JP7471842B2 - トナー - Google Patents

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本発明は、電子写真法に用いるトナーに関する。
近年、複写機やプリンターなどの画像形成装置は、使用目的及び使用環境の多様化が進むと共に、更なる省エネルギー性と画質の両立が求められている。省エネルギー性の改善という観点では、低温定着性がより向上するトナーがまず挙げられる。
トナーの低温定着性を向上するために、ワックスや結晶性樹脂などの結晶性材料が用いられる。結晶性材料は、その材料の持つ融点で溶融し、トナーの結着樹脂を可塑化し、トナーの溶融変形を促す。
こうした定着性の良化に伴い、トナーの溶融特性にばらつきが生じると、グロスが大きく振れ、グロスムラが発生することがある。グロスムラは、印字率の高い画像で目立ちやすく、高まり続けるプリント画質への要求に応えるためにも、改善が求められている。
更に、溶融特性を改善する過程において、溶融温度そのものを下げることも手段としてよく用いられる。その場合、多様な環境で使用されることを想定した場合、トナーの保存安定性が損なわれてしまうことも少なくない。環境に依らず、安定してプリンターを使うために保存安定性の改善が求められている。
上記課題に対して、従来より数多くの技術が開示されている(例えば特許文献1、特許文献2)。しかしながら、これら提案のトナーであっても、現像性、グロスムラ抑制、保存安定性の高度な成立に関しては不十分であり改善が求められている。
特開2017-111283号公報 特開2007-114627号公報
本発明の目的は、グロスムラのない画像を出力しうると共に、現像性と保存安定性に優れたトナーを得ることにある。
本発明は、結着樹脂、結晶性樹脂、ワックス、着色剤を有するトナー粒子を含むトナーであって、
該結晶性樹脂の重量平均分子量が1000以上500以下であり、
該ワックスは、炭化水素ワックスを含有し、該炭化水素ワックスの含有量がワックス総量に対して80%以上であり、
該結晶性樹脂と該炭化水素ワックスのHansenの溶解度パラメータの差が2.5以下であることを特徴とするトナーに関する。
本発明により、グロスムラのない画像を出力しうると共に、現像性と保存安定性に優れたトナーを得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明は、結着樹脂、結晶性樹脂、炭化水素ワックス、着色剤を有するトナー粒子を含むトナーであって、
該結晶性樹脂の重量平均分子量が1000以上4500以下であり、
該結晶性樹脂と該炭化水素ワックスのHansenの溶解度パラメータの差が2.5以下であることを特徴とするトナーである。
ここで、グロスムラについて、本発明者らの検討を踏まえた説明をする。グロスムラは、特にベタ画像のごとき印字率が高い画像を出力した際に、グロスの高い部分と低い部分が出来ることによって発生する。グロスは、画像上のトナーが溶融して平滑面が出ていると高く、トナー粒子の形が残っていると反射光が減ることで低くなる。すなわち、画像上のトナー変形量をいかに均一にするかが重要である。
本発明者らの検討において、結晶性樹脂の挙動は変形量への影響が大きく、グロスを大きく向上させるとともに定着性も向上させる効果が高かった。しかし、保存性に対する弊害も大きく、また、結晶性樹脂の分散状態にムラがあると、そのままグロスムラに繋がってしまう。
更なる検討により、結晶性樹脂と炭化水素ワックスがより良く混合するよう、材料物性の関係を調整することで、定着性、保存性、そしてグロスムラが飛躍的に改善することを見出し、本発明に至った。以下、具体的に本発明の内容を説明する。
以下、本発明のトナーに関して、好ましい形態について説明する。
本発明のトナーは、炭化水素ワックスと結晶性樹脂を含有する。これは、両者が混合した結晶(以下、共晶、または、複合結晶とも言う)を形成した際に、本発明の課題を大幅に改善させる効果があるためであり、本発明には必須の材料である。なお、本発明における結晶性とは、材料単体の示差走査熱量測定(以下、DSC測定とも言う)において吸熱ピークを有するものを指す。
また、本発明における結晶性樹脂は、以下の条件を満たす。DSC測定において、一度180℃まで昇温(1st-run)した後に再度180℃まで昇温する(2nd-run)。その際、1st-runで得られた吸熱ピーク温度Tm1と、2nd-runで得られた吸熱ピーク温度Tm2の温度差Tm1-Tm2が1.5℃以上であるものを結晶性樹脂とした。例えば、ジペンタエリスリトールテトラベヘネートのごとき高分子量エステルワックスは、上記測定を行うとTm1-Tm2が1℃未満であり、結晶性樹脂には含まれない。
次に、本発明のトナーに含まれる結晶性樹脂は重量平均分子量が1000以上4500以下である。好ましくは、1000以上3500以下である。トナー製造工程において、1000以上4500以下であると、グロスムラ抑制に優れる傾向があるためである。
結晶性樹脂の重量平均分子量が1000以上4500以下であり、且つ後述する溶解度パラメータの範囲を満たすと、炭化水素ワックスと共晶を形成することができる。結晶性樹脂と炭化水素ワックスは従来、混合しにくく、トナー内部において独立に存在することが多い。そのため、トナー内に均一に存在しにくく、結晶性樹脂の結着樹脂への相溶が進む部分と進みにくい部分が出来てしまう。共晶として存在すると、炭化水素ワックスと結晶性樹脂が同一箇所に存在するため、炭化水素ワックスが多い部分、または結晶性樹脂が多い部分といったトナー内でのムラを非常に小さくできる。そのため、熱定着時の溶けムラがなくなり、グロスムラが大幅に低減する。また、結晶化度が低い結晶性樹脂に起因した保存性悪化も、炭化水素との共晶化により、経時による表面滲出が抑制され、保存安定性が大幅に改善される。
本発明の結晶性樹脂と炭化水素ワックスは溶解度パラメータを調整することが必須であり、両者の親和性を高めることで混合性が上がり、共晶が形成される。溶解度パラメータには、種々の計算手法があるが、本発明においては、Hansenの溶解度パラメータの極性項を用いる。これは、結晶性樹脂と炭化水素ワックスの親和性とよく相関するためであり、極性項の差が小さいと親和性が高いことを示す。具体的には、Hansenの溶解度パラメータの差が2.5以下であると、グロスムラ抑制、保存安定性、現像性が大幅に向上する。2.5を上回ると、炭化水素ワックスと結晶性樹脂の親和性が下がり、トナー内部においてそれぞれ単独で存在するようになる。そのため、熱定着時に染み出しや変形にムラが出来ることでグロスムラが大幅に悪化する。また、炭化水素ワックスと結晶性樹脂が経時で表面に滲出するなどして保存安定性や現像安定性が大きく悪化する。
本発明のトナーは、上記のように炭化水素ワックスと結晶性樹脂を用いた上で、炭化水素ワックスと結晶性樹脂の溶解度パラメータの関係と、結晶性樹脂の分子量を制御することで初めて炭化水素ワックスと結晶性樹脂の親和性が大幅に高まる。それにより共晶を形成し、熱定着時に炭化水素ワックスの存在状態にムラが出来にくく、画像の溶融具合が均一になるため、グロスムラが大幅に低減する。更に、結晶性樹脂と炭化水素ワックスが混合して結晶を形成すると、経時による結晶性樹脂または炭化水素ワックス同士がより集まって結晶化し、トナー表面に滲出してくるような現象が起きにくくなる。それにより、保存安定性が大きく向上する。また、表面組成の変化が起きにくいため、長期使用における現像安定性も大幅向上する。
本発明のトナーは、炭化水素ワックスと結晶性樹脂の結晶化温度の差が2℃以上あり、炭化水素ワックスと結晶性樹脂がトナーの内部で共晶を形成していることが好ましい。炭化水素ワックスと結晶性樹脂の結晶化温度が2℃以上あると、共晶を形成した場合、より経時安定性が高まる傾向であり、7℃以上あるとより好ましい。また、共晶を形成すると、グロスムラ抑制、保存安定性、現像安定性が高まる傾向であり、好ましい。
本発明における共晶は、冷結晶化ピーク温度の異なる結晶性物質が2種以上、混合した状態で結晶化した状態を言う。したがって、本発明において共晶の有無は、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線における降温時の冷結晶化ピークを見て、単体と異なる温度に冷結晶化ピークが存在するかどうかで判断する。判断基準としては、冷結晶化ピークの全面積に対して、共晶のピーク面積が10%以上あれば、共晶が存在するとした。
次に、本発明のトナーに用いる炭化水素ワックスの重量平均分子量は300以上2000以下であることが好ましい。上述したように結晶性樹脂の分子量が炭化水素ワックスと結晶性樹脂の混ざりやすさに効いてくるが、同様に炭化水素ワックスの分子量も影響がある。上述の範囲であると結晶性樹脂と混ざりやすくなり、特に保存性が改善するため、好ましい。
本発明のトナーに用いる結晶性樹脂に関して述べる。
結晶性樹脂は、結晶性ポリエステルであることが好ましい。これは、前述した炭化水素ワックスとの混ざりやすさやトナー内部での存在状態を制御しやすいためである。
また、炭化水素ワックスとの共晶を形成しやすい、という観点で結晶性ポリエステルは脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの縮合物であることが好ましい。
更に、本発明者らの検討によると、脂肪族ジオールの炭素数は7以上が好ましく、かつ、脂肪族ジカルボン酸の炭素数が12以上であることが好ましい。上述した共晶を作る効果が高まり、特に、保存性が改善される傾向であるため、好ましい。
トナーの製造法としては、トナー粒子の製造方法が炭化水素ワックス、結晶性樹脂を溶融状態で混合する工程を含むことが好ましい。本発明のトナーは、炭化水素ワックスと結晶性樹脂をいかにして混合し、共晶を形成させるかが非常に重要である。そのため、溶融した上で混合する工程があると、混合が促進されるため、好ましい。より好ましくは、懸濁重合法によりトナー粒子を製造することである。
本発明の結晶性樹脂のHansenの溶解度パラメータは、炭化水素ワックスとの共晶の形成しやすさから2.5以下であることが好ましく、より好ましくは2.1以下である。また、炭化水素ワックスのHansenの溶解度パラメータに関して、結晶性樹脂との共晶の形成しやすさの観点で0.1以下であることが好ましい。
次に、本発明のトナーに用いることができる材料構成、製造方法に関して、詳細に説明する。
結晶性樹脂としては任意のものを使用できるが、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーも結晶性を失わないものであれば特に限定されず、任意のものを使用できる。結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分としては、結晶性を高める観点から、炭素数7以上の脂肪族ジオールを用いることが好ましく、直鎖状のアルキレン基の両末端にヒドロキシル基を有する構造が好ましい。炭素数7以上の脂肪族ジオールとしては、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール等が挙げられる。上記脂肪族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性をより高める観点から、アルコール成分中に80.0モル%以上、100.0モル%以下含有されることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂を得るためのアルコール成分としては、上記の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分を含有していても良い。例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等を含むビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーに用いられるカルボン酸成分としては、炭素数12以上の脂肪族ジカルボン酸化合物を用いることが好ましく、直鎖状のアルキレン基の両末端にカルボキシル基を有する構造が好ましい。炭素数12以上の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、1,10-ドデカン二酸、1,12-テトラデカン二酸、1,14-ヘキサデカン二酸等が挙げられる。上記脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中に80.0モル%以上100.0モル%以下含有されることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂を得るためのカルボン酸成分としては、上記脂肪族ジカルボン酸化合物以外のカルボン酸成分を含有していても良い。例えば、芳香族ジカルボン酸化合物、3価以上の芳香族多価カルボン酸化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。芳香族ジカルボン酸化合物には、芳香族ジカルボン酸誘導体も含まれる。芳香族ジカルボン酸化合物の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、並びにそれらのアルキル(炭素数1以上3以下)エステルが好ましく挙げられる。該アルキルエステル中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1以上3以下)エステル等の誘導体が挙げられる。
結晶性ポリエステルの酸価(mgKOH/g)に関して、結晶性ポリエステルによる可塑性を高める観点で、低く制御しておくことが好ましい。具体的には8.0以下である。より好ましくは5.0以下であり、更に好ましくは4.5以下である。
本発明のトナーにおいては、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルを併用することも出来る。これは、結着樹脂としてではなく、例えばシェル層としての効果を期待するものである。非晶性ポリエステルは、結着樹脂100質量部に対して1.0質量部以上含有することが好ましく、より好ましくは1.0質量部以上20.0質量部以下である。
本発明のトナーは、炭化水素ワックスを含有する。炭化水素ワックスは、直鎖状の炭化水素鎖部分が積み重なる形で結晶化することが知られており、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどが挙げられる。
本発明に用いることができる炭化水素ワックスとしては、離型性の高さの観点から、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き炭化水素系ワックスが好ましい。必要に応じて、二種以上のワックスを併用してもかまわない。
ワックスとしては、具体的には以下のものが挙げられる。サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP-1、HNP-3、HNP-9、HNP-10、HNP-11、HNP-12(日本精鑞株式会社)。
本発明においては、脂肪酸エステルを主成分とするワックス(以下、エステルワックス)を併用することもできる。ただし、本発明においては、炭化水素ワックスが主成分である(主成分とは、ワックス総量に対して80%以上を占める成分を指す)ことが好ましい。
本発明のトナーは、結着樹脂を任意の種類、比率で含有することが出来る。結着樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等、任意のものが使用できる。ここで、結着樹脂と結晶性樹脂のHansenの溶解度パラメータの極性項の差が1.6以下であることが好ましい。この範囲であると、結着樹脂と結晶性樹脂が相分離性しやすくなり、トナー内部での結晶性樹脂の結晶成長が促進され、保存性が高まる傾向であるためである。
本発明に用いることができるトナー粒子は、公知の乾式法、乳化重合法、溶解縣濁法、懸濁重合法等いずれの製造方法も使用可能である。ただし、現像性の点からトナーは真球状であることが好ましく、乾式法においては熱球形化処理等の表面改質処理、重合法においては懸濁重合法が好ましく、特に好ましくは、水系媒体中で重合性単量体組成物を造粒し、該重合性単量体組成物の粒子を形成する懸濁重合法である。
以下、特に好ましい懸濁重合法について詳細に説明する。
トナーの結着樹脂用の重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系モノマーが用いられる。前記ビニル系モノマーとしては、単官能性モノマー或いは多官能性モノマーを使用することができる。
単官能性モノマーとしては、スチレン;α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、ο-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2-ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトンが挙げられる。
重合性単量体は、上記の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を含むことが好ましい。
多官能性モノマーとしては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
前記した単官能性モノマーを単独で或いは2種以上組み合わせて、又は前記した単官能性モノマーと多官能性モノマーを組み合わせて使用してもよい。多官能性モノマーは架橋剤として使用することも可能である。
本発明に用いることができる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。好ましくは、重合反応時の反応温度における半減期が0.5時間以上30時間以下のものである。また重合性単量体100質量部に対し0.5質量部以上20質量部以下の添加量で重合反応を行うと、通常、分子量1万以上10万以下の間に極大値を有する重合体が得られ、適当な強度と溶融特性を有するトナー粒子を得ることができるため好ましい。
重合開始剤としては、以下の、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル如きのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド如きの過酸化物系重合開始剤等が例示できる。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御するために、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
本発明においては、重合性単量体組成物には、ポリエステル樹脂を含有してもよい。本発明に用いることができるポリエステル樹脂には以下のようなものが挙げられる。
2価の酸成分としては、以下のジカルボン酸又はその誘導体が挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル;n-ドデセニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸の如きアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物又はその低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル。
2価のアルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、水素化ビスフェノールA、ビスフェノール及びその誘導体。
本発明で用いることができるポリエステル樹脂は、上述の2価のカルボン酸化合物および2価のアルコール化合物以外に、1価のカルボン酸化合物、1価のアルコール化合物、3価以上のカルボン酸化合物、3価以上のアルコール化合物を構成成分として含有してもよい。
1価のカルボン酸化合物としては、安息香酸、p-メチル安息香酸等の炭素数30以下の芳香族カルボン酸や、ステアリン酸、ベヘン酸等の炭素数30以下の脂肪族カルボン酸等が挙げられる。
また、1価のアルコール化合物としては、ベンジルアルコール等の炭素数30以下の芳香族アルコールや、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベへニルアルコール等の炭素数30以下の脂肪族アルコール等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸化合物としては、特に制限されないが、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
また、3価以上のアルコール化合物としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。
本発明に用いることができるポリエステル樹脂の製造方法については、特に制限されるもではなく、公知の方法を用いることができる。
非晶性ポリエステルは、結着樹脂100質量部に対して1.0質量部以上含有することが好ましく、より好ましくは1.0質量部以上20.0質量部以下である。
本発明のトナーは、着色剤を含有するが、任意の着色剤を使用することが出来る。モノクロ用トナーに適用する場合、カーボンブラック等、磁性体等の着色剤を用いることが出来るが、特に、磁性体が好ましい。これは、結晶性樹脂との相互作用が小さく、結晶性樹脂の存在状態を制御しやすいためである。
磁性体は、四三酸化鉄やγ-酸化鉄などの磁性酸化鉄を主成分とするものであり、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含んでもよい。これら磁性粉体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2から30m2/gであることが好ましく、3から28m2/gであることがより好ましい。また、モース硬度が5から7のものが好ましい。磁性粉体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが、画像濃度を高める上で好ましい。
磁性粉体は、個数平均粒径が0.10から0.40μmであることが好ましい。一般に磁性粉体の粒径は小さい方が着色力は上がるものの磁性粉体が凝集しやすくなるため、上記範囲が着色力と凝集性のバランスの観点で好ましい。
なお、磁性粉体の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、エポキシ樹脂中へ観察すべきトナー粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を得る。得られた硬化物をミクロトームにより薄片状のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性粉体粒子径を測定する。そして、磁性粉体の投影面積に等しい円の相当径を基に、個数平均粒径の算出を行う。また、画像解析装置により粒径を測定することも可能である。
本発明のトナーに用いられる磁性粉体は、例えば下記の方法で製造することができる。第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量又は当量以上の水酸化ナトリウム等のアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粉体の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを5から10に維持しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粉体を成長させる。この時、任意のpH及び反応温度、撹拌条件を選択することにより、磁性粉体の形状及び磁気特性をコントロールすることが可能である。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは5未満にしない方が好ましい。このようにして得られた磁性体を定法によりろ過、洗浄、乾燥することにより磁性体を得ることができる。
また、本発明において水系媒体中でトナーを製造する場合、磁性粉体表面を疎水化処理することが非常に好ましい。乾式にて表面処理をする場合、洗浄・ろ過・乾燥した磁性粉体にカップリング剤処理を行う。湿式にて表面処理を行う場合、酸化反応終了後、乾燥させたものを再分散させる、又は酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られた酸化鉄体を乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させ、カップリング処理を行う。本発明においては、乾式法及び湿式法どちらも適宜選択出来る。
本発明における磁性粉体の表面処理において使用できるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、一般式(I)で示されるものである。
mSiYn (I)
[式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1から3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基などの官能基を示し、nは1から3の整数を示す。但し、m+n=4である。]
本発明においては、一般式(I)のYがアルキル基であるものが好ましく用いることが出来る。中でも好ましいのは、炭素数3以上6以下のアルキル基であり、特に好ましくは3又は4である。
上記シランカップリング剤を用いる場合、単独で処理する、或いは複数の種類を併用して処理することが可能である。複数の種類を併用する場合、それぞれのカップリング剤で個別に処理してもよいし、同時に処理してもよい。
用いるカップリング剤の総処理量は磁性粉体100質量部に対して0.9質量部以上3.0質量部以下であることが好ましく、磁性粉体の表面積、カップリング剤の反応性等に応じて処理剤の量を調整することが重要である。
本発明では、磁性粉体以外に他の着色剤を併用しても良い。併用し得る着色剤としては、上記した公知の染料及び顔料の他、磁性又は非磁性の無機化合物が挙げられる。具体的には、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属粒子、又はこれらにクロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加えた合金。ヘマタイトなどの粒子、チタンブラック、ニグロシン染料/顔料、カーボンブラック、フタロシアニン等が挙げられる。これらもまた、表面を処理して用いることが好ましい。
なお、トナー中の磁性粉体の含有量の測定は、パーキンエルマー社製熱分析装置、TGA7を用いて測定することができる。測定方法は以下の通りである。窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温から900℃までトナーを加熱する。100℃から750℃まで間の減量質量%を結着樹脂量とし、残存質量を近似的に磁性粉体量とする。
懸濁重合法のトナー粒子の製造方法において、上述した材料に加えて、公知の帯電制御剤、導電性付与剤や滑剤、研磨剤等を添加してもよい。
以上のようにして得られたトナー粒子に対し重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要により流動性向上剤としての無機微粉体を混合し表面に付着させることで、トナーを得ることができる。
無機微粉体としては、公知のものが使用可能である。好ましくは、チタニア微粒子、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如きシリカ微粒子、それらシリカをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、又はシリコーンオイル等により表面処理を施した無機微粉体である。
次に、トナーに用いる材料、トナー粒子及びトナーの測定方法は以下に示す通りである。後述の実施例においてもこれらの方法に基づいて物性値を測定している。
<重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
1.Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
2.ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
3.発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
4.前記2.のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
5.前記4.のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
6.サンプルスタンド内に設置した前記1.の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記5.の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
7.測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/個数%、グラフ/体積%とそれぞれ設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)、分析/体積統計値(算術平均)画面の「算術径」がそれぞれ個数平均粒径(D1)、重量平均粒径(D4)である。
<Hansenの溶解度パラメータ>
HSPは分散項、極性項、水素結合項からなる、三次元ベクトル量である。本発明では、極性項を用いる。
HSPの差は、溶媒に対する溶質の溶けやすさ、あるいは複数の溶媒の混和のしやすさを、分子間相互作用の観点で示した計算値である。二つの物質のHSPの差が0に近いほど、それらの物質の親和性が高く、溶解性や混和性が高いことが推測される。
HSPは、計算ソフト「Hansen Solubility Parameters in Practice(HSPiP) Version4.1.03」(Steven Abbott,Charles M. Hansen,Hiroshi Yamamoto著)に含まれる、データベースの値を用いた。また、ワックスのHSPは、該計算ソフトを使用し、ワックスの化学構造式を入力して計算を行う。なお、炭化水素ワックスのHSPは、その炭化水素ワックスの重量平均分子量に最も近い直鎖アルカンの構造を該計算ソフトに入力して計算し、その値を用いる。
<結晶性ポリエステルの分子量の測定方法>
結晶性ポリエステルの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で結晶性ポリエステル、非晶性飽和ポリエステル樹脂又はトナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC-8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF-604の2連
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<炭化水素ワックスの分子量測定>
炭化水素ワックスの分子量は、高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
具体的な手法としては、エステルワックス0.03gをゲルクロマトグラフ用のo-ジクロロベンゼンに、特級2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)を濃度が0.10wt/vol%となるように添加し、室温で溶解する。サンプルビンにワックスと上記のBHTを添加したo-ジクロロベンゼンとを入れ、150℃に設定したホットプレート上で加熱し、ワックスを溶解する。ワックスが溶けたら、予め加熱しておいたフィルターユニットに入れ、本体に設置する。フィルターユニットを通過させたものをGPCサンプルとする。なお、サンプル溶液は、濃度が約0.15質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
[分析条件]
装置:HLC-8121GPC/HT(東ソー社製)
検出器:高温用RI
カラム:TSKgel GMHHR-H HT 2連(東ソー社製)
温度:135.0℃
溶媒:ゲルクロマトグラフ用o-ジクロロベンゼン(BHT 0.10wt/vol%添加)
流速:1.0ml/min
注入量:0.4ml
ワックスの分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<炭化水素ワックスおよび結晶性樹脂の結晶化温度の測定方法>
炭化水素ワックス、結晶性樹脂の結晶化温度は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行った。測定条件は、昇温速度:10℃/min、測定温度範囲は20℃~180℃とし、スタンダードモードで測定した。試料は約2mgを精秤し、銀製のパンの中に入れ、リファレンスとして空の銀製のパンを用い、示差走査熱量測定を行った。本発明の結晶化温度とは、180℃に昇温した後の降温時に得られる発熱ピークにおいて、最大発熱ピークのピークトップの温度を指す。発熱ピークが複数存在する場合には、最も発熱量の大きいピークの温度を採用する。なお、例えば炭化水素ワックスを複数種含む場合には、単体を入手し、トナー中の含有量と同じ比率で炭化水素ワックスを粉砕、均一混合して測定する。結晶性樹脂を複数含む場合も同様に行う。
また、トナーから炭化水素ワックスや結晶性樹脂を単離して上記測定を行う場合は、下記のような方法があるため、例として述べる。まず、トナーをクロロホルムのような溶解性の高い溶媒に溶解させる。このとき、例えば、磁性粉やゲル分といった不溶分がある場合は、開口径の細かいろ紙やマイショリディスク、遠心分離等で除去する。その後、クロロホルムを揮発させるなどして除去し、再度、テトラヒドロフラン等の炭化水素ワックスや結晶性樹脂は溶解しにくく、樹脂は可溶な溶媒を加えて、大部分の樹脂成分を溶解させる。溶け残った成分は、結晶性樹脂と炭化水素ワックスを主成分とする混合物であるため、分取型LCにより結晶性樹脂と炭化水素ワックスを分離し、単離する。
以下、実施例を示す。実施例8、11~16、19~21は参考例である。
トナーの製造方法に関して詳細に説明する。
<磁性酸化鉄の製造例>
Fe2+を2.0mol/L含有する硫酸鉄第一水溶液50リットルに、4.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液55リットルを混合撹拌し、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液を得た。この水溶液を85℃に保ち、20L/minで空気を吹き込みながら酸化反応を行い、コア粒子を含むスラリーを得た。
得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過・洗浄した後、コア粒子を水中に再度分散させ、リスラリーした。このリスラリー液に、コア粒子に対し珪素換算で0.20質量%となる珪酸ソーダを添加し、スラリー液のpHを6.0に調整し、撹拌することで珪素リッチな表面を有する磁性酸化鉄粒子を得た。得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過、洗浄、更にイオン交換水にてリスラリーを行った。このリスラリー液(固形分50g/L)に500g(磁性酸化鉄に対して10質量%)のイオン交換樹脂SK110(三菱化学製)を投入し、2時間撹拌してイオン交換を行った。その後、イオン交換樹脂をメッシュでろ過して除去し、フィルタープレスにてろ過・洗浄し、乾燥・解砕して個数平均径が0.23μmの磁性酸化鉄を得た。
<シラン化合物の製造>
iso-ブチルトリメトキシシラン30質量部をイオン交換水70質量部に撹拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.5、温度55℃に保持し、ディスパー翼を用いて、周速0.46m/sで120分間分散させて加水分解を行った。その後、水溶液のpHを7.0とし、10℃に冷却して加水分解反応を停止させた。こうしてシラン化合物を含有する水溶液を得た。
<磁性体1の製造>
磁性酸化鉄の100質量部をハイスピードミキサー(深江パウテック社製 LFS-2型)に入れ、回転数2000rpmで撹拌しながら、シラン化合物を含有する水溶液8.0質量部を2分間かけて滴下した。その後5分間混合・撹拌した。次いで、シラン化合物の固着性を高めるために、40℃で1時間乾燥し、水分を減少させた後に、混合物を110℃で3時間乾燥し、シラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、解砕し、目開き100μmの篩を通して磁性体1を得た。
<ポリエステル樹脂の製造例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、テレフタル酸40mol%、トリメリット酸10mol%、ビスフェノールA-PO2mol付加物50mol%を入れた後、触媒としてジブチル錫をモノマー総量100質量部に対して1.5質量部添加した。次いで、窒素雰囲気下にて常圧で180℃まで素早く昇温した後、180℃から210℃まで10℃/時間の速度で加熱しながら水を留去して重縮合を行った。210℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、210℃、5kPa以下の条件下にて重縮合を行い、非晶性ポリエステル樹脂を得た。その際、得られるポリエステル樹脂の軟化点が120℃となるように重合時間を調整した。
<結晶性ポリエステル1の製造例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、1,9-ノナンジオール45mol%、1,10-ドデカン二酸55mol%を入れた後、触媒としてジオクチル酸錫をモノマー総量100質量部に対して1質量部添加し、窒素雰囲気下で140℃に加熱して常圧下で水を留去しながら6時間反応させた。次いで、200℃まで10℃/時間で昇温しつつ反応させ、200℃に到達してから2時間反応させた後、反応槽内を5kPa以下に減圧して200℃で分子量を見ながら反応させ、結晶性ポリエステル1(結晶性樹脂1)を得た。結晶性ポリエステル1の重量平均分子量(Mw)は2000であった。
<結晶性ポリエステル2~13の製造例>
結晶性ポリエステル1の製造例において、反応温度、モノマー比率、反応時間、触媒量を表1のように変更することで結晶性ポリエステル2~13(結晶性樹脂2~13)を得た。
Figure 0007471842000001
<磁性トナー1の製造例>
下記の手順によってトナー粒子、トナーを製造した。
(第一水系媒体の調製)
イオン交換水353.8質量部にリン酸ナトリウム12水和物2.9質量部を投入してT.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて撹拌しながら60℃に加温した後、イオン交換水11.7質量部に塩化カルシウム2水和物1.7質量部を添加した塩化カルシウム水溶液と、イオン交換水15.0質量部に塩化マグネシウム0.5質量部を添加した塩化マグネシウム水溶液を添加して撹拌を進め、第一水系媒体を得た。
(重合性単量体組成物の調製)
・スチレン 70.0質量部
・n-ブチルアクリレート 30.0質量部
・磁性体1 95.0質量部
・ポリエステル樹脂 5.0質量部
上記材料をアトライター(三井三池化工機(株)製)を用いて均一に分散混合した後、60℃に加温し、そこに炭化水素ワックスとして表2に記載の炭化水素1(融点76℃、結晶化温度75℃)10.0質量部、結晶性樹脂として結晶性ポリエステル1 10.0質量部を添加混合し、溶解して重合性単量体組成物を得た。
(第二水系媒体の調製)
イオン交換水166.8質量部にリン酸ナトリウム12水和物0.6質量部を投入してパドル撹拌翼を用いて撹拌しながら60℃に加温した後、イオン交換水2.3質量部に塩化カルシウム2水和物0.3質量部を添加した塩化カルシウム水溶液を添加して撹拌を進め、第二水系媒体を得た。
(造粒)
上記第一水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、この造粒液を、キャビトロン(ユーロテック社製)を用いて、回転子の周速を29m/sにて1時間処理を行い、均一に分散混合して、更に重合開始剤としてt-ブチルパーオキシピバレート7.0質量部を投入し、60℃、N2雰囲気下においてクレアミックス(エムテクニック社製)にて周速22m/sで10分間撹拌しながら造粒し、重合性単量体組成物の液滴を含む造粒液を得た。
(重合/蒸留/乾燥/外添)
上記第二水系媒体中に上記造粒液を投入し、パドル撹拌翼で撹拌しながら74℃で3時間反応させた。反応終了後、98℃に昇温して3時間蒸留させ反応スラリーを得た。その後、98℃から35℃まで0.5℃/分の速度で冷却した後、25℃まで室温で放冷した。放冷した反応スラリーを、塩酸を加えて洗浄し、濾過・乾燥して、重量平均粒径が7.4μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に対して、下記材料を三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株)製FM-10型)で混合して、磁性トナー1を得た。
・ヘキサメチルジシラザンで表面処理した一次粒子の個数平均粒径5nmの疎水性シリカ微粒子 0.5質量部
・ステアリン酸で表面処理したペロブスカイト型結晶のチタン酸ストロンチウム
0.3質量部
得られた磁性トナー1の物性を表4に記載した。
Figure 0007471842000002
Figure 0007471842000003
Figure 0007471842000004
<磁性トナー2~19、22~29の製造例>
磁性トナー1の製造例において、表3に示すような材料構成にした以外は、磁性トナー1の製造例と同様にして、磁性トナー2~19、22~29を得た。得られた磁性トナーの物性を表1に示す。
なお、磁性トナー26~28は、炭化水素ワックスを用いなかった。ワックスとして磁性トナー26,27ではステアリン酸ステアリルを使用し、磁性トナー28では、ステアリン酸テトラデシルを使用した。また、トナーの粒径(D4)は全て7.2~7.6μmの範囲であった。
<磁性トナー20の製造例>
・アクリル樹脂(星光PMC社製VS-1057) 100.0質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T-77:保土ヶ谷化学社製) 1.5質量部
・磁性体1 95.0質量部
・炭化水素ワックス7 5.0質量部
・結晶性ポリエステル8 5.0質量部
上記原材料を三井ヘンシェルミキサで予備混合した後、130℃、200rpmに設定した二軸混練押し出し機によって混練した。得られた混練物を常温まで急速に冷却したが、このときの冷却速度は20℃/秒以上であった。カッターミルで粗粉砕した後、得られた粗粉砕物を、ターボミルT-250(ターボ工業社製)を用いて、排気温度が50℃になるようエアー温度を調整して微粉砕し、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、トナー粒子20を得た。その後、磁性トナー1の製造例と同様にして、磁性トナー20を得た。トナー物性を表4に示す。また、トナーの粒径(D4)は7.4μmであった。
<磁性トナー21の製造例>
●樹脂粒子分散液の製造例
・スチレン 90.0質量部
・n-ブチルアクリレート 10.0質量部
・β-カルボキシエチルアクリレート 2.0質量部
・1,6ヘキサンジオールジアクリレート 0.4質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製) 0.7質量部
・結晶性ポリエステル8 3.0質量部
フラスコに上記材料を投入し、混合及び溶解し、溶液を得た。
1.0質量部のアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK)をイオン交換水250質量部に溶解した水系媒体に得られた溶液を分散し、乳化した。
10分間ゆっくりと撹拌及び混合しながら、さらに過硫酸アンモニウム2質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。
次いで、系内を充分に窒素置換した後、撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、樹脂粒子分散液(固形分濃度:25質量%)を得た。
樹脂粒子分散液中の樹脂粒子の体積平均粒径は0.18μm、ガラス転移温度(Tg)は56.5℃、重量平均分子量(Mw)は30000であった。
●ワックス分散液の製造例
・炭化水素ワックス7 50.0質量部
・アニオン性界面活性剤 0.3質量部
(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK)
・イオン交換水 150.0質量部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した。その後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、ワックス粒子を分散させてなるワックス分散液1(固形分濃度:25質量%)を調製した。得られたワックス粒子の体積平均粒径は0.20μmであった。
●磁性トナー21用磁性体の製造例
Fe2+を2.0mol/L含有する硫酸鉄第一水溶液50リットルに、4.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液55リットルを混合撹拌し、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液を得た。この水溶液を85℃に保ち、20L/minで空気を吹き込みながら酸化反応を行い、コア粒子を含むスラリーを得た。
得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過及び洗浄した後、コア粒子を水中に再度分散させた。得られたリスラリー液に、コア粒子に対し珪素換算で0.20質量%となる珪酸ソーダを添加し、スラリー液のpHを6.0に調整し、撹拌することで珪素リッチな表面を有する磁性酸化鉄粒子を得た。
得られたスラリー液をフィルタープレスにてろ過、洗浄、さらにイオン交換水にてリスラリーを行った。このリスラリー液(固形分50質量部/L)に500質量部(磁性酸化鉄に対して10質量%)のイオン交換樹脂SK110(三菱化学製)を投入し、2時間撹拌してイオン交換を行った。その後、イオン交換樹脂をメッシュでろ過して除去し、フィルタープレスにてろ過及び洗浄し、乾燥及び解砕して、一次粒子の個数平均粒径が0.21μmの磁性トナー21用磁性体を得た。
●磁性体分散液の製造例
・磁性トナー21用磁性体 25.0質量部
・イオン交換水 75.0市部
上記材料を混合して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて8000rpmで10分間分散し、磁性体分散液を得た。該磁性体分散液中の磁性体の体積平均粒径は0.23μmであった。
●磁性トナー粒子21の製造例
・樹脂粒子分散液(固形分25.0質量%) 150.0質量部
・ワックス分散液(固形分25.0質量%) 15.0質量部
・磁性体分散液(固形分25.0質量%) 105.0質量部
ビーカーに、上記材料を投入し、水の総部数が250質量部になるように調整した後、30.0℃に温調した。その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5000rpmで1分間撹拌することにより混合した。
さらに凝集剤として10.0質量部の硫酸マグネシウム2.0質量%水溶液を徐々に添加した。
撹拌装置、温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、マントルヒーターで50.0℃に加熱し撹拌することで凝集粒子の成長を促進させた。
60分間経過した段階でエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)5.0質量%水溶液を200.0質量部添加し凝集粒子分散液を調製した。
続いて、凝集粒子分散液を0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH8.0に調整した後、凝集粒子分散液を80.0℃に加熱し、180分間放置して、凝集粒子の合一を行った。
180分間経過後、トナー粒子が分散したトナー粒子分散液を得た。1.0℃/分の降温速度で冷却した後、トナー粒子分散液をろ過し、イオン交換水で通水洗浄し、ろ液の伝導度が50mS以下となったところで、ケーキ状になったトナー粒子を取り出した。
次に、トナー粒子の質量の20倍量のイオン交換水中に、ケーキ状になったトナー粒子を投入し、スリーワンモータで撹拌し、充分にトナー粒子がほぐれたところで再度ろ過、通水洗浄し固液分離した。得られたケーキ状になったトナー粒子をサンプルミルで解砕して、40℃のオーブン中で24時間乾燥した。さらに得られた粉体をサンプルミルで解砕した後、40℃のオーブン中で5時間、追加の真空乾燥をして、磁性トナー粒子21を得た。その後、磁性トナー1の製造例と同様にして、磁性トナー21を得た。トナー物性を表4に示す。また、トナーの粒径(D4)は7.4μmであった。
次に実施例、比較例に関して詳細に説明する。
〔実施例1〕
実施例の画出し評価には、市販のレーザープリンタLaserJetEnterpriseM506(ヒューレット・パッカード社製)を用いた。本体からカートリッジを取り出し、カートリッジから製品トナーを抜き取り、磁性トナー1を300g充填した。本体及びカートリッジは、それぞれの画出し評価に際して、温湿度を制御したそれぞれの環境下に24時間放置した後、画出し評価を行った。画出し評価に関しては、下記の評価を行い、下記の指標で判断した。評価結果を表5に示す。
低温低湿環境下(15.0℃/10.0%RH)での現像性評価
試験用の出力画像としては、印字率が1%の横線画像を、2枚間欠通紙にて1000枚印字した。試験に用いる評価紙は、坪量が75g/m2のbusiness4200(Xerox社製)を用い、1000枚印字する前と後での画像濃度差をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定した。なお、低温低湿環境は、帯電量分布の変化を厳しく見ることが出来る環境であり、例えば、結晶性樹脂や炭化水素ワックスの分散状態が変化した際に、画像濃度が低下する傾向にある。
耐久使用前後のベタ黒画像の反射濃度差の判断基準は以下の通りである。
[評価基準]
A:0.02以下
B:0.03以上0.06未満
C:0.06以上0.15未満
D:0.15以上
グロスムラの評価
上記プリンターを用いて、ベタ黒画像を連続5枚出力した。各ベタ黒画像を9分割して、PG-3D(日本電色工業製)を用いてグロス値の測定を行った。9点のデータを、5枚すべてについて取り、45点の最大値と最小値および平均値を出した。最大値、最小値の平均値に対する振れ幅で評価した。
[評価基準]
A:3.0%以下
B:3.1%以上5.0%以下
C:5.1%以上10.0%以下
D:10.1%以上
<保存性の評価>
温度45℃湿度50%の環境に20日放置し、その後、ベタ白画像を500枚連続で印字し、ベタ黒画像を出力した。そこで縦白スジ(現像スジ)が出るかどうかで保存性を評価した。目視による判定を行い、問題なければ更に500枚印字して同様に評価を行い、5000枚まで評価を行った。保存性に劣るとトナーの凝集が起こるため、縦白スジとして画像にでる傾向がある。
[評価基準]
A:5000枚でも発生なし
B:4000枚より大きく5000枚で発生
C:2000枚より大きく4000枚以下で発生
D:2000枚以下で発生
〔実施例2~21、比較例1~8〕
磁性トナー2~29について、実施例1と同様にして、評価を行った。評価結果を表5に示す。
Figure 0007471842000005

Claims (10)

  1. 結着樹脂、結晶性樹脂、ワックス、着色剤を有するトナー粒子を含むトナーであって、
    該結晶性樹脂の重量平均分子量が1000以上500以下であり、
    該ワックスは、炭化水素ワックスを含有し、該炭化水素ワックスの含有量がワックス総量に対して80%以上であり、
    該結晶性樹脂と該炭化水素ワックスのHansenの溶解度パラメータの差が2.5以下であることを特徴とするトナー。
  2. 該炭化水素ワックスと該結晶性樹脂の結晶化温度の差が2℃以上ある請求項1に記載のトナー。
  3. 該結晶性樹脂が結晶性ポリエステルである請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該結晶性ポリエステルが脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの縮合物である請求項1~3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 該炭化水素ワックスの重量平均分子量が300以上2000以下である請求項1~4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 該結晶性ポリエステルが脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸で構成される成分が主成分であり、脂肪族ジオールの炭素数が7以上であり、かつ、脂肪族ジカルボン酸の炭素数が12以上である請求項1~5のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 該炭化水素ワックスと該結晶性樹脂が該トナーの内部で複合結晶を形成している請求項1~6のいずれか1項に記載のトナー。
  8. 該着色剤が磁性体である請求項1~7のいずれか1項に記載のトナー。
  9. 該脂肪族ジカルボン酸が直鎖状のアルキレン基の両末端にカルボキシル基を有する構造であり、該脂肪族ジオールが直鎖状のアルキレン基の両末端にヒドロキシル基を有する構造である請求項4または6に記載のトナー。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載のトナーの製造方法であって、炭化水素ワックス、結晶性樹脂を溶融状態で混合する工程を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
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