JP2015007692A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温定着性、耐熱保管性、耐高温オフセット性および帯電安定性を両立して得ることができる静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【解決手段】 静電荷像現像用トナーは、ビニル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなる結晶性樹脂によるコア粒子と、当該コア粒子を被覆する、ビニル樹脂によるシェル層とからなるコア−シェル構造のトナー粒子よりなり、前記コア粒子を構成する結晶性樹脂の、当該コア粒子を構成する樹脂全量における含有割合が70〜100質量%であり、前記コア粒子を構成する結晶性樹脂におけるビニル重合セグメントの含有割合が5〜30質量%であり、前記シェル層を構成するビニル樹脂が、少なくとも酸基を有する重合性単量体から合成されてなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
従来、電子写真方式の画像形成方法において、紙などの記録材上に静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)によって形成されたトナー像を定着する手法としては、例えば、トナー像が形成された記録材を、加熱ローラと加圧ローラの間を通過させて定着する熱ローラ定着方式が広く利用されている。この熱ローラ定着方式の定着方法における定着性、すなわち記録材に対するトナーの接着性を確保するために、加熱ローラにはある程度高い熱量を有することが必要とされている。
然るに、近年、地球環境の温暖化防止対策の要請により、熱ローラ定着方式を採用している画像形成装置においても省エネルギー化が要求されており、このような要求に対応するために、トナー像の定着に必要とされる熱量を低減させる技術が検討されている。
例えば、結着樹脂として結晶性樹脂と非晶性樹脂とを組み合わせて用いることによってトナーの低温定着性を向上させる技術が提案されている(特許文献1)。また、結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を用いることによって低温定着性を向上させることが提案されている(特許文献2)。また、結着樹脂として架橋された結晶性ポリエステル樹脂を用いたトナー(特許文献3)や、結晶性ポリエステル樹脂として不飽和カルボン酸に由来の二重結合を導入したものを用いて、ビニル樹脂と乳化重合させる工程を含んで製造されたトナー(特許文献4)などが提案されている。
しかしながら、特許文献1に開示されたトナーにおいては、十分な低温定着性が得られない。また、特許文献2に開示されたトナーにおいては、低温定着性は有利に得られるものの、高温時の弾性が小さいために、高温オフセットを生じてしまう。また、特許文献3に開示されたトナーにおいては、耐高温オフセット性は得られるものの、結晶性ポリエステル樹脂がトナー粒子の表面に露出されていることによって帯電安定性が低い。また、特許文献4に開示されたトナーにおいては、ビニル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との結合が十分に形成されているとは言えず、低温定着性と耐高温オフセット性との両立が満足に図れていない。
このように、低温定着性、耐熱保管性および耐高温オフセット性を両立して得ながら、さらに帯電安定性を得ることは困難であった。
特開2011−145587号公報 特開2004−177496号公報 特開2001−117268号公報 特開2011−118362号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、低温定着性、耐熱保管性、耐高温オフセット性および帯電安定性を両立して得ることができる静電荷像現像用トナーを提供することにある。
本発明の静電荷像現像用トナーは、ビニル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなる結晶性樹脂によるコア粒子と、当該コア粒子を被覆する、ビニル樹脂によるシェル層とからなるコア−シェル構造のトナー粒子よりなり、
前記コア粒子を構成する結晶性樹脂の、当該コア粒子を構成する樹脂全量における含有割合が70〜100質量%であり、
前記コア粒子を構成する結晶性樹脂におけるビニル重合セグメントの含有割合が5〜30質量%であり、
前記シェル層を構成するビニル樹脂が、少なくとも酸基を有する重合性単量体から合成されてなることを特徴とする。
前記コア粒子を構成する結晶性樹脂におけるビニル重合セグメント、および、前記シェル層を構成するビニル樹脂が、各々、スチレン−アクリル共重合体からなることが好ましい。
前記結晶性樹脂におけるビニル重合セグメントを構成するスチレン−アクリル共重合体が、下記一般式(1)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来の構造単位を有することが好ましい。
一般式(1):H2 C=CR1 −COOR2
〔式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2 は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕
前記ビニル樹脂を構成するスチレン−アクリル共重合体が、前記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来の構造単位を有することが好ましい。
前記コア粒子が、ビニル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなる結晶性樹脂からなるマトリクス相中に、ビニル樹脂がドメイン相として分散されてなるドメイン−マトリクス構造を有することが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーによれば、ビニル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなる結晶性樹脂によるコア粒子と、当該コア粒子を被覆する、ビニル樹脂によるシェル層とからなるコア−シェル構造のトナー粒子よりなるために、低温定着性、耐熱保管性、耐高温オフセット性および帯電安定性を両立して得ることができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のトナーは、ビニル重合セグメントと結晶性のポリエステル重合セグメントとが結合してなる結晶性樹脂(以下、「ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂」ともいう。)によるコア粒子と、当該コア粒子を被覆する、ビニル樹脂によるシェル層とからなるコア−シェル構造のトナー粒子よりなる。
詳細には、コア粒子を構成するビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の、当該コア粒子を構成する樹脂全量における含有割合が70〜100質量%であり、このビニル変性結晶性ポリエステル樹脂におけるビニル重合セグメントの含有割合が5〜30質量%であり、かつ、シェル層を構成するビニル樹脂が、少なくとも酸基を有する重合性単量体から合成されてなることを特徴とするものである。
以上のようなトナーによれば、ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂によるコア粒子と、当該コア粒子を被覆する、ビニル樹脂によるシェル層とからなるコア−シェル構造のトナー粒子よりなるために、低温定着性、耐熱保管性、耐高温オフセット性および帯電安定性を両立して得ることができる。
この理由は、以下の通りであると考えられる。すなわち、コア粒子がビニル変性結晶性ポリエステル樹脂よりなるために、当該ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のポリエステル重合セグメントによって優れた低温定着性が得られると共に、ビニル重合セグメントの熱定着時に発揮される弾性によって耐高温オフセット性が得られる。また、シェル層がビニル樹脂よりなるために、優れた帯電安定性が得られると共に、トナーの保管時においてコア粒子に非相溶であるために耐熱保管性が得られる。さらに、シェル層を構成するビニル樹脂のコア粒子を構成するビニル変性結晶性ポリエステル樹脂への親和性が高いために、コア粒子に対するシェル層の接着性が高く、その結果、前記の帯電安定性および耐熱保管性が長期間にわたって得られる。
〔コア粒子〕
本発明に係るトナー粒子を構成するコア粒子には、ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂が含有されており、その他の樹脂が含有されていてもよい。
〔ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂〕
コア粒子を構成するビニル変性結晶性ポリエステル樹脂は、当該コア粒子を構成する樹脂全量における含有割合が70〜100質量%、好ましくは80〜95質量%とされている。
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の含有割合が70質量%以上であることによって、十分な低温定着性を得ることができる。
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂は、ビニル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなる結晶性樹脂である。
本発明において、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。明確な吸熱ピークとは、具体的には、示差走査熱量測定(DSC)において、昇温速度10℃/minで測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。
〔ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の融点〕
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の融点は、60〜90℃であることが好ましく、より好ましくは65〜85℃である。
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の融点が上記の範囲にあることにより、十分な低温定着性および優れた耐熱保管性が確実に得られる。
ここに、ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の融点は、具体的には、示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用い、昇降速度10℃/minで0℃から200℃まで昇温する第1昇温過程、冷却速度10℃/minで200℃から0℃まで冷却する冷却過程、および昇降速度10℃/minで0℃から200℃まで昇温する第2昇温過程をこの順に経る測定条件(昇温・冷却条件)によって測定されるものであり、この測定によって得られるDSC曲線に基づいて、第1昇温過程におけるビニル変性結晶性ポリエステル樹脂に由来の吸熱ピークトップ温度を、融点とするものである。測定手順としては、ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、「ダイヤモンドDSC」のサンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。
〔ビニル重合セグメント〕
ビニル重合セグメントは、ビニル基を有する単量体(以下、「ビニル単量体」という。)により形成されたものであり、例えば、スチレン重合体、アクリル重合体、スチレン−アクリル共重合体などからなるものとすることができ、熱定着時に弾性が得られやすいという観点から、スチレン−アクリル共重合体からなることが好ましい。
以下に例示するビニル単量体は、1種単独で、または2種以上を組み合せて使用することができる。
ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレンなどのスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸へプチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸へプチル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸エステル単量体が挙げられる。
ビニル重合セグメントがスチレン−アクリル共重合体からなる場合においては、耐高温オフセット性を確保するために、特に、ビニル単量体として下記一般式(1)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル単量体を用いて形成されることが好ましい。
一般式(1):H2 C=CR1 −COOR2
上記一般式(1)中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2 は炭素数1〜8のアルキル基を示す。
一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸へプチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸へプチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
また、ビニル単量体としては、以下のものを用いることもできる。
・ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど。
・ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど。
・ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど。
・N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど。
・その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体など。
また、ビニル単量体として酸基を有する重合性単量体を用いることが好ましい。酸基を有する重合性単量体とは、例えば、カルボキシ基、スルフォン酸基、リン酸基などのイオン性解離基を有する単量体をいう。具体的には、以下のものがある。
カルボキシ基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなどが挙げられる。また、スルフォン酸基を有する単量体としては、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸などが挙げられる。さらに、リン酸基を有する単量体としてはアシドホスホオキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、ビニル単量体として、多官能性ビニル類を使用し、ビニル重合体を、架橋構造を有するものとすることもできる。多官能性ビニル類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
〔ポリエステル重合セグメント〕
ポリエステル重合セグメントは、1分子中にカルボキシ基を2個以上含有する多価カルボン酸および1分子中に水酸基を2個以上含有する多価アルコールにより形成される結晶性のものであって、具体的には示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。
多価カルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましく、芳香族ジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸としては、ポリエステル重合セグメントに優れた結晶性が得られるという観点から、好ましくはカルボキシ基を含めた主鎖の炭素数が4〜12、特に好ましくは主鎖の炭素数が6〜10である直鎖型の脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましい。
多価カルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、n−ドデシルコハク酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸;ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸;およびこれらの無水物、あるいは炭素数1〜3のアルキルエステルなどが挙げられる。
多価アルコールとしては、脂肪族ジオールを用いることが好ましく、必要に応じて脂肪族ジオール以外のジオールを併用してもよい。
多価アルコールとしては、ポリエステル重合セグメントに優れた結晶性が得られるという観点から、脂肪族ジオールの中でも、主鎖の炭素数が2〜15である直鎖型の脂肪族ジオールを用いることが好ましく、特に、主鎖の炭素数が2〜10である脂肪族ジオールを用いることが好ましい。
多価アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪族ジオールとしては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブテン−1,4−ジオールなどの脂肪族ジオール:グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの3価以上の多価アルコールなどが挙げられる。
〔ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のエステル基濃度〕
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のエステル基濃度は、0.1mmol/g以上7.5mmol/g以下であることが好ましい。
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のエステル基濃度が上記の範囲にあることにより、シェル層を構成するビニル樹脂との相分離性が十分に得られて、確実にコア−シェル構造を有するトナー粒子を得ることができる。
ここで、エステル基濃度は、ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂中のエステル基(エステル結合)の割合であり、水に対する親和性の程度を示し、値が大きい程、水に対する親和性が高いことを示すものである。
本発明において、エステル基濃度は下記式(2)により算出される値である。
式(2):エステル基濃度=[ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂を形成する多価カルボン酸および多価アルコールに含まれるエステル基となりうる部分のモル数の平均/((多価カルボン酸および多価アルコールの分子量の合計)−(脱水重縮合して分離した水の分子量×エステル基のモル数))]×1000
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のエステル基濃度は、用いるモノマー種を選択することによって制御することができる。
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のエステル基濃度の算出例を以下に示す。
下記式(a)で表わされる多価カルボン酸と下記式(b)で表わされる多価アルコールとにより得られるビニル変性結晶性ポリエステル樹脂は下記式(c)で表わされる。
式(a):HOOC−R3 −COOH
式(b):HO−R4 −OH
式(c):−(−OCO−R3 −COO−R4 −)n
『ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂を形成する多価カルボン酸および多価アルコールに含まれるエステル基となりうる部分のモル数の平均』とは、ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂を形成する多価カルボン酸のカルボキシ基のモル数および多価アルコールのヒドロキシル基のモル数の平均であり、具体的には、式(a)の多価カルボン酸のカルボキシ基のモル数「2」と、式(b)の多価アルコールのヒドロキシル基のモル数「2」との平均「2」である。
また、式(a)の多価カルボン酸の分子量をm1、式(b)の多価アルコールの分子量をm2、式(c)のビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の分子量をm3とすると、『(多価カルボン酸および多価アルコールの分子量の合計)−(脱水重縮合して分離した水の分子量×エステル基のモル数)』は、(m1+m2)−(18×エステル基のモル数の平均「2」)となり、従って、式(c)のビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の分子量「m3」となる。
以上より、式(c)で表わされるビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のエステル基濃度は、「2/m3」となる。
また、多価カルボン酸を2種以上、または多価アルコールを2種以上併用する場合には、それぞれの多価カルボン酸のカルボキシ基と分子量の平均および多価アルコールのヒドロキシル基と分子量の平均からなる。
本発明においては、ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂におけるビニル重合セグメントの含有割合は5〜30質量%であり、好ましくは10〜25質量%である。
ビニル重合セグメントの含有割合は、具体的には、ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂を合成するために用いられる樹脂材料の全質量、すなわち、ポリエステル重合セグメントとなる多価カルボン酸および多価アルコールと、ビニル重合セグメントとなるビニル単量体と、これらを結合させるための両反応性モノマーとを合計した全質量に対する、ビニル単量体の質量の割合である。
ビニル重合セグメントの含有割合が5質量%以上であることによって、熱定着時に高弾性成分を十分に得ることができて、確実に優れた耐高温オフセット性が得られる。また、コア粒子とシェル層との接着性を高めることができて長期間にわたって帯電安定性および帯電安定性が得られる。一方、30質量%以下であることによって、低温定着性に寄与するポリエステル重合セグメントの量を確保することができて確実に十分な低温定着性が得られる。
〔ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の分子量〕
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される分子量分布から算出された重量平均分子量(Mw)は5,000〜50,000であることが好ましい。
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)が5,000以上であることによって、熱定着時に高弾性成分を十分に得ることができて、確実に優れた耐高温オフセット性が得られる。一方、重量平均分子量(Mw)が50,000以下であることによって、低温定着性に寄与するポリエステル重合セグメントの量を確保することができて確実に十分な低温定着性が得られる。
GPCによる分子量分布の測定は、以下のように行った。すなわち、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料(ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×102 、2.1×103 、4×103 、1.75×104 、5.1×104 、1.1×105 、3.9×105 、8.6×105 、2×106 、4.48×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成した。また、検出器には屈折率検出器を用いた。
〔ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点〕
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点は、30〜70℃であることが好ましく、より好ましくは35〜60℃である。
ガラス転移点が上記の範囲にあることによって、十分な低温定着性が得られる。
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて測定される値である。
測定手順としては、測定試料(ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂)3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、ホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行い、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点とする。
〔ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の製造方法〕
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂は、ポリエステル重合セグメントとビニル重合セグメントとを両反応性モノマーを介して結合することにより製造することができる。詳細には、ビニル単量体を付加重合させる工程の前、中および後の少なくともいずれかの時点で、多価カルボン酸および多価アルコールを存在させて縮重合反応を行うことによって製造することができる。
具体的には、既存の一般的なスキームを使用することができる。代表的な方法としては、以下の3つが挙げられる。
(1)ビニル重合セグメントを形成するためのビニル単量体の付加重合反応を行った後、ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸および多価アルコールの縮重合反応を行い、必要に応じて架橋剤となる3価以上のビニル単量体を反応系に添加し、縮重合反応をさらに進行させる方法。
(2)ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸および多価アルコールの縮重合反応を行った後、ビニル重合セグメントを形成するためのビニル単量体の付加重合反応を行い、その後、必要に応じて架橋剤となる3価以上のビニル単量体を反応系に添加し、縮重合反応に適した温度条件下で、縮重合反応をさらに進行させる方法。
(3)付加重合反応に適した温度条件下で、ビニル重合セグメントを形成するためのビニル単量体の付加重合反応、および、ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸および多価アルコールの縮重合反応を平行して行い、付加重合反応が終了した後、必要に応じて架橋剤となる3価以上のビニル単量体を反応系に添加し、縮重合反応に適した温度条件下で縮重合反応をさらに進行させる方法。
両反応性モノマーは、多価カルボン酸・多価アルコールおよび/またはビニル単量体と共に添加する。
両反応性モノマーは、分子内に、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基、第1級アミノ基および第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基、好ましくは水酸基および/またはカルボキシ基、より好ましくはカルボキシ基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物、すなわち、ビニル系カルボン酸であることが好ましい。両反応性モノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられ、さらにこれらのヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)エステルであってもよいが、反応性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸およびフマル酸を用いることが好ましい。
また、両反応性モノマーとして、多価のビニル系カルボン酸よりも、一価のビニル系カルボン酸を用いることが、トナーの耐久性の観点から好ましい。これは、一価のビニル系カルボン酸とビニル単量体との反応性が高いため、ハイブリッド化し易いためと考えられる。一方、フマル酸などのジカルボン酸を両反応性モノマーとして用いた場合、トナーの耐久性がやや劣るものとなる。これは、ジカルボン酸とビニル単量体との反応性が低く、均一にハイブリッド化しにくいため、ドメイン構造をとるためと考えられる。
両反応性モノマーの使用量は、トナーの低温定着性、耐高温オフセット性および耐久性を向上させる観点から、ビニル単量体の総量100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、4〜8質量部がより好ましく、多価カルボン酸および多価アルコールの総量100質量部に対して、0.3〜8質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
付加重合反応は、例えば、ラジカル重合開始剤、架橋剤などの存在下、有機溶媒中または無溶媒下で、常法により行うことができるが、温度条件は110〜200℃が好ましく、140〜180℃がより好ましい。ラジカル重合開始剤としては、ジアルキルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカルボン酸などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
縮重合反応は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、180〜250℃の温度条件で行うことができるが、エステル化触媒、重合禁止剤などの存在下で行うことが好ましい。エステル化触媒としては、ジブチル錫オキシド、チタン化合物、オクチル酸スズなどのSn−C結合を有していない錫(II)化合物などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でまたは両者を組み合わせて用いることができる。
〔シェル層〕
本発明に係るトナー粒子を構成するシェル層は、ビニル樹脂を含有し、他の樹脂が含有されていてもよい。
このシェル層は、コア粒子を完全に被覆した構造を有することが好ましい。このような構造を有することによって、確実に耐熱保管性を得ることができる。
シェル層を構成するビニル樹脂は、トナーの保管時の温度範囲において、コア粒子を構成するビニル変性結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が低いものである。
ビニル樹脂は、ビニル単量体を用いて形成されるものであり、ビニル樹脂としては、スチレン−アクリル共重合体、スチレン重合体、アクリル重合体からなるものなどが挙げられ、スチレン−アクリル共重合体からなるものを用いることが好ましい。
ビニル単量体としては、酸基を有する重合性単量体を少なくとも用いる必要があり、その他に、上述のビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のビニル重合セグメントを形成するためのビニル単量体として例示したものを用いることができる。
ビニル樹脂が酸基を有する重合性単量体を少なくとも用いて形成されたものであることによって、薄く均一性の高いシェル層を形成させることができ、その結果、長期間にわたって耐熱保管性および帯電安定性が得られる。
酸基を有する重合性単量体としては、上述のイオン性解離基を有する単量体として例示したものを用いることができ、さらに、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸も用いることができる。酸基を有する重合性単量体としては、特にアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシ基を有するものが好ましく、より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸である。
ビニル樹脂における酸基を有する重合性単量体に由来の構造単位の含有割合、すなわち、当該ビニル樹脂を形成するために用いられるビニル単量体の全質量に対する、酸基を有する重合性単量体の質量の割合(以下、「酸基量」ともいう。)は、1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。
特に、シェル層を構成するビニル樹脂における酸基量は、コア粒子を構成するビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のビニル重合セグメントにおける酸基量よりも多いことが好ましい。シェル層に係る酸基量が少ない場合は、均一性の高いシェル層を形成することができないおそれがある。
コア粒子を構成するビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のビニル重合セグメントに上記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来の構造単位が含有されている場合は、シェル層を構成するビニル樹脂を形成するためのビニル単量体として、当該上記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体を用いることが好ましく、特に、同一の(メタ)アクリル酸エステル単量体を用いることが好ましい。
コア粒子を構成するビニル変性結晶性ポリエステル樹脂、および、シェル層を構成するビニル樹脂に、各々、上記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来の構造単位が含有されていることによって、より一層コア粒子とシェル層との接着性の高いトナー粒子を形成することができる。
以上のビニル単量体は、1種単独で、または2種以上を組み合せて使用することができる。
〔ビニル樹脂のガラス転移点〕
ビニル樹脂のガラス転移点は、50〜65℃であることが好ましい。
ガラス転移点が上記の範囲にあることによって、確実に耐熱保管性が得られながら、十分な低温定着性が得られる。
ビニル樹脂のガラス転移点は、測定試料としてビニル樹脂を用いたことの他は上記と同様にして測定される値である。
〔ビニル樹脂の分子量〕
ビニル樹脂のGPCによって測定される分子量分布から算出された重量平均分子量(Mw)が5,000〜50,000であることが好ましく、より好ましくは7,500〜20,000である。
ビニル樹脂の重量平均分子量(Mw)が5,000以上であることにより、当該ビニル樹脂とコア粒子を構成するビニル変性結晶性ポリエステル樹脂との相溶が生じずに、十分な耐熱保管性が確実に得られる。また、ビニル樹脂の重量平均分子量(Mw)が50,000以下であることにより、十分な低温定着性が得られる。
ビニル樹脂のGPCによる分子量分布測定は、測定試料としてビニル樹脂を用いたことの他は上記と同様にして行われるものである。
〔トナー粒子におけるコア粒子とシェル層の比率〕
本発明に係るトナー粒子におけるコア粒子およびシェル層の質量比率(コア粒子:シェル層)は、95:5〜75:25の範囲にあることが好ましい。
トナー粒子におけるコア粒子の質量比率が95質量%以下であることにより、コア粒子がシェル層によって完全に被覆された構造のトナー粒子を得ることができる。その結果、優れた耐熱保管性および帯電安定性が十分に得られる。一方、トナー粒子におけるコア粒子の質量比率が75質量%以上であることにより、コア粒子を構成するビニル変性結晶性ポリエステル樹脂による低温定着性を十分に得ることができる。
各樹脂に係る分子量分布、ビニル樹脂のガラス転移点およびビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の融点は、それぞれ、トナー粒子から抽出したビニル樹脂およびビニル変性結晶性ポリエステル樹脂を測定試料として使用して測定することができる。
ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のエステル基濃度は、トナー粒子から抽出したビニル変性結晶性ポリエステル樹脂から、例えば重クロロホルムを用いた12C−NMR(核磁気共鳴)測定によって、アルキル部位の炭素に由来する水素原子のピークおよびエステル基に隣接する炭素に由来する水素原子のピークから、モノマー種および組成比を特定し、上記に従って算出することができる。
〔各樹脂の抽出方法〕
各樹脂をトナー粒子から抽出する方法としては、適切な溶媒を用いて分離する方法を用いることができる。
具体的には、まず、トナーをメチルエチルケトン(MEK)に常温で浸漬させる。このとき、トナー粒子を構成するビニル樹脂のみMEKに溶解されるので、溶解後、遠心分離により分離した上澄み液からビニル樹脂が得られる。一方、遠心分離後の固形分を同様にMEKに浸漬させ、かつ、沸点近くまで加熱する。このとき、ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂は一様に溶解される。その後、冷却することにより、ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂のみを析出させることができる。このとき、トナー粒子におけるコア粒子内にビニル樹脂が存在する場合は、MEKに溶解されたままとなるので、上澄み液からコア粒子内に存在するビニル樹脂が得られる。
次いで、ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂が析出された溶液を遠心分離し、遠心分離後の固形分を65℃で60分間加熱してテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、これを60℃においてガラス濾過器で濾過することにより濾液からビニル変性結晶性ポリエステル樹脂が得られる。なお、当該操作でろ過中に温度が下がるとビニル変性結晶性ポリエステル樹脂が析出してしまうため、保温した状態で操作する。
〔トナー粒子の構成〕
本発明に係るトナー粒子中には、コア粒子やシェル層を構成する樹脂(結着樹脂)の他に、必要に応じて着色剤や、離型剤、荷電制御剤などの内添剤が含有されていてもよい。
着色剤や離型剤、荷電制御剤は、それぞれ、コア粒子に含有されていてもよく、シェル層に含有されていてもよく、両方に含有されていてもよいが、着色剤および離型剤はコア粒子に含有されていることが好ましい。
〔着色剤〕
着色剤としては、一般に知られている染料および顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック、マグネタイト、フェライトなどの磁性体、染料、非磁性酸化鉄を含む無機顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料などの公知のものを任意に使用することができ、具体的には、有機顔料としては例えばC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントブルー15;3、同60、同76などを挙げることができ、染料としては例えばC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95などを挙げることができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
〔離型剤〕
離型剤としては、特に限定されるものではなく公知の種々のワックスを用いることができ、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して通常1〜30質量部とされ、より好ましくは5〜20質量部の範囲とされる。離型剤の含有割合が上記範囲内であることにより、十分な定着分離性が得られる。
〔荷電制御剤〕
荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
荷電制御剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜5.0質量部とされる。
〔トナーの平均粒径〕
本発明のトナーの平均粒径は、例えば体積基準のメジアン径で3〜9μmであることが好ましく、更に好ましくは3〜8μmとされる。この粒径は、例えば後述する乳化重合凝集法を採用して製造する場合には、使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
〔トナー粒子の平均円形度〕
本発明のトナーは、このトナーを構成する個々のトナー粒子について、転写効率の向上の観点から、平均円形度が0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995である。
本発明において、トナー粒子の平均円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定されるものである。
具体的には、試料(トナー粒子)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
〔トナーの製造方法〕
本発明のトナーは、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、乳化重合凝集法、その他の公知の種々の方法によって製造することができるが、コア粒子の表面に均一にシェル層を形成させることができることから、乳化凝集法を用いることが好ましい。
具体的には、水系媒体に分散されたビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の微粒子を凝集、融着させてコア粒子となる凝集粒子を形成し、当該コア粒子となる凝集粒子の表面にシェル層を形成すべきビニル樹脂の微粒子を凝集、融着させることによりトナー粒子を得る乳化凝集法によって製造することが好ましい。
水系媒体にビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の微粒子が分散された分散液(乳化液)は、例えば、機械的乳化法、転相乳化法などの公知の種々の乳化法によって調製することができる。
トナー粒子に着色剤や離型剤、荷電制御剤などを含有させる場合は、これらをコア粒子に含有させる場合においてはコア粒子となる凝集粒子を形成する際に着色剤微粒子を共に凝集させればよく、これらをシェル層に含有させる場合においてはビニル樹脂の微粒子と同じタイミングで添加して凝集させればよい。
また、乳化重合凝集法を用いてトナーを製造する場合においては、ビニル樹脂の微粒子を形成する際に、予め、ビニル樹脂を形成するための単量体溶液に溶解または分散させておくことによってトナー粒子中に導入することもできる。
〔外添剤〕
上記のトナー粒子は、そのままで本発明のトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のトナーを構成してもよい。
後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、光沢処理が行われていることが好ましい。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
本発明のトナーによれば、ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂によるコア粒子と、当該コア粒子を被覆する、ビニル樹脂によるシェル層とからなるコア−シェル構造のトナー粒子よりなるために、低温定着性、耐熱保管性、耐高温オフセット性および帯電安定性を両立して得ることができる。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
キャリアとしては、例えば鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、これらの中ではフェライト粒子を用いることが好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる樹脂分散型キャリアなどを用いてもよい。
キャリアとしては、体積平均粒径が15〜100μmのものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。
〔画像形成装置〕
本発明のトナーは、一般的な電子写真方式の画像形成方法に用いることができ、このような画像形成方法が行われる画像形成装置としては、例えば静電潜像担持体である感光体と、トナーと同極性のコロナ放電によって当該感光体の表面に一様な電位を与える帯電手段と、一様に帯電された感光体の表面上に画像データに基づいて像露光を行うことにより静電潜像を形成させる露光手段と、トナーを感光体の表面に搬送して前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成する現像手段と、当該トナー像を必要に応じて中間転写体を介して記録材に転写する転写手段と、記録材上のトナー像を加熱定着させる定着手段を有するものを用いることができる。
また、本発明のトナーは、定着温度(定着部材の表面温度)が100〜200℃とされる比較的低温のものにおいて好適に用いることができる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、本発明に係るトナー粒子を構成するコア粒子は、上述のビニル変性結晶性ポリエステル樹脂からなるマトリクス相中に、ビニル樹脂がドメイン相として分散されてなるドメイン−マトリクス構造を有するものであってもよい。
ドメイン相を構成するビニル樹脂は、スチレン−アクリル共重合体からなるものであることが好ましい。
このような構成のトナー粒子からなるトナーによれば、ビニル樹脂の高弾性成分が熱定着時に弾性を発揮することによって、より一層優れた耐高温オフセット性を得ることができる。
ドメイン相を構成するビニル樹脂としては、上述のシェル層を構成するビニル樹脂を形成するためのビニル単量体として例示したものを用いて形成したものとすることができる。
〔ドメイン相を構成するビニル樹脂の分子量〕
ドメイン相を構成するビニル樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される分子量分布から算出された重量平均分子量(Mw)は20,000〜500,000であることが好ましく、より好ましくは100,000〜350,000である。
ドメイン相を構成するビニル樹脂の重量平均分子量(Mw)が20,000以上であることによって、熱定着時に十分な弾性が得られて優れた耐高温オフセット性が得られる。一方、重量平均分子量(Mw)が500,000以下であることによって、十分な低温定着性を確実に得ることができる。
ドメイン相を構成するビニル樹脂のGPCによる分子量分布測定は、測定試料としてドメイン相を構成するビニル樹脂を用いたことの他は上記と同様にして行われるものである。
〔ドメイン相を構成するビニル樹脂のガラス転移点〕
ドメイン相を構成するビニル樹脂のガラス転移点は、30〜70℃であることが好ましく、より好ましくは45〜60℃である。
ガラス転移点が上記の範囲にあることによって、十分な低温定着性が得られる。
ドメイン相を構成するビニル樹脂のガラス転移点は、測定試料としてドメイン相を構成するビニル樹脂を用いたことの他は上記と同様にして測定される値である。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔コア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液の調製例A1〕
(1)コア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の合成
窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した容量10リットルの四つ口フラスコに、
・多価カルボン酸:セバシン酸 202質量部
・多価アルコール:1,12−ドデカンジオール 202質量部
を入れ、160℃に加熱し、溶解させた。これに、
・スチレン 57質量部
・アクリル酸n−ブチル 15質量部
・ジクミルパーオキサイド 4.9質量部
・アクリル酸 3.7質量部
の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、滴下後、170℃に保持して1時間撹拌を続けて、ビニル単量体を重合させた後、
・2−エチルヘキサン酸錫(II) 2.5質量部
・没食子酸 0.2質量部
を加えて210℃に昇温して8時間反応を行った。さらに8.3kPaにて1時間反応を行うことにより、コア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂〔A1〕を得た。
得られたコア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂〔A1〕の融点(Tm)は83℃であり、重量平均分子量(Mw)は28,000であった。
(2)コア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子の作製
得られたコア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂〔A1〕30質量部を溶融させ、溶融状態のまま、乳化分散機「キャビトロンCD1010」(株式会社ユーロテック製)に対して毎分100質量部の移送速度で移送した。また、この溶融状態のコア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂〔A1〕の移送と同時に、当該乳化分散機に対して、水性溶媒タンクにおいて試薬アンモニア水70質量部をイオン交換水で希釈した、濃度0.37質量%の希アンモニア水を、熱交換機で100℃に加熱しながら毎分0.1リットルの移送速度で移送した。そして、この乳化分散機を、回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cm2 の条件で運転することにより、体積基準のメジアン径が200nm、固形分量が30質量%のコア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液〔A1〕を調製した。
〔コア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液の調製例A2〜A6,B1〕
コア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液の調製例A1において、下記表1の単量体処方に従ったことの他は同様にして、水系媒体中にコア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子〔A2〕〜〔A6〕,〔B1〕が分散されたコア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液〔A2〕〜〔A6〕,〔B1〕を調製した。
各分散液を構成するビニル変性結晶性ポリエステル樹脂の融点、重量平均分子量(Mw)およびエステル基濃度を表2に示す。
Figure 2015007692
Figure 2015007692
〔コア用未変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液の調製例C1〕
(1)コア用未変性結晶性ポリエステル樹脂の合成
窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した容量10リットルの四つ口フラスコに、
・多価カルボン酸:セバシン酸 202質量部
・多価アルコール:1,12−ドデカンジオール 202質量部
を入れ、160℃に加熱し、溶解させた。これに、
・2−エチルヘキサン酸錫(II) 2.5質量部
・没食子酸 0.2質量部
を加えて210℃に昇温して8時間反応を行った。さらに8.3kPaにて1時間反応を行うことにより、コア用未変性結晶性ポリエステル樹脂〔C1〕を得た。
得られたコア用未変性結晶性ポリエステル樹脂〔C1〕の融点(Tm)は82.8℃であり、重量平均分子量(Mw)は20,000であった。
(2)コア用未変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子の作製
得られたコア用未変性結晶性ポリエステル樹脂〔C1〕30質量部を溶融させ、溶融状態のまま、乳化分散機「キャビトロンCD1010」(株式会社ユーロテック製)に対して毎分100質量部の移送速度で移送した。また、この溶融状態のコア用未変性結晶性ポリエステル樹脂〔C1〕の移送と同時に、当該乳化分散機に対して、水性溶媒タンクにおいて試薬アンモニア水70質量部をイオン交換水で希釈した、濃度0.37質量%の希アンモニア水を、熱交換機で100℃に加熱しながら毎分0.1リットルの移送速度で移送した。そして、この乳化分散機を、回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cm2 の条件で運転することにより、体積基準のメジアン径が200nm、固形分量が30質量部の得られたコア用未変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液〔C1〕を調製した。
〔コア用ビニル樹脂微粒子分散液の調製例1〕
イオン交換水1400質量部に、過硫酸カリウム8.0質量部をイオン交換水195質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、
・スチレン 288質量部
・n−ブチルアクリレート 92質量部
・メタクリル酸 25質量部
・n−オクチルメルカプタン 7.5質量部
からなる単量体混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌を行って重合を行い、重合終了後、28℃に冷却することにより、固形分が20質量%である、水系媒体中にスチレン−アクリル樹脂の微粒子が分散されてなるコア用St−Ac分散液〔1〕を調製した。
このスチレン−アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は15,000であった。また、ガラス転移点(Tg)は50.2℃であった。
〔コア用ビニル樹脂微粒子分散液の調製例2〕
イオン交換水1400質量部に、過硫酸カリウム2.5質量部をイオン交換水195質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、
・スチレン 288質量部
・n−ブチルアクリレート 92質量部
・メタクリル酸 25質量部
からなる単量体混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌を行って重合を行い、重合終了後、28℃に冷却することにより、固形分が20質量%である、水系媒体中にスチレン−アクリル樹脂の微粒子が分散されてなるコア用St−Ac分散液〔2〕を調製した。
このスチレン−アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は250,000であった。また、ガラス転移点(Tg)は53.0℃であった。
〔シェル用ビニル樹脂微粒子分散液の調製例1〕
イオン交換水1390質量部に、過硫酸カリウム8.5質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、
・スチレン 280質量部
・n−ブチルアクリレート 90質量部
・メタクリル酸 50質量部
・n−オクチルメルカプタン 8.2質量部
からなる単量体混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌を行って重合を行い、重合終了後、28℃に冷却することにより、固形分が20質量%である、水系媒体中にスチレン−アクリル樹脂の微粒子が分散されてなるシェル用St−Ac分散液〔1〕を調製した。
このスチレン−アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は9,800であった。また、ガラス転移点(Tg)は59.8℃であった。
〔シェル用ビニル樹脂微粒子分散液の調製例2〕
イオン交換水1400質量部に、過硫酸カリウム8.5質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、
・スチレン 336質量部
・n−ブチルアクリレート 64質量部
・n−オクチルメルカプタン 8.2質量部
からなる単量体混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌を行って重合を行い、重合終了後、28℃に冷却することにより、固形分が20質量%である、水系媒体中にスチレン−アクリル樹脂の微粒子が分散されてなるシェル用St−Ac分散液〔2〕を調製した。
このスチレン−アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は9,500であった。また、ガラス転移点(Tg)は60.5℃であった。
〔離型剤微粒子分散液の調製例〕
ベヘン酸ベヘネート(融点71℃)60質量部、イオン性界面活性剤「ネオゲンRK」(第一工業製薬社製)5質量部、イオン交換水240質量部を混合した溶液を95℃に加熱して、「ウルトラタラックスT50」(IKA社製)を用いて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理することにより、体積基準のメジアン径が240nm、固形分が20質量%である離型剤微粒子分散液〔W〕を調製した。
〔着色剤微粒子分散液の調製例〕
ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交換水1600gに撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420gを徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子〔Bk〕が分散されてなる着色剤微粒子分散液〔Bk〕を調製した。着色剤微粒子分散液〔Bk〕における着色剤微粒子〔Bk〕の体積基準のメジアン径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
〔実施例1:トナーの製造例1〕
温度計、冷却管、窒素導入装置、および、撹拌装置を設けたセパラブルフラスコに、コア用ビニル変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液〔A1〕400質量部(固形分換算)、イオン交換水1500質量部、着色剤微粒子分散液〔Bk〕165質量部および離型剤微粒子分散液〔W〕170質量部を投入した。さらに、系内の温度を30℃に保った状態で水酸化ナトリウム水溶液(25質量%)を添加してpHを10に調整した。
次に、塩化マグネシウム・6水和物54.3質量部をイオン交換水54.3質量部に溶解させた水溶液を添加し、その後、系内の温度を90℃に昇温させて、樹脂微粒子、離型剤微粒子および着色剤微粒子の凝集反応を開始した。
凝集反応開始後、定期的にサンプリングを行って、粒度分布測定装置「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて、凝集粒子の体積基準のメジアン径が6.3μmになった時点で、シェル用St/Ac分散液〔1〕200質量部を添加した。
さらに、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水2質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した。粒子の体積基準のメジアン径が6.5μmになるまで、撹拌を継続した。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(シスメックス社製)を用いて会合粒子の円形度を測定したところ、この時点でのトナー粒子の円形度が0.92であった。温度を88℃として3時間撹拌を継続し、会合粒子の円形度が0.940に達したところで6℃/分の条件で30℃まで冷却し、反応を完結させた。
次いで、生成したトナー粒子の分散液をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型 型式番号60×40」(松本機械製作社製)で固液分離して、トナーのウェットケーキを形成した。以後、ろ液の電気伝導度の値が15μS/cm以下になるまでトナーの洗浄と固液分離を繰り返した。
次いで、ウェットケーキを気流式乾燥機「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%になるまで乾燥処理した。なお、乾燥処理は温度40℃、湿度20%RHの気流を吹き付けて行った。乾燥したトナーを24℃に放冷し、トナー100質量部に対し、疎水性シリカ1.0質量部をヘンシェルミキサーで混合した。回転翼の周速24m/sとし、20分間混合した後、400メッシュの篩を通過させることにより、トナー〔1〕を得た。
〔実施例2〜8、比較例1〜6:トナーの製造例2〜14〕
トナーの製造例1において、表3の処方に従ったことの他は同様にして、トナー〔2〕〜〔14〕を作製した。
Figure 2015007692
〔現像剤の製造例1〜14〕
(1)キャリアの作製
フェライトコア100質量部とシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂粒子5質量部とを、撹拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で30分間撹拌混合して機械的衝撃力の作用でフェライトコアの表面に樹脂コート層を形成させることにより、体積基準のメジアン径が50μmであるキャリアを得た。
キャリアの体積基準のメジアン径は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック社製)により測定した。
(2)トナーとキャリアの混合
トナー〔1〕〜〔14〕の各々に対して、上記のキャリアをトナー濃度が6%となるように添加し、ミクロ型V型混合機(筒井理化学器株式会社製)によって回転速度45rpmで30分間混合することにより、現像剤〔1〕〜〔14〕を製造した。
以上の現像剤〔1〕〜〔14〕を用いて、耐高温オフセット性、折り目定着性、耐熱保管性および帯電安定性について評価した。
(1)耐高温オフセット性
複写機「bizhub PRO C6550」(コニカミノルタ社製)において、定着装置を、加熱ローラの表面温度(定着温度)を100〜200℃の範囲で変更することができるように改造したものを用い、常温常湿(温度20℃、湿度50%RH)の環境下において、A4サイズの上質紙上に、トナー付着量8mg/cm2 のベタ画像を定着させる定着実験を、設定される定着温度を100℃から5℃刻みで増加させるように変更しながら200℃まで繰り返し行った。
目視で高温オフセットによる画像汚れが観察されない定着実験のうち、最高の定着温度に係る定着実験の当該定着温度を、最高定着温度として評価した。結果を表4に示す。なお、最高定着温度が170℃以上であるものを合格と判断する。
(2)折り目定着性
上記の(1)耐高温オフセット性の評価に用いた各定着温度の定着実験において得られたテストプリントについて、折り目定着率を測定し、折り目定着率が80%を超えた定着実験のうち、最低の定着温度に係る定着実験の当該定着温度を、最低定着温度として評価した。結果を表4に示す。なお、最低定着温度が125℃以下であるものを合格と判断する。
折り目定着率は、具体的には、テストプリントを折り曲げ、折り曲げ端を3回指で擦った後、テストプリントを開き、ベタ画像を「JKワイパー」(株式会社クレシア製)で3回拭き取った後、折り曲げ箇所におけるベタ画像の画像濃度を測定し、下記式(1)に従って算出した。画像濃度は、マクベス反射濃度計「RD−918」により測定した。折り曲げ前の各テストプリントのベタ画像の画像濃度は0.8であった。
式(1):折り目定着率(%)={(折り曲げ後の画像濃度)/(折り曲げ前の画像濃度)}×100
(3)耐熱保管性
トナー0.5gを内径21mmの10mLガラス瓶に取り、蓋を閉めて、タップデンサー「KYT−2000」(セイシン企業社製)を用いて室温で600回振とうした後、蓋を取った状態で温度55℃、湿度35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物が解砕しないよう注意しながらのせて、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定し、送り幅1mmの振動強度に調節し、10秒間振動を加えた後、篩上に残存した残存トナー量を測定し、下記式(3)により残存トナー量の比率であるトナー凝集率を算出した。なお、20質量%以下であれば実用上問題なく、合格と判断される。結果を表4に示す。
式(3):トナー凝集率(質量%)={残存トナー量(g)/0.5(g)}×100
(4)帯電安定性
画像形成装置に搭載前と、画像形成装置に搭載して5万枚のプリント終了後の現像剤の帯電量をそれぞれ測定し、これらの帯電量差によって、帯電安定性を評価した。帯電量は以下のブローオフ法で求めた値である。
すなわち、測定する現像剤を、400メッシュのステンレス製スクリーンを装着したブローオフ帯電量測定装置「TB−200」(東芝ケミカル社製)にセットし、ブロー圧50kPaの条件で10秒間窒素ガスにてブローして、電荷を測定し、測定された電荷を、飛翔したトナーの質量で割ることにより、帯電量(μC/g)を算出した。
結果を表4に示す。なお、帯電量差が5μC/g以下であれば問題ないレベルである。
Figure 2015007692

Claims (5)

  1. ビニル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなる結晶性樹脂によるコア粒子と、当該コア粒子を被覆する、ビニル樹脂によるシェル層とからなるコア−シェル構造のトナー粒子よりなり、
    前記コア粒子を構成する結晶性樹脂の、当該コア粒子を構成する樹脂全量における含有割合が70〜100質量%であり、
    前記コア粒子を構成する結晶性樹脂におけるビニル重合セグメントの含有割合が5〜30質量%であり、
    前記シェル層を構成するビニル樹脂が、少なくとも酸基を有する重合性単量体から合成されてなることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記コア粒子を構成する結晶性樹脂におけるビニル重合セグメント、および、前記シェル層を構成するビニル樹脂が、各々、スチレン−アクリル共重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記結晶性樹脂におけるビニル重合セグメントを構成するスチレン−アクリル共重合体が、下記一般式(1)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来の構造単位を有することを特徴とする請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
    一般式(1):H2 C=CR1 −COOR2
    〔式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2 は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕
  4. 前記ビニル樹脂を構成するスチレン−アクリル共重合体が、前記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来の構造単位を有することを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記コア粒子が、ビニル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなる結晶性樹脂からなるマトリクス相中に、ビニル樹脂がドメイン相として分散されてなるドメイン−マトリクス構造を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。


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