JP2017040843A - トナー - Google Patents

トナー Download PDF

Info

Publication number
JP2017040843A
JP2017040843A JP2015163399A JP2015163399A JP2017040843A JP 2017040843 A JP2017040843 A JP 2017040843A JP 2015163399 A JP2015163399 A JP 2015163399A JP 2015163399 A JP2015163399 A JP 2015163399A JP 2017040843 A JP2017040843 A JP 2017040843A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
toner
amorphous
crystalline
amorphous resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015163399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6587456B2 (ja
JP2017040843A5 (ja
Inventor
努 嶋野
Tsutomu Shimano
努 嶋野
義広 中川
Yoshihiro Nakagawa
義広 中川
正健 田中
Masayasu Tanaka
正健 田中
直也 磯野
Naoya Isono
直也 磯野
祐 吉田
Yu Yoshida
祐 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015163399A priority Critical patent/JP6587456B2/ja
Priority to US15/234,497 priority patent/US9785071B2/en
Priority to DE102016009869.4A priority patent/DE102016009869B4/de
Priority to CN201610674963.9A priority patent/CN106468863B/zh
Publication of JP2017040843A publication Critical patent/JP2017040843A/ja
Publication of JP2017040843A5 publication Critical patent/JP2017040843A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6587456B2 publication Critical patent/JP6587456B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08702Binders for toner particles comprising macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • G03G9/08706Polymers of alkenyl-aromatic compounds
    • G03G9/08708Copolymers of styrene
    • G03G9/08711Copolymers of styrene with esters of acrylic or methacrylic acid
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0802Preparation methods
    • G03G9/081Preparation methods by mixing the toner components in a liquefied state; melt kneading; reactive mixing
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0802Preparation methods
    • G03G9/0804Preparation methods whereby the components are brought together in a liquid dispersing medium
    • G03G9/0806Preparation methods whereby the components are brought together in a liquid dispersing medium whereby chemical synthesis of at least one of the toner components takes place
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08742Binders for toner particles comprising macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • G03G9/08755Polyesters
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/093Encapsulated toner particles
    • G03G9/09307Encapsulated toner particles specified by the shell material
    • G03G9/09314Macromolecular compounds
    • G03G9/09328Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/093Encapsulated toner particles
    • G03G9/0935Encapsulated toner particles specified by the core material
    • G03G9/09357Macromolecular compounds
    • G03G9/09364Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/093Encapsulated toner particles
    • G03G9/0935Encapsulated toner particles specified by the core material
    • G03G9/09357Macromolecular compounds
    • G03G9/09371Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/093Encapsulated toner particles
    • G03G9/09392Preparation thereof

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】低エネルギーで定着が可能であり、かつ高速現像システムにおいても充分な現像性を有し、高湿度においても充分な現像性を維持できるトナー。【解決手段】非晶性樹脂A及び結晶性樹脂を含有するコアと、非晶性樹脂Bを含有するシェルを有するコアシェル構造のトナー粒子を有するトナーであって、該非晶性樹脂Aがスチレンアクリル系樹脂を含有し、該スチレンアクリル系樹脂の含有量が、該非晶性樹脂Aの全量に対して50質量%以上であり、該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂の相溶化度Aが50%以上100%以下であり、該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂の相溶化度Bが0%以上40%以下であることを特徴とするトナー。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法などの方法によって形成される静電潜像を現像してトナー画像を形成するために用いるトナーに関する。
近年、プリンターや複写機において低消費電力化が求められており、トナーの性能の改善が求められている。具体的には、より低い温度でトナーを軟化させることが求められているが、同時に高温保存性を維持する必要があるため、単純にトナーを軟化させる手法では達成できない。この課題に対し、結晶性樹脂を添加するトナーが検討されている。結晶性樹脂は、室温では結晶化するためトナーの高温保存性への影響が少なく、溶融時には低粘度化するためトナーを軟化させることが可能である。
特許文献1では、トナー表層及び内部に、結晶性ポリエステルのラメラ結晶が存在しているトナーが提案されている。
また、プリンターや複写機においてはさらなる高速化も同時に求められている。現像システムが高速化することで、トナーにかかるストレスが大きくなるため、よりストレスに強い、強度に優れたトナーが求められている。この課題を、前述した低温定着性を損なわずに達成するために、コアシェル構造のトナーが検討されている。
特許文献2では、結着樹脂として結晶性ポリエステルとスチレン‐アクリル系樹脂を含有するコアシェル構造のトナーが提案されている。
また、特許文献3ではポリエステル樹脂を主成分とするトナーにおいて、シェル材料と結晶性ポリエステルの相溶性が低いことに言及している。
特開2006−106727号公報 特開2012−255957号公報 特開2011−197192号公報
特許文献1に記載のトナーでは、トナー中の結晶性ポリエステルの結晶性を維持することで、耐熱保存性を極力維持しながら、定着時に結晶性ポリエステルが液状化することで、トナーが潰れやすくなり、結果としてトナーの低温定着性能が向上する。しかし、該トナーの考え方では、定着時に結晶性ポリエステルとトナーバインダーが均一に溶融しないため、結晶性ポリエステルの添加効果を充分に活かせているとは言えない。
特許文献2に記載のトナーでは、シェル材料と結晶性材料の相溶性という観点から検討されていないため、トナー表面が結晶性ポリエステルの相溶によって粘度低下する恐れがある。このような構成では、結晶性ポリエステルによる効果を得るために相溶性を上げると、トナーの強度が低下するため、低温定着性と現像性の両立は困難である。
また、特許文献3においては、上記相溶性を得るために、シェル材料そのものの親水性を高める必要があり、結果として高湿環境下において現像性が低下する。
以上、結晶性樹脂を導入したコアシェル構造のトナーにおいて、結晶性樹脂とバインダーの相溶性、及び結晶性樹脂とシェル材料の相溶性を制御し、結晶性樹脂の効果を充分に活かしたトナーは未だ提案されていなかった。
本発明は、上述した従来の問題点を解決したトナーを提供するものである。即ち、本発明は、低エネルギーで定着が可能であり、かつ高速現像システムにおいても充分な現像性
を有し、高湿度においても充分な現像性を維持できるトナーを提供することを目的とする。
本出願に係る発明は、
非晶性樹脂A及び結晶性樹脂を含有するコアと、非晶性樹脂Bを含有するシェルを有するコアシェル構造のトナー粒子を有するトナーであって、
該非晶性樹脂Aがスチレンアクリル系樹脂を含有し、
該スチレンアクリル系樹脂の含有量が、該非晶性樹脂Aの全量に対して50質量%以上であり、
下記式(X)で求められる、該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂の相溶化度Aが、50%以上100%以下であり、
下記式(Y)で求められる、該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂の相溶化度Bが、0%以上40%以下であることを特徴とするトナーである。
相溶化度A(%)=100−(100×ΔH(A))/(ΔH(C)×C/100) (X)
相溶化度B(%)=100−(100×ΔH(B))/(ΔH(C)×D/100) (Y)
(式(X)、(Y)中、
ΔH(A)は、示差走査熱量分析における、該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂との混合樹脂Aの発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
ΔH(C)は、示差走査熱量分析における該結晶性樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
Cは、該混合樹脂Aにおける該結晶性樹脂の質量比率(%)を示す。
ΔH(B)は、示差走査熱量分析における、該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂との混合樹脂Bの発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
Dは、該混合樹脂Bにおける該結晶性樹脂の質量比率(%)を示す。)
本発明により、低エネルギーで定着が可能であり、かつ高速現像システムにおいても充分な現像性を有し、高湿度においても充分な現像性を維持できるトナーを提供することができる。
本発明者らは上記背景を鑑みて、結晶性樹脂による低温定着効果を充分に得るためには、結晶性樹脂とバインダー樹脂(非晶性樹脂A)が充分に相溶する事が重要だと考えた。
本発明者らは検討の中で、結晶性樹脂の作用効果は、溶融した結晶性樹脂がバインダー樹脂と相溶し、バインダー樹脂を可塑することでトナー全体としての溶融粘度を下げる点にあることを見出した。相溶性が低い結晶性樹脂とバインダー樹脂の組合せでは、トナーの溶融粘度が下がらないだけでなく、トナー溶融時においても結晶性樹脂の一部分が相分離してしまう。このような現象がおこると、トナー全体が均一に溶融せず、コールドオフセット現象が生じやすくなってしまう。コールドオフセット現象とは、定着ローラ側に画像の一部分が融着し、画像に白抜けの部分が生じてしまう現象である。
よって、結晶性樹脂とバインダー樹脂が充分に相溶する事は、粘度を充分に下げると同時に、耐コールドオフセット性能を維持するという点からも重要であり、該相溶性を制御することで、初めて、結晶性樹脂による効果を充分に活かすことが可能であると考えられる。
また、本発明者らは結晶性樹脂を添加した場合にも優れた現像性を発揮するためには、結晶性樹脂とシェル材料が充分に相分離する事が重要だと考えた。
本発明者らは検討の中で、結晶性樹脂を添加した場合に、結晶性樹脂とトナー表面を形成するシェル材料を相分離させることで、シェル材料のガラス転移温度を高く維持する事ができ、トナー表面を硬く維持させることができることを見出した。トナー表面が硬いことでトナーの流動性が高くなると考えられ、結果として現像ローラなどの部材からストレスを受けにくくなり、トナーが割れたり潰れたりしにくくなる。その結果、結晶性樹脂による低温定着効果を充分に発揮しながら、優れた現像性を得ることができる。
以上に述べたように、結晶性樹脂による低温定着効果を充分に活かしながら、優れた現像性を得るためには、結晶性樹脂の、バインダー樹脂とシェル材料双方に対する相溶性を同時に制御する必要がある。なお、結晶性樹脂とは、示差走査熱量分析装置による比熱変化測定の可逆比熱変化曲線において、明確な吸熱ピーク(融点)が観測される樹脂を指す。
上記した相溶性の制御を行うためには、例えば、結晶性樹脂の組成を機能分離した、ブロックポリマーを用いることが好適である。結晶性樹脂を、バインダー樹脂に近い組成の樹脂でブロックポリマー化することで、シェル材料に対する相溶性を大きく変えることなく、バインダー樹脂に対する相溶性のみを上げる事が可能である。すなわち、結晶性樹脂とバインダーの相溶性と、結晶性樹脂とシェル材料の相溶性を個別に制御する事が可能となる。
上記した相溶性を達成するためには、結晶性樹脂の組成や分子量、ブロックポリマーにしたときの樹脂比率などの結晶性樹脂の物性と、バインダー樹脂及びシェル材料の組成を制御する方法が挙げられる。
なお、一般的なブロックポリマーの定義としては、線状に連結した複数のブロックで構成されたポリマー(高分子学会 国際純正応用化学連合高分子命名法委員会による高分子科学の基本的術語の用語集)とあり、本発明もその定義に従う。なお、該ブロックポリマーの製造方法としては限定されず、公知の方法で製造することができる。
本発明は、非晶性樹脂A及び結晶性樹脂を含有するコアと、非晶性樹脂Bを含有するシェルを有するコアシェル構造のトナー粒子を有するトナーであって、該非晶性樹脂Aの50質量%以上がスチレンアクリル系樹脂である。
該非晶性樹脂Aは本発明のトナーにおけるバインダー樹脂を意味している。非晶性樹脂Aの50質量%以上がスチレンアクリル系樹脂であることで、トナーの硬さや高湿環境下における帯電性に優れたトナーが得られ、優れた現像性が得られる。該スチレンアクリル系樹脂の含有量は、該非晶性樹脂Aの全量に対して50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、80質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
また、該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂の相溶化度Aが、50%以上100%以下である。該相溶化度Aが50%以上であることは、該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂の溶融時の相溶性が充分に高い事を意味する。該相溶化度Aが50%以上100%以下であることで、前述したように、耐コールドオフセット性能を維持しながら、トナーの溶融粘度を下げる事が可能であり、優れた低温定着性が得られる。該相溶化度Aが50%未満であると、優れた低温定着性が得られず、特にコールドオフセットが発生しやすくなる。該相溶化度Aは65%以上100%以下であることがより好ましい。
また、該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂の相溶化度Bが、0%以上40%以下である。該非晶性樹脂Bは本発明のトナーにおけるシェル材料を意味している。該相溶化度Bが40%以下であることは、該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂の溶融時の相溶性が充分に低い事を意味する。上記した範囲であれば、冷却工程によって結晶性樹脂が充分に結晶化するため、該非晶性樹脂Bのガラス転移点は大きく低下しない。結果として優れた現像性を得ることができる。該相溶化度Bが40%より大きい場合には、該非晶性樹脂Bのガラス転移点が低下するため、トナーの流動性が低下し、優れた現像性が得られない。該相溶化度Bは
0%以上30%以下であることがより好ましい。
これらの相溶化度は、該非晶性樹脂A、該非晶性樹脂B及び結晶性樹脂の組成や分子量などの物性で制御することが可能である。特に、該結晶性樹脂と該非晶性樹脂Bの相溶化度Bについては、該非晶性樹脂Bの組成によって制御することが簡便であり好ましい。なお、これらの相溶化度の測定方法については後述する。
該結晶性樹脂は、結晶性のポリエステル部位と、非晶性のビニルポリマー部位とが結合したブロックポリマーであることが好ましい。結晶性のポリエステル部位を有することで、結晶化度を高く保持することができる。また該結晶性のポリエステル部位に、非晶性のビニルポリマー部位を結合させることで、該相溶化度Aを大きくすることができる。これにより、該相溶化度Aの制御がより簡便に行えるため、該相溶化度Aをより大きく、該相溶化度Bをより低く制御することができる。
該非晶性のビニルポリマー部位の組成はスチレン、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレートなどの公知のビニルモノマーを用いることができる。特に該非晶性のビニルポリマー部位の50質量%以上がスチレンである場合、スチレンアクリル系樹脂を主成分とする該非晶性樹脂Aとの相溶性の観点から、より好ましい形態が得られる。なお、該結晶性のポリエステル部位と、非晶性のビニルポリマー部位とが結合した樹脂を製造する方法としては特に限定されず、公知の方法を用いることができる。結晶性のポリエステル部位を製造した後に、非晶性のビニルポリマー部位を結合する手法でもよいし、非晶性のビニルポリマー部位を製造した後に、結晶性のポリエステル部位を結合する手法でもよい。
さらに、該結晶性のポリエステル部位と該非晶性のビニルポリマー部位との質量比率が30:70〜70:30の範囲にあることが好ましい。該比率が30:70以上であることで、結晶性樹脂としての結晶化度を高く保持することができるため、シェルへの相溶性が下がり、より優れた現像性を得ることができる。また、該比率が70:30以下であることで、該相溶化度Aを充分に高めることができ、優れた低温定着性を得ることができる。該質量比率は、30:70〜65:35であることがより好ましい。
本発明においては、該結晶性のポリエステル部位の質量比率が増えるほど、該相溶化度Aは低下し、該相溶化度Bは上がる傾向にある。しかしながら、同時に結晶性樹脂としての結晶化度が上がるため、それらを考慮して上記した相溶化度を制御することが好ましい。該質量比率は、該結晶性樹脂を製造する際の単量体の仕込み量及び反応条件で制御することが可能である。なお、該質量比率の測定方法については後述する。
該結晶性樹脂が、下記式(1)で示されるユニット及び下記式(2)で示されるユニットを有することが好ましい。
Figure 2017040843

[式(1)中、nは、6以上16以下(好ましくは6以上12以下)の整数を示す。]
Figure 2017040843

[式(2)中、mは、6以上14以下(好ましくは6以上12以下)の整数を示す。]
式(1)及び式(2)で示されるユニットを有することで、該結晶性樹脂の結晶化度を高めることができるため、該相溶化度Bを低くすることができる。結果としてより優れた現像性を得ることができる。アルコールモノマーの炭素数であるnが6以上であることで、該結晶性樹脂の結晶化度を高めることができる。該nが16以下であることで、該相溶化度Aをより高めることができる。該nは6以上12以下であることがより好ましい。また、同様の理由として酸モノマーの炭素数であるmは6以上14以下であることが好ましく、6以上12以下であることがより好ましい。該結晶性樹脂の組成の制御は、結晶性樹脂の製造に用いるモノマーの種類によって制御可能である。なお、該結晶性樹脂の組成の測定方法については後述する。
結晶性樹脂がブロックポリマーである場合は、式(1)及び式(2)で示されるユニットの含有量は、ポリエステル部位に用いる全モノマーユニットを基準として、50mol%以上100mol%以下であることが好ましい。また、結晶性樹脂が結晶性ポリエステル(ホモポリマー)である場合は、式(1)及び式(2)で示されるユニットの含有量は、結晶性ポリエステルに用いる全モノマーユニットを基準として、50mol%以上100mol%以下であることが好ましい。なお、「モノマーユニット」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。
該非晶性樹脂Bは、非晶性樹脂Bの全モノマーに由来するユニットに対して、下記式(3)で示されるイソソルビドユニットを0.1mol%以上30.0mol%以下有することが好ましい。
Figure 2017040843
該イソソルビドユニットが上記範囲であることで、該相溶化度Bを下げることができる。特に、該非晶性樹脂Bが低分子量であっても、該相溶化度Bを低く制御することができる。0.1mol%以上含有することで、該相溶化度Bを充分に低くできるため、より良好な現像性が得られる。また30.0mol%以下であることで、高湿環境下においても該非晶性樹脂Bの硬さや帯電性を充分に保持できるため、より優れた現像性を得ることができる。該イソソルビドユニットの含有量としては0.1mol%以上15.0mol%以下であることがより好ましい。該イソソルビドユニットの含有量の制御は、該結晶性樹脂の製造に用いるモノマーの種類によって制御可能である。例えば、該非晶性樹脂Bがポリエステル樹脂である場合、モノマーとしてイソソルビドを用いればよい。なお、該イソソルビドユニットの含有量の測定方法については後述する。
また、該非晶性樹脂Bの製造に用いるモノマーとして、ビスフェノールAのエチレンオ
キサイド付加物を用いることも好適である。上記モノマーを添加することによっても、該相溶化度Bを制御することができる。
該トナー粒子が、該非晶性樹脂Aを構成するモノマー、該非晶性樹脂B及び該結晶性樹脂を含有するモノマー組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該モノマー組成物の該粒子に含まれる該非晶性樹脂Aを構成するモノマーを重合させる工程により得られたトナー粒子であることが好ましい。このような工程を有するトナーの製造方法は、一般的に懸濁重合法と呼ばれ、本発明でも以下懸濁重合法とする。該トナー粒子が懸濁重合法によって製造されたものであることで、コアシェル構造がより明確化されたトナー粒子が得られる。これは、該モノマー組成物の粒子が低粘度である重合初期において、選択的にシェル材料である該非晶性樹脂Bが相分離されるためだと考えている。
該結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は10000以上35000以下であることが好ましい。10000以上であることで、該相溶化度Bをより下げることができる。また、35000以下であることで、該相溶化度Aをより上げることができる。該結晶性樹脂のMwは16000以上35000以下であることがより好ましく、20000以上35000以下であることがさらに好ましい。
該非晶性樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は10000以上18000以下であることが好ましい。10000以上であることで、該非晶性樹脂Bが高湿環境下でも充分な強度を保持することができるため、トナーとして優れた現像性を得ることができる。また、18000以下であることで、低温定着性を損ないにくいコアシェル構造を形成できる。
また、非晶性樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は8000以上100000以下であることが好ましい。
なお、該結晶性樹脂、該非晶性樹脂B及び該非晶性樹脂Aの重量平均分子量(Mw)の測定方法については後述する。
本発明のトナーにおいて、該トナー粒子中の該結晶性樹脂の含有量が3.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。上記範囲にあることで、結晶性樹脂添加による低温定着効果を得ながら、充分な現像性能を得ることができる。特に、20.0質量%以下にすることで、本発明で規定する各相溶化度に影響を及ぼす可能性が低くなる。該結晶性樹脂の含有量は、5.0質量%以上15.0質量%以下であることがより好ましい。なお、該結晶性樹脂の含有量の測定方法については後述する。
また、トナー粒子中の、該非晶性樹脂Aの含有量は、50質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
また、トナー粒子中の、該非晶性樹脂Bの含有量は、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
該非晶性樹脂Bの酸価が2.0mgKOH/g以上15.0mgKOH/g以下であることが好ましい。該酸価が2.0mgKOH/g以上であることで、特に懸濁重合法のような製造方法においては、より明確なコアシェル構造を形成できる。また15.0mgKOH/g以下であることで、高湿環境下においても該非晶性樹脂Bの特性を維持できるため、トナーとしてより優れた現像性を得ることができる。また、該非晶性樹脂Bがスチレンアクリル系樹脂である場合には、該酸価が、前述の該相溶化度Bに影響を与える場合もある。なお、該酸価の測定方法については後述する。
次に、本発明のトナー粒子の製造方法について、手順及び用いる事ができる材料を例示して具体的に説明するが、以下に限定される訳ではない。
本発明のトナーの製造方法は、どのような製造方法であっても構わないが、最も好ましい手法である懸濁重合法を用いた製造方法について以下に説明する。
トナー粒子のバインダー樹脂である該非晶性樹脂Aを形成するモノマー、該非晶性樹脂
B及び該結晶性樹脂を加え、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機などの分散機を用いてこれらを溶融、溶解あるいは分散させたモノマー組成物を調製する。このとき、上記モノマー組成物中には、必要に応じて離型剤や着色剤、極性樹脂、多官能性単量体、顔料分散剤、荷電制御剤、粘度調整のための溶剤、さらに他の添加剤(例えば、連鎖移動剤)を適宜加えることができる。
次いで、上記モノマー組成物を、予め用意しておいた分散安定剤を含有する水系媒体中に投入し、高速攪拌機又は超音波分散機などの高速分散機を用いて懸濁させ、造粒を行う。
重合開始剤は、モノマー組成物を調製する際に他の添加剤とともに混合してもよく、水系媒体中に懸濁させる直前にモノマー組成物中に混合してもよい。また、造粒中や造粒完了後、すなわち重合反応を開始する直前に、必要に応じてモノマーや他の溶媒に溶解した状態で加えることもできる。
造粒後の懸濁液を加熱し、懸濁液中のモノマー組成物の粒子が粒子状態を維持し、且つ粒子の浮遊や沈降が生じることがないよう、撹拌しながら重合反応を行い、完結させ、必要に応じて脱溶剤処理を行う事でトナー粒子の水分散液が形成される。
その後、必要に応じて洗浄を行い、種々の方法によって乾燥、分級、外添処理を行うことでトナーを得ることができる。
本発明で用いる、該スチレンアクリル系樹脂や、該結晶性樹脂の該非晶性のビニルポリマー部位を構成するモノマーとしては、ラジカル重合が可能なビニル系モノマーを用いることが可能である。該ビニル系モノマーとしては、単官能性モノマー又は多官能性モノマーを使用することができる。なお、本発明ではスチレンアクリル系樹脂とビニルポリマーを同等に扱う。
前記単官能性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、及び、p−フェニルスチレンなどのスチレン誘導体類;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートなどのアクリル系モノマー類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及び、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系モノマー類;
多官能性モノマーとしては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパ
ン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、及び、ジビニルエーテルが挙げられる。
上記モノマーに関して、単官能性モノマーを単独で、あるいは二種以上組み合わせて、又は、単官能性モノマーと多官能性モノマーとを組み合わせて、又は、多官能性モノマーを単独で、あるいは、二種以上を組み合わせて使用できる。
本発明において、該非晶性樹脂Bを構成するポリマーとしては、通常トナーのバインダー樹脂として用いられるスチレンアクリル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂を使用することができる。ただし、コアシェル構造の設計という観点から、該非晶性樹脂Bは少なくともポリエステル樹脂を含有する事が好ましい。非晶性樹脂B中のポリエステル樹脂の含有量は、50質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
本発明で用いる、該結晶性樹脂の該結晶性のポリエステル部位及び該非晶性樹脂Bを構成するポリエステル樹脂は、2価以上の多価カルボン酸とジオールの反応により得ることができる。なお、ポリエステル樹脂を結晶性樹脂として用いる場合は、下記に挙げるモノマーのうち、ポリマー化した際の示差走査熱量分析測定(DSC測定)において、明確な吸熱ピークを有するものに限る。なお、各種樹脂のDSC測定方法については後述する。
このようなポリエステル樹脂を得るためのアルコールモノマーとしては公知のアルコールモノマーが使用できる。具体的には、例えば以下のものが使用できる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコールなどのアルコールモノマー;ポリオキシエチレン化ビスフェノールAなどの2価のアルコール;1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール、ペンタエリスリトールなどの3価のアルコール。この中でも、特に現像性の観点からポリオキシエチレン化ビスフェノールAを少なくとも用いることがより好ましい。
該ポリエステル樹脂を得るためのカルボン酸モノマーとしては公知のカルボン酸モノマーが使用できる。具体的には、例えば以下のものが使用できる。シュウ酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸及びこれらの酸の無水物又は低級アルキルエステル;トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパンなどの3価以上の多価カルボン酸成分及びこれらの酸無水物又は低級アルキルエステル等の誘導体。この中でも、特に現像性の観点からテレフタル酸やイソフタル酸などの芳香族系ジカルボン酸を少なくとも用いることがより好ましい。
本発明のトナーは、着色剤を含有してもよい。着色剤としては従来知られている種々の染料や顔料等、公知の着色剤を用いる事ができる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー用の着色剤として、例えば、以下に示す着色剤を用いることができる。
イエロー着色剤としては、顔料系としては、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合ア
ゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントイエロー74,93,95,109,111,128,155,174,180,185が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントレッド2,3,5,6,7,23,48:2,48:3,48:4,57:1,81:1,122,144,146,150,166,169,177,184,185,202,206,220,221,238,254,269、C.I.ピグメントバイオレッド19等が例示できる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的にはC.I.ピグメントブルー1,7,15,15:1,15:2,15:3,15:4,60,62,66が挙げられる。
該着色剤は、該トナー中に1.0質量%以上20.0質量%以下含有することが好ましい。
本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合には、トナー粒子に磁性体を含有させればよい。この場合、磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、該磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルなどの金属が挙げられる。或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムなどの金属との合金及びその混合物が挙げられる。
本発明に用いることのできる離型剤としては特に制限はなく公知のものが利用できる。例えば、以下の化合物が挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、エステルワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。離型剤は、トナー粒子中に1.0質量%以上20.0質量%以下含有することが好ましい。
また、本発明のトナー粒子は、荷電制御剤を使用してもよい。中でも、トナー粒子を負荷電性に制御する荷電制御剤を用いることが好ましい。該荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、ノンメタルカルボン酸系化合物及びその誘導体が挙げられる。また、スルホン酸基、スルホン酸塩基、又は、スルホン酸エステル基を有するスルホン酸樹脂を好ましく用いることができる。
荷電制御剤の添加量は、トナー粒子中に0.01質量%以上20.0質量%以下含有することが好ましい。
また、水系媒体中に添加する分散安定剤としては、無機分散剤は超微粉が生成しにくく、洗浄も容易でトナーに悪影響を与えにくいため、好適に使用することができる。無機分散剤としては、以下のものが挙げられる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛などのリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナなどの無機酸化物。これらの無機分散剤は、重合終了後に酸あるいはアルカリを加えて溶解することにより、ほぼ完全に取り除くことができる。
本発明のトナーには、流動性向上剤(外添剤)が外部添加されていることが画質向上のために好ましい。流動性向上剤としては、ケイ酸微粉体、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機微粉体が好適に用いられる。これら無機微粉体は、シランカップリング剤、シリコーンオイル又はそれらの混合物などの疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。さらに、本発明のトナーは、必要に応じて流動性向上剤以外の外部添加剤をトナー粒子に混合されていてもよい。
無機微粒子の総添加量は、トナー粒子100.0質量部に対して1.0質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーは、そのまま一成分系現像剤として、あるいは磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
以下に、本発明で規定する各物性値の測定方法を記載する。
<該結晶性樹脂と該非晶性樹脂Aの相溶化度A、及び該結晶性樹脂と該非晶性樹脂Bの相溶化度Bの測定方法>
該相溶化度A及び該相溶化度Bの測定には、示差走査熱量分析(DSC)測定を用いる。サンプルとしては、該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂を混合した樹脂、及び該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂を混合した樹脂を用いる。
(該非晶性樹脂Aの製造)
本発明において、該トナー粒子を懸濁重合法によって製造する場合には、トナー粒子から該非晶性樹脂Aのみを分離することは困難である。そのため、各トナー粒子の該非晶性樹脂Aに相当する樹脂を別途作成する必要がある。
具体的には、前述した懸濁重合法によってトナー粒子を製造する際に、該非晶性樹脂Aを構成するモノマーのみを用いて、トナー粒子の製造条件と同じ重合温度と、同じ重合開始剤を同じ量用いて製造した樹脂を、各トナーにおける非晶性樹脂Aとした。なお、同等の樹脂が得られているかどうかについては、後述する組成分析と、重量平均分子量(Mw)の測定を行い、トナー粒子と同等であることを確認した。
(該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂を混合した混合樹脂A、及び該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂を混合した混合樹脂Bの製造)
トルエン2mlに、該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂を、各トナー粒子を製造する際と同じ質量比率で溶解し、必要に応じて加熱して均一な溶解液を作製する(本発明においては該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂が9:1の質量比率)。該溶解液をロータリーエバポレータにて120℃まで加熱し、突沸しないように徐々に減圧する。50mbarまで減圧して2時間乾燥を行ったものを混合樹脂Aとした。
該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂を混合した混合樹脂Bは、該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂を8:2の質量比率で、上記した手法と同様の手法で作製した。該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂との質量比率を8:2に設定した理由としては、本願実施例における各トナー粒子と同等の比率である1:2の割合で混合すると、該非晶性樹脂B中の該結晶性樹脂が飽和して余剰分が結晶化し、それにともなって本来相溶していた該結晶性樹脂まで再結晶化してしまうためである。
(相溶化度A及び相溶化度Bの測定)
該相溶化度A及び相溶化度Bは示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、測定サンプル2mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲0℃から100℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で昇温する。100℃で15分ホールドし、その後100℃から0℃の間で、降温速度10℃/分の速度で冷却する。この冷却過程の発熱曲線における発熱ピークの発熱量ΔH(J/g)を測定する。
相溶化度A(%)の測定には、該結晶性樹脂のΔH(C)(J/g)、該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂を混合した混合樹脂AのΔH(A)(J/g)、及び該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂を混合した混合樹脂Aにおける、該結晶性樹脂の質量比率C(%)を用いて、下記計算式によって計算した。
相溶化度A(%)=100−(100×ΔH(A))/(ΔH(C)×C/100)
また、相溶化度B(%)についても同様に計算した。すなわち、相溶化度B(%)の測定には、該結晶性樹脂のΔH(C)(J/g)、該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂を8:2の質量比率で混合した混合樹脂BのΔH(B)(J/g)、及び該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂を混合した混合樹脂Bにおける、該結晶性樹脂の質量比率D(%)を用いて、下記計算式によって計算した。
相溶化度B(%)=100−(100×ΔH(B))/(ΔH(C)×D/100)
<該結晶性樹脂の結晶性のポリエステル部位と非晶性のビニルポリマー部位の質量比率、該結晶性樹脂の組成、該非晶性樹脂Aの組成、該非晶性樹脂Bに含まれる該イソソルビドユニットの含有量、及び該結晶性樹脂の含有量の測定方法>
各種樹脂の組成、組成比率及び含有量は核磁気共鳴分光分析(H−NMR)[400MHz、CDCl、室温(25℃)]を用いて行った。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
得られたスペクトルの積分値から各種樹脂の組成、組成比率及び含有量を算出した。
<該結晶性樹脂、該非晶性樹脂A及び該非晶性樹脂Bの重量平均分子量(Mw)の測定方法>
該結晶性樹脂、該非晶性樹脂A及び該非晶性樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で、各種樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−8
0、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<該非晶性樹脂Bの酸価の測定方法>
各樹脂の酸価はJIS K1557−1970に準じて測定される。具体的な測定方法を以下に示す。
試料の粉砕品2gを精秤する(W(g))。200mlの三角フラスコに試料を入れ、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間溶解する。指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加える。0.1モル/L規定のKOHもアルコール溶液を用いて上記溶液を、ビュレットを用いて滴定する。この時のKOH溶液の量をS(ml)とする。ブランクテストをし、この時のKOH溶液の量をB(ml)とする。
次式により酸価を計算する。なお、式中の“f”は、KOH溶液のファクターである。
酸価(mgKOH/g)=〔(S−B)×f×5.61〕/W
<該結晶性樹脂の融点Tm(℃)及び該非晶性樹脂Bのガラス転移温度Tg(℃)の測定方法>
該結晶性樹脂の融点Tm(℃)及び該非晶性樹脂Bのガラス転移温度Tg(℃)は示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、測定サンプル2mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲0℃から100℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で昇温する。100℃で15分ホールドし、その後100℃から0℃の間で、降温速度10℃/分の速度で冷却する。0℃で10分ホールドし、その後0℃から100℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で測定を行う。この2回目の昇温過程における吸熱曲線におけるピーク値を融点Tm(℃)とする。また、比熱変化曲線の比熱変化が出る前と出た後の、ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をTg(℃)とする。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例中で使用する部は全て質量部を示す。なお、トナー1〜24を実施例とし、トナー25〜33を比較例として製造した。
<結晶性樹脂1の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、セバシン酸100.0部及び、1,9−ノナンジオール83.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7部を加えた後、温度160℃に昇温し5時間かけて縮重合する。その後、温度180℃に昇温し、減圧させながら所望の分子量となるまで反応させてポリエステル(1)を得た。前述の方法に従って測定したポリエステル(1)の重量平均分子量(Mw)は15000、融点(Tm)は73℃であった。
次いで、撹拌機、温度計、及び、窒素導入管を備えた反応容器にポリエステル(1)100.0部、脱水クロロホルム440.0部を添加して完全に溶解させた後、トリエチルアミン5.0部を加え、氷冷させながら、2−ブロモイソブチリルブロミド15.0部を徐々に加えた。その後、室温(25℃)で一昼夜撹拌した。
メタノール550.0部を入れた容器に、上記樹脂溶解液を徐々に滴化して樹脂分を再沈殿させた後、濾過、精製、乾燥させてポリエステル(2)を得た。
次いで、撹拌機、温度計、及び、窒素導入管を備えた反応容器に上記で得られたポリエステル(2)100.0部、スチレン100.0部、臭化銅(I)3.5部、及び、ペン
タメチルジエチレントリアミン8.5部を添加して撹拌しながら、温度110℃で重合反応を行った。所望の分子量となったところで反応を停止して、メタノール250.0部で再沈殿、濾過、精製し、未反応のスチレン及び触媒を除去した。その後、50℃に設定した真空乾燥機で乾燥して、結晶性のポリエステル部位と非晶性のビニルポリマー部位とが結合した結晶性樹脂1を得た。結晶性樹脂1は、セバシン酸及び1,9−ノナンジオールに由来する、式(1)及び(2)で示されるユニットを有していた。
<結晶性樹脂2〜13の製造>
表1に示すような原料に変更すること以外は結晶性樹脂1の製造方法と同様にして、結晶性のポリエステル部位と非晶性のビニルポリマー部位とが結合した結晶性樹脂2〜13を得た。得られた結晶性樹脂は、表1で用いる酸モノマー及びアルコールモノマーに由来する、式(1)及び(2)で示されるユニットを有していた。
<結晶性樹脂14の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、キシレン50.0質量部を140℃で還流させた。そこにスチレン100.0部、2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)8.6部を混合したものを3時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに3時間反応させた。その後、160℃、1hPaにて、キシレン及び残存スチレンを留去しビニルポリマー(1)を得た。
次いで、撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に上記で得られたビニルポリマー(1)100.0部、有機溶媒としてキシレン50.0部、セバシン酸48.4部、1,12−ドデカンジオール51.6部、エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7部を加えて、窒素雰囲気下、160℃で5時間反応させた。その後、180℃で4時間反応させ、さらに180℃、1hPaで所望の分子量となるまで反応させて結晶性樹脂14を得た。
<結晶性樹脂15の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、セバシン酸100.0部及び、1,9−ノナンジオール83.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7部を加えた後、温度160℃に昇温し5時間かけて縮重合する。その後、温度180℃に昇温し、減圧させながら所望の分子量となるまで反応させて結晶性樹脂15を得た。
<結晶性樹脂16の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、セバシン酸100.0部及び、1,9−ノナンジオール83.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7部を加えた後、温度160℃に昇温し5時間かけて縮重合する。その後、温度180℃に昇温し、減圧させながら所望の分子量となるまで反応させて結晶性樹脂16を得た。
得られた結晶性樹脂1〜16の物性を表2に示す。結晶性樹脂1〜16は、示差走査熱量分析装置による比熱変化測定の可逆比熱変化曲線において、明確な吸熱ピーク(融点)を有することが確認された。
Figure 2017040843
Figure 2017040843
<非晶性樹脂B1の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、無水トリメリット酸以外の原材料モノマーを表3に示したmol比率で混合した混合物100.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。その後、エステル化触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52部を加え、温度200℃に昇温し6時間かけて縮重合する。さらに、表3に示すmol比率で無水トリメリット酸を添加し、窒素導入ライン、脱水ライン、攪拌機を装備した重合タンクに入れ、40kPaの減圧下にて所望の分子量になるまで縮合反応を行い、非晶性樹脂B1を得た。
<非晶性樹脂B2〜9の製造>
表3の原材料モノマー仕込み量及び重縮合反応の温度条件にて、非晶性樹脂B1と同様
の操作を行い、非晶性樹脂B2〜9を製造した。
Figure 2017040843
なお、表中のイソソルビドとは、下記式(4)の構造を持つ化合物である。
Figure 2017040843

また、表中のTPAはテレフタル酸、IPAはイソフタル酸、TMAは無水トリメリット酸、BPA(PO)はビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物、BPA(EO)はビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物を表す。
<非晶性樹脂B10の製造>
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、スチレン100.0部、メタクリル酸メチル3.0部、メタクリル酸5.0部、トルエン50.0部、t−ブチルパーオキシピバレート6.0部を添加した。その後、前記容器内を毎分200回転で撹拌し、70℃に加熱しながら10時間撹拌を続け、重合した。さらに、95℃に加熱して8時間撹拌し、溶媒を除去させて非晶性樹脂B10を得た。
得られた非晶性樹脂B1〜10の物性を表3に示す。
<トナー1の製造>
下記の材料をビーカーに入れ、プロペラ式攪拌装置にて撹拌速度100rpmで撹拌しながら、混合して混合液を調製した。
・スチレン 67.5部
・n−ブチルアクリレート 22.5部
・ピグメントブルー15:3 6.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物 1.0部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
・離型剤 パラフィンワックス 7.0部
(HNP−9:日本精鑞製 融点75℃)
・非晶性樹脂B1 5.0部
・結晶性樹脂1 10.0部
その後、混合液を65℃に加温し、モノマー組成物を得た。
次いで、高速撹拌装置TK−ホモミキサー(特殊機化工業製)を備えた容器に、イオン交換水800部とリン酸三カルシウム15.5部を添加し、回転数を15000回転/分に調整し、70℃に加温して水系媒体を調製した。
その後、水系媒体の温度を70℃、撹拌装置の回転数を15000回転/分に保ちながら、該水系媒体中に該モノマー組成物を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま該撹拌装置にて15000回転/分を維持しつつ20分間の造粒工程を行った。その後、高速撹拌装置からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を代え、150回転/分で攪拌しながら70℃を保持して6.0時間重合を行ってスチレンアクリル樹脂を生成し、100℃に昇温して4時間加熱することで、溶剤及び未反応モノマーの除去を行った。
重合反応終了後、該スラリーを冷却し、冷却されたスラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100.0部に対して、外添剤として、シリカ微粉体に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m/g)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で、撹拌速度3000rpmで15分間混合して、トナー1を得た。
<トナー2〜20、22〜29の製造>
表4に示すように、モノマーの種類と部数、非晶性樹脂Bの種類及び結晶性樹脂の種類を変更すること以外はトナー1の製造方法と同様にしてトナー2〜20、22〜29を得た。
Figure 2017040843
なお、表中のt‐BAはt‐ブチルアクリレート、n‐BAはn‐ブチルアクリレート、PAはプロピルアクリレートを意味する。
<トナー21の製造>
(非晶性樹脂A分散液の調製)
・スチレン 75.0部
・n−ブチルアクリレート 25.0部
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)1.5部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)2.2部をイオン交換水120.0部に溶解したものに、分散、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.5部を溶解したイオン交換水10.0部を投入した。更に、窒素置換を行った後、撹拌しながら内容物が温度70℃になるまで加熱し、4時間そのまま乳化重合を継続した。その後、固形分濃度が20.0質量%になるようイオン交換水の量を調整し、平均粒径が0.29μmである非晶性樹脂Aを分散させてなる非晶性樹脂A分散液を調製した。
該非晶性樹脂A分散液の一部について遠心分離を行って固形分を回収した後に乾燥を行い、非晶性樹脂A5を得た。
(結晶性樹脂分散液の調製)
・結晶性樹脂1 50.0部
・アニオン性界面活性剤 7.0部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 200.0部
以上を温度95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT5
0)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理した。その後、固形分濃度が20.0質量%になるようイオン交換水の量を調整し、結晶性樹脂1を分散させてなる結晶性樹脂分散液を調製した。
(非晶性樹脂B分散液)
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、非晶性樹脂B1(100.0部)とメチルエチルケトン50.0部、テトラヒドロフラン50.0部、ジメチルアミノエタノール(DMAE)2.0部を仕込み、50℃に加熱して溶解した。
次いで、撹拌下、50℃のイオン交換水300.0部を添加して水分散させた後、得られた水分散体を蒸留装置に移し、留分温度が100℃に達するまで蒸留を行った。
冷却後、得られた水分散体にイオン交換水を加え、分散液中の樹脂濃度が20.0質量%になるように調整した。得られた非晶性樹脂B1の分散液を非晶性樹脂B分散液とした。
(着色剤分散液の調製)
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 20.0部
・アニオン性界面活性剤 3.0部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 78.0部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。その後、固形分濃度が20.0質量%になるようイオン交換水の量を調整し、この着色剤分散液における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる着色剤の平均粒径は、0.20μmであり、また1.00μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
(ワックス分散液の調製)
・炭化水素ワックス 50.0部
(HNP−9:日本精鑞製 融点75℃)
・アニオン性界面活性剤 7.0部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 200.0部
以上を温度95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理した。その後、固形分濃度が20.0質量%になるようイオン交換水の量を調整し、平均粒径が0.50μmであるワックスを分散させてなるワックス粒子分散液を調製した。
(荷電制御粒子分散液の調製)
・ジ−アルキル−サリチル酸の金属化合物 5.0部
(負荷電性制御剤、ボントロンE−84、オリエント化学工業社製)
・アニオン性界面活性剤 3.0部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 78.0部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。その後、固形分濃度が5.0質量%になるようイオン交換水の量を調整した。
(混合液の調製)
・非晶性樹脂A分散液 90.0部
・非晶性樹脂B分散液 5.0部
・結晶性樹脂分散液 10.0部
・着色剤分散液 6.0部
・ワックス分散液 7.0部
以上を、撹拌装置,冷却管,温度計を装着した1リットルのセパラブルフラスコに投入し撹拌した。この混合液を1モル/L−水酸化カリウムを用いてpH=5.2に調整した

この混合液に凝集剤として、8.0質量%塩化ナトリウム水溶液120.0部を滴下し、撹拌しながら温度55℃まで加熱した。この温度の時、荷電制御粒子分散液2.0部を加えた。温度55℃で2時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が3.3μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
その後、ここにアニオン製界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3.0部を追加した後、撹拌を継続しながら温度95℃まで加熱し、4.5時間保持した。該スラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100.0部に対して、外添剤として、シリカ微粉体に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m/g)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で、撹拌速度3000rpmで15分間混合して、トナー21を得た。
<トナー30及び31の製造>
トナー21の製造において、結晶性樹脂1のかわりに結晶性樹脂16、非晶性樹脂B1のかわりに非晶性樹脂B10を用いる以外はトナー21と同様にして製造し、トナー30得た。また、トナー21の製造において、非晶性樹脂B1のかわりに非晶性樹脂B10を用いる以外はトナー21と同様にして製造し、トナー31得た。
<トナー32の製造>
・非晶性樹脂A4 (後述) 90.0部
・非晶性樹脂B10 5.0部
・結晶性樹脂16 10.0部
・離型剤 パラフィンワックス 7.0部
(HNP−9:日本精鑞製 融点75℃)
・ピグメントブルー15:3 6.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物 1.0部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
・酢酸エチル 200.0部
上記成分をボールミルにて10時間混合分散させ、得られた分散液を、リン酸三カルシウム3.5質量%を含むイオン交換水2000部に投入し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーにて回転数を15000回転/分で10分間造粒を行った。その後、スリーワンモーターにて150回転/分で撹拌しながらウォーターバス中において75℃に4時間保持し、脱溶剤を行った。該スラリーを冷却し、冷却されたスラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100.0部に対して、外添剤として、シリカ微粉体に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m2/g)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で撹拌速度3000rpmで15分間混合して、トナー32を得た。
<トナー33の製造>
トナー32の製造において、非晶性樹脂B10のかわりに非晶性樹脂B1を、結晶性樹脂16のかわりに結晶性樹脂1を用いた以外は同様にして製造し、トナー33を得た。
<非晶性樹脂A1〜3の製造>
トナー1、トナー22、トナー23の製造方法において、ピグメントブルー15:3、離型剤、非晶性樹脂B1、結晶性樹脂1を用いない以外は、トナー1、トナー22、トナー23の製造方法と同様にして重合反応を行い、冷却、リン酸カルシウム塩の溶解、洗浄
、ろ過、乾燥を行って作製した樹脂を、それぞれ非晶性樹脂A1、非晶性樹脂A2、非晶性樹脂A3とした。
<非晶性樹脂A4の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、下記材料を入れた。
・テレフタル酸 1.0mol
・イソフタル酸 1.0mol
・ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物 2.0mol
その後、撹拌しながら温度130℃まで加熱し、エステル化触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52部を加え、温度200℃に昇温し6時間かけて縮重合する。さらに、無水トリメリット酸0.045molを添加し、窒素導入ライン、脱水ライン、攪拌機を装備した重合タンクに入れ、40kPaの減圧下にて所望の分子量になるまで縮合反応を行い、非晶性樹脂A4を得た。
非晶性樹脂A1〜5の物性を表5に示した。
Figure 2017040843
<各トナーにおける該相溶化度A及び該相溶化度Bの測定>
得られた各トナーの、非晶性樹脂A、非晶性樹脂B及び結晶性樹脂を用いて、前述の方法に従って、該相溶化度A及び該相溶化度Bを測定した。トナー1〜33の物性と該相溶化度A及び該相溶化度Bの結果を表6に示す。
Figure 2017040843
<実施例1〜24、比較例1〜9>
得られた各トナーについて以下の方法に従って性能評価を行った。
[定着性]
定着ユニットを外したカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を用意し、シアンカートリッジからトナーを取り出して、代わりに評価するトナーを充填した。次いで、受像紙(キヤノン製オフィスプランナー 64g/m)上に、充填したトナーを用いて、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(0.9mg/cm)を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。次いで、取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードを調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。
まず、常温常湿環境下(23℃、60%RH)、プロセススピードを230mm/s、定着線圧27.4kgfに設定し、初期温度を110℃として設定温度を5℃ずつ順次昇温させながら、各温度で上記未定着画像の定着を行った。
低温定着性の評価基準は以下の通りである。低温側定着開始点とは、画像の表面を4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけたシルボン紙(ダスパー K−3)で0.2m
/秒の速度で5回摺擦したときに、直径150μm以上の画像剥がれが3個以内である最低温度のことである。定着がしっかり行われない場合には、上記画像剥がれは増える傾向にある。
(評価基準)
A:低温側定着開始点が115℃以下(低温定着性が特に優れている)
B:低温側定着開始点が120℃又は125℃(低温定着性に優れている)
C:低温側定着開始点が130℃又は135℃(低温定着性が良い)
D:低温側定着開始点が140℃又は145℃(低温定着性にやや劣る)
E:低温側定着開始点が150℃以上(低温定着性に劣る)
[現像性]
市販のカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を、一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改造して評価を行った。このカラーレーザープリンターに搭載されていたシアンカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、代わりに評価するトナー(300g)を充填した。常温常湿下(23℃、60%RH)、受像紙として、キヤノン製オフィスプランナー(64g/m)を用い、印字率2%チャートを500枚連続して画出しした。画出し後、さらにハーフトーン画像を出力し、該ハーフトーン画像における画像スジの有無、及び現像ローラ上の融着物の有無について観察し、以下のように現像性を評価した。
(評価基準)
A:現像ローラ上とハーフトーン部の画像上に、現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。(現像性に特に優れる)
B:現像ローラ上に、細いスジが1〜3本あるものの、ハーフトーン部の画像上に現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。(現像性に優れる)
C:現像ローラ上に、細いスジが4〜6本あるものの、ハーフトーン部の画像上に現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。(現像性が良い)
D:現像ローラ上に、細いスジが7〜9本あり、ハーフトーン部の画像上に目視可能な現像スジが見られる。(現像性にやや劣る)
E:現像ローラ上とハーフトーン部の画像上に10本以上の顕著な現像スジが見られる。(現像性に劣る)
また、常温高湿下(23℃、80%RH)において、上記した手順と同じように現像性の評価を行い、上記した現像性の評価と同じ基準に従って高湿環境下における現像性を評価した。
[耐熱性]
5.0gのトナーを100mlのポリカップに入れ、温度50℃/湿度10%RHで10日間放置した後に、トナーの凝集度を以下のようにして測定し、下記の基準にて評価を行った。
測定装置としては、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)の振動台側面部分に、デジタル表示式振動計「デジバイブロ MODEL 1332A」(昭和測器社製)を接続したものを用いた。そして、パウダーテスターの振動台上に下から、目開き38μm(400メッシュ)の篩、目開き75μm(200メッシュ)の篩、目開き150μm(100メッシュ)の篩の順に重ねてセットした。測定は、23℃、60%RH環境下で、以下の様にして行った。
(1)デジタル表示式振動計の変位の値を0.60mm(peak−to−peak)になるように振動台の振動幅を予め調整した。
(2)上記放置したトナー5gを精秤し、最上段の目開き150μmの篩上に静かにのせた。
(3)篩を15秒間振動させた後、各篩上に残ったトナーの質量を測定して、下式にもとづき凝集度を算出した。
凝集度(%)={(目開き150μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100
+{(目開き75μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.6
+{(目開き38μmの篩上の試料質量(g))/5(g)}×100×0.2
評価基準は下記の通り。
A:凝集度が20%未満(耐熱性が特に優れている)
B:凝集度が20%以上25%未満(耐熱性が優れている)
C:凝集度が25%以上30%未満(耐熱性が良い)
D:凝集度が30%以上35%未満(耐熱性にやや劣る)
E:凝集度が35%以上(耐熱性に劣る)
結果を表7に示した。
Figure 2017040843

Claims (6)

  1. 非晶性樹脂A及び結晶性樹脂を含有するコアと、非晶性樹脂Bを含有するシェルを有するコアシェル構造のトナー粒子を有するトナーであって、
    該非晶性樹脂Aがスチレンアクリル系樹脂を含有し、
    該スチレンアクリル系樹脂の含有量が、該非晶性樹脂Aの全量に対して50質量%以上であり、
    下記式(X)で求められる、該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂の相溶化度Aが、50%以上100%以下であり、
    下記式(Y)で求められる、該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂の相溶化度Bが、0%以上40%以下であることを特徴とするトナー。
    相溶化度A(%)=100−(100×ΔH(A))/(ΔH(C)×C/100) (X)
    相溶化度B(%)=100−(100×ΔH(B))/(ΔH(C)×D/100) (Y)
    (式(X)、(Y)中、
    ΔH(A)は、示差走査熱量分析における、該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂との混合樹脂Aの発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
    ΔH(C)は、示差走査熱量分析における該結晶性樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
    Cは、該混合樹脂Aにおける該結晶性樹脂の質量比率(%)を示す。
    ΔH(B)は、示差走査熱量分析における、該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂との混合樹脂Bの発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
    Dは、該混合樹脂Bにおける該結晶性樹脂の質量比率(%)を示す。)
  2. 該結晶性樹脂が、結晶性のポリエステル部位と、非晶性のビニルポリマー部位とが結合したブロックポリマーである請求項1に記載のトナー。
  3. 該結晶性のポリエステル部位と該非晶性のビニルポリマー部位との質量比率が、30:70〜70:30である請求項2に記載のトナー。
  4. 該結晶性樹脂が、下記式(1)で示されるユニット及び下記式(2)で示されるユニットを有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
    Figure 2017040843

    [式(1)中、nは、6以上16以下の整数を示す。]
    Figure 2017040843

    [式(2)中、mは、6以上14以下の整数を示す。]
  5. 該非晶性樹脂Bが、下記式(3)で示されるイソソルビドユニットを0.1mol%以上30.0mol%以下有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
    Figure 2017040843
  6. 該トナー粒子が、該非晶性樹脂Aを構成するモノマー、該非晶性樹脂B及び該結晶性樹脂を含有するモノマー組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該モノマー組成物の該粒子に含まれる該非晶性樹脂Aを構成するモノマーを重合させることにより得られたトナー粒子である請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
JP2015163399A 2015-08-21 2015-08-21 トナー Active JP6587456B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015163399A JP6587456B2 (ja) 2015-08-21 2015-08-21 トナー
US15/234,497 US9785071B2 (en) 2015-08-21 2016-08-11 Toner and method for producing toner
DE102016009869.4A DE102016009869B4 (de) 2015-08-21 2016-08-12 Toner und Herstellverfahren für Toner
CN201610674963.9A CN106468863B (zh) 2015-08-21 2016-08-16 调色剂和调色剂的生产方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015163399A JP6587456B2 (ja) 2015-08-21 2015-08-21 トナー

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017040843A true JP2017040843A (ja) 2017-02-23
JP2017040843A5 JP2017040843A5 (ja) 2018-09-27
JP6587456B2 JP6587456B2 (ja) 2019-10-09

Family

ID=57961566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015163399A Active JP6587456B2 (ja) 2015-08-21 2015-08-21 トナー

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9785071B2 (ja)
JP (1) JP6587456B2 (ja)
CN (1) CN106468863B (ja)
DE (1) DE102016009869B4 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018180188A (ja) * 2017-04-10 2018-11-15 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用コアシェル型トナー

Families Citing this family (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6797660B2 (ja) 2016-01-08 2020-12-09 キヤノン株式会社 トナーの製造方法
JP2017156542A (ja) * 2016-03-02 2017-09-07 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
JP6887833B2 (ja) 2016-03-18 2021-06-16 キヤノン株式会社 トナー及びトナーの製造方法
JP6808542B2 (ja) 2016-03-18 2021-01-06 キヤノン株式会社 トナー及びトナーの製造方法
US9964879B2 (en) 2016-03-18 2018-05-08 Canon Kabushiki Kaisha Toner and method for producing toner
JP6727872B2 (ja) 2016-03-18 2020-07-22 キヤノン株式会社 トナー及びトナーの製造方法
JP6855289B2 (ja) 2016-03-18 2021-04-07 キヤノン株式会社 トナー及びトナーの製造方法
JP2017191312A (ja) 2016-04-11 2017-10-19 キヤノン株式会社 トナー
JP7062373B2 (ja) 2016-04-19 2022-05-06 キヤノン株式会社 トナー
US10216107B2 (en) 2017-01-11 2019-02-26 Canon Kabushiki Kaisha Toner and method of producing toner
US10295920B2 (en) 2017-02-28 2019-05-21 Canon Kabushiki Kaisha Toner
US10303075B2 (en) 2017-02-28 2019-05-28 Canon Kabushiki Kaisha Toner
US10503090B2 (en) 2017-05-15 2019-12-10 Canon Kabushiki Kaisha Toner
US10416582B2 (en) 2017-11-07 2019-09-17 Canon Kabushiki Kaisha Toner and method for producing toner
JP7005289B2 (ja) 2017-11-07 2022-02-10 キヤノン株式会社 トナー
CN110597032B (zh) 2018-06-13 2024-03-19 佳能株式会社 调色剂
US10732530B2 (en) 2018-06-13 2020-08-04 Canon Kabushiki Kaisha Toner and method for producing toner
US10877388B2 (en) 2018-06-13 2020-12-29 Canon Kabushiki Kaisha Toner
US10877390B2 (en) * 2018-08-02 2020-12-29 Canon Kabushiki Kaisha Toner
JP7210222B2 (ja) 2018-10-19 2023-01-23 キヤノン株式会社 トナー
US10948839B2 (en) 2018-10-30 2021-03-16 Canon Kabushiki Kaisha Toner having a toner particle with a binder resin containing a copolymer of a styrenic polymerizable monomer, and at least one of an acrylic or methacrylic polymerizable monomer
JP7150564B2 (ja) 2018-10-30 2022-10-11 キヤノン株式会社 トナー及びトナーの製造方法
JP7286314B2 (ja) 2018-12-28 2023-06-05 キヤノン株式会社 トナー
JP7443047B2 (ja) 2018-12-28 2024-03-05 キヤノン株式会社 トナー
JP7391658B2 (ja) 2018-12-28 2023-12-05 キヤノン株式会社 トナー
EP3674802B1 (en) 2018-12-28 2022-05-18 Canon Kabushiki Kaisha Toner and toner manufacturing method
JP7267740B2 (ja) 2018-12-28 2023-05-02 キヤノン株式会社 トナー
JP7309481B2 (ja) 2019-07-02 2023-07-18 キヤノン株式会社 トナー
JP7336293B2 (ja) 2019-07-25 2023-08-31 キヤノン株式会社 トナー
JP7328048B2 (ja) 2019-07-25 2023-08-16 キヤノン株式会社 トナー
JP7321810B2 (ja) 2019-07-25 2023-08-07 キヤノン株式会社 トナー
JP7330821B2 (ja) 2019-08-29 2023-08-22 キヤノン株式会社 トナー
US11599036B2 (en) 2019-08-29 2023-03-07 Canon Kabushiki Kaisha Toner
JP7463086B2 (ja) 2019-12-12 2024-04-08 キヤノン株式会社 トナー
JP7433923B2 (ja) 2020-01-16 2024-02-20 キヤノン株式会社 画像形成方法及び画像形成装置
JP7458915B2 (ja) 2020-06-25 2024-04-01 キヤノン株式会社 トナー

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006301618A (ja) * 2005-03-25 2006-11-02 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、及びその製造方法
JP2012255957A (ja) * 2011-06-10 2012-12-27 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電荷像現像用トナー
JP2014142632A (ja) * 2012-12-28 2014-08-07 Canon Inc トナー
CN104102098A (zh) * 2013-04-03 2014-10-15 佳能株式会社 调色剂颗粒的制造方法
JP2015004831A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
JP2015007692A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
US20150056549A1 (en) * 2013-08-26 2015-02-26 Canon Kabushiki Kaisha Toner
JP2015049320A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 花王株式会社 静電荷像現像用トナー
JP2015121661A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
JP2015127806A (ja) * 2013-11-29 2015-07-09 キヤノン株式会社 トナー
JP2015127807A (ja) * 2013-11-29 2015-07-09 キヤノン株式会社 トナー
JP2017032660A (ja) * 2015-07-29 2017-02-09 キヤノン株式会社 トナー、トナーの製造方法

Family Cites Families (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE60115161T2 (de) 2000-07-28 2006-07-13 Canon K.K. Toner, Bildherstellungsverfahren, Prozesskartusche
JP4603959B2 (ja) 2004-09-13 2010-12-22 キヤノン株式会社 トナー
US20100160548A1 (en) * 2006-09-15 2010-06-24 Bart Adrianus Johannes Noordover Process for the production of a dianhydrohexitol based polyester
WO2008069045A1 (ja) 2006-11-30 2008-06-12 Canon Kabushiki Kaisha 色素化合物及び該色素化合物を含有するイエロートナー
EP2058705B1 (en) 2007-11-08 2015-09-09 Canon Kabushiki Kaisha Toner and image forming process
JP5079020B2 (ja) 2008-01-10 2012-11-21 キヤノン株式会社 イエロートナー
EP3009888B1 (en) 2008-02-26 2017-12-13 Canon Kabushiki Kaisha Toner
JP5506325B2 (ja) 2009-10-22 2014-05-28 キヤノン株式会社 トナー
JP5507299B2 (ja) 2010-03-18 2014-05-28 花王株式会社 電子写真用トナー
JP4927221B2 (ja) 2010-05-12 2012-05-09 キヤノン株式会社 トナー
JP5825849B2 (ja) 2010-06-15 2015-12-02 キヤノン株式会社 トナーの製造方法
JP5921109B2 (ja) 2010-08-23 2016-05-24 キヤノン株式会社 トナー
JP4999997B2 (ja) 2010-08-27 2012-08-15 キヤノン株式会社 アゾ化合物、該アゾ化合物を含有する顔料分散剤、顔料組成物、顔料分散体及びトナー
EP2615142A4 (en) 2010-09-07 2015-07-01 Canon Kk AZO COMPOUND AND PIGMENT DISPERSIBILITY, PIGMENT COMPOSITION, PIGMENT DISPERSION AND TONER WITH THE AZO COMPOUND
JP6000660B2 (ja) 2011-06-03 2016-10-05 キヤノン株式会社 トナーおよび該トナーの製造方法
KR101494571B1 (ko) 2011-06-03 2015-02-17 캐논 가부시끼가이샤 토너
KR101600160B1 (ko) 2011-06-03 2016-03-04 캐논 가부시끼가이샤 토너
JP2013068911A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像トナー用ポリエステル樹脂、静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
US8815484B2 (en) 2011-10-12 2014-08-26 Canon Kabushiki Kaisha Toner including compound having bisazo skeleton
RU2014139009A (ru) 2012-02-29 2016-04-20 Кэнон Кабусики Кайся Черный тонер, содержащий соединение, имеющее азокаркас
JP5950391B2 (ja) * 2012-05-01 2016-07-13 花王株式会社 トナー用結着樹脂
US9429860B2 (en) 2013-05-22 2016-08-30 Canon Kabushiki Kaisha Toner production method
CN104678725B (zh) 2013-11-29 2018-11-20 佳能株式会社 调色剂
US9500972B2 (en) 2013-11-29 2016-11-22 Canon Kabushiki Kaisha Toner
CN104678723B (zh) 2013-11-29 2018-11-27 佳能株式会社 调色剂
US10114303B2 (en) 2014-02-28 2018-10-30 Canon Kabushiki Kaisha Toner
US9575424B2 (en) 2014-03-12 2017-02-21 Canon Kabushiki Kaisha Method of producing a toner particle
JP6525736B2 (ja) 2014-06-20 2019-06-05 キヤノン株式会社 トナー
JP6643111B2 (ja) 2015-02-25 2020-02-12 キヤノン株式会社 トナー
US9952523B2 (en) 2015-02-25 2018-04-24 Canon Kabushiki Kaisha Toner and toner production method

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006301618A (ja) * 2005-03-25 2006-11-02 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、及びその製造方法
JP2012255957A (ja) * 2011-06-10 2012-12-27 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電荷像現像用トナー
JP2014142632A (ja) * 2012-12-28 2014-08-07 Canon Inc トナー
CN104102098A (zh) * 2013-04-03 2014-10-15 佳能株式会社 调色剂颗粒的制造方法
JP2014211632A (ja) * 2013-04-03 2014-11-13 キヤノン株式会社 トナー粒子の製造方法
JP2015004831A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
JP2015007692A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
US20150056549A1 (en) * 2013-08-26 2015-02-26 Canon Kabushiki Kaisha Toner
JP2015064566A (ja) * 2013-08-26 2015-04-09 キヤノン株式会社 トナー
JP2015049320A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 花王株式会社 静電荷像現像用トナー
JP2015127806A (ja) * 2013-11-29 2015-07-09 キヤノン株式会社 トナー
JP2015127807A (ja) * 2013-11-29 2015-07-09 キヤノン株式会社 トナー
JP2015121661A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
JP2017032660A (ja) * 2015-07-29 2017-02-09 キヤノン株式会社 トナー、トナーの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018180188A (ja) * 2017-04-10 2018-11-15 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用コアシェル型トナー

Also Published As

Publication number Publication date
DE102016009869A1 (de) 2017-02-23
JP6587456B2 (ja) 2019-10-09
US20170052465A1 (en) 2017-02-23
CN106468863A (zh) 2017-03-01
US9785071B2 (en) 2017-10-10
DE102016009869B4 (de) 2021-09-16
CN106468863B (zh) 2020-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6587456B2 (ja) トナー
JP6410579B2 (ja) トナー
JP6278801B2 (ja) トナー粒子の製造方法
JP6245980B2 (ja) トナー
JP6525736B2 (ja) トナー
JP6739982B2 (ja) トナー
JP5541706B2 (ja) トナー
JP2013257415A (ja) トナー
JP6822081B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2016180953A (ja) 静電潜像現像用トナー
JP6562775B2 (ja) トナー及びトナーの製造方法
US10168631B2 (en) Electrostatic image developing toner and production method of electrostatic image developing toner
JP2020064221A (ja) 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法
JP6355455B2 (ja) トナー粒子の製造方法
JP6679926B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP6570362B2 (ja) トナー、トナーの製造方法
JP6512074B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP6692121B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP6812756B2 (ja) トナーの製造方法
JP2018120166A (ja) 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2018049169A (ja) 静電潜像現像用トナー
JP2017003860A (ja) トナーの製造方法
JP6501613B2 (ja) トナーの製造方法
JP2018077314A (ja) トナーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180816

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180816

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20181116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190813

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190910

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6587456

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151