JP2017003860A - トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、懸濁液における水系媒体のpHを6.0以上10.0以下にし、水系媒体の温度を非晶性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する工程を有し、非晶性樹脂の酸価は結晶性樹脂の酸価より高いことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
重合性単量体、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含有する組成物の粒子を水系媒体中で形成して懸濁液を得る造粒工程、
該懸濁液において該組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合する重合工程、及び
該懸濁液における該水系媒体のpHを6.0以上10.0以下にし、該水系媒体の温度を該非晶性樹脂のTg以上に加熱する工程、
を経てトナー粒子を形成するものであり、
該非晶性樹脂の酸価は、該結晶性樹脂の酸価より高いことを特徴とするトナーの製造方法である。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及び、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系モノマー類;
多官能性モノマーとしては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、及び、ジビニルエーテルが挙げられる。
各樹脂の酸価はJIS K1557−1970に準じて測定される。具体的な測定方法を以下に示す。本発明において、試料は、非晶性樹脂または結晶性樹脂である。
酸価(mgKOH/g)=〔(S−B)×f×5.61〕/W
非晶性樹脂の含有量の測定を行うには、まずトナーから非晶性樹脂の単離および非晶性樹脂の単体のNMRスペクトルと、重合性単量体の重合により得られる結着樹脂成分のNMRスペクトルの測定を行う。
トルエン100gにトナー5gを溶解させ、トナーのトルエン溶解液を作製する。次いで該トルエン溶解液に、樹脂の沈殿物が得られるまでヘキサンを添加する。樹脂の沈殿物が得られた時点でヘキサンの添加を停止し、該トルエン溶解液を遠心分離する。遠心分離によって得られた沈殿物を採取し、乾固することで固形分を得る。この時点で得られる固形分としては非晶性樹脂、および顔料や外添剤の如き不溶物となる。
非晶性樹脂およびバインダー樹脂成分のNMRスペクトル測定は、核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて行った。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
上記した手法で測定したNMRスペクトルから、トナーにおける非晶性樹脂特有のピークを特定した。
非晶性樹脂の含有量は核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて行った。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
上記条件で得られたトナーのスペクトルの積分値および、前述の非晶性樹脂特有のピーク強度から、非晶性樹脂の含有量を算出した。
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、THF150mlを加え、30分かけて溶解する。この溶液にpH電極を入れ、サンプルのTHF溶液のpHを読み取る。その後、0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を10μlずつ添加し、その都度pHを読み取り、滴定を行う。pHが10以上となり、30μl添加してもpHの変化がなくなるまで0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液を加える。得られた結果から0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量に対するpHをプロットし、滴定曲線を得る。得られた滴定曲線からpH変化の傾きが一番大きいところを中和点とする。pKaは中和点までに必要とした0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液量の半分量でのpHと同じ値であるため、滴定曲線から半分量でのpHを読み取る。
非晶性樹脂および結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
非晶性樹脂のガラス転移温度Tg(℃)は示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、測定サンプル2mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲0℃から100℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で昇温する。100℃で15分ホールドし、その後100℃から0℃の間で、降温速度10℃/分の速度で冷却する。0℃で10分ホールドし、その後0℃から100℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で測定を行う。この2回目の昇温過程における吸熱曲線におけるピーク値を融点Tm(℃)とする。また、2回目の昇温過程における比熱変化曲線の比熱変化が出る前と出た後の、ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をTg(℃)とする。
図1に示す装置において、底に500メッシュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に帯電量を測定しようとするトナーを0.5g入れ、金属製の蓋をする。このとき測定容器2全体の質量を量りW1(g)とする。次に吸引機(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行い、トナーを吸引除去する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量をC(mCF)とする。吸引後の測定容器全体の質量を量りW2(g)とする。このトナーの帯電量(mC/kg)は下記式の如く計算される。
帯電量(mC/kg)=(C×V)/(W1−W2)
トナーの重量平均粒子径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標商品名、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解させて濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散させた前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒子径(D4)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒子径(D4)である。
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、トリメリット酸以外の原材料モノマーを表1に示したmol比率で混合した混合物100.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。その後、エステル化触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52部を加え、温度200℃に昇温し所望の分子量になるまで縮重合する。さらに、表1に示すmol比率で無水トリメリット酸を添加し、窒素導入ライン、脱水ライン、攪拌機を装備した重合タンクに入れ、40kPaの減圧下にて縮合反応を行い、非晶性樹脂1を得た。前述の方法に従って測定した非晶性樹脂1の重量平均分子量(Mw)は12000、ガラス転移温度(Tg)は70℃、pKaは6.0であった。
表1の原材料モノマー仕込み量および重縮合反応の温度条件にて、非晶性樹脂1と同様の操作を行い、非晶性樹脂2〜8を製造した。得られた非晶性樹脂2〜8の物性を表1に示す。
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、ステアリルアルコール以外の原材料モノマーを表2に示したmol比率で混合した混合物100.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7部を加えた後、温度180℃に昇温し、減圧させながら所望の分子量となるまで反応させた。さらに、表2に示すmol比率でステアリルアルコールを添加し、窒素導入ライン、脱水ライン、撹拌機を装備した重合タンクに入れ、40kPaの減圧下にて反応を行い、結晶性樹脂1を得た。前述の方法に従って測定した結晶性樹脂1の重量平均分子量(Mw)は20000、融点(Tm)は74℃であった。
表2に示すような原料に変更すること以外は結晶性樹脂1の製造方法と同様にして、結晶性樹脂2〜5を得た。
<水系分散媒の製造工程>
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業社製)14部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に7.8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。このときの該水系媒体のpHを確認したところ、10.8であった。さらに水系媒体に10%塩酸を4.5部投入し、pHを5.8に調整した。
下記の材料をビーカーに入れ、プロペラ式攪拌装置にて撹拌速度100rpmで撹拌しながら、混合して混合液を調製した。
・スチレン 67.5部
・n−ブチルアクリレート 22.5部
・ピグメントブルー15:3 6.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物 1.0部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
・離型剤 パラフィンワックス 7.0部
(HNP−9:日本精鑞製 融点75℃)
・非晶性樹脂1 6.5部
・結晶性樹脂1 10.0部
その後、混合液を65℃に加温し、重合性単量体組成物を得た。
水系媒体の温度を70℃、撹拌装置の回転数を15000回転/分に保ちながら、水系媒体中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま撹拌装置にて15000回転/分を維持しつつ10分間、pH5.8で造粒した(造粒工程)。
高速撹拌装置からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を代え、150回転/分で攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、85℃に昇温して2時間加熱することで重合反応を行い、樹脂粒子スラリーを得た(重合工程)。
上記工程で得られた樹脂粒子スラリーに対して、炭酸ナトリウム水溶液を添加し、該樹脂粒子スラリーのpHを8.0に調整した。その後、該樹脂粒子スラリーを98℃に昇温し、3時間加熱処理を行った。
加熱処理終了後、該スラリーを冷却し、冷却されたスラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。
表3に示すように、非晶性樹脂の種類と部数、結晶性樹脂の種類と部数、加熱処理工程のpH、温度、および加熱処理時間を変更すること以外はトナー1の製造方法と同様にしてトナー2乃至28を得た。
得られた各トナーについて以下の方法に従って性能評価を行った。
二成分現像剤を常温常湿環境(23℃/60%)の環境下で1昼夜放置し、その後50ccのポリ容器に入れ、1分間かけて200回振とうさせる。次いで前述に記載の手段で摩擦帯電量を測定し、得られた帯電量を帯電量N(mC/kg)とした。
得られた帯電量Nの絶対値から、帯電性の評価を行った。
A:帯電量の絶対値が70(mC/kg)以上。(帯電性に特に優れる)
B:帯電量の絶対値60(mC/kg)以上70(mC/kg)未満。(帯電性に優れる)
C:帯電量の絶対値50(mC/kg)以上60(mC/kg)未満。(帯電性が良い)
D:帯電量の絶対値40(mC/kg)以上50(mC/kg)未満。(帯電性にやや劣る)
E:帯電量の絶対値40(mC/kg)未満。(帯電性に劣る)
帯電保持率(%)=100×帯電量H(mC/kg)/帯電量N(mC/kg)
として高温環境下における帯電保持率(%)を計算し、以下の基準で帯電性の環境安定性評価を行なった。
A:帯電保持率(%)が70%以上。(帯電性の環境安定性に特に優れる)
B:帯電保持率(%)が60%以上70%未満。(帯電性の環境安定性に優れる)
C:帯電保持率(%)が50%以上60%未満。(帯電性の環境安定性が良い)
D:帯電保持率(%)が40%以上50%未満。(帯電性の環境安定性にやや劣る)
E:帯電保持率(%)が40%未満。(帯電性の環境安定性に劣る)
市販のカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を、一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改造して評価を行った。このカラーレーザープリンターに搭載されていたシアンカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、代わりに評価するトナー(200g)を充填した。常温常湿下(23℃、60%RH)、受像紙として、キヤノン製オフィスプランナー(64g/m2)を用い、印字率1%チャートを20000枚連続して画像出力した。画像出力後、さらにハーフトーン画像を出力し、現像ローラおよびハーフトーン画像における画像スジの有無について観察し、以下のように現像性を評価した。
A:現像ローラ上とハーフトーン部の画像上に、現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。(現像性に特に優れる)
B:現像ローラ上に、細いスジが1乃至3本あるものの、ハーフトーン部の画像上に現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。(現像性に優れる)
C:現像ローラ上に、細いスジが4乃至6本あるものの、ハーフトーン部の画像上に現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。(現像性が良い)
D:現像ローラ上に、細いスジが7乃至9本あり、ハーフトーン部の画像上に目視可能な現像スジが見られる。(現像性にやや劣る)
E:現像ローラ上とハーフトーン部の画像上に10本以上の顕著な現像スジが見られる。(現像性に劣る)
定着ユニットを外したカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を用意し、シアンカートリッジからトナーを取り出して、代わりに評価するトナーを充填した。次いで、受像紙(キヤノン製オフィスプランナー 64g/m2)上に、充填したトナーを用いて、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(0.9mg/cm2)を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。次いで、取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードを調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。
A:低温側定着開始点が125℃以下(低温定着性が特に優れている)
B:低温側定着開始点が130℃或いは135℃(低温定着性に優れている)
C:低温側定着開始点が140℃或いは145℃(低温定着性が良い)
D:低温側定着開始点が150℃或いは155℃(低温定着性にやや劣る)
E:低温側定着開始点が160℃以上(低温定着性に劣る)
(製造安定性)
各トナーにおける製造安定性を、以下の基準に従って評価した。
A:トナーの重量平均粒子径が6.5μm未満である(製造安定性に優れる)
B:トナーの重量平均粒子径が6.5μm以上、7.0μm未満である(製造安定性に優れる)
C:トナーの重量平均粒子径が7.0μm以上、8.0μm未満である(製造安定性が良い)
D:トナーの重量平均粒子径が8.0μm以上、9.0μm未満である(製造安定性にやや劣る)
E:トナーの重量平均粒子径が9.0μm以上(製造安定性に劣る)
結果を表4に示した。
Claims (8)
- トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、該方法が、
重合性単量体、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含有する組成物の粒子を水系媒体中で形成して懸濁液を得る造粒工程、
該懸濁液において該組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合する重合工程、及び
該懸濁液における該水系媒体のpHを6.0以上10.0以下にし、該水系媒体の温度を該非晶性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する工程、
を経てトナー粒子を形成するものであり、
該非晶性樹脂の酸価は、該結晶性樹脂の酸価より高いことを特徴とするトナーの製造方法。 - 該非晶性樹脂の酸価が、1.0mgKOH/g以上20.0mgKOH/g以下である請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 該結晶性樹脂の酸価が、該非晶性樹脂の酸価に対して50.0%以下である請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
- 該トナー中の該非晶性樹脂の含有量が、0.5質量%以上10.0質量%以下である請求項1から3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 該水系媒体の温度を該非晶性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する工程における該水系媒体のpHを、6.5以上10.0以下とする請求項1から4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 該水系媒体の温度を該非晶性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する工程を行う時間が、2時間以上である請求項1から5のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
- 該非晶性樹脂がポリエステル樹脂である1から6のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
- 該結晶性樹脂がポリエステル樹脂である1から7のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
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