JP2016180953A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
Description
これにより、印刷で必須の工程だった版起こしの工程を省略することができるため、高画質のプリント物を迅速に作成できるようになり、特に、数百枚〜数千枚程度の小口のプリント注文が主流の軽印刷分野に展開されるようになった。
さらに、低温定着技術に加えて、軽印刷分野で行われるような数百枚〜数千枚程度の連続プリントを行った際に、プリント間で光沢度にバラツキを発生させることなく安定した連続プリントを行えることが求められている。
樹脂Bを樹脂A相中に非相溶で存在させることで、高温状態になって溶融トナーに余分な熱が加わりやすい状態になっても、樹脂Bが余分な熱を吸収することで低温定着時の流動性が維持され、光沢性の変化が抑制されている。
しかしながら、2種類の非結晶性樹脂を非相溶にさせてしまうと、十分なシャープメルトが確保できず、大幅に低温にして定着させることができなかった。
しかしながら、トナーの貯蔵弾性率や損失弾性率が溶融時に低いことに加えて、ある温度のみで粘弾性が規定されているため、定着温度付近の微小な温度変化で粘弾性が大きく変化し、ホットオフセットが発生する可能性がある。
本発明に係る前記課題は、以下の手段により解決される。
前記結着樹脂が、スチレン・アクリル樹脂を含有し、
140〜180℃の範囲内における、貯蔵弾性率G′の値、前記貯蔵弾性率G′の最高値及び最低値の差(X)、並びに損失弾性率G″の最高値及び最低値の差(Y)が、それぞれ下記の条件式を満たすことを特徴とする静電潜像現像用トナー。
条件式(1):1.0×102≦G′≦1.0×103
条件式(2):0≦X≦3.0×102
条件式(3):0≦Y≦6.0×102
条件式(4):2.0≦Mw/Mn≦6.0
数平均分子量(Mn)が、8000〜15000の範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の静電潜像現像用トナー。
従来、非結晶性樹脂と結晶性樹脂が加熱定着時に互いに溶融し、定着温度付近の弾性率を低下させることで低温定着化を実現しているが、この方法の場合、定着温度付近の粘弾性が低下しすぎてしまい、両面印刷時や連続印刷時に定着ローラ温度が変動した場合に、画像の表裏の光沢度差又は用紙ごとの画像の光沢度差が大きくなってしまう。
そこで、本発明では、スチレン・アクリル樹脂に結晶性ポリエステル樹脂を導入し、加熱定着する際に、部分的にスチレン・アクリル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂が相溶しつつも、完全相溶を抑制することで定着温度付近の高温側の弾性率を維持し、低温定着性と画像光沢度の安定性の両立を実現できたものと考えている。
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、少なくとも着色剤、結着樹脂、離型剤及び結晶性ポリエステル樹脂からなるトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、
前記結着樹脂が、スチレン・アクリル樹脂を含有し、
140〜180℃の範囲内における、貯蔵弾性率G′の値、前記貯蔵弾性率G′の最高値及び最低値の差(X)、並びに損失弾性率G″の最高値及び最低値の差(Y)が、それぞれ下記の条件式を満たすことを特徴とする。
条件式(1):1.0×102≦G′≦1.0×103
条件式(2):0≦X≦3.0×102
条件式(3):0≦Y≦6.0×102
貯蔵弾性率とは、後述する動的粘弾性の弾性成分をいう。具体的には、トナーに外力が加わった時に生ずるひずみと同位相の弾性応力の比率のことをいい、トナーが受けた外力の内で、弾性的に蓄えることのできるエネルギーに相当するものをいう。
本発明においては、貯蔵弾性率G′とは、低温定着に必要なトナーの溶融性を判断する指標であり、140〜180℃の範囲内における貯蔵弾性率G′の値が、1.0×102〜1.0×103の範囲内であることで、低温定着時でも溶融しやすい、という意味を有する。さらに、1.0×102〜6.0×102の範囲内であることがより好ましい。
本発明において損失弾性率G″の最高値及び最低値の差(Y)とは、低温定着時の損失弾性率の変化を表す指標であり、140〜180℃の範囲内における損失弾性率G″の最高値及び最低値の差(Y)が、0〜6.0×102の範囲内であることで、数値が小さいほど粘性の変化が少ないことから画像光沢が均一になりやすい、という意味を有する。さらに、0〜4.0×102の範囲内であることが好ましい。
このように、本発明ではトナーの貯蔵弾性率に着目し、特定範囲の温度において特定範囲の貯蔵弾性率及び損失弾性率を発現するトナーにより、トナーのしなやかさが変化しにくくなり、画像表面のトナーの粒状感が定着温度によって変化しにくくなり、光沢度差が小さくなるものと考えており、本発明の効果をより明確に発現させることができる。
ここで、動的粘弾性は、正弦振動のように時間とともに変化する歪みあるいは応力を試料に与えて、それに対する応力や歪みを測定することにより試料の粘弾性を評価するものである。このように、正弦振動を介して得られる粘弾性を動的粘弾性といい、動的粘弾性では正弦振動により得られる弾性率が複素数の形で表されるものである。
G*=σ*/γ*
で表される。
試料に振幅γ0、角振動数ωの正弦的歪みγを試料に与えた場合、正弦的歪みγは次のように表される。
γ=γ0cosωt
σ=σ0cos(ωt+δ)
ここで、オイラーの公式 eiωt=cosωt+isinωtを用いて、これらの式を複素数で表示すると、正弦的歪みγ*は、γ*=γ0exp(iωt)、これにより生じた応力σ*は、σ*=σ0exp(i(ωt+δ))と表される。
G*=(σ0/γ0)expδ
=(σ0/γ0)(cosδ+isinδ)
ここで、G*=G′+iG″とすると、
G′=(σ0/γ0)cosδ
G″=(σ0/γ0)sinδ
となる。これは、一周期の間に粘弾性体に貯えられる弾性エネルギーがG′に比例し、粘弾性体が熱として失うエネルギーがG″に比例することを意味するもので、このことから、実数部分であるG′を貯蔵弾性率、虚数部分であるG″を損失弾性率と呼んでいる。
(1)外添剤を添加したトナーを温度20±1℃、相対湿度50±5%の環境下において、測定試料シャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、0.2gを圧縮成型器に装填し、3tの荷重を30秒間加えることにより、直径1cm、厚さ3mmのペレットを作製する。
(2)ペレットを10mmφのパラレルプレートに装填する。
(3)測定部温度をトナーの軟化点−20℃、パラレルプレートギャップを1.5mmに設定する。この設定により、測定部はトナーの軟化点−20℃に加熱され、ギャップが1mmになるまでペレットは圧縮される。パラレルプレートからはみ出たトナーは、ヘラを用いて掻き取る。その後、30℃まで冷却する。
(4)測定部温度を30℃に設定した後、周波数1.0Hzの正弦波振動を加えながら、測定部を毎分3℃の昇温速度で200℃まで昇温し、140〜180℃の範囲内における複素弾性率を測定する。測定点間隔は10秒とする。ひずみは0.05〜15%の範囲内で、自動ひずみ制御にて行う。
(5)複素弾性率から、貯蔵弾性率及び損失弾性率を算出する。
本発明の静電潜像現像用トナーは、トナー粒子を含有し、当該トナー粒子は、少なくとも着色剤、結着樹脂、離型剤及び結晶性ポリエステル樹脂からなり、さら必要に応じて、荷電制御剤などの他の成分を含有することもできる。
トナー粒子の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の値は、下記条件式(4)を満たすことが好ましい。
条件式(4):2.0≦Mw/Mn≦6.0
トナー粒子の重量平均分子量及び数平均分子量が前記範囲内であることにより、低温定着性とバランスのとれた光沢性付与により好ましく寄与しているものと考えられる。
すなわち、トナーの重量平均分子量が8000以上、数平均分子量が9000以上であることにより、トナーの粘性と内部凝集力が増大して定着時の溶融トナー層の破断が防止され、その結果、画像や機内汚染の原因となるホットオフセットの発生がより確実に抑制されるものと考えられる。
また、重量平均分子量が15000以下、数平均分子量が12000以下であることにより、トナーの粘性と内部凝集力の大幅な増大が抑制され、定着時に溶融トナー層の破断発生がより確実に防止できる様になるものと考えられる。同時に、従来よりも低い加熱温度でトナーを溶融、定着することがより確実に行えるものと考えられる。
また、本発明においては、トナー粒子の粒径は、体積基準メジアン径(D50%径)で3〜10μmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であると高精細な画像を得ることができるので好ましい。
本発明に係るトナー粒子を構成する結着樹脂は、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂を含有し、さらに他の樹脂が含有されていてもよい。
具体的には、結晶性ポリエステル樹脂は、トナー粒子を構成する全結着樹脂中5質量%以上の割合で含有されていればよい。
スチレン・アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、25000〜60000の範囲内で、かつ数平均分子量(Mn)が、8000〜15000の範囲内であることが、低温性及び光沢度安定性の確保の観点から好ましい。
例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレンなど及びその誘導体が挙げられる。これらの芳香族系ビニル単量体は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合性単量体としては、さらに多官能ビニル系単量体を使用してもよい。多官能ビニル単量体としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のジアクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の三級以上のアルコールのジメタクリレート及びトリメタクリレート等が挙げられる。
結着樹脂の重合に使用される重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化−tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸−tert−ヒドロペルオキシド、過ギ酸−tert−ブチル、過酢酸−tert−ブチル、過安息香酸−tert−ブチル、過フェニル酢酸−tert−ブチル、過メトキシ酢酸−tert−ブチル、過N−(3−トルイル)パルミチン酸−tert−ブチル等の過酸化物類;2,2′−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸塩、2,2′−アゾビス−(2−アミノジプロパン)硝酸塩、1,1′−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸、及びポリ(テトラエチレングリコール−2,2′−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物等が挙げられる。重合開始剤の添加量は、所望する分子量や分子量分布によって異なるが、具体的には重合性単量体に対して、0.1〜5.0質量%の範囲内で添加するのが好ましい。
結着樹脂の製造においては、前記重合性単量体とともに連鎖移動剤を添加することも好ましい。連鎖移動剤を添加することによって重合体の分子量を制御できる。前述の芳香族系ビニル単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合させる重合工程においては、スチレン・アクリル系重合性単量体の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えばアルキルメルカプタン及びメルカプト脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
連鎖移動剤の添加量は、所望する分子量や分子量分布によって異なるが、具体的には重合性単量体に対して、0.1〜5.0質量%の範囲内で添加するのが好ましい。
結着樹脂を水系媒体中に分散し乳化重合法により重合する場合は、分散した液滴の凝集を防ぐために通常、分散安定剤が添加される。分散安定剤としては、公知の界面活性剤が使用可能であり、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の中から選択される分散安定剤を用いることができる。これらの界面活性剤は2種以上を併用してもよい。なお、分散安定剤は着色剤やオフセット防止剤等の分散液にも使用できる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪族石鹸や、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム等を挙げることができる。
トナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有率は、5〜20質量%の範囲内であることが低温定着性と光沢度安定性の観点から好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂のうち、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。
明確な吸熱ピークとは、具体的には、示差走査熱量測定(DSC)において、昇温速度10℃/minで測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。
具体的には、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸;及びこれらカルボン酸化合物の無水物、又は炭素数1〜3のアルキルエステルなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどの脂肪族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの3価以上の多価アルコールなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の融点が上記範囲内であることにより、十分な低温定着性が得られる。
なお、結晶性ポリエステル樹脂の融点は、樹脂組成によって制御することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、吸熱ピークのピークトップの温度を示し、「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて示差走査熱量分析によってDSC測定される。
具体的には、測定試料(結晶性ポリエステル樹脂)1.0mgを、アルミニウム製パン(KITNO.B0143013)に封入し、これを「ダイヤモンドDSC」のサンプルホルダーにセットし、測定温度0〜200℃で、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、加熱−冷却−加熱の温度制御を行い、その2度目の加熱におけるデータをもとに解析される。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量は、以下のようにして測定される値である。
具体的には、装置「HLC−8120GPC」(東ソー社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZ−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料(樹脂)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得る。
この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出される。
検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いた。
ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂(ハイブリッド樹脂)は、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと、ポリエステル樹脂以外の非結晶性樹脂ユニットとが化学的に結合した樹脂である。
上記において、結晶性ポリエステル樹脂ユニットとは、結晶性ポリエステル樹脂に由来する部分を指す。すなわち、結晶性ポリエステル樹脂を構成するものと同じ化学構造の分子鎖を指す。また、ポリエステル樹脂以外の非結晶性樹脂ユニットとは、ポリエステル樹脂以外の非結晶性樹脂に由来する部分を指す。すなわち、ポリエステル樹脂以外の非結晶性樹脂を構成するものと同じ化学構造の分子鎖を指す。
ハイブリッド樹脂の重量平均分子量(Mw)は、十分な低温定着性及び優れた長期保管安定性を確実に両立して得るという観点から、5000〜100000の範囲内であると好ましく、7000〜50000であるとより好ましく、8000〜40000の範囲内であると特に好ましい。
ハイブリッド樹脂の重量平均分子量(Mw)を100000以下とすることにより、十分な低温定着性を得ることができる。一方、ハイブリッド樹脂の重量平均分子量(Mw)を5000以上とすることにより、トナー保管時において当該ハイブリッド樹脂と非結晶性樹脂との相溶が過剰に進行することが抑制され、トナー同士の融着による画像不良を効果的に抑制することができる。
結晶性ポリエステル樹脂ユニットは、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂に由来する部分であって、トナーの示差走査熱量測定において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂ユニットをいう。
明確な吸熱ピークとは、具体的には、示差走査熱量測定において、昇温速度10℃/minで測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。
例えば、結晶性ポリエステル樹脂ユニットによる主鎖に他成分を共重合させた構造を有する樹脂や、結晶性ポリエステル樹脂ユニットを他成分からなる主鎖に共重合させた構造を有する樹脂についてこの樹脂を含むトナーが上記のように明確な吸熱ピークを示すものであれば、その樹脂は、本発明でいう結晶性ポリエステル樹脂ユニットを有するハイブリッド樹脂に該当する。
ジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましく、芳香族ジカルボン酸を併用してもよい。脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖型のものを用いることが好ましい。直鎖型のものを用いることによって、結晶性が向上するという利点がある。ジカルボン酸成分は、一種類のものに限定されるものではなく、二種類以上を混合して用いてもよい。
上記の脂肪族ジカルボン酸の中でも、上述のとおり本発明の効果が得られやすいことから、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸と共に用いることのできる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、入手容易性及び乳化容易性の観点から、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸を用いることが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。
必要に応じて用いられる脂肪族ジオール以外のジオールとしては、二重結合を有するジオール、スルホン酸基を有するジオールなどが挙げられ、具体的には、二重結合を有するジオールとしては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオールなどが挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂ユニットの製造の際に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アルミニウム、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。
具体的には、スズ化合物としては、酸化ジブチルスズ、オクチル酸スズ、ジオクチル酸スズ、これらの塩等などを挙げることができる。チタン化合物としては、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド;ポリヒドロキシチタンステアレートなどのチタンアシレート;チタンテトラアセチルアセトナート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネートなどなどのチタンキレートなどを挙げることができる。ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができる。さらにアルミニウム化合物としては、ポリ水酸化アルミニウムなどの酸化物、アルミニウムアルコキシドなどが挙げられ、トリブチルアルミネートなどを挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ハイブリッド樹脂中の各ユニットの構成成分及び含有割合は、たとえばNMR測定、メチル化反応Py−GC/MS測定により特定することができる。
さらに、上記観点からは、結晶性ポリエステル樹脂ユニットが、結晶性ポリエステル樹脂以外の非結晶性樹脂ユニットを主鎖として、グラフト化されていると好ましい。すなわち、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂は、主鎖としてポリエステル樹脂以外の非結晶性樹脂ユニットを有し、側鎖として結晶性ポリエステル樹脂ユニットを有するグラフト共重合体であると好ましい。
なお、ハイブリッド樹脂には、さらにスルホン酸基、カルボキシ基、ウレタン基などの置換基が導入されていてもよい。上記置換基の導入は、結晶性ポリエステル樹脂ユニット中でもよいし、以下で詳説するポリエステル樹脂以外の非結晶性樹脂ユニット中であってもよい。
ポリエステル樹脂以外の非結晶性樹脂ユニット(以下、単に「非結晶性樹脂ユニット」ともいう。)は、結着樹脂を構成する非結晶性樹脂とハイブリッド樹脂との親和性を制御するために必須のユニットである。
非結晶性樹脂ユニットが存在することで、ハイブリッド樹脂と非結晶性樹脂との親和性が向上し、ハイブリッド樹脂が非結晶性樹脂中に取り込まれやすくなり、帯電均一性等を向上させることができる。
非結晶性樹脂ユニットは、上記結晶性ポリエステル樹脂以外の非結晶性樹脂に由来する部分である。ハイブリッド樹脂中(さらには、トナー中)に非結晶性樹脂ユニットを含有することは、例えばNMR測定、メチル化反応Py−GC/MS測定を用いて化学構造を特定することによって確認することができる。
非結晶性樹脂ユニットは、上記定義したとおりであれば特に限定されない。例えば、非結晶性樹脂ユニットによる主鎖に他成分を共重合させた構造を有する樹脂や、非結晶性樹脂ユニットを他成分からなる主鎖に共重合させた構造を有する樹脂について、この樹脂を含むトナーが上記のような非結晶性樹脂ユニットを有するものであれば、その樹脂は、本発明でいう非結晶性樹脂ユニットを有するハイブリッド樹脂に該当する。
ここで、「同種の樹脂」とは、繰り返し単位中に特徴的な化学結合が共通に含まれていることを意味する。ここで、「特徴的な化学結合」とは、物質・材料研究機構(NIMS)物質・材料データベース(http://polymer.nims.go.jp/PoLyInfo/guide/jp/term_polymer.html)に記載の「ポリマー分類」に従う。すなわち、ポリアクリル、ポリアミド、ポリ酸無水物、ポリカーボネート、ポリジエン、ポリエステル、ポリハロオレフィン、ポリイミド、ポリイミン、ポリケトン、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリフェニレン、ポリホスファゼン、ポリシロキサン、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリビニル及びその他のポリマーの計22種によって分類されたポリマーを構成する化学結合を「特徴的な化学結合」という。
例えば、スチレン、ブチルアクリレート及びアクリル酸によって形成される樹脂(又は樹脂ユニット)と、スチレン、ブチルアクリレート及びメタクリル酸によって形成される樹脂(又は樹脂ユニット)とは、少なくともポリアクリルを構成する化学結合を有しているため、これらは同種の樹脂である。さらに例示すると、スチレン、ブチルアクリレート及びアクリル酸によって形成される樹脂(又は樹脂ユニット)と、スチレン、ブチルアクリレート、アクリル酸、テレフタル酸及びフマル酸によって形成される樹脂(又は樹脂ユニット)とは、互いに共通する化学結合として、少なくともポリアクリルを構成する化学結合を有している。したがって、これらは同種の樹脂である。
ビニル樹脂ユニットとしては、ビニル化合物を重合したものであれば特に制限されないが、例えば、アクリル酸エステル樹脂ユニット、スチレン・アクリル酸エステル樹脂ユニット、エチレン−酢酸ビニル樹脂ユニットなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のビニル樹脂ユニットのなかでも、熱定着時の可塑性を考慮すると、スチレン・アクリル酸エステル樹脂ユニット(スチレン・アクリル樹脂ユニット)が好ましい。したがって、以下では、非結晶性樹脂ユニットとしてのスチレン・アクリル樹脂ユニットについて説明する。
先ず、スチレン単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等が挙げられる。これらスチレン単量体は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
これらのアクリル酸エステル単量体又はメタクリル酸エステル単量体は、単独又は2種以上を組み合わせても使用することができる。すなわち、スチレン単量体と2種以上のアクリル酸エステル単量体とを用いて共重合体を形成すること、スチレン単量体と2種以上のメタクリル酸エステル単量体とを用いて共重合体を形成すること、あるいは、スチレン単量体とアクリル酸エステル単量体及びメタクリル酸エステル単量体とを併用して共重合体を形成することのいずれも可能である。
さらに、非結晶性樹脂ユニットは、上記スチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の他、上記結晶性ポリエステル樹脂ユニットに化学的に結合するための化合物もまた付加重合されてなると好ましい。具体的には、上記結晶性ポリエステル樹脂ユニットに含まれる、多価アルコール由来のヒドロキシル基[−OH]又は多価カルボン酸由来のカルボキシル基[−COOH]とエステル結合する化合物を用いると好ましい。したがって、非結晶性樹脂ユニットは、上記スチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体に対して付加重合可能であり、かつ、カルボキシル基[−COOH]又はヒドロキシル基[−OH]を有する化合物をさらに重合してなると好ましい。
このような化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基を有する化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する化合物が挙げられる。
スチレン・アクリル樹脂ユニットの形成方法は、特に制限されず、公知の油溶性又は水溶性の重合開始剤を使用して単量体を重合する方法が挙げられる。油溶性の重合開始剤としては、具体的には、以下に示すアゾ系又はジアゾ系重合開始剤や過酸化物系重合開始剤がある。
アゾ系又はジアゾ系重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
また、乳化重合法で樹脂粒子を形成する場合は水溶性ラジカル重合開始剤が使用可能である。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等が挙げられる。
当該範囲とすることにより、ハイブリッド樹脂に十分な結晶性を付与することができる。
本発明に係る結着樹脂に含まれるハイブリッド樹脂の製造方法は、上記結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非結晶性樹脂ユニットとを分子結合させた構造の重合体を形成することが可能な方法であれば、特に制限されるものではない。ハイブリッド樹脂の具体的な製造方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
(1)非結晶性樹脂ユニットを予め重合しておき、当該非結晶性樹脂ユニットの存在下で結晶性ポリエステル樹脂ユニットを形成する重合反応を行ってハイブリッド樹脂を製造する方法
この方法では、先ず、上述した非結晶性樹脂ユニットを構成する単量体(好ましくは、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体といったビニル単量体)を付加反応させて非結晶性樹脂ユニットを形成する。次に、非結晶性樹脂ユニットの存在下で、多価カルボン酸と多価アルコールとを重合反応させて結晶性ポリエステル樹脂ユニットを形成する。このとき、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合反応させると共に、非結晶性樹脂ユニットに対し、多価カルボン酸又は多価アルコールを付加反応させることにより、ハイブリッド樹脂が形成される。
具体的には、非結晶性樹脂ユニットの形成時、非結晶性樹脂ユニットを構成する単量体の他に、結晶性ポリエステル樹脂ユニットに残存するカルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシル基[−OH]と反応可能な部位及び非結晶性樹脂ユニットと反応可能な部位を有する化合物も使用する。すなわち、この化合物が結晶性ポリエステル樹脂ユニット中のカルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシル基[−OH]と反応することにより、結晶性ポリエステル樹脂ユニットは非結晶性樹脂ユニットと化学的に結合することができる。
この方法を用いることにより、非結晶性樹脂ユニットに結晶性ポリエステル樹脂ユニットが分子結合した構造(グラフト構造)のハイブリッド樹脂を形成することができる。
この方法では、先ず、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合反応させて結晶性ポリエステル樹脂ユニットを形成する。また、結晶性ポリエステル樹脂ユニットを形成する反応系とは別に、上述した非結晶性樹脂ユニットを構成する単量体を付加重合させて非結晶性樹脂ユニットを形成する。このとき、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非結晶性樹脂ユニットとが互いに反応可能な部位を組み込んでおくと好ましい。なお、このような反応可能な部位を組み込む方法は、上述の通りであるため、その詳細な説明は省略する。
また、上記反応可能な部位が結晶性ポリエステル樹脂ユニット及び非結晶性樹脂ユニットに組み込まれていない場合は、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非結晶性樹脂ユニットとが共存する系を形成しておき、そこへ結晶性ポリエステル樹脂ユニット及び非結晶性樹脂ユニットと結合可能な部位を有する化合物を投入する方法を採用してもよい。そして、当該化合物を介して、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非結晶性樹脂ユニットとが分子結合した構造のハイブリッド樹脂を形成することができる。
この方法では、先ず、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合反応させて重合を行い、結晶性ポリエステル樹脂ユニットを形成しておく。次に、結晶性ポリエステル樹脂ユニットの存在下で、非結晶性樹脂ユニットを構成する単量体を重合反応させて非結晶性樹脂ユニットを形成する。このとき、上記(1)と同様に、結晶性ポリエステル樹脂ユニット又は非結晶性樹脂ユニット中に、これらユニットが互いに反応可能な部位を組み込んでおくと好ましい。なお、このような反応可能な部位を組み込む方法は、上述の通りであるため、その詳細な説明は省略する。
上記(1)〜(3)の形成方法の中でも、(1)の方法は非結晶性樹脂鎖に結晶性ポリエステル樹脂鎖をグラフト化した構造のハイブリッド樹脂を形成し易いことや生産工程を簡素化できるため好ましい。(1)の方法は、非結晶性樹脂ユニットを予め形成してから結晶性ポリエステル樹脂ユニットを結合させるため、結晶性ポリエステル樹脂ユニットの配向が均一になりやすい。したがって、本発明で規定するトナーに適したハイブリッド樹脂を確実に形成することができるので好ましい。
本発明に係る着色剤は、トナー粒子に含有されている。着色剤としては、公知の種々の顔料や染料を用いることができる。
カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられ、黒色酸化鉄としては、例えばマグネタイト、ヘマタイト、三酸化チタン鉄などが挙げられる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の静電潜像現像用トナーにおいて、離型剤は、トナー粒子に含有されていればよい。離型剤が含有されていることにより、トナー粒子に含有されている結晶性ポリエステル樹脂と相溶しづらくなり、熱定着時に滲み出し易くなることにより、高い定着分離性が得られる。
離型剤は、マトリクス相中にドメイン相として分散されており、当該ドメイン相の平均径は、例えば0.05〜2μmとされる。このドメイン相の平均径は、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察画像により測定される値であり、具体的には、TEMの観察画像において、各ドメイン相の径を、水平フェレ径と垂直フェレ径との平均値とし、各々のドメイン相の径の平均値を、ドメイン相の平均径として算出する。
ワックスとしては、特に低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、又は酸化型のポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックス、及びベヘン酸ベヘネートなどのエステル系ワックスを好適に用いることができる。
例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス;マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス;パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス;ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス;カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス;エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
これらのうちでも、低温定着時の離型性の観点から、融点の低いもの、具体的には、融点が40〜90℃の範囲内のものを用いることが好ましい。
トナー粒子における離型剤の含有割合が上記の範囲のように従来に比べ小さくても、当該離型剤が、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂と相溶しづらくすることで、離型剤が滲み出し易く、高い定着分離性が得られる。
本発明の静電潜像現像用トナーにおいて、トナー粒子が荷電制御剤を含有することが好ましい。荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
荷電制御剤の含有割合は、トナー粒子中に0〜5質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0〜0.5質量%の範囲内である。
本発明の静電潜像現像用トナーにおいては、トナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる流動化剤やクリーニング助剤などの外添剤を添加してもよい。外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
これらの外添剤の添加割合は、その合計の添加量がトナー粒子100質量部に対して好ましくは0.05〜5質量部の範囲内、より好ましくは0.1〜3質量部の範囲内とされる。
本発明の静電潜像現像用トナーは、ガラス転移点(Tg)が50〜70℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは55〜65℃の範囲内である。
本発明の静電潜像現像用トナーのガラス転移点が上記の範囲にあることにより、十分な低温定着性及び耐熱保管性が確実に両立して得られる。また、トナーのガラス転移点が上記の範囲にあることにより、トナーの耐熱性(熱的強度)が維持されて、その結果、十分な耐熱保管性及び耐ホットオフセット性が確実に得られるものと考えられる。
本発明の静電潜像現像用トナーは、融点(Tm)が60〜90℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは65〜80℃の範囲内である。
本発明の静電潜像現像用トナーの融点が上記の範囲にあることにより、十分な低温定着性及び耐熱保管性が確実に両立して得られる。また、トナーの融点を上記範囲とすることにより、トナーの耐熱性(熱的強度)も良好に維持されて、これにより十分な耐熱保管性も確保できるものと考えられる。
トナーのガラス転移点及び融点は、前記結晶性ポリエステル樹脂と同様に測定される。
本発明の静電潜像現像用トナーにおいては、平均粒径が、例えば体積基準のメジアン径で3〜8μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは5〜8μmの範囲内である。この平均粒径は、製造時において使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間及び/又は結着樹脂の組成などによって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、1200dpiレベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することなどができる。
具体的には、測定試料(トナー)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。この濃度にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。
そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャー径を100μmにし、測定範囲である2〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
本発明の静電潜像現像用トナーにおいては、このトナーを構成する個々のトナー粒子について、帯電特性の安定性、低温定着性の観点から、平均円形度が0.930〜1.000の範囲内であることが好ましく、0.950〜0.995の範囲内であることがより好ましい。
平均円形度が上記の範囲であることにより、個々のトナー粒子が破砕しにくくなって摩擦帯電付与部材の汚染が抑制されてトナーの帯電性が安定し、また、形成される画像において画質が高いものとなる。
具体的には、測定試料(トナー)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)によって、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度範囲で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(y)に従って円形度を算出する。トナーの平均円形度は、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出した値である。HPF検出数が上記の範囲であれば、再現性が得られる。
式(y):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
本発明の静電潜像現像用トナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。
キャリアの平均粒径は、体積基準のメジアン径で20〜100μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは25〜80μmの範囲内とされる。
キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
トナーの製造方法としては、水系媒体中で作製される湿式の製造方法、例えば乳化凝集法などが挙げられる。
乳化凝集法によるトナーの製造方法は、例えば、水系媒体中に結着樹脂の微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」ともいう。)が分散されてなる水系分散液と、着色剤の微粒子(以下、「着色剤微粒子」ともいう。)が分散されてなる水系分散液とを混合し、結着樹脂微粒子及び着色剤微粒子を凝集・熱融着させることによりトナー粒子を形成しトナーを製造する方法である。
(a)トナー粒子前駆体(I)を形成する工程、
(b)トナー粒子前駆体(II)を形成する工程、
(c)トナー粒子前駆体(III)を形成する工程、
(d)水系媒体中に結晶性ポリエステル樹脂による微粒子(以下、「結晶性ポリエステル樹脂微粒子」ともいう。)が分散されてなる水系分散液を調製する工程、
(e)水系媒体中に着色剤微粒子が分散されてなる水系分散液を調製する工程、
(f)トナー粒子を形成する工程、
(g)トナー粒子の分散液を冷却する工程、
(h)水系媒体からトナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する工程、
(i)洗浄されたトナー粒子を乾燥する工程、
などの工程からなり、必要に応じて、乾燥されたトナー粒子に外添剤を添加する工程(j)を加えることができる。
水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、樹脂を溶解しない有機溶媒であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が特に好ましい。
この工程においては、常法に従った乳化重合処理によってトナー粒子前駆体(I)を形成する。
具体的には、界面活性剤溶液に重合開始剤を添加して加熱し、撹拌させながら重合性単量体溶液を滴下して反応させる。
反応温度は、例えば70〜90℃の範囲内であることが好ましい。
この工程においては、第1重合によって形成したトナー粒子前駆体(I)の分散液に、重合開始剤と離型剤を含む重合性単量体とを添加し、トナー粒子前駆体(II)を形成する。
具体的には、トナー粒子前駆体(I)の分散液に界面活性剤溶液を加えたものと、離型剤を溶解させた重合性単量体を加熱し、機械式分散機により混合・分散した後に、重合開始剤を添加し、加熱しながら撹拌することによって重合させる。
また、トナー粒子前駆体(I)を分散させる分散液量は、第2重合を行う全溶媒中5〜50質量部の範囲内とすることにより、高温側の弾性と低温定着性の維持を両立することができる点で好ましい。
反応温度は、例えば70〜95℃の範囲内であることが好ましい。
この工程においては、第2重合によって形成したトナー粒子前駆体(II)の分散液に、さらに重合性単量体を加えて、トナー粒子前駆体(III)を形成する。
具体的には、加熱したトナー粒子前駆体(II)の分散液に重合開始剤を添加し、撹拌させながら重合性単量体を滴下して重合させる。
反応温度は、例えば70〜95℃の範囲内であることが好ましい。
(d)結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液の調製工程
この工程においては、結晶性ポリエステル樹脂による結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液が調製される。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液は、まず、結晶性ポリエステル樹脂を合成し、この結晶性ポリエステル樹脂を水系媒体中に微粒子状に分散させることによって調製することができる。
結晶性ポリエステル樹脂を水系媒体中に分散させる方法としては、当該結晶性ポリエステル樹脂を有機溶媒中に溶解又は分散させて油相液を調製し、油相液を、転相乳化などによって水系媒体中に分散させて、所望の粒径に制御された状態の油滴を形成させた後、有機溶媒を除去する方法が挙げられる。
水系媒体中には、油滴の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤などが添加されていてもよい。界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを用いることができる。
油滴の分散径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−750」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した体積基準のメジアン径である。この油滴の分散径は、乳化分散時の機械的エネルギーの大きさにより制御することができる。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は、「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)を用いて測定される値である。
この工程は、トナー粒子として着色剤を含有するものを所望する場合に必要に応じて行う工程であって、着色剤を水系媒体中に微粒子状に分散させて着色剤微粒子の水系分散液を調製する工程である。
着色剤の分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、使用する分散機としては、特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザーなどの加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミルなどの媒体型分散機が挙げられる。
着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定される値である。
この工程においては、第3重合によって形成したトナー粒子前駆体(III)の表面に、結晶性ポリエステル樹脂微粒子と着色剤微粒子を凝集させて、さらに加熱によって融着させて、トナー粒子を形成する。
具体的には、水系媒体中にトナー粒子前駆体(III)及び結晶性ポリエステル樹脂微粒子、及び着色剤微粒子が分散されてなる水系分散液中に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を添加し、加熱することによって凝集、融着させる。
融着温度は、例えば70〜95℃の範囲内であることが好ましい。
この工程において使用される凝集剤としては、特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩などの金属塩から選択されるものが好適に使用される。
金属塩としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウムなどの一価の金属塩;カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅などの二価の金属塩;鉄、アルミニウムなどの三価の金属塩などが挙げられる。
具体的な金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガンなどを挙げることができ、これらの中で、より少量で凝集を進めることができることから、二価の金属塩を用いることが特に好ましい。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熟成工程においては、トナー粒子形成工程によって得られたトナー粒子を熱エネルギーにより所望の形状になるまで熟成させる。
熟成処理は、具体的には、トナー粒子が分散された系を加熱撹拌することにより、トナー粒子の形状を所望の円形度になるまで、加熱温度、撹拌速度、加熱時間などにより調整することで行われる。
この工程は、トナー粒子の分散液を冷却処理する工程である。
冷却処理の条件としては、1〜20℃/minの範囲内の冷却速度で冷却することが好ましい。冷却処理の具体的な方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法などを例示することができる。
この工程は、冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離し、固液分離によって得られたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去して洗浄する工程である。
固液分離には、特に限定されずに、遠心分離法、ヌッチェなどを使用して行う減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用して行う濾過法などを用いることができる。また、洗浄においては、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄することが好ましい。
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥する工程であり、一般的に行われる公知のトナー粒子の製造方法における乾燥工程に従って行うことができる。
具体的には、トナーケーキの乾燥に使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
乾燥されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥されたトナー粒子同士が弱い粒子間引力で凝集している場合には、その凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサーなどの機械式の解砕装置を使用することができる。
この工程は、トナー粒子に対して外添剤を添加する場合に必要に応じて行う工程である。
上記のトナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加した状態で使用してもよい。
外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
これらの外添剤の添加量は、その合計の添加量がトナー粒子100質量部に対して好ましくは0.05〜5質量部の範囲内、より好ましくは0.1〜3質量部の範囲内とされる。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。
まず、トナー1の製造方法について詳細に説明する。
〔樹脂粒子分散液(A)の調製〕
〈第1重合(トナー粒子前駆体(I)分散液の調製)〉
撹拌装置、温度センサー、温度制御装置、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた反応容器に、あらかじめアニオン性界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム2.0質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させたアニオン性界面活性剤を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
「単量体溶液(1)」
スチレン 540質量部
n−ブチルアクリレート 270質量部
メタクリル酸 65質量部
n−オクチルメルカプタン 17質量部
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、
「単量体溶液(2)」
スチレン 94質量部
n−ブチルアクリレート 60質量部
メタクリル酸 11質量部
n−オクチルメルカプタン 5質量部
からなる単量体溶液(2)に、離形剤としてエステル系ワックス(融点:73℃)51質量部を添加し、85℃に加温して溶解させてワックス溶解液(1)を調製した。
その後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記ワックス溶解液(1)を1時間混合・分散させ、分散粒子径350nmの乳化粒子を含有する分散液を調製し、この分散液に重合開始剤「KPS」2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加した。
この系を90℃において2時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第2重合)を行って「トナー粒子前駆体(II)」の分散液を調製した。
調製した「トナー粒子前駆体(II)」の分散液に、重合開始剤「KPS」2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、以下の組成である単量体溶液(3)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第3重合)を行った。
「単量体溶液(3)」
スチレン 230質量部
n−ブチルアクリレート 100質量部
n−オクチルメルカプタン 5質量部
また、後述の方法で分子量を計測したところ、トナー粒子前駆体(III)を乾燥させたときの重量平均分子量(Mw)は38200、数平均分子量(Mn)は11500であった。
下記の付加重合系樹脂の原料モノマーであるスチレン及びブチルアクリレート、両反応性モノマーであるアクリル酸並びにラジカル重合開始剤を滴下ロートに入れた。
スチレン 35質量部
ブチルアクリレート 9質量部
アクリル酸 4質量部
ラジカル重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 7質量部
セバシン酸 278質量部
ドデカンジオール 280質量部
その後、エステル化触媒としてTi(OBu)4を0.8質量部投入し、235℃まで昇温、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間反応を行った。
次に200℃まで冷却したのち、減圧下(20kPa)にて1時間反応させることにより結晶性ポリエステル樹脂〔a〕を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂〔a〕は、数平均分子量(Mn)が8500、融点が77℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂30質量部を溶融させて溶融状態のまま、乳化分散機「キャビトロンCD1010」(株式会社ユーロテック製)に対して毎分100質量部の移送速度で移送した。
また、この溶融状態の結晶性ポリエステル樹脂の移送と同時に、当該乳化分散機に対して、水性溶媒タンクにおいて試薬アンモニア水70質量部をイオン交換水で希釈した、濃度0.37質量%の希アンモニア水を、熱交換機で100℃に加熱しながら毎分0.1リットルの移送速度で移送した。
そして、この乳化分散機を、回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cm2の条件で運転することにより、体積基準のメジアン径が200nm、固形分量が30質量部の結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液〔a〕を調製した。
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加した。この溶液を撹拌しながら、銅フタロシアニン420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子の水系分散液〔Cy〕を調製した。
得られた着色剤微粒子の水系分散液〔Cy〕について、着色剤微粒子の平均粒径(体積基準のメジアン径)は110nmであった。
撹拌装置、温度センサー及び冷却管を取り付けた反応容器に、トナー粒子前駆体(III)分散液195質量部(固形分換算)、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液〔a〕30質量部(固形分換算)、イオン交換水2000質量部を投入した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
その後、着色剤微粒子の水系分散液〔Cy〕40質量部(固形分換算)を投入し、次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。
さらに、昇温を行い、80℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、トナーの平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)平均円形度が0.945になった時点で2.5℃/minの冷却速度で30℃に冷却した。
得られたシアントナー粒子〔1X〕100質量部に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)0.6質量部及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)1.0質量部を添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により回転翼周速35mm/sec、32℃で20分間混合した後、45μmの目開きのふるいを用いて粗大粒子を除去する外添剤処理を施し、トナー1を製造した。
次いで、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアをトナー濃度が6質量%となるように添加して混合することにより、現像剤1を製造した。
トナー1の場合と同様にして、表1の条件に従って、樹脂粒子分散液分散液(A)〜(I)を調製した。
〔樹脂粒子分散液(M)の調製〕
テレフタル酸(TPA)85質量部、トリメリット酸(TMA)6質量部、フマル酸(FA)18質量部、ドデセニルコハク酸無水物(DDSA)80質量部、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物(BPA・PO)335質量部、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物(BPA・EO)55質量部を、撹拌機、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド0.1質量部を添加し、窒素ガス気流下において180℃で撹拌しながら8時間重合反応を行った。
さらにチタンテトラブトキサイド0.2質量部を添加し、温度を220℃に上げて撹拌しながら6時間重合反応を行った後、反応容器内を10mmHgまで減圧し、減圧下で2時間反応を行うことにより、淡黄色透明な非結晶性樹脂〔1〕を得た。
また、非結晶性樹脂のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)により得た。示差走査熱量計(パーキンエルマー社製;ダイヤモンドDSC)を用い、非結晶性樹脂3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、「ダイヤモンドDSC」のサンプルホルダーにセットした。
昇温速度10℃/分で室温から150℃まで昇温した後、150℃で5分間ホールドする1回目の昇温過程、冷却速度10℃/分で150℃から0℃まで冷却した後、0℃で5分間ホールドする冷却過程、及び昇温速度10℃/分で室温から150℃まで昇温する2回目の昇温過程を経る測定条件において、2回目の昇温過程時のDSC曲線におけるオンセット温度をガラス転移温度とした。
リファレンスは空のアルミニウム製パンを用いた。この非結晶性樹脂〔1〕のガラス転移点(Tg)は、59℃であった。
得られた乳化液1200質量部を2リットルのナスフラスコに入れ、トラップ球を介して真空制御ユニットを備えたエバポレーター(東京理化器械株式会社)にセットした。
ナスフラスコを回転させながら、60℃の湯バスで加温し、突沸に注意しつつ7kPaまで減圧し溶剤を除去した。溶剤回収量が400質量部になった時点で常圧に戻し、ナスフラスコを水冷して分散液を得た。得られた分散液にイオン交換水を加えて固形分濃度が20質量%に調整した。これにより、水系媒体中に非結晶性樹脂〔1〕による微粒子が分散された樹脂微粒子分散液(M)を調製した。
非結晶性樹脂〔1〕による微粒子の体積基準のメジアン径は230nmであった。このメジアン径は、粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装社製)を用いて測定した。
離型剤(フィッシャートロプシュワックス「FNP−0090」、融点89℃、日本精蝋社製)200質量部を95℃に加温し溶解させた。これを、さらにアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムが3質量%の濃度となるようイオン交換水800質量部に溶解された界面活性剤水溶液に投入した後、超音波ホモジナイザーを用いて分散処理を行った。固形分濃度は20質量%に調整した。これにより、水系媒体中に離型剤微粒子が分散された離型剤微粒子分散液を調製した。
離型剤微粒子分散液における離型剤微粒子の体積基準のメジアン径をマイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装社製)を用いて測定したところ、190nmであった。
樹脂微粒子分散液(M)583質量部、結晶性樹脂微粒子分散液70質量部、離型剤微粒子分散液85質量部、着色剤微粒子分散液62質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液0.5質量部を、撹拌機、冷却管、温度計を備えた反応容器に投入し、撹拌しながら0.1Nの塩酸を加えて25℃でpHを2.5に調整した。
次いで、ポリ塩化アルミニウム水溶液(AlCl3 換算で10%水溶液)0.4質量部を10分間かけて滴下した後、撹拌しながら0.05℃/minの速度で昇温し「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて適宜凝集粒子の粒径を測定した。
凝集粒子の体積基準のメジアン径が5.0μmに到達したところで、昇温を停止し、シェル形成用として樹脂微粒子分散液(M)222.2質量部を、1時間かけて滴下した。
次いで、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)1質量%を添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合した。
その後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去したところ、体積基準のメジアン径は5.6μm、平均円形度は0.965であった。
さらに、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアをトナー濃度が6質量%となるように添加して混合することにより、トナー14を製造した。
<貯蔵弾性率、損失弾性率>
貯蔵弾性率及び損失弾性率は、「MCR302」(AntonPaar社製)を用いて、以下の手順(1)〜(5)に従って測定した。
(1)外添剤を添加したトナーを温度20±1℃、相対湿度50±5%の環境下において、測定試料シャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、0.2gを圧縮成型器に装填し、3tの荷重を30秒間加えることにより、直径1cm、厚さ3mmのペレットを作製する。
(2)ペレットを10mmφのパラレルプレートに装填する。
(3)測定部温度をトナーの軟化点−20℃、パラレルプレートギャップを1.5mmに設定する。この設定により、測定部はトナーの軟化点−20℃に加熱され、ギャップが1mmになるまでペレットは圧縮される。パラレルプレートからはみ出たトナーは、ヘラを用いて掻き取る。その後、30℃まで冷却する。
(4)測定部温度を30℃に設定した後、周波数1.0Hzの正弦波振動を加えながら、測定部を毎分3℃の昇温速度で200℃まで昇温し、140〜180℃の範囲内における複素弾性率を測定する。測定点間隔は10秒とする。ひずみは0.05〜15%の範囲内で、自動ひずみ制御にて行う。
(5)複素弾性率から、貯蔵弾性率及び損失弾性率を算出する。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量は、以下のようにして測定した。
具体的には、装置「HLC−8120GPC」(東ソー社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZ−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させた。
次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理した試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出した。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いた。
前記製造した各トナーにキャリアを加えて現像剤とした状態で、以下の評価を各トナーに行った。
〈低温定着性〉
市販のカラー複合機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ社製)において、定着装置を、定着上ベルトの表面温度を140〜220℃の範囲内で、定着下ローラの表面温度を120〜200℃の範囲内で変更することができるように改造したものを用い、評価紙「NPi上質紙128g/m2」(日本製紙製)上に、定着速度300mm/secで、トナー付着量11.3g/m2のベタ画像を定着させる定着実験を、設定される定着温度を100〜200℃の温度範囲を100℃から5℃刻みで増加させるよう変更しながら繰り返し行った。
ランク5:全く折れ目なし
ランク4:一部折れ目に従った剥離あり
ランク3:折れ目に従った細かい線状の剥離あり
ランク2:折れ目に従った太い線状の剥離あり
ランク1:大きな剥離あり
また、下限定着温度については以下の評価基準とした。
◎:165℃以下
○:165℃超175℃以下
×:175℃超
前記定着実験において、ホットオフセットによる定着不良が観察されない定着実験のうち、最高の定着温度を高温オフセット温度として、耐ホットオフセット性の評価を行った。この最高の定着温度が200℃以上であれば実用上問題なく、合格と判断される。
(1)連続両面プリント実施時における同一用紙内での表裏の光沢差
定着画像の光沢度は、JIS Z 8741−1997に準じて光沢計「GMX−203(村上色彩技術研究所(株)製)」を用いて75°測定角型を選択して評価した。
なお、光沢度は測定画像の中央部及び四隅の5点平均値である。光沢度評価用画像を形成する際の定着温度は160℃に設定した。また、定着画像を作製する用紙は、A4サイズの高光沢紙「PODグロスコート(坪量128g/m2)」(王子製紙社製)を用いた。
◎:画像表裏の光沢差が1%以下(問題なし)
○:上記光沢差が1%を超えて5%未満(目視ではほとんどわからないレベルで問題なし)
×:上記光沢差が5%以上(目視でも差が見られるレベルで問題あり)
A4サイズの用紙を用いて連続1000枚の両面印刷を行い、連続印刷の1枚目と1000枚目に全ベタ画像を作製した。1枚目と1000枚目の画像の表面の光沢度差を測定し、用紙間の光沢差を求めた。なお、光沢度の測定手順は前記の評価で行った手順と同様である。評価は以下のとおりで◎と○を合格とした。
◎:1枚目と1000枚目の表面の光沢差が1%以下(問題なし)
○:上記光沢差が1%を超えて5%未満(目視ではほとんどわからないレベルで問題なし)
×:上記光沢差が5%以上(目視でも差が見られるレベルで問題あり)
結果を表4に示す。
Claims (7)
- 少なくとも着色剤、結着樹脂、離型剤及び結晶性ポリエステル樹脂からなるトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、
前記結着樹脂が、スチレン・アクリル樹脂を含有し、
140〜180℃の範囲内における、貯蔵弾性率G′の値、前記貯蔵弾性率G′の最高値及び最低値の差(X)、並びに損失弾性率G″の最高値及び最低値の差(Y)が、それぞれ下記の条件式を満たすことを特徴とする静電潜像現像用トナー。
条件式(1):1.0×102≦G′≦1.0×103
条件式(2):0≦X≦3.0×102
条件式(3):0≦Y≦6.0×102 - 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の値が、下記条件式(4)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
条件式(4):2.0≦Mw/Mn≦6.0 - 重量平均分子量(Mw)が、25000〜60000の範囲内であり、かつ
数平均分子量(Mn)が、8000〜15000の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナー。 - 前記結晶性ポリエステル樹脂が、ビニル系重合性単量体とポリエステル系重合性単量体とが結合してなる結晶性ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂におけるビニル系重合性単量体の含有比率が、前記ビニル系重合性単量体とポリエステル系重合性単量体とが結合してなる結晶性ポリエステル樹脂の総質量に対して、1〜30質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂が、未変性の結晶性ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価が、5〜30mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
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