JP3072825B2 - 電子放出素子、電子源、及び、画像形成装置の製造方法 - Google Patents

電子放出素子、電子源、及び、画像形成装置の製造方法

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    • H01J1/316Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode having an electric field parallel to the surface, e.g. thin film cathodes
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems
    • H01J9/022Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes
    • H01J9/027Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes of thin film cathodes

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子放出素子、電子
源、及び、画像形成装置の製造方法に関する発明であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱電子放出素
子と冷陰極電子放出素子の2種類が知られている。上記
冷陰極電子放出素子には電界放出型(以下、FE型と略
す)、金属/絶縁層/金属型(以下、MIM型と略す)
や表面伝導型電子放出素子等がある。
【0003】上記FE型の例としては、W. P. Dyk
e&W. W. Dolan、”Field emissi
on”、Advance in Electron P
hysics、8、89(1956)あるいは、C.
A. Spindt、”PHYSICAL Proper
ties of thin−film field e
mission cathodes with mol
ybdenum cones”、J. Appl. Phy
s. 、47、5248(1976)等が知られている。
【0004】上記MIM型の例としては、C. A. Me
ad、”The tunnel−emission a
mplifier、J. Appl. Phys. 、32、
646(1961)等が知られている。
【0005】また上記表面伝導型電子放出素子の例とし
ては、M. I. Elinson、Radio Eng.
Electron Pys. 、10、(1965)等
がある。
【0006】上記表面伝導型電子放出素子は、基板上に
形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すこ
とにより、電子放出が生ずる現象を利用するものであ
る。この表面伝導型電子放出素子としては、前記エリン
ソン(M.I.Elinson)等によるSnO2 薄膜
を用いたもの、Au薄膜によるもの[G. Dittme
r:”Thin Solid Films”、9、31
7(1972)]、In23 /SnO2 薄膜によるも
の[M. Hartwell and C. G. Fons
tad:”IEEE Trans. ED Conf.
”、519(1975)]、カーボン薄膜によるもの
[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22頁(19
83)]等が報告されている。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として、前述のM.ハートウェル(M.Ha
rtwell)の素子構成を図25に示す。
【0008】図25において、221は基板であり、ま
た226は導電性膜で、H型形状のパターンにスパッタ
で形成された金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フ
ォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部223
が形成される。尚、図25中の素子電極間隔Lは0. 5
〜1. 0mm、Wは0. 1mmで設定されている。ま
た、電子放出部223の位置及び形状については不明で
あるので、模式図として表した。
【0009】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、前述したように電子放出を行う前に導電性膜
226を予め通電フォーミングと呼ばれる通電処理によ
って電子放出部223を形成するのが一般的であった。
【0010】即ち、この通電フォーミングとは前記導電
性膜226の両端に直流電圧あるいは非常にゆっくりと
した昇電圧、例えば1V/ 分程度を印加通電し、導電性
膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に
高抵抗な状態にした電子放出部223を形成することで
ある。尚、例えば、電子放出部223は、導電性膜22
4の一部に発生した亀裂を有し、その亀裂付近から電子
放出が行われる。前記通電フォーミング処理をした表面
伝導型電子放出素子は、上記導電性膜224に電圧を印
加し、該素子に電流を流すことにより、上記電子放出部
223より電子を放出せしめるものである。
【0011】以上述べた表面伝導型電子放出素子は、そ
の構造が単純であり、しかも、その製造が容易であるこ
と等から、大面積にわたり、多数の該素子を配列形成出
来るという利点を有する。そこで、このような利点を生
かせるようないろいろな応用が研究されている。例え
ば、荷電ビーム源、表示装置等が挙げられる。
【0012】多数の表面伝導型電子放出素子を配列形成
した例としては、後述するように梯子型配置と呼ぶ、並
列に表面伝導型電子放出素子を配列し、個々の該素子の
両端を配線(これを共通配線とも呼ぶ)でそれぞれ結線
した行を、多数行配列した電子源が挙げられる(例え
ば、特開昭64−31332号公報、特開平1−283
749号公報、特開平1−257552号公報等)。
【0013】また、特に、表示装置等の画像形成装置に
おいては、近年、液晶を用いた平板型表示装置が、CR
Tに替わって普及してきたが、この液晶を用いた平板型
表示装置は、自発光型でないために、バックライトを持
たなければならない等の問題点があり、自発光型の表示
装置の開発が望まれてきた。
【0014】自発光型の表示装置の例としては、表面伝
導型電子放出素子を多数配置した電子源と、該電子源よ
り放出される電子によって可視光を発光せしめる蛍光体
とを組み合わせた表示装置である画像形成装置が挙げら
れる(米国特許5066883号公報等)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前記表面伝導型電子放
出素子においては、前述のM.ハートウェルのように、
導電性膜226(図25)は、その抵抗が金属膜に比較
して十分に大きな金属酸化物等で構成することが望まし
い。これは、前記通電フォーミングによる電子放出部の
形成の際、導電性膜226の抵抗が小さいと、通電フォ
ーミングに要する電流が大きくなるからであり、特に、
表面伝導型電子放出素子を複数配設した電子源の製造工
程上、複数の素子を同時に通電フォーミングする工程
は、大電流仕様の通電処理装置が必要になり、実行的で
あるとは言い難い。
【0016】一方、前記表面伝導型電子放出素子を複数
配設した電子源及びこれを用いた画像形成装置において
は、該素子を構成する前記導電性膜の抵抗が大きいこと
により、該電子源及び画像形成装置の駆動における消費
電力が大きくなってしまうという問題を内在する。
【0017】本発明は、以上の点に鑑みなされた発明で
あって、電子放出素子の駆動電圧及び消費電力を小さく
することができる電子放出素子の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0018】更に本発明は、低消費電力の電子源及び画
像形成装置を提供することを目的とする。
【0019】更に本発明は、複数の電子放出素子間での
電子放出特性の均一性に優れた電子源、及び該電子源を
用い、高品位の画像を形成し得る画像形成装置を提供す
ることを目的とする。
【0020】また、本発明は、通電フォーミングに要す
る電流が小さく、且つ、駆動時の消費電力も小さな、電
子放出素子の製造方法と、該電子放出素子を複数配設
し、低消費電力で、素子間の電子放出特性の均一性に優
れた電子源、更には、該電子源を用いた、低消費電力
で、高品位の画像を形成し得る画像形成装置を提供する
ことを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明は、対向する電極間に、電子放出部を含む導電性膜
を有する電子放出素子の製造方法において、電極間に形
成された導電性膜に電子放出部を形成する工程と、該電
子放出部が形成された導電性膜の電気抵抗を低減せしめ
る処理工程を有し、前記導電性膜の電気抵抗を低減せ
しめる処理工程は、該導電性膜を還元処理する工程を有
することを特徴とする電子放出素子の製造方法である。
【0022】また、本発明は、対向する電極間に、亀裂
を有する導電性膜を備える電子放出素子の製造方法にお
いて、電極間に形成された導電性膜に亀裂を形成する工
程と、該亀裂が形成された導電性膜の電気抵抗を低減せ
しめる処理工程とを有し、前記導電性膜の電気抵抗を低
減せしめる処理工程は、該導電性膜を還元処理する工程
を有することを特徴とする電子放出素子の製造方法であ
る。
【0023】更に、本発明は、電子放出素子を有し、入
力信号に応じて電子を放出する電子源の製造方法におい
て、電子放出素子が、上記製造方法にて製造されるこ
とを特徴とする電子源の製造方法である。
【0024】更に、本発明は、電子源と画像形成部材と
を有し、入力信号に応じて画像を形成する画像形成装置
の製造方法において、電子源が、上記の製造方法にて製
されることを特徴とする画像形成装置の製造方法であ
る。
【0025】以下に、本発明について詳述する。
【0026】本発明は、構成要素として導電性膜を有す
る電子放出素子の製造工程において、該導電性膜の電気
抵抗を、より低抵抗化せしめる処理を施すことにより、
電子放出素子の駆動時の印加電圧の低減と、消費電力の
低減とを可能としたものである。
【0027】本発明に係る上記低抵抗化処理に関し、図
1及び図2を用いて、以下に説明する。
【0028】図1の(a)は、電極5、6間に、電子放
出部3を含む導電性膜4を有する電子放出素子の一例を
示す概略平面図である。尚、1は絶縁性基板を示し、電
子放出部3は、例えば、亀裂等の高抵抗部である。
【0029】この図1の(a)に示された電子放出素子
は、外部電源から電極5、6を通じて導電性膜4に電圧
を印加して電流を流すことにより、電子放出部3より電
子を放出する素子である。
【0030】図1の(b)に、上記電子放出素子の駆動
における等価回路図を示す。
【0031】ここで、Rsは電子放出部3の抵抗、Rf
は電子放出部3の両側に存在する夫々の導電性膜4の抵
抗である。尚、一般には、電子放出部3の両側の導電性
膜の抵抗値は異なっていても構わないが、ここでは便宜
上、電子放出部3が電極間の中央部に形成され、電子放
出部3の両側の導電性膜4は等しい抵抗値を有するもの
と仮定する。
【0032】前記電子放出素子が電子放出するために必
要な電流をid、このidを該素子に流すのに必要な該
素子への印加電圧をVとすると、この電子放出素子を電
子放出させるのに消費される電力Pall は、Pall =V
×idと表される。
【0033】しかしながら、このPall には、電子放出
部で消費される、電子放出に実効的な電力Ps=Rs×
id2 の他に、電子放出部3の両側に存在する導電性膜
4が直列につながった抵抗成分として存在するため、該
導電性膜で消費される無効電力Pf=2×Rf×id2
が含まれている。
【0034】また、以上、1個の電子放出素子に関して
述べたが、当然のことながら、かかる電子放出素子を複
数配接した電子源及び画像形成装置にあっては、上記無
効電力は益々大きくなってしまう。
【0035】従って、この無効電力Pfを極力低減する
こと、即ち、該導電性膜4の抵抗Rfを電子放出部の抵
抗Rsに比べて十分に小さくすることにより、電子放出
素子の駆動電圧及び消費電力の低減を図ることが可能と
なる。
【0036】一方、導電性膜4のシート抵抗をRo□と
すると、該導電性膜の抵抗Rfは、Rf=L/(2×
W)×Ro□で表される。よって、この抵抗Rfを小さ
くするためには、電極5、6間隔Lを十分に小さくする
ことが考えられるが、電子放出素子の形状の設計の自由
度を制限してしまうなどの理由から望ましくはない。
【0037】即ち、特に、画像形成装置の大型化(大面
積化)に伴い、電子放出素子の上記電極5、6等のパタ
ーンニングに際しては、その電極間隔(ギャップ長)
が、3μm以上、より好ましくは、数10μm以上と、
広ギャップ長であることが、露光機の性能、印刷技術の
精度、歩留まり等の製造工程上の点からも必要となる。
【0038】以上の知見から本発明は、とりわけ、対向
する電極間に、電子放出部を含む導電性膜を有するタイ
プの電子放出素子の製造工程において、電極間に形成さ
れた導電性膜に対し、その電気抵抗を低減せしめる処理
を施す工程を設けたことを特徴とするものである。
【0039】本発明において、電極間に形成された導電
性膜に対し、その電気抵抗を低減せしめる処理として
は、特に、該導電性膜の還元処理が好ましく採用され
る。この導電性膜の還元処理により、上述の導電性薄膜
4で消費される無効電力Pfをより小さくすることがで
き、より有効に電子放出に電力が集中するようになる。
【0040】図2を用いて、実際の還元処理前後の素子
特性(電流−電圧特性)変化について説明する。尚、図
2は、上述の図1の(a)に示すような、対向する電極
間に、電子放出部が形成された導電性膜を有する電子放
出素子に対し、還元処理前後の、駆動に際しての、素子
を流れる電流(素子電流If)と素子から放出される電
流(放出電流Ie)の測定結果の概要を示したものであ
り、還元処理前の素子の素子電流をIfo、放出電流を
Ieoで、また、還元処理後の素子の素子電流をIf
m、放出電流をIemで示した。
【0041】図2から明らかなように、還元処理前の素
子はIfo、Ieoいずれも、還元処理後の素子のIf
m、Iemよりも小さい。これは、還元処理後の電子放
出素子では、素子に印加される電圧Vfのほとんどが電
子放出部に印加されるのに対し、還元処理前の電子放出
素子では、導電性薄膜の抵抗による電位降下のため、電
子放出部に実効的に印加される電圧が小さいためである
と考えられる。また、例えば、還元処理前の電子放出素
子に対し、還元処理後の素子と同等の放出電流Ieを得
ようとする場合、上記電圧降下の分を補った電圧を素子
に印加する必要が生じ、該導電性膜での一層余分な電力
の消費をもたらす。
【0042】以上説明したように、本発明による還元処
理により、電力の消費を小さく抑えることが可能とな
る。尚、本発明において、上記還元処理の好ましい具体
的手法としては、1).真空中における加熱処理。
2).還元ガス雰囲気中での処理。3).還元性の溶液
中での処理。等が挙げられる。いずれの手法において
も、実際の工程では、該導電性膜の抵抗値をモニター
し、還元処理による低抵抗化が終了し、抵抗値がそれ以
上、下がらない値に落ち着いたところで該工程を終了す
る。
【0043】以下に、本発明の好ましい実施態様につい
て述べる。
【0044】まず、本発明に係る表面伝導型電子放出素
子の好ましい製造方法について、図3の(a)〜(c)
を用いて説明する。尚、図3は、該製造方法を工程順に
示した素子断面図である。
【0045】本発明に係る表面伝導型電子放出素子の製
造方法は、 (A)まず、基板上の一対の素子電極間に配置された導
電性膜に、フォーミング処理を行う工程を有する。
【0046】1)基板1を、洗剤、純粋、及び有機溶剤
により充分に洗浄した後、真空蒸着法、スパッタ法等に
より、電極材料を堆積し、次いで、フォトグラフィー技
術により該基板1上に素子電極5及び6を形成する(図
3の(a))。
【0047】2)素子電極5、6を設けた基板1に、有
機金属溶液を塗布して放置することにより有機金属薄膜
を形成する。この後、有機金属薄膜を加熱焼成処理し、
更に、リフトオフ、エッチング等によりパターニング
し、導電性膜4を形成する(図3の(b))。尚、ここ
では、有機金属溶液の塗布法により説明したが、これに
限られるものではなく、真空蒸着法、スパッタ法、化学
的気相堆積法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナ
ー法等によって形成される場合もある。
【0048】3)次に、フォーミング処理を行う。
【0049】このフォーミング処理は、導電性膜4を局
所的に破壊、変形もしくは変質せしめることにより、該
導電性膜4に構造の変化した部位(高抵抗部位)、例え
ば、亀裂等を形成するための工程であり、例えば、素子
電極5及び6間に、不図示の電源により通電して、導電
性膜4の部位に構造の変化した電子放出部3を形成する
通電フォーミング処理である(図3の(c))。このよ
うに、通電フォーミングにより導電性膜4を局所的に破
壊、変形もしくは変質せしめ、構造の変化した部位を電
子放出部と呼ぶ。
【0050】このフォーミング処理以降の電気的処理
は、図4に示すような装置内で行うことができる。以下
にこの装置について説明する。
【0051】図4において、31は素子に電圧を印加す
るための電源、30は素子電極間の導電性膜に流れる素
子電流Ifを測定するための電流計、34は素子の電子
放出部より放出される放出電流Ieを捕捉するためのア
ノード電極、33はアノード電極34に電圧を印加する
ための高圧電源、32は素子の電子放出部より放出され
る放出電流Ieを測定するための電流計、35は真空装
置、36は排気ポンプである。尚、排気ポンプ36は、
ターボポンプ、ロータリーポンンプからなる通常の高真
空装置系と、更には、イオンポンプなどからなる超高真
空装置系とからなる。
【0052】また、真空装置35内には、製造工程段階
での上記電気的処理が施される素子、あるいは特性の評
価が行われる電子放出素子が配置されるが、同図におい
て、1は基体、5及び6は素子電極、4は電子放出部を
含む導電性膜、3は電子放出部を示す。
【0053】また、真空装置35には、不図示の真空計
等の機器が具備されており、所望の真空下にて素子の測
定評価を行えるようになっている。
【0054】また、真空装置全体あるいは素子基板は、
不図示のヒーターにより400℃まで加熱できる。
【0055】尚、アノード電極の電圧は、1kV〜10
kV、アノード電極と素子との距離Hは、2mm〜8m
mの範囲で測定される。
【0056】さて、上記フォーミング処理は、パルス波
高値が定電圧のパルスを印加する場合とパルス波高値を
増加させながら電圧パルスを印加する場合とがあり、こ
の通電フォーミングの電圧波形の例を図5の(a)、
(b)に示す。
【0057】電圧波形は、特に、パルス波形が好まし
く、図5の(a)が、パルス波高値を定電圧としたパル
スを連続的に印加する場合の例を示し、図5の(b)
が、パルス波高値を増加させながら電圧パルスを印加す
る場合の例を示している。
【0058】まず、パルス波高値を定電圧とした場合
(図5の(a))について説明する。
【0059】図5の(a)において、T1、T2はそれ
ぞれ電圧波形のパルス幅とパルス間隔であり、T1を1
マイクロ秒〜10ミリ秒、T2を10マイクロ秒〜10
0ミリ秒とし、三角波の波高値(通電フォーミング時の
ピーク電圧)は、作成する電子放出素子の形態に応じて
適宜選択し、適当な真空度、例えば、10-5torr程
度の真空雰囲気下で数秒から数十分印加する。尚、前記
素子電極間に印加するパルス波形は、三角波に限られる
ものではなく、矩形波等、所望の波形を用いても良い。
【0060】次に、パルス波高値を増加させながら電圧
パルスを印加する場合(図5の(b))について説明す
る。
【0061】図5の(b)において、T1、T2は前述
の図5の(a)と同様であるが、三角波の波高値(通電
フォーミング時のピーク電圧)は、例えば、0.1Vス
テップ程度づつ増加させ、適当な真空雰囲気下で印加す
る。
【0062】尚、この場合の通電フォーミング処理の終
了は、パルス間隔T2中に、導電性膜4を局所的に破
壊、変形しない程度の電圧、例えば、0.1V程度の電
圧で、上記素子電流Ifを測定し、抵抗値を求めて、例
えば、1Mオーム以上の抵抗を示した時に通電フォーミ
ングを終了とする。
【0063】(B)次に、電極間に形成された導電性膜
の電気抵抗を低減せしめる処理工程を有する。
【0064】4)上記導電性膜の電気抵抗を低減せしめ
る処理としては、好ましくは、該導電性膜の還元処理で
ある。
【0065】上記工程により作成された、基板1上の素
子電極5及び6間に、電子放出部3を含む導電性膜4を
有する素子に対し、該導電性膜の還元処理を以下の手法
により行う。尚、好ましくは、該還元処理のモニター用
の素子として、上記(A)の1)及び2)までの工程を
同様に施した未フォーミングの素子を用意し、この未フ
ォーミングの素子の導電性膜4の抵抗値の変化を同時に
観察することで、該還元処理の終了時点を決定する。
【0066】上記導電性膜4の還元処理の手法としては
以下に挙げるものがある。 (1)真空中における加熱処理 この場合、加熱温度については真空の度合、導電性膜の
構成材料により異なるが、100℃から400℃の範囲
に設定されるのが好ましい。 (2)還元ガス雰囲気中での加熱処理 この場合、還元ガスとしては、水素、硫化水素、ヨウ化
水素、一酸化炭素、二酸化イオウなどの低級酸化物ガス
などが挙げられる。また、加熱温度としては、還元ガス
種にもよるが、室温(20℃)から400℃の範囲に設
定されるのが好ましい。 (3)還元性の溶液中での加熱処理 この場合、還元性溶液としては、ヒドラジン、ジイミ
ド、ギ酸、アルデヒド、L−アスコルビン酸などが挙げ
られる。また、加熱温度としては、溶液の種類、濃度に
もよるが、20℃から100℃の範囲に設定されるのが
好ましい。
【0067】5)以上のように作成された素子に対し、
好ましくは、以下に述べる活性化処理を行う。
【0068】この活性化処理は、例えば、10-4〜10
-5torr程度の真空度で、通電フォーミング同様に、
波高値を定電圧としたパルスの印加を繰り返す処理工程
であり、かかる処理工程により、真空中に存在する有機
物質から、炭素あるいは炭素化合物が、上記素子に堆積
して、素子電流If及び放出電流Ieが著しく変化し、
特に、高い放出電流Ieと高い電子放出効率((Ie/
If)×100〔%〕)の電子放出素子を得ることがで
きる。
【0069】ここで、前述した炭素あるいは炭素化合物
とは、TEM、ラマン等の結果から、グラファイト(但
し、単結晶及び多結晶の双方を含む)、非晶質カーボン
(但し、非晶質カーボンと多結晶グラファイトとの混合
物も含む)等であり、その堆積物の膜厚は、好ましく
は、500オングストローム以下であり、より好ましく
は、300オングストローム以下である。
【0070】また、本発明においては特に、上記活性化
処理は、上記還元処理工程に先立って行われることがよ
り好ましい態様とされる。
【0071】即ち、上記導電性膜4を構成する材料や、
上記還元処理の条件によっては、還元が進む過程で、該
導電性膜4の表面が凝集などにより変形し、該電子放出
部3の一部が電気的にショートする場合があり、このよ
うな電気的ショートが生じた場合、素子電流Ifが増加
し、素子電流Ifに対する電子放出量Ieの比が減少し
てしまう場合がある。
【0072】そこで、電子放出部3近傍に、導電性膜4
の上記還元処理による変形を抑制する被膜を、上記活性
化処理による炭素あるいは炭素化合物の該素子への堆積
により形成すれば、この被膜により、上述の導電性薄膜
の凝集を抑制し、電子放出効率の低下を防ぐという更な
る効果を得ることができる。
【0073】6)こうして作成した電子放出素子は、好
ましくは、上記フォーミング処理工程、上記活性化処理
工程における真空度より高い真空度の真空雰囲気にて、
動作駆動される。また、より好ましくは、このより高い
真空度の真空雰囲気下で、80℃〜150℃の加熱後、
動作駆動される。尚、フォーミング処理工程、活性化処
理工程における真空度より高い真空度の真空雰囲気と
は、例えば、約10-6torr以上の真空度であり、よ
りこのましくは、超高真空系であり、炭素、及び炭素化
合物が新たに、堆積しない真空度である。
【0074】従って、これによって、これ以上の炭素及
び炭素化合物の堆積を抑制する事が可能となり、素子電
流If、放出電流Ieが安定する。
【0075】次に、以上の本発明の製造方法にて作成さ
れる電子放出素子の基本特性について、図6を用いて説
明する。
【0076】図6は、前述の図4に示した測定評価装置
により測定された、放出電流Ie及び素子電流Ifと、
素子電圧Vfの関係の典型的な例を示したものである。
尚、図6は、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著し
く小さいので、任意単位で示されている。
【0077】図6からも明らかなように、本発明の製造
方法にて作成される電子放出素子は、放出電流Ieに対
する三つの特徴的な性質を有する。
【0078】まず第一に、本素子はある電圧(閾値電圧
と呼ぶ、図6中のVth)以上の素子電圧を印加すると
急激に放出電流Ieが増加し、一方、閾値電圧Vth以
下では放出電流Ieがほとんど検出されない。すなわ
ち、放出電流Ieに対する明確な閾値電圧Vthを持っ
た非線形素子である。
【0079】第二に、放出電流Ieが素子電圧Vfに依
存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御でき
る。
【0080】第三に、アノード電極34に捕捉される放
出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。す
なわち、アノード電極34に捕捉される電荷量は、素子
電圧Vfを印加する時間により制御できる。
【0081】尚、図6に示される通り、素子電流If
は、素子電圧Vfに対して単調増加する特性(MI特性
と呼ぶ)(図6の実線)と、電圧制御型負性抵抗特性
(VCNR特性と呼ぶ)(図6の破線)を示す両場合が
あるが、これら素子電流の特性は、その製法及び真空装
置内の真空雰囲気条件等に依存する。本発明において、
より好ましい態様は、上記MI特性を示す態様である。
【0082】以上のように作成される電子放出素子は、
基本的には、以下に述べるような構成を有し、平面型表
面伝導型電子放出素子と垂直型表面伝導型電子放出素子
の二つに大別される。
【0083】まず、平面型表面伝導型電子放出素子につ
いて説明する。
【0084】図7の(a)及び(b)はそれぞれ、平面
型表面伝導型電子放出素子の基本構成を示す模式的平面
図及び断面図である。図7において、1は基板、5及び
6は素子電極、4は導電性膜、3は電子放出部を示す。
【0085】基板1としては、石英ガラス、Na等の不
純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、青板ガラ
スにスパッタ法等により形成したSiO2 を積層したガ
ラス基板等及びアルミナ等のセラミックス等が挙げられ
る。
【0086】対向する素子電極5、6の材料としては、
一般的な導体材料が用いられ、例えば、Ni、Cr、A
u、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金
属、或は合金、及びPd、Ag、Au、RuO2 、Pd
- Ag等の金属或は金属酸化物、ガラス等から構成され
る印刷導体、In23 −SnO2 等の透明導電体及び
ポリシリコン等の半導体導体材料等から適宜選択され
る。
【0087】素子電極間隔L、素子電極長さW、導電性
膜4の形状等は、かかる電子放出素子の応用形態等によ
り適宜設計されるが、素子電極間隔Lは、好ましくは、
数百オングストロームより数百マイクロメートルであ
り、より好ましくは、素子電極間に印加する電圧と電子
放出し得る電界強度等により、数マイクロメートルより
数十マイクロメートルである。
【0088】尚、導電性膜4と素子電極5、6の積層順
序は、図7に示される態様に限られず、基板1上に、導
電性膜4、対向する素子電極5、6の順に積層構成して
も良い。
【0089】導電性膜4は、良好な電子放出特性を得る
ためには、微粒子で構成された微粒子膜が特に好まし
く、その膜厚は、素子電極5、6へのステップカバレー
ジ、素子電極5、6間の抵抗値、及び前述した通電フォ
ーミング条件等によって適宜設定され、好ましくは、数
オングストロームより数千オングストロームで、特に好
ましくは、10オングストローム〜500オングストロ
ームである。
【0090】また、導電性膜4は、前述の還元処理等に
より、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、M
o、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等
の金属を主体として構成されるが、更にPdO、SnO
2 、In23 、PbO、Sb23 、MoO、MoO
2 等の酸化物を含むものであっても良い。
【0091】尚、ここで述べる微粒子膜とは、複数の微
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を
指しており、微粒子の粒径は、数オングストロームより
数千オングストローム、好ましくは、10オングストロ
ーム〜200オングストロームである。
【0092】電子放出部3は、例えば、導電性膜4の一
部に形成された高抵抗の亀裂であり、導電性膜4の膜
厚、膜質、材料及び前述した通電フォーミング等の製法
に依存して形成される。また、数オングストロームより
数百オングストロームの粒径の導電性微粒子を有するこ
ともある。この導電性微粒子は、導電性膜4を構成する
材料の元素の一部、あるいは該元素の全てを含むもので
ある。また、好ましくは、電子放出部3及びその近傍の
導電性膜4には、炭素あるいは炭素化合物を有する。
【0093】次に、前記垂直型表面伝導型電子放出素子
について説明する。
【0094】図8は、垂直型表面伝導型電子放出素子の
基本的な構成を示す模式的図面であり、図7と同一の符
号を付した部材は、図7のものと同様である。
【0095】基板1、素子電極5及び6、導電性膜4、
電子放出部3は、前述した平面型表面伝導型電子放出素
子と同様の材料にて構成されたものであるが、段差形成
部21は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法などで形成
されたSiO2 などの絶縁性材料で構成され、段差形成
部21の膜厚が、先に述べた平面型表面伝導型電子放出
素子の素子電極間隔Lに対応し、数百オングストローム
から数十マイクロメートルであり、該段差形成部の製
法、及び素子電極間に印加する電圧などにより適宜設定
されるが、好ましくは、数百オングストロームから数マ
イクロメートルとされる。
【0096】導電性膜4は、素子電極5及び6と段差形
成部21の作成後に形成されるために、素子電極5及び
6の上に積層される。なお、電子放出部3は、図8にお
いては、段差形成部21に直線状に示されているが、作
成条件及び前述の通電フォーミング条件などに依存し
て、その形状及び位置共にこれに限るものではない。
【0097】以上のような本発明の製造方法にて作成さ
れる電子放出素子は、前述の三つの特徴的性質を有する
ので、入力信号に応じて、電子放出特性が、複数の電子
放出素子を配置した電子源及び画像形成装置等において
も容易に制御できることとなり、多方面への応用ができ
る。
【0098】次に、本発明の製造方法にて作成される電
子放出素子を用いた電子源及び画像形成装置の基本的な
構成について述べる。
【0099】本発明の製造方法により作成される電子放
出素子を、好ましくは複数個、基板上に配列して、電子
源及び画像形成装置が構成される。上記基板上での電子
放出素子の配列方式は、例えば、従来例で述べた、多数
の表面伝導型電子放出素子を並列に配置し、個々の素子
の両端を配線にて結線した、電子放出素子の行を多数配
列し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向に(列
方向と呼ぶ)、該電子源の上方の空間に設置された制御
電極(グリッドと呼ぶ)により電子を制御駆動する配列
法、及びつぎに述べるm本のX方向配線の上にn本のY
方向配線を、層間絶縁層を介して、設置し表面伝導型電
子放出素子の一対の素子電極にそれぞれ、X方向配線、
Y方向配線を接続した配列法があげられる。これを単純
マトリクス配置と以下呼ぶ。
【0100】まず、単純マトリクスについて詳述する。
【0101】本発明にかかわる電子放出素子の前述した
3つの基本的特性の特徴によれば、、単純マトリクス配
置された表面伝導型電子放出素子においても、表面伝導
型電子放出素子からの放出電子は、閾値電圧以上では、
対向する素子電極間に印加するパルス状電圧の波高値と
幅で制御される。一方、閾値電圧以下では、殆ど放出さ
れない。この特性によれば、多数の電子放出素子を配置
した場合においても、個々の素子に、上記パルス状電圧
を適宜印加すれれば、入力信号に応じて、表面伝導型電
子放出素子を選択し、その電子放出量が、制御できるこ
ととなる。
【0102】以下この原理に基づき構成した電子源基板
の構成について、図9を用いて説明する。尚、図9にお
いて、71は複数の表面伝導型電子放出素子が配列され
た基板(以下、電子源基板という)、72はX方向配
線、73はY方向配線、74は表面伝導型電子放出素
子、75は結線である。尚、表面伝導型電子放出素子7
4は、前述した平面型あるいは垂直型のどちらであって
も良い。図9において、電子源基板71は、前述したガ
ラス基板等であり、用途に応じて設置される表面伝導型
電子放出素子の個数及び個々の素子の設計上の形状が、
適宜設定される。
【0103】m本のX方向配線72は、DX1、DX
2、..、DXmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパ
ッタ法等で形成した導電性金属等である。また、多数の
表面伝導型電子放出素子にほぼ均等な電圧が供給される
様に、材料、膜厚、配線巾が設定される。Y方向配線7
3は、Dy1 、Dy2、..、Dynのn本の配線より
なり、X方向配線72と同様に、真空蒸着法、印刷法、
スパッタ法等で形成し、所望のパターンとした導電性金
属等からなり、多数の表面伝導型素子にほぼ均等な電圧
が供給される様に、材料、膜厚、配線巾等が設定され
る。これらm本のX方向配線72とn本のY方向配線7
3間には、不図示の層間絶縁層が設置され、電気的に分
離されて、マトリックス配線を構成する。尚、m及びn
は共に正の整数である。
【0104】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等であり、X方
向配線72を形成した基板71の全面、あるいはその一
部に所望の形状で形成され、特に、X方向配線72とY
方向配線73の交差部の電位差に耐え得る様に、膜厚、
材料、製法が、適宜設定される。X方向配線72とY方
向配線73は、それぞれ外部端子として引き出されてい
る。
【0105】更に、表面伝導型電子放出素子74の対向
する電極(不図示)が、m本のX方向配線72及びn本
のY方向配線73と、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法
等で形成された導電性金属等からなる結線75とによっ
て電気的に接続されているものである。
【0106】ここで、m本のX方向配線72とn本のY
方向配線73と結線75と対向する素子電極の導電性金
属は、その構成元素の一部あるいはその構成元素の全部
が同一であっても、また、それぞれ異なっても良く、前
述した素子電極と同様の材料等から適宜選択される。
尚、これら素子電極への配線は、素子電極と配線材料と
が同一である場合は、これらを素子電極と総称する場合
もある。また、表面伝導型電子放出素子は、基板71あ
るいは、不図示の層間絶縁層上のどちらに形成しても良
い。
【0107】また、詳しくは、後述するが、前記X方向
配線72には、X方向に配列する表面伝導型電子放出素
子74の行を、入力信号に応じて、走査するための走査
信号を印加するための不図示の走査信号印加手段と電気
的に接続されている。
【0108】一方、Y方向配線73には、Y方向に配列
する表面伝導型電子放出素子74の列の各列を入力信号
に応じて、変調するための変調信号を印加するための不
図示の変調信号発生手段と電気的に接続されている。
【0109】更に、表面伝導型電子放出素子の各素子に
印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号
と変調信号の差電圧として供給されるものである。
【0110】以上のような構成により、単純なマトリク
ス配線だけで、個別の電子放出素子を選択して、独立に
駆動可能となる。
【0111】次に、以上のようにして作成した単純マト
リクス配置による電子源を用いた、表示等に用いる画像
形成装置について、図10、図11、及び図12を用い
て説明する。
【0112】図10は画像形成装置の表示パネルの基本
構成図、図11は蛍光膜を示す図、図12は画像形成装
置をNTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行う例の
駆動回路のブロック図である。
【0113】図10において、71は、上述のようにし
て電子放出素子を作製した電子源基板、81は、電子源
基板71を固定したリアプレート、86は、ガラス基板
83の内面に蛍光膜84とメタルバック85等が形成さ
れたフェースプレート、82は支持枠であり、リアプレ
ート81、支持枠82及びフェースプレート86をフリ
ットガラス等を塗布し、大気中あるいは、窒素中で、4
00〜500℃で10分以上焼成することで、封着し
て、外囲器88を構成する。
【0114】尚、図10において、74は、図9におけ
る電子放出素子に相当し、72、73は、表面伝導型電
子放出素子の一対の素子電極と接続されたX方向配線及
びY方向配線である。
【0115】外囲器88は、上述の如く、フェースープ
レート86、支持枠82、リアプレート81で外囲器8
8を構成したが、リアプレート81は主に基板71の強
度を補強する目的で設けられるため、基板71自体で十
分な強度を持つ場合は別体のリアプレート81は不要で
あり、基板71に直接支持枠82を封着し、フェースプ
レート86、支持枠82、基板71にて外囲器88を構
成しても良い。また、不図示ではあるが、更に、フェス
プレート86とリアプレート81間に、スペーサーと呼
ばれる支持体を設置することで、大気圧に対して十分な
強度を持つ外囲器88のの構成にすることもできる。
【0116】図11は蛍光膜である。蛍光膜84は、モ
ノクロームの場合は蛍光体のみから成るが、カラーの蛍
光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプ
あるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材
89と蛍光体90とで構成される。ブラックストライ
プ、ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表
示の場合必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体90間の
塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくするこ
とと、蛍光膜84における外光反射によるコントラスト
の低下を抑制することである。ブラックストライプ89
の材料としては、通常良く用いられている黒鉛を主成分
とする材料だけでなく、導電性があり、光の透過及び反
射が少ない材料であればこれに限るものではない。
【0117】ここで、ガラス基板83に蛍光体90を塗
布する方法はモノクローム、カラーによらず、沈澱法や
印刷法が用いられる。
【0118】また、蛍光膜84の内面側には通常メタル
バック85が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光
体の発光のうち内面側への光をフェースプレート86側
へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビ
ーム加速電圧を印加するための電極として作用するこ
と、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージ
からの蛍光体の保護等である。メタルバックは、蛍光膜
作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィル
ミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等で
堆積することで作製できる。
【0119】フェースプレート86には、更に蛍光膜8
4の導伝性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)を設けても良い。
【0120】また、前述の封着を行う際、カラーの場合
は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけ
ないため、十分な位置合わせを行なう必要がある。
【0121】外囲器88は、不図示の排気管を通じ、1
-7torr程度の真空度にされ、封止が行われる。ま
た、外囲器88の封止後の真空度を維持するために、ゲ
ッター処理を行う場合もある。これは、外囲器88の封
止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周
波加熱等の加熱法により、外囲器88内の所定の位置
(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形
成する処理である。
【0122】ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該
蒸着膜の吸着作用により、例えば、10-5〜10-7to
rrの真空度を維持するものである。
【0123】次に、前述の単純マトリクス配置の電子源
を用いて構成した表示パネルを、NTSC方式のテレビ
信号に基づきテレビジョン表示を行うための駆動回路の
概略構成を図12のブロック図を用いて説明する。
【0124】図12において、101は前記表示パネル
であり、また、102は走査回路、103は制御回路、
104はシフトレジスタ、105はラインメモリ、10
6は同期信号分離回路、107は変調信号発生器、Vx
及びVaは直流電圧源である。
【0125】以下、各部の機能を説明してゆくが、ま
ず、表示パネル101は、端子Dox1〜Doxm、端
子Doy1〜Doyn、及び、高圧端子Hvを介して外
部の電気回路と接続している。このうち、端子Dox1
〜Doxmには、前記表示パネル内に設けられている電
子源、即ち、M行N列の行列状にマトリクス配線された
表面伝導型電子放出素子群を一行(N素子)づつ順次駆
動していくための操作信号が印加される。一方、端子D
oy1〜Doynには、前記走査信号により選択された
一行の表面伝導型電子放出素子の各素子の出力電子ビー
ムを制御するための変調信号が印加される。また、高圧
端子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば、10kV
の直流電圧が供給されるが、これは、表面伝導型電子放
出素子より出力される電子ビームに、蛍光体を励起する
のに充分なエネルギーを付与するための加速電圧であ
る。
【0126】次に、走査回路102について説明する。
【0127】走査回路102は、その内部にM個のスイ
ッチング素子(同図中、S1〜Smで模式的に示してい
る)を備えるもので、各スイッチング素子は、直流電圧
源Vxの出力電圧もしくは0V(グランドレベル)のい
ずれか一方を選択し、表示パネル101の端子Dox1
〜Doxmと電気的に接続するものである。S1〜Sm
の各スイッチング素子は、制御回路103が出力する制
御信号Tscanに基づいて動作するものだが、実際に
は、例えば、FETのようなスイッチング素子を組み合
わせることにより容易に構成することが可能である。
【0128】尚、前記直流電圧源Vxは、本実施態様に
おいては、前記表面伝導型電子放出素子の特性(電子放
出の閾値電圧)に基づき、走査されない素子に印加され
る駆動電圧が、電子放出の閾値電圧以下となるような一
定電圧を出力するよう設定されている。
【0129】また、制御回路103は、外部より入力す
る画像信号に基づいて、適切な表示が行われるように各
部の動作を整合させる働きを持つものであり、以下に説
明する同期信号分離回路106より送られる同期信号T
syncに基づいて、各部に対して、Tscan、Ts
ft、及び、Tmryの各制御信号を発生する。
【0130】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分とを分離する回路で、良く知られているよ
うに周波数分離(フィルター)回路を用いれば、容易に
構成できるものである。同期信号分離回路106により
分離された同期信号は、良く知られるように、垂直同期
信号と水平同期信号よりなるが、ここでは説明の便宜
上、Tsync信号として図示した。一方、前記テレビ
信号から分離された画像の輝度信号成分を、便宜上、D
ATA信号と示すが、同信号はシフトレジスタ104に
入力される。
【0131】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて
動作する。即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ
104のシフトクロックであると言い換えても良い。シ
リアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出
素子のN素子分の駆動データに相当する)のデータは、
Id1〜IdnのN個の並列信号として前記シフトレジ
スタ104より出力される。
【0132】ラインメモリ105は、制御回路103よ
り送られる鮮魚信号Tmryにしたがって、適宜Id1
〜Idnの内容を記憶する。記憶された内容は、I’d
1〜I’dnとして出力され、変調信号発生器107に
入力される。
【0133】変調信号発生器107は、前記画像データ
I’d1〜I’dnの各々に応じて、表面伝導型電子放
出素子の各々に適切に駆動変調するための信号源で、そ
の出力信号は、端子Doy1〜Doynを通じて表示パ
ネル101内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
【0134】本発明に係る電子放出素子は、前述した通
り、放出電流Ieに対して、以下の基本特性を有してい
る。即ち、前述したように、電子放出には明確な閾値電
圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加された時のみ
電子放出が生じる。
【0135】また、電子放出の閾値電圧以上の電圧に対
しては、素子への印加電圧の変化に応じて、放出電流も
変化していく。尚、電子放出素子の材料や構成、製造方
法を変えることにより、電子放出の閾値電圧Vthの値
や、印加電圧に対する放出電流の変化の度合いが変わる
場合もあるが、いずれにしても以下のようなことが言え
る。
【0136】即ち、本電子放出素子に、パルス状の電圧
を印加する場合、例えば、電子放出の閾値電圧以下の電
圧を印加しても電子放出は生じないが、電子放出の閾値
電圧以上の電圧を印加すると電子は放出される。その
際、第一には、パルスの波高値Vmを変化させることに
より、出力電子ビームの強度を制御することが可能であ
る。第二には、パルスの幅Pwを変化させることにより
出力される電子ビームの電荷の総量を制御することが可
能である。
【0137】したがって、入力信号に応じて、電子放出
素子を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅
変調方式等が挙げられ、電圧変調方式を実施するには、
変調信号発生器107としては、一定の長さの電圧パル
スを発生するが入力されるデータに応じて適宜パルスの
波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いる。
【0138】また、パルス幅変調方式を実施するには、
変調信号発生器107としては、一定の波高値の電圧パ
ルスを発生するが、入力されるデータに応じて適宜電圧
パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を
用いるものである。
【0139】以上説明した一連の動作により、表示パネ
ル101を用いてテレビジョンの表示を行える。尚、上
記説明中、特に記載しなかったが、シフトレジスタ10
4やラインメモリ105は、デジタル信号式のものでも
アナログ信号式のものでも差し支えなく、要するに、画
像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度で
行われれば良い。
【0140】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
することが必要であるが、これは、同期信号分離回路1
06の出力部にA/D変換器を備えれば容易に可能であ
ることは言うまでもない。また、これと関連して、ライ
ンメモリ105の出力信号がデジタル信号かアナログ信
号かにより、変調信号発生器107に用いられる回路が
若干異なったものとなるのも言うまでもない。
【0141】即ち、デジタル信号の場合には、電圧変調
方式においては、変調信号発生器107には、例えば、
D/A変換回路を用い、必要に応じて、増幅回路等を付
け加えれば良い。また、パルス幅変調方式おいては、変
調信号発生器107は、例えば、高速の発振器、及び発
振器の出力する波数を計数する計数器(カウンタ)、更
に、計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較する比
較器(コンパレータ)を組み合わせた回路を用いれば、
当業者であれば容易に構成できる。必要に応じて、比較
器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝導型
電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅
器を付け加えても良い。
【0142】一方、アナログ信号式を用いる場合には、
電圧変調方式においては、変調信号発生器107には、
例えば、オペアンプ等を用いた増幅回路を用いれば良
く、必要に応じて、レベルシフト回路等を付け加えても
良い。また、パルス幅変調方式においては、例えば、電
圧制御型発振回路(VCO)を用いれば良く、必要に応
じて、表面伝導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増
幅するための増幅器を付け加えても良い。
【0143】以上のように完成した本発明の画像形成装
置において、こうして、各電子放出素子には、容器外端
子Dox1〜Doxm、Doy1〜Doynを通じて電
圧を印加することにより電子放出させ、高圧端子Hvを
通じてメタルバック85あるいは不図示の透明電極に高
圧を印加して電子ビームを加速し、蛍光膜84に電子ビ
ームを衝突させ、蛍光体を励起・発光させることで画像
を表示することができる。
【0144】以上述べた構成は、表示等に用いられる画
像形成装置を作成する上で必要な概略構成であり、例え
ば、各部材の材料等、詳細な部分は上述の内容に限定さ
れるものではなく、画像形成装置の用途に適するように
適宜選択される。また、入力信号の例として、NTSC
方式を挙げたが、これに限るものではなく、他のPA
L、SECAM方式等の諸方式でも良い。また、更に
は、これらよりも、多数の走査線からなるTV信号、例
えば、MUSE方式をはじめとする高品位TV方式でも
良い。
【0145】次に、前述した梯子型配置の電子源及び画
像形成装置の基本的な構成について、図13、図14及
び図15を用いて説明する。
【0146】図13において、110は電子源基板、1
11は電子放出素子、112は、Dx1〜Dx10より
なる前記電子放出素子を配線するための共通配線であ
る。電子放出素子111は、基板110上に、X方向に
並列に複数個配置される(これを素子行と呼ぶ)。この
素子行が複数行配置されて電子源を構成している。
【0147】このような電子源は、各素子行の共通配線
間(Dx1−Dx2間、Dx3−Dx4間、Dx5−D
x6間、Dx7−Dx8間、Dx9−Dx10間)に適
宜、駆動電圧を印加することで、各素子行を独立に駆動
することが可能である。即ち、電子ビームを放出したい
素子行には、電子放出の閾値電圧以上の電圧を印加し、
電子ビームを放出させない素子行には、電子放出の閾値
電圧以下の電圧を印加すれば良い。
【0148】また、図14に示すように、各素子行間
で、それぞれ一方の共通配線を同一配線(例えば、図1
4中、Dx’2、Dx’3、Dx’4とDx’5)とす
るようにしても良い。
【0149】図15は、図14に示した梯子型配置の電
子源を備えた画像形成装置の表示パネル構造を示すため
の図である。ここで、120はグリッド電極、121は
電子が通過するための空孔、122は、Dox1、Do
x2、・・・、Doxmよりなる容器外端子、123
は、グリッド電極120と接続されたG1、G2、・・
・、Gnからなる容器外端子、110は、図14に示し
た前述の電子源基板である。尚、図14及び図15の同
一符号のものは同じものを示す。
【0150】図15の表示パネルは、前述の単純マトリ
クス配置の画像形成装置(図10)と比較し、電子源基
板110とフェースプレート86との間にグリッド電極
120を備えている点で大きく異なっている。
【0151】図15において、基板110とフェースプ
レート86との間にはグリッド電極120が設けられて
いるが、このグリッド電極120は、表面伝導型電子放
出素子から放出された電子ビームを変調することのでき
る電極で、梯子配置の各素子行とは直交してストライプ
状に設けられており、更に、電子ビームを通過させるた
めに、各素子に対応して1個ずつ円形の空孔121が設
けられている。尚、このグリッド電極の形状及び設置位
置は、必ずしも図15に示す態様に限られるものではな
く、電子放出素子の周辺や近傍に配置されていれば良
く、また、空孔121もメッシュ状に多数の通過口が設
けられた態様であっても良い。
【0152】尚、容器外端子122及びグリッド容器外
端子123は、不図示の制御回路と電気的に接続されて
いる。
【0153】以上の画像形成装置は、素子行を1列ずつ
順次駆動(走査)していくのと同期して、グリッド電極
列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加することに
より、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を
1ラインずつ表示することができる。
【0154】以上述べた、本発明の思想によれば、テレ
ビジョン放送の表示装置のみならず、テレビ会議システ
ム、コンピューター等の表示装置として、好適な画像形
成装置が提供される。更には、感光性ドラム等とで構成
された光プリンターとしての画像形成装置としても用い
ることもできる。
【0155】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳述す
る。
【0156】(実施例1)本実施例の電子放出素子の製
造方法を、図7の(a)、(b)及び図3の(a)〜
(c)を用いて以下に順を追って説明する。
【0157】工程−a 基板1として清浄化した青板ガラスを用い、該青板ガラ
ス上に厚さ0.5ミクロンのシリコン酸化膜をスパッタ
法で形成し、更に、素子電極と素子電極間ギャップのパ
ターンをホトレジスト(RD−2000N−41、日立
化成社製)形成して、真空蒸着法により、厚さ50オン
グストロームのTi、厚さ1000オングストロームの
Niを順次堆積した。次に、ホトレジストパターンを有
機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素
子電極間隔L1が20ミクロン、素子電極の幅Wが30
0ミクロンの素子電極5、6を形成した(図3の
(a))。
【0158】工程−b 素子間電極ギャップL及びこの近傍に開口を有するマス
クを用い、膜厚1000オングストロームのCr膜を真
空蒸着により堆積・パターニングし、その上に有機Pd
(ccp4230奥野製薬(株)社製)溶液をスピンナ
ーにより回転塗布、300℃で10分間の加熱焼成処理
をした。以上のようにして、PdOx を主成分とする微
粒子よりなる、膜厚が100オングストローム、シート
抵抗値が5×104 オーム/□の導電性膜を形成した。
【0159】尚、ここで述べる微粒子膜とは、上述した
ように、複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構
造として、微粒子が個々に分散配置した状態のみなら
ず、微粒子が互いに隣接、あるいは、重なり合った状態
(島状も含む)の膜を指し、その粒径とは、前記状態で
粒子形状が認識可能な微粒子についての径をいう。
【0160】工程−c 次に、Cr膜および焼成後の導電性膜を酸エッチャント
によりエッチングして所望のパターンの導電性膜4を形
成した(図3の(b))。
【0161】以上の工程により、素子電極間に導電性膜
を有する素子を、基板上に形成した。
【0162】工程- d 次に、上記基板を図4に示した装置内に設置し、該装置
内を真空ポンプにて排気して、1×10-6torrの真
空度にした後、電源31より、上記素子の素子電極5、
6間に電圧Vfを60秒間印加し、通電処理(フォーミ
ング処理)して、導電性膜4に局所的な変形(亀裂)部
分(電子放出部)3を形成した(図3の(c))。
【0163】このフォーミング処理の電圧波形を図5の
(b)に示す。
【0164】図5の(b)中、T1及びT2は電圧波形
のパルス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1
ミリ秒、T2を10ミリ秒とし、波高値(フォーミング
時のピーク電圧)は、0.1Vステップで昇圧してフォ
ーミング処理を行なった。
【0165】以上の様に作成された電子放出素子の電子
放出部3は、酸化パラジウムを主成分とする微粒子が分
散配置された状態となり、その微粒子の平均粒径は30
オングストロームであった。
【0166】工程−e 続いて、フォーミング処理した素子の導電性膜4を還元
処理した。
【0167】この還元処理は、以上作成した素子と、モ
ニター用の未フォーミングの素子(上記工程a〜cまで
を同様に施した素子)とを、図4に示した装置内に配置
し、該装置内の真空度を1×10-6torrとし、不図
示のヒーターにより該両素子を130℃より200℃の
間の温度に加熱し、約10時間保持することで行った。
【0168】尚、上記モニター用の未フォーミング素子
は、上記約10時間の処理により、PdOx を主成分と
する導電性膜は還元され、Pd金属の微粒子膜に変化
し、そのシート抵抗は5×102 オーム/□となり、還
元処理前のシート抵抗に比べ2桁小さくなったことが確
認された。
【0169】以上のようにして作成された本実施例の電
子放出素子の特性を、図4に示した装置を用いて評価し
た。尚、測定条件は、アノード電極34と電子放出素子
間の距離Hを4mm、アノード電極の電位を1kV、電
子放出特性測定時の真空装置内の真空度を1×10-6
orrとした。
【0170】まず、上記電子放出素子の電極5及び6の
間に素子電圧を印加し、その時に流れる素子電流If及
び放出電流Ieを測定したところ、図6に示したような
電流−電圧特性が得られた。
【0171】本素子では、素子電圧(Vf)8V程度か
ら放出電流Ieが認められ、素子電圧14Vでは素子電
流Ifが3.0ミリA、放出電流Ieが1.5マイクロ
Aとなり、電子放出効率η=(Ie/If)×100
(%)は0.05%であった。
【0172】一方、前記還元処理前の素子に関しては、
電子放出部を含むPdO微粒子膜(導電性膜)自体の抵
抗は3.5キロオーム、亀裂部の抵抗は4.7キロオー
ムであったのに対し、還元処理後の素子(本実施例の電
子放出素子)は、PdO微粒子膜の抵抗が35オームと
なり、亀裂部の抵抗と比較して十分無視できる大きさに
減少していた。
【0173】即ち、還元処理前の電子放出素子と還元処
理後の電子放出素子に関し、同じ量の放出電子を得るた
めには、還元処理前の素子に印加する電圧は24.6V
となり1素子あたりの電子放出時パワーは73.8ミリ
Wとなってしまう一方、本実施例における還元処理後の
素子では電子放出時のパワーは42ミリWとなり、還元
処理前の素子の57%の消費電力に抑えることが可能に
なった。
【0174】(実施例2)本実施例は、実施例1にて述
べた製造方法にて作成される電子放出素子を複数有する
電子源及び該電子源を用いた画像形成装置に関するもの
である。
【0175】本実施例の電子源の一部の平面図を図16
に示す。また、図17は、図16中のA−A’断面図、
図18及び図19は、その製造工程の一部を示すもので
ある。但し、図16、図17、図18、図19におい
て、同じ記号を示したものは、同じ部材を示す。
【0176】ここで、91は基板、92は図9のDxm
に対応するX方向配線(下配線とも呼ぶ)、93は図9
のDynに対応するY方向配線(上配線とも呼ぶ)、4
は導電性膜、5及び6は素子電極、161は層間絶縁
層、162は、素子電極5と下配線92との電気的接続
のためのコンタクトホールである。
【0177】以下に、本実施例の電子源及び画像形成装
置の製造方法を工程順に従って具体的に説明する。
【0178】工程−a 清浄化した青板ガラス上に厚さ0.5ミクロンのシリコ
ン酸化膜をスパッタ法で形成した、基板91上に、真空
蒸着により厚さ50オングストロームのCr、厚さ60
00オングストロームのAuを順次積層した後、ホトレ
ジスト(AZ1370 ヘキスト社製)をスピンナーに
より回転塗布、ベークした後、ホトマスク像を露光、現
像して、下配線92のレジストパターンを形成し、Au
/Cr堆積膜をウヱットエッチングして、所望の形状の
下配線92を形成する(図18の(a))。
【0179】工程−b 次に厚さ1.0ミクロンのシリコン酸化膜からなる層間
絶縁層161を、RFスパッタ法により堆積する(図1
8の(b))。
【0180】工程−c 工程−bで堆積したシリコン酸化膜に、コンタクトホー
ル162を形成するためのホトレジストパターンを作
り、これをマスクとして層間絶縁層161をエッチング
してコンタクトホール162を形成する(図18の
(c))。
【0181】尚、エッチングはCF4とH2ガスを用い
たRIE(Reactive Ion Etchin
g)法によった。
【0182】工程−d その後、素子電極5と素子電極間ギャップL1となるべ
きパターンをホトレジスト(RD−2000N−41
日立化成社製)形成し、真空蒸着法により、厚さ50オ
ングストロームのTi、厚さ1000オングストローム
のNiを順次堆積した。
【0183】次に、ホトレジストパターンを有機溶剤で
溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極間
隔L1は20ミクロンとし、素子電極の幅は300ミク
ロンとなるように素子電極5、6を形成した(図18の
(d))。
【0184】工程−e 素子電極5、6の上に、上配線93のホトレジストパタ
ーンを形成した後、厚さ50オングストロームのTi、
厚さ5000オングストロームのAuを順次真空蒸着に
より堆積し、リフトオフにより不要の部分を除去して、
所望の形状の上配線93を形成した(図18の
(e))。
【0185】工程−f 次に、不図示のマスクを用いて、導電性膜2を形成し
た。
【0186】これは、素子間電極ギャップL1およびこ
の近傍に開口を有するマスクであり、このマスクにより
膜厚1000オングストロームのCr膜171を真空蒸
着により堆積・パターニングし、その上に有機Pd(c
cp4230、奥野製薬(株)社製)をスピンナーによ
り回転塗布、300℃で10分間の加熱焼成処理をした
(図18の(f))。
【0187】また、こうして形成されたPdOxを主成
分とした微粒子からなる導電性膜2の膜厚は100オン
グストローム、シート抵抗値は5×10の4乗Ω/□で
あった。
【0188】なお、ここで述べる微粒子膜とは、上述し
たように、複数の微粒子が集合した膜であり、その微細
構造として、微粒子が個々に分散配置した状態のみなら
ず、微粒子が互いに隣接、あるいは、重なり合った状態
(島状も含む)の膜をさし、その粒径とは、前記状態で
粒子形状が認識可能な微粒子ついての径をいう。
【0189】工程−g Cr膜171および焼成後の導電性膜2を酸エッチャン
トによりエッチングして所望のパターンを形成した(図
19の(g))。
【0190】工程−h コンタクトホール162部分以外にレジストを塗布する
ようなパターンを形成し、真空蒸着により厚さ50オン
グストロームのTi、厚さ5000オングストロームの
Auを順次堆積した。リフトオフにより不要の部分を除
去することにより、コンタクトホール162を埋め込ん
だ(図19の(h))。
【0191】以上の工程により、絶縁性基板91上に下
配線92、層間絶縁層161、上配線93、素子電極5
及び6、導電性膜2等を形成した。
【0192】次に、以上のようにして作成した素子基板
を用いて、電子源及び画像形成装置を構成した例を、図
10及び図11を用いて説明する。
【0193】上述の工程により、多数の素子が配設され
た基板91を、リアプレート81上に固定した(尚、本
実施例における基板91は、図10の71に対応する)
後、基板91の5mm上方に、フェースプレート86
(ガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバック8
5が形成されて構成される)を支持枠82を介し配置
し、フェースプレート86、支持枠82、リアプレート
81の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中で40
0℃で15分間焼成することで封着した(図10)。ま
た、リアプレート81への本実施例における基板91の
固定もフリットガラスで行った。
【0194】図10において、72、73はそれぞれ、
本実施例の前記下配線92、前記上配線93に対応して
いる。
【0195】蛍光膜84は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状(図11の(a))を採用し、先にブラックストライ
プを形成し、その間隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜
84を作製した。ブラックストライプの材料としては、
通常良く用いられている黒鉛を主成分とする材料を用い
た。また、ガラス基板83に蛍光体を塗布する方法はス
ラリー法を用いた。
【0196】また、蛍光膜84の内面側には通常メタル
バック85が設けられる。メタルバックは、蛍光膜作製
後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミン
グと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸着するこ
とで作製した。尚、フェースプレート86には、更に蛍
光膜84の導伝性を高めるため、蛍光膜84の外面側に
透明電極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施
例では、メタルバックのみで十分な導伝性が得られたの
で省略した。
【0197】また、前述の封着を行う際、カラーの場合
は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけ
ないため、十分な位置合わせを行った。
【0198】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dox1〜D
oxmとDoy1〜Doynを通じて、上述の基板91
(図10の71に対応する)上に配設された複数の素子
の各々の素子電極5及び6間に電圧を印加し、導電性膜
2を通電処理(フォーミング処理)することによって、
各々の素子の該導電性膜2に電子放出部3を形成した。
【0199】ここで、上記フォーミング処理には図5の
(b)に示す電圧波形を用いた。尚、図5の(b)中、
T1及びT2は電圧波形のパルス幅とパルス間隔であ
り、本実施例では、T1を1ミリ秒、T2を10ミリ秒
とし、波高値(フォーミング時のピーク電圧)は、0.
1Vステップで昇圧して行なった。また、本実施例のフ
ォーミング処理は、約1×10マイナス6乗torrの
真空雰囲気下で60秒間行った。また、ここで、後述す
る還元処理時に導電性膜の抵抗値をモニターするための
未フォーミング素子を残しておく。
【0200】以上のように作成された電子放出部3は、
酸化パラジウムを主成分とする微粒子が分散配置された
状態となり、その微粒子の平均粒径は30オングストロ
ームであった。
【0201】工程−i 次に、上記各素子の電子放出部を含む導電性膜4の還元
処理を行う(図19の(i))。
【0202】フェースプレート86、支持枠82、リア
プレート81で構成された外囲器内を、真空排気ポンプ
にて1×10-6torrの真空度とし、温度コントロー
ラに接続されたヒーターにて130℃より200℃の間
の温度に素子を加熱し、約10時間保持した。上記未フ
ォーミング素子の導電性膜2(PdO微粒子膜)は還元
されて、Pd金属の微粒子膜に変化し、そのシート抵抗
は5×102 Ω/□となり、還元前と比べて2桁小さく
なった。
【0203】以上のようにしてフォーミング処理を行い
電子放出部3を形成した後、還元処理を行って、複数の
電子放出素子94(図10の74に対応する)が基板9
1上に配設された本実施例の電子源を作製した。
【0204】次に、上記外囲器内の真空度を1×10-6
torr程度とし、不図示の排気管をガスバーナーで熱
することで溶着し外囲器の封止を行った。
【0205】最後に封止後の真空度を維持するために、
ゲッター処理を行った。これは、封止を行う直前に、高
周波加熱等の加熱法により、該外囲器内の所定の位置
(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形
成処理した。尚、ゲッターはBa等を主成分とした。
【0206】以上のように、単純マトリックス配置の電
子源を用いて構成した表示パネルを、NTSC方式のT
V信号に応じて表示を行うため、前述の図12の駆動回
路を装着してテレビジョンの表示が可能な画像形成装置
を完成した。尚、本実施例における表示画像の変調方式
には、パルス幅変調方式を用いた。
【0207】以上のように完成した画像形成装置は、各
電子放出素子に、容器外端子Dox1〜Doxm及びD
oy1〜Doynを通じ、駆動電圧が印加されること
で、電子放出され、高圧端子Hvを通じ、メタルバック
85に10kVの高圧が印加されることで、電子ビーム
が加速され、蛍光膜84に衝突し、蛍光膜84を励起・
発光させることで画像を表示するものであるが、本実施
例における上記画像形成装置は、上述の通り、その電子
放出素子の製造工程において、該素子の構成要素である
導電性膜の還元処理を施すことにより、低消費電力で駆
動可能な電子源を具備し、よって、低消費電力で駆動可
能な画像形成装置とすることができた。
【0208】(実施例3)本実施例は、還元処理とし
て、還元性ガス雰囲気中での加熱処理を行った例を示す
ものである。
【0209】本実施例で作成される電子放出素子は、図
3に示された構成を有するものであり、その作成方法
も、前述の実施例1の工程a〜工程dまでは同様に行わ
れる。
【0210】工程−e 実施例1と同様にして、基板1上の素子電極5及び6間
に、電子放出部3を有する導電性膜4を形成した素子
(図3の(c))と、モニター用の未フォーミングの素
子(実施例1の工程a〜cまでを同様に施した素子)と
を、図4に示した装置内に配置し、該装置内を、図20
に示すように、還元ガスボンベから2%水素を含む窒素
を導入し、該2%水素を含む窒素が室温において1ミリ
torrの分圧で存在する雰囲気中で、130℃より2
00℃の間の温度に該両素子を加熱して、約1時間保持
した。
【0211】上記約1時間の保持により、上記未フォー
ミング素子のPdOx 微粒子膜は還元され、Pd金属の
微粒子膜に変化して、シート抵抗は5×102 オーム/
□となり、該還元処理前と比べて約2桁小さくなった。
【0212】また、以上のように作成された本実施例の
電子放出素子を、実施例1と同様に図4に示す装置内
で、その電子放出特性の測定評価を行った。尚、該測定
条件は、アノード電極34と電子放出素子間の距離Hを
4mm、アノード電極の電位を1kV、電子放出特性測
定時の真空装置内の真空度を1×10-6torrとし
た。
【0213】まず、上記電子放出素子の電極5及び6の
間に素子電圧を印加し、その時に流れる素子電流If及
び放出電流Ieを測定したところ、図6に示したような
電流−電圧特性が得られた。
【0214】本素子では、素子電圧(Vf)8V程度か
ら放出電流Ieが認められ、素子電圧14Vでは素子電
流Ifが2.2ミリA、放出電流Ieが1.1マイクロ
Aとなり、電子放出効率η=(Ie/If)×100
(%)は0.05%であった。
【0215】一方、前記還元処理前の素子に関しては、
電子放出部を含むPdO微粒子膜(導電性膜)自体の抵
抗は3.5キロオーム、亀裂部の抵抗は6.4キロオー
ムであったのに対し、還元処理後の素子(本実施例の電
子放出素子)は、PdO微粒子膜の抵抗が35オームと
なり、亀裂部の抵抗と比較して十分無視できる大きさに
減少していた。
【0216】即ち、還元処理前の電子放出素子と還元処
理後の電子放出素子に関し、同じ量の放出電子を得るた
めには、還元処理前の素子に印加する電圧は22Vとな
り1素子あたりの電子放出時パワーは48ミリWとなっ
てしまう一方、本実施例における還元処理後の素子では
電子放出時のパワーは31ミリWとなり、還元処理前の
素子の約2/3に消費電力に抑えることが可能になっ
た。
【0217】また、本実施例における還元処理は、実施
例1に比べると、処理時間が10時間から1時間に短縮
され、製造の速度を上げることが可能になり、大気圧の
電気炉中で処理を行うため、製造装置を簡略化できるよ
うになった。
【0218】(実施例4)本実施例の電子放出素子は図
7の構成を有し、また、不図示ではあるが、かかる構成
を有する電子放出素子を基板上に25個形成した。
【0219】以下に、本実施例の電子放出素子の製造方
法に関し、図3の(a)〜(c)及び図7の(a)及び
(b)を用いて説明する。
【0220】工程−a 清浄化した青板ガラス上に厚さ0.5μmのシリコン酸
化膜をスパッタ法で形成した基板1上に、素子電極5お
よび6間の素子電極間ギャップLとなるべきパターンを
ホトレジスト(RD−2000N−41日立化成社製)
形成し、真空蒸着法により、厚さ5nmのTi、厚さ1
00nmのNiを順次堆積した。
【0221】ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解
し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極間隔L
は20μmとし、素子電極の幅Wが300μmを有する
素子電極5、6を形成した(図3の(a))。
【0222】工程−b 工程−aで形成した素子電極5、6を含む基板表面全面
に、膜厚50nmのCr膜を真空蒸着により堆積し、更
にホトレジストを全面に塗布した後、素子電極ギャップ
及びこの近傍に、長さL以上、幅W’の開口を有する不
図示のマスクを使用して、パターンニング・現像・開口
部のCrのエッチングにより、電極ギャップLおよび素
子電極5、6の一部を露出し、幅W’を有するCrマス
クを作製する。また、W’は100μmとした。
【0223】そのうえに有機Pd(ccp4230奥野
製薬(株)社製)をスピンナーにより回転塗布、300
℃で10分間の加熱焼成処理をした。この後、酸エッチ
ャントでCrをエッチングし、リフトオフすることによ
り導電性膜4を形成した(図3の(b))。
【0224】また、こうして形成された主成分としてP
dOよりなる微粒子からなる導電性膜4の膜厚は100
オングストローム、シート抵抗値は2×104 オ−ム/
□であった。
【0225】なおここで述べる微粒子膜とは、上述した
ように、複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構
造として、微粒子が個々に分散配置した状態のみなら
ず、微粒子が互いに隣接、あるいは、重なり合った状態
(島状も含む)の膜をさし、その粒径とは、前記状態で
粒子形状が認識可能な微粒子ついての径をいう。
【0226】以上の工程により基板1上に、素子電極
5、6、導電性膜4等を形成した。
【0227】工程−c 次に、図4の装置内に設置し、真空ポンプにて排気し、
2×10-5torrの真空度に達した後、素子に素子電
圧Vfを印加するための電源31より、25素子のうち
24素子の素子電極5、6間にそれぞれ、電圧を印加
し、通電処理(フォーミング処理)した。
【0228】尚、このときのフォーミング処理の電圧波
形を図5の(b)に示す。
【0229】図5の(b)中、T1及びT2は電圧波形
のパルス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1
ミリ秒、T2を10ミリ秒とし、電圧パルスの波高値
(フォーミング時のピーク電圧)は0.1Vステップで
昇圧し、フォーミング処理を行なった。また、フォーミ
ング処理中は、同時に、0.1Vの電圧で、T2間に抵
抗測定パルスを挿入し、抵抗を測定した。尚フォーミン
グ処理の終了は、抵抗測定パルスでの測定値が、約1M
オーム以上になった時とし、同時に、素子への電圧の印
加を終了した。
【0230】フォーミング処理を開始してから終了する
までの間に、素子電流Ifは最大値をとる。その値をI
max、また、この時印加された電圧(パルス電圧の場
合はその波高値)をVformと呼ぶことにする。
【0231】それぞれの素子のフォーミング電圧Vfo
rmは、約7.0Vであった。
【0232】工程−d 続いて、フォーミング処理した24素子のうち12素子
のそれぞれの素子電極5、6間に対して、図5の(a)
の波形で、波高値を14Vとして通電し、放出する電子
により、真空装置中に存在する炭素化合物から分解し
た、炭素あるいは炭素化合物を電子放出部3近傍に堆積
する防護膜形成処理を施した。
【0233】ここで、この防護膜形成処理を施した12
素子を素子A、フォーミング処理後に防護膜形成処理を
施さない残りの12素子を素子Bと呼ぶことにする。
【0234】防護膜形成処理は、図4の装置内で、素子
電極間に、パルス電圧を、放出電流Ieを測定しながら
印加した。尚、この時、図4の装置内の真空度は、1.
5×10-5torrであった。
【0235】放出電流Ieが約30分で飽和したため、
防護膜形成処理を終了した。
【0236】工程−e 次に、フォーミング処理を施さない1素子を含めたすべ
ての素子に対して還元処理を施した。
【0237】2%水素を含む窒素ガスを不図示の還元ガ
ス導入管を通じて導入し、不図示のマスフローコントロ
ーラーの制御により真空装置内のガス圧を約1mTor
rとした。
【0238】前工程までに作成した25素子すべてをこ
の雰囲気下に1時間曝すことにより、PdOを主成分と
する導電性薄膜4は還元されて、Pd微粒子膜となり、
還元後の導電性膜のシート抵抗は5×102 オーム/□
となり還元前の膜の抵抗に比較して2けたほど小さくな
った。
【0239】この膜の抵抗変化は、フォーミング処理を
施さなかった残りの1素子の素子電極間の抵抗値(素子
抵抗値と呼ぶことにする。)を、還元処理の前後で測定
することにより確かめられており、具体的には、還元処
理前に4キロオームであった素子抵抗値が、還元処理後
には約100オームとなった。
【0240】通常、電子放出素子駆動時において上述の
素子構成と駆動条件の場合、素子電流はほぼ1mA流れ
る。
【0241】仮に、還元処理を施さなかった場合、電子
放出部3の両脇の導電性膜4の有する電気抵抗により、
約4Vの電圧降下が起き、約4mWの無効な電力を消費
する。
【0242】通常、表面伝導型電子放出素子の電流電圧
特性は、図6で示されるように、放出電流はVth付近
の電圧値から急峻に立ち上がり、電圧が増加するにとも
ない指数関数的に増加するという特徴を持つ。このた
め、還元処理を施さない導電性膜4は、無効な電力を消
費するだけでなく、該導電性膜での電圧降下により、電
子放出部3に印加される電圧を減少させ、放出電子量を
も低下させてしまう。
【0243】このため、還元処理を施さない電子放出素
子の放出電流量を、還元処理を施した電子放出素子の放
出電流量と等しくするためには、還元処理を施さない電
子放出素子の駆動電圧を、還元処理を施した電子放出素
子の駆動電圧よりも約4V高い駆動電圧で駆動しなけれ
ばならない。
【0244】従って表面伝導型電子放出素子を低電圧、
低消費電力で効率よく駆動するためには、この還元処理
工程は極めて有効である。
【0245】上述の工程で作製した表面伝導型電子放出
素子の形態及び特性を把握するために、素子A、Bを各
1個ずつ電子顕微鏡で観察し、残りの素子についてはそ
の電子放出特性の測定を上述の図4の装置を用いて行っ
た。尚、アノード電極と電子放出素子間の距離を4m
m、アノード電極の電位を1kV、電子放出特性測定時
の真空装置内の真空度を1×10-6torrとした。
【0246】素子A、Bとも、電極5及び6の間に素子
電圧を14V印加し、その時に流れる素子電流If及び
放出電流Ieを測定した。
【0247】素子A、Bそれぞれ11素子の平均値で比
較すると、素子電圧14Vでは素子電流Ifが素子Aで
1.0mA、素子Bで1.2mA、放出電流Ieが素子
Aで0.5マイクロA、素子Bで0.45マイクロAと
なり、電子放出効率η=Ie/If(%)は素子Aで
0.05%、素子Bで約0.04%であった。各素子で
の放出電流のばらつき、この場合、放出電流の平均値に
対する標準偏差の割合が、素子Aでは約6%であったの
に対し、素子Bでは約10%であった。
【0248】以上より、素子Aは素子Bに比べ無効電流
(電子放出に寄与しない素子電流)が少なく、また、わ
ずかに電子放出効率においても優れ、特に均一性に関し
て優位であることが示された。
【0249】電子顕微鏡で観察した素子A、Bの形態
は、素子Aでは図21で示すように、電子放出部3の近
傍で、主に導電性膜4と基板1との境界付近に、正負両
側において防護膜11が被膜されており、特に正極側に
多く観察された。素子Bにおいても、素子Aと同様な被
膜が観察されたが、被膜の量は素子Aに比較して極端に
少なく、また、一部に被膜が形成されていない領域も見
られた。
【0250】さらに、高倍率のFE−SEMで観察する
と、素子B、即ち、防護膜形成処理を行わず還元処理を
した素子の電子放出部3の近傍で、微粒子及び導電性膜
4の一部の変形・移動が観察された。また、わずかであ
るが、導電性膜4の一部が電子放出部を再び覆うこと
で、素子電極5、6間が電気的に短絡した微小な領域も
確認された。これは還元処理の影響による電子放出部3
の部分的な破壊と思われる。一方、防護膜形成処理後に
還元処理をした素子Aでは、このような部位はほとんど
観察されなかった。
【0251】また、防護膜11は、金属微粒子の周辺及
び微粒子間にも形成されているようであった。また、こ
の防護膜をTEM、ラマン等で観察すると、グラファイ
ト、アモルファスカーボンを主成分とする、炭素及び炭
素化合物から成る被膜11が観察された。
【0252】これらの観察から、素子Bでは、還元処理
による微粒子及び放出部3の近傍の薄膜の表面エネルギ
ーの活性化などにより、微粒子及び薄膜の一部が変形・
移動するなどの電子放出部3の部分的破壊を引き起こ
し、その結果、複数素子間で電子放出量にばらつきを生
じさせたと考えられる。一方素子Aでは、防護膜形成処
理により電子放出部3近傍に形成した炭素および炭素化
合物の被膜11が、還元処理における電子放出部3の部
分的破壊を防ぐ防護膜となり、これにより安定した還元
処理が行われ、複数素子間においてもばらつきの少ない
素子の作製を可能とした。
【0253】(実施例5)本実施例は、実施例4で作製
した素子Aのタイプの多数の表面伝導型電子放出素子の
導電性膜の材料をSnO2 とし、単純マトリクス配置し
た画像形成装置の例である。
【0254】本実施例の電子源の一部の平面図を図16
に示す。また、図17は、図16中のA−A’断面図、
図18及び図19は、その製造工程の一部を示すもので
ある。但し、図16、図17、図18、図19におい
て、同じ記号を示したものは、同じ部材を示す。
【0255】ここで、91は基板、92は図9のDxm
に対応するX方向配線(下配線とも呼ぶ)、93は図9
のDynに対応するY方向配線(上配線とも呼ぶ)、4
は導電性膜、5及び6は素子電極、161は層間絶縁
層、162は、素子電極5と下配線92との電気的接続
のためのコンタクトホールである。
【0256】以下に、本実施例の電子源及び画像形成装
置の製造方法を工程順に従って具体的に説明する。
【0257】工程−a 清浄化した青板ガラス上に厚さ0.5マイクロmのシリ
コン酸化膜をスパッタ法で形成した基板91上に、真空
蒸着により厚さ5.0nmのCr、厚さ600nmのA
uを順次積層した後、ホトレジスト(AZ1370ヘキ
スト社製)をスピンナーにより回転塗布、ベークした
後、ホトマスク像を露光、現像して、下配線92のレジ
ストパターンを形成し、Au/Cr堆積膜をウヱットエ
ッチングして、所望の形状の下配線92を形成する(図
18の(a))。
【0258】工程−b 次に厚さ1.0マイクロmのシリコン酸化膜からなる層
間絶縁層161をRFスパッタ法により堆積する(図1
8の(b))。
【0259】工程−c 工程bで堆積したシリコン酸化膜にコンタクトホール1
62を形成するためのホトレジストパターンを作り、こ
れをマスクとして層間絶縁層161をエッチングしてコ
ンタクトホール162を形成する(図18の(c))。
エッチングはCF4とH2ガスを用いたRIE(Rea
ctive Ion Etching)法によった。
【0260】工程−d その後、素子電極5、6と素子電極間ギャップL1とな
るべきパターンをホトレジスト(RD−2000N−4
1日立化成社製)形成し、真空蒸着法により、厚さ5.
0nm5.0nmのTi、厚さ100nmのNiを順次
堆積した。ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、
Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極間隔L1は
20マイクロmとし、素子電極の幅W1を300マイク
ロm、を有する素子電極5、6を形成した(図18の
(d))。
【0261】工程−e 素子電極5、6の上に上配線93のホトレジストパター
ンを形成した後、厚さ5.0nmのTi、厚さ500n
mのAuを順次真空蒸着により堆積し、リフトオフによ
り不要の部分を除去して、所望の形状の上配線93を形
成した(図18の(e))。
【0262】工程−f 素子電極ギャップL1およびこの近傍に開口を有するメ
タルマスクを用い、酸素雰囲気中でSnをスパッタする
事で、SnとSnO2 の混合物からなる導電性膜2を形
成した(図18の(f))。また、導電性膜2の幅(図
7のW’に相当する)は100マイクロmとした。ま
た、こうして形成された主元素としてSnO2 よりなる
微粒子からなる導電性膜2の膜厚は70オングストロー
ム、シート抵抗値は2.5×104 オーム/□であっ
た。なおここで述べる微粒子膜とは、上述したように、
複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造とし
て、微粒子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒
子が互いに隣接、あるいは、重なり合った状態(島状も
含む)の膜をさし、その粒径とは、前記状態で粒子形状
が認識可能な微粒子ついての径をいう。
【0263】工程−g Cr膜171および焼成後の導電性膜2を酸エッチャン
トによりエッチングして所望のパターンを形成した(図
19の(g))。
【0264】工程−h コンタクトホール162部分以外にレジストを塗布する
ようなパターンを形成し、真空蒸着により厚さ5.0n
mのTi、厚さ500nmのAuを順次堆積した。リフ
トオフにより不要の部分を除去することにより、コンタ
クトホール162を埋め込んだ(図19の(h))。
【0265】以上の工程により絶縁性基板91上に下配
線92、層間絶縁層161、上配線93、素子電極5、
6、導電性薄膜2等を形成した。
【0266】次に、以上のようにして作成した素子基板
を用いて、電子源及び画像形成装置を構成した例を、図
10と図11を用いて説明する。
【0267】上述のように、多数の素子が配設された素
子基板91をリアプレート81上に固定した(尚、本実
施例における基板91は、図10の71に対応する)
後、基板91の5mm上方に、フェースプレート86
(ガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバック8
5が形成されて構成される)を支持枠82を介し配置
し、フェースプレート86、支持枠82、リアプレート
81の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中あるい
は窒素雰囲気中で400℃ないし500℃で10分以上
焼成することで封着した(図10)。
【0268】また、リアプレート81への基板91の固
定もフリットガラスで行った。
【0269】尚、図10において、72、73はそれぞ
れ本実施例の前記下配線92、前記上配線93に対応し
ている。
【0270】蛍光膜84は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状(図11の(a))を採用し、先にブラックストライ
プを形成し、その間隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜
84を作製した。
【0271】ブラックストライプの材料としては、通常
良く用いられている黒鉛を主成分とする材料を用いた。
【0272】ガラス基板84に蛍光体を塗布する方法は
スラリー法を用いた。また、蛍光膜84の内面側には通
常メタルバック85が設けられる。メタルバックは、蛍
光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フ
ィルミングと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸
着することで作製した。
【0273】フェースプレート86には、更に、蛍光膜
84の導伝性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明
電極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施例で
は、メタルバックのみで十分な導伝性が得られたので省
略した。
【0274】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行った。
【0275】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dox1〜D
oxmとDoy1〜Doynを通じ、上述の基板91
(図10の71に対応する)上に配設された複数の素子
の各々の電極5、6間に電圧を印加し、電子放出部3
を、導電性膜2をフォーミング処理することにより作成
した。
【0276】フォーミング処理の電圧波形は、図5の
(b)と同様である。
【0277】図5の(b)中、T1及びT2は電圧波形
のパルス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1
ミリ秒、T2を10ミリ秒とし、電圧パルスの波高値
(フォーミング時のピーク電圧)は0.1Vステップで
昇圧し、フォーミング処理を行なった。尚、本工程は約
1×10-6torrの真空雰囲気下で行った。
【0278】また、フォーミング処理中は、同時に、
0.1Vの電圧で、T2間に抵抗測定パルスを挿入し、
抵抗を測定した。尚、フォーミング処理の終了は、抵抗
測定パルスでの測定値が、約1Mオーム以上になった時
とし、同時に、素子への電圧の印加を終了した。
【0279】それぞれの素子のフォーミング電圧Vfo
rmは、約4Vであった。
【0280】このように作成された電子放出部3は、S
nOxを主成分とする微粒子が分散配置された状態とな
り、その微粒子の平均粒径は4.0nmであった。
【0281】次に、フォーミング処理時と同一の真空雰
囲気下において、容器外端子Dox1〜DoxmとDo
y1〜Doynを通じ、上記各出素子の電極5、6間
に、図5の(a)で示されるパルスを印加し、防護膜形
成処理を施した。
【0282】本実施例では、防護膜形成処理パルスの波
高値を14Vとし、放出電流Ieを測定しながらおこな
い、約30分でIeが飽和したため、防護膜形成処理を
終了した。
【0283】次に、還元処理を施した。
【0284】2%水素を含む窒素ガスを不図示の排気管
を通じて導入し、不図示のマスフローコントローラーの
制御によりガラス容器内のガス圧を約1mtorrとし
た。
【0285】この雰囲気下において素子を1時間曝すこ
とにより、SnO2 微粒子は完全に還元されてSn微粒
子膜となった。これにより、導電性膜4のシート抵抗値
は6×102 オーム/□となり、還元処理前と比べて2
桁ほど小さくなった。
【0286】フォーミング、防護膜形成処理、還元処理
を行い、電子放出部3を形成し電子放出素子94(図1
0の74に対応する)を作製した。
【0287】次に、10-6torr程度の真空度まで、
排気し、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで
溶着し外囲器の封止を行った。
【0288】最後に封止後の真空度を維持するために、
高周波加熱法でゲッター処理を行った。これは、封止を
行う直前に、高周波加熱などの加熱法により、画像形成
装置内の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを
加熱し、蒸着膜を形成処理した。尚、ゲッターはBaを
主成分とした。
【0289】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、各電子放出素子には、容器外端子Dox1
〜Doxm、Doy1〜Doynを通じ、走査信号及び
変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ、印加す
ることにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メ
タルバック85に10kVの高圧を印加し、電子ビーム
を加速し、蛍光膜84に衝突させ、励起・発光させるこ
とで画像を表示した。
【0290】本発明において作成された電子源は、消費
電力が少なく、駆動電圧も低く設定することが可能にな
り、周辺回路等の負担も軽減さされ安価な装置が提供で
きた。
【0291】また、本発明の画像表示装置は、均一性に
優れ、低消費電力で動作し、良好な画像を表示した。
【0292】(実施例6)本実施例は多数の表面伝導型
電子放出素子と、制御電極(グリッド)を有する画像形
成装置の例である。
【0293】本実施例の画像形成装置の製造方法は、実
施例3とほぼ同等な方法で作製したので説明を省略す
る。
【0294】ただし、本実施例においては、表面伝導型
電子放出素子の素子電極間ギャップ長を50マイクロm
とした。また、還元処理工程も実施例3とほぼ同様であ
るが、本実施例では2%水素を含む窒素ガスのガス圧を
約100ミリTorrとし、この雰囲気下で30分曝す
ことにより還元処理を行った。
【0295】まず、表面伝導型電子放出素子を基板上に
多数個設けた電子源と、これを応用した表示装置の実施
例を説明する。
【0296】図14は、本実施例の梯子型配置の電子源
の一部を示すための模式図である。図14において、1
10は青板ガラスからなる電子源基板、点線で囲んだ1
11は前記電子源基板110上に設けられた表面伝導型
電子放出素子、112のDx’1〜Dx’6は前記表面
伝導型電子放出素子を配線するための共通配線をあらわ
している。
【0297】前記表面伝導型電子放出素子111は、電
子源基板110上に、X方向に沿って行をなして形成さ
れ(以下、これを素子行と呼ぶ)、各素子行の表面伝導
型電子放出素子は配線電極112によって電気的に並列
に配線されている。さらに、例えば素子行の第1行と第
2行の片側の共通配線を配線電極Dx’2が兼ねている
ように、本実施例においては隣接する素子行の隣接する
側の共通配線を1本の配線電極で行っている。
【0298】本実施例の電子源は、図13の素子行と比
較して同一形状の表面伝導型電子放出素子と配線電極を
用いた場合に、Y方向に配列する配列間隔を小さくする
ことができるという利点がある。
【0299】本実施例の電子源は、配線電極間に適宜の
駆動電圧を印加することにより、各素子行を独立に駆動
することが可能である。すなわち、電子ビームを放出さ
せたい素子行には電子放出しきい値を上回る適当な電圧
を、また電子ビームを放出しない素子行には電子放出し
きい値を越えない適当な電圧(例えば0[V])を印加
すればよい(なお、以下の説明では、電子放出しきい値
を上回る適当な駆動電圧をVope[V]と記す)。
【0300】例えば、第3行だけを駆動したい場合に
は、Dx’1〜Dx’3の各配線電極には0[V]の電
位を、またDx’4からDx’6の各配線電極にはVo
pe[V]の電位を印加する。その結果、第3行の素子
行には、Vope−0=Vope[V]の電圧が印加さ
れるが、他の素子行に対しては、0−0=0[V]かま
たはVope−Vope=0[V]というように0
[V]の電圧が印加されることになるわけである。
【0301】また、たとえば第2行と第5行を同時に駆
動させる場合には、配線電極Dx’1とDx’2とD
x’6には0[V]の電位を、配線電極Dx’3とD
x’4とDx’5にはVope[V]の電位を印加すれ
ばよい。このように、本実施例においても任意の素子行
を選択的に駆動することが可能である。
【0302】なお、上記図14の電子源においては、図
示の便宜上から、表面伝導型電子放出素子をX方向には
1行あたり12素子をならべたが、実際には200個の
素子が配列している。また、Y方向には5行の素子行を
並べたが、実際には200行の素子行が配列している。
【0303】次に、上記の電子源を用いた平面型CRT
について例を挙げて説明する。
【0304】図15は、前記図14の電子源を備えた平
板型CRTのパネル構造を示すための図であり、図中8
8はガラス製の真空容器(外囲器)で、その一部である
86は表示面側のフェースプレートを示している。フェ
ースプレート86の内面には、ITOを材料とする透明
電極が形成され、さらに該透明電極上には赤、緑、青の
蛍光体がストライプ状に塗り分けられている。図面の複
雑化を避けるため、図中では透明電極と蛍光体を合わせ
て記号84で示している。なお、各色の蛍光体の間には
CRTの分野では公知のブラックストライプ(図11の
(a))を設けており、また蛍光体の上には同じく公知
のメタルバック層を形成している。前記透明電極は、電
子ビームの加速電圧を印加できるように端子Hvを通じ
て真空容器外と電気的に接続されている。
【0305】また、110は真空容器88の底面に固定
された電子源の基板で、前記図14で説明したように表
面伝導型電子放出素子が配列形成されている。各素子行
の配線電極は、片側のパネル側面に設けられた電極端子
Dox1〜Dox(m+1)に接続しており(ただし、
本実施例ではm=200)、真空容器外から駆動電気信
号が印加できるようになっている。
【0306】また、基板110とフェースプレート86
の中間には、ストライプ状のグリッド電極120が設け
られている。グリッド電極120は、前記素子行と直行
して(すなわちY方向に沿って)200本が独立して設
けられており、各グリッド電極には電子ビームを通過さ
せるための開口121が設けられている。開口121は
各表面伝導型電子放出素子に対応して1個ずつ円形のも
のが設けられている。各グリッド電極は、電子端子G1
〜Gn荷より真空容器外と電気的に接続されている(た
だし、本実施例ではn=200)。
【0307】本表示パネルでは、表面伝導型電子放出素
子の素子行とグリッド電極で200×200のXYマト
リックスを構成している。したがって、素子行を1行ず
つ順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極
列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加することに
より、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を
1ラインずつ表示していくものである。
【0308】次に、上述の梯子型配置の電子源を用いて
構成した表示パネルを、NTSC方式のTV信号に応じ
て表示を行うため、図23の駆動回路を用いてテレビジ
ョンの表示をおこなった。尚、本実施例における表示画
像の変調方式には、パルス幅変調方式を用いた。
【0309】以上のように完成した本発明に好適な画像
表示装置において、こうして、各電子放出素子には、容
器外端子Dox1〜Dox(m+1)、G1〜Gnを通
じ、グリッド電極列に画像1ライン分の変調信号を同時
に印加することにより、各電子ビームの蛍光体への照射
を制御し、高圧端子Hvを通じ、透明電極(不図示)に
10kVの高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜
84に衝突させ、励起・発光させることで、良好な画像
を画像を表示した。
【0310】本発明において作成された画像表示装置
は、消費電力が少なく、駆動電圧も低く設定することが
可能になり、良好な画像を表示した。また、周辺回路等
の負担も軽減さされ安価な装置が提供できた。
【0311】(実施例7)実施例1ではPdO微粒子膜
の還元処理として真空中での加熱で行ったが、本実施例
では還元処理として還元性溶液中での加熱処理としたも
のである。
【0312】本実施例の電子放出素子は、図7の構成を
有し、その製造方法は実施例1の工程a〜工程dまでは
同様である。
【0313】実施例1と同様に、基板1上の素子電極
5、6間に、電子放出部3を含む導電性膜4を形成した
素子(図3の(c))に対し、以下の還元処理を施し
た。
【0314】工程−e 図22に示すように、100%ギ酸の液体(還元性溶
液)中で、温度コントローラーに接続されたヒーターに
より、50℃より60℃の間の温度に素子を加熱し、約
2分間保持することで未フォーミング素子のPdO微粒
子膜は還元されPd金属の微粒子膜に変化し、シート抵
抗は5×102 オーム/□となり、還元前と比べて2桁
小さくなった。
【0315】また、上述の工程で作製した平面型の表面
伝導型電子放出素子の特性を把握するために、図4に示
した装置内で測定評価を行った。尚、測定条件は、アノ
ード電極と電子放出素子間の距離を4mm、アノード電
極の電位を1kV、電子放出特性測定時の真空装置内の
真空度を1×10-6torrとした。
【0316】電子放出素子の素子電極5及び6の間に素
子電圧を印加し、その時に流れる素子電流If及び放出
電流Ieを測定したところ、図6に示したような電流−
電圧特性が得られた。
【0317】本素子では、素子電圧8V程度から急激に
放出電流Ieが増加し、素子電圧14Vでは素子電流I
fが2.0mA、放出電流Ieが1.2マイクロAとな
り、電子放出効率η=Ie/If(%)は0.06%で
あった。
【0318】実施例1と同様、還元処理前は電子放出部
を含むPdO微粒子膜自体の抵抗が3.5キロオーム、
亀裂部の抵抗が7キロオームであった。
【0319】還元処理後は、PdO微粒子膜の抵抗が3
0オームとなり、亀裂部の抵抗と比較して十分無視でき
る大きさに減少したことになる。
【0320】すなわち、還元前は同じ量の放出電子を得
るためには素子に印加する電圧は21Vとなり1素子あ
たりの電子放出時パワーは42mWとなってしまうもの
が、本実施例のの還元処理により、28mWになり、約
2/3に消費電力を抑えることが可能になった。
【0321】本実施例での還元処理は、実施例1と比較
し、還元処理時間が10時間から2分間に短縮され、製
造の速度を上げることが可能になり、ガスや真空装置を
必要としないため、製造装置を簡略化できる。
【0322】(実施例8)図24は、以上説明した表面
伝導型電子放出素子を電子源として用いたディスプレイ
パネルに、例えば、テレビジョン放送をはじめとする種
々の画像情報源より提供される画像情報を表示できるよ
うに構成した表示装置の一例を示すための図である。
【0323】図24中、500はディスプレイパネル、
501はディスプレイパネルの駆動回路、502はディ
スプレイコントローラ、503はマチプレクサ、504
はデコーダ、505は入出力インターフェース回路、5
06はCPU、507は画像生成回路、508および5
09および510は画像メモリーインターフェース回
路、511は画像入力インターフェース回路、512お
よび513はTV信号受信回路、514は入力部であ
る。尚、本表示装置は、例えば、テレビジョン信号のよ
うに映像情報と音声情報の両方を含む信号を受信する場
合には、当然映像の表示と同時に音声を再生するもので
あるが、本発明の特徴と直接関係しない音声情報の受
信、分離、再生、処理、記憶などに関する回路やスピー
カーなどについては説明を省略する。
【0324】以下、画像信号の流れに沿って各部の機能
を説明してゆく。
【0325】まず、TV信号受信回路513は、例え
ば、電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて
伝送されるTV画像信号を受信する為の回路である。
【0326】尚、受信するTV信号の方式は特に限られ
るものではなく、例えば、NTSC方式、PAL方式、
SECAM方式等の諸方式でも良い。また、これらより
更に多数の走査線よりなるTV信号(例えば、MUSE
方式をはじめとするいわゆる高品位TV)は、大面積化
や大画素数化に適した前記ディスプレイパネルの利点を
生かすのに好適な信号源である。
【0327】TV信号受信回路513で受信されたTV
信号は、デコーダ504に出力される。
【0328】また、TV信号受信回路512は、例え
ば、同軸ケーブルや光ファイバー等のような有線伝送系
を用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回路
であるが、前記TV信号受信回路513と同様に、受信
するTV信号の方式は特に限られるものではなく、ま
た、本回路で受信されたTV信号もデコーダ504に出
力される。
【0329】また、画像入力インターフェース回路51
1は、例えば、TVカメラや画像読み取りスキャナーな
どの画像入力装置から供給される画像信号を取り込むた
めの回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ504に
出力される。
【0330】また、画像メモリーインターフェース回路
510は、ビデオテープレコーダー(以下、VTRと略
す)に記憶されている画像信号を取り込むための回路
で、取り込まれた画像信号はデコーダ504に出力され
る。
【0331】また、画像メモリーインターフェース回路
509は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を
取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコー
ダ504に出力される。
【0332】また、画像メモリーインターフェース回路
508は、所謂、静止画ディスクのように、静止画像デ
ータを記憶している装置から画像信号を取り込むための
回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ504
に入力される。
【0333】また、入出力インターフェース回路505
は、本表示装置と外部のコンピュータもしくはコンピュ
ータネットワークもしくはプリンター等の出力装置とを
接続するための回路であって、画像データや文字・図形
情報の入出力を行うのはもちろんのこと、場合によって
は本表示装置の備えるCPU506と外部との間で制御
信号や数値データの入出力などを行うことも可能であ
る。
【0334】また、画像生成回路507は、前記入出力
インターフェース回路505を介して、外部から入力さ
れる画像データや文字・図形情報や、あるいはCPU5
06より出力される画像データや文字・図形情報に基づ
き、表示用画像データを生成するための回路である。本
回路の内部には、例えば、画像データや文字・図形情報
を蓄積するための書き換え可能メモリーや、文字コード
に対応する画像パターンが記憶されている読み出し専用
メモリーや、画像処理を行うためのプロセッサー等をは
じめとして画像の生成に必要な回路が組み込まれてい
る。
【0335】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ504に出力されるが、場合によっては前
記入出力インターフェース回路505を介して外部のコ
ンピュータネットワークやプリンターに出力することも
可能である。
【0336】また、CPU506は、主として本表示装
置の動作制御や、表示画像の生成や選択や編集に関わる
作業を行うもので、例えば、マルチプレクサ503に制
御信号を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信
号を適宜選択したり組み合わせたりする。
【0337】また、その際には表示する画像信号に応じ
てディスプレイパネルコントローラ502に対して制御
信号を発生し、画面表示周波数や走査方法(例えば、イ
ンターレースか、ノンインターレースか)や一画面の走
査線の数等、表示装置の動作を適宜制御する。
【0338】また、前記画像生成回路507に対して画
像データや文字・図形情報を直接出力したり、あるいは
前記入出力インターフェース回路505を介して外部の
コンピュータやメモリーをアクセスして画像データや文
字・図形情報を入力する。
【0339】尚、CPU506は、もちろんこれ以外の
目的の作業にも関わるものであっても良く、例えば、パ
ーソナルコンピュータやワードプロセッサ等のように、
情報を生成したり処理する機能に直接関わっても良い。
あるいは、前述したように、入出力インターフェース回
路505を介して外部のコンピュータネットワークと接
続し、例えば、数値計算などの作業を外部機器と協同し
て行っても良い。
【0340】また、入力部514は、前記CPU506
に使用者が命令やプログラム、あるいはデータなどを入
力するためのものであり、例えば、キーボードやマウス
のほか、ジョイスティック、バーコードリーダー、音声
認識装置等の多様な入力機器を用いる事が可能である。
【0341】また、デコーダ504は、前記507乃至
513より入力される種々の画像信号を3原色信号、ま
たは輝度信号とI信号、Q信号に逆変換するための回路
である。尚、同図中に点線で示すように、デコーダ50
4は内部に画像メモリーを備えるのが望ましく、これ
は、例えば、MUSE方式をはじめとして、逆変換する
に際して、画像メモリーを必要とするようなテレビ信号
を扱うためである。
【0342】また、画像メモリーを備える事により、静
止画の表示が容易になる、あるいは前記画像生成回路5
07及びCPU506と協同して画像の間引き、補間、
拡大、縮小、合成をはじめとする画像処理や編集が容易
に行えるようになるという利点が生まれるからである。
【0343】また、マルチプレクサ503は、前記CP
U506より入力される制御信号に基づき、表示画像を
適宜選択するものである。即ち、マルチプレクサ503
は、デコーダ504から入力される逆変換された画像信
号のうちから所望の画像信号を選択して駆動回路501
に出力する。その場合には、一画面表示時間内で画像信
号を切り替えて選択することにより、いわゆる多画面テ
レビのように、一画面を複数の領域に分けて領域によっ
て異なる画像を表示することも可能である。
【0344】また、ディスプレイパネルコントローラ5
02は、前記CPU506より入力される制御信号に基
づき、駆動回路501の動作を制御するための回路であ
る。まず、ディスプレイパネルの基本的な動作に関わる
ものとして、例えば、ディスプレイパネルの駆動用電源
(図示せず)の動作シーケンスを制御するための信号を
駆動回路501に対して出力する。
【0345】また、ディスプレイパネルの駆動方法に関
わるものとして、例えば、画面表示周波数や走査方法
(例えば、インターレースか、ノンインターレースか)
を制御するための信号を駆動回路501に対して出力す
る。
【0346】また、場合によっては、表示画像の輝度や
コントラストや色調やシャープネスといった画質の調整
に関わる制御信号を駆動回路501に対して出力する場
合もある。
【0347】また、駆動回路501は、ディスプレイパ
ネル500に印加する駆動信号を発生するための回路で
あり、前記マルチプレクサ503から入力される画像信
号と、前記ディスプレイパネルコントローラ502より
入力される制御信号に基づいて動作するものである。
【0348】以上、各部の機能について説明したが、図
24に例示した構成により、本表示装置においては多様
な画像情報源より入力される画像情報をディスプレイパ
ネル500に表示する事が可能である。
【0349】即ち、テレビジョン放送をはじめとする各
種の画像信号は、デコーダ504において逆変換された
後、マルチプレクサ503において適宜選択され、駆動
回路501に入入される。一方、デイスプレイコントロ
ーラ502は、表示する画像信号に応じて駆動回路50
1の動作を制御するための制御信号を発生する。
【0350】駆動回路501は、上記画像信号と制御信
号に基づいて、ディスプレイパネル500に駆動信号を
印加する。これにより、ディスプレイパネル500にお
いて画像が表示される。
【0351】これら一連の動作は、CPU506により
統括的に制御される。
【0352】また、本表示装置においては、前記デコー
ダ504に内蔵する画像メモリや画像生成回路507及
び情報の中から選択したものを表示するだけでなく、表
示する画像情報に対して、例えば、拡大、縮小、回転、
移動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、画像の縦横
比変換等をはじめとする画像処理や、合成、消去、接
続、入れ換え、はめ込み等をはじめとする画像編集を行
う事も可能である。
【0353】また、本実施例の説明では特に触れなかっ
たが、上記画像処理や上記画像編集と同様に、音声情報
に関しても処理や編集を行なうための専用回路を設けて
も良い。
【0354】従って、本表示装置は、テレビジョン放送
の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び動画
像を扱う画像編集機器、コンピュータの端末機器、ワー
ドプロセッサをはじめとする事務用端末機器、ゲーム機
等の機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用ある
いは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0355】尚、上記図24は、表面伝導型電子放出素
子を電子源とするディスプレイパネルを用いた表示装置
の構成の一例を示したに過ぎず、これのみに限定される
ものでない事は言うまでもない。例えば、図24の構成
要素のうち、使用目的上必要のない機能に関わる回路は
省いても差し支えない。また、これとは逆に、使用目的
によっては逆に, 使用目的によってはさらに構成要素を
追加しても良い。
【0356】例えば、本表示装置をテレビ電話機として
応用する場合には、テレビカメラ、音声マイク、照明
機、モデムを含む送受信回路等を構成要素に追加するの
が好適である。
【0357】本表示装置においては、とりわけ表面伝導
型電子放出素子を電子源とするデイスプレイパネルの薄
形化が容易なため、表示装置の奥行きを小さくすること
ができる。
【0358】それに加えて、表面伝導型電子放出素子を
電子源とするディスプレイパネルは大画面化が容易で輝
度が高く視野角特性にも優れるため、本表示装置は、臨
場感あふれ、迫力にとんだ画像を視認性良く表示するこ
とが可能である。
【0359】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明は、電子放出
素子の駆動電圧および消費電力を小さくすることが可能
となり、低消費電力な電子源及びこれを用いた高品位な
画像表示装置が実現可能となった。
【0360】更に、素子を構成する電極間隔を広くして
も無駄な電力消費を増大させることが無くなったため、
作製精度の悪い印刷などを用いた大量生産も可能になっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表面伝導型電子放出素子の構成を
示す模式的平面図(a)及び素子駆動時の等価回路図
(b)。
【図2】本発明に係る還元処理前後の電子放出素子の電
流−電圧特性の例を示す図。
【図3】本発明に係る電子放出素子の製造方法を説明す
るための断面図。
【図4】電子放出特性を測定するための測定評価装置の
概略構成図。
【図5】本発明の製造方法に係る、通電フォーミングの
電圧波形の例を示す図。
【図6】本発明に係る表面伝導型電子放出素子の放出電
流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの典型的な関
係を示す図。
【図7】本発明に係る表面伝導型伝電子放出素子の基本
的な構成を示す模式的平面図(a)及び断面図(b)。
【図8】本発明に係る表面伝導型伝電子放出素子の別の
態様を示す模式的断面図。
【図9】単純マトリクス配置の電子源を説明する模式
図。
【図10】単純マトリクス配置の電子源を用いた、画像
形成装置の表示パネルの概略構成図。
【図11】蛍光膜の例を示す図。
【図12】単純マトリクス配置の電子源を用いた画像形
成装置をNTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行な
う例の駆動回路のブロック図。
【図13】梯子配置の電子源を説明する模式図。
【図14】梯子配置の電子源の別の態様を説明する模式
図。
【図15】梯子配置の電子源を用いた画像形成装置の表
示パネルの概略構成図。
【図16】単純マトリクス配置の電子源の一部を示す平
面図。
【図17】図16中のAーA’断面図。
【図18】単純マトリクス配置の電子源の製造方法の例
を示す断面図。
【図19】単純マトリクス配置の電子源の製造方法の例
を示す断面図。
【図20】還元ガスを用いた還元処理工程を説明する
図。
【図21】防護膜被覆処理後の電子放出素子の概略断面
図。
【図22】還元性溶液中での還元処理工程を説明する
図。
【図23】梯子配置の電子源を用いた画像形成装置をN
TSC方式のテレビ信号に応じて表示を行なう例の駆動
回路のブロック図。
【図24】本発明の画像形成装置を用いた表示装置の例
を示す図。
【図25】従来の表面伝導型電子放出素子の例を示す
図。
【符号の説明】
1,71,91,110,221 基板 2,226 導電性膜 3,223 電子放出部 4,224 電子放出部を含む導電性膜 5,6 素子電極 11 防護膜 21 段差形成部 31,33 電源 30,32 電流計 34 アノード電極 35 真空装置 36 排気ポンプ 72,92 X方向配線(下配線) 73,93 Y方向配線(上配線) 74,94,111 電子放出素子(表面伝導型電子放
出素子) 75 結線 81 リヤプレート 82 支持枠 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 88 外囲器 89 黒色導電材 90 蛍光体 101 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生器 112 共通配線 120 グリッド電極 121 空孔 122 共通配線容器外端子 123 グリッド容器外端子 162 コンタクトホール 161 層間絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜元 康弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山本 敬介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 塚本 健夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山野辺 正人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−112631(JP,A) 特開 平7−326287(JP,A) 特開 平6−12997(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する電極間に、電子放出部を含む導
    電性膜を有する電子放出素子の製造方法において、電極
    間に形成された導電性膜に電子放出部を形成する工程
    と、該電子放出部が形成された導電性膜の電気抵抗を低
    減せしめる処理工程を有し、前記導電性膜の電気抵抗
    を低減せしめる処理工程は、該導電性膜を還元処理する
    工程を有することを特徴とする電子放出素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記還元処理する工程は、前記導電性膜
    を真空雰囲気中で加熱する工程を有する請求項に記載
    の電子放出素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記還元処理する工程は、前記導電性膜
    を還元ガス雰囲気中で加熱処理する工程を有する請求項
    に記載の電子放出素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記還元ガスが、水素を含むガスである
    請求項に記載の電子放出素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記還元処理する工程は、前記導電性膜
    を還元性溶液中に浸漬処理する工程を有する請求項
    記載の電子放出素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記還元性溶液は、ギ酸を含む溶液であ
    る請求項に記載の電子放出素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記導電性膜に電子放出部を形成する工
    程は、前記電極間に形成された導電性膜を通電処理する
    工程を有する請求項1〜6のいずれかに記載の電子放出
    素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 更に、前記導電性膜に、炭素あるいは炭
    素化合物を堆積させる工程を有する請求項1〜のいず
    れかに記載の電子放出素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記電子放出部が形成された導電性膜
    還元処理する工程は、前記導電性膜に炭素あるいは炭素
    化合物を堆積させる工程の後に行われる請求項に記載
    の電子放出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記導電性膜に、炭素あるいは炭素化
    合物を堆積させる工程は、炭素化合物の雰囲気下で、前
    記電極間に形成された導電性膜に電圧を印加する工程を
    有する請求項に記載の電子放出素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 対向する電極間に、亀裂を有する導電
    性膜を備える電子放出素子の製造方法において、電極間
    に形成された導電性膜に亀裂を形成する工程 と、該亀裂
    が形成された導電性膜の電気抵抗を低減せしめる処理工
    程とを有し、前記導電性膜の電気抵抗を低減せしめる処
    理工程は、該導電性膜を還元処理する工程を有すること
    を特徴とする電子放出素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記還元処理する工程は、前記導電性
    膜を真空雰囲気中で加熱する工程を有する請求項11に
    記載の電子放出素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記還元処理する工程は、前記導電性
    膜を還元ガス雰囲気中で加熱処理する工程を有する請求
    項11に記載の電子放出素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記還元ガスが、水素を含むガスであ
    る請求項13に記載の電子放出素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記還元処理する工程は、前記導電性
    膜を還元性溶液中に浸漬処理する工程を有する請求項1
    1に記載の電子放出素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記還元性溶液は、ギ酸を含む溶液で
    ある請求項15に記載の電子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記導電性膜に亀裂を形成する工程
    は、前記電極間に形成された導電性膜を通電処理する工
    程を有する請求項11〜16のいずれかに記載の電子放
    出素子の製造方法。
  18. 【請求項18】 更に、前記導電性膜に、炭素あるいは
    炭素化合物を堆積させる工程を有する請求項11〜17
    のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記亀裂が形成された導電性膜を還元
    処理する工程は、前記導電性膜に炭素あるいは炭素化合
    物を堆積させる工程の後に行われる請求項18に記載の
    電子放出素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記導電性膜に、炭素あるいは炭素化
    合物を堆積させる工程は、炭素化合物の雰囲気下で、前
    記電極間に形成された導電性膜に電圧を印加する工程を
    有する請求項18に記載の電子放出素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記電極間に形成された導電性膜は、
    酸化物を有する導電性膜である請求項1〜20のいずれ
    に記載の電子放出素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 電子放出素子を有し、入力信号に応じ
    て電子を放出する電子源の製造方法において、前記電子
    放出素子が、請求項1〜21のいずれかに記載の製造方
    法にて製造されることを特徴とする電子源の製造方法
  23. 【請求項23】 複数の電子放出素子の各々の両端を配
    線にて接続した電子放出素子の行を複数行と、該電子放
    出素子より放出される電子線の変調を行う変調手段とを
    有し、入力信号に応じて電子を放出する電子源の製造方
    において、前記電子放出素子が、請求項1〜21のい
    ずれかに記載の製造方法にて製造されることを特徴とす
    る電子源の製造方法
  24. 【請求項24】 互いに電気的に絶縁されたm本のX方
    向配線とn本のY方向配線とに接続し配列された複数の
    電子放出素子を有し、入力信号に応じて電子を放出する
    電子源の製造方法において、前記電子放出素子が、請求
    項1〜21のいずれかに記載の製造方法にて製造される
    ことを特徴とする電子源の製造方法
  25. 【請求項25】 電子源と画像形成部材とを有し、入力
    信号に応じて画像を形成する画像形成装置の製造方法
    おいて、前記電子源が請求項22〜24のいずれかに記
    載の製造方法にて製造されることを特徴とする画像形成
    装置の製造方法
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