JP2017003860A - トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温定着性に優れ、さらに帯電性および流動性に優れたトナーの製造方法を提供することである。
【解決手段】 トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、懸濁液における水系媒体のpHを6.0以上10.0以下にし、水系媒体の温度を非晶性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する工程を有し、非晶性樹脂の酸価は結晶性樹脂の酸価より高いことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法などの方法に用いられるトナーの製造方法に関する。
近年、プリンターや複写機において低消費電力化が求められており、トナーの性能については、より低い温度でトナーを軟化させることが求められている。この課題に対し、結晶性樹脂を添加するトナーが検討されている。結晶性樹脂は非晶性樹脂に対して、溶融時の粘度が低く、より低い温度でトナーを軟化させることが可能である。
特許文献1〜3では、結晶性ポリエステルを用いた懸濁重合トナーが記載されている。上記したトナーでは、結晶性ポリエステルを用いることでトナーの低温定着性が向上することが記載されている。
特開2006−106727号公報 特開2009−063969号公報 特開2013−80112号公報
しかしながら、本発明者らの検討の結果、懸濁重合法において単純に結晶性樹脂を添加すると、一部の結晶性樹脂がトナー表面に露出し、帯電性や流動性が低下してしまうという課題が生じる場合がある。特許文献1のトナーを検討したところ、表層及び内部に、結晶性ポリエステルが存在するため、優れた低温定着性は得られるものの、帯電性や流動性が低下しやすい。特許文献2および特許文献3に記載のトナーも、結晶性ポリエステルのトナー中における存在状態を制御していないため、トナー表面に結晶性ポリエステルが一部露出し、充分な帯電性や流動性が得られないものであった。したがって、結晶性樹脂を導入した懸濁重合トナーにおいて、トナー表面における結晶性樹脂の露出を制御し、低温定着性と優れた帯電性及び流動性を両立したトナーは未だ提案されていなかった。
本発明の課題は、低温定着性に優れ、さらに帯電性および流動性に優れたトナーの製造方法を提供することにある。
本発明は、トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、該方法が、
重合性単量体、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含有する組成物の粒子を水系媒体中で形成して懸濁液を得る造粒工程、
該懸濁液において該組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合する重合工程、及び
該懸濁液における該水系媒体のpHを6.0以上10.0以下にし、該水系媒体の温度を該非晶性樹脂のTg以上に加熱する工程、
を経てトナー粒子を形成するものであり、
該非晶性樹脂の酸価は、該結晶性樹脂の酸価より高いことを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明によれば、低温定着性に優れ、さらに帯電性および流動性に優れたトナーの製造方法を提供することができる。
本発明の帯電量測定に用いた装置の模式図である
本発明のトナーの製造方法は、懸濁重合法として以下2つの工程を有する。1つは、重合性単量体、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含有する組成物の粒子を水系媒体中で形成して懸濁液を得る造粒工程である。もう1つは、懸濁液において組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合する重合工程である。そして、本発明では、懸濁液における水系媒体のpHを6.0以上10.0以下にし、水系媒体の温度を非晶性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する工程を有し、非晶性樹脂の酸価を結晶性樹脂の酸価より高くするという特徴を有する。これら工程を経ることで、トナー粒子を形成することができる。
本発明者らは、トナー表面への結晶性樹脂の露出を抑えるために、非晶性樹脂及び結晶性樹脂が有する極性基の解離(脱プロトン)による親水性の変化に着眼した。本発明では、非晶性樹脂の酸価を結晶性樹脂の酸価より高くする。このとき、非晶性樹脂及び結晶性樹脂に酸価を持たせる極性基としては、特に制限されないが、カルボキシ基が好ましい。以下の説明ではカルボキシ基を用いた場合を具体例として説明をする。
一般的にカルボキシ基は、水中で解離して陰イオン化し、親水性が上がる。また、カルボキシ基の解離する割合は、水系媒体の水素イオン濃度指数(pH)によっても変化することが知られている。pHが低いほどカルボキシ基が解離する割合は低く、pHが高いほどカルボキシ基が解離する割合は高くなる。これは、樹脂に含まれるカルボキシ基についても同様である。
本発明における懸濁重合法によるトナーの製造方法は、造粒工程、重合工程、を有する。このとき、造粒工程によって得られた組成物の粒子の水系媒体との界面、及び粒子に含まれる重合性単量体を重合して得られた粒子の水系媒体との界面には、一部の非晶性樹脂及び結晶性樹脂が存在すると考えている。
そこで、本発明者らは、水系媒体のpHを制御することで、粒子の水系媒体との界面に存在する非晶性樹脂及び結晶性樹脂の親水性を制御し、選択的に非晶性樹脂をトナー最表面に移行させ、結晶性樹脂の露出を抑制すること可能であると考えた。その手段として、非晶性樹脂の酸価を結晶性樹脂の酸価よりも高くし、トナー製造時の水系媒体のpHを上げる(6.0以上10.0以下)ことである。これにより、非晶性樹脂のトナー表面への移行性を制御し、結晶性樹脂のトナー表面への露出を制御することができると考えている。これは、酸価を上記した条件にすることで、結晶性樹脂よりも非晶性樹脂のほうが、水系媒体のpHを上げたときのカルボキシ基の解離による親水性か大きくなり、非晶性樹脂が水系媒体側への移行(トナー表面への移行)が促進されているものだと推測される。
さらに、上記した酸価及びpHに設定した状態で、非晶性樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度で加熱処理を行うことで、非晶性樹脂の分子運動を促し、トナー表面に存在する非晶性樹脂と結晶性樹脂の再配置を行うことができる。結果として、トナー最表面に、カルボキシ基の解離の影響が大きい非晶性樹脂を積極的に偏析させ、カルボキシ基の解離の影響が小さい結晶性樹脂を、非晶性樹脂よりもトナーの内側方向に移動させることができる。
以上により、結晶性樹脂による低温定着効果を得ながら、結晶性樹脂の表面露出による帯電性や流動性というトナー性能への影響を大幅に抑えることが可能となる。
水系媒体のpHが6.0未満である場合には、非晶性樹脂及び結晶性樹脂のカルボキシ基の解離が充分に起こらないため、上述したようなトナー表面の制御が難しい。また、水系媒体のpHが10.0よりも高い場合には、非晶性樹脂だけでなく結晶性樹脂の親水性も大幅に上がってしまう場合があり、選択的に非晶性樹脂をトナー表面に偏析させることが難しい。また、トナー表面の結晶性樹脂の露出量が多い状態で加熱処理を行うため、加熱処理中にトナー粒子の合一が生じるため、製造安定性が低下する場合がある。水系媒体のpHとしては6.5以上10.0以下であることが好ましく、7.5以上9.0以下であることがより好ましい。
また、懸濁液における水系媒体のpHを6.0以上10.0以下にし、水系媒体の温度を非晶性樹脂のTg以上に加熱する処理(以下、高pH・加熱処理とも称する)をした後に、pHを6.0以下に下げた場合にも、本発明の効果は得られる。これは、pHを6.0以下に下げて解離しているカルボキシ基の割合を下げたとしても、非晶性樹脂と結晶性樹脂の親水性の差が小さくなるだけであり、非晶性樹脂と結晶性樹脂との親水性の順列が逆になるわけではないためだと推測している。
水系媒体のpHは、懸濁液の水系媒体に、公知の酸及びアルカリを添加することで制御できる。具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、りん酸等の酸性類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、アミン化合物等のアルカリ類が挙げられる。
水系媒体の温度が非晶性樹脂のTg未満である場合には、非晶性樹脂が移動し難く、トナー表面に存在する非晶性樹脂と結晶性樹脂の再配置を行われ難くなる。水系媒体の温度としては、非晶性樹脂のTg+20℃以上の温度に加熱することがより好ましい。また、本発明では、水系媒体としては水であることが好ましく、加熱温度の上限としては水の沸点である100℃以下であることが好ましい。
高pH・加熱処理を行う時間としては、2時間以上であることが好ましく、3時間以上行うことがより好ましい。3時間以上であると、非晶性樹脂を十分に移動させ、トナー表面に存在する樹脂の制御が可能となる。3時間以上であれば何時間処理を行っても構わないが、生産性の観点から20時間以下が好ましい。
本発明では、非晶性樹脂の酸価は、該結晶性樹脂の酸価より高いものである。これにより、非晶性樹脂のトナー表面への移行性を制御し、結晶性樹脂のトナー表面への露出を抑制することができる。非晶性樹脂の酸価は、1.0mgKOH/g以上20.0mgKOH/g以下であることが好ましい。1.0mgKOH以上であることで、pHをあげたときの酸解離による親水化の影響が十分に得られ、該非晶性樹脂をトナー最表層により偏析させることができる。また、造粒工程によって得られた組成物の粒子の水系媒体との界面に、より多くの非晶性樹脂を存在させることができるため、pHを6.0以上10.0以下としたきの効果を大きくできる。さらに、非晶性樹脂の親水性が高いため、組成物の粒子と水系媒体との界面張力を適正に制御でき、製造性が良好である。また、20.0mgKOH/g以下であることで、非晶性樹脂の吸湿性を抑えることができ、非晶性樹脂をトナー最表面に偏析させた場合に、高温高湿下においても優れた帯電性を得ることができる。非晶性樹脂の酸価としては1.5mgKOH/g以上15.0mgKOH/g以下であることがより好ましい。
結晶性樹脂の酸価は、非晶性樹脂の酸価に対して50.0%以下であることが好ましい。50.0%以下であることで、非晶性樹脂よりも結晶性樹脂の親水性を低く制御することができる。さらに、結晶性樹脂に対する、pHを6.0以上10.0以下にしたときの酸解離による影響を、非晶性樹脂よりも小さくできる。そのため、トナー表面への結晶性樹脂の露出を十分に抑えることができる。結晶性樹脂の酸価は、該非晶性樹脂の酸価に対して25.0%以下であることがより好ましい。結晶性樹脂の具体的な酸価は、0mgKOH/g以上6.0mgKOH/g以下であることが好ましい。
非晶性樹脂及び結晶性樹脂の酸価の制御方法は、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を構成する樹脂によって異なる。非晶性樹脂及び結晶性樹脂がポリエステル樹脂の場合は、例えば、次のように方法により制御することができる。すなわち、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を製造する際の酸モノマーとアルコールモノマーの比率、分子量、一価の酸モノマー及び/またはアルコールモノマーの量、三価の酸モノマー及び/またはアルコールモノマーの量などの条件で制御することができる。また、非晶性樹脂及び結晶性樹脂がスチレンアクリル系樹脂である場合、アクリル酸やメタクリル酸などのカルボキシル基を有するモノマーの量の如き条件で制御することができる。非晶性樹脂及び結晶性樹脂の酸価の測定方法については後述する。
また、トナー中の非晶性樹脂の含有量は0.5質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。非晶性樹脂の含有量が0.5質量%以上であることで、トナーの表面を非晶性樹脂によって十分に被覆することができる。結果として、結晶性樹脂の露出を抑えることができ、優れた帯電性が得られる。また、造粒時の組成物の粒子と水系媒体との界面張力を制御できるため製造安定性が良好である。10.0質量%以下であることで、非晶性樹脂でトナー表面を被覆することによる定着性への影響を抑えることができ、結晶性樹脂の低温定着性を十分に活かした定着性能を得ることができる。非晶性樹脂の含有量の測定方法については後述する。
また、トナー中の結晶性樹脂の含有量は、0.5質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。この範囲であれば、帯電性と低温定着性の点で好ましい。
非晶性樹脂の組成については特に限定されず、例えば、スチレンアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。また、結晶性樹脂の組成についても同様に特に限定はされず、例えば、結晶性ポリエステルや結晶性アクリル樹脂などが挙げられる。
その中でも、pHによるトナー最表面への偏析を制御する点から、非晶性樹脂及び結晶性樹脂共に、親水性の官能基であるエステル結合を主鎖に有するポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂であることで、造粒工程によって得られた組成物の粒子の水系媒体との界面に、より多くの非晶性樹脂を存在させることができるため、pHを6.0以上10.0以下にしたときの効果がより大きくなる。また、ポリエステル樹脂の一部が他の樹脂で変性されていても良く、ブロックポリマーやグラフトポリマーであっても構わない。
本発明において結晶性樹脂とは、後述する示差走査熱量分析装置による比熱変化測定の可逆比熱変化曲線において、明確な吸熱ピーク(融点)を有する樹脂を指す。一方、明確な吸熱ピークを有さない樹脂を非晶性樹脂である。また、結晶性樹脂は、結晶性構造を有する部位と非晶性構造を有する部位とが結合したブロックポリマーであってもよい。
なお、一般的なブロックポリマーの定義としては、線状に連結した複数のブロックで構成されたポリマー(高分子学会 国際純正応用化学連合高分子命名法委員会による高分子科学の基本的術語の用語集)とあり、本発明もその定義に従う。
非晶性樹脂及び結晶性樹脂は、酸価を付与する官能基として、水中における酸解離定数(pKa)が4.0以上9.0以下の官能基を有することが好ましい。pKaが4.0以上9.0以下であることで、懸濁液のpHによって酸の解離状態を制御しやすくなる。また、上記範囲にあることで、非晶性樹脂及び結晶性樹脂の吸湿性を抑えることができるため、トナーとして高温高湿下でもより優れた帯電性が得られる。pKaの範囲は、非晶性樹脂および結晶性樹脂を製造する際に用いるモノマーの種類や、非晶性樹脂および結晶性樹脂の分子量の如き物性で制御可能である。なお、pKaの測定方法については後述する。
非晶性樹脂のTgは55℃以上80℃以下であることが好ましい。これは、本発明において水系媒体としては水であることが好ましく、加熱処理温度の上限は水の沸点である100℃となるからである。非晶性樹脂のTgは、非晶性樹脂を構成するモノマーの種類によって制御可能である。なお、非晶性樹脂のTgの測定方法については後述する。
非晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は9000以上18000以下であることが好ましい。上記範囲にあることで、充分な硬さを得ることができるため、トナーとして優れた流動性を得ることができる。さらに、溶融時の粘度が低いため、pHを変えて加熱処理した際に積極的に該非晶性樹脂をトナー表面に偏析させることができる。
結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は10000以上35000以下であることが好ましい。上記範囲にあることで、溶融時に充分に粘度低下しつつ、pHを変えて加熱処理した際に積極的に結晶性樹脂をトナーの内側方向に移動させることができる。結晶性樹脂のMwは15000以上30000以下であることがより好ましい。
非晶性樹脂及び結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を製造する際の重合温度や重合時間の如き条件で制御することができる。なお、非晶性樹脂および結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法については後述する。
非晶性樹脂がポリエステル樹脂である場合、ポリエステル樹脂は、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーの重合によって得られる。具体的なアルコールモノマーとしては、例えば以下のものが使用できる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコールの如きアルコールモノマー;ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、の如き2価のアルコール;1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール、ペンタエリスリトールの如き3価のアルコール。具体的なカルボン酸モノマーとしては、例えば以下のものが使用できる。シュウ酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸の如きジカルボン酸及びこれらの酸の無水物または低級アルキルエステル;トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパンの如き3価以上の多価カルボン酸成分及びこれらの酸無水物または低級アルキルエステル等の誘導体。
また、ポリエステル樹脂の特性を損なわない程度に末端の酸価および水酸基価を制御する目的で、一価のカルボン酸成分、一価のアルコール成分を用いても良い。例えば安息香酸、ナフタレンカルボン酸、サリチル酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、フェノキシ酢酸、ビフェニルカルボン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、等のモノカルボン酸。また、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、ラウリルアルコール、2−エチルヘキサノール、デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ドデシルアルコール。
結晶性樹脂がポリエステル樹脂である場合、炭素数4以上20以下の脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を反応して得られるものであることが好ましい。脂肪族ジオールとしては、具体的には例えば以下のものが使用できる。1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール。また、二重結合を持つ脂肪族ジオールを用いることもできる。二重結合を持つ脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば以下のものが使用できる。2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール、4−オクテン−1,8−ジオール。
脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には例えば以下のものが使用できる。蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸。あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物。二重結合を有するジカルボン酸を用いることもできる。具体的には、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物も挙げられる。
次に、本発明のトナーの製造方法について、手順及び用いてもよい材料を例示して具体的に説明するが、以下に限定される訳ではない。
重合性単量体、非晶性樹脂、結晶性樹脂、着色剤を加え、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機を用いてこれらを溶融、溶解あるいは分散させた重合性単量体組成物を調製する。このとき、上記重合性単量体組成物中には、必要に応じて離型剤や多官能性単量体、顔料分散剤、荷電制御剤、粘度調整のための溶剤、さらに他の添加剤(例えば、連鎖移動剤)を適宜加えてもよい。
次いで、上記重合性単量体組成物を、予め用意しておいた分散安定剤を含有する水系媒体中に投入し、高速攪拌機もしくは超音波分散機の如き高速分散機を用いて重合性単量体組成物の粒子を形成して懸濁液を得る(造粒工程)。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を調製する際に他の添加剤とともに混合してもよく、水系媒体中に懸濁させる直前に重合性単量体組成物中に混合してもよい。また、造粒中や造粒完了後、すなわち重合反応を開始する直前に、必要に応じて重合性単量体や他の溶媒に溶解した状態で加えることも出来る。
造粒後の懸濁液を加熱し、懸濁液中のモノマー組成物の粒子が粒子状態を維持し、且つ粒子の浮遊や沈降が生じることがないよう、撹拌しながら重合性単量体の重合反応を行う(重合工程)。その後、必要に応じて脱溶剤処理を行う事でトナー粒子の水分散液が形成される。なお、重合性単量体を重合させることによって、結着樹脂が得られる。
本発明の高pH・加熱処理は、上記した造粒工程後であれば、どの段階で行っても良い。その後、必要に応じて洗浄を行い、種々の方法によって乾燥、分級、外添処理を行うことでトナーを得ることが出来る。
本発明で用いる該重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系モノマーを用いることが可能である。ビニル系モノマーとしては、単官能性モノマーあるいは多官能性モノマーを使用することができる。
単官能性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、及び、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及び、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系モノマー類;
多官能性モノマーとしては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、及び、ジビニルエーテルが挙げられる。
上記モノマーに関して、単官能性モノマーを単独で、あるいは二種以上組み合わせて、又は、単官能性モノマーと多官能性モノマーとを組み合わせて、又は、多官能性モノマーを単独で、あるいは、二種以上を組み合わせて使用できる。
本発明のトナーは、着色剤として従来知られている種々の染料や顔料等、公知の着色剤を用いる事が出来る。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー用の着色剤として、例えば、以下に示す着色剤を用いることができる。
イエロー着色剤としては、顔料としては、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントイエロー74,93,95,109,111,128,155,174,180,185が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントレッド2,3,5,6,7,23,48:2,48:3,48:4,57:1,81:1,122,144,146,150,166,169,177,184,185,202,206,220,221,238,254,269、C.I.ピグメントバイオレッド19等が例示できる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的にはC.I.ピグメントブルー1,7,15,15:1,15:2,15:3,15:4,60,62,66が挙げられる。
着色剤は、トナー中に1.0質量%以上20.0質量%以下含有することが好ましい。
本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合には、トナー粒子に磁性体を含有させればよい。この場合、磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き金属が挙げられる。あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムの如き金属との合金及びその混合物が挙げられる。
本発明に用いることのできる離型剤としては特に制限はなく公知のものが利用できる。例えば、以下の化合物が挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、エステルワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。離型剤は、トナー中に1.0質量%以上20.0質量%以下含有することが好ましい。
また、本発明のトナー粒子は、荷電制御剤を使用しても良い。中でも、トナー粒子を負荷電性に制御する荷電制御剤を用いることが好ましい。荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、ノンメタルカルボン酸系化合物及びその誘導体が挙げられる。また、スルホン酸基、スルホン酸塩基、或いは、スルホン酸エステル基を有するスルホン酸樹脂は好ましく用いることができる。
荷電制御剤の添加量は、トナー中に0.01質量%以上20.0質量%含有することが好ましい。
また、水系媒体中に添加する分散安定剤としては、無機分散剤は超微粉が生成しにくく、洗浄も容易でトナーに悪影響を与えにくいため、好適に使用することができる。無機分散剤としては、以下のものが挙げられる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛の如きリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナの如き無機酸化物。これらの無機分散剤のなかでも、pH6.0以上pH10.0以下の領域で安定的に存在可能である、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、水酸化アルミニウムが特に好ましい。また、これらの分散安定剤は、重合終了後に酸あるいはアルカリを加えて溶解することにより、ほぼ完全に取り除くことができる。
本発明のトナーには、流動性向上剤が外部添加されていることが画質向上のために好ましい。流動性向上剤としては、ケイ酸微粉体、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好適に用いられる。これら無機微粉体は、シランカップリング剤、シリコーンオイルまたはそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。さらに、本発明のトナーは、必要に応じて流動性向上剤以外の外部添加剤をトナー粒子に混合されていてもよい。
無機微粒子の総添加量は、トナー粒子100質量部に対して1.0質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーは、そのまま一成分系現像剤として、あるいは磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
以下に、本発明で規定する各物性値の測定方法を記載する。
<非晶性樹脂および結晶性樹脂の酸価の測定方法>
各樹脂の酸価はJIS K1557−1970に準じて測定される。具体的な測定方法を以下に示す。本発明において、試料は、非晶性樹脂または結晶性樹脂である。
試料の粉砕品2gを精秤する(W(g))。200mlの三角フラスコに試料を入れ、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間溶解する。この時、必要に応じて加熱してもよい。指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加える。0.1モル/L規定のKOHもアルコール溶液を用いて上記溶液を、ビュレットを用いて滴定する。この時のKOH溶液の量をS(ml)とする。ブランクテストをし、この時のKOH溶液の量をB(ml)とする。
次式により酸価を計算する。尚、式中の“f”は、KOH溶液のファクターである。
酸価(mgKOH/g)=〔(S−B)×f×5.61〕/W
<非晶性樹脂の含有量の測定方法>
非晶性樹脂の含有量の測定を行うには、まずトナーから非晶性樹脂の単離および非晶性樹脂の単体のNMRスペクトルと、重合性単量体の重合により得られる結着樹脂成分のNMRスペクトルの測定を行う。
(非晶性樹脂の単離)
トルエン100gにトナー5gを溶解させ、トナーのトルエン溶解液を作製する。次いで該トルエン溶解液に、樹脂の沈殿物が得られるまでヘキサンを添加する。樹脂の沈殿物が得られた時点でヘキサンの添加を停止し、該トルエン溶解液を遠心分離する。遠心分離によって得られた沈殿物を採取し、乾固することで固形分を得る。この時点で得られる固形分としては非晶性樹脂、および顔料や外添剤の如き不溶物となる。
また、上記遠心分離で得られた上澄みのトルエン溶解液についても採取し、トルエンおよびヘキサンを蒸発させ、結着樹脂成分を得た。
次いで、該固形分をTHF3gに溶解し、沈殿物のTHF溶解液を作製する。該THF溶解液を遠心分離して顔料や外添剤の如き不溶分を取り除き、上澄みのTHF溶液を採取して、THFを蒸発させることで非晶性樹脂を得た。
(非晶性樹脂および結着樹脂成分のNMRスペクトルの測定)
非晶性樹脂およびバインダー樹脂成分のNMRスペクトル測定は、核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて行った。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
上記した手法で測定したNMRスペクトルから、トナーにおける非晶性樹脂特有のピークを特定した。
(非晶性樹脂の含有量の測定)
非晶性樹脂の含有量は核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて行った。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
上記条件で得られたトナーのスペクトルの積分値および、前述の非晶性樹脂特有のピーク強度から、非晶性樹脂の含有量を算出した。
<非晶性樹脂および結晶性樹脂のpKaの測定方法>
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、THF150mlを加え、30分かけて溶解する。この溶液にpH電極を入れ、サンプルのTHF溶液のpHを読み取る。その後、0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を10μlずつ添加し、その都度pHを読み取り、滴定を行う。pHが10以上となり、30μl添加してもpHの変化がなくなるまで0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液を加える。得られた結果から0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量に対するpHをプロットし、滴定曲線を得る。得られた滴定曲線からpH変化の傾きが一番大きいところを中和点とする。pKaは中和点までに必要とした0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液量の半分量でのpHと同じ値であるため、滴定曲線から半分量でのpHを読み取る。
<非晶性樹脂および結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法>
非晶性樹脂および結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、各種樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。このとき、必要に応じて加熱しても良い。その後、得られた溶液をポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<非晶性樹脂のガラス転移温度Tg(℃)、結晶性樹脂の融点Tm(℃)の測定方法>
非晶性樹脂のガラス転移温度Tg(℃)は示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、測定サンプル2mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲0℃から100℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で昇温する。100℃で15分ホールドし、その後100℃から0℃の間で、降温速度10℃/分の速度で冷却する。0℃で10分ホールドし、その後0℃から100℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で測定を行う。この2回目の昇温過程における吸熱曲線におけるピーク値を融点Tm(℃)とする。また、2回目の昇温過程における比熱変化曲線の比熱変化が出る前と出た後の、ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をTg(℃)とする。
<帯電量の測定方法>
図1に示す装置において、底に500メッシュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に帯電量を測定しようとするトナーを0.5g入れ、金属製の蓋をする。このとき測定容器2全体の質量を量りW1(g)とする。次に吸引機(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行い、トナーを吸引除去する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量をC(mCF)とする。吸引後の測定容器全体の質量を量りW2(g)とする。このトナーの帯電量(mC/kg)は下記式の如く計算される。
帯電量(mC/kg)=(C×V)/(W1−W2)
<重量平均粒子径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒子径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標商品名、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解させて濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散させた前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒子径(D4)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒子径(D4)である。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例中で使用する部は全て質量部を示す。なお、トナー1〜20を実施例とし、トナー21〜28を比較例として製造した。
<非晶性樹脂1の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、トリメリット酸以外の原材料モノマーを表1に示したmol比率で混合した混合物100.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。その後、エステル化触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52部を加え、温度200℃に昇温し所望の分子量になるまで縮重合する。さらに、表1に示すmol比率で無水トリメリット酸を添加し、窒素導入ライン、脱水ライン、攪拌機を装備した重合タンクに入れ、40kPaの減圧下にて縮合反応を行い、非晶性樹脂1を得た。前述の方法に従って測定した非晶性樹脂1の重量平均分子量(Mw)は12000、ガラス転移温度(Tg)は70℃、pKaは6.0であった。
<非晶性樹脂2乃至8の製造>
表1の原材料モノマー仕込み量および重縮合反応の温度条件にて、非晶性樹脂1と同様の操作を行い、非晶性樹脂2〜8を製造した。得られた非晶性樹脂2〜8の物性を表1に示す。
Figure 2017003860
また、表中のTPAはテレフタル酸、TMAはトリメリット酸、BPA‐PO2mol付加物はビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物を表わす。
<結晶性樹脂1の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、ステアリルアルコール以外の原材料モノマーを表2に示したmol比率で混合した混合物100.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7部を加えた後、温度180℃に昇温し、減圧させながら所望の分子量となるまで反応させた。さらに、表2に示すmol比率でステアリルアルコールを添加し、窒素導入ライン、脱水ライン、撹拌機を装備した重合タンクに入れ、40kPaの減圧下にて反応を行い、結晶性樹脂1を得た。前述の方法に従って測定した結晶性樹脂1の重量平均分子量(Mw)は20000、融点(Tm)は74℃であった。
<結晶性樹脂2〜5の製造>
表2に示すような原料に変更すること以外は結晶性樹脂1の製造方法と同様にして、結晶性樹脂2〜5を得た。
得られた結晶性樹脂1〜5の物性を表2に示す。結晶性樹脂1〜5は、示差走査熱量分析装置による比熱変化測定の可逆比熱変化曲線において、明確な吸熱ピーク(融点)を有していることが認められた。
Figure 2017003860
<トナー1の製造>
<水系分散媒の製造工程>
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業社製)14部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に7.8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。このときの該水系媒体のpHを確認したところ、10.8であった。さらに水系媒体に10%塩酸を4.5部投入し、pHを5.8に調整した。
<重合性単量体組成物の製造工程>
下記の材料をビーカーに入れ、プロペラ式攪拌装置にて撹拌速度100rpmで撹拌しながら、混合して混合液を調製した。
・スチレン 67.5部
・n−ブチルアクリレート 22.5部
・ピグメントブルー15:3 6.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物 1.0部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
・離型剤 パラフィンワックス 7.0部
(HNP−9:日本精鑞製 融点75℃)
・非晶性樹脂1 6.5部
・結晶性樹脂1 10.0部
その後、混合液を65℃に加温し、重合性単量体組成物を得た。
<懸濁液の製造工程>
水系媒体の温度を70℃、撹拌装置の回転数を15000回転/分に保ちながら、水系媒体中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま撹拌装置にて15000回転/分を維持しつつ10分間、pH5.8で造粒した(造粒工程)。
<樹脂粒子スラリーの製造工程>
高速撹拌装置からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を代え、150回転/分で攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、85℃に昇温して2時間加熱することで重合反応を行い、樹脂粒子スラリーを得た(重合工程)。
<加熱処理工程>
上記工程で得られた樹脂粒子スラリーに対して、炭酸ナトリウム水溶液を添加し、該樹脂粒子スラリーのpHを8.0に調整した。その後、該樹脂粒子スラリーを98℃に昇温し、3時間加熱処理を行った。
<洗浄、乾燥、分級、外添工程>
加熱処理終了後、該スラリーを冷却し、冷却されたスラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100部に対して、外添剤として、シリカ微粉体に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m2/g)1.5部を三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)で撹拌速度3000rpmで15分間混合して、トナー1を得た。前述の方法に従って測定したトナー1の重量平均分子量(Mw)は35000、ガラス転移温度(Tg)は55℃であった。
<トナー2〜28の製造>
表3に示すように、非晶性樹脂の種類と部数、結晶性樹脂の種類と部数、加熱処理工程のpH、温度、および加熱処理時間を変更すること以外はトナー1の製造方法と同様にしてトナー2乃至28を得た。
Figure 2017003860
<実施例1〜20、比較例1〜8>
得られた各トナーについて以下の方法に従って性能評価を行った。
(帯電性、帯電性の環境安定性)
二成分現像剤を常温常湿環境(23℃/60%)の環境下で1昼夜放置し、その後50ccのポリ容器に入れ、1分間かけて200回振とうさせる。次いで前述に記載の手段で摩擦帯電量を測定し、得られた帯電量を帯電量N(mC/kg)とした。
得られた帯電量Nの絶対値から、帯電性の評価を行った。
(評価基準)
A:帯電量の絶対値が70(mC/kg)以上。(帯電性に特に優れる)
B:帯電量の絶対値60(mC/kg)以上70(mC/kg)未満。(帯電性に優れる)
C:帯電量の絶対値50(mC/kg)以上60(mC/kg)未満。(帯電性が良い)
D:帯電量の絶対値40(mC/kg)以上50(mC/kg)未満。(帯電性にやや劣る)
E:帯電量の絶対値40(mC/kg)未満。(帯電性に劣る)
さらに、該二成分現像剤を高温高湿環境(30℃/80%)の環境下で1昼夜放置し、その後50ccのポリ容器に入れ、1分間かけて200回振とうさせ、同様の方法で測定した帯電量を帯電量H(mC/kg)とした。
得られた帯電量Nと帯電量Hから
帯電保持率(%)=100×帯電量H(mC/kg)/帯電量N(mC/kg)
として高温環境下における帯電保持率(%)を計算し、以下の基準で帯電性の環境安定性評価を行なった。
(評価基準)
A:帯電保持率(%)が70%以上。(帯電性の環境安定性に特に優れる)
B:帯電保持率(%)が60%以上70%未満。(帯電性の環境安定性に優れる)
C:帯電保持率(%)が50%以上60%未満。(帯電性の環境安定性が良い)
D:帯電保持率(%)が40%以上50%未満。(帯電性の環境安定性にやや劣る)
E:帯電保持率(%)が40%未満。(帯電性の環境安定性に劣る)
(現像性)
市販のカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を、一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改造して評価を行った。このカラーレーザープリンターに搭載されていたシアンカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、代わりに評価するトナー(200g)を充填した。常温常湿下(23℃、60%RH)、受像紙として、キヤノン製オフィスプランナー(64g/m)を用い、印字率1%チャートを20000枚連続して画像出力した。画像出力後、さらにハーフトーン画像を出力し、現像ローラおよびハーフトーン画像における画像スジの有無について観察し、以下のように現像性を評価した。
(評価基準)
A:現像ローラ上とハーフトーン部の画像上に、現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。(現像性に特に優れる)
B:現像ローラ上に、細いスジが1乃至3本あるものの、ハーフトーン部の画像上に現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。(現像性に優れる)
C:現像ローラ上に、細いスジが4乃至6本あるものの、ハーフトーン部の画像上に現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。(現像性が良い)
D:現像ローラ上に、細いスジが7乃至9本あり、ハーフトーン部の画像上に目視可能な現像スジが見られる。(現像性にやや劣る)
E:現像ローラ上とハーフトーン部の画像上に10本以上の顕著な現像スジが見られる。(現像性に劣る)
(定着性)
定着ユニットを外したカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を用意し、シアンカートリッジからトナーを取り出して、代わりに評価するトナーを充填した。次いで、受像紙(キヤノン製オフィスプランナー 64g/m)上に、充填したトナーを用いて、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(0.9mg/cm)を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。次いで、取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードを調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。
まず、常温常湿環境下(23℃、60%RH)、プロセススピードを230mm/sに設定し、初期温度を130℃として設定温度を5℃ずつ順次昇温させながら、各温度で上記未定着画像の定着を行った。
低温定着性の評価基準は以下の通りである。低温側定着開始点とは、画像の表面を4.9kPa(50g/cm)の荷重をかけたシルボン紙(ダスパー K−3)で0.2m/秒の速度で5回摺擦したときに、直径150μm以上の画像剥がれが3個以内である最低温度のことである。定着がしっかり行われない場合には、上記画像剥がれは増える傾向にある
(評価基準)
A:低温側定着開始点が125℃以下(低温定着性が特に優れている)
B:低温側定着開始点が130℃或いは135℃(低温定着性に優れている)
C:低温側定着開始点が140℃或いは145℃(低温定着性が良い)
D:低温側定着開始点が150℃或いは155℃(低温定着性にやや劣る)
E:低温側定着開始点が160℃以上(低温定着性に劣る)
(製造安定性)
各トナーにおける製造安定性を、以下の基準に従って評価した。
(評価基準)
A:トナーの重量平均粒子径が6.5μm未満である(製造安定性に優れる)
B:トナーの重量平均粒子径が6.5μm以上、7.0μm未満である(製造安定性に優れる)
C:トナーの重量平均粒子径が7.0μm以上、8.0μm未満である(製造安定性が良い)
D:トナーの重量平均粒子径が8.0μm以上、9.0μm未満である(製造安定性にやや劣る)
E:トナーの重量平均粒子径が9.0μm以上(製造安定性に劣る)
結果を表4に示した。
Figure 2017003860

Claims (8)

  1. トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、該方法が、
    重合性単量体、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含有する組成物の粒子を水系媒体中で形成して懸濁液を得る造粒工程、
    該懸濁液において該組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合する重合工程、及び
    該懸濁液における該水系媒体のpHを6.0以上10.0以下にし、該水系媒体の温度を該非晶性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する工程、
    を経てトナー粒子を形成するものであり、
    該非晶性樹脂の酸価は、該結晶性樹脂の酸価より高いことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 該非晶性樹脂の酸価が、1.0mgKOH/g以上20.0mgKOH/g以下である請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 該結晶性樹脂の酸価が、該非晶性樹脂の酸価に対して50.0%以下である請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
  4. 該トナー中の該非晶性樹脂の含有量が、0.5質量%以上10.0質量%以下である請求項1から3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  5. 該水系媒体の温度を該非晶性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する工程における該水系媒体のpHを、6.5以上10.0以下とする請求項1から4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  6. 該水系媒体の温度を該非晶性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する工程を行う時間が、2時間以上である請求項1から5のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
  7. 該非晶性樹脂がポリエステル樹脂である1から6のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
  8. 該結晶性樹脂がポリエステル樹脂である1から7のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
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