JP2010066651A - トナー、トナーの製造方法及び静電荷像現像剤 - Google Patents

トナー、トナーの製造方法及び静電荷像現像剤 Download PDF

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健司 林
Mikio Kamiyama
幹夫 神山
Hiroaki Obata
裕昭 小畑
Yasuhiko Muramatsu
靖彦 村松
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Abstract

【課題】部材へのフィルミングを防止し、汚染を低減する。
【解決手段】コアシェル構造を有するトナーであって、コアが少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を含み、シェルが非結晶性ポリエステル樹脂からなり、前記コアの非結晶性ポリエステル樹脂が下記(1)〜(3)に示す多価アルコールモノマーのうちの少なくとも1種を含むトナー。
(1)アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
(2)分岐脂肪族ジオール
(3)脂環式ジオール
【選択図】なし

Description

本発明は、トナー、トナーの製造方法及び静電荷像現像剤に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、主としてオフィス等で使用される複写機、プリンタとして、とりわけ省エネルギー性、ランニングコストにおいて競争が激化している。そのため、トナーの定着可能温度を低下させる技術の開発が重要となっている。
このような技術としては、結晶性ポリエステル樹脂粒子と非結晶性ポリエステル樹脂粒子とを会合させ、比較的低温度でトナーの溶融粘度を低下させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、結晶性ポリエステル樹脂の耐熱保管性の低さ、画像形成部材や帯電付与部材へのフィルミングの問題を抑制するために、非結晶性ポリエステルがトナーの外層、すなわちコアシェル構造のシェルとして用いられている。
非結晶性ポリエステル樹脂には、ビスフェノールA、すなわち2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物が用いられている。このようなモノマーユニットを用いるのは乾式の粉砕トナーの製造方法においては最も一般的であった(例えば、特許文献2参照)。
上記特許文献2には、ポリエステルを構成しているモノマーのうちアルコールモノマーとして、エチレングリコール等のジオール類、ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロプレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物が挙げられている。これらのモノマーの中でも特に、ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物を主成分モノマーとして用いた系において良好な結果が得られたことが記載されている。また、ビスフェノールA骨格の性質上、比較的高めのガラス転移点のポリエステルが得られ、耐ブロッキング性が良好となることも記載されている。また、ビスフェノールA骨格の両側のアルキル基の存在がポリマー中でソフトセグメントとして働き、低温定着性が良好となることも記載されている。
特開2007−4033号公報 特許第2999488号公報
しかしながら、アルキレンオキシド基、すなわちアルキレンオキサイド基は、非イオン性の親水基である。そのため、水系媒体中でポリエステル樹脂粒子を凝集するトナーの製造方法においては、凝集剤である無機塩による塩析力を阻害する働きが樹脂粒子にあり、凝集粒子の粒子径や形状が不安定となるという問題があった。
さらに、凝集粒子の粒子径や形状が不安定であると、シェル用樹脂粒子を添加した後、均一なシェル層が形成されず、コアを完全被覆することが不可能となって、コアである結晶性ポリエステルが露出する。露出によって、摩擦帯電付与部材や感光体に結晶性ポリエステルがフィルミングし、汚染するため、結果的にこれら部材の寿命を低下させることとなる。
本発明の課題は、部材へのフィルミングを防止し、汚染を低減することである。
請求項1に記載の発明によれば、
コアシェル構造を有するトナーであって、
コアが少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を含み、
シェルが非結晶性ポリエステル樹脂からなり、
前記コアの非結晶性ポリエステル樹脂が下記(1)〜(3)に示す多価アルコールモノマーのうちの少なくとも1種を含むトナーが提供される。
(1)アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
(2)分岐脂肪族ジオール
(3)脂環式ジオール
請求項2に記載の発明によれば、
前記シェルの非結晶性ポリエステル樹脂が、スルフォン酸基を有する多価カルボン酸モノマーを含有し、
前記シェルの非結晶性ポリエステル樹脂の全多価カルボン酸モノマーに対する、前記スルフォン酸基を有する多価カルボン酸モノマーの割合が、0.1mol%以上20mol%以下である請求項1に記載のトナーが提供される。
請求項3に記載の発明によれば、
前記シェルの非結晶性ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸モノマーとしてトリメリット酸を含有し、
前記シェルの非結晶性ポリエステル樹脂の全多価カルボン酸モノマーに対する、前記トリメリット酸の割合が、6.0mol%以上40mol%以下である請求項1に記載のトナーが提供される。
請求項4に記載の発明によれば、
少なくとも1種以上の非結晶性樹脂の分散液と、着色剤の分散液とを混合し、樹脂粒子及び着色剤粒子を水系媒体中でトナー粒子径に凝集させて凝集体を形成し、これを加熱して融合させるトナーの製造方法であって、
前記非結晶性樹脂は、下記(1)〜(3)に示す多価アルコールモノマーのうちの少なくとも1種を含む非結晶性ポリエステル樹脂であるトナーの製造方法が提供される。
(1)アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
(2)分岐脂肪族ジオール
(3)脂環式ジオール
請求項5に記載の発明によれば、
前記樹脂粒子と着色剤粒子の凝集体を形成した後、当該凝集体表面に、スルフォン酸基を有する多価カルボン酸モノマーを含有する非結晶性ポリエステル樹脂粒子を付着凝集させ、その凝集体を加熱して融合させる請求項4に記載のトナーの製造方法が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、
前記樹脂粒子と着色剤粒子の凝集体を形成した後、当該凝集体表面に、多価カルボン酸モノマーとしてトリメリット酸を含有する非結晶性ポリエステル樹脂粒子を付着凝集させ、その凝集体を加熱して融合させる請求項4に記載のトナーの製造方法が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、
請求項1〜3の何れか一項に記載のトナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が提供される。
本発明によれば、コアに用いる非結晶性ポリエステル樹脂からアルキレンオキサイド付加物を除いたため、凝集が迅速に進む。その結果、コア中に、着色剤粒子や離型剤のドメインと、非結晶性ポリエステル樹脂のマトリクスとが均一に分布する。均一分布により着色剤粒子や離型剤のドメインと非結晶性ポリエステル樹脂のドメインとが形成する表面エネルギーが接近し、疎水性が増加して接着強度が高まる結果、トナー粒子全体として耐破砕強度が増加する。従って、画像形成装置でのクリーニング時にトナーが破砕されにくい構成とすることができ、感光体や中間転写体等の部材へのフィルミングを防止し、汚染を低減することが可能となる。
《トナー》
本発明に係るトナーは、コアシェル構造を有するトナーであって、コアが少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を含み、シェルが非結晶性ポリエステル樹脂からなり、前記コアの非結晶性ポリエステル樹脂が下記(1)〜(3)に示す多価アルコールモノマーのうちの少なくとも1種を含む。
(1)アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
(2)分岐脂肪族ジオール
(3)脂環式ジオール
前記トナーには、必要に応じて離型剤、荷電制御剤、外添剤を添加することができる。
〈コア〉
本発明のトナー粒子を構成するコアは少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を含む。ただし、前記コアは低温定着性を高める観点から結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。このとき、結晶性ポリエステル樹脂は非結晶性ポリエステル樹脂と相分離し、ドメインを構築することが好ましい。結晶性ポリエステルのドメイン径は、離型剤のドメインと同程度でよく、0.3〜1.5μm程度が好ましい。
(非結晶性ポリエステル樹脂)
非結晶性ポリエステル樹脂はモノマー成分として、多価カルボン酸と多価アルコールを含有する。
多価アルコールとしては、下記(1)〜(3)の少なくとも1種が用いられる。
(1)アルキレンオキサイド付加物を除く2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
(2)分岐脂肪族ジオール
(3)脂環式ジオール
前記分岐脂肪族ジオールとしては、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール等が挙げられる。このうち、トナーの定着性と保存性を両立させる観点から好ましいのは、ネオペンチルグリコールである。
また、前記脂環式ジオールとしては、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)-シクロヘキサン(別名1,4-シクロヘキサンジメタノール)、3(4),8(9)-ビス(ヒドロキシメチル)-トリシクロ(5.2.1.0/2.6)デカン(別名トリシクロデカンジメタノール)、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン(別名水素化ビスフェノールA)、1,4-シクロヘキサンジオールが挙げられる。このうち、トナーの定着性と保存性を両立させる観点から好ましいのは、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)-シクロヘキサンである。
非結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分に、アルキレンオキサイドのようなポリマー分子のソフトセグメントに相当するものが存在しなくても、結晶性ポリエステルのトナーの粘弾性を低下させる機能が作用するから定着性は十分確保できる。しかしながら、例えば非結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分としてブタンジオール、ペンタンジオール、ノナンジオール等の直鎖ジオール成分を、アルコール成分の1〜30mol%添加することが好ましい。或いは、非結晶性ポリエステル樹脂のカルボン酸成分にドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸を用いて、非結晶性ポリエステル樹脂のポリマー分子のソフトセグメントとして導入することで、凝集の安定性を活かしたまま、定着性の優れたトナーとすることができる。
なお、上記(1)〜(3)の少なくとも1種の多価アルコールモノマーに、他の多価アルコールモノマーを組み合わせて用いることとしてもよい。
他の多価アルコールモノマーとしては、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロエキサンジエタノール等の脂環式ジオールの他、1,4-ブタンジオール、1,9-ノナンジオール等の脂肪族ジオールが挙げられる。
多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸類、シクロヘキサジカルボン酸等の脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多価カルボン酸類を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好なる定着性を確保するためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用し、架橋構造或いは分岐構造を構成することが好ましい。
(結晶性ポリエステル樹脂)
本発明において結晶性ポリエステルとは、非結晶性ポリエステルと相溶しない状態の下、示差走査熱量計(DSC)測定により得られる吸熱曲線において、昇温時に吸熱ピークを有し、降温時に発熱ピークを有するポリエステルいう。その測定は「ASTM D 3417−99」に準じて行う。昇温時に吸熱ピークを有し、降温時の発熱ピークが60〜97℃に存在する結晶性ポリエステルは、低温定着性と耐フィルミングに優れるため好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂はモノマー成分として、多価カルボン酸、多価アルコールを含む。特に、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸(酸無水物及び酸塩化物を含む)とを反応させて得られる脂肪族ポリエステル樹脂が好ましい。
2価カルボン酸としては、例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。また、これらの無水物や低級アルキルエステル等も挙げられる。
また、結晶性ポリエステル樹脂に好適に用いられる脂肪族ジオールは、主鎖部分の炭素数が2〜20である直鎖型脂肪族ジオールが好ましい。脂肪族ジオールの分岐型は、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下する。よって、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び低温定着性の観点から直鎖型が好ましい。
そのような脂肪族ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,14-エイコサンデカンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(着色剤)
着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料等、公知の着色剤を任意に用いることができる。
黒の着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックの他、マグネタイト、フェライト等の磁性粉を用いることができる。
マゼンタ(又はレッド)、イエロー(又はオレンジ)、シアン(又はグリーン)等の着色剤としては、銅フタロシアニンの他、顔料や染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントブルー15;3、同60、C.I.ピグメントグリーン7等があり、これらを混合してもよい。染料としては、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82,同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95等を用いることができ、これらを混合してもよい。
〈シェル〉
シェルは非結晶性ポリエステル樹脂からなる。
(非結晶性ポリエステル樹脂)
非結晶性ポリエステルはモノマー成分として、多価カルボン酸、多価アルコールを含む。
多価カルボン酸モノマーとしては、極性の強い、スルフォン酸基を有する多価カルボン酸が用いられることが好ましい。スルフォン酸基を含有する多価カルボン酸モノマーとは、ポリエステルとして共重合可能な多価カルボン酸の骨格中に、スルフォン酸基及びその塩の基を含有するものである。例えば、スルフォテレフタル酸、5−スルフォイソフタル酸、4−スルフォイソフタル酸、4−スルフォナフタレン−2,7−ジカルボン酸及びそれらのアンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、銅塩、鉄塩等を挙げることができる。その中でも5−スルフォイソフタル酸が好ましく、特にそのナトリウム塩が好ましい。
シェルの非結晶性ポリエステル樹脂を構成する全多価カルボン酸モノマーに対する、前記スルフォン酸基を有する多価カルボン酸モノマーの割合は、0.1mol%以上20mol%以下であることが好ましい。
或いは、多価カルボン酸モノマーとしてトリメリット酸を多く含有することが好ましい。シェルの非結晶性ポリエステル樹脂を構成する全多価カルボン酸モノマーに対する、トリメリット酸の割合は、6.0mol%以上40mol%以下であることが好ましい。
このようなスルフォン酸基を有する多価カルボン酸モノマーや、トリメリット酸を多く含有する多価カルボン酸モノマーを含む非結晶性ポリエステル樹脂の樹脂粒子は、親水性が強く水系媒体中で比較的安定に分散するため、凝集する速度がコアに用いる樹脂粒子よりも遅い。従って、塩析によってトナー粒子外郭となるシェル層を形成するのに好ましい態様である。
シェルの非結晶性ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸モノマーとしてスルフォン酸基やトリメリット酸を含有する場合と、アルキレンオキサイド基を有する場合とを比較すると、スルフォン酸基やトリメリット酸は解離性の基を持つ点で異なる。解離性の基を含有する樹脂の方がpHをコントロールすることにより水系媒体中において樹脂粒子が互いに反発する電荷を抱くため、安定して樹脂粒子を分散させることができる。その後、凝集剤の塩が添加されると、樹脂粒子の抱く電荷の中和が開始され、樹脂粒子は迅速にトナー粒子外郭への凝集を開始するため、スルフォン酸基やトリメリット酸を多価カルボン酸モノマーとして含有する樹脂の方が、アルキレンオキサイド基を含有する樹脂に比べて操作性に優れる。
また、トナーの製造過程において、凝集した樹脂粒子を加熱し融着させ、球形化する工程で、スルフォン酸基を有する多価カルボン酸モノマーを含有する樹脂粒子、或いは多価カルボン酸モノマーとしてトリメリット酸を多く含有させた樹脂粒子は、トナー粒子内部よりも表面エネルギーが安定であるため、水系媒体との界面に配置される性質がある。そのため、コアの外層を覆うシェル材としては特に好適である。
さらに、スルフォン酸基やカルボキシル基がトナー粒子表面に多く存在することにより、帯電の立ち上がりが早い。そのため、高速処理を行う画像形成装置やコンパクトな現像装置等においても、補給されたトナーが現像剤として瞬時に十分な帯電量に到達することができる。その結果、長期使用においてトナーの飛散が少なく、画像形成装置内を汚染したトナーが転写紙に落下して、画像欠陥が生じるという問題を解消できる。
〈離型剤〉
本発明に係るトナーに使用可能な離型剤としては、以下に示すような公知のワックスが挙げられる。
(1)ポリオレフィン系ワックス
例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
(2)長鎖炭化水素系ワックス
例えば、パラフィンワックス、サゾールワックス等が挙げられる。
(3)ジアルキルケトン系ワックス
例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。
(4)アミド系ワックス
例えば、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。
(5)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。
ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内とすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセット等を起こさずに安定したトナー画像の形成を行うことができる。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
〈外添剤〉
外添剤は、その添加によりトナーの流動性や帯電性が改良され、またクリーニング性の向上等が実現される。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、例えば無機微粒子や有機微粒子、滑剤等が挙げられる。
無機微粒子としては、平均一次粒径は4〜800nm程度の公知のものを使用することが可能である。例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましいものとして挙げられる。また、必要に応じてこれらの無機微粒子を疎水化処理したものも使用可能である。
シリカ微粒子の具体例としては、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子としては、例えば日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形のものを使用することができる。具体的にはスチレンやメチルメタクリレート等の単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
クリーニング性や転写性をさらに向上させるためには滑剤を使用することができる。滑剤としては高級脂肪酸の金属塩が挙げられ、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩が挙げられる。
これら外添剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。また、外添剤の添加方法としてはタービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機等の種々の公知の混合装置を使用する方法が挙げられる。
《トナーの製造方法》
本発明のトナーの製造方法は、コア用の非結晶性樹脂の分散液と、着色剤の分散液とを混合し、樹脂粒子及び着色剤粒子を水系媒体中でトナー粒子径に凝集させて凝集体を形成し、これを加熱して融合させる方法である。
本発明に係るトナーは、例えば下記のような工程を経て作製される。
(1)分散混合工程
この工程では、コア用の非結晶性ポリエステル樹脂の分散液、結晶性ポリエステル樹脂の分散液、着色剤分散液、離型剤分散液を分散混合する。
(2)凝集・融着工程
上記分散混合工程において得られた分散液に、凝集剤を添加し、水系媒体中で樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子を凝集、融着させてコア粒子を形成する。
凝集・融着の方法としては、塩析融着法が好ましい。塩析融着法は、凝集と融着を並行して進め、所望の粒子径までコア粒子が成長したところで凝集の停止剤を添加し、粒子成長を停止させる方法である。この方法では、必要に応じて粒子形状を制御するための加熱が継続して行われる。
水系媒体とは、主成分(50%質量以上)が水からなるものをいう。水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
なお、凝集・融着工程の後、熟成工程を経ることとしてもよい。
具体的には、凝集・融着工程で加熱温度を低めにして粒子間の融着の進行を抑制しコア粒子の均一化を図る。その後、熟成工程において加熱温度を低めに、かつ時間を長くしてコア粒子の表面が均一形状となるよう制御する。
(3)シェル化工程
シェル化工程では、コア粒子の分散液中にシェル用の非結晶性ポリエステル樹脂の分散液を添加し、コア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を凝集、融着させて、コアシェル構造を有するトナー粒子を形成する。具体的には、上記凝集・融着工程又は熟成工程での温度を維持した状態でシェル用の非結晶性ポリエステル樹脂の分散液を添加し、加熱攪拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル用の非結晶性ポリエステル樹脂をコア粒子表面に被覆させる。加熱攪拌時間は1〜7時間が好ましく、特に好ましいのは3〜5時間である。シェル化によりトナー粒子が所定の粒径となった段階で、塩化ナトリウム等の停止剤を添加して粒子成長を停止させる。
シェル化工程の後、熟成工程を経ることとしてもよい。
熟成工程では、シェル化工程で粒子成長を停止させた後も、コア粒子に付着させたシェル用の非結晶性ポリエステル樹脂を融着させるために数時間加熱攪拌を継続する。これにより、丸みを帯び、形状の揃ったトナー粒子が形成される。
(4)冷却・洗浄工程
冷却・洗浄工程では、シェル化により得られたトナー粒子の分散液を、例えば1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。所定温度まで冷却すると、冷却されたトナー粒子の分散液からトナー粒子を固液分離する。固液分離は遠心分離の他、ヌッチェ等を用いた減圧濾過、フィルタープレス等を用いた濾過等、何れの方法でもよい。次いで、固液分離によって得られたトナーケーキ(ウェット状のトナー粒子をケーキのような円筒形状に整えたもの)を洗浄し、界面活性剤や塩析剤等の付着物を除去する。
(5)乾燥工程
乾燥工程では、洗浄されたトナーケーキを乾燥処理する。乾燥処理には、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機等を用いることができる。乾燥されたトナー粒子の水分は、5%質量以下であることが好ましく、さらに好ましくは2%質量以下である。なお、乾燥されたトナー粒子同士が弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体をジェットミル、ヘンシェルミキサー等によって解砕処理してもよい。
(6)外添処理工程
外添処理工程では、乾燥によって得られたトナー粒子に外添剤を混合し、静電荷現像用トナーを得る。
《静電荷像現像剤》
静電荷像現像剤は、静電荷現像用トナーをそのまま用いた一成分現像剤であってもよいし、静電荷現像用トナーにキャリアを混合した二成分現像剤であってもよい。
一成分現像剤として使用する場合、画像形成時に帯電部材や現像ローラ面にトナーを摺擦、押圧して帯電が行われる。非磁性一成分現像方式による画像形成は、現像装置の構造を簡略化できるので、画像形成装置全体をコンパクト化できるメリットがある。従って、本発明に係るトナーを非磁性一成分現像剤として用いると、スペースに制限のある作業環境下でもコンパクトでかつ色再現性に優れたフルカラー印刷が可能となる。
二成分現像剤として使用する場合、後述するタンデム方式の画像形成装置を用いて、高速でのフルカラー印刷が可能である。また、トナーを構成する樹脂やワックスを選択することにより、定着時の用紙温度が100℃程度のいわゆる低温定着対応のフルカラー印刷も可能である。
二成分現像剤として使用する際に用いられる磁性粒子であるキャリアは、公知のものを用いることができる。例えば鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等であるが、これらの中ではフェライト粒子が好ましい。キャリアの体積平均粒径は15〜100μmのものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。
《画像形成方法》
本発明に係るトナーを用いた画像形成方法及び画像形成装置について説明する。
ここでは、図1を参照して本発明に係るトナーを二成分現像剤として用いた場合の画像形成方法及び画像形成装置を説明する。図1に示す画像形成装置11はタンデム型のカラー画像形成装置と称せられるものある。
図1に示すように、画像形成装置11の本体上部には画像読取装置21が設けられている。
また、画像形成装置11はY、M、C、Kのトナーの色毎に、露光及び現像を行うユニットuY、uM、uC、uKを備えている。ユニットuY、uM、uC、uKは、それぞれ露光装置u1、現像装置u2、感光体u3、帯電部u4、クリーニング部u5、1次転写ローラu6を含んでいる。1次転写ローラu6は感光体u3に圧接されている。
さらに、画像形成装置11は中間転写ユニット22、2次転写ローラ23、定着装置24、給紙部25を備えている。中間転写ユニット22は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間ベルト2aと、クリーニング部2bとを含む。2次転写ローラ23は中間ベルト2aに圧接されている。
画像形成時には、帯電部u4により感光体u3の帯電が行われると、露光装置u1により露光が行われ、感光体u3上に画像信号に基づく静電潜像が形成される。次いで、現像装置u2により現像が行われ、感光体u3上にトナーが付着されてトナー画像が形成されると、当該トナー画像は感光体u3の回転及び1次転写ローラu6の作用により中間ベルト2a上に転写される。この露光、現像、転写の工程を、中間ベルト2aの回動に合わせて、各色のユニットuY、uM、uC、uKが順次繰り返すことにより、中間ベルト2a上に各色のトナー画像が重ねられ、カラー画像が形成される。
一方、給紙部25からは用紙が搬送され、2次転写ローラ23の位置まで当該用紙が搬送されると、2次転写ローラ23の作用によって中間ベルト2aから用紙上にカラー画像が一括して転写される。その後、用紙は定着装置24に搬送されて加圧及び加熱により用紙上にカラー画像が固定され定着されると、最終的に外部に設けられているトレイに排出される。このようにして、画像形成が終了すると、クリーニング部u5、22により感光体u3や中間ベルト2aに残存するトナーが除去される。
以下、実施例を挙げて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〈材料の調整〉
まず、実施例、比較例に係るトナーの作製に必要な材料を調整した。
1.コア用の非結晶性ポリエステル樹脂及びその分散液の調製
コア用の非結晶性ポリエステル樹脂C1〜C5、ccを調整した。非結晶性ポリエステル樹脂C1〜C5の組成と配合量を、下記表1に示す。
Figure 2010066651
なお、表1において、BPA:アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4−ヒドロキシ)プロパン、NPG:ネオペンチルアルコール、BPC:1-4ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、TPA:テレフタル酸、FA:フマル酸、DDSA:ドデセニルコハク酸無水物を示している。
(1)非結晶性ポリエステル樹脂C1の調製
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、下記多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを合計3質量部仕込む。この反応系を1時間かけて190℃まで昇温し、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、触媒Ti(OBu)4(非結晶性ポリエステル樹脂C1のカルボン酸成分の全量に対し、0.003質量%分)を投入した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸:30mol%
フマル酸:70mol%
(多価アルコールモノマー)
アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:80mol%
ノナンジオール:20mol%
生成される水を留去しながら、同温度から6時間を要して240℃まで昇温し、240℃でさらに6時間、脱水縮合反応を継続して重合を行って、非結晶性ポリエステル樹脂C1を得た。得られた非結晶性ポリエステル樹脂C1の分子量をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ、東ソー社製 HLC−8 120GPC)で測定したところ、重量平均分子量(スチレン標準物質で換算)は9800であった。また、示差走査熱量計(島津製作所製 DSC−50、昇温速度3℃/min)にて得られた樹脂の熱特性を測定した結果、2次転移温度Tgは64℃であった。さらに、得られた樹脂C1の軟化点Tmを、溶融温度測定方法(昇温法)のオフセット法により測定した。具体的には、24℃、50%RH環境下において、フローテスタCFT−500D(島津製作所製)により、成型サンプルを、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、オフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度を、トナーの軟化点Tmとして求めた。樹脂C1の軟化点Tmは105.7℃であった。
次いで、得られた非結晶性ポリエステル樹脂C1を溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換機で160℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂C1と同時にキャビトロンCD1010に移送した。キャビトロンCD1010を、回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cm2の条件で運転し、平均粒径(体積基準のメディアン径。以下同じ。)が160nm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液を得た。
(2)非結晶性ポリエステル樹脂C2の調製
多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを、下記材料に変更した他は上記非結晶性ポリエステル樹脂C1の作製と同様に、非結晶性ポリエステル樹脂C2を作製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸:100mol%
(多価アルコールモノマー)
ネオペンチルグリコール:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂C2について、非結晶性ポリエステル樹脂C1と同様にして物性を測定したところ、重量平均分子量は10300、2次転移温度Tgは62℃、軟化点Tmが116℃であった。
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂C2について、非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液の調製と同様にして、平均粒径が150nm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂C2の分散液を調製した。
(3)非結晶性ポリエステル樹脂C3の調製
多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを下記材料に変更した他は、非結晶性ポリエステル樹脂C1の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂C3を作製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸:50mol%
フマル酸:48mol%
ドデセニルコハク酸無水物:2mol%
(多価アルコールモノマー)
1-4ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂C3について、非結晶性ポリエステル樹脂C1と同様にして物性を測定したところ、重量平均分子量は10600、2次転移温度Tgが59℃、軟化点Tmが111℃であった。
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂C3について、非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液の調製と同様にして、平均粒径が204nm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂C3の分散液を調製した。
(4)非結晶性ポリエステル樹脂C4の調製
多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを下記材料に変更した他は、非結晶性ポリエステル樹脂C1の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂C4を作製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸:50mol%
フマル酸:48mol%
ドデセニルコハク酸無水物:2mol%
(多価アルコールモノマー)
アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:80mol%
1,4-ブタンジオール:20mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂C4について、非結晶性ポリエステル樹脂C1と同様にして物性を測定したところ、重量平均分子量は19700、2次転移温度Tgは55℃、軟化点Tmが108℃であった。
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂C4について、非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液の調製と同様にして、平均粒径が196nm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂C4の分散液を調製した。
(5)非結晶性ポリエステル樹脂C5の調製
多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを下記材料に変更した他は、非結晶性ポリエステル樹脂C1の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂C5を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸:30mol%
フマル酸:70mol%
(多価アルコールモノマー)
アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:96mol%
1,9-ブタンジオール:4mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂C5について、非結晶性ポリエステル樹脂C1と同様にして物性を測定したところ、重量平均分子量が18200、2次転移温度Tgが55℃、軟化点Tmが108℃であった。
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂C5について、非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液の調製と同様にして、平均粒径が246nm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂C5の分散液を調製した。
(6)非結晶性ポリエステル樹脂ccの調整
多価アルコールモノマーを下記材料に変更した他は、非結晶性ポリエステル樹脂C1の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂ccを調製した。
(多価アルコールモノマー)
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド2mol付加物:100mol%
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂ccについて、非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液の調製と同様にして、平均粒径が274nm、固形分量が20質量部の非結晶性ポリエステル樹脂ccの分散液を調製した。
2.コア用結晶性ポリエステル樹脂の合成及びその分散液の調製
(1)結晶性ポリエステル樹脂Bの調製
三ツ口フラスコに、1,9-ノナンジオール10質量部及び1,10-ドデカンニ酸10質量部と、触媒Ti(oBu)4(結晶性ポリエステル樹脂Bのカルボン酸成分に対し、0.014質量%)とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧する。さらに、窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて未反応のモノマー成分を除去し、220℃まで徐々に昇温を行って12時間攪拌する。粘稠な状態となったところでサンプリングし、結晶性ポリエステル樹脂Bを得た。
得られた結晶性ポリエステル樹脂BをGPC(東ソー社製、HLC−8 120GPC)にて分子量を確認したところ、重量平均分子量17600(スチレン標準物質で換算)であった。また、示差走査熱量計(島津製作所製 DSC−50)にて昇温速度3℃/minで熱特性を測定したところ、最大吸熱ピーク温度すなわち融点は75℃であった。
次いで、下記材料を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、平均粒径が200nm、固形分量が30質量部の結晶性ポリエステル樹脂Bの分散液を得た。
結晶性ポリエステル樹脂B:90質量部
アニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬社製):1.8質量部
イオン交換水:210質量部
3.シェル用非結晶性ポリエステル樹脂の調製
(1)非結晶性ポリエステル樹脂A1の調製
多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを下記材料に変更した他は、非結晶性ポリエステル樹脂C1の作製と同様に、非結晶性ポリエステル樹脂A1を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸:30mol%
フマル酸:50mol%
5-スルフォテレフタル酸ナトリウム:20mol%(非結晶性ポリエステル樹脂A1全量 に対しては10mol%)
(多価アルコールモノマー)
アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂A1について、非結晶性ポリエステル樹脂C1と同様にして物性を測定したところ、重量平均分子量が10300、2次転移温度Tgが65℃、軟化点Tmが118℃であった。
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂A1について、非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液の調製と同様にして、平均粒径が150nm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂A1の分散液を調製した。
(2)非結晶性ポリエステル樹脂A2の調製
多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを下記材料に変更した他は、非結晶性ポリエステル樹脂A1の調製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂A2を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸:30mol%
フマル酸:38mol%
5-スルフォテレフタル酸ナトリウム:40mol%(非結晶性ポリエステル樹脂A2全量に対しては20mol%)
ドデセニルコハク酸無水物:2mol%
(多価アルコールモノマー)
アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂A2について、非結晶性ポリエステル樹脂C1と同様にして物性を測定したところ、重量平均分子量が10600、2次転移温度Tgが63℃、軟化点Tmが115℃であった。
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂A2について、非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液の調製と同様にして、平均粒径が153nm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂A2の分散液を調製した。
(3)非結晶性ポリエステル樹脂A3の調製
多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを下記材料に変更した他は、非結晶性ポリエステル樹脂A1の調製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂A3を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸:30mol%
フマル酸:40mol%
5-イソフタル酸スルフォン酸ナトリウム:2mol%(非結晶性ポリエステル樹脂A3全量に対しては1mol%)
(多価アルコールモノマー)
アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂A3について、非結晶性ポリエステル樹脂C1と同様にして物性を測定したところ、重量平均分子量が9000、2次転移温度Tgが59℃、軟化点Tmが105℃であった。
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂A3について、非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液の調製と同様にして、平均粒径が145nm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂A3の分散液を調製した。
(4)非結晶性ポリエステル樹脂A4の調製
多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを下記材料に変更した他は、非結晶性ポリエステル樹脂A1の調製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂A4を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸:40mol%
フマル酸:38mol%
トリメリット酸:20mol%(非結晶性ポリエステル樹脂A4全量に対しては10mol%)
ドデセニルコハク酸無水物:2mol%
(多価アルコールモノマー)
アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂A4について、非結晶性ポリエステル樹脂C1と同様にして物性を測定したところ、重量平均分子量が10600、2次転移温度Tgが63℃、軟化点Tmが115℃であった。
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂A4について、非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液の調製と同様にして、平均粒径が153nm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂A4の分散液を調製した。
(5)非結晶性ポリエステル樹脂A5の調製
多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを下記材料に変更した他は、非結晶性ポリエステル樹脂A1の調製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂A5を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸:58mol%
フマル酸:40mol%
トリメリット酸:2mol%(非結晶性ポリエステル樹脂A5全量に対しては1mol%)
(多価アルコールモノマー)
アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂A5について、非結晶性ポリエステル樹脂C1と同様にして物性を測定したところ、重量平均分子量が9000、2次転移温度Tgが59℃、軟化点Tmが105℃であった。
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂A5について、非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液の調製と同様にして、平均粒径が145nm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂A5の分散液を調製した。
(6)非結晶性ポリエステル樹脂A6の調製
多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを下記材料に変更した他は、非結晶性ポリエステル樹脂A1の調製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂A6を調製した。
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸:20mol%
トリメリット酸:80mol%(非結晶性ポリエステル樹脂A6全量に対しては40mol%)
(多価アルコールモノマー)
アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂A6について、非結晶性ポリエステル樹脂C1と同様にして物性を測定したところ、重量平均分子量が9000、2次転移温度Tgが59℃、軟化点Tmが105℃であった。
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂A6について、非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液の調製と同様にして、平均粒径が145nm、固形分量が30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂A6の分散液を調製した。
(7)非結晶性ポリエステル樹脂aaの調製
多価アルコールモノマーを下記材料に変更した他は、非結晶性ポリエステル樹脂A1の調製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂aaを調製した。
(多価アルコールモノマー)
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド2mol付加物:100mol%
次いで、得られた溶融状態の非結晶性ポリエステル樹脂aaについて、非結晶性ポリエステル樹脂C1の分散液の調製と同様にして、平均粒径が272nm、固形分量が20質量部の非結晶性ポリエステル樹脂aaの分散液を調製した。
4.離型剤分散液Rの調製
下記材料を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた。その後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、平均粒径が230nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液Rを調製した。離型剤分散液Rの離型剤濃度は20質量%である。
マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋株式会社製、Hi-Mic-1070、融点79℃):50質量部
アニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬株式会社製):5質量部
イオン交換水:200質量部
5.着色剤分散液Tの調製
下記材料を混合、溶解し、高圧衝撃式分散機有るティマイザー(スギノマシン社製、HJP30006)を用いて約1時間分散することにより、着色剤分散液Tを得た。着色剤分散液Tにおける着色剤粒子の平均粒径は0.15μm、着色剤粒子の濃度は23質量%であった。
Pigment Blue 15(銅フタロシアニン):100質量部
アニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬株式会社製):15質量部
イオン交換水:900質量部
〈実施例1〉
1.実施例1に係るトナー1の製造
下記材料を5リットルの円筒ステンレス容器に入れ、ウルトラタラックスにより800rpmで剪断力を加えながら30分間、分散混合した。
非結晶性ポリエステル樹脂分散液C1:800質量部(固形分240質量部)
結晶性ポリエステル樹脂分散液B:127.9質量部
着色剤分散液T:22.87質量部(固形分5.3質量部)
離型剤分散液R:50質量部(固形分10質量部)
ノニオン性界面活性剤(IGEPA CA897):0.5質量部
次いで、得られた分散液に凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液0.14質量部を滴下した。このとき、必要に応じて0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用い、分散液のpHを4.2に調整した。その後、攪拌装置、温度計を備えた重合釜に、上記分散液を移して加熱し、40℃にて付着凝集粒子の成長を促進させ、体積基準のメディアン径が5.0μmになった時点で、非結晶性ポリエステル樹脂A1の224質量部を徐々に添加した。さらに温度を50℃まで昇温し、粒子径を6.0μmとした。
次いで、pHを9.0に調整し、95℃まで昇温して95℃で6時間保持した後、pHを徐々に下げた。pHを6.5まで下げると、加熱を止めて放冷した。次いで、45μmのメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、凍結乾燥機で乾燥しトナー1を得た。コールターマルチサイザーIII型(ベックマン・コールター社製、アパーチャー径;50μm)を用いて最終トナー粒子の体積基準のメディアン径を測定したところ6.1μmであり、体積基準のCV値は19.6であった。乾燥後のトナー中に含まれるチタン含有量を蛍光X線にて別途作製した検量線を用いて測定したところ、チタン含有量は10ppmであった。
得られたトナー1の100質量部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1質量部を外添処理し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、静電荷像現像用トナー1を得た。
2.静電荷像現像剤1の作製
フェライト粒子(パウダーテック社製、平均粒径50μm)100質量部と、メタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、分子量95000)1質量部とを、トルエン500質量部とともに加圧式ニーダーに入れ、常温で15分間混合した。次いで、減圧混合しながら70℃まで昇温してトルエンを留去した後、冷却し、105μmの篩いを用いて分粒することにより、フェライトキャリア(樹脂被覆キャリア)を作製した。このフェライトキャリアと、上記静電荷像現像用トナー1とを混合し、トナー濃度が7質量%である二成分系の静電荷像現像剤1を作製した。
〈実施例2〉
1.実施例2に係るトナー2の製造
実施例1に係るトナー1の製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液C1の800質量部に代えて非結晶性ポリエステル樹脂分散液C2を672.1質量部用い、非結晶性ポリエステル樹脂分散液A1の224質量部に代えて非結晶性ポリエステル樹脂分散液A2を224質量部用いた他は、実施例1と同様の方法によりトナー2を製造した。トナー2についてトナー1と同様に物性を測定したところ、体積基準のメディアン径は5.8μm、体積基準のCV値は19.7であった。
また、トナー2を用いて実施例1と同様に静電荷像現像用トナー2を作製した。
2.静電荷像現像剤2の作製
静電荷現像用トナー2を用いて、実施例1と同様にして静電荷像現像剤2を作製した。
〈実施例3〉
1.実施例3に係るトナー3の製造
実施例1に係るトナー1の製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液C1の800質量部に代えて非結晶性ポリエステル樹脂分散液C3を800質量部用い、非結晶性ポリエステル樹脂分散液A1の224質量部に代えて非結晶性ポリエステル樹脂分散液A3を224質量部用いた他は、実施例1と同様の方法によりトナー3を製造した。トナー3についてトナー1と同様に物性を測定したところ、体積基準のメディアン径は6.0μm、体積基準のCV値は19.1であった。
また、トナー3を用いて実施例1と同様に静電荷像現像用トナー3を作製した。
2.静電荷像現像剤3の作製
静電荷現像用トナー3を用いて、実施例1と同様にして静電荷像現像剤3を作製した。
〈実施例4〉
1.実施例4に係るトナー4の製造
実施例1に係るトナー1の製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液C1の800質量部に代えて非結晶性ポリエステル樹脂分散液C4を800質量部用い、非結晶性ポリエステル樹脂分散液A1の224質量部に代えて非結晶性ポリエステル樹脂分散液A4を224質量部用いた他は、実施例1と同様の方法によりトナー4を製造した。トナー4についてトナー1と同様に物性を測定したところ、体積基準のメディアン径は6.2μm、体積基準のCV値は19.5であった。
また、トナー4を用いて実施例1と同様に静電荷像現像用トナー4を作製した。
2.静電荷像現像剤3の作製
静電荷現像用トナー4を用いて、実施例1と同様にして静電荷像現像剤4を作製した。
〈実施例5〉
1.実施例5に係るトナー5の製造
実施例1に係るトナー1の製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液C1の800質量部に代えて非結晶性ポリエステル樹脂分散液C5を800質量部用い、非結晶性ポリエステル樹脂分散液A1の224質量部に代えて非結晶性ポリエステル樹脂分散液A5を224質量部用いた他は、実施例1と同様の方法によりトナー5を製造した。トナー5についてトナー1と同様に物性を測定したところ、体積基準のメディアン径は6.1μm、体積基準のCV値は20.1であった。
また、トナー5を用いて実施例1と同様に静電荷像現像用トナー5を作製した。
2.静電荷像現像剤5の作製
静電荷現像用トナー5を用いて、実施例1と同様にして静電荷像現像剤5を作製した。
〈実施例6〉
1.実施例6に係るトナー6の製造
実施例1に係るトナー1の製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液C1の800質量部に代えて非結晶性ポリエステル樹脂分散液C5を800質量部用い、非結晶性ポリエステル樹脂分散液A1の224質量部に代えて非結晶性ポリエステル樹脂分散液A6を224質量部用いた他は、実施例1と同様の方法によりトナー6を製造した。トナー6についてトナー1と同様に物性を測定したところ、体積基準のメディアン径は6.2μm、体積基準のCV値は19.5であった。
また、トナー6を用いて実施例1と同様に静電荷像現像用トナー6を作製した。
2.静電荷像現像剤6の作製
静電荷現像用トナー6を用いて、実施例1と同様にして静電荷像現像剤6を作製した。
〈比較例1〉
1.比較例1に係る比較用トナー11の製造
実施例1に係るトナー1の製造において、非結晶性ポリエステル樹脂分散液C1の800質量部に代えて非結晶性ポリエステル樹脂分散液ccを800質量部用い、非結晶性ポリエステル樹脂分散液A1の224質量部に代えて非結晶性ポリエステル樹脂分散液aaを224質量部用いた他は、実施例1と同様の方法により比較用トナー11を製造した。比較用トナー11についてトナー1と同様に物性を測定したところ、体積基準のメディアン径は6.4μm、体積基準のCV値は20.2であった。
また、比較用トナー11を用いて実施例1と同様に静電荷像現像用トナー11を作製した。
2.静電荷像現像剤11の作製
静電荷現像用トナー11を用いて、実施例1と同様にして静電荷像現像剤11を作製した。
〈評価〉
作製した静電荷像現像剤1〜6、11を用いて、下記評価を行った。
1.厚紙定着性
コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製のC6550改造機により、各静電荷像現像剤1〜6、11を用いて印刷を行った。印刷に用いた用紙は、秤量350g紙である。
用紙上に印刷されたトナー画像の黒のベタ画像部(濃度1.0)上に、さらし布を巻いた1kgのおもりを15回往復させて、トナー画像部分を擦った。擦る前後の画像濃度を測定し、次式によって定着率を求めた。なお、画像濃度は相対濃度をマクベス濃度計により測定した。
定着率(%)=(擦った後の画像濃度)/(擦る前の画像濃度)×100
2.耐フィルミング性の評価
27℃、64%のRH環境下で、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製のC6550改造機により、各静電荷像現像剤1〜6、11を用いて連続印刷を行った。その後、C6550改造機の感光体及び中間転写体を目視観察し、トナーフィルミングに対応する白すじが、用紙上に印刷されたトナー画像上で検知され始めた積算印刷枚数で評価した。
評価基準は以下の通りである。
◎:100万枚までフィルミングの発生皆無(優良)。
○:80万枚まで汚れが生じず、100万枚までに感光体又は中間転写体上に軽微なフィルミングが現れるものの、画像欠陥は検知されない(良好)。
×:80万枚までにトナーフィルミングによる画像欠陥が検知された(不良)。
実施例1〜6、比較例1のそれぞれのトナーの成分と、その評価結果を表2に示す。
Figure 2010066651
表2に示すように、実施例1〜6は全て厚紙定着性が90%以上と、良好な定着強度を示した。これに対し、比較例1は60%台であり、定着強度に欠ける。さらに、電子顕微鏡で用紙上に形成されたトナー画像を観察したところ、比較例1のトナー画像は一部が破断されてにじみ汚れを発生させていた。一方、実施例1〜6のトナー画像はそのような破断は無く堅牢さが確認された。
また、耐フィルミング性においては実施例1〜6は何れも85万枚以上と、比較例1の2倍以上の耐フィルミング性が確認された。特に、実施例4〜6は100万枚の耐フィルミング性が確認され、良好な結果であった。
画像形成装置の一例を示す図である。
符号の説明
11 画像形成装置
u1 露光装置
u2 現像装置
u3 感光体
24 定着装置

Claims (7)

  1. コアシェル構造を有するトナーであって、
    コアが少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を含み、
    シェルが非結晶性ポリエステル樹脂からなり、
    前記コアの非結晶性ポリエステル樹脂が下記(1)〜(3)に示す多価アルコールモノマーのうちの少なくとも1種を含むトナー。
    (1)アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
    (2)分岐脂肪族ジオール
    (3)脂環式ジオール
  2. 前記シェルの非結晶性ポリエステル樹脂が、スルフォン酸基を有する多価カルボン酸モノマーを含有し、
    前記シェルの非結晶性ポリエステル樹脂の全多価カルボン酸モノマーに対する、前記スルフォン酸基を有する多価カルボン酸モノマーの割合が、0.1mol%以上20mol%以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記シェルの非結晶性ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸モノマーとしてトリメリット酸を含有し、
    前記シェルの非結晶性ポリエステル樹脂の全多価カルボン酸モノマーに対する、前記トリメリット酸の割合が、6.0mol%以上40mol%以下である請求項1に記載のトナー。
  4. 少なくとも1種以上の非結晶性樹脂の分散液と、着色剤の分散液とを混合し、樹脂粒子及び着色剤粒子を水系媒体中でトナー粒子径に凝集させて凝集体を形成し、これを加熱して融合させるトナーの製造方法であって、
    前記非結晶性樹脂は、下記(1)〜(3)に示す多価アルコールモノマーのうちの少なくとも1種を含む非結晶性ポリエステル樹脂であるトナーの製造方法。
    (1)アルキレンオキサイド付加物でない2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
    (2)分岐脂肪族ジオール
    (3)脂環式ジオール
  5. 前記樹脂粒子と着色剤粒子の凝集体を形成した後、当該凝集体表面に、スルフォン酸基を有する多価カルボン酸モノマーを含有する非結晶性ポリエステル樹脂粒子を付着凝集させ、その凝集体を加熱して融合させる請求項4に記載のトナーの製造方法。
  6. 前記樹脂粒子と着色剤粒子の凝集体を形成した後、当該凝集体表面に、多価カルボン酸モノマーとしてトリメリット酸を含有する非結晶性ポリエステル樹脂粒子を付着凝集させ、その凝集体を加熱して融合させる請求項4に記載のトナーの製造方法。
  7. 請求項1〜3の何れか一項に記載のトナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤。
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