JP6570362B2 - トナー、トナーの製造方法 - Google Patents
トナー、トナーの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6570362B2 JP6570362B2 JP2015149970A JP2015149970A JP6570362B2 JP 6570362 B2 JP6570362 B2 JP 6570362B2 JP 2015149970 A JP2015149970 A JP 2015149970A JP 2015149970 A JP2015149970 A JP 2015149970A JP 6570362 B2 JP6570362 B2 JP 6570362B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- toner
- amorphous
- crystalline
- crystalline resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Description
非晶性樹脂A、結晶性樹脂および着色剤を含有するコアと、
非晶性樹脂Bを含有するシェルと、
を有するコアシェル構造のトナー粒子を有するトナーであって、
該非晶性樹脂Aが、ポリエステル樹脂を含有し、
該非晶性樹脂Aに含有される該ポリエステル樹脂の含有量が、該非晶性樹脂Aの全量に対して50質量%以上であり、
該非晶性樹脂Bが、ポリエステル樹脂であり、
該非晶性樹脂Bである該ポリエステル樹脂が、主鎖および/または側鎖に、脂環式構造を有するアルコールに由来するユニット又は脂環式構造を有するカルボン酸に由来するユニットを有し、
該結晶性樹脂が、結晶性部位と非晶性部位とが結合した樹脂であり、
下記式(X)で求められる該非晶性樹脂Aに対する該結晶性樹脂の相溶化度Aが70%以上95%以下であり、
下記式(Y)で求められる該非晶性樹脂Bに対する該結晶性樹脂の相溶化度Bが0%以上40%以下である
ことを特徴とするトナーに関する。
相溶化度B(%)=100−(100×ΔH(B))/(ΔH(C)×9/10) (Y)
(式(X)、(Y)中、
ΔH(A)は、示差走査熱量分析における該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂を9:1の質量比率で混合した混合樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
ΔH(B)は、示差走査熱量分析における該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂を9:1の質量比率で混合した混合樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
ΔH(C)は、示差走査熱量分析における該結晶性樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。)
式(X)中、ΔH(A)は、示差走査熱量分析における該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂を9:1の質量比率で混合した混合樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。ΔH(C)は、示差走査熱量分析における該結晶性樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
式(Y)中、ΔH(B)は、示差走査熱量分析における非晶性樹脂Bと結晶性樹脂を9:1の質量比率で混合した混合樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。ΔH(C)は、示差走査熱量分析における結晶性樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
TgA−10≦T≦TmA (1)
式(1)中、TgAは、非晶性樹脂Aのガラス転移点を示し、TmAは、結晶性樹脂の吸熱ピークのオンセット温度を示す。
相溶化度Aおよび相溶化度Bの測定には、示差走査熱量分析(DSC)測定を用いる。サンプルとしては、非晶性樹脂Aと結晶性樹脂を9:1の質量比率で混合した混合樹脂、および非晶性樹脂Bと結晶性樹脂を9:1の質量比率で混合した混合樹脂を用いる。この混合樹脂については、以下のように製造する。
相溶化度Aおよび相溶化度Bは示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いて測定する。
相溶化度A(%)=100−(100×ΔH(A))/(ΔH(C)×9/10) (X)
ΔH(A)は、示差走査熱量分析における非晶性樹脂Aと結晶性樹脂を9:1の質量比率で混合した混合樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。ΔH(C)は、示差走査熱量分析における結晶性樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
相溶化度B(%)=100−(100×ΔH(B))/(ΔH(C)×9/10) (Y)
ΔH(B)は、示差走査熱量分析における非晶性樹脂Bと結晶性樹脂を9:1の質量比率で混合した混合樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
(結晶性樹脂の非晶性部位と非晶性樹脂Aを混合した樹脂の製造)
THF3mlに、結晶性樹脂の非晶性部位と非晶性樹脂Aを、1:1の質量比率で溶解し、必要に応じて加熱して均一な溶解液を作製する。溶解液をロータリーエバポレータにて120℃まで加熱し、突沸しないように徐々に減圧する。50mbarまで減圧して2時間乾燥を行ったものを混合樹脂とした。なお、結晶性樹脂の非晶性部位を採取できない場合は、上記のとおり、同組成同分子量の樹脂を別途作成し、評価に用いた。
相分離は上記の示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、測定サンプル2mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲0℃から100℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で昇温する。100℃で15分保持し、その後100℃から0℃の間で、降温速度10℃/分の速度で冷却する。ふたたび、昇温速度10℃/分の速度で昇温したときの昇温過程における比熱変化曲線の比熱変化が出る前と出た後の、ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をTg(℃)とする。このTgが2つ観測されたものを相分離していると判別する。
結晶性樹脂の結晶化度は上記の示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、測定サンプル2mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲0℃から100℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で昇温する。
結晶化度(%)=100×ΔH(T)/ΔH(C2)×(A/100)
なお、結晶性樹脂の他に離型剤を添加した場合には、離型剤は100%結晶化すると仮定して、離型剤に由来する吸熱量を差し引くことで、上記結晶化度を算出する。
結晶性樹脂および非晶性樹脂Bの酸価はJIS K1557−1970に準じて測定される。具体的な測定方法を以下に示す。
酸価(mgKOH/g)=〔(S−B)×f×5.61〕/W
結晶性樹脂および非晶性樹脂Bの組成の分析は、各材料のNMRスペクトル測定から行った。非晶性樹脂中の非晶性部位の含有量についても、下記組成分析から定量した。結晶性樹脂および非晶性樹脂BのNMRスペクトル測定は、核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて行った。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
上記した手法で測定したNMRスペクトルから、組成分析を行った。
結晶性樹脂の非晶性部位の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
トナーおよび各材料のガラス転移温度Tg(℃)は上記の示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、測定サンプル2mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲0℃から100℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で昇温する。100℃で15分保持し、その後100℃から0℃の間で、降温速度10℃/分の速度で冷却する。0℃で10分保持し、その後0℃から100℃の間で、昇温速度10℃/分の速度で測定を行う。この2回目の昇温過程における吸熱曲線におけるピーク値を融点Tm(℃)とする。昇温過程における比熱変化曲線の比熱変化が出る前と出た後の、ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をTg(℃)とする。なお、トナーの場合は1回目の昇温過程における値、各材料の場合は2回目の昇温過程における値を、トナーおよび各材料のTg(℃)とした。各材料としては、非晶性樹脂A、非晶性樹脂B、結晶性樹脂を示す。
本発明におけるSP値は、Fedorsの式(1)を用いて求めた。ここでのΔei、及びΔviの値は著「コーティングの基礎科学」54〜57頁、1986年(槇書店)の表3〜9による原子および原子団の蒸発エネルギーとモル体積(25℃)」を参照にした。
δi=[Ev/V]1/2=[Δei/Δvi]1/2 式(1)
Ev:蒸発エネルギー
V:モル体積
Δei:i成分の原子または原子団の蒸発エネルギー
Δvi:i成分の原子または原子団のモル体積
例えば、ヘキサンジオールは、原子団(−OH)×2+(−CH2)×6から構成され、計算SP値は下記式で求められる。
δi=[Δei/Δvi]1/2=[{(5220)×2+(1180)×6}/{(13)×2+(16.1)×6}]1/2
SP値(δi)は11.95となる。
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、原材料モノマーを表1に示したmol比率で混合した混合物100.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱する。その後、エステル化触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52部を加え、温度200℃に昇温し所望の分子量になるまで縮重合し、非晶性樹脂A1を得る。上記の方法に従って測定した非晶性樹脂A1の重量平均分子量(Mw)は12000、ガラス転移温度(Tg)は55℃である。
表1の原材料モノマーmol比にて、非晶性樹脂A1と同様の操作を行い、非晶性樹脂A2乃至A6を製造する。得られた非晶性樹脂A2乃至A6の物性を表1に示す。
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、原材料モノマーを表2に示したmol比率で混合した混合物100.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱する。その後、エステル化触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52部を加え、温度200℃に昇温し所望の分子量になるまで縮重合し、非晶性樹脂B1を得る。上記の方法に従って測定した非晶性樹脂B1の重量平均分子量(Mw)は12000、ガラス転移温度(Tg)は80℃、酸価は6.0mgKOH/gである。
表2の原材料モノマーmol比にて、非晶性樹脂B1と同様の操作を行い、非晶性樹脂B2乃至B7、B12乃至14を製造する。
非晶性樹脂B1 50.0部を酢酸エチル200.0部に溶解させ、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)3.0部をイオン交換水200.0部とともに加える。40℃に加熱して、乳化機(IKA製、ウルトラタラックス T−50)を用いて8000rpmにて10分攪拌し、その後、酢酸エチルを揮発させて除去し、イオン交換水の量を適宜調整することで非晶性樹脂B1分散液(固形分20質量%)を得る。
非晶性樹脂B1分散液の製造において、非晶性樹脂B1を非晶性樹脂B2〜B7、B12〜B14にそれぞれ変更する以外は、同様の操作を行い、非晶性樹脂B2〜B7分散液、B12〜B14分散液を得る。
・スチレン 80.0部
・n−ブチルアクリレート 20.0部
上記材料を混合し、溶解し、モノマー溶液を調製した。非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)1.5部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)2.2部をイオン交換水120.0部に溶解し、これに上記モノマー溶液を分散、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.5部を溶解したイオン交換水10.0部を投入する。更に、窒素置換を行った後、撹拌しながら内容物が温度70℃になるまで加熱し、4時間そのまま乳化重合を継続する。その後、固形分濃度が20.0質量%になるようイオン交換水の量を調整し、非晶性樹脂B8分散液を調製する。非晶性樹脂B8分散液の一部について遠心分離を行って固形分を回収した後に乾燥を行い、非晶性樹脂B8を得る。
表3の原材料モノマー仕込み量にて、非晶性樹脂B8及び非晶性樹脂B8分散液と同様の操作を行い、非晶性樹脂B9〜B11及び非晶性樹脂B9〜B11分散液を製造する。
撹拌機、温度計、窒素導入管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、キシレン50.0部を140℃で還流させた。そこにスチレン100.0部、2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)8.6部を混合したものを3時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに3時間反応させる。その後、160℃、1hPaにて、キシレン及び残存スチレンを留去し非晶性部位(1)を得る。
表4の原材料モノマーのmol比及び仕込み量にて、結晶性樹脂1と同様の操作を行い、結晶性樹脂2〜11を製造する。
セバシン酸100.0部、1,9−ノナンジオール83.0部、ジブチルスズオキシド0.1部を、窒素置換したフラスコに入れ、170℃で4時間、さらに減圧下210℃で所望の分子量になるまで反応させ、ポリエステル(1)を得る。
結晶性樹脂12の製造において、ビスフェノールA‐エチレンオキサイド付加物をビスフェノールA‐プロピレンオキサイド2mol付加物に変更する以外は、結晶性樹脂12と同様の操作を行い、結晶性樹脂13を製造する。
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、セバシン酸100.0部及び、1,9−ノナンジオール83.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱する。チタン(IV)イソプロポキシド0.7部を加えた後、温度150℃に昇温し5時間かけて縮重合する。さらに、アクリル酸3.0部を1時間かけて滴下し、150℃に保持したまま1時間撹拌を続けた後、8.3kPaにて1時間、未反応のアクリル酸の除去を行う。その後、スチレンを45.75部(上記ポリエステルモノマー80.0部に対してスチレン20.0部となる質量比率)、1時間かけて滴下する。さらに150℃に保持したまま1時間攪拌を続けた後、8.3kPaにて1時間スチレン系樹脂成分の単量体の除去を行う。その後190℃に昇温し、所望の分子量になるまで反応を行い、結晶性樹脂14を得る。
結晶性樹脂14の製造において、セバシン酸の仕込み量を100.0部から110.0部に変更する以外は、結晶性樹脂14と同様の操作を行い、結晶性樹脂15を得る。
セバシン酸100.0部、1,9‐ノナンジオール100.0部、ジブチルスズオキシド0.1部を、窒素置換したフラスコに入れ、170℃で4時間、さらに減圧下210℃で所望の分子量になるまで反応させ、結晶性樹脂16を得た。
セバシン酸100.0部、1,12‐ドデカンジオール100.0部、ジブチルスズオキシド0.1部を、窒素置換したフラスコに入れ、170℃で4時間、さらに減圧下210℃で所望の分子量になるまで反応させ、結晶性樹脂17を得た。
コハク酸100.0部、1,9−ノナンジオール100.0部、ジブチルスズオキシド0.1部を、窒素置換したフラスコに入れ、170℃で4時間、さらに減圧下210℃で所望の分子量になるまで反応させ、結晶性樹脂18を得た。
(水系媒体の製造)
イオン交換水1152.0部に0.1モル/リットル−リン酸ナトリウム(Na3PO4)水溶液390.0部を投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて撹拌しながら、60℃に加温した。その後、1.0モル/リットル−塩化カルシウム(CaCl2)水溶液58.0部を添加してさらに撹拌を続け、リン酸三カルシウム(Ca3(PO4)2)からなる分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3)10部と酢酸エチル60部を湿式アトライタ(日本コークス工業製)に投入して5時間分散し、顔料分散液を得た。
・非晶性樹脂A1 100.0部
・結晶性樹脂1 20.0部
・顔料分散液 42.0部
・パラフィンワックスHNP−5(日本精鑞製 融点60℃) 6.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE−88:オリエント化学社製) 0.5部
・酢酸エチル 100.0部
上記の組成の混合物を湿式アトライタ(日本コークス工業製)に投入して2時間分散し、樹脂溶液を得る。
・樹脂粒子分散液1 100.0部
・非晶性樹脂B1分散液 20.0部
・10質量%ポリ塩化アルミニウム水溶液 0.5部
これらを丸型ステンレス製フラスコ中に混合し、45℃にて60分間保持する。0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら90℃まで加熱する。昇温までの間、適宜水酸化ナトリウム水溶液を追加し、pHが5.5よりも低くならないようにする。その後、90℃にて3時間保持し、シェル形成された樹脂粒子分散液1を得る。
上記シェル形成された樹脂粒子分散液1を、表6に示す条件でアニール処理を行った後、攪拌を続けながら温度を20℃まで冷却した。その後、塩酸の添加・洗浄・乾燥・分級を行ってトナー粒子1を得た。
トナー粒子1の製造において、用いる材料及びアニール条件を表6に示すように変更する以外は、トナー粒子1と同様の操作を行い、トナー粒子2〜38を得た。
上記トナー粒子100.0部に対して、外添剤として、シリカ微粉体に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m2/g)1.5部を、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)を用いて撹拌速度3000rpmで15分間混合して、トナー1を得た。
市販のカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を、一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改造して評価を行った。このカラーレーザープリンターに搭載されていたシアンカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、代わりに評価するトナー(200g)を充填した。常温常湿下(23℃、湿度60%)、受像紙として、キヤノン製オフィスプランナー(64g/m2)を用い、白地部分を有する画像を10枚出力した。その後、10枚の白地部分を有する画像について、白地部分を有する画像の白地部分の白色度(反射率Ds(%))と受像紙の白色度(平均反射率Dr(%))の差から、かぶり濃度(%)(=Dr(%)−Ds(%))を算出した。なお、白色度は、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定した。フィルターは、アンバーライトフィルターを用いた。10枚のかぶり濃度の平均値から、以下の基準で現像性の評価を行った。本発明において、結晶性樹脂の露出が抑えられている場合には、帯電性に優れ、本評価に用いた現像システムにおいても十分な現像性を有し、かぶり濃度評価が良好となる。
A:かぶり濃度が0.3%未満。(現像性に特に優れる)
B:かぶり濃度が0.3%以上0.8%未満。(現像性に優れる)
C:かぶり濃度が0.8%以上1.3%未満。(現像性が良好である)
D:かぶり濃度が1.3%以上2.0%未満。(現像性にやや劣る)
E:かぶり濃度が2.0%以上。(現像性に劣る)
上記した現像性評価を行った後に、高温高湿下(40℃、95%RH)に10日間放置した。その後、常温常湿下(23℃、湿度60%)に1週間放置した後に、受像紙として、キヤノン製オフィスプランナー(64g/m2)を用い、白地部分を有する画像を10枚出力し、上記した現像性の評価と同様にして、現像性の経時変化について評価した。
A:かぶり濃度の変化が0.3%未満。(現像性が特に経時変化しにくく特に優れている)
B:かぶり濃度の変化が0.3%以上0.5%未満。(現像性が経時変化しにくく優れている)
C:かぶり濃度が0.5%以上0.8%未満。(現像性の経時変化が良好である)
D:かぶり濃度が0.8%以上1.2%未満。(現像性が経時変化しやすくやや劣る)
E:かぶり濃度が1.2%以上。(現像性が特に経時変化しやすく劣る)
定着ユニットを外したカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を用意し、シアンカートリッジからトナーを取り出して、代わりに評価するトナーを充填した。次いで、受像紙(キヤノン製オフィスプランナー 64g/m2)上に、充填したトナーを用いて、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(0.9mg/cm2)を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。次いで、取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードを調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。
A:低温側定着開始点が115℃以下(低温定着性が特に優れている)
B:低温側定着開始点が120℃或いは125℃(低温定着性に優れている)
C:低温側定着開始点が130℃或いは135℃(低温定着性が良好である。)
D:低温側定着開始点が140℃或いは145℃(低温定着性にやや劣る)
E:低温側定着開始点が150℃以上(低温定着性に劣る)
上記した定着性評価を行った後に、評価したカートリッジを高温高湿下(40℃、湿度95%)に10日間放置した。その後、上記した定着性の試験と同様にして試験を行い、下記評価基準に従って定着性の経時変化について評価した。
A:低温側定着開始点の変化が0℃(定着性の経時変化特性が特に優れている)
B:低温側定着開始点の変化が5℃(定着性の経時変化特性に優れている)
C:低温側定着開始点の変化が10℃(定着性の経時変化特性が良好である)
D:低温側定着開始点の変化が15℃(定着性の経時変化特性にやや劣る)
E:低温側定着開始点の変化が20℃以上(定着性の経時変化特性に劣る)
結果を表8に示す。
Claims (6)
- 非晶性樹脂A、結晶性樹脂および着色剤を含有するコアと、
非晶性樹脂Bを含有するシェルと、
を有するコアシェル構造のトナー粒子を有するトナーであって、
該非晶性樹脂Aが、ポリエステル樹脂を含有し、
該非晶性樹脂Aに含有される該ポリエステル樹脂の含有量が、該非晶性樹脂Aの全量に対して50質量%以上であり、
該非晶性樹脂Bが、ポリエステル樹脂であり、
該非晶性樹脂Bである該ポリエステル樹脂が、主鎖および/または側鎖に、脂環式構造を有するアルコールに由来するユニット又は脂環式構造を有するカルボン酸に由来するユニットを有し、
該結晶性樹脂が、結晶性部位と非晶性部位とが結合した樹脂であり、
下記式(X)で求められる該非晶性樹脂Aに対する該結晶性樹脂の相溶化度Aが70%以上95%以下であり、
下記式(Y)で求められる該非晶性樹脂Bに対する該結晶性樹脂の相溶化度Bが0%以上40%以下である
ことを特徴とするトナー。
相溶化度A(%)=100−(100×ΔH(A))/(ΔH(C)×9/10) (X)
相溶化度B(%)=100−(100×ΔH(B))/(ΔH(C)×9/10) (Y)
(式(X)、(Y)中、
ΔH(A)は、示差走査熱量分析における該非晶性樹脂Aと該結晶性樹脂を9:1の質量比率で混合した混合樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
ΔH(B)は、示差走査熱量分析における該非晶性樹脂Bと該結晶性樹脂を9:1の質量比率で混合した混合樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。
ΔH(C)は、示差走査熱量分析における該結晶性樹脂の発熱ピークの発熱量(J/g)を示す。) - 前記結晶性樹脂の該非晶性部位と前記非晶性樹脂Aとが相分離する請求項1に記載のトナー。
- 前記トナーにおける、前記結晶性樹脂の、示差走査熱量分析により計算される結晶化度が、80%以上である請求項1または2に記載のトナー。
- 前記結晶性樹脂の酸価が、0.0mgKOH/g以上5.0mgKOH/g以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記非晶性樹脂Bである前記ポリエステル樹脂を構成する全ユニットの数(mol)に対する、前記脂環式構造を有するアルコールに由来するユニット又は前記脂環式構造を有するカルボン酸に由来するユニットの数(mol)の比率が、0.1%以上50.0%以下である請求項4に記載のトナー。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナーの製造方法であって、
該製造方法が、加熱処理前のトナー粒子を水系媒体中で下記式(1)に示す温度T℃で60分以上維持する加熱処理工程を経てトナー粒子を得る工程、を有することを特徴とするトナーの製造方法。
TgA−10≦T≦TmA (1)
(式(1)中、TgAは、該非晶性樹脂Aのガラス転移点を示し、TmAは、該結晶性樹脂の吸熱ピークのオンセット温度を示す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015149970A JP6570362B2 (ja) | 2015-07-29 | 2015-07-29 | トナー、トナーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015149970A JP6570362B2 (ja) | 2015-07-29 | 2015-07-29 | トナー、トナーの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017032660A JP2017032660A (ja) | 2017-02-09 |
JP6570362B2 true JP6570362B2 (ja) | 2019-09-04 |
Family
ID=57988760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015149970A Active JP6570362B2 (ja) | 2015-07-29 | 2015-07-29 | トナー、トナーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6570362B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6587456B2 (ja) * | 2015-08-21 | 2019-10-09 | キヤノン株式会社 | トナー |
JP6981612B2 (ja) * | 2017-09-28 | 2021-12-15 | 花王株式会社 | 電子写真用トナー用結着樹脂組成物の製造方法 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4544095B2 (ja) * | 2005-08-24 | 2010-09-15 | 富士ゼロックス株式会社 | 電子写真用トナー、電子写真用トナーの製造方法、電子写真用現像剤並びに画像形成方法 |
JP2010066651A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Konica Minolta Business Technologies Inc | トナー、トナーの製造方法及び静電荷像現像剤 |
JP5584443B2 (ja) * | 2009-09-02 | 2014-09-03 | 花王株式会社 | 電子写真トナー用結着樹脂 |
WO2012077503A1 (en) * | 2010-12-10 | 2012-06-14 | Kao Corporation | Method for forming fixed images |
JP6245785B2 (ja) * | 2011-10-04 | 2017-12-13 | キヤノン株式会社 | トナー粒子の製造方法 |
JP6045297B2 (ja) * | 2012-10-25 | 2016-12-14 | 花王株式会社 | 静電荷像現像用トナーの製造方法 |
JP6082659B2 (ja) * | 2013-06-05 | 2017-02-15 | 花王株式会社 | 静電荷像現像用トナーの製造方法 |
JP6107464B2 (ja) * | 2013-06-25 | 2017-04-05 | コニカミノルタ株式会社 | 静電荷像現像用トナー |
JP6173125B2 (ja) * | 2013-08-26 | 2017-08-02 | キヤノン株式会社 | トナー |
JP6204756B2 (ja) * | 2013-08-30 | 2017-09-27 | 花王株式会社 | 静電荷像現像用トナー |
-
2015
- 2015-07-29 JP JP2015149970A patent/JP6570362B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017032660A (ja) | 2017-02-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6587456B2 (ja) | トナー | |
JP6410579B2 (ja) | トナー | |
JP6245980B2 (ja) | トナー | |
US9158216B2 (en) | Method for producing toner particles | |
US9958801B2 (en) | Toner and production method thereof | |
JP6525736B2 (ja) | トナー | |
JP6376958B2 (ja) | トナー | |
JP6061674B2 (ja) | トナー | |
EP2289968B1 (en) | Polyester process | |
JP2016224420A (ja) | トナー | |
JP6562775B2 (ja) | トナー及びトナーの製造方法 | |
US9405207B2 (en) | Toner compositions | |
CN111948921A (zh) | 调色剂 | |
JP6740659B2 (ja) | 静電潜像現像用トナーの作製方法 | |
JP6570362B2 (ja) | トナー、トナーの製造方法 | |
JP6355455B2 (ja) | トナー粒子の製造方法 | |
JP6910816B2 (ja) | トナー粒子の製造方法 | |
JP6460904B2 (ja) | トナー | |
JP7415701B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
US20230418176A1 (en) | Toner | |
JP2021148894A (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP2023145106A (ja) | トナー |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180724 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190418 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190423 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190619 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190709 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190806 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6570362 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |