜6については、測定温度を150℃と
し、それ以外は175℃で測定した。
【0133】熱時硬度 175℃×180秒の成形条件で成形して得られた硬化
物の硬度(ショアーD)を測定した。
【0134】〔貯蔵安定性〕各実施例および比較例にて
得られたエポキシ樹脂組成物を、30℃×1か月の条件
下で貯蔵し、粘度、ゲルタイム、熱時硬度の変化率を求
めた。
【0135】粘度に関しては、実施例7,8、比較例3
〜6については、BH型粘度計により30℃においての
粘度を測定した。それ以外はフローテスター粘度計によ
り175℃での粘度を測定した。
【0136】粘度変化率(%)=(30℃×1か月後
の粘度値)/(初期の粘度値)×100
【0137】ゲルタイム変化率(%)=(30℃×1
か月後のゲルタイム値)/(初期のゲルタイム値)×1
00
【0138】熱時硬度変化率(%)=(30℃×1か
月後のショアーD硬度値)/(初期のショアーD硬度
値)×100
【0139】
【表1】
【0140】上記表1の結果から、実施例品では、ゲル
タイム変化率が比較例品に比べて小さく、熱時硬度変化
率は全て90%を超えていた。これらのことから、実施
例品は貯蔵安定性に優れていることがわかる。これに対
して、マイクロカプセル型硬化剤あるいはマイクロカプ
セル型硬化促進剤のアミノ基を酸性化合物でブロック化
しなかった比較例品はゲルタイム変化率が高く、熱時硬
度低下率が大きかった。さらに、硬化剤あるいは硬化促
進剤をそのまま配合した比較例2,4,6品では、30
℃の条件下、2日、1日、10日でそれぞれゲル化して
しまった。
【0141】つぎに、上記半導体封止用エポキシ樹脂組
成物(実施例1〜6、実施例9、実施例10、比較例
1,2、比較例7)を用いて、つぎのようにして半導体
装置を作製した。すなわち、上記各実施例および比較例
で得られた粉末状のエポキシ樹脂組成物を用いてタブレ
ット状(直径:24.5mm×厚み20mm)に予備成
形し、このタブレットを30℃の温度条件で10日間放
置した。ついで、この放置したタブレットを用いて半導
体装置〔80ピン四方向フラットパッケージ:QFP−
80(14mm×20mm×厚み2.7mm)、リード
フレームMF202、半導体素子(8mm×8mm×厚
み0.37mm)〕をトランスファー成形(条件:17
5℃×2分)にて作製した。
【0142】〔成形不良評価〕まず、得られた半導体装
置について、成形不良が発生した個数(120個中)を
測定した。すなわち、自動成形機(TOWA社製、VP
S−40)で上記QFP−80(14mm×20mm×
厚み2.7mm)を10ショット成形して、未充填の発
生、ボイドの形成を評価した。なお、上記ボイドの形成
は、軟X線装置にて測定し、直径0.1mm以上のもの
が形成されたものを不良とした。
【0143】また、得られた半導体装置を、121℃×
2気圧×100%RH放置の条件に供し(PCTテス
ト)、パッケージ中のテストデバイスの通電試験を行
い、ショートしたものを不良とした。
【0144】〔耐半田クラック発生率〕さらに、得られ
た半導体装置を用い、120℃×1時間のプリベーク
後、これを85℃/85%RH×168時間吸湿させた
後、215℃のVPS(ベーパーフェイズソルダリン
グ)で90秒の評価試験(耐クラック性)を行った。そ
の結果を下記の表2に示す。
【0145】
【表2】
【0146】上記表2の結果から、全ての実施例品は、
ボイドの発生も未充填も生じておらず、良好な成形性を
示し、かつPCTテストおよび耐半田性試験において良
好な結果を示していることから、高い信頼性が得られた
ことがわかる。一方、比較例品は、充分な硬化性が得ら
れていない点から、信頼性が低いものであった。
【0147】
【発明の効果】以上のように、本発明は、硬化剤もしく
は硬化促進剤からなるコア部が、例えば、前記一般式
(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とす
るシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するマイ
クロカプセル型の硬化剤あるいは硬化促進剤であって、
上記シェル部に存在する反応性のアミノ基がブロック化
されている。このため、例えば、エポキシ樹脂中に配合
してもエポキシ樹脂との間で反応が生じず、優れた貯蔵
安定性を有し、経時の硬化反応性の低下を防止すること
ができる。
【0148】そして、上記マイクロカプセル型硬化剤、
マイクロカプセル型硬化促進剤は、これらが分散された
媒体に、アミノ基と反応してアミノ基をブロックする化
合物を添加して、未反応のアミノ基をブロックすること
により容易に得られる。
【0149】このようなマイクロカプセル型硬化剤ある
いはマイクロカプセル型硬化促進剤を、エポキシ樹脂と
ともに用いてなるエポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性に
優れ、経時で硬化反応性が低下するという問題が生じな
い。
【0150】さらに、上記マイクロカプセル型硬化促進
剤を、エポキシ樹脂、フェノール樹脂および無機質充填
剤とともに用いてなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物
も、上記と同様、貯蔵安定性に優れたものとなる。
【0151】このように、本発明のエポキシ樹脂組成物
は、封止材に限らず、接着剤や接着シート、各種成形材
料、積層板、液状塗料、粘着剤、粘接着材等の多種の用
途に適したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 63/00 C08L 63/00 B H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 B01J 13/02 B // B01J 13/14 (72)発明者 山根 実 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 原田 忠昭 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 池村 和弘 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 谷口 剛史 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 大泉 新一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化剤からなるコア部が、下記の一般式
    (1)で表される構造単位を有する重合体を主成分とす
    るシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するマイ
    クロカプセル型硬化剤であって、上記シェル部に存在す
    る反応性アミノ基がブロック化されていることを特徴と
    するマイクロカプセル型硬化剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記アミノ基のブロック化が、酸性化合
    物を用いてブロック化されている請求項1記載のマイク
    ロカプセル型硬化剤。
  3. 【請求項3】 上記アミノ基が、一般式(1)で表され
    るシェル部の合成原料に由来するものである請求項1ま
    たは2記載のマイクロカプセル型硬化剤。
  4. 【請求項4】 上記硬化剤がエポキシ樹脂用硬化剤であ
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロカプセ
    ル型硬化剤。
  5. 【請求項5】 硬化促進剤からなるコア部が、下記の一
    般式(1)で表される構造単位を有する重合体を主成分
    とするシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有する
    マイクロカプセル型硬化促進剤であって、上記シェル部
    に存在する反応性アミノ基がブロック化されていること
    を特徴とするマイクロカプセル型硬化促進剤。 【化2】
  6. 【請求項6】 上記アミノ基のブロック化が、酸性化合
    物を用いてブロック化されている請求項5記載のマイク
    ロカプセル型硬化促進剤。
  7. 【請求項7】 上記アミノ基が、一般式(1)で表され
    るシェル部の合成原料に由来するものである請求項5ま
    たは6記載のマイクロカプセル型硬化促進剤。
  8. 【請求項8】 上記硬化促進剤がエポキシ樹脂用硬化促
    進剤である請求項5〜7のいずれか一項に記載のマイク
    ロカプセル型硬化促進剤。
  9. 【請求項9】 多価イソシアネートと硬化剤を含有する
    疎水性液体を、水系溶媒中に乳化させてO/W型エマル
    ジョンを調製した後、このO/W型エマルジョンに多価
    アミンを添加して水相部分を溶解させ、上記多価イソシ
    アネートと多価アミンとをO/W界面で界面重合させる
    ことによりポリウレアを生成させるか、もしくは、上記
    O/W型エマルジョンの油相中の多価イソシアネートと
    水相中の水との反応によりアミンを生成させ、このアミ
    ンと多価イソシアネートとをO/W界面で界面重合させ
    ることによりポリウレアを生成させて、硬化剤からなる
    コア部が、上記ポリウレアからなるシェル部で被覆され
    たコア/シェル構造を有するマイクロカプセル型硬化剤
    を媒体中に生成させるマイクロカプセル型硬化剤の製造
    方法であって、上記マイクロカプセル型硬化剤が分散さ
    れた媒体に、下記の化合物(α)を添加して、上記ポリ
    ウレアからなるシェル部に存在する未反応のアミノ基を
    ブロックすることを特徴とするマイクロカプセル型硬化
    剤の製法。 (α)アミノ基と反応してアミノ基をブロックする化合
    物。
  10. 【請求項10】 多価イソシアネートと硬化促進剤を含
    有する疎水性液体を、水系溶媒中に乳化させてO/W型
    エマルジョンを調製した後、このO/W型エマルジョン
    に多価アミンを添加して水相部分を溶解させ、上記多価
    イソシアネートと多価アミンとをO/W界面で界面重合
    させることによりポリウレアを生成させるか、もしく
    は、上記O/W型エマルジョンの油相中の多価イソシア
    ネートと水相中の水との反応によりアミンを生成させ、
    このアミンと多価イソシアネートとをO/W界面で界面
    重合させることによりポリウレアを生成させて、硬化促
    進剤からなるコア部が、上記ポリウレアからなるシェル
    部で被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプ
    セル型硬化促進剤を媒体中に生成させるマイクロカプセ
    ル型硬化促進剤の製造方法であって、上記マイクロカプ
    セル型硬化促進剤が分散された媒体に、下記の化合物
    (α)を添加して、上記ポリウレアからなるシェル部に
    存在する未反応のアミノ基をブロックすることを特徴と
    するマイクロカプセル型硬化促進剤の製法。 (α)アミノ基と反応してアミノ基をブロックする化合
    物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    マイクロカプセル型硬化剤と、エポキシ樹脂を含有する
    エポキシ樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 請求項5〜8のいずれか一項に記載の
    マイクロカプセル型硬化促進剤と、エポキシ樹脂用硬化
    剤と、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 下記の(A)〜(D)成分を含有する
    半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノール樹脂。 (C)無機質充填剤。 (D)請求項5〜8のいずれか一項に記載のマイクロカ
    プセル型硬化促進剤。
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