JPH1067917A - エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置

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JPH1067917A
JPH1067917A JP22884896A JP22884896A JPH1067917A JP H1067917 A JPH1067917 A JP H1067917A JP 22884896 A JP22884896 A JP 22884896A JP 22884896 A JP22884896 A JP 22884896A JP H1067917 A JPH1067917 A JP H1067917A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
curing accelerator
aminoalkylalkoxysilane
microcapsules
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JP22884896A
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English (en)
Inventor
Hideaki Taki
秀彰 多喜
Hirobumi Ono
博文 大野
Toshitsugu Hosokawa
敏嗣 細川
Masahiro Hata
昌宏 畑
Tomohiro Taruno
友浩 樽野
Tsutomu Nishioka
務 西岡
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子機器の実装に際し、実装時の耐剥離性、耐
クラック性に優れ、かつ貯蔵安定性に優れたエポキシ樹
脂組成物およびそれを用いて得られる半導体装置を提供
する。 【解決手段】下記の(A)および(B)を必須成分とす
るエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止した半
導体装置である。 (A)アミノアルキルアルコキシシランとフェノール樹
脂との予備反応生成物。 (B)硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂から
なるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有する硬
化促進剤含有マイクロカプセル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温での曲げ強度
が高く貯蔵安定性に優れたエポキシ樹脂組成物およびそ
れを用いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ、IC、LSI等の半導体
素子は、一般にエポキシ樹脂組成物を用いて封止され半
導体装置化されている。この種のパッケージとして、近
年、実装面積を小さくできる表面実装タイプのパッケー
ジが増えている。この表面実装タイプのパッケージは、
実装基板に対する占有面積が小さく、かつ基板に対し、
両面実装も可能である利点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような表面実装タイプのパッケージを用いた半導体装置
において、表面実装前にパッケージ自体が吸湿している
場合には、パッケージクラックが生じるという問題があ
る。すなわち、保管中に吸湿し、パッケージ内部に拡散
した水分が素子やリードフレームと封止樹脂層の界面に
溜まり、その後の半田実装工程での高温条件下で、水蒸
気化した圧力により剥離、クラックが発生する。このよ
うな問題に対する解決策として、従来から、半導体素子
をパッケージで封止した後得られる半導体装置全体を密
封し、実装直前に開封して使用するというドライパック
方式や、封止材料の物性の向上手法が採られてきた。
【0004】上記封止材料の物性向上には、樹脂骨格の
変更による低吸湿化、無機質充填剤の高充填化による低
吸湿化、アミノアルキルアルコキシシラン等を樹脂中に
反応させて高強度化する技術があげられる。このうち、
上記アミノアルキルアルコキシシランを用いて樹脂中へ
予備反応させる技術は、強度向上の効果を有するが、同
時に封止材料であるエポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性を
著しく低下させる問題があった。これは、エポキシ樹脂
組成物の保存劣化が、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の
硬化促進剤と、上記反応性のアミノアルキルアルコキシ
シランの2つの成分が影響して、保存中にエポキシ樹脂
の反応を促進させるためである。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、電子機器の実装に際し、実装時の耐剥離性、耐
クラック性に優れ、かつ貯蔵安定性に優れたエポキシ樹
脂組成物およびそれを用いて得られる半導体装置の提供
をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)および(B)を必須成分と
するエポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。 (A)アミノアルキルアルコキシシランとフェノール樹
脂との予備反応生成物。 (B)硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂から
なるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有する硬
化促進剤含有マイクロカプセル。
【0007】そして、上記エポキシ樹脂組成物を用いて
半導体素子を封止してなる半導体装置を第2の要旨とす
る。
【0008】すなわち、本発明者らは、先に述べた高強
度化のために用いられる従来のエポキシ樹脂組成物が有
する問題を解決するために一連の研究を重ねた。その結
果、アミノアルコキシシランとフェノール樹脂との予備
反応生成物(A)と、硬化促進剤からなるコア部が、熱
可塑性樹脂からなるシェル部で被覆されたコア/シェル
構造を有する硬化促進剤含有マイクロカプセル(B)と
を併用することにより、上記(B)のマイクロカプセル
化により上記アミノアルコキシシランと硬化促進剤との
相互作用が生じず良好な貯蔵安定性が実現することを見
出し本発明に到達した。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0010】本発明のエポキシ樹脂組成物は、アミノア
ルキルアルコキシシランとフェノール樹脂との予備反応
生成物(A)と、硬化促進剤含有マイクロカプセル
(B)を必須成分として用いて得られるものであって、
通常、粉末状もしくはそれを打錠したタブレット状にな
っている。
【0011】上記アミノアルキルアルコキシシランとフ
ェノール樹脂との予備反応生成物(A)における、この
アミノアルキルアルコキシシランは、1分子内に、少な
くとも1つのアミノ基と少なくとも1つのアルコキシ基
を有するシラン化合物であって、例えば、3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N
−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルメチルジエトキシシラン、p−〔N−(2−アミ
ノエチル)アミノメチル〕フェネチルトリメトキシシラ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン等があげられ、これらは単独でもしく
は2種以上併せて用いられる。
【0012】上記アミノアルキルアルコキシシランと予
備反応させるフェノール樹脂としては、各種フェノール
樹脂があげられる。具体的には、フェノールノボラッ
ク、クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、フ
ェノールアラルキル樹脂、シクロペンタジエン含有フェ
ノール樹脂等があげられる。特に、硬化物の吸湿率を下
げるためには、低吸湿性を示す、フェノールアラルキル
樹脂、ナフトールノボラック等を用いることが好まし
い。
【0013】そして、上記アミノアルキルアルコキシシ
ランとフェノール樹脂との組み合わせにおいて、低吸湿
化と強度向上という点から、アミノアルキルアルコキシ
シランとして3−アミノプロピルトリメトキシシラン
を、フェノール樹脂としてフェノールアラルキル樹脂を
用いる組み合わせが好ましい。
【0014】上記アミノアルキルアルコキシシランとフ
ェノール樹脂との予備反応は、アミノアルキルアルコキ
シシランが高い反応性を有するために、反応触媒無しの
条件下で溶融状態で攪拌することにより上記両者を反応
させることができる。例えば、160℃では2時間攪拌
を行うことにより、目的とするアミノアルキルアルコキ
シシランとフェノール樹脂との予備反応生成物(A)を
得ることができる。
【0015】上記予備反応の際の、アミノアルキルアル
コキシシラン(X)とフェノール樹脂(Y)の両者の配
合割合(X/Y)は、重量比で、X/Y=1/1000
〜100/1000の範囲に設定することが好ましく、
より好ましくはX/Y=2/100〜4/100であ
る。すなわち、両者の配合割合X/Yにおいて、アミノ
アルキルアルコキシシラン(X)が1未満(Yが100
0の場合)では、強度向上の効果が不充分となり、アミ
ノアルキルアルコキシシラン(X)が100を超える
(Yが1000の場合)と、アミノアルキルアルコキシ
シラン同士の重合によるゲル化物への生成の確率が高く
なる傾向がみられるからである。
【0016】得られたアミノアルキルアルコキシシラン
とフェノール樹脂との予備反応生成物(A)としては、
アルコキシ基とフェノール樹脂のOH基が縮合した反応
物が多数を占め、一部アミノアルキルアルコキシシラン
が自己縮合した反応物が存在する。
【0017】上記アミノアルキルアルコキシシランとフ
ェノール樹脂との予備反応生成物(A)の配合量は、全
フェノール樹脂中50重量%以上に設定することが好ま
しい。特に好ましくは80重量%である。すなわち、上
記予備反応生成物(A)の配合量が、50重量%未満の
場合、充分な強度の向上効果が得られ難くなるからであ
る。
【0018】つぎに、上記予備反応生成物(A)ととも
に用いられる、硬化促進剤含有マイクロカプセル(B)
は、硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂からな
るシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有するマイ
クロカプセルである。
【0019】上記コア部に内包される硬化促進剤として
は、特に限定するものではなく従来公知のもの、例え
ば、アミン系、イミダゾール系、リン系、ホウ素系、リ
ン−ホウ素系等の硬化促進剤があげられる。具体的に
は、エチルグアニジン、トリメチルグアニジン、フェニ
ルグアニジン、ジフェニルグアニジン等のアルキル置換
グアニジン類、3−(3,4−ジクロロフェニル)−
1,1−ジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチ
ル尿素、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチ
ル尿素等の3−置換フェニル−1,1−ジメチル尿素
類、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリ
ン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイ
ミダゾリン等のイミダゾリン類、2−アミノピリジン等
のモノアミノピリジン類、N,N−ジメチル−N−(2
−ヒドロキシ−3−アリロキシプロピル)アミン−N′
−ラクトイミド等のアミンイミド系類、エチルホスフィ
ン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、フェニル
ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホス
フィン、トリフェニルホスフィン/トリフェニルボラン
錯体、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレ
ート等のリン系化合物、1,8−ジアザビシクロ〔5,
4,0〕ウンデセン−7、1,4−ジアザビシクロ
〔2,2,2〕オクタン等のジアザビシクロウンデセン
系化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種
以上併せて用いられる。
【0020】上記シェル部(壁膜)を形成する熱可塑性
樹脂としては、例えば、ポリウレア、ポリウレタン、ア
ミノ樹脂、アクリル樹脂等があげられる。なかでも、貯
蔵時の安定性を考慮すると、ポリウレアあるいはポリウ
レタンを用いることが好ましい。
【0021】上記硬化促進剤含有マイクロカプセルは、
マイクロカプセル化することができるならば特に限定す
るものではなく従来公知の各種方法にて調製することが
できる。特に界面重合法を用いて、シェル部(壁膜)を
形成しマイクロカプセル化することが、シェル部(壁
膜)の均質化や壁膜厚みの調整という観点から好まし
い。
【0022】上記界面重合法による硬化促進剤含有マイ
クロカプセルは、例えば、つぎのようにして得られる。
すなわち、液状の硬化促進剤をコア成分として、ここに
多価のイソシアネート類を溶解させる。このようにして
得られる溶液は油状であって、これを水相中に油相とし
て油滴状に分散させてO/W型(油相/水相型)のエマ
ルジョンを作製する。このとき、分散した各油滴の粒径
は0.05〜500μm、好ましくは0.05〜50μ
m程度とすることが、重合中のエマルジョンの安定性の
点から好ましい。
【0023】一方、固体状の硬化促進剤を有機溶剤に溶
解してコア成分とする場合には、S/O/W(固相/油
相/水相)タイプのエマルジョンとなる。また、上記エ
マルジョンタイプでは硬化促進剤が親油性の場合である
が、親水性の場合には上記エマルジョンタイプに形成さ
れにくいが、この場合には溶解度の調整を行うことによ
りO/O(油相/油相)型のエマルジョンタイプや、S
/O/O(固相/油相/油相)型のエマルジョンタイプ
として界面重合を行えばよい。
【0024】ついで、上記エマルジョンの水相に、多価
アミンや多価アルコールを添加することによって、油相
中の多価イソシアネートとの間で界面重合させ重付加反
応を行い、好ましくはポリウレア系やポリウレタン系の
重合体をシェル部(壁膜)とする、硬化促進剤含有マイ
クロカプセルが得られる。
【0025】このようにして得られた硬化促進剤含有マ
イクロカプセル(B)は、コア/シェル構造の形態をと
り、シェル内にコア成分として硬化促進剤を内包してな
るものである。そして、この硬化促進剤含有マイクロカ
プセルは、従来からの公知の手段、例えば、遠心分離後
に乾燥したり、噴霧乾燥したりする手段によって単離す
ることができる。また、エポキシ樹脂やフェノール樹脂
中に溶解混合させることができる。この際、必要に応じ
てマイクロカプセル中の有機溶剤を減圧乾燥等の手段を
併用して除去することもできる。
【0026】この硬化促進剤含有マイクロカプセル
(B)の平均粒径は、後述のように、エポキシ樹脂組成
物の製造の際に加わる剪断力を考慮して0.05〜50
μm、好ましくは0.1〜4μmの範囲に設定すること
がマイクロカプセルの安定性および分散性の点から好ま
しい。なお、本発明において、この硬化促進剤含有マイ
クロカプセル(B)の形状としては球状が好ましいが楕
円状であってもよい。そして、このマイクロカプセルの
形状が真球状ではなく楕円状や偏平状等のように一律に
粒径が定まらない場合には、その最長径と最短径との単
純平均値を平均粒径とする。
【0027】この硬化促進剤含有マイクロカプセル
(B)において、内包される硬化促進剤の量は、マイク
ロカプセル全量の5〜70重量%に設定することが好ま
しく、特に好ましくは10〜50重量%である。すなわ
ち、硬化促進剤の内包量が5重量%未満では、硬化反応
の時間が長くなりすぎて反応性に乏しくなり、逆に硬化
促進剤の内包量が70重量%を超えるとシェル部(壁
膜)の厚みが薄過ぎて内包される硬化促進剤(コア成
分)の隔離性や機械的強度に乏しくなる恐れがあるから
である。
【0028】また、上記硬化促進剤含有マイクロカプセ
ル(B)の粒径に対するシェル部(壁膜)厚みの比率は
3〜25%、特に好ましくは5〜25%に設定される。
すなわち、上記比率が3%未満ではエポキシ樹脂組成物
製造時の混練工程において加わるシェアに対して充分な
機械的強度が得られず、また、25%を超えると内包さ
れる硬化促進剤の放出が不充分となる傾向がみられるか
らである。
【0029】そして、上記硬化促進剤含有マイクロカプ
セル(B)の配合量は、エポキシ樹脂100重量部(以
下「部」と略す)に対して0.1〜30部に設定するこ
とが好ましい。特に好ましくは5〜15部の割合であ
る。すなわち、上記硬化促進剤含有マイクロカプセル
(B)の配合量が、0.1部未満では、硬化速度が遅過
ぎて目的に適さず、30部を超えると硬化速度が速過ぎ
て流動性が損なわれるからである。
【0030】上記アミノアルキルアルコキシシランとフ
ェノール樹脂との予備反応生成物(A)および硬化促進
剤含有マイクロカプセル(B)を必須成分とするエポキ
シ樹脂組成物を得るために用いるエポキシ樹脂は、液状
あるいは固形状等特に限定するものではなく従来公知の
各種エポキシ樹脂、例えば、クレゾールノボラック型、
フェノールノボラック型、ノボラックビスA型、ビスフ
ェノールA型等の各種エポキシ樹脂があげられる。なか
でもビフェニル型や低級アルキル基をフェニル環に付加
したような硬化物が低吸湿を示すエポキシ樹脂を用いる
ことが好ましい。この場合のエポキシ樹脂としては、エ
ポキシ当量120〜300、軟化点50〜130℃のも
のが好ましい。
【0031】本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記ア
ミノアルキルアルコキシシランとフェノール樹脂との予
備反応生成物(A)および硬化促進剤含有マイクロカプ
セル(B)、ならびにエポキシ樹脂以外に、必要に応じ
て従来より用いられているその他の添加材を適宜に配合
することができる。
【0032】上記他の添加材としては、例えば、無機質
充填剤、難燃剤、ワックス等があげられる。
【0033】上記無機質充填剤としては、結晶性シリカ
および溶融性シリカはもちろん、酸化アルミナ、酸化ベ
リリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等があげられる。上
記無機質充填剤の配合量は、一般に、エポキシ樹脂組成
物全体の50〜95重量%の範囲に設定することが好ま
しい。
【0034】上記難燃剤としては、ノボラック型ブロム
化エポキシ樹脂、ビスA型エポキシ樹脂、三酸化アンチ
モン、五酸化アンチモン等があげられ、これらは単独で
もしくは2種以上併せて用いられる。
【0035】上記ワックスとしては、高級脂肪酸、高級
脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物があ
げられ、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0036】さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物に
は、上記他の添加材以外にシリコーンオイルおよびシリ
コーンゴム、合成ゴム等の成分を配合して低応力化を図
ったり、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的と
してハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等のイオン
トラップ剤を配合してもよい。
【0037】本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、
つぎのようにして製造することができる。まず、先に述
べたように、アミノアルキルアルコキシシランとフェノ
ール樹脂とを所定の配合割合で配合し溶融状態で攪拌す
ることにより、予備反応生成物(A)を作製する。一
方、先に述べたように、界面重合法にて、硬化促進剤含
有マイクロカプセル(B)を作製する。
【0038】ついで、上記予備反応生成物(A)および
硬化促進剤含有マイクロカプセル(B)とともに、残り
の他の成分を全て混合した後、ミキシングロール機等の
混練機にかけ加熱状態で混練りして溶融混合する。この
とき、硬化促進剤含有マイクロカプセル(B)には熱と
剪断力が働くが、この段階では熱安定性が良好であり、
このマイクロカプセルには封止成形時に簡単にシェル部
(壁膜)が熱により破壊される性質を有する熱可塑性樹
脂がシェル部(壁膜)形成材料として用いられている。
特にこの熱可塑性樹脂としてポリウレアもしくはポリウ
レタンが好適に用いられる。また、マイクロカプセルに
加わる剪断力に対しては、マイクロカプセルの平均粒径
を0.05〜50μm、好ましくは0.1〜4μmの範
囲に設定することがマイクロカプセルの安定性および分
散性の点から好ましい。
【0039】つぎに、これを室温にて冷却した後、公知
の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一
連の工程を経由することにより目的とするエポキシ樹脂
組成物を製造することができる。
【0040】本発明において、上記エポキシ樹脂組成物
を用いてなる半導体素子の封止は、特に限定するもので
はなく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド
方法により行うことができる。
【0041】このようにして得られる半導体装置は、ア
ミノアルキルアルコキシシランとフェノール樹脂との予
備反応生成物(A)と、硬化促進剤含有マイクロカプセ
ル(B)を併用したエポキシ樹脂組成物によって樹脂封
止されているため、高温での強度が高く、しかも、用い
たエポキシ樹脂組成物は優れた貯蔵安定性が保持された
ものである。
【0042】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0043】実施例に先立って、下記に示す方法にした
がってアミノアルキルアルコキシシランとフェノール樹
脂との予備反応生成物と、硬化促進剤含有マイクロカプ
セルをそれぞれ作製した。
【0044】〔予備反応生成物A〕3−アミノプロピル
トリエトキシシランとフェノールアラルキル樹脂(水酸
基当量175)とを、重量比で、4/100の割合で配
合し160℃×2時間の条件で攪拌することにより目的
とする予備反応生成物Aを作製した。この予備反応生成
物Aは、核磁気共鳴スペクトル(NMR)を用い、アル
コキシシランのアルコキシ基の消失を確認した。
【0045】〔予備反応生成物B〕γ−アニリノプロピ
ルトリメトキシシランとフェノールアラルキル樹脂(水
酸基当量175)とを、重量比で、4/100の割合で
配合し160℃×2時間の条件で攪拌することにより目
的とする予備反応生成物Bを作製した。この予備反応生
成物Bは、核磁気共鳴スペクトル(NMR)を用い、ア
ルコキシシランのアルコキシ基の消失を確認した。
【0046】〔予備反応生成物C〕グリシドキシアルキ
ルアルコキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン)とフェノールアラルキル樹脂(水酸基当
量175)とを、重量比で、4/100の割合で配合し
160℃×2時間の条件で攪拌することにより目的とす
る予備反応生成物Cを作製した。この予備反応生成物C
は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)を用い、アルコキ
シシランのアルコキシ基の消失を確認した。
【0047】〔硬化促進剤含有マイクロカプセルD〕前
述の界面重合法にて作製した。すなわち、より詳しく述
べると、キシリレンジイソシアネート3モルと、トリメ
チロールプロパン1モルとの付加物10部を、硬化剤と
してのトリフェニルホスフィン4部に均一に溶解させて
油相を調製した。また、蒸留水95部とポリビニルアル
コール5部からなる水相を別途調製し、このなかに上記
調製した油相を添加してホモミキサー(8000rp
m)にて乳化しエマルジョン状態にし、これを還流管、
攪拌機、滴下ロートを備えた重合反応器に仕込んだ。
【0048】一方、トリエチレンテトラミン3部を含む
水溶液13部を調製し、これを上記重合反応器に備えた
滴下ロート内に入れ、反応器中のエマルジョンに滴下し
て70℃で3時間重合を行い、マイクロカプセルDを作
製した。このようにしてトリフェニルホスフィンを内包
したポリウレアシェル構造のマイクロカプセルを製造し
た(平均粒径2μm)。
【0049】〔硬化促進剤含有マイクロカプセルE〕前
述の界面重合法にて作製した。作製方法は、上述と同一
であるが、乳化しエマルジョンを作製する際のホモミキ
サーを10000rpmで行った。このようにしてトリ
フェニルホスフィンを内包したポリウレアシェル構造の
マイクロカプセルを製造した(平均粒径0.1μm)。
【0050】〔硬化促進剤含有マイクロカプセルF〕前
述の界面重合法にて作製した。作製方法は、上述と同一
であるが、乳化しエマルジョンを作製する際のホモミキ
サーを4000rpmで行った。このようにしてトリフ
ェニルホスフィンを内包したポリウレアシェル構造のマ
イクロカプセルを製造した(平均粒径4.0μm)。
【0051】一方、下記に示す各成分を準備した。
【0052】〔エポキシ樹脂〕4,4′−ビス(2,3
−エポキシプロポキシ)−3,3′,5,5′−テトラ
メチルビフェニルエポキシ樹脂(エポキシ当量200)
【0053】〔フェノール樹脂〕フェノールアラルキル
樹脂(水酸基当量175)
【0054】〔無機質充填剤〕溶融シリカ(平均粒径1
5μm、破砕状)
【0055】〔ブロム化エポキシ樹脂〕ノボラック型ブ
ロム化エポキシ樹脂(エポキシ当量275)
【0056】
【実施例1〜8、比較例1〜5】下記の表1および表2
に示す各成分を同表に示す割合で配合し、ミキシングロ
ール機(100℃)で混練りして冷却した後粉砕するこ
とにより目的とする粉末状のエポキシ樹脂組成物を得
た。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】このようにして得られた実施例および比較
例の各粉末状のエポキシ樹脂組成物を用いて下記に示す
評価試験(曲げ強度、スパイラルフロー保持率)に供し
た。これらの結果を後記の表3および表4に併せて示
す。
【0060】〔曲げ強度〕各エポキシ樹脂組成物を用い
て曲げ強度用試験片(5″×1/2″×1/4″)を成
形し、この成形物を用い85℃/85%RHにて168
時間吸湿させ、250℃の温度雰囲気下で曲げ特性を測
定した(JIS K−6911に準ずる)。
【0061】〔スパイラルフロー保持率〕まず、粉末状
エポキシ樹脂組成物をタブレット状(直径24.5mm
×厚み20mm)に予備成形した。このタブレットを予
め規定温度(175±5℃)に加熱した渦巻状のスパイ
ラルフロー用金型のポットの奥まで挿入し、型締めして
型締め圧力を210±10kg/cm2 まで上げた。つ
ぎに、型締め圧力が210±10kg/cm2 に達した
時点で、プランジャーでエポキシ樹脂組成物を注入し、
注入圧力70±5kg/cm2 に到達した後、1分50
秒注入圧力をかけた。ついで、トランスファー成形機の
プランジャー圧力を抜き、さらに型締め圧を抜いて金型
を開いた。そして、成形物の渦巻長さを最小2.5mm
まで測定することによりスパイラルフロー値を得た(E
MMI 1−66に準ずる)。これを初期のスパイラル
フロー値(初期SF値)とした。
【0062】一方、上記と同様にして粉末状エポキシ樹
脂組成物をタブレット状(直径24.5mm×厚み20
mm)に予備成形し、このタブレットを30℃の温度条
件で3日間放置した。この放置後のタブレットを用い、
上記初期SF値の測定と同様にしてスパイラルフロー値
を得た。これを3日間保存後のスパイラルフロー値(保
存後SF値)とした。
【0063】上記初期SF値と保存後SF値から、下記
の式によりスパイラルフロー保持率(%)を算出した。
【0064】
【数1】スパイラルフロー保持率(%)=(保存後SF
値)/(初期SF値)×100
【0065】さらに、上記各実施例および比較例で得ら
れた粉末状のエポキシ樹脂組成物を用いてタブレット状
(直径24.5mm×厚み20mm)に予備成形し、こ
のタブレットを30℃の温度条件で3日間放置した。つ
いで、この放置したタブレットを用いて半導体装置〔Q
FP−80(14mm×20mm×厚み2.0mm)、
リードフレームMF202、半導体素子(8mm×8m
m×厚み0.37mm)〕をトランスファー成形(条
件:175℃×2分)にて作製した。得られた半導体装
置について、120℃×1時間のプリベーク後、これを
85℃/85%RH×168時間吸湿させた後、215
℃のVPSで90秒の評価試験(耐クラック性)を行っ
た。その結果を下記の表3および表4に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】上記表3および表4の結果から、全ての実
施例品は、曲げ強度が高く、しかもスパイラルフロー保
持率も高いことがわかる。したがって、実施例品のエポ
キシ樹脂組成物は、貯蔵安定性が高く、これを半導体装
置の封止材料として用いた際には実装時の耐剥離性およ
び耐クラック性に優れた半導体装置が得られることは明
らかである。実際、耐クラック性試験に関し全てにおい
て良好な結果が得られた。これに対して、比較例1品は
スパイラルフロー保持率は高いものの、曲げ強度が低く
さらに耐クラック性試験結果が悪く、また比較例2〜5
品はある程度の曲げ強度を有しているものの、スパイラ
ルフロー保持率が低いものであった。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明のエポキシ樹脂組
成物は、アミノアルキルアルコキシシランとフェノール
樹脂との予備反応生成物(A)と、コア/シェル構造を
有する硬化促進剤含有マイクロカプセル(B)を含有す
るため、高温での高強度化が図られるとともに、マイク
ロカプセル化により上記アミノアルコキシシランと硬化
促進剤との相互作用が生じず優れた貯蔵安定性が実現す
る。したがって、上記エポキシ樹脂組成物を用いて半導
体素子を封止してなる半導体装置は、パッケージ自体が
吸湿していたとしても、その半田実装等の実装工程にお
いて、剥離やクラックが生じず、耐剥離性および耐クラ
ック性に優れたものが得られる。
【0070】特に、上記貯蔵安定性の点から、上記硬化
促進剤含有マイクロカプセル(B)においてマイクロカ
プセルのシェル部(壁膜)形成材料としては、ポリウレ
アもしくはポリウレタンであることが好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑 昌宏 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 樽野 友浩 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 西岡 務 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)および(B)を必須成分と
    することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 (A)アミノアルキルアルコキシシランとフェノール樹
    脂との予備反応生成物。 (B)硬化促進剤からなるコア部が、熱可塑性樹脂から
    なるシェル部で被覆されたコア/シェル構造を有する硬
    化促進剤含有マイクロカプセル。
  2. 【請求項2】 上記(B)である硬化促進剤含有マイク
    ロカプセルのシェル部を形成する熱可塑性樹脂が、ポリ
    ウレアもしくはポリウレタンである請求項1記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記(B)である硬化促進剤含有マイク
    ロカプセルの平均粒径が0.1〜4μmである請求項1
    または2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエ
    ポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半
    導体装置。
JP22884896A 1996-08-29 1996-08-29 エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 Pending JPH1067917A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG128412A1 (en) * 2000-08-24 2007-01-30 Nitto Denko Corp Resin composition for sealing semiconductor, semiconductor device using the same semiconductor waferand mounted structure of semiconductor device

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