JP2914390B2 - 改良されたエポキシ樹脂用硬化剤マスターバッチ - Google Patents

改良されたエポキシ樹脂用硬化剤マスターバッチ

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はエポキシ樹脂用の硬化剤マスターバッチに関
するものである。さらに詳しくは硬化剤マスターバッチ
としての貯蔵安定性およびエポキシ樹脂への配合性に優
れていることは勿論のこと、エポキシ樹脂に配合する
と、硬化速度が速くかつ貯蔵安定性に優れた低粘性の1
成分系硬化組成物を与えるエポキシ樹脂用の硬化剤マス
ターバッチに関するものである。
[従来の技術] エポキシ樹脂硬化体は接着性、機械的性質、熱的性
質、耐薬品性および電気的性質に優れていることから、
塗料、接着剤、電気・電子用絶縁材料として、幅広く工
業的に利用されている。これらの用途に用いられるエポ
キシ樹脂配合物は大きく、1成分系と2成分系に分けら
れる。
2成分系はエポキシ樹脂配合物と硬化剤またはその配
合物からなり、それらは別々に保管される。必要に応じ
てユーザーにおいて両者を計量、混合して使用に供され
るが、計量ミスを避けて常に均質な硬化組成物とするこ
とは実用上困難なことが多い。エポキシ樹脂と硬化剤と
の反応は混合と同時に始まる。エポキシ樹脂硬化組成物
の一般的な形態は液状であるが、この形態の組成物につ
いていえば、混合後系の粘度は次第に上昇し、ゲル化を
経て硬化にいたる。ゲル化して使用に供し得なくなるま
での時間は可使時間と呼ばれる。可使時間はエポキシ樹
脂と硬化剤の化学構造と配合によって定まる。一般的に
硬化速度の速い系ほど可使時間は短くなる。硬化速度に
主眼をおいた硬化剤を用いれば室温あるいは低温硬化配
合も可能となるが、必然的に可使時間が短くなり、少量
を頻繁に配合する必要が生ずるなど作業効率の大幅の低
下が免れ難い。
これに対して1成分系は予めエポキシ樹脂と硬化剤が
配合されているために、2成分系に付随する問題点はす
べて解消される。このような目的に供される硬化剤は潜
在性硬化剤と呼ばれる。もっとも単純な1成分系は、高
温硬化型の硬化剤、例えばジシアンジアミド、フェノー
ルノボラック、アジピン酸ジヒドラジド、ジアリルメラ
ミン、ジアミノマレオニトリル、BF3−アミン錯体、ア
ミン塩、変性イミダゾール化合物などの配合で得られ
る。これらの高温硬化型硬化剤は硬化速度が遅く、室温
における反応が遅々として進まないために、見掛け上あ
る程度の期間、室温またはそれ以下の温度での安定な貯
蔵が可能で、高温加熱で硬化する1成分配合を可能にす
る。これが室温ではエポキシ樹脂に溶解しない高温硬化
型硬化剤で、粒子として分散されていると、貯蔵安定性
は格段に改良される。これは明らかにエポキシ樹脂との
接触面積が極端に小さくなるためである。このような分
散型硬化剤もまた一種の潜在性硬化剤といえる。
ただしこのような潜在性硬化剤では十分な貯蔵安定性
をもつ1成分系硬化組成物の調製は不可能である。十分
に長い貯蔵安定性をもつ本格的な1成分系硬化組成物
は、そのままの状態では本質的にエポキシ樹脂と反応せ
ず、刺激により活性化する本格的な潜在性硬化剤の配合
を必要とする。熱分解により活性化されるアミンイミド
化合物、水分との接触により活性化されるケチミン化合
物、光照射により活性化される芳香族ジアゾニウム塩化
合物、ジアリルヨードニウム塩化合物、トリアリルスル
ホニウム塩またはセレニウム塩化合物、機械的圧力また
は熱で破壊される材料でマイクロカプセル化された硬化
剤などが挙げられる。
なかでももっとも実用化がすすんでいるのが、アミン
化合物/エポキシ化合物付加体固形粒子を多官能性イソ
シアネート化合物で処理して、その潜在硬化性を大幅に
改良した硬化剤であり、特開昭64-70523および特開平1-
113480で技術の詳細が開示されている。どうしてもコス
ト的に高くなるこの種の潜在性硬化剤においては、当量
比添加にこだわることなく、少量の添加でも硬化が可能
なイオン重合型硬化剤が有利となる。性能面からは、金
属腐食のおそれのないアニオン重合型硬化剤(3級アミ
ン付加体)が好まれる。アミン化合物/エポキシ化合物
付加体は、溶媒中でアミン化合物とエポキシ樹脂を反応
させた後、系から溶媒を除去して一先ず塊状として得ら
れる。次いで粉砕し、さらに分級して目的とするサイズ
の硬化剤粒子が取り出される。次いでアミン化合物/エ
ポキシ化合物付加体粒子は液状エポキシ樹脂に分散さ
れ、加熱状態で多官能性ポリイソシアネート化合物を添
加、反応させることで目的とする潜在性硬化剤がマスタ
ーバッチとして製造される。特開平1-113480において
は、添加された多官能性イソシアネート化合物はエポキ
シ樹脂中に分散されたアミン化合物/エポキシ化合物付
加体粒子上に吸着され、それがもつ水酸基およびそれが
含む水分と反応してポリウレタンおよびポリユリヤ重合
体に変じてカプセル膜を形成することが推定されてい
る。この熱溶融性の膜が付加体粒子とエポキシ樹脂の直
接の接触を妨げることにより、潜在性が付与されること
になる。またカプセル膜の重合体組成は付加体粒子が含
有する水分量に支配され、適当量の水分の存在ではじめ
て配合される有機溶剤に対して十分な耐溶媒性をもち、
かつ配合時の機械的混合処理に耐えるカプセル化付加体
粒子の製造が可能になることが明らかにされている。
[発明が解決しようとする課題] 上述した従来的な硬化剤マスターバッチの製造に供さ
れているアミン化合物/エポキシ化合物付加体粒子は、
形成が破砕状で平均ストークス径が3μm以上の比較的
大きなものである。この粒子形状と比較的大きな粒子サ
イズに起因して、硬化剤マスターバッチとして次のよう
なさまざまな好ましくない問題が生ずる。
〈破砕状の粒子形状〉 球状粒子に比べて粘度上昇に対する寄与が大きい。硬
化剤マスターバッチについていえば、取り扱いうる粘度
には限界があるから、硬化剤濃度は相対的に低くせざる
を得ない。したがってこの硬化剤マスターバッチを配合
してエポキシ樹脂硬化組成物を調製する場合、硬化対象
としてのエポキシ樹脂が硬化剤マスターバッチ分散媒と
してのエポキシ樹脂と同じである場合には問題はない
が、種類を異にする場合には分散媒エポキシ樹脂による
硬化対象エポキシ樹脂の希釈が問題となる。また配合に
際しても、高い粘度上昇傾向は配合設計の自由度を低下
させることになるので好ましくない。
〈大きな粒子サイズ〉 従来の大きなアミン化合物/エポキシ化合物付加体粒
子においては、多官能性イソシアネート化合物の添加量
が増すにつれて確かに貯蔵安定性は向上するものの、そ
れと同時に硬化速度が急速に低下する。この相反する傾
向を独立に変化させることは不可能である。このため
に、多官能性イソシアネート化合物で処理したアミン化
合物/エポキシ化合物付加体粒子マスターバッチは、硬
化剤として折角優れたさまざまな利点をもちながらも、
1成分系硬化組成物においてそれが十分に生かされるに
はいたっていない。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは従来の技術による多官能性ポリイソシア
ネート化合物処理アミン化合物/エポキシ化合物付加体
粒子マスターバッチがもつ課題を克服し、1成分系エポ
キシ樹脂硬化組成物の利点が十分に生かせる硬化剤を開
発すべく鋭意研究を重ねて、本発明をなすにいたった。
すなわち本発明は: 粒子径が1μm以下の微細な球状のアミン化合物/エ
ポキシ化合物付加体粒子を液状エポキシ樹脂中に分散さ
せ、付加体粒子100重量部に対して5から100重量部の多
官能性ポリイソシアネート化合物で処理することによっ
て、硬化反応性にすぐれた高濃度の潜在性硬化剤マスタ
ーバッチを製造しようとするものである。分散系硬化組
成物においては小さな硬化剤粒子サイズは硬化反応性に
2つの利点を提供する。まず硬化剤粒子サイズが小さく
なるだけで硬化反応性が向上する。このことは文献[Jo
urnal of Applied Polymer Science,32,5095(1986)]
により明らかにされている。次に著大な界面面積をもつ
小粒子サイズのアミン化合物/エポキシ化合物付加体粒
子には、硬化反応性の低下に効果的な多官能性イソシア
ネート化合物重合体層をそれほど厚くすることなく、大
量の多官能性イソシアネート化合物による処理が可能と
なる。この多官能性イソシアネート化合物重合体は3級
アミンの存在下においてエポキシ樹脂硬化組成物の硬化
温度で速やかに多官能性イソシアネート化合物に分解す
ることが文献[色材協会誌、11、676(1980)]で明ら
かにされているが、ここで発生した多官能性イソシアネ
ート化合物がエポキシ樹脂の硬化に大いに寄与する。こ
の2つのはたらきにより、本発明の硬化剤マスターバッ
チは優れた貯蔵安定性をもちながらも、硬化性に優れた
1成分系エポキシ樹脂硬化組成物を可能にする。
具体的な例をもって示せば、比較例と実施例の結果を
取り纏めた表1と表2の通りである。表1には0.2μm
の球状2−メチルイミダゾール(2Mz)/ビスフェノー
ルAジグリシジエーテル(BADGE)付加体粒子を100重量
部のBADGEに対して40重量部分散し、量の異なる多官能
性イソシアネート化合物で処理して製造した硬化剤マス
ターバッチ、この硬化剤マスターバッチを硬化対象BADG
Eに付加体を基準にしてその濃度が15%となるように配
合した硬化組成物およびそれからの硬化体について、そ
れらの諸性質が示されている。表2には0.52μmの2Mz/
BADGE付加体粒子について記されている。硬化組成物の
粘度が使用に供しうる範囲内にとどまる安定貯蔵期間
は、多官能性イソシアネート化合物処理量の増加ととも
に急速に長くなる。一方硬化性の目安としてのゲルタイ
ムは硬化温度によってまったく異なる挙動を示す。110
℃以下でのベーキングでは硬化性は多官能性イソシアネ
ート化合物処理量の増加とともに急速に低下するが、12
0℃以上でのベーキングにおいては反対に、多官能性イ
ソシアネート化合物処理量の増加とともに、硬化性は処
理量の少ないところでは多少低下の傾向も見られるが、
それを越えると次第に向上する。0.52μmの付加体粒子
でも同様の傾向が観察されるが、低い多官能性イソシア
ネート化合物処理量領域の硬化剤マスターバッチからの
硬化組成物について、120℃以上でのベーキングにおけ
る硬化速度の低下は見られなくなる。このように120℃
以上でのベーキングにおける硬化反応の促進は多官能性
イソシアネート化合物処理量が増えるとともに顕著にな
るが、この効果は小粒子サイズの付加体粒子でのみ享受
可能である。粒子サイズが大きくなるとカプセル膜層が
厚くなりすぎて、熱分解で発生した多官能性イソシアネ
ート化合物が容易にエポキシ樹脂と接触できなくなるの
であろう。本発明においては、球状粒子の粒子径は、1
μm以下好ましくは0.1〜1.0μmの範囲が適している。
以下本発明についてさらに詳しく説明する。まず本発
明においてキーとなる球状微細アミン化合物/エポキシ
化合物付加体粒子であるが、その製造方法は、本出願人
の平成2年5月28日付の出願特願平2-138176号(特開平
4-31427号公報)「球状エポキシ樹脂用硬化剤」におい
て詳細に開示されている。簡単に述べれば、原料として
のアミン化合物とエポキシ化合物を、それらは溶解する
が生成する付加体は溶解しない有機溶媒中において、適
当な分散安定剤共存下で反応させることによって製造さ
れる。ここで付加体原料としてのアミン化合物とエポキ
シ化合物は硬化剤としての付加体の性質を考慮して選択
させる。重要なのはアニオン重合硬化を推進する化学構
造、融点、溶融状態で硬化対象となる配合エポキシ樹脂
に対する優れた相溶性、速い硬化性および添加効果(少
ない添加量での高い硬化反応性)である。ただしここで
いう融点とは、通常の融点測定法における溶融開始温度
と定義する。
この目的に供されるアミン化合物としてはすべての種
類が対象たりうるが、それに組み合わせるエポキシ化合
物の種類による制約を受ける。なぜならば本発明におい
ては、重合を避けて付加反応にとどめねばならないから
である。1官能性エポキシ化合物に対してはすべての種
類のアミン化合物を組み合わせることが可能であるが、
多官能性エポキシ化合物に組み合わせうるのはエポキシ
基との反応に寄与する活性水素を1個しかもたないアミ
ン化合物だけとなる。いずれの場合においても活性水素
をもたない3級アミノ基が含まれることは一向に差し支
えない。むしろ付加体の硬化反応に寄与するアミノ基濃
度を高める、すなわち硬化剤としての添加効果を高める
うえにおいてその存在は好ましい。後で述べるようにエ
ポキシ化合物としては2官能性のビスフェノールAジグ
リシジルエーテルがもっとも一般的であるが、この化合
物を例にとって、それに組合わせるのに適したアミン化
合物の例を挙げれば、2−メチルイミダゾールや2,4−
ジメチルイミダゾールを代表とするイミダゾール化合物
およびそのカルボン酸塩、N−メチルピペラジンやN−
ヒドロキシエチルピペラジンを代表とするピペラジン化
合物、アナバシンを代表とするアナバシン化合物、3,5
−ジメチルピラゾールを代表とするピラゾール化合物、
テトラメチルグアニジンやプリンを代表とするプリン化
合物、ピラゾールを代表とするピラゾール化合物、1,2,
4−トリアゾールを代表とするトリアゾール化合物など
である。もう一方の原料であるエポキシ化合物としても
すべての種類が対象たりうる。例を挙げれば1官能性化
合物としてはn−ブチルグリシジルエーテル、スチレン
オキシド、フェニルグリシジルエーテル、2官能性化合
物としてはビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノール
Sジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、3官能性化合物としてはトリグリシジルイソシアヌ
レート、トリグリシジルパラアミノフェノール、4官能
性化合物としてはテトラグリシジルメタキシレンジアミ
ン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、それ
以上の官能基をもつ化合物としてはクレゾールノボラッ
クポリグリシジルエーテル、フェノールノボラックポリ
グリシジルエーテルなどがある。ただし組み合わせるア
ミン化合物の種類によって制約を受けることはアミン化
合物について述べたと同様である。すなわち活性水素を
1個しかもたないアミン化合物についてはすべての種類
のエポキシ化合物の組み合わせが可能であるが、2個以
上の活性水素をもつアミン化合物に組み合わせうるのは
1官能性のエポキシ化合物だけである。
エポキシ化合物は、生成する付加体の融点と溶融状態
での(硬化対象であるエポキシ樹脂に対する)相溶性を
考慮して選ばれる。硬化対象となるエポキシ樹脂として
は圧倒的な量がビスフェノールAジグリシジルエーテル
で占められているから、付加体原料としてのエポキシ化
合物としては、それに対する相溶性に優れかつコスト的
にも有利なこの化合物が一般的に用いられうる。エポキ
シ化合物において、エポキシ基の濃度はエポキシ当量で
表わされる。エポキシ当量が低くなるほどエポキシ基濃
度が高くなるが、付加体の3級アミノ基濃度を可及的に
低下させないために、高いエポキシ基濃度が望ましい。
アミン化合物/エポキシ化合物付加体の融点は、アミ
ン化合物とエポキシ樹脂の化学構造、ならびに付加の方
式、付加体の構造およびアミン化合物に対するエポキシ
樹脂の付加比率によって決定される。それらの適切な選
択により、目的に応じて低融点から高融点の付加体を合
成することが可能となる。融点が高くなるほど取り扱い
やすくなるが、反対に配合物の硬化反応開始温度が高く
なる。したがって硬化性からみれば融点は低いにこした
ことはないが、取り扱い性、とくに夏期における取り扱
いを考慮すると、最低50℃の融点を必要とする。
原料としてのアミン化合物とエポキシ化合物を溶解す
るが、その付加生成体は溶解せず粒子として沈殿させる
溶媒の選択は重要である。一般的にいって物質はその極
性が近似した溶媒に溶解する。溶媒の極性の高さは溶解
度パラメーター(単位:(cal./cm31/2)で表わされ
るが、この表示方法にしたがって一般的な溶解範囲を示
せば、エポキシ化合物:8〜11、アミン化合物:8以上、ア
ミン化合物/エポキシ化合物付加体:11〜16となる。し
たがって目的とする本発明の沈殿反応を実施するために
は、溶解度パラメーターが8〜11の溶媒が適当である。
本発明の実施に用いられる溶媒の例を挙げれば、メチル
イソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル
エチルケトン、アセトン、酢酸、n−ブチルアセテー
ト、イソブチルアセテート、エチルアセテート、メチル
アセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、
セロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、
トルエン、p−キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、ク
ロロホルム、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、ピ
リジンなどがある。単独あるいは2種以上の組み合わせ
で使用に供される。溶解度パラメーターが8〜11の範囲
外の溶媒であっても、2種以上の組み合わせで特定した
範囲内の溶解度パラメーターに調節して使用に供するこ
とも可能である。ただし適合する溶媒の正確な溶解度パ
ラメーターは当然アミン化合物とエポキシ化合物の化学
構造によって多少異なるので、個々の場合に応じて厳密
に選択することが肝要である。選択が厳密でないと、確
かに沈殿反応は円滑に進行したとしても、溶媒に対する
生成付加体の溶解度が高くて収率が低くなるということ
もありうる。
分散安定剤は沈殿反応において析出する付加体粒子を
安定に溶媒中に分散する。それが存在しないと、生成し
た付加体粒子が反応中に凝固して、目的とする球状粒子
が得られなくなる。この目的に供される分散安定剤とし
ては、生成した付加体と有機溶媒の両方に対してともに
高い親和性をもつ両親媒性の高分子化合物が適する。化
学構造的にはグラフト共重合体、ブロック共重合体、ラ
ンダム共重合体およびその他の重合体のいずれもが資格
用件をそなえている。グラフト共重合体の例を挙げれ
ば:スチレンをグラフト共重合したメチルメタクリレー
ト/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート/2−
ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、ポリ2−ヒ
ドロキシメタクリレート、ポリ2,3−ジヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、ポリアクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸
ビニル、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ
エチレンオキシドおよびポリ4−ビニル−エチルピリジ
ウムブロミド、メチルメタクリレートをグラフト共重合
したメチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、グ
リシジルメタクリレート/スチレン共重合体およびメチ
ルメタクリレート/フルオロアルキルアクリレート共重
合体、メタクリル酸をグラフト共重合したポリブタジエ
ンおよびメチルメタクリレート/グリシジルメタクリレ
ート共重合体、N−メチロールアクリルアミドをグラフ
ト共重合したポリメチルメタクリレートおよび2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート共重合体、12−ヒドロキシ
ステアリン酸をグラフト共重合したポリメチルメタクリ
レート、エチルアクリレート/メタクリル酸重合体、メ
チルアクリレート/メタクリル酸共重合体およびスチレ
ン/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートをグラフト共重合したポリメチルメタクリレ
ートならびにエチレンオキシドをグラフト共重合したポ
リ塩化ビニルなどがある。ブロック共重合体の例を挙げ
れば:ポリラウリルメタクリレート/ポリメタクリル酸
ブロック共重合体、ポリスチレン/ポリメタクリル酸ブ
ロック共重合体、ポリエチレンキシド/ポリスチレン/
ポリエチレンオキシドブロック共重合体およびポリ12−
ヒドロキシステアリン酸/ポリエチレングリコール/ポ
リ12−ヒドロキシステアリン酸などがある。またランダ
ム共重合体の例を挙げれば:酢酸ビニル/ビニルアルコ
ール共重合体、酢酸ビニル/N−ビニルピロリドン共重合
体、N−ビニルピロリドン/メチルタクリレートなどが
ある。またその他の重合体の例としてはカチオン化した
アミン変性ポリエステルなどが挙げられる。分散安定剤
の分子量が高くなるほど安定化効果は増大するが、限度
をこえて分子量を高くすると、反対に凝集効果が次第に
強くなるので逆効果となる。したがって本発明の目的に
叶う分散安定剤の分子量としては1,000から200,000、好
ましくは2,000から100,000の範囲が適する。分散安定剤
としては上述のように多種類のものが存在するが、その
効果は当然アミン化合物/エポキシ化合物の化学構造に
よって異なる。実用的には試行錯誤的な選択を必要とす
る。
選ばれた溶媒に選ばれたアミン化合物とエポキシ化合
物を溶解し、さらに選ばれた分散安定剤を溶解して、撹
拌しながら加熱すると、当初透明であった溶液は付加体
の生成に伴って不透明になる。反応の進行に伴って糸の
不透明度はしだいに増し、分散液特有の白濁状を呈する
ようになる。適当なところで冷却すると、反応は停止す
る。得られたアミン化合物/エポキシ化合物付加体粒子
分散液から粒子だけを濾別し、新しい溶媒で粒子に付着
した未反応原料を洗い落して乾燥すれば、目的とする球
状の硬化剤粒子が得られる。付加体粒子のサイズは原料
の種類、反応条件および分散安定剤の種類と添加量によ
って決定される。これらの因子のうち決定的なのは分散
安定剤の種類である。次に大きな影響を及ぼすのは反応
条件であり、一般的にいって原料濃度、分散安定剤濃
度、反応温度および反応率が低くなるほど、また撹拌速
度が速くなるほど生成する粒子は、小さくなる。本発明
の目的に供される粒子としては直径1μm以下、好まし
くは0.1〜1.0μmの範囲が適する。この範囲以下ではポ
リイソシアネート処理において硬化剤マスターバッチの
粘度があまりも高くなりすぎて、付加体粒子の分散濃度
をかなり低い水準に設定しなければならなくなる。そう
すると付加体粒子の濃度が低くなりすぎて実用上硬化剤
マスターバッチとしての意義が失われる。また規定され
た範囲を越えて粒子サイズが大きくなると、大量の多官
能性ポリイソシアネート化合物で処理しても、硬化反応
の促進効果が観察されなくなる。ここで規定された範囲
の微細粒子は、さきに述べた沈殿反応を支配する因子を
それぞれ適切な水準に設定することによって製造され
る。
硬化剤マスターバッチの製造においてアミン化合物/
エポキシ化合物付加体粒子の分散媒として用いられる液
状エポキシ樹脂にとって、基本的に重要なのはそれが含
む水酸基と粘度である。水酸基はポリイソシアネートと
反応して系の粘度を上昇させ、極端な場合にはゲル化に
いたらしめる。したがってこの目的に供する液状エポキ
シ樹脂としては水酸基をまったく含まないかまたは含有
してもその水準がきわめて低いことが要求される。また
粘度はできるだけ低いことが望ましい。分散媒の粘度が
低いほど高い濃度での付加体粒子の分散が可能になる。
この基本的要件に加えて、配合するエポキシ樹脂と硬化
配合物の用途も考慮されるべきである。分散媒としての
エポキシ樹脂も硬化構造に組み入れられるのでこの配慮
は当然のことである。高耐熱性配合の場合にはこの目的
に叶った分散媒エポキシ樹脂が、低金属腐食性配合にお
いては分解性塩素含有率の低い分解媒エポキシ樹脂が選
ばれるべきである。
硬化剤マスターバッチは、液状エポキシ樹脂に分散し
た付加体粒子を多官能性イソシアネート化合物で処理す
ることによって製造される。この目的に供される多官能
性イソシアネート化合物としては、トルエンジイソシア
ネート、メチレンジフェニルジイソシアネートの1核体
および多核体、水添メチレンジフェニルジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシア
ネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,3,
6−ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンジイソ
シアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、
トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、
ならびにそれらと他の活性水素含有化合物との付加反応
で生成する多官能性イソシアネート化合物などである。
このうちから選ばれた1種または2種以上が組み合わせ
て使用に供される。付加体粒子に対する添加量は、付加
体100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜50
重量部の範囲である。この範囲以下では十分な貯蔵安定
性は得られず、この範囲を越えると処理中における粘度
が製造困難な水準にまで到達する。
付加体粒子は使用目的にもよるが、往々にして使用に
供する以前に調湿することが望ましい。調湿は付加体粒
子を高湿度にさらすことにより容易に行なわれる。次い
で付加体粒子は分散媒としての液状エポキシ樹脂に均一
に分散される。微細粒子は往々にして2次粒子を形成し
ているので、1次粒子としての分散のためには機械的分
散処理を必要とする。具体的な例としては3本ロールミ
ルによる混練が挙げられる。最後に付加体粒子分散エポ
キシ樹脂を加熱、撹拌し、所定の温度に達したところ
で、過度の温度上昇が起きない速度で多官能性イソシア
ネート化合物を添加して、付加体粒子と反応させて硬化
剤マスターバッチが製造される。多官能性イソシアネー
ト化合物添加終了後加熱、撹拌を続け、できるだけその
濃度を低下させることが望ましいが、実用的にはかなら
ずしも完全な消失は必要としない。この多官能性イソシ
アネート処理により付加体粒子の界面には、図1と2の
透過電子顕微鏡写真の比較から明らかなように、特開平
1-113480に述べられているカプセル膜の形成が認められ
る。ここで撮影されたカプセル化粒子は粒子径2.5μm
の2−メチルイミダゾール/BADGE付加体粒子を付加体に
対して20%のポリメチレンジフェニルジイソシアネート
で処理したものである。撮影試料は付加体粒子およびカ
プセル化付加体粒子マスターバッチをBADGE/ポリアミド
ポリアミン硬化組成物に配合し、それを50℃で48時間加
熱硬化してから、ミクロトームで薄片状にスライスした
後オスミウム酸で染色して作成されている。以下実施例
によりさらに詳細に説明する。
比較例1 温度計、還流冷却器およびガラス製半月型撹拌装置を
そなえた内容量5,000mlの丸底三つ口フラスコに、3,400
gのメチルイソブチルケトン(MIBK)を仕込み、これに1
15gの2−メチルイミダゾール(2Mz)(1.39当量)を加
え、温度を50℃に上げて完全に溶解した。次いで分散安
定剤としてメチルメタクリレートをグラフト共重合メチ
ルメタクリレート/メタクリル酸共重合体分散安定剤の
25%メチルエチルケトン/酢酸ブチン溶液(東亜合成株
式会社製、GC-10)146gを加えてから、エポキシ当量186
のビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)
(油化シェル株式会社製、エピコート828)の50%MIBK
溶液500g(1.34当量)を加えた。付加体原料濃度:8.8
%、全原料濃度:9.7%、付加体原料に対する分散安定剤
の添加量:10.0%。内容物を400rpmの速度で撹拌しなが
ら、50℃で24時間反応させた。当初透明な反応系は次第
に青味がかった半透明状を呈するようになるが、反応終
期においては乳白色不透明状に変化した。
所定時間の反応の後室温に冷却し、一昼夜放置して生
成した粒子を沈殿させた。上澄液を傾斜法で除去してか
ら、粒子を濾過分離し、MIBKで十分に洗浄した。さらに
40℃で24時間真空乾燥して、81gの白色付加体粒子を得
た。粒子径は反応終了直後のMIBK分散液について、大塚
電子製のレーザー粒子径解析装置、LPA3000/3100で測定
した。平均粒子径は0.21μmであた。電子顕微鏡での観
察によれば、この沈殿反応法で製造された2Mz/エピコー
ト828付加体粒子の形状は球状であった。また赤外分光
光度計による分析では、製造に使用した分散安定剤の一
部が付加体粒子に固定されていることが知られた。
こうして製造された球状付加体粒子をエポキシ当量17
3のほとんど水酸基を含まないBADGE(ダウケミカル社製
DER332)100重量部に対して40重量部(40phr)の割合で
加え、3本ロールミルを通して完全に分散させて硬化剤
マスターバッチとした。次いでこの硬化剤マスターバッ
チをエポキシ当量186のBADGE(油化シェル株式会社製、
エピコート828)に付加体粒子の濃度が15%となるよう
に配合して硬化組成物とした。さらにこの硬化組成物を
100℃で1時間次いで150℃で3時間加熱硬化して硬化体
を作成し、そのガラス転移温度(Tg)、引張り特性およ
び吸水率を測定した。測定方法は以下の通りである。T
g:示差熱分析計による測定、引張り特性:JIS K7113に基
づく測定、吸水率:直径39mm、厚さ4mmの試料を100℃の
水に6時間浸漬した後、その重量増加率を測定。硬化剤
マスターバッチ、硬化組成物および硬化体の諸性質を表
1に実施例1〜6と対比して示す。
比較例2 比較例1で述べた装置の丸底三つ口フラスコに、3,24
0gのMIBKを仕込み、これに115gの2Mzを加え、温度を50
℃に上げて完全に溶解した。次いでGC-10 219gを加えて
から、エピコート828の50%MIBK溶液500gを加えた。付
加体原料濃度:9.0%、全原料濃度:10.3%、付加体原料
に対する分散安定剤の添加量:15.0%。内容物を400rpm
の速度で撹拌しながら、50℃で24時間反応させ、比較例
1と同様にして平均粒子径は0.52μmの球状付加体粒子
を107g得た。次いで比較例1と同様にして、硬化剤マス
ターバッチ、硬化組成物および硬化体を作成して、それ
らの諸性質を測定した。結果を表2に実施例7〜9と対
比して示す。
実施例1 比較例1で製造された2-Mz/エピコート828付加体粒子
120gを飽和湿度下に48時間放置して、付加体に対して5.
2%の水分を吸収させた。この調湿付加体粒子を300gのD
ER332に加え、簡単に粗練してから3本ロールミルを通
して完全に分散した。分散液の30℃における粘度は29,1
00cpsであった。分散液350gを加熱可能な撹拌装置付き
反応器に移し、撹拌しながら60℃に加熱した。この温度
を保ちながら、約1時間にわたって10gのポリMDI(日本
ポリウレタン工業株式会社製MR-100)を添加し、同温度
を保ちながら2時間加熱してから冷却して、硬化剤マス
ターバッチを調製した。島津製作所製FTIR分析計を用い
ての測定によれば、1.8%のポリMDIが未反応のままに残
されていた。この硬化剤マスターバッチの30℃における
粘度は59,500cpsであった。比較例1と同様にしてエピ
コート828に対して付加体基準で15%となるようにこの
マスターバッチを配合して硬化組成物とし、その一部か
ら比較例1で述べた硬化物性測定用の試料を作成した。
硬化剤マスターバッチ、硬化組成物および硬化体の諸性
質を表1に比較例および他の実施例と対比して示す。
実施例2 実施例1とまったく同様にして調製した2Mz/エピコー
ト828付加体粒子分散液350gを加熱可能な撹拌装置付き
反応器に移し、撹拌しながら60℃に加熱した。次いでこ
の温度を保ちながら約1時間にわたって20gのポリMDIを
添加し、同温度を保ちながら2時間加熱してから冷却
し、硬化剤マスターバッチとした。この中には2.3%の
未反応ポリMDIが含まれていた。この硬化剤マスターバ
ッチの30℃における粘度は112,000cpsであった。次いで
実施例1と同様にして硬化組成物、比較例1で述べた方
法により硬化体試料を作成した。硬化剤マスターバッ
チ、硬化組成物および硬化体の諸性質を表1に比較例お
よび他の実施例と対比して示す。
実施例3 実施例1とまったく同様にして調製した2Mz/エピコー
ト828付加体粒子分散液350gを加熱可能な撹拌装置付き
反応器に移し、撹拌しながら60℃に加熱した。次いでこ
の温度を保ちながら約1時間にわたって30gのポリMDIを
添加し、同温度を保ちながら3時間加熱してから冷却
し、硬化剤マスターバッチとした。この中には1.7%の
未反応ポリMDIが含まれていた。この硬化剤マスターバ
ッチの30℃における粘度は194,000cpsであった。次いで
実施例1と同様にして硬化組成物、比較例1で述べた方
法により硬化体試料を作成した。硬化剤マスターバッ
チ、硬化組成物および硬化体の諸性質を表1に比較例お
よび他の実施例と対比して示す。
実施例4 実施例1とまったく同様にして調製した2Mz/エピコー
ト828付加体粒子分散液350gを加熱可能な撹拌装置付き
反応器に移し、撹拌しながら60℃に加熱した。次いでこ
の温度を保ちながら約1時間にわたって40gのポリMDIを
添加し、同温度を保ちながら3時間加熱してから冷却
し、硬化剤マスターバッチとした。この中には2.6%の
未反応ポリMDIが含まれていた。この硬化剤マスターバ
ッチの30℃における粘度は305,000cpsであった。次いで
実施例1と同様にして硬化組成物、比較例1で述べた方
法により硬化体試料を作成した。硬化剤マスターバッ
チ、硬化組成物および硬化体の諸性質を表1に比較例お
よび他の実施例と対比して示す。
実施例5 実施例1とまったく同様にして調製した2Mz/エピコー
ト828付加体粒子分散液350gを加熱可能な撹拌装置付き
反応器に移し、撹拌しながら60℃に加熱した。次いでこ
の温度を保ちながら約2時間にわたって50gのポリMDIを
添加し、同温度を保ちながら4時間加熱してから冷却
し、硬化剤マスターバッチとした。この中には2.8%の
未反応ポリMDIが含まれていた。この硬化剤マスターバ
ッチの30℃における粘度は450,000cpsであった。次いで
実施例1と同様にして硬化組成物、比較例1で述べた方
法により硬化体試料を作成した。硬化剤マスターバッ
チ、硬化組成物および硬化体の諸性質を表1に比較例お
よび他の実施例と対比して示す。
実施例6 実施例1とまったく同様にして調製した2Mz/エピコー
ト828付加体粒子分散液350gを加熱可能な撹拌装置付き
反応器に移し、撹拌しながら60℃に加熱した。次いでこ
の温度を保ちながら約2時間にわたって100gのポリMDI
を添加し、同温度を保ちながら4時間加熱してから冷却
し、硬化剤マスターバッチとした。この中には2.9%の
未反応ポリMDIが含まれていた。他の実施例も同様であ
るが、とくに本実施例については硬化体粒子と同重量の
ポリMDIがほとんど消費され尽くされるというのは驚く
べきことである。ポリMDIが付加体の水酸基とのみ反応
すると考えるとこのように大量のポリMDIの消費はとう
てい不可能である。粒子中の水および粒子に固定された
分散安定剤のカルボキシル基との反応による消費が加わ
ってはじめて、納得できる消費水準となる。この硬化剤
マスターバッチの30℃における粘度は1,400,000cpsであ
った。次いで実施例1と同様にして硬化組成物、比較例
1で述べた方法により硬化体試料を作成した。硬化剤マ
スターバッチ、硬化組成物および硬化体の諸性質を表1
に比較例および他の実施例と対比して示す。
表1において硬化剤マスターバッチ、硬化組成物およ
び硬化体の性質はポリMDIの添加量とともに変化する。
まず硬化剤マスターバッチの性質であるが、ポリMDI添
加量の増大とともに粘度が上昇し、その貯蔵安定性は急
速に長くなる。貯蔵安定性の点からはポリMDIの添加量
が多いことが望ましいが、製造の点からすれば100phrが
限度であり、これよりも添加量が高くなると製造はきわ
めて困難となる。ポリMDIの添加量増大に起因する粘度
の上昇についてはいろいろな原因が考えられるが、最た
るものは分散質濃度の上昇であろう。これに分散媒中に
含まれる水分によるポリMDIの重合に、さらに他の一部
は分散媒エポキシ樹脂が含む微量の水酸基との反応によ
るエポキシ樹脂の分子量の増大ならびに付加体によるエ
ポキシ樹脂の重合による粘度上昇の硬化が加わっている
のであろう。
硬化組成物の貯蔵安定性も硬化剤マスターバッチのそ
れと同様にポリMDI添加量の増大とともに急速に改善さ
れる。ところが硬化速度の目安としてのゲル化時間の挙
動は硬化温度で極端に異なる。120℃以上での硬化では
ポリMDI10%前後までごくわずかではあるがゲル化時間
に上昇の傾向が見られるが、これをこえて添加量が多く
なると、ゲル化時間は添加量の増大に供ってしだいに低
下する。この低下の傾向は加熱温度が高いほど顕著であ
る。これに対して110℃以下の硬化反応では、ゲル化時
間は貯蔵安定性の向上とともに長くなる。すなわち硬化
反応性は低下する。
硬化体の性質もポリMDI添加量の増加に伴って変化す
る。まず耐熱性の目安としてのTgであるが、この温度は
ポリMDI添加量の増加に伴ってわずかではあるが低下す
る。引張り強さもポリMdi添加量の増加に伴って低下す
るが、伸びは反対に上昇して、硬化体はしだいに強靭に
なる傾向がうかがわれる。耐水性の目安としての吸水率
にはポリMDI添加量の増加に伴うとくに顕著な変化は見
られない。
実施例7 2Mz/エピコート828付加体粒子として比較例2で製造
されたものを用いた以外は実施例1とまったく同様にし
て調製した付加体粒子分散液を調製した。30℃における
その粘度は17,700cpsであった。その350gを加熱可能な
撹拌装置付き反応器に移し、撹拌しながら60℃に加熱し
た。次いでこの温度を保ちながら約1時間にわたって10
gのポリMDIを添加し、同温度を保ちながら2時間加熱し
てから冷却し、硬化剤マスターバッチとした。この中に
は2.3%の未反応ポリMDIが含まれていた。この硬化剤マ
スターバッチの30℃における粘度は37,000cpsであっ
た。次いで実施例1と同様にして硬化組成物、比較例1
で述べた方法により硬化体試料を作成した。硬化剤マス
ターバッチ、硬化組成物および硬化体の諸性質を表2に
比較例2および他の実施例と対比して示す。
実施例8 実施例1とまったく同様にして調製した付加体粒子分
散液350gを加熱可能な撹拌装置付き反応器に移し、撹拌
しながら60℃に加熱した。次いでこの温度を保ちながら
約1時間にわたって20gのポリMDIを添加し、同温度を保
ちながら2時間加熱してから冷却し、硬化剤マスターバ
ッチとした。この中には2.8%の未反応ポリMDIが含まれ
ていた。この硬化剤マスターバッチの30℃における粘度
は72,000cpsであった。次いで実施例1と同様にして硬
化組成物、比較例1で述べた方法により硬化体試料を作
成した。硬化剤マスターバッチ、硬化組成物および硬化
体の諸性質を表2に比較例2および他の実施例と対比し
て示す。
実施例9 実施例1とまったく同様にして調製した付加体粒子分
散液350gを加熱可能な撹拌装置付き反応器に移し、撹拌
しながら60℃に加熱した。次いでこの温度を保ちながら
約1時間にわたって30gのポリMDIを添加し、同温度を保
ちながら3時間加熱してから冷却し、硬化剤マスターバ
ッチとした。この中には1.9%の未反応ポリMDIが含まれ
ていた。この硬化剤マスターバッチの30℃における粘度
は132,000cpsであった。次いで実施例1と同様にして硬
化組成物、比較例1で述べた方法により硬化体試料を作
成した。硬化剤マスターバッチ、硬化組成物および硬化
体の諸性質を表2に比較例2および他の実施例と対比し
て示す。
表1と2の比較において、付加体粒子のサイズの影響
が明らかになる。粒子が大きくなっしも、ポリMDI処理
の効果には基本的な違いは見られないが、細目において
は多少異なる。粘度は低くなり、同じ量のポリMDIで処
理してもその潜在化効果は大きくなる。一方硬化体の物
性にはあまり大きな違いは見られない。
実施例10 比較例1で述べた反応装置に、2,750gのMIBKを仕込
み、これに195gのN−メチルピペラジン(NMPz)(1,94
当量)を加え、温度を60℃に上げて完全に溶解した。次
いで分散安定剤として、メチルメタクリレートをグラフ
ト共重合したメチルメタクリレート/メタクリル酸共重
合体の30%MIBK溶液(東亜合成株式会社GC-10M)を425g
を加えてから、エピコート828の50%MIBK溶液700g(1.8
8当量)を加えた。これを400rpmの撹拌下、60℃で14時
間反応させ、比較例1で述べた手順で粒子径0.55μmの
球状付加体174gを得た。こうして得られた付加体粒子を
調湿して5.4%の水分を含ませてから、実施例1とまっ
たく同じ条件でDER 332に分散した。分散液の30℃にお
ける粘度は16,800cpsであった。その350gを加熱可能な
撹拌装置付き反応器に移し、撹拌しながら60℃に加熱し
た。次いでこの温度を保ちながら約1時間にわたって15
gのポリMDIを添加し、同温度を保ちながら2時間加熱し
てから冷却し、硬化剤マスターバッチとした。この中に
は2.7%の未反応ポリMDIが含まれていた。この硬化剤マ
スターバッチの30℃における粘度は43,000cpsであっ
た。次いで実施例1と同様にして硬化組成物、比較例1
で述べた方法により硬化体試料を作成した。その諸性質
は以下の通りであった。
[硬化剤マスターバッチ] 30℃における粘度:43,000cps、50℃における安定貯蔵
期間:22日間 [硬化組成物] 30℃における粘度:12,100cps、50℃における安定貯蔵
期間:35日間、120℃におけるゲル化時間と:88秒。
[硬化体の性質] Tg:138℃、引張り強さ:586kg/cm2、伸び:10%、沸騰
水6時間浸漬後の吸水率:1.1%。
〔発明の効果〕 沈殿反応で製造される粒子径が1μm以下の微細球状
アミン化合物/エポキシ化合物付加体粒子をほとんど水
酸基を含まないエポキシ樹脂中に分散させ、付加体粒子
に対して10から100%の多官能性イソシアネート化合物
で処理することにより、比較的粘度が低い硬化剤マスタ
ーバッチを製造することができる。この硬化剤マスター
バッチは貯蔵安定性に優れ、硬化組成物の配合も容易に
する。また120℃以上の硬化反応において促進的に硬化
する貯蔵安定性に優れた1成分系エポキシ樹脂硬化組成
物を可能にする。本発明の硬化剤マスターバッチはアニ
オン重合型の硬化が可能であるばかりでなく、他の高温
硬化性の重付加型硬化剤、例えばジシアンジアミドや酸
無水物と併用されてはそれらの硬化温度を効果的に低下
させる潜在性の促進剤として有効にはたらく。
この特性を生かして本発明の微細球状硬化剤粒子は広
い分野に1成分エポキシ樹脂硬化組成物の提供を可能に
する。例を挙げれば、構造接着剤分野:車両組立用接着
剤、光学機械組立用接着剤、電子・電気機器組立用接着
剤など、塗料分野:紛体塗料、焼付け塗料など、電子分
野:プリント配線基板ガラスクロス含浸材、ICチップ封
止材、導電性塗料、ソルダーレジスト、ダイボンディン
グ用接着剤、プリント基板接着剤、導電性接着剤など、
電気分野:電気絶縁材料、コイル含浸材、バッテリーケ
ース接着剤、テープヘッド接着剤など。
【図面の簡単な説明】
図1は非カプセル化2−メチルイミダゾール/ビスフェ
ノールジクリジジルエーテル付加体粒子の構造を示す電
子顕微鏡写真であり、図2はカプセル化2−メチルイミ
ダゾール/ビスフェノールジクリジジルエーテル付加体
粒子断面の構造を示す透過電子顕微鏡写真である。ここ
で、本来球状の粒子が楕円状になっているのはミクロト
ームによる切断時の変形のためである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−48416(JP,A) 特開 平2−191624(JP,A) 特開 平1−113480(JP,A) 特開 昭64−70523(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 59/40,18/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミン化合物とエポキシ化合物から合成さ
    れる粒子径が1μm以下の微細球状付加体粒子を液状エ
    ポキシ樹脂中に分散してから、該付加体100重量部に対
    して5から100重量部の多官能性イソシアネート化合物
    で処理して得られるエポキシ樹脂用の硬化剤マスターバ
    ッチ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の粒子径が1μm以下の微細
    球状アミン化合物/エポキシ化合物付加体粒子を液状エ
    ポキシ樹脂に分散させ、該付加体100重量部に対して5
    から100重量部の多官能性イソシアネート化合物を添加
    して加熱処理する請求項1記載のエポキシ樹脂用硬化剤
    マスターバッチの製造方法。
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