JP2002121260A - 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置ならびに半導体装置の製法 - Google Patents

半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置ならびに半導体装置の製法

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JP2002121260A
JP2002121260A JP2000306516A JP2000306516A JP2002121260A JP 2002121260 A JP2002121260 A JP 2002121260A JP 2000306516 A JP2000306516 A JP 2000306516A JP 2000306516 A JP2000306516 A JP 2000306516A JP 2002121260 A JP2002121260 A JP 2002121260A
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semiconductor
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semiconductor element
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Tadaaki Harada
忠昭 原田
Toshitsugu Hosokawa
敏嗣 細川
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐湿信頼性および貯蔵安定性に優れるととも
に、吐出および塗布作業性にも優れた半導体封止用樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】下記の(A)〜(D)成分を含有する半導
体封止用樹脂組成物であって、上記半導体封止用樹脂組
成物が25℃で粘度700Pa・s以上または25℃で
固体で、かつ80℃で粘度500Pa・s以下に設定さ
れている。 (A)エポキシ樹脂。 (B)酸無水物系硬化剤。 (C)潜在性硬化促進剤。 (D)無機質充填剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂系の
封止剤であり、80℃以下の比較的低温下で低粘度を示
し、特に吐出,塗布作業性に優れ、しかも貯蔵安定性に
優れた半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導
体装置ならびに半導体装置の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、TAB(Tape Automated Bon
ding,テープオートメイティドボンディング),COB
(Chip On Board ,チップオンボード)等における半導
体封止には、液状封止剤が用いられている。そして、上
記液状封止剤は、室温(25℃)で使用され、ディスペ
ンサー、印刷等によって半導体素子を樹脂封止すること
により、半導体装置が製造される。このような液状封止
剤としては、一般に、液状のエポキシ樹脂と、液状の酸
無水物系硬化剤と、通常の硬化促進剤と、シリカ粉末と
を含有してなるエポキシ樹脂組成物が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記液
状封止剤は、室温で液状であるため貯蔵安定性が悪く、
室温貯蔵時に粘度が大きく上昇したり、シリカ粉末が沈
降したりするため、樹脂を凍らせて固形化する等の、特
別の貯蔵手段を講じる必要がある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、可使時間が長くおよび貯蔵安定性に優れるとと
もに、吐出および塗布作業性にも優れた半導体封止用樹
脂組成物およびそれを用いた半導体装置、ならびにその
半導体装置の製法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を含有する半
導体封止用樹脂組成物であって、上記半導体封止用樹脂
組成物が25℃で粘度700Pa・s以上または25℃
で固体で、かつ80℃で粘度500Pa・s以下に設定
されている半導体封止用樹脂組成物を第1の要旨とす
る。 (A)エポキシ樹脂。 (B)酸無水物系硬化剤。 (C)潜在性硬化促進剤。 (D)無機質充填剤。
【0006】また、本発明は、配線回路基板上に、複数
の接続用電極部を介して半導体素子が搭載され、上記配
線回路基板と半導体素子との間の空隙が封止樹脂層によ
って封止されてなる半導体装置であって、上記封止樹脂
層が、上記半導体封止用樹脂組成物によって形成されて
いる半導体装置を第2の要旨とする。
【0007】さらに、本発明は、配線回路基板上に、複
数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載され、上記
配線回路基板と半導体素子との間の空隙が封止樹脂層に
よって封止されてなる半導体装置の製法であって、上記
配線回路基板と半導体素子との間の空隙に、上記半導体
封止用樹脂組成物を充填した後、硬化させることにより
上記封止樹脂層を形成する半導体装置の製法を第3の要
旨とする。
【0008】そして、配線回路基板面上に半導体素子が
搭載され、配線回路基板と半導体素子とが電気的に接続
され、上記半導体素子を内蔵するように半導体素子の周
囲を封止樹脂層によって封止してなる半導体装置であっ
て、上記封止樹脂層が、上記半導体封止用樹脂組成物に
よって形成されている半導体装置を第4の要旨とする。
【0009】また、配線回路基板面上に半導体素子が搭
載され、配線回路基板と半導体素子とが電気的に接続さ
れ、上記半導体素子を内蔵するように半導体素子の周囲
を封止樹脂層によって封止してなる半導体装置の製法で
あって、上記配線回路基板面上に半導体素子を搭載して
配線回路基板と半導体素子を電気的に接続した後、上記
半導体素子搭載面側の配線回路基板上に上記半導体封止
用樹脂組成物を供給して硬化させることにより上記封止
樹脂層を形成する半導体装置の製法を第5の要旨とす
る。
【0010】さらに、実装用基板上に、複数の接続用電
極部を介して樹脂封止層が形成された半導体装置が、そ
れ自体の配線回路基板を対面させた状態で搭載され、上
記実装用基板と半導体装置との間の空隙が封止樹脂層に
よって封止されてなる半導体製品であって、上記封止樹
脂層が、上記半導体封止用樹脂組成物によって形成され
ている半導体製品を第6の要旨とする。
【0011】そして、突起状電極部が配設された半導体
素子が複数形成された半導体ウェハの、上記突起状電極
部配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物からなる所定
の厚みの樹脂層を、上記突起状電極部の少なくとも先端
部を上記樹脂層から露出するよう形成する工程と、上記
樹脂層が形成された半導体ウェハを、個々の半導体素子
に切断する工程とを備えた半導体装置の製法を第7の要
旨とする。
【0012】また、個々の配線回路が形成されたマトリ
ックス状の配線回路基板上に搭載された複数の半導体素
子全体上に、上記半導体封止用樹脂組成物を供給して半
導体素子を内蔵するよう樹脂層を形成する工程と、上記
半導体素子を内蔵するよう樹脂層が形成されたマトリッ
クス状の配線回路基板を樹脂層とともに個々の半導体素
子毎に切断する工程とを備えた半導体装置の製法を第8
の要旨とする。
【0013】さらに、突起状電極部が配設された半導体
素子が複数形成された半導体ウェハの、上記突起状電極
部配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物からなる所定
の厚みの樹脂層を形成する工程と、上記樹脂層が形成さ
れた半導体ウェハを個々の半導体素子に切断する工程
と、上記切断された半導体素子の樹脂層形成面と、配線
回路基板とを対面させた状態で、配線回路基板と半導体
素子とを加熱圧着することにより両者を電気的に接続さ
せるとともに、上記樹脂層を溶融して硬化させることに
より、上記半導体素子と配線回路基板との間に封止樹脂
層を形成して樹脂封止する工程とを備えた半導体装置の
製法を第9の要旨とする。
【0014】そして、個々の配線回路が形成されたマト
リックス状の配線回路基板面に、上記半導体封止用樹脂
組成物を塗布して樹脂層を形成する工程と、上記樹脂層
が形成された配線回路基板を個々の配線回路基板に切断
する工程と、複数の接続用電極部が各々に配設された半
導体素子の接続用電極部配設面と、切断された配線回路
基板とを対面させた状態で、半導体素子と配線回路基板
とを加熱圧着することにより両者を電気的に接続させる
とともに、上記樹脂層を溶融して硬化させることによ
り、上記半導体素子と配線回路基板との間に封止樹脂層
を形成して樹脂封止する工程とを備えた半導体装置の製
法を第10の要旨とする。
【0015】すなわち、本発明者は、可使時間が長く貯
蔵安定性に優れるとともに、吐出および塗布作業性にも
優れた封止材料を得るため一連の研究を重ねた。その結
果、エポキシ樹脂と酸無水物系硬化剤と潜在性硬化促進
剤と無機質充填剤とを用い、しかも25℃および80℃
の各温度において特定の状態・粘度を有する樹脂組成物
を用いると、所期の目的を達成できることを見出し本発
明に到達した。
【0016】特に、上記エポキシ樹脂として、多官能エ
ポキシ樹脂を用いた場合には、ガラス転移温度(Tg)
が高くなり、耐熱性が高くなるという利点がある。
【0017】そして、上記潜在性硬化促進剤として、特
定のシェル部で硬化促進剤からなるコア部が被覆された
コア/シェル構造を有するマイクロカプセル型硬化促進
剤を用いた場合、それを含有してなる半導体封止用樹脂
組成物は、可使時間が非常に長くなり、貯蔵安定性に特
に優れるという利点がある。
【0018】さらに、無機質充填剤として球状溶融シリ
カ粉末を用い、これが半導体封止用樹脂組成物全体中に
特定の割合で含有されている場合には、流動性に優れる
ようになり、吐出および塗布作業性に特に優れるという
利点がある。
【0019】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。
【0020】本発明の半導体封止用樹脂組成物は、エポ
キシ樹脂(A成分)と、酸無水物系硬化剤(B成分)
と、潜在性硬化促進剤(C成分)と、無機質充填剤(D
成分)とを用いて得られるものであり、25℃および8
0℃の各温度でそれぞれ特定の状態・粘度を有するもの
である。
【0021】上記エポキシ樹脂(A成分)としては、特
に限定するものではなく各種のエポキシ樹脂を用いるこ
とができる。例えば、多官能固形エポキシ樹脂、結晶性
エポキシ樹脂、二官能固形エポキシ樹脂、トリグリシジ
ルイソシアヌレート、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等があげられる。
これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。こ
こで、多官能固形エポキシ樹脂とは、1分子中のエポキ
シ基の総数が3個以上である固形エポキシ樹脂をいう。
このような多官能固形エポキシ樹脂としては、例えば、
四官能ナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン
型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹
脂、三井化学社製のテクモアVG3101L、オルソク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂等があげられる。ま
た、結晶性エポキシ樹脂とは、X線回折により多数の結
晶のピークが表れる固形エポキシ樹脂であって、物理的
にはシャープな融点を示し、かつ溶融時には分子間相互
作用が殆どなくなるため極端に粘度が低下する性質を有
するものをいう。このような結晶性エポキシ樹脂として
は、例えば、ビスフェノール型、ビフェニル型、スチル
ベン型等があげられる。そして、結晶性エポキシ樹脂の
なかでも融点が90℃以上のものを用いる場合は、80
℃以下での流動性が良くなるという理由から、2種以上
のものを組み合わせて用いることが好ましい。
【0022】上記エポキシ樹脂(A成分)のうち結晶性
エポキシ樹脂としては、例えば市販されている商品名G
K−4137(新日鉄化学社製)、商品名GK−507
9(新日鉄化学社製)、商品名YDC−1312(東都
化成社製)等があげられる。なお、上記GK−4137
は、下記の化学式(2)で表される。また、上記GK−
5079は、下記の化学式(3)で表される。また、上
記YDC−1312は、下記の化学式(4)で表され
る。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】さらに、上記結晶性エポキシ樹脂のうちビ
フェニル型エポキシ樹脂は、下記の一般式(5)で表さ
れる。
【0027】
【化5】
【0028】上記一般式(5)中のR3 〜R6 で表され
る炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基等の直鎖状または分岐状の低級アルキル基があげら
れ、上記R3 〜R6 は互いに同一であっても異なってい
てもよい。
【0029】そして、上記ビフェニル型エポキシ樹脂と
して、上記R3 〜R6 が全てメチル基である下記の式
(6)で表される構造のビフェニル型エポキシ樹脂と、
上記R 3 〜R6 が全て水素である下記の式(7)で表さ
れる構造のビフェニル型エポキシ樹脂とが略同量で含有
されている混合物を用いてもよい。
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】そして、A成分であるエポキシ樹脂として
は、エポキシ当量が140〜270g/eqで、軟化点
が50〜100℃または融点が40〜150℃のものを
用いることが好ましく、なかでもエポキシ当量が150
〜220g/eqで、軟化点が60〜80℃または融点
が60〜130℃のものを用いることが好適である。
【0033】上記A成分とともに用いられる酸無水物系
硬化剤(B成分)としては、上記エポキシ樹脂(A成
分)の硬化剤として作用するものであって、特に限定す
るものではなく各種の酸無水物を用いることができる
が、所期の目的を損なわない範囲であれば、各種フェノ
ール樹脂、アミン類、フタル酸類等を併用してもよい。
上記酸無水物系硬化剤(B成分)としては、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水トリメリ
ット酸等があげられる。これらは単独であるいは2種以
上併せて用いられる。
【0034】そして、B成分である酸無水物としては、
当量が100〜200のものを用いることが好ましく、
なかでも当量が150〜180で、かつ、常温で液状の
ものを用いることが好適である。
【0035】上記エポキシ樹脂(A成分)と酸無水物系
硬化剤(B成分)との配合割合は、上記エポキシ樹脂に
対し0.6〜1.4当量となるように配合することが好
適である。より好適には、0.7〜1.1当量である。
【0036】上記エポキシ樹脂(A成分)と酸無水物系
硬化剤(B成分)との組み合わせにおいては、例えば、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂〔特に商品名YDF−
8170(東都化成社製)〕とメチルヘキサヒドロ無水
フタル酸〔メチル化HHPA(例えばリカシッドMH−
700,新日本理化社製)〕とを組み合わせて用いるこ
とが、硬化性、耐熱性、流動性の点から好ましい。
【0037】上記A成分およびB成分とともに用いられ
る潜在性硬化促進剤(C成分)は、これを含有してなる
半導体封止用樹脂組成物の50℃雰囲気下72時間放置
後における粘度(測定温度:80℃)が、放置前におけ
る粘度の10倍以下になるものであり、例えば、各種の
硬化促進剤からなるコア部が、下記の一般式(1)で表
される構造単位を有する重合体を主成分とするシェル部
で被覆されたコア/シェル構造を有し、そのシェル部に
存在する反応性アミノ基がブロック化されているマイク
ロカプセル型硬化促進剤があげられる。このようなマイ
クロカプセル型硬化促進剤を用いることにより、これを
含有してなる半導体封止用樹脂組成物は、可使時間が非
常に長くなり、貯蔵安定性に特に優れるようになる。な
お、通常の硬化促進剤を少量にした場合であっても、放
置前の粘度に対し10倍以下、通常、1〜3倍となるの
であれば潜在性硬化促進剤として考える。
【0038】
【化8】
【0039】上記マイクロカプセル型硬化促進剤におい
て、コア部として内包される硬化促進剤としては、硬化
反応を促進する作用を有するものであれば特に限定する
ものではなく、従来公知のものが用いられる。そして、
この場合、マイクロカプセルを調整する際の作業性や得
られるマイクロカプセルの特性の点から、室温で液状を
示すものが好ましい。なお、室温で液状とは、硬化促進
剤自身の性状が室温(25℃)で液状を示す場合のほ
か、室温で固体であっても任意の有機溶剤等に溶解もし
くは分散させて液状にしたものをも含むものである。
【0040】そして、上記内包される硬化促進剤として
は、例えば、アミン系、イミダゾール系、リン系、ホウ
素系、リン−ホウ素系等の硬化促進剤があげられる。具
体的には、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イ
ソプロピルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、
2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダ
ゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2
−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイ
ミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾー
ル等のイミダゾール類、エチルグアニジン、トリメチル
グアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジ
ン等のアルキル置換グアニジン類、3−(3,4−ジク
ロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−フェニル
−1,1−ジメチル尿素、3−(4−クロロフェニル)
−1,1−ジメチル尿素等の3−置換フェニル−1,1
−ジメチル尿素類、2−メチルイミダゾリン、2−フェ
ニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−
ヘプタデシルイミダゾリン等のイミダゾリン類、2−ア
ミノピリジン等のモノアミノピリジン類、N,N−ジメ
チル−N−(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロピ
ル)アミン−N′−ラクトイミド等のアミンイミド系
類、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホ
スフィン、フェニルホスフィン、トリメチルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、ト
リオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ
シクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン/
トリフェニルボラン錯体、テトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレート等の有機リン系化合物、1,8
−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7等のジ
アザビシクロアルケン系化合物、1,4−ジアザビシク
ロ〔2,2,2〕オクタン等があげられる。これらは単
独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、硬
化促進剤含有マイクロカプセルの作製の容易さ、また取
扱い性の容易さという点から、上記イミダゾール系化合
物や有機リン系化合物が好適に用いられる。
【0041】前記式(1)で表される構造単位を有する
重合体を主成分とする重合体は、例えば、多価イソシア
ネート類と多価アミン類との重付加反応によって得られ
る。あるいは、多価イソシアネート類と水との反応によ
って得られる。
【0042】上記多価イソシアネート類としては、分子
内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であれ
ばよく、具体的には、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジ
メトキシ−4,4′−ビフェニルジイソシアネート、
3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、
ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレ
ン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−
1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、p
−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,
4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシア
ネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチル
ジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシ
アネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレン
ジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物、
2,4−トリレンジイソシアネートとプレンツカテコー
ルとの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサント
リオールとの付加物、トリレンジイソシアネートとトリ
メチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネ
ートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加
物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート、テト
ラフェニルトリメチレンテトライソシアネート、ペンタ
フェニルテトラメチレンペンタイソシアネート、リジン
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の
脂肪族多価イソシアネートの三量体のようなイソシアネ
ートプレポリマー等があげられる。これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。
【0043】上記多価イソシアネート類のなかでもマイ
クロカプセルを調製する際の造膜性や機械的強度の点か
ら、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパ
ンの付加物(X)、および、キシリレンジイソシアネー
トとトリメチロールプロパンの付加物(Y)の少なくと
も一方である3価のイソシアネートプレポリマーを用い
ることが好ましい。また、トリフェニルジメチレントリ
イソシアネートも好ましい多価イソシアネートとして用
いることもできる。
【0044】一方、上記多価イソシアネート類と反応さ
せる多価アミン類としては、分子内に2個以上のアミノ
基を有する化合物であればよく、具体的にはジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8
−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレン
ジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジ
アミン、p−フェニレンジアミン、o−キシリレンジア
ミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチル
シクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、1,3
−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミ
ン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併
せて用いられる。
【0045】また、上記多価イソシアネート類と水との
反応では、まず、多価イソシアネート類の加水分解によ
ってアミンが形成され、このアミンが未反応のイソシア
ネート基と反応(いわゆる自己重付加反応)することに
よって、前記一般式(1)で表される構造単位を有する
重合体を主成分とする重合体が形成される。
【0046】さらに、上記シェル部(壁膜)を形成する
重合体として、例えば、上記多価イソシアネートととも
に多価アルコールを併用して、ウレタン結合を併有した
ポリウレタン−ポリウレアをあげることもできる。
【0047】上記多価アルコールとしては、脂肪族、芳
香族または脂環族のいずれであってもよく、例えば、カ
テコール、レゾルシノール、1,2−ジヒドロキシ−4
−メチルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−メチル
ベンゼン、3,4−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼ
ン、3,5−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、2,
4−ジヒドロキシエチルベンゼン、1,3−ナフタレン
ジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,7−ナフ
タレンジオール、2,3−ナフタレンジオール、o,
o′−ビフェノール、p,p′−ビフェノール、ビスフ
ェノールA、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、キシリレンジオール、エチレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジ
オール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサ
ントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソ
ルビトール等があげられる。これらは単独でもしくは2
種以上併せて用いられる。
【0048】上記マイクロカプセル型硬化促進剤は、例
えば、下記に示す3段階の工程を経由することにより作
製することができる。
【0049】〔第1工程〕コア成分である硬化促進剤
を、壁膜(シェル)の原料である多価イソシアネート中
に溶解もしくは微分散して油相を形成する。ついで、分
散安定剤を含有する水系媒体(水相)中に、上記油相を
油滴状に分散させてO/W型(油相/水相型)のエマル
ジョンを作製する。つぎに、上記O/W型エマルジョン
の水相に、多価アミンを添加して溶解することにより、
油相中の多価イソシアネートとの間で界面重合させて重
付加反応を生起する。あるいは、上記O/W型エマルジ
ョンを加温することによって、油相中の多価イソシアネ
ートが水相との界面で水と反応してアミンを生成し、引
き続き自己重付加反応を生起する。このようにして、ポ
リウレア系の重合体、好ましくは前記一般式(1)で表
される構造単位を有するポリウレアをシェル部(壁膜)
とするマイクロカプセルを作製することにより、マイク
ロカプセル分散液が得られる。
【0050】一方、固体状の硬化促進剤を有機溶剤に溶
解してコア成分とする場合には、S/O/W(固相/油
相/水相)タイプのエマルジョンとなる。また、このエ
マルジョンタイプは硬化促進剤が親油性の場合であり、
硬化促進剤が親水性を有する場合には上記エマルジョン
タイプに形成され難いが、この場合には溶解度の調整を
行うことによりO/O(油相/油相)型のエマルジョン
タイプや、S/O/O(固相/油相/油相)型のエマル
ジョンタイプとして界面重合を行えばよい。
【0051】この場合の有機溶剤としては、室温で液状
であれば特に限定するものではないが、少なくともシェ
ル部(壁膜)を溶解しないものを選択する必要がある。
具体的には、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセト
ン、塩化メチレン、キシレン、トルエン、テトラヒドロ
フラン等の有機溶剤のほか、フェニルキシリルエタン、
ジアルキルナフタレン等のオイル類を用いることができ
る。
【0052】〔第2工程〕上記第1工程で得られたマイ
クロカプセル分散液に対して、ブロック化剤を添加し溶
解もしくは分散させる。このとき、遠心分離等により一
度水相中の分散安定剤や未反応アミンを取り除いた後
に、上記ブロック化剤を添加することが効果的である。
【0053】〔第3工程〕上記第2工程でアミノ基をブ
ロック化剤でブロックしたマイクロカプセル分散液を、
遠心分離や濾過等により、過剰のブロック化剤を取り除
いた後、乾燥することにより、粉末状のマイクロカプセ
ル型硬化促進剤を作製することができる。
【0054】まず、上記第1工程において、水系媒体
(水相)に添加する分散安定剤としては、ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシメチルセルロース等の水溶性高分
子類、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、
カチオン系界面活性剤等の界面活性剤類等があげられ
る。また、コロイダルシリカ、粘度鉱物等の親水性無機
コロイド物質類等を使用することもできる。これら分散
安定剤の添加量は、水相中、0.1〜10重量%となる
よう設定することが好ましい。
【0055】また、上記第2工程において使用するブロ
ック化剤としては、アミノ基と反応性を有する化合物で
あれば特に限定するものではないが、例えば、エポキシ
化合物、アルデヒド化合物、酸無水物、エステル化合
物、イソシアネート化合物等のアミノ基と反応し共有結
合を形成する化合物があげられる。さらに、酢酸、蟻
酸、乳酸、蓚酸、琥珀酸等の有機カルボン酸類、p−ト
ルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類、フェノー
ル化合物、ホウ酸、リン酸、硝酸、亜硝酸、塩酸等の無
機酸類、シリカ、アエロジル等の酸性表面を有する固体
物質等のアミノ基と中和反応し塩を形成する酸性化合物
があげられる。そして、これら化合物のなかでも、上記
酸性化合物は壁膜表面および壁膜内部に存在するアミノ
基を効果的にブロックする化合物として好ましく用いら
れ、特に蟻酸、有機スルホン酸類が好ましく用いられ
る。
【0056】上記ブロック化剤の添加量は、壁膜表面お
よび壁膜内部に存在するアミノ基と等量モル数のブロッ
ク化剤が添加される。実用的には、例えば、ブロック化
剤として酸性化合物を用いる場合、マイクロカプセル調
製(界面重合)直後の分散液に酸性物質(酸性化合物)
を添加し、分散液のpHを塩基性から酸性、好ましくは
pH2〜5に調整し、しかる後、遠心分離や濾過等の手
段により過剰の酸性化合物を除去する方法があげられ
る。
【0057】また、上記第1〜第3工程からなるマイク
ロカプセル型硬化促進剤の製法において、第2工程とし
て、マイクロカプセル分散液を酸性陽イオン交換樹脂カ
ラムを通すことにより、未反応の遊離アミンを除去した
り、残存アミノ基を中和させる手法も用いられる。
【0058】得られたマイクロカプセル型硬化促進剤の
平均粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、
均一な分散性の観点から、0.05〜500μmの範囲
に設定することが好ましく、より好ましくは0.1〜3
0μmである。上記マイクロカプセル型硬化促進剤の形
状としては球状が好ましいが楕円状であってもよい。そ
して、このマイクロカプセルの形状が真球状ではなく楕
円状や偏平状等のように一律に粒径が定まらない場合に
は、その最長径と最短径との単純平均値を平均粒径とす
る。
【0059】さらに、上記マイクロカプセル型硬化促進
剤において、内包される硬化促進剤の量は、マイクロカ
プセル全量の10〜95重量%に設定することが好まし
く、特に好ましくは30〜80重量%である。すなわ
ち、硬化促進剤の内包量が10重量%未満では、硬化反
応の時間が長くなりすぎて反応性に乏しくなり、逆に硬
化促進剤の内包量が95重量%を超えると、壁膜の厚み
が薄すぎてコア部(硬化剤)の隔離性や機械的強度に乏
しくなる恐れがあるからである。
【0060】また、上記マイクロカプセル型硬化促進剤
の粒径に対するシェル部(壁膜)の厚みの比率は3〜2
5%に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜2
5%に設定される。すなわち、上記比率が3%未満では
エポキシ樹脂組成物製造時の混練工程において加わる剪
断力(シェア)に対して充分な機械的強度が得られず、
また、25%を超えると内包される硬化促進剤の放出が
不充分となる傾向がみられるからである。
【0061】そして、上記潜在性硬化促進剤(C成分)
の配合量は、前記酸無水物系硬化剤(B成分)100重
量部(以下「部」と略す)に対して0.1〜40部に設
定することが好ましい。特に好ましくは5〜20部であ
る。すなわち、上記潜在性硬化促進剤の配合量が、0.
1部未満では、硬化速度が遅すぎて強度の低下を引き起
こし、40部を超えると、硬化速度が速過ぎて流動性が
損なわれるおそれがあるからである。
【0062】なお、本発明において、C成分である潜在
性硬化促進剤として、上記した硬化促進剤含有マイクロ
カプセル以外に、所期の目的を損なわなければ、市販の
マイクロカプセル型硬化促進剤を用いることができる。
市販品としては、例えば商品名MCE−9957(日本
化薬社製、メチルメタアクリレートを壁膜として使用し
ているもの)、旭チバ社製のノバキュアー(商品名HX
−3748,3741,3742,HX−3921H
R,HX−3941HP)等があげられる。また、マイ
クロカプセル型硬化促進剤以外の硬化促進剤であっても
ジシアンジアミド、または、富士化成工業社製のフジキ
ュアーFXR−1030、FXE−1000等の触媒活
性が弱いものや、通常の硬化促進剤を少量添加し触媒活
性を弱くしたものでもよい。
【0063】上記A〜C成分とともに用いられる無機質
充填剤(D成分)としては、特に限定するものではなく
各種の無機質充填剤を用いることができる。例えば、シ
リカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
アルミナ、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、
アエロジル等があげられるが、ニッケル、金、銅、銀、
錫、鉛、Bi等の導電性粒子を加えてもよい。なかで
も、球状シリカ粉末、具体的には、球状溶融シリカ粉末
が特に好ましく用いられる。さらに、平均粒径0.01
〜60μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは
0.1〜15μmの範囲のものである。なお、本発明に
おいて、球状とは、フロー式粒子像分析装置(SYSM
EX社製のFPIA−100型)を用いて測定される真
球度が平均で0.85以上であることをいう。
【0064】そして、上記無機質充填剤(D成分)の含
有割合は、半導体封止用樹脂組成物全体中の50〜92
重量%となるように設定することが好ましく、特に好ま
しくは60〜88重量%である。すなわち、無機質充填
剤の含有割合が50重量%未満では、硬化物の線膨張係
数が大きくなり、応力が発生しやすくなる傾向がみら
れ、92重量%を超えると、流動性が低下し、吐出およ
び塗布作業性が悪くなる傾向がみられるからである。
【0065】さらに、本発明の半導体封止用樹脂組成物
には、上記A〜D成分以外に、必要に応じて他の添加剤
を適宜配合することができる。
【0066】上記他の添加剤としては、例えば難燃剤、
ワックス、エチルアルコール、メチルアルコール等のア
ルコール類、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、グリセリン等のグリコール類、レベリング
剤、消泡剤、フラックス、顔料、染料、シランカップリ
ング剤、チタネート系カップリング剤等があげられる。
上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アミノ基
含有シラン等があげられ、これらは単独でもしくは2種
以上併せて用いられる。
【0067】また、上記難燃剤としては、ノボラック型
ブロム化エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水
酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属化合
物、赤リン、リン酸エステル等のリン系化合物等があげ
られ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0068】さらに、上記難燃剤以外に、下記の一般式
(8)で表される多面体形状の金属水酸化物を用いるこ
とができる。この金属水酸化物は、結晶形状が多面体形
状を有するものであり、従来の六角板形状を有するも
の、あるいは、鱗片状等のように、いわゆる厚みの薄い
平板形状の結晶形状を有するものではなく、縦、横とと
もに厚み方向(c軸方向)への結晶成長が大きい、例え
ば、板状結晶のものが厚み方向(c軸方向)に結晶成長
してより立体的かつ球状に近似させた粒状の結晶形状、
例えば、略12面体、略8面体、略4面体等の形状を有
する金属水酸化物をいう。
【0069】
【化9】
【0070】このような結晶形状が多面体形状を有する
金属水酸化物は、例えば、金属水酸化物の製造工程にお
ける各種条件等を制御することにより、縦,横とともに
厚み方向(c軸方向)への結晶成長が大きい、所望の多
面体形状、例えば、略12面体、略8面体、略4面体等
の形状を有する金属水酸化物を得ることができ、通常、
これらの混合物からなる。
【0071】上記多面体形状を有する金属水酸化物の具
体的な代表例としては、Mg1-X NiX (OH)
2 〔0.01<X<0.5〕、Mg1-X ZnX (OH)
2 〔0.01<X<0.5〕等があげられる。これら金
属水酸化物の市販品としては、例えば、タテホ化学工業
社製のエコーマグをあげることができる。
【0072】また、上記多面体形状を有する金属水酸化
物のアスペクト比は、通常1〜8、好ましくは1〜7、
特に好ましくは1〜4である。ここでいうアスペクト比
とは、金属水酸化物の長径と短径との比で表したもので
ある。すなわち、アスペクト比が8を超えると、この金
属水酸化物を含有するエポキシ樹脂組成物が溶融したと
きの粘度低下に対する効果が乏しくなる。
【0073】上記ワックスとしては、高級脂肪酸、高級
脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム、アミド系等の
化合物があげられ、単独でもしくは2種以上併せて用い
られる。
【0074】さらに、本発明の半導体封止用樹脂組成物
には、上記他の添加剤以外に、シリコーンオイルおよび
シリコーンゴム、合成ゴム、反応性希釈剤等の成分を配
合して低応力化を図ったり、耐湿信頼性テストにおける
信頼性向上を目的としてハイドロタルサイト類、水酸化
ビスマス等のイオントラップ剤を配合してもよい。
【0075】本発明の半導体封止用樹脂組成物は、例え
ば、つぎのようにして製造することができる。すなわ
ち、上記A〜D成分ならびに必要に応じて他の添加剤を
混合した後、万能攪拌釜等の混練機にかけ加熱状態で混
練りして溶融混合する。つぎに、これを室温(25℃程
度)にて冷却することにより目的とする半導体封止用樹
脂組成物を製造することができる。なお、半導体封止用
樹脂組成物の流動性を調整するため、有機溶剤を添加す
ることもできる。上記有機溶剤としては、例えば、トル
エン、キシレン、メチルエチルケトン(MEK)、アセ
トン、ジアセトンアルコール等があげられる。これらは
単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0076】このようにして得られた半導体封止用樹脂
組成物は、25℃において固体を示すかあるいは25℃
で粘度700Pa・s以上で、かつ80℃で粘度500
Pa・s以下に設定されていなければならない。特に好
ましくは、25℃において固体を示すかあるいは25℃
で粘度700Pa・s以上で、かつ80℃で粘度300
Pa・s以下である。すなわち、25℃で700Pa・
s未満では、貯蔵安定性に劣り、80℃で500Pa・
sを超えると、吐出および塗布作業性が悪くなり、いず
れも初期の特性を満足させることができないからであ
る。
【0077】なお、上記半導体封止用樹脂組成物の25
℃および80℃における各粘度は、上記各温度において
E型粘度計を用いて測定される。具体的には、以下に示
すとおりである。
【0078】〔25℃における粘度〕東機産業社製RE
80U形でロータは3°×R7.7を用い、コーンロー
タ回転数1rpmで1分間前処理後、0.1rpmで1
0分間放置後の値を測定する。
【0079】〔80℃における粘度〕東機産業社製RE
80R形で、粘度100Pa・s未満になるものはロー
タ3°×R14、粘度100Pa・s以上になるものは
ロータ3°×R7.7を用い、コーンロータ回転数1r
pmで1分間前処理後、0.5rpmで10分間放置後
の値を測定する。
【0080】本発明の半導体封止用樹脂組成物を用いて
の半導体装置の製造は、従来公知の各種の方法により行
うことができる。例えば、フリップチップ、COB、グ
ラフトップ、キャビティーフィル等による実装において
は、加温(40〜90℃程度、好適には60〜80℃程
度)された上記半導体封止用樹脂組成物をディスペンサ
ーを用いてポッティングした後、加熱し硬化させて封止
樹脂層を形成することにより半導体装置を製造すること
ができる。また、予め加温せずに、固形または半固形の
半導体封止用樹脂組成物を半導体素子上等に対して直接
貼りつけまたは塗布を行ない、その後加熱し硬化させて
封止樹脂層を形成することにより半導体装置を製造する
こともできる。なお、上記実装は、真空下で行ってもよ
い。
【0081】上記半導体装置の製造方法のうちのフリッ
プチップ実装について、サイドフィル封止方法と、プレ
スバンプ封止方法と、印刷封止方法を例として具体的に
説明する。
【0082】〔サイドフィル封止方法〕まず、配線回路
基板上に複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載
されたものを準備する。そして、予め加温(40〜13
0℃程度、好適には60〜100℃程度)された配線回
路基板と半導体素子との空隙に、加温(40〜90℃程
度、好適には60〜80℃程度)された上記半導体封止
用樹脂組成物をディスペンサーを用いて注入し充填した
後、加熱し硬化させて封止樹脂層を形成することによ
り、フリップチップ実装による半導体装置を製造するこ
とができる。
【0083】なお、予め加温せずに、固形または半固形
の半導体封止用樹脂組成物を半導体素子上あるいはその
近傍に対して直接貼りつけまたは塗布を行ない、その後
加熱し硬化させて上記半導体素子と配線回路基板との空
隙に封止樹脂層を形成することも可能である。
【0084】また、上記サイドフィル封止方法による半
導体装置の製造は、真空下で行ってもよい。真空下で行
う装置としては、例えば武蔵エンジニアリング社製の型
式MBC−Vシリーズ等があげられる。さらに、上記真
空下で半導体装置を製造する際、真空下で配線回路基板
と半導体素子との空隙に半導体封止用樹脂組成物をディ
スペンサーを用いて注入し充填した後、大気圧に戻して
さらに半導体封止用樹脂組成物を充填するという差圧充
填を行ってもよい。
【0085】〔プレスバンプ封止方法〕まず、配線回路
基板上に加温(40〜90℃程度、好適には60〜80
℃程度)された上記半導体封止用樹脂組成物をディスペ
ンサーを用いてポッティングする。その後、フリップチ
ップボンダー等によるプレスバンプ接続方式により、半
導体素子と配線回路基板との電気的接続と同時に封止樹
脂層を形成することにより、フリップチップ実装による
半導体装置を製造することができる。
【0086】なお、予め加温せずに、固形または半固形
の半導体封止用樹脂組成物を半導体素子あるいは配線回
路基板に対して直接貼りつけまたは塗布を行い、その後
プレスバンプ接続方式により、半導体素子と配線回路基
板との電気的接続と同時に封止樹脂層を形成することも
可能である。
【0087】また、上記プレスバンプ封止方法による半
導体装置の製造は、必要に応じて真空下で行ってもよ
い。
【0088】また、ディスペンサーを用いてポッティン
グする代わりに、可能であれば、印刷により塗布し、そ
の後、フリップチップボンダー等によるプレスバンプ接
続方式により、半導体素子と配線回路基板との電気的接
続と同時に封止樹脂層を形成してもよい。なお、印刷に
よる塗布は印刷雰囲気全体を加温したり、マスク、スキ
ージ等を部分的に加温してもよい(加温の目安は40〜
100℃である)。
【0089】〔印刷封止方法〕まず、配線回路基板上に
複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載されたも
のを準備する。そして、予め加温(40〜130℃程
度、好適には60〜100℃程度)された配線回路基板
と半導体素子との空隙に、加温(40〜90℃程度、好
適には60〜80℃程度)された上記半導体封止用樹脂
組成物をディスペンサーを用いて滴下し、印刷封止にて
封止樹脂層を形成することにより、フリップチップ実装
による半導体装置を製造することができる。
【0090】上記印刷封止については、真空差圧を利用
した東レエンジニアリング社製の真空印刷封止装置(型
式VPE−100シリーズ)を用いるのが、封止樹脂層
に気泡が入りにくいという点で好ましい。
【0091】なお、予め加温せずに、固形または半固形
の半導体封止用樹脂組成物をステージ、スキージ等に対
して直接貼りつけ、塗布等を行ない、印刷封止すること
も可能である。
【0092】一方、上記半導体装置の製造方法のうちの
キャビティーフィル形態の半導体装置の製造方法につい
て、具体的に説明する。
【0093】まず、配線回路基板上に半導体素子が搭載
され、両者がボンディングワイヤー等で電気的に接続さ
れたものを準備する。そして、予め加温(40〜130
℃程度、好適には60〜100℃程度)された配線回路
基板と半導体素子に、加温(40〜90℃程度、好適に
は60〜80℃程度)された上記半導体封止用樹脂組成
物をディスペンサーを用いてポッティングし加熱硬化し
て半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成すること
により、キャビティーフィル形態の半導体装置を製造す
ることができる。
【0094】なお、予め加温せずに、固形または半固形
の半導体封止用樹脂組成物を、直接貼りつけ、または塗
布を行い、その後加熱し硬化させて上記半導体素子を内
蔵するよう封止樹脂層を形成することも可能である。
【0095】また、上記封止方法による半導体装置の製
造は、真空下で行ってもよい。真空下で行う装置として
は、例えば武蔵エンジニアリング社製の型式MBC−V
シリーズ等があげられる。
【0096】他の製造方法について述べる。すなわち、
まず、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者が
ボンディングワイヤー等で電気的に接続されたものを準
備する。そして、予め加温(40〜130℃程度、好適
には60〜100℃程度)された配線回路基板と半導体
素子上に、加温(40〜90℃程度、好適には60〜8
0℃程度)された上記半導体封止用樹脂組成物を印刷等
により供給し、加熱硬化して半導体素子を内蔵するよう
封止樹脂層を形成することにより、キャビティーフィル
形態の半導体装置を製造することができる。
【0097】上記印刷封止による半導体装置の製造は、
真空下で行ってもよい。さらに、真空下で半導体装置を
製造する際、真空下で印刷封止した後、雰囲気の気圧を
上げて半導体封止用樹脂組成物中のボイド抜きを行い、
その状態のままでさらに仕上げ印刷を行ってもよい。
【0098】このようにして得られた半導体装置は、例
えば、実装用基板(マザーボード)の搭載に用いられ半
導体製品の製造に供される。すなわち、実装用基板(マ
ザーボート)上に、複数の接続用電極部を介して、半導
体装置を搭載するとともに、上記実装用基板と半導体装
置との間の空隙を、本発明の半導体封止用樹脂組成物を
用いて充填し、加熱硬化させることにより封止樹脂層を
形成して半導体製品を製造する。
【0099】上記半導体封止用樹脂組成物を加熱硬化さ
せる方法としては、特に限定するものではないが、例え
ば、対流式乾燥機、IRリフロー炉、ホットプレート等
を用いた加熱方法等があげられる。
【0100】また、本発明の半導体封止用樹脂組成物を
用いることによる上記実装用基板と半導体装置との間の
空隙の充填方法としては、例えば、先の半導体装置の製
造方法のうちのフリップチップ実装について述べたのと
同様の方法、サイドフィル封止方法、プレスバンプ封止
方法、印刷封止方法等があげられる。なお、上記の半導
体封止用樹脂組成物に、ニッケル、金、銀、銅、錫、
鉛、Bi等の導電性粒子を分散させ、ACF(Anisotro
pic Conductive Film )、ACP(AnisotropicConduct
ive Paste)としてフリップチップ実装に用いてもよ
い。その他の使用方法として、上記半導体封止用樹脂組
成物を配線回路基板上のダム材として用いたり、配線回
路基板と放熱板との接着剤およびダイボンド剤として用
いてもよい。
【0101】本発明の半導体封止用樹脂組成物を、半導
体ウェハやマトリックス状の配線回路基板に対して用い
た半導体装置の製造は、従来公知の各種の方法により行
うことができる。
【0102】突起状電極部が配設された半導体素子が複
数形成された半導体ウェハに対して用いた場合について
述べる。すなわち、上記突起状電極部配設面に、加温
(40〜90℃程度、好適には60〜80℃程度)され
た上記半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用い
て塗布して半導体封止用樹脂組成物からなる所定の厚み
の樹脂層を形成する。上記半導体封止用樹脂組成物から
なる所定の厚みの樹脂層を形成する際には、上記突起状
電極部の少なくとも先端部を上記樹脂層より露出させる
よう設定する。ついで、上記樹脂層が形成された半導体
ウェハを切断して半導体装置を作製する。
【0103】上記半導体封止用樹脂組成物からなる樹脂
層の形成方法としては、マスクの開口部を通して印刷に
より行う方法があげられる。
【0104】上記形成された樹脂層は、最終的に加熱硬
化されていればよく、加熱硬化工程は半導体ウェハの切
断前であっても切断後であってもよい。
【0105】一方、個々の配線回路が形成されたマトリ
ックス状の配線回路基板上に搭載された複数の半導体素
子全体上に、上記半導体封止用樹脂組成物を供給して上
記半導体素子を内蔵するよう樹脂層を形成する。つい
で、上記樹脂層を加熱硬化して複数の半導体素子を樹脂
封止した後、樹脂封止された複数の半導体素子を個々の
半導体素子毎に切断することにより半導体装置を作製す
る。
【0106】上記形成された樹脂層は、最終的に加熱硬
化されていればよく、加熱硬化工程は半導体素子毎の切
断前であっても切断後であってもよい。
【0107】上記半導体封止用樹脂組成物からなる樹脂
層の形成方法としては、先に述べた方法と同様、ディス
ペンサーを用いる方法、マスクの開口部を通して印刷に
より行う方法等があげられる。
【0108】また、突起状電極部が配設された半導体素
子が複数形成された半導体ウェハの、上記突起状電極部
配設面に、上記半導体封止用樹脂組成物を供給して所定
の厚みの樹脂層を形成した後、上記樹脂層が形成された
半導体ウェハを個々の半導体素子に切断する。ついで、
上記切断された半導体素子の樹脂層形成面と、複数の配
線回路基板とを対面させた状態で、配線回路基板と半導
体素子とを加熱圧着することにより両者を電気的に接続
させるとともに、上記樹脂層を溶融して硬化させること
により、上記半導体素子と配線回路基板との間に封止樹
脂層を形成して樹脂封止する。このようにして半導体装
置を作製する。
【0109】さらに、個々の配線回路が形成されたマト
リックス状の配線回路基板上に上記半導体封止用樹脂組
成物を供給して樹脂層を形成した後、上記樹脂層が形成
された配線回路基板を個々の配線回路基板に切断する。
ついで、複数の接続用電極部が各々に配設された半導体
素子の接続用電極部配設面と、上記切断された配線回路
基板とを対面させた状態で、半導体素子と配線回路基板
とを加熱圧着することにより両者を電気的に接続させる
とともに、上記樹脂層を溶融して硬化させることによ
り、半導体素子と配線回路基板との間に封止樹脂層を形
成して樹脂封止する。このようにして半導体装置を作製
する。
【0110】上記半導体封止用樹脂組成物からなる樹脂
層の形成方法としては、先に述べた方法と同様、ディス
ペンサーを用いる方法、マスクの開口部を通して印刷に
より行う方法等があげられる。
【0111】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0112】まず、実施例に先立って下記に示す各成分
を準備した。
【0113】〔エポキシ樹脂a1〕下記の化学式(2)
で表される結晶性エポキシ樹脂(エポキシ当量174g
/eq、融点79℃、新日鉄化学社製のGK−413
7)。
【0114】
【化10】
【0115】〔エポキシ樹脂a2〕ビスフェノールF型
エポキシ樹脂(25℃で液状:エポキシ当量158g/
eq、東都化成社製のエポトート YDF−817
0)。
【0116】〔エポキシ樹脂a3〕ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(25℃で固体:エポキシ当量450g/
eq、油化シェル社製のエピコート1001W)。
【0117】〔エポキシ樹脂a4〕下記の化学式(3)
で表される結晶性エポキシ樹脂(エポキシ当量190g
/eq、融点78℃、新日鉄化学社製のGK−507
9)。
【0118】
【化11】
【0119】〔酸無水物〕メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸(メチル化HHPA、新日本理化社製、リカシッド
MH−700)。
【0120】〔硬化促進剤c1〕前述した方法に準じて
マイクロカプセル型硬化促進剤を作製した。すなわち、
まず、キシリレンジイソシアネート3モルとトリメチロ
ールプロパン1モルとの付加物11部、トリレンジイソ
シアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの
付加物4.6部を、硬化促進剤としてのトリフェニルホ
スフィン7部と酢酸エチル3.9部との混合液中に均一
に溶解させて油相を調製した。また、蒸留水100部と
ポリビニルアルコール5部からなる水相を別途調製し、
このなかに上記調製した油相を添加してホモミキサーに
て乳化しエマルジョン状態にし、これを還流管、攪拌
機、滴下ロートを備えた重合反応器に仕込んだ。
【0121】一方、トリエチレンテトラミン3部を含む
水溶液10部を調製し、これを上記重合反応器に備えた
滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下し
て70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型
硬化促進剤の水性サスペンジョンを得た。続いて、遠心
分離により水相中のポリビニルアルコール等を除去した
後、蒸留水100部を加え再び分散を行いサスペンジョ
ンを得た。
【0122】このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し
系のpHを3に調整した。これにより壁膜表面および内
部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプ
セル型硬化促進剤を作製した。このようにして得られた
マイクロカプセル型硬化促進剤は遠心分離にて分別、水
洗を繰り返した後、乾燥することによって自由流動性を
有する粉末状粒子として単離した。このマイクロカプセ
ル型硬化促進剤の平均粒径は2μmであった。また、マ
イクロカプセルの粒径に対するシェル厚み比率は15%
であり、トリフェニルホスフィンの内包量は全体の30
重量%であった。
【0123】〔硬化促進剤c2〕日本化薬社製のMCE
−9957。
【0124】〔硬化促進剤c3〕2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール(四国化成工業社製のキュアゾール2E
4MZ)。
【0125】〔無機質充填剤d1〕球状溶融シリカ粉末
(平均粒径0.56μm、アドマテックス社製のSE−
2100)。
【0126】〔無機質充填剤d2〕球状溶融シリカ粉末
(平均粒径15μm、電気化学工業社製のFB−48
X)。
【0127】
【実施例1〜4、比較例】上記各成分を後記の表1に示
す配合割合で配合し、万能攪拌釜にて混練りして溶融混
合した。つぎに、これを室温にて冷却することにより目
的とする半導体封止用樹脂組成物を作製した。なお、混
練り条件については、つぎに示すとおりである。すなわ
ち、まず、エポキシ樹脂および酸無水物を仕込み、10
0℃で20分間混合した。その後、80℃に温度を下げ
て無機質充填剤を加えて20分間混合した。そして、7
0℃まで温度を下げ、硬化促進剤を加え2分間混合し受
け入れた。
【0128】
【表1】
【0129】このようにして得られた実施例および比較
例の半導体封止用樹脂組成物について、25℃および8
0℃における各粘度をE型粘度計を用い前述の方法に従
って測定した。さらに、ガラス転移温度(Tg)、貯蔵
安定性(無機質充填剤の沈降度合い、粘度変化の度合
い)、吐出および塗布作業性、可使時間について、下記
の方法に従って測定・評価した。また、上記半導体封止
用樹脂組成物を用いて作製した半導体装置の耐湿信頼性
を下記の方法に従って測定・評価した。そして、これら
の結果を後記の表2に示した。
【0130】〔ガラス転移温度(Tg)〕予め脱泡処理
した半導体封止用樹脂組成物を用いて150℃で3時間
硬化させたテストピースを、リガク社製のTMA装置
(型番MG800GM)を用い測定した。なお、測定条
件は、昇温5℃/minで荷重30gで行った。そし
て、横軸を温度,縦軸を伸びとするグラフ図を作成し、
50〜70℃間の接線と200〜230℃間の接線との
交点をTgとして求めた。
【0131】〔貯蔵安定性〕 *1:無機質充填剤の沈降度合い 内径16mmφ、高さ180mmの試験管に半導体封止
用樹脂組成物を入れて密栓し(試料高さ:120m
m)、25℃で30日間放置後、無機質充填剤の沈降度
合いを確認した。沈降有無の判断としては、無機質充填
剤が沈降するとその部分の半導体封止用樹脂組成物の濁
度レベルが変わるため、目視にて濁度変化を確認した。
濁度が減少(透明度が増す)したものを沈降有りとし
た。沈降部分の高さが1mm以上のものを沈降有りとし
て×を表示し、沈降部分が全くないものを沈降無しとし
て◎を表示した。 *2:粘度変化の度合い 25℃の雰囲気に放置し(30日)、放置前後の粘度を
E型粘度計を用いて測定した(測定温度:80℃、従来
例については測定温度:25℃)。そして、放置後の粘
度が放置前の粘度の1.5倍以下のものに◎、放置後の
粘度が放置前の粘度の1.5倍を超え3.0倍以下のも
のに○、放置後の粘度が放置前の粘度の3.0倍を超え
10倍以下のものに△、放置後の粘度が放置前の粘度の
10倍を超えるものに×をつけた。なお、E型粘度計を
用いての粘度の測定は、前記25℃または80℃におけ
る粘度の測定方法と同様にして行った。
【0132】〔吐出性、塗布作業性〕80℃に加温した
半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて時間
と圧力の一定条件で吐出した時の吐出量で評価した。す
なわち、武蔵エンジニアリング社製のシリンジ10c
c、金属ニードルSN−17G(内径2.4mm)を用
い、圧力49.05×104 N/m2 で10秒後の吐出
量を測定した。その結果、吐出量が1000mg以上の
ものを◎、200mg以上1000mg未満のものを
○、50mg以上200mg未満のものを△、50mg
未満のものを×とした。なお、上記条件で50mg未満
であれば、半導体の樹脂封止が不可のレベルである。
【0133】〔可使時間(粘度変化)〕各半導体封止用
樹脂組成物について、50℃×72時間放置前後の粘度
をE型粘度計を用いて測定した(測定温度:80℃、比
較例については測定温度:25℃)。そして、放置後の
粘度が放置前の粘度の1.5倍以下のものに◎、放置後
の粘度が放置前の粘度の1.5倍を超え3.0倍以下の
ものに○、放置後の粘度が放置前の粘度の3.0倍を超
え10倍以下のものに△、放置後の粘度が放置前の粘度
の10倍を超えるものに×をつけた。なお、E型粘度計
を用いての粘度の測定は、前記25℃または80℃にお
ける粘度の測定方法と同様にして行った。
【0134】
【表2】
【0135】上記表2の結果から、全ての実施例品は、
比較例品に比べ、無機質充填剤の沈降がなく、また可使
時間が長く、貯蔵安定性に優れていることがわかる。そ
して、吐出および塗布作業性にも優れていることがわか
る。また、実施例1〜3品は、潜在性硬化促進剤として
特定のマイクロカプセル型硬化促進剤を用いているた
め、市販のマイクロカプセル型硬化促進剤を用いたもの
に比べ、可使時間が非常に長く、貯蔵安定性に特に優れ
ている。
【0136】これに対し、比較例品は貯蔵安定性が悪く
なり、潜在性硬化促進剤ではない硬化促進剤を用いてい
るため、可使時間が短くなっていることがわかる。
【0137】つぎに、上記半導体装置の製法に関する実
施例について説明する。
【0138】
【実施例5】前記実施例1で作製した半導体封止用樹脂
組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボ
ンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備し
た。そして、予め70℃に加温された配線回路基板と半
導体素子上に、70℃に加温された上記半導体封止用樹
脂組成物を0.67kPaの真空下でマスクの開口部を
通じて印刷により塗布した。つぎに、雰囲気圧を20k
Paに設定し、上記半導体封止用樹脂組成物中のボイド
抜きを行い、その20kPaの状態を維持したまま上記
70℃に加温された上記半導体封止用樹脂組成物を用い
て仕上げ印刷を行った。その後、120℃×16時間の
条件で加熱硬化して半導体素子を内蔵するよう封止樹脂
層を形成することにより、キャビティーフィル形態の半
導体装置を製造した。
【0139】
【実施例6】前記実施例1で作製した半導体封止用樹脂
組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、予め100℃に加温された配線回路基板上に70℃
に加温された半導体封止用樹脂組成物をディスペンサー
を用いてポッティングした。その後、フリップチップボ
ンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子(大き
さ:9.5mm×9.5mm)を搭載し、熱圧着接続
(条件:140℃×20N×60分+220℃×5N×
2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用電極
部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導
体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリ
ップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0140】
【実施例7】前記実施例1で作製した半導体封止用樹脂
組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、配線回路基板上に接続用電極部を介して半導体素子
が搭載されたものを準備した。そして、予め100℃に
加温された配線回路基板および半導体素子との空隙に、
70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物をディスペ
ンサーを用いて充填した。その後、120℃×16時間
で加熱硬化させて配線回路基板と半導体素子との空隙に
封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実装に
よる半導体装置を製造した。
【0141】
【実施例8】前記実施例1で作製した半導体封止用樹脂
組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、配線回路基板上に接続用電極部を介して半導体素子
が搭載されたものを準備した。そして、予め70℃に加
温された配線回路基板および半導体素子との空隙に、
0.67kPaの真空下で70℃に加温された半導体封
止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて充填した。そ
の後、120℃×16時間で加熱硬化させて配線回路基
板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することに
よりフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0142】
【実施例9】前記実施例1で作製した半導体封止用樹脂
組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、配線回路基板上に接続用電極部を介して半導体素子
が搭載されたものを準備した。そして、予め70℃に加
温された配線回路基板および半導体素子との空隙に、
0.67kPaの真空下で70℃に加温された半導体封
止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて充填した。そ
の後、さらに大気圧に戻し、上記70℃に加温された半
導体封止用樹脂組成物を充填(差圧充填)した後、12
0℃×16時間で加熱硬化させて配線回路基板と半導体
素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリッ
プチップ実装による半導体装置を製造した。
【0143】
【実施例10】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、予め100℃に加温された配線回路基板上に70℃
に加温された半導体封止用樹脂組成物をディスペンサー
を用いてポッティングした。その後、フリップチップボ
ンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載
し、熱圧着接続(条件:140℃×20N×60分+2
20℃×5N×2分)により半導体素子と配線回路基板
とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線
回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成する
ことによりフリップチップ実装による半導体装置を製造
した。
【0144】
【実施例11】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、予め100℃に加温された半導体素子上に70℃に
加温された半導体封止用樹脂組成物をディスペンサーを
用いてポッティングした。その後、フリップチップボン
ダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配
線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:140℃×2
0N×60分+220℃×5N×2分)により半導体素
子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続
すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止
樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による
半導体装置を製造した。
【0145】
【実施例12】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に
加温された半導体封止用樹脂組成物を、0.67kPa
の真空下でディスペンサーを用いてポッティングした。
その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線回路
基板上に半導体素子を搭載し、熱圧着接続(条件:14
0℃×20N×60分+220℃×5N×2分)により
半導体素子と配線回路基板とを接続用電極部により電気
的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との空
隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ実
装による半導体装置を製造した。
【0146】
【実施例13】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、予め70℃に加温された半導体素子上に70℃に加
温された半導体封止用樹脂組成物を、0.67kPaの
真空下でディスペンサーを用いてポッティングした。そ
の後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素子
上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧着
接続(条件:140℃×20N×60分+220℃×5
N×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続用
電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板と
半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することにより
フリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0147】
【実施例14】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、予め70℃に加温された半導体素子上に70℃に加
温された半導体封止用樹脂組成物をマスクの開口部を通
じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボン
ダーを用い、上記半導体素子上に70℃に加温された配
線回路基板を搭載し、熱圧着接続(条件:140℃×2
0N×60分+220℃×5N×2分)により半導体素
子と配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続
すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止
樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による
半導体装置を製造した。
【0148】
【実施例15】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に
加温された半導体封止用樹脂組成物をマスクの開口部を
通じて印刷により塗布した。その後、フリップチップボ
ンダーを用い、上記配線回路基板上に半導体素子を搭載
し、熱圧着接続(条件:140℃×20N×60分+2
20℃×5N×2分)により半導体素子と配線回路基板
とを接続用電極部により電気的に接続すると同時に配線
回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成する
ことによりフリップチップ実装による半導体装置を製造
した。
【0149】
【実施例16】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、予め70℃に加温された半導体素子上に70℃に加
温された半導体封止用樹脂組成物を、0.67kPaの
真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布した。
その後、フリップチップボンダーを用い、上記半導体素
子上に70℃に加温された配線回路基板を搭載し、熱圧
着接続(条件:140℃×20N×60分+220℃×
5N×2分)により半導体素子と配線回路基板とを接続
用電極部により電気的に接続すると同時に配線回路基板
と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成することによ
りフリップチップ実装による半導体装置を製造した。
【0150】
【実施例17】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、予め70℃に加温された配線回路基板上に70℃に
加温された半導体封止用樹脂組成物を、0.67kPa
の真空下でマスクの開口部を通じて印刷により塗布し
た。その後、フリップチップボンダーを用い、上記配線
回路基板上に半導体素子(大きさ:9.5mm×9.5
mm)を搭載し、熱圧着接続(条件:140℃×20N
×60分+220℃×5N×2分)により半導体素子と
配線回路基板とを接続用電極部により電気的に接続する
と同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂
層を形成することによりフリップチップ実装による半導
体装置を製造した。
【0151】
【実施例18】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボ
ンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備し
た。そして、予め100℃に加温された半導体素子上
に、70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物をディ
スペンサーを用いてポッティングした。その後、120
℃×16時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよ
う封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル
形態の半導体装置を製造した。
【0152】
【実施例19】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボ
ンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備し
た。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、
70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物を、0.6
7kPaの真空下でディスペンサーを用いてポッティン
グした。その後、120℃×16時間で加熱硬化させて
半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することに
よりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0153】
【実施例20】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボ
ンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備し
た。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、
70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物をマスクの
開口部を通じて印刷により塗布した。その後、120℃
×16時間で加熱硬化させて半導体素子を内蔵するよう
封止樹脂層を形成することによりキャビティーフィル形
態の半導体装置を製造した。
【0154】
【実施例21】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボ
ンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備し
た。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、
70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物を、0.6
7kPaの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により
塗布した。その後、120℃×16時間で加熱硬化させ
て半導体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成すること
によりキャビティーフィル形態の半導体装置を製造し
た。
【0155】
【実施例22】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置を作製した。すなわ
ち、配線回路基板上に半導体素子が搭載され、両者がボ
ンディングワイヤーで電気的に接続されたものを準備し
た。そして、予め70℃に加温された半導体素子上に、
70℃に加温された半導体封止用樹脂組成物を、0.6
7kPaの真空下でマスクの開口部を通じて印刷により
塗布した。つぎに、雰囲気圧を20kPaに設定し、上
記半導体封止用樹脂組成物中のボイド抜きを行い、その
20kPaの状態を維持したまま70℃に加温された上
記半導体封止用樹脂組成物を用いて仕上げ印刷を行っ
た。その後、120℃×16時間で加熱硬化させて半導
体素子を内蔵するよう封止樹脂層を形成することにより
キャビティーフィル形態の半導体装置を製造した。
【0156】
【実施例23】実装用基板(マザーボード)上に、上記
実施例12で作製した半導体装置を載置し、電気的に接
続して100℃に加温したものを準備した。その後、7
0℃に加温された半導体封止用樹脂組成物(前記実施例
1で作製した樹脂組成物)を、実装用基板と半導体装置
との間の空隙にディスペンサーを用いて充填した。そし
て、120℃×16時間で硬化することにより半導体装
置と実装用基板との空隙に封止樹脂層を形成して半導体
製品を製造した。
【0157】上記のようにして得られた各半導体装置お
よび半導体製品の封止樹脂層について、気泡の有無を目
視により確認した。その結果を下記の表3〜表5に示
す。
【0158】
【表3】
【0159】
【表4】
【0160】
【表5】
【0161】上記表3〜表5の結果から、実施例18、
20を除き殆どの半導体装置および半導体製品の封止樹
脂層には気泡が無い、あるいは少量の気泡が確認される
程度であった。
【0162】つぎに、本発明の半導体封止用樹脂組成物
を半導体ウェハおよびマトリックス状の配線回路基板に
用いた半導体装置の製法に関する実施例について述べ
る。
【0163】
【実施例24】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置(ウェハレベルCS
P)を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、
突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された
半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体
封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて、厚み15
0μmとなるよう塗布することにより樹脂層を形成し
た。その後、0.67kPaの真空下で脱泡し、120
℃×16時間で加熱硬化することにより封止樹脂層を形
成した。そして、さらに上記突起状電極部の先端部が上
記封止樹脂層より露出するよう樹脂部を研磨した後、ダ
イサーにて切断して個片化して半導体装置(ウェハレベ
ルCSP)を作製した。
【0164】
【実施例25】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置(ウェハレベルCS
P)を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、
突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された
半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体
封止用樹脂組成物を0.67kPaの真空下でマスクの
開口部を通じて厚み150μmとなるよう印刷封止し
た。その後、0.67kPaの真空下で脱泡し、120
℃×16時間で加熱硬化することにより封止樹脂層を形
成した。そして、さらに上記突起状電極部の先端部が上
記封止樹脂層より露出するよう樹脂部を研磨した後、ダ
イサーにて切断して個片化して半導体装置(ウェハレベ
ルCSP)を作製した。
【0165】
【実施例26】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにして半導体装置(ウェハレベルCS
P)を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、
突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された
半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体
封止用樹脂組成物を0.67kPaの真空下でマスクの
開口部を通じて厚み150μmとなるよう印刷封止し
た。その後、20kPaに戻して泡抜きを行い、さらに
20kPaの真空下で仕上げ印刷を行った。仕上げ印刷
した後、120℃×16時間で加熱硬化することにより
封止樹脂層を形成した。そして、さらに上記突起状電極
部の先端部が上記封止樹脂層より露出するよう樹脂部を
研磨した後、ダイサーにて切断して個片化して半導体装
置(ウェハレベルCSP)を作製した。
【0166】
【実施例27】個々の配線回路が形成されたマトリック
ス状の配線回路基板上に、ボンディングワイヤーを介し
て複数の半導体素子を搭載した。そして、前記実施例1
で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空
下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体
装置(MAP−BGA法)を作製した。すなわち、予め
70℃に加温された、マトリックス状の配線回路基板上
に搭載された半導体素子全面に、ディスペンサーを用い
て上記半導体封止用樹脂組成物を塗布し、半導体素子を
内蔵するよう樹脂層を形成した。樹脂層を形成した後、
0.67kPaの真空下で脱泡し、その後120℃×1
6時間で加熱硬化することにより封止樹脂層を形成し
た。その後、ダイサーにて切断して個片化して半導体装
置(MAP−BGA法)を作製した。
【0167】
【実施例28】個々の配線回路が形成されたマトリック
ス状の配線回路基板上に、ボンディングワイヤーを介し
て複数の半導体素子を搭載した。そして、前記実施例1
で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空
下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体
装置(MAP−BGA法)を作製した。すなわち、予め
70℃に加温された、マトリックス状の配線回路基板上
に搭載された半導体素子全面に、上記半導体封止用樹脂
組成物を0.67kPaの真空下でマスクの開口部を通
じて印刷封止した。その後120℃×16時間で加熱硬
化することにより封止樹脂層を形成した。その後、ダイ
サーにて切断して個片化して半導体装置(MAP−BG
A法)を作製した。
【0168】
【実施例29】個々の配線回路が形成されたマトリック
ス状の配線回路基板上に、ボンディングワイヤーを介し
て複数の半導体素子を搭載した。そして、前記実施例1
で作製した半導体封止用樹脂組成物を予め70℃の真空
下で減圧脱泡したものを用い、つぎのようにして半導体
装置(MAP−BGA法)を作製した。すなわち、予め
70℃に加温された、マトリックス状の配線回路基板上
に搭載された半導体素子全面に、上記半導体封止用樹脂
組成物を0.67kPaの真空下でマスクの開口部を通
じて印刷封止した。印刷封止した後、20kPaに戻し
て泡抜きを行い、さらに20kPaの真空下で仕上げ印
刷を行った。仕上げ印刷した後、120℃×16時間で
加熱硬化することにより封止樹脂層を形成した。その
後、ダイサーにて切断して個片化して半導体装置(MA
P−BGA法)を作製した。
【0169】
【実施例30】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体
装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、
突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された
半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体
封止用樹脂組成物をディスペンサーを用いて、厚み50
μmとなるよう塗布することにより樹脂層を形成した。
その後、ダイサーにて切断して個片化した。つぎに、予
め70℃に加温された配線回路基板と、上記個片化した
半導体素子の樹脂層形成面とを対峙させフリップチップ
ボンダーを用いて熱圧着接続(条件:140℃×20N
×60分+220℃×5N×2分)することにより半導
体素子と配線回路基板とを上記突起状電極部を介して電
気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との
空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ
実装による半導体装置を製造した。
【0170】
【実施例31】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体
装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、
突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された
半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体
封止用樹脂組成物を、マスクの開口部を通じて厚み50
μmとなるよう印刷封止した。その後、ダイサーにて切
断して個片化した。つぎに、予め70℃に加温された配
線回路基板と、上記個片化した半導体素子の樹脂層形成
面とを対峙させフリップチップボンダーを用いて熱圧着
接続(条件:140℃×20N×60分+220℃×5
N×2分)することにより半導体素子と配線回路基板と
を上記突起状電極部を介して電気的に接続すると同時に
配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成
することによりフリップチップ実装による半導体装置を
製造した。
【0171】
【実施例32】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体
装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、
突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された
半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体
封止用樹脂組成物を、マスクの開口部を通じて厚み50
μmとなるよう印刷封止した。その後、0.67kPa
の真空下で泡抜きを行った。その後、ダイサーにて切断
して個片化した。つぎに、予め70℃に加温された配線
回路基板と、上記個片化した半導体素子の樹脂層形成面
とを対峙させフリップチップボンダーを用いて熱圧着接
続(条件:140℃×20N×60分+220℃×5N
×2分)することにより半導体素子と配線回路基板とを
上記突起状電極部を介して電気的に接続すると同時に配
線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形成す
ることによりフリップチップ実装による半導体装置を製
造した。
【0172】
【実施例33】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体
装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、
突起状電極部が配設された半導体素子が複数形成された
半導体ウェハの上記突起状電極部配設面に、上記半導体
封止用樹脂組成物を、マスクの開口部を通じて、0.6
7kPaの真空下で厚み50μmとなるよう印刷封止し
た。その後、20kPaの真空下に戻し泡抜きを行っ
た。さらに、20kPaの条件で仕上げ印刷を行った。
その後、ダイサーにて切断して個片化した。つぎに、予
め70℃に加温された配線回路基板と、上記個片化した
半導体素子の樹脂層形成面とを対峙させフリップチップ
ボンダーを用いて熱圧着接続(条件:140℃×20N
×60分+220℃×5N×2分)することにより半導
体素子と配線回路基板とを上記突起状電極部を介して電
気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素子との
空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップチップ
実装による半導体装置を製造した。
【0173】
【実施例34】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体
装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、
個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路
基板全面に、上記半導体封止用樹脂組成物をディスペン
サーを用いて0.67kPaの真空下で塗布することに
より樹脂層を形成した。その後、ダイサーにて切断して
個片化した。つぎに、予め70℃に加温された、複数の
接続用電極部が各々に配設された半導体素子の接続用電
極部配設面と、上記個片化した配線回路基板の樹脂層形
成面とを対峙させフリップチップボンダーを用いて熱圧
着接続(条件:140℃×20N×60分+220℃×
5N×2分)することにより半導体素子と配線回路基板
とを上記突起状電極部を介して電気的に接続すると同時
に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止樹脂層を形
成することによりフリップチップ実装による半導体装置
を製造した。
【0174】
【実施例35】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体
装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、
個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路
基板全面に、上記半導体封止用樹脂組成物をマスクの開
口部を通じて印刷することにより樹脂層を形成した。そ
の後、ダイサーにて切断して個片化した。つぎに、予め
70℃に加温された、複数の接続用電極部が各々に配設
された半導体素子の接続用電極部配設面と、上記個片化
した配線回路基板の樹脂層形成面とを対峙させフリップ
チップボンダーを用いて熱圧着接続(条件:140℃×
20N×60分+220℃×5N×2分)することによ
り半導体素子と配線回路基板とを上記突起状電極部を介
して電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体素
子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリップ
チップ実装による半導体装置を製造した。
【0175】
【実施例36】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体
装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、
個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路
基板全面に、上記半導体封止用樹脂組成物をマスクの開
口部を通じて印刷して樹脂層を形成した後、0.67k
Paの真空下で泡抜きを行った。その後、ダイサーにて
切断して個片化した。つぎに、予め70℃に加温され
た、複数の接続用電極部が各々に配設された半導体素子
の接続用電極部配設面と、上記個片化した配線回路基板
の樹脂層形成面とを対峙させフリップチップボンダーを
用いて熱圧着接続(条件:140℃×20N×60分+
220℃×5N×2分)することにより半導体素子と配
線回路基板とを上記突起状電極部を介して電気的に接続
すると同時に配線回路基板と半導体素子との空隙に封止
樹脂層を形成することによりフリップチップ実装による
半導体装置を製造した。
【0176】
【実施例37】前記実施例1で作製した半導体封止用樹
脂組成物を予め70℃の真空下で減圧脱泡したものを用
い、つぎのようにしてフリップチップ実装による半導体
装置を作製した。すなわち、予め70℃に加温された、
個々の配線回路が形成されたマトリックス状の配線回路
基板全面に、上記半導体封止用樹脂組成物をマスクの開
口部を通じて0.67kPaの真空下で印刷して樹脂層
を形成した後、20kPaの真空下に戻し泡抜きを行っ
た。さらに、20kPaの条件で仕上げ印刷を行った。
その後、ダイサーにて切断して個片化した。つぎに、予
め70℃に加温された、複数の接続用電極部が各々に配
設された半導体素子の接続用電極部配設面と、上記個片
化した配線回路基板の樹脂層形成面とを対峙させフリッ
プチップボンダーを用いて熱圧着接続(条件:140℃
×20N×60分+220℃×5N×2分)することに
より半導体素子と配線回路基板とを上記突起状電極部を
介して電気的に接続すると同時に配線回路基板と半導体
素子との空隙に封止樹脂層を形成することによりフリッ
プチップ実装による半導体装置を製造した。
【0177】上記のようにして得られた各半導体装置の
封止樹脂層について、気泡の有無を目視により確認し
た。その結果を下記の表6〜表7に示す。
【0178】
【表6】
【0179】
【表7】
【0180】上記表6〜表7の結果、半導体装置の封止
樹脂層には気泡が無い、あるいは少量の気泡が確認され
る程度であった。
【0181】
【発明の効果】以上のように、本発明は、エポキシ樹脂
(A成分)と、酸無水物系硬化剤(B成分)と、潜在性
硬化促進剤(C成分)と、無機質充填剤(D成分)とを
含有する半導体封止用樹脂組成物であって、25℃およ
び80℃の各温度における、半導体封止用樹脂組成物の
状態・粘度が特定の範囲に設定されている。このため、
従来の液状封止剤に比べ可使時間が長くなり、貯蔵安定
性に優れている。しかも、室温で固形または半固形であ
っても、40〜80℃程度の低い温度で急激に粘度が低
下して液状化できるため、吐出および塗布作業性に優れ
ている。なかでも、本発明の半導体封止用樹脂組成物
は、常温では固形または半固形であるため、半導体素子
または配線回路基板において封止後硬化しない状態であ
っても、常温で自由に取り扱いができることから、この
半導体封止用樹脂組成物を半導体ウェハやマトリックス
状の配線回路基板等に塗布した後、個々の素子および配
線回路基板に切断してフリップチップボンダー等で配線
回路基板と半導体素子とを熱圧着等による接続が可能と
なる。また、本発明の半導体封止用樹脂組成物は、室温
下において、固形または半固形の状態で貯蔵できるた
め、無機質充填剤(D成分)が沈降してしまうことがな
い。したがって、固形または半固形の状態で貯蔵し、そ
の後、必要に応じて低い温度下で液状化して用いること
ができるため、良好な封止を行うことができ、結果、信
頼性の高い半導体装置が得られる。
【0182】そして、上記潜在性硬化促進剤(C成分)
として、特定のシェル部で硬化促進剤からなるコア部が
被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカプセル
型硬化促進剤を用いた場合には、それを含有してなる半
導体封止用樹脂組成物は、可使時間が非常に長くなり、
貯蔵安定性に特に優れるという利点がある。
【0183】さらに、上記無機質充填剤(D成分)とし
て球状溶融シリカを用い、これが半導体封止用樹脂組成
物全体中に特定の割合で含有されている場合には、それ
を含有してなる半導体封止用樹脂組成物は、流動性に優
れるようになり、吐出および塗布作業性に優れるという
利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31 Fターム(参考) 4J002 CC03X CD00W CD03W CD05W CD06W CD07W CK013 EF116 EF126 EN006 ER027 ET017 EU047 EU117 EW137 EY017 FD14X FD146 FD157 FD203 GQ00 GQ01 4J036 AA01 AC01 AD08 AF05 AF06 AJ08 DB15 DB21 DB22 DC02 DC25 DC26 DC38 DC40 DC41 DC46 DD07 FB07 HA07 JA07 4M109 AA01 BA03 CA05 CA12 EA02 EA03 EB02 EB04 EB13 EC01 EC20 5F061 AA01 BA03 CA05 CA12 CB03 CB13

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(D)成分を含有する半
    導体封止用樹脂組成物であって、上記半導体封止用樹脂
    組成物が25℃で粘度700Pa・s以上または25℃
    で固体で、かつ80℃で粘度500Pa・s以下に設定
    されていることを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。 (A)エポキシ樹脂。 (B)酸無水物系硬化剤。 (C)潜在性硬化促進剤。 (D)無機質充填剤。
  2. 【請求項2】 上記(A)成分であるエポキシ樹脂が、
    結晶性エポキシ樹脂である請求項1記載の半導体封止用
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記(A)成分であるエポキシ樹脂が、
    多官能エポキシ樹脂である請求項1記載の半導体封止用
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記(C)成分である潜在性硬化促進剤
    が、硬化促進剤からなるコア部が、下記の一般式(1)
    で表される構造単位を有する重合体を主成分とするシェ
    ル部で被覆されたコア/シェル構造を有するマイクロカ
    プセル型硬化促進剤である請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の半導体封止用樹脂組成物。 【化1】
  5. 【請求項5】 上記(C)成分であるマイクロカプセル
    型硬化促進剤のシェル部が、下記の(X)および(Y)
    の少なくとも一方と、アミン化合物とを反応させること
    により形成されたものである請求項4記載の半導体封止
    用樹脂組成物。 (X)トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロ
    パンの付加物。 (Y)キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプ
    ロパンの付加物。
  6. 【請求項6】 上記(D)成分である無機質充填剤が、
    球状溶融シリカ粉末であって、上記球状溶融シリカ粉末
    が、半導体封止用樹脂組成物全体中に50〜92重量%
    の割合で含有されている請求項1〜5のいずれか一項に
    記載の半導体封止用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 配線回路基板上に、複数の接続用電極部
    を介して半導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半
    導体素子との間の空隙が封止樹脂層によって封止されて
    なる半導体装置であって、上記封止樹脂層が、請求項1
    〜6のいずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物に
    よって形成されていることを特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】 配線回路基板上に、複数の接続用電極部
    を介して半導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半
    導体素子との間の空隙が封止樹脂層によって封止されて
    なる半導体装置の製法であって、上記配線回路基板と半
    導体素子との間の空隙に、請求項1〜6のいずれか一項
    に記載の半導体封止用樹脂組成物を充填した後、硬化さ
    せることにより上記封止樹脂層を形成することを特徴と
    する半導体装置の製法。
  9. 【請求項9】 配線回路基板面上に半導体素子が搭載さ
    れ、配線回路基板と半導体素子とが電気的に接続され、
    上記半導体素子を内蔵するように半導体素子の周囲を封
    止樹脂層によって封止してなる半導体装置であって、上
    記封止樹脂層が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の
    半導体封止用樹脂組成物によって形成されていることを
    特徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】 配線回路基板面上に半導体素子が搭載
    され、配線回路基板と半導体素子とが電気的に接続さ
    れ、上記半導体素子を内蔵するように半導体素子の周囲
    を封止樹脂層によって封止してなる半導体装置の製法で
    あって、上記配線回路基板面上に半導体素子を搭載して
    配線回路基板と半導体素子を電気的に接続した後、上記
    半導体素子搭載面側の配線回路基板上に請求項1〜6の
    いずれか一項に記載の半導体封止用樹脂組成物を供給し
    て硬化させることにより上記封止樹脂層を形成すること
    を特徴とする半導体装置の製法。
  11. 【請求項11】 実装用基板上に、複数の接続用電極部
    を介して樹脂封止層が形成された半導体装置が、それ自
    体の配線回路基板を対面させた状態で搭載され、上記実
    装用基板と半導体装置との間の空隙が封止樹脂層によっ
    て封止されてなる半導体製品であって、上記封止樹脂層
    が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封止用
    樹脂組成物によって形成されていることを特徴とする半
    導体製品。
  12. 【請求項12】 突起状電極部が配設された半導体素子
    が複数形成された半導体ウェハの、上記突起状電極部配
    設面に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封
    止用樹脂組成物からなる所定の厚みの樹脂層を、上記突
    起状電極部の少なくとも先端部を上記樹脂層から露出す
    るよう形成する工程と、上記樹脂層が形成された半導体
    ウェハを、個々の半導体素子に切断する工程とを備えた
    ことを特徴とする半導体装置の製法。
  13. 【請求項13】 上記樹脂層を形成する工程が、マスク
    の開口部を通して印刷により行われる請求項12記載の
    半導体装置の製法。
  14. 【請求項14】 個々の配線回路が形成されたマトリッ
    クス状の配線回路基板上に搭載された複数の半導体素子
    全体上に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体
    封止用樹脂組成物を供給して半導体素子を内蔵するよう
    樹脂層を形成する工程と、上記半導体素子を内蔵するよ
    う樹脂層が形成されたマトリックス状の配線回路基板
    を、樹脂層とともに個々の半導体素子毎に切断する工程
    とを備えたことを特徴とする半導体装置の製法。
  15. 【請求項15】 上記樹脂層を形成する工程が、マスク
    の開口部を通して印刷により行われる請求項14記載の
    半導体装置の製法。
  16. 【請求項16】 突起状電極部が配設された半導体素子
    が複数形成された半導体ウェハの、上記突起状電極部配
    設面に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封
    止用樹脂組成物からなる所定の厚みの樹脂層を形成する
    工程と、上記樹脂層が形成された半導体ウェハを個々の
    半導体素子に切断する工程と、上記切断された半導体素
    子の樹脂層形成面と、配線回路基板とを対面させた状態
    で、配線回路基板と半導体素子とを加熱圧着することに
    より両者を電気的に接続させるとともに、上記樹脂層を
    溶融して硬化させることにより、上記半導体素子と配線
    回路基板との間に封止樹脂層を形成して樹脂封止する工
    程とを備えたことを特徴とする半導体装置の製法。
  17. 【請求項17】 上記半導体封止用樹脂組成物からなる
    樹脂層を形成する工程が、マスクの開口部を通して印刷
    により行われる請求項16記載の半導体装置の製法。
  18. 【請求項18】 上記半導体封止用樹脂組成物からなる
    樹脂層を形成する工程が、ディスペンサーを用いて行わ
    れる請求項16記載の半導体装置の製法。
  19. 【請求項19】 個々の配線回路が形成されたマトリッ
    クス状の配線回路基板面に、請求項1〜6のいずれか一
    項に記載の半導体封止用樹脂組成物を塗布して樹脂層を
    形成する工程と、上記樹脂層が形成された配線回路基板
    を個々の配線回路基板に切断する工程と、複数の接続用
    電極部が各々に配設された半導体素子の接続用電極部配
    設面と、切断された配線回路基板とを対面させた状態
    で、半導体素子と配線回路基板とを加熱圧着することに
    より両者を電気的に接続させるとともに、上記樹脂層を
    溶融して硬化させることにより、上記半導体素子と配線
    回路基板との間に封止樹脂層を形成して樹脂封止する工
    程とを備えたことを特徴とする半導体装置の製法。
  20. 【請求項20】 上記半導体封止用樹脂組成物を塗布し
    て樹脂層を形成する工程が、マスクの開口部を通して印
    刷により行われる請求項19記載の半導体装置の製法。
  21. 【請求項21】 上記半導体封止用樹脂組成物を塗布し
    て樹脂層を形成する工程が、ディスペンサーを用いて行
    われる請求項19記載の半導体装置の製法。
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