JP3955234B2 - 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置において配線回路基板と半導体素子との間の空隙を封止するための熱硬化性樹脂組成物およびその熱硬化性樹脂組成物で封止されてなる半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の半導体デバイスの性能向上に伴う要求として、半導体素子をフェイスダウン構造で、配線回路基板に実装させる方法(フリップチップ、ダイレクトチップアタッチ方式等)がある。フリップチップ方式においては、互いの線膨張係数が異なる半導体素子と配線回路基板をダイレクトに電気接続を行うことから、接続部分の信頼性が問題となっている。この対策としては、半導体素子と配線回路基板との空隙に液状樹脂材料を充填し硬化させて樹脂硬化体を形成し、電気接続部に集中する応力を上記樹脂硬化体にも分散させることにより接続信頼性を向上させる方法が採られている。従来の半田バンプを用いたフリップチップ方式における液状材料の充填方法では、まずフリップチップを配線回路基板に実装し半田溶融工程による金属接合を形成した後、半導体素子と配線回路基板との空隙に毛細管効果により液状樹脂材料を注入している。上記半導体装置の製造方法では多くの製造プロセスをふむため生産性が低いという問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、半田バンプなどの金属結合形成を必要とする半導体装置の製造において半導体素子もしくは配線回路基板電極表面に存在する金属酸化膜あるいは酸化防止膜(以下プリフラックス)除去機能を有する熱硬化性樹脂組成物を先塗布してフリップチップの搭載を可能にする生産性の優れた熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いて封止した半導体装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、
[1](A)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、
(B)硬化剤、
(C)一般式(2):
−(OCO−R3 −COO−CH(CH3 )OR4 −O−CH(CH3 ))n − (2)
(式中、nは正の整数であり、R 3 は式(4):
で表され(nは正の整数)、
4 は式(9):
で表される有機基である)
で表される化合物、
(D)硬化促進剤からなるコア部、および該コア部を被覆する下記一般式(3):
−N(R5 )−CO−N(R6 )− (3)
(式中、R5 、R6 はいずれも水素原子または1価の有機基であって、互いに同一でも異なっていてもよい)
で表される構造単位を有する重合体を含有するシェル部とからなる構造を有してなるマイクロカプセル型硬化促進剤、
を含有してなり、示差走査熱量測定における昇温速度10℃/minでの反応発熱ピークが180〜250℃にある熱硬化性樹脂組成物、
[2]前記[1]記載の熱硬化性樹脂組成物で封止されてなる半導体装置、
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、成分(A)〜(D)を含有し、示差走査熱量測定における昇温速度10℃/minでの反応発熱ピークが180〜250℃にあることを特徴とする。
【0006】
本発明に用いられる成分(A)のエポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に限定されることなく使用できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントインエポキシ樹脂等の含窒素環エポキシ樹脂、水添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、低給水率硬化体タイプの主流であるビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、あるいは、2種以上併用しても良い。
【0007】
これらのエポキシ樹脂のなかでは、室温において単独で液状であるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートがより好適に用いられる。
【0008】
上記エポキシ樹脂は常温で固形でも液状でもよいが、熱硬化性樹脂組成物の硬化体の機械的強度およびガラス転移温度の制御の観点から、一般にエポキシ当量が90〜1000g/eqのものが好ましい。また、固形の場合には潜在性硬化促進剤の潜在性を維持する温度範囲の観点から、軟化点が50〜160℃のものが好ましい。
【0009】
成分(B)の硬化剤としては、上記エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであれば特に限定するものではなく各種の硬化剤が用いられる。上記エポキシ樹脂に対する硬化剤としてはフェノール系硬化剤が一般的に用いられるが、各種酸無水物系硬化剤、アミン類、ベンゾオキサジン環化合物等を使用することもできる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
【0010】
フェノール系硬化剤としては、例えば、クレゾールノボラック樹脂、フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン環型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールが挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
【0011】
エポキシ樹脂と、フェノール系硬化剤との配合割合は、硬化性、耐熱性、耐湿信頼性の観点からエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、フェノール系硬化剤における反応性の水酸基が0.5〜1.5当量、さらには、0.7〜1.2当量となるような割合であることが好ましい。なお、フェノール系硬化剤以外の硬化剤を使用する場合においても、その配合割合は、フェノール系硬化剤を用いた場合の配合割合(当量比)に準じればよい。
【0012】
本発明の熱硬化性樹脂組成物に含有される成分(C)は、一般式(1)または(2):
(式中、nは正の整数であり、R1 、R2 、R3 、R4 はいずれも1価以上の有機基であって、互いに同一でも異なっていてもよい)
で表される化合物であり、フラックス活性剤として働く。ここで、フラックス活性剤とは、半田付けの際に、接合すべき金属表面の酸化膜、有機物等を除去し、加熱中の酸化進行を防止し、溶解半田の表面張力を低下させる能力を熱硬化性樹脂組成物に付与するものをいう。
【0013】
一般式(1)または(2)で表される化合物は、カルボン酸類とビニルエーテル化合物との反応により得ることができる。カルボン酸類としては、例えば、酢酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、アクリル酸、イソシアヌル酸、カルボキシル基含有ポリブタジエンなど挙げられ、またビニルエーテル成分としては、例えば、ブチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、アリル基などのl価以上の有機基を有するビニルエーテル類が挙げられる。
【0014】
上記一般式(1)のR1 の具体例としては、炭素数1〜30のアルキル基または炭素数2〜8のアルキレン基、ビニル基、アリル基、フェニル基、フェニレン基、3価以上の芳香環基、C3 3 (OCOC2 4 3 基等が挙げられる。上記一般式(1)のR2 の具体例としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、芳香環基が挙げられる。
【0015】
上記一般式(2)のR3 の具体例としては、式(4)〜(7)で示される構造を有する官能基が挙げられる。
【0016】
【化1】
【0017】
(式中、nは正の整数であり、Xは2価の有機基である。)
が挙げられる。
【0018】
上記一般式(2)のR4 の具体例としては、式(8)〜(10)で示される構造を有する官能基が挙げられる。
【0019】
【化2】
【0020】
(式中、nは正の整数である。)
【0021】
このような化合物は、半導体実装プロセスにおいてフラックス活性を発揮した後に熱分解により、遊離のカルボン酸を生成し、エポキシ樹脂と反応しうるのでフラックス活性剤と硬化剤としての機能とを兼ね備えた材料として好適に用いられる。遊離のカルボン酸の生成温度は、種々の金属バンプにおける融解温度に応じてカルボン酸類とビニルエーテル類の組み合わせを選択することにより、適宜制御することができる。これらは、単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
【0022】
本発明の熱硬化性樹脂組成物における一般式(1)または(2)で表される化合物(C)の配合割合は、半田接続性、耐熱性、耐湿信頼性の観点から全樹脂量100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲が好ましく、0.5〜15重量部の範囲がさらに好ましく、1〜10重量部の範囲が特に好ましい。
【0023】
本発明に用いられる成分(D)のマイクロカプセル型硬化促進剤は、各種の硬化促進剤からなるコア部が、一般式(3):
−N(R5 )−CO−N(R6 )− (3)
(式中、R5 、R6 はいずれも水素原子または1価の有機基であって、互いに同一でも異なっていてもよい)で表される構造単位を有する重合体を有するシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するものであり、そのシェル部に存在する反応性アミノ基がブロックされているマイクロカプセル型硬化促進剤が好ましい。
【0024】
また、上記マイクロカプセル型硬化促進剤を含有してなる熱硬化性樹脂組成物は、シェル部がコア部と硬化剤との物理的接触を遮断するので半田付け工程において熱硬化性樹脂組成物のゲル化が抑制され、良好な半田付け性を示す。また、貯蔵時などに生じる熱硬化性樹脂組成物の所望されない硬化を抑制することができ、それにより可使時間が非常に長くなり貯蔵安定性に優れるという利点がある。
【0025】
上記マイクロカプセル型硬化促進剤において、コア部として内包される硬化促進剤としては、硬化反応を促進する作用を有するものであれば特に限定するものではなく、慣用のものが用いられる。この場合、マイクロカプセルを調製する際の作業性や得られるマイクロカプセルの特性の点から、室温で液状を示すものが好ましい。なお、室温で液状とは、硬化促進剤自身の性状が室温(25℃)で液状を示す場合のほか、室温で固体であっても任意の有機溶剤等に溶解もしくは分散させて液状にしたものをも含むものである。
【0026】
コア部である硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,1,6−ジメチルアミノメチルフェノール等の3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート等のリン化合物、4級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、あるいは2種以上併用してもよい。なかでも硬化促進剤含有マイクロカプセルの作製の容易さ、また取り扱い性の容易さの観点から、上記イミダゾール系化合物や有機リン系化合物が特に好適に用いられる。
【0027】
上記一般式(3)で表される構造単位を有する重合体は、例えば多価イソシアネート類と多価アミン類との重合付加反応によって得られる。あるいは、多価イソシアネート類と水との反応によって得られる。
【0028】
上記多価イソシアネート類としては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であればよく、具体的には、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、へキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等のトリイソシアネート類、4,4,−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、2,4−へキサメチレンジイソシアネートとプレンツカテコールとの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサトリオールとの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、へキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、トリフェニルジメチレントリイソシアネート、テトラフェニルトリメチレンテトライソシアネート、ペンタフェニルテトラメチレンペンタイソシアネート、リジンイソシアネート、へキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族多価イソシアネートの3量体のようなイソシアネートプレポリマー等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
【0029】
上記多価イソシアネート類のなかでもマイクロカプセルを調製する際の造膜性や機械的強度の観点から、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、またはキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物のいずれかの3価のイソシアネートプレポリマーを用いることが好ましい。また、トリフェニレンジメチレントリイソシアネートも好ましい多価イソシアネートとして用いることもできる。
【0030】
上記多価イソシアネート類と反応させる多価アミン類としては、分子内に2個以上のアミノ基を有する化合物であればよく、具体的にはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、1,6−へキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
【0031】
また、上記多価イソシアネート類と水との反応では、まず、多価イソシアネート類の加水分解によってアミンが形成され、このアミンが未反応のイソシアネート基と反応(いわゆる自己重付加反応)することによって、前記一般式(3)で表される構造単位を有する重合体が形成される。
【0032】
さらに、上記シェル部を形成する重合体としては、例えば、上記多価イソシアネートとともに多価アルコールを併用して、ウレタン結合を併有したポリウレタン−ポリウレアを挙げることもできる。
【0033】
上記多価アルコールとしては、脂肪族、芳香族または脂環族のいずれであってもよく、例えば、カテコール、レゾルシノール、1,2−ジヒドロキシ−4−メチルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−メチルベンゼン、3,4−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、3,5−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、2,4−ジヒドロキシエチルベンゼン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、2,3−ナフタレンジオール、o,o’−ビフェノール、p,p’−ビフェノール、ビスフェノールA、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、キシリレンジオール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
【0034】
上記一般式(3)のR5 およびR6 の具体例としては、例えば、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、アリール基等の1価の有機基等が挙げられる。
【0035】
また、シェル部は、上記一般式(3)で表される構造単位を有する重合体に加えて、ウレタン結合を有する重合体や熱可塑性重合体等を含んでもよい。
【0036】
上記一般式(3)で表される構造単位を有する重合体は、シェル部中に好ましくは、40〜100重量%、さらに好ましくは60〜100重量%含有される。
【0037】
上記マイクロカプセル型硬化促進剤は、例えば、下記に示す3段階の工程を経由することにより作製することができる。
【0038】
[第1工程]
コア部成分である硬化促進剤を、シェル部の原料である多価イソシアネート中に溶解もしくは微分散して油相を形成する。ついで、分散安定剤を含有する水系媒体(水相)中に、上記油相を油滴状に分散させて油相/水相型(O/W型)のエマルジョンを作製する。つぎに、上記O/W型エマルジョンの水相に多価アミンを添加して溶解することにより、油相中の多価イソシアネートとの間で界面重合させて重付加反応を生起する。あるいは、O/W型エマルジョンを加温することによって、油相中の多価イソシアネートが水相との界面で水と反応してアミンを生成し、引き続き自己重付加反応を生起する。このようにして、ポリウレア系の重合体、好ましくは前記一般式(3)で表される構造単位を有するポリウレアをシェル部とするマイクロカプセルを作製することにより、マイクロカプセル分散液が得られる。
【0039】
一方、固体状の硬化促進剤を有機溶剤に溶解してコア成分とする場合には、S/O/W(固相/油相/水相)タイプのエマルジョンとなる。また、このエマルジョンタイプは硬化促進剤が親油性の場合であり、硬化促進剤が親水性を有する場合には上記エマルジョンタイプに形成され難いが、この場合には溶解度の調整を行うことによりO/O(油相/油相)型のエマルジョンタイプや、S/O/O(固相/油相/油相)型のエマルジョンタイプとして界面重合を行えばよい。
【0040】
この場合の有機溶剤としては、室温で液状であれば特に限定するものではないが、少なくともシェル部を溶解しないものを選択する必要がある。具体的には、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、塩化メチレン、キシレン、トルエンテトラヒドロフラン等の有機溶剤のほか、フェニルキシリルエタン、ジアルキルナフタレン等のオイル類を用いることができる。
【0041】
[第2工程]
第1工程で得られたマイクロカプセル分散液に対して、ブロック化剤を添加し溶解もしくは分散させる。このとき、遠心分離等により一度水相中の分散安定剤や未反応アミンを取り除いた後に、上記ブロック化剤を添加することが効果的である。
【0042】
[第3工程]
第2工程でアミノ基をブロック化剤でブロックしたマイクロカプセル分散液を、遠心分離や濾過等により、過剰のブロック化剤を取り除いた後、乾燥することにより、粉末状のマイクロカプセル型硬化促進剤を作製することができる。
【0043】
上記第1工程において、水系媒体(水相)に添加する分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロース等の水溶性高分子類、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤類等が挙げられる。また、コロイダルシリカ、粘土鉱物等の親水性無機コロイド物質類等も使用することもできる。これら分散安定剤の添加量は、水相中、0.1〜10重量%となるよう設定することが好ましい。
【0044】
上記第2工程において使用するブロック化剤としては、アミノ基と反応性を有する化合物であれば特に限定するものではないが、例えば、エポキシ化合物、アルデヒド化合物、酸無水物、エステル化合物、イソシアネート化合物等のアミノ基と反応し共有結合を形成する化合物が挙げられる。さらに、酢酸、蟻酸、乳酸、琥珀酸等の有機カルボン酸類、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類、フェノール化合物、ホウ酸、リン酸、硝酸、亜硝酸、塩酸等の無機酸類、シリカ、アエロジル等の酸性表面を有する固体物質等のアミノ基と中和反応し塩を形成する酸性化合物等が挙げられる。これら化合物のなかでも、上記酸性化合物はシェル部表面およびシェル部内部に存在するアミノ基を効果的にブロックする化合物として好ましく用いられ、特に、蟻酸、有機スルホン酸類が好ましく用いられる。
【0045】
上記ブロック化剤の添加量は、シェル部表面およびシェル部内部に存在するアミノ基と等モル量のブロック化剤が添加される。実用的には、例えば、ブロック化剤として酸性化合物を用いる場合、マイクロカプセル調製(界面重合)直後の分散液に酸性物質(酸性化合物)を添加し、分散液のpHを塩基性から酸性、好ましくはpH2〜5に調整し、しかる後、遠心分離や濾過等の手段により過剰の酸性化合物を除去する方法が挙げられる。
【0046】
また、第2工程において、マイクロカプセル分散液を酸性陽イオン交換樹脂カラムを通すことにより、未反応の遊離アミノ基を除去したり、残存アミノ基を中和させる手段も用いられる。
【0047】
得られるマイクロカプセル型硬化促進剤の平均粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、均一な分散性の観点から、0.05〜500μmの範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.1〜30μmである。上記マイクロカプセル型硬化促進剤の形状としては球状が好ましいが楕円状であってもよい。マイクロカプセル型硬化促進剤の形状が真球状ではなく楕円状や偏平状等のように一律に粒径が定まらない場合には、その最長径と最短径との単純平均値を平均粒径とする。
【0048】
さらに、上記マイクロカプセル型硬化促進剤において、内包されるコア部の硬化促進剤の量は、硬化反応における反応性およびコア部の隔離性や機械的強度の観点から、マイクロカプセル全量の5〜80重量%に設定することが好ましく、特に好ましくは10〜60重量%である。
【0049】
また、上記マイクロカプセル型硬化促進剤の粒径に対するシェル部の厚みの比率は、機械的強度の観点から、3〜25%に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜25%に設定される。
【0050】
熱硬化性樹脂組成物における成分(D)のマイクロカプセル型硬化促進剤の配合量は、熱硬化性樹脂組成物の硬化速度や半田付け性、接着性の観点から所望の硬化速度が得られる割合で適宜選択されれば良い。例えば、硬化速度の指標として、熱盤上でゲル化時間を計測しながら、容易に使用量を決定することができる。一般に、硬化剤100重量部に対して0.1〜40重量部に設定することが好ましく、1〜20重量部が特に好ましい。すなわち、0.1重量部未満であると、硬化反応が極めて遅くなり、硬化時間が長くなるとともに、熱硬化性樹脂組成物の硬化体のガラス転移温度が著しく低くなり、これを用いた電子部品装置の信頼性を損なう恐れがあり、また、逆に40重量部より多く設定すると、硬化反応が極めて早くなるため、半田付け性、接着性が低下する恐れがある。
【0051】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、示差走査熱量測定における昇温速度10℃/minでの反応発熱ピークが180〜250℃の範囲にあることが好ましい。
【0052】
ここで、示差走査熱量測定とは、試料および基準物質を加熱または冷却によって調節しながら等しい条件下におき、この二つの間の温度差をゼロに保つために必要なエネルギーを時間または温度に対して記録する方法である。
【0053】
本発明では、マイクロカプセル型硬化促進剤においてシェル部の構成成分を適宜選択することにより、これを含有してなる熱硬化性樹脂組成物の示差走査熱量測定(DSC)で表される反応発熱ピークを制御することが可能となる。すなわち、本発明のマイクロカプセル型硬化促進剤を含有してなる熱硬化性樹脂組成物の熱硬化反応は、加熱時におけるシェルの膨潤に伴う硬化促進剤のカプセル内から熱硬化樹脂中への放出による発熱反応の開始、および反応熱によるシェルの分解による反応の促進にあることから、シェル部の架橋密度、より具体的にはシェル部の構成成分となるイソシアネートモノマーの官能基数、芳香環の数等を適宜選択することにより、これを含有してなる熱硬化性樹脂組成物の反応熱を適宜制御することが可能となる。示差走査熱量測定における反応発熱ピークが、180℃未満では、例えば63Sn−37Pb半田(融点:183℃)やSn−Ag半田(融点:220℃)の融点よりも低い温度に熱硬化性樹脂は反応発熱ピークをもつことから、リフロー中において半田付けが行われる前に樹脂の増粘、あるいはゲル化が引き起こされるため半田付け性が低下してしまう。なお、一般的にマイクロカプセル化硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物からなる熱硬化性樹脂組成物の反応発熱ピークを250℃以上に設定することは現時点においてシェルの耐熱性の観点から極めて困難である。
【0054】
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて他の材料(有機材料、無機材料)を加えることもできる。有機材料としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、表面調整剤、酸化防止剤、粘着付与剤等があげられ、無機材料としては、アルミナ、シリカ、窒化珪素等の各種充填剤、銅、銀、アルミ、ニッケル、半田等の金属粒子、その他、顔料、染料等が挙げられる。無機材料の配合割合は特に限定されるものではないが、熱硬化性樹脂組成物の粘度の制御および半導体素子と配線回路基板との電気的接合の観点から、全組成物中の0〜70重量%、好ましくは0〜65重量%が好適である。
【0055】
本発明に用いられる熱硬化性樹脂組成物には上記の添加剤以外に、シリコーンオイルおよびシリコーンゴム、合成ゴム反応性希釈剤等の成分を配合して低応力化を図ったり、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的としてハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等のイオントラッブ剤を配合してもよい。また、劣化防止剤、レベリング剤、脱泡剤、染料、顔料等の従来公知の各種添加剤を適宜配合することができる。
【0056】
本発明の熱硬化性樹脂組成物の形状は室温(25℃)で液状であっても固体であってもよく、またシート状に加工して使用してもよい。室温で液状の場合はディスペンサーを用いて配線回路基板上へ熱硬化性樹脂組成物の塗布を行えばよく、また室温で固体の場合は加温式ディスペンサーを用いて熱硬化性樹脂組成物を溶融状態にすることにより配線回路基板上へ熱硬化性樹脂組成物の塗布を行えばよい。
【0057】
また本発明の熱硬化性樹脂組成物をシート状に加工して用いる場合は、熱硬化性樹脂組成物を基材フィルム上に加熱溶融押し出しすることによってシート化が可能となる。さらに、よりシート化しやすくするために熱硬化性樹脂組成物にゴム成分等を添加してもよい。
【0058】
上記ゴム成分としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体(NBR)が好適に用いられ、さらに他の共重合成分を併用してもよい。他の共重合成分としては、例えば、水添アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリル酸、アクリル酸エステル、スチレン、メタクリル酸等があげられ、なかでも、金属、プラスチックとの接着力に優れる等の点で、アクリル酸、メタクリル酸が好適である。また、上記NBRにおけるアクリロニトリルの結合量は、特に、10〜50重量%が好ましく、なかでも15〜40重量%のものが好適である。
【0059】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、以下のようにして製造することができる。すなわち、エポキシ樹脂、硬化剤、一般式(1)または(2)で表される化合物、マイクロカプセル型硬化促進剤の各成分を所定量配合し、万能攪拌釜等の混練機にかけ溶融混合する。つぎに、これをフィルターを用いて濾過し、ついで減圧脱泡することにより目的とする熱硬化性樹脂組成物を製造することができる。なお、熱硬化性樹脂組成物の流動性を調整するために、有機溶剤を添加することもできる。上記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0060】
さらに、本発明は、上記熱硬化性樹脂組成物を用いて封止されてなる半導体装置に関する。
【0061】
本発明の熱硬化性樹脂組成物により製造される半導体装置は、図1に示すように、配線回路基板1の片面に、複数の接続用電極部2を介して半導体素子3が搭載された構造をとる。配線回路基板1と半導体素子3との間に封止樹脂層4が形成されている。
【0062】
なお、上記配線回路基板1と半導体素子3とを電気的に接続する上記複数の接続用電極部2は、予め配線回路基板1面に配設されていてもよいし、半導体素子3面に配設されていてもよい。さらには、予め配線回路基板1面および半導体素子3面の双方にそれぞれ配設されていてもよい。
【0063】
配線回路基板1の材質としては、特に限定するものではないが、大別してセラミック基板、プラスチック基板があり、上記プラスチック基板としては、例えば、エポキシ基板、ビスマレイミドトリアジン基板、ポリイミド基盤等が挙げられる。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、プラスチック基板と、低融点半田による接続用電極部等の組み合わせのように耐熱性の問題で接合温度を高温に設定することができないような場合においても特に限定されることなく好適に用いられる。
【0064】
複数の接続用電極部2の材質としては、特に限定するものではないが、例えば、半田による低融点および高融点バンプ、錫バンプ、銀−錫バンプ、銀−錫−銅バンプ等があげられ、また回路配線基盤上の電極部が上記の材質からなるものに対しては金バンプ、銅バンプ等であってもよい。
【0065】
半導体素子3は、特に限定されず、通常使用されるものが使用できる。例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体などの各種の半導体が使用される。
【0066】
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いた半導体装置の製法は、配線回路基板上に、複数の接続用電極部を介して半導体素子が搭載され、上記配線回路基板と半導体素子との間の空隙が封止樹脂層によって封止されてなる半導体装置において、配線回路基板と半導体素子との間に熱硬化性樹脂組成物を介在させてこれを溶融させることにより封止樹脂層を形成することによる。本発明の半導体装置の製法の一例を図面に基づき順を追って説明する。
【0067】
まず、図2に示すように配線回路基板1上に、本発明の熱硬化性樹脂組成物7を載置する。ついで、図3に示すように熱硬化性樹脂組成物の上の所定位置に、複数の接続用電極部(ジョイントボール)2が設けられた半導体素子3を載置し、熱硬化性樹脂組成物7を加熱ステージ上で溶融して溶融状態とし、上記半導体素子3の接続用電極部2が溶融状態の熱硬化性樹脂組成物7を押しのけ、配線用回路基板1と接続用電極部2が接触し、かつ半導体素子3と配線回路基板1との間の空隙内に溶融状態の熱硬化性樹脂組成物7を充填させた後、半田リフローによる金属接合を行い、その後、熱硬化性樹脂組成物7を硬化させることにより空隙を封止して封止樹脂層4を形成する。この時半田リフロー方式はリフロー炉を用いた接合方式であっても、チップ搭載と同時に半田融点以上にヒーター部分を加熱し半田溶融を行う接合方式であってもよい。このようにして、図1に示す半導体装置を製造する。
【0068】
なお、上記半導体装置の製法では、複数の接続用電極部2が設けられた半導体素子3を用いた場合について述べたが、これに限定するものではなく、予め配線回路基板1に複数の接続用電極部2が配設されたものを用いてもよい。
【0069】
また、熱硬化性樹脂組成物7の厚みおよび重量は、上記同様、搭載される半導体素子3の大きさおよび半導体素子に設けられた球状の接続用電極の大きさ、すなわち、半導体素子3と配線回路基板1との空隙を充填し封止することにより形成される封止樹脂層4の占める容積により適宜に設定される。
【0070】
また、上記半導体装置の製造方法において、熱硬化性樹脂組成物7を加熱して溶融状態にする際の加熱温度としては、半導体素子3および配線回路基板1の耐熱性、接続用電極部2の融点、ならびに熱硬化性樹脂組成物7の軟化点、耐熱性等を考慮して適宜に設定されるものである。
【0071】
【実施例】
実施例および比較例に先立ち、下記に示すエポキシ樹脂、硬化剤、フラックス活性剤、マイクロカプセル型硬化促進剤、硬化促進剤、無機充填材を準備した。
【0072】
[エポキシ樹脂]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185g/eq)
【0073】
[硬化剤]
クレゾールノボラック樹脂(水酸基当量:104g/eq)
【0074】
[フラックス活性剤]
アジピン酸−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル重合体(酸当量:280g/mol、平均分子量(Mn):1300)
【0075】
[マイクロカプセル型硬化促進剤(a)〜(e)]
前述した方法に準じて表1の(a)〜(e)のマイクロカプセル型硬化促進剤を作製した。まず下記に示す各成分を準備し、表1に示す割合で配合した。
<イソシアネートモノマー>
(X)トリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルの付加物の酢酸エチル溶液(75重量%溶液)
(Y) キシリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン3モルとの付加物の酢酸エチル溶液(75重量%溶液)
(Z)ポリフェニレンポリイソシアネート
<多価アミン類>
ジエチレントリアミン
<分散安定剤>
ポリビニルアルコール(PVA)
<硬化促進剤>
トリフェニルホスフィン(TPP)
【0076】
所定のイソシアネートモノマーの酢酸エチル溶液とトリフェニルホスフィン(TPP)をトルエンに均一に溶解させて油相を調製した。次に蒸留水とポリビニルアルコール(PVA)からなる水相を別途調製し、この中に上記調製した油相を添加してホモミキサーにて乳化しエマルジョン状態にし、これを還流管、攪拌機、滴下ロートを備えた重合反応器に仕込んだ。一方、ジエチレントリアミン(DTA)を含む水溶液を調製し、これを上記重合反応器に備えた滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下して70℃で3時間界面重合を行い、マイクロカプセル型硬化促進剤の水性サスペンジョンを得た。続いて遠心分離により水相中のポリビニルアルコール等を除去した後、蒸留水を加え再び分散を行いサスペンジョンを得た。このサスペンジョンに対し、蟻酸を滴下し系のpHを3に調整した。これによりシェル部表面および内部のアミノ基が蟻酸によりブロックされたマイクロカプセル型硬化促進剤を作製した。このようにして得られたマイクロカプセル型硬化促進剤は遠心分離にて分別、水洗を繰り返した後、乾燥することによって自由流動性を有する粉末状粒子として単離した。得られたマイクロカプセル型硬化促進剤の平均粒径、シェル厚み、コア含有量を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
[硬化促進剤]
トリフェニルフォスフィン
【0079】
実施例1〜4ならびに比較例1および2
下記の表2に示す各成分を、同表に示す割合で配合し、80℃で万能攪拌釜にて混合した。次にこれを400メッシュのフィルターを用いてろ過した後、さらに30分間減圧脱泡し、目的とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。得られた各熱硬化性樹脂組成物の反応発熱ピーク温度は示差走査熱量計(パーキンエルマー社製PyTisl)を用いて前述のようにして、昇温速度10℃/minで測定した。
【0080】
このようにして得られた各実施例、比較例の熱硬化性樹脂組成物を用い、半田の濡れ性試験を行った。試験は、図4に示すように、プリフラックス(タムラ化研社製、WLF16)で表面処理されたプリフラックス付銅板5の上に熱硬化性樹脂組成物7を塗布し、これを80℃の熱板上に設置し、図5に示すように熱硬化性樹脂組成物7中に半田ボール〔千住金属社製、63Sn−37Pb半田(融点183℃)、Sn−Ag半田(融点:220℃)、ボール径:500μm〕6を10個添加し、63Sn−37Pb半田では200℃の熱板上に、Sn−Ag半田では240℃の熱板上に1分間それぞれ放置することにより半田溶融、接続を行った。このようにして得られた、図6に示すような試験サンプルの半田ボール6の接続個数と接続された半田ボール6とプリフラックス付銅板5との接触角θを測定することにより半田の濡れ性を評価した。
【0081】
【表2】
【0082】
表2から、半田接続試験において、実施例は比較例と比べて、より良好な半田ボールの銅板への濡れ性および接続率を示した。さらに、実施例は比較例に比べ示差走査熱量計で表される反応発熱ピークが高温側に存在しており、マイクロカプセル型硬化促進剤のシェル部の組成を適宜選択することにより示差走査熱量測定における熱硬化性樹脂組成物の反応発熱ピークを制御できることが確認された。また、半田接続試験において、その接続率は熱硬化性樹脂組成物の反応発熱ピークが半田の融点よりも高い温度領域に存在する熱硬化性樹脂組成物のほうが良好であることが確認された。
【0083】
【発明の効果】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、フラックス成分と潜在性硬化機能を有するマイクロカプセル型硬化促進剤を含有していることを特徴とするものであり、フェイスダウン構造の半導体装置の半導体素子と配線回路基板間の封止に本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いることにより、従来、フラックスを用いて半導体素子バンプと配線回路基板電極とを金属接続した後に、上記空隙に封止樹脂を注入するという煩雑な工程をとらずして容易に樹脂封止・金属結合形成が可能となり、半導体装置を高い生産性で製造することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、半導体装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は、半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。
【図3】図3は、半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。
【図4】図4は、半田の濡れ性試験の工程を示す概略断面図である。
【図5】図5は、半田の濡れ性試験の工程を示す概略断面図である。
【図6】図6は、半田の濡れ性試験の工程を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 配線回路基板
2 接続用電極部
3 半導体素子
4 封止樹脂層
5 プリフラックス付銅板
6 半田ボール
7 熱硬化性樹脂組成物

Claims (2)

  1. (A)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、
    (B)硬化剤、
    (C)一般式(2):
    −(OCO−R3 −COO−CH(CH3 )OR4 −O−CH(CH3 ))n − (2)
    (式中、nは正の整数であり、R 3 は式(4):
    で表され(nは正の整数)、
    4 は式(9):
    で表される有機基である)
    で表される化合物、
    (D)硬化促進剤からなるコア部、および該コア部を被覆する下記一般式(3):
    −N(R5 )−CO−N(R6 )− (3)
    (式中、R5 、R6 はいずれも水素原子または1価の有機基であって、互いに同一でも異なっていてもよい)
    で表される構造単位を有する重合体を含有するシェル部とからなる構造を有してなるマイクロカプセル型硬化促進剤、
    を含有してなり、示差走査熱量測定における昇温速度10℃/minでの反応発熱ピークが180〜250℃にある熱硬化性樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物で封止されてなる半導体装置。
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