JP2017037860A - 電子機器 - Google Patents

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薫 波多野
Kaoru Hatano
薫 波多野
瀬尾 哲史
Tetsushi Seo
哲史 瀬尾
章裕 千田
Akihiro Senda
章裕 千田
欣聡 及川
Yoshiaki Oikawa
欣聡 及川
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Abstract

【課題】外部から物理的な力が与えられた際に、発光素子が破壊されることを抑制した信頼性の高い発光装置を提供する。【解決手段】第1の基板上に形成された第1の電極層と発光層と第2の電極層からなる発光素子と、第1の基板上に形成された構造体と、第1の基板と対向して設けられた第2の基板と、第2の基板との間に設けられた接着層と、を有し、発光層は構造体により分離され、構造体と接着層、または構造体と第2の電極層の密着性を強めることにより、発光素子が破壊されることを抑制した信頼性の高い発光装置を実現することができる。【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、エレクトロルミネッセンスを利用した発光装置に関する。また、発光
装置を用いた電子機器に関する。
近年、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:EL)を
利用した発光素子の研究開発が盛んに行われている。これら発光素子の基本的な構成は、
一対の電極間に発光性の物質を含む層を挟んだものである。この素子に電圧を印加するこ
とにより、発光性の物質からの発光が得られる。
上述の発光素子は自発光型であるため、これを用いた発光装置は、視認性に優れ、バック
ライトが不要であり、消費電力が少ない等の利点を有する。さらに、薄型軽量に作製でき
、応答速度が高いなどの利点も有する。
また、上述の発光素子を有する発光装置としては、薄型軽量化に加え、可撓性や耐衝撃性
が図れることから、フレキシブル基板への採用が検討されている。また、フレキシブル基
板への採用は、発光装置だけではなく、半導体特性を利用することで機能する半導体装置
などにも適用されている。
フレキシブル基板を用いた半導体装置の作製方法としては、ガラス基板や石英基板といっ
た基材上に薄膜トランジスタなどの半導体素子を作製した後、基板から他の基材(例えば
フレキシブルな基材)へと半導体素子を転置する技術が開発されている。半導体素子を他
の基材へ転置するためには、半導体素子を作製する際に用いた基材から半導体素子を分離
する工程が必要である。
例えば、特許文献1には次のようなレーザーアブレーションを用いた剥離技術が記載され
ている。基板上に、非晶質シリコンなどからなる分離層、分離層上に薄膜素子からなる被
剥離層を設け、被剥離層を接着層により転写体に接着させる。レーザー光の照射により分
離層をアブレーションさせることで、分離層に剥離を生じさせている。
また、特許文献2には人の手などの物理的な力で剥離を行う技術が記載されている。特許
文献2では、基板と酸化物層との間に金属層を形成し、酸化物層と金属層との界面の結合
が弱いことを利用して、酸化物層と金属層との界面で剥離を生じさせることで、被剥離層
と基板とを分離している。
また、特許文献2においては、陽極、有機発光層、及び陰極を含む発光素子上に、層間絶
縁膜を形成し、さらに、層間絶縁膜と支持体を接着層で貼り合わせている。次いで、酸化
物層と金属層との界面で剥離することにより、発光素子を有する被剥離層は、接着層によ
りフィルム基板に貼り合わせ、フレキシブル基板を用いた発光装置が作製されている。
特開平10−125931号公報 特開2003−174153号公報
ここで、被剥離層に形成された発光素子は、一対の電極間に発光層を挟持した構造である
。発光層に有機化合物を用いた場合、発光層に接して形成される陰極あるいは陽極である
電極との密着性が弱い。発光層と電極との密着性が弱い場合、剥離層と被剥離層とを物理
的な力で分離する際に、発光層と電極との界面で剥がれてしまう恐れがある。
また、上述した発光素子は、フレキシブル基板を用いた発光装置とした場合、曲げ、湾曲
などの物理的な力を外部から与えた時に、発光層と電極との界面で剥離が生じ、破壊して
しまう可能性がある。
上記問題に鑑み、本明細書等において開示する発明の一態様は、外部から物理的な力が与
えられた際に、発光素子が破壊されることを抑制した信頼性の高い発光装置を提供するこ
とを課題の一つとする。
本発明の一態様は、第1の基板上に形成された第1の電極層と発光層と第2の電極層から
なる発光素子と、第1の基板上に形成された構造体と、第1の基板と対向して設けられた
第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に設けられた接着層と、を有し、発光層は
構造体により分離され、構造体と接着層、または構造体と第2の電極層の密着性を強める
ことにより、発光素子が破壊されることを抑制した信頼性の高い発光装置を実現すること
ができる。より詳細には以下の通りである。
本発明の一態様は、第1の基板上に形成された第1の電極層と、第1の電極層と接して形
成された発光層と、発光層と接して形成された第2の電極層と、を有する発光素子と、第
1の基板上に形成された構造体と、第1の基板と対向して設けられた第2の基板と、第1
の基板と第2の基板との間に設けられた接着層と、を有し、発光層は、構造体により分離
され、構造体は、少なくとも一部分が接着層と接する発光装置である。
本発明の他の一態様は、第1の基板上に形成された第1の電極層と、第1の電極層と接し
て形成された発光層と、発光層と接して形成された第2の電極層と、を有する発光素子と
、第1の基板上に形成された構造体と、第1の基板と対向して設けられた第2の基板と、
第1の基板と第2の基板との間に設けられた接着層と、を有し、発光層は、構造体により
分離され、構造体は、少なくとも一部分が第2の電極層と接する発光装置である。
上記各構成において、第1の基板、及び第2の基板は、可撓性を有していてもよい。また
、上記各構成において、第1の電極は、トランジスタに接続されていてもよい。また、上
記各構成において、第2の基板は、特定の波長領域の光を透過する有色層を有していても
よい。
また、上記各構成において、発光層は、正孔注入層と、正孔輸送層と、電子輸送層と、電
子注入層と、を有していてもよい。また、上記各構成において、発光素子は、白色発光が
得られてもよく、発光素子からの発光は、第2の基板を透過して取り出されてもよい。
また、本発明の他の一態様は、上記各構成を有する発光装置を用いた電子機器である。
なお、本明細書等において、発光装置には、画像表示デバイスや、発光デバイス、光源、
照明等が含まれる。また、発光装置は、発光素子が形成されたパネルにコネクタ(例えば
、FPC:Flexible printed circuit)等を取り付けたモジュ
ールをも含むものとする。
また、本明細書等において、発光素子とは、一対の電極により挟持された発光層を含む構
成である。一対の電極間に発光層以外にも機能層等が挟持されていてもよい。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限
定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、
その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配
線」が一体となって形成されている場合をなどをも含む。
また、「ソース」や「ドレイン」の機能は、極性の異なるトランジスタを採用する場合や
、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため
、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」の用語は、入れ替えて用いることがで
きるものとする。
一対の電極間に挟持された発光層を含む発光素子が設けられた発光装置において、外部か
ら物理的な力が与えられた際に、発光素子が破壊されることを抑制した信頼性の高い発光
装置を提供することができる。
発光装置を説明する上面図及び断面図。 発光装置の作製方法を説明する断面図。 発光装置の作製方法を説明する断面図。 発光装置の作製方法を説明する断面図。 発光装置の作製方法を説明する断面図。 発光装置に設けられる構造体を説明する断面図。 発光装置に設けられる構造体を説明する上面図。 発光素子を説明する断面図。 発光装置を説明する上面図及び断面図。 発光装置を用いた携帯電話を説明する上面図及び斜視図。 発光装置を用いた電子機器を説明する図。
以下、実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下に示す実
施の形態の記載内容に限定されず、本明細書などにおいて開示する発明の趣旨から逸脱す
ることなく形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者にとって自明である。また、
異なる実施の形態に係る構成は、適宜組み合わせて実施することが可能である。なお、以
下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符
号を用い、その繰り返しの説明は省略する。
なお、図面などにおいて示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、
実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、
必ずしも、図面などに開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数は、構成要素の混同
を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の発光装置の一態様について、発光装置の構成を図1(A)及
び図1(B)を用いて説明し、次に発光装置の作製方法を図2乃至図5を用いて説明を行
う。
〈発光装置の構成〉
図1(A)は、発光装置の画素の一部分であり、第1の基板100を第2の電極層122
側からみた上面図を示し、図1(B)は、図1(A)の破線A1−A2の断面図に相当す
る。なお、図1(A)の上面図においては、本発明の構成要素である一部(例えば、隔壁
124など)を図面の煩雑を避けるために省略している。
図1(A)に示す発光装置は、複数のソース配線156が互いに平行(図中上下方向に延
伸)かつ互いに離間した状態で配置されており、複数のゲート配線154が互いに平行(
図中左右方向に延伸)かつ互いに離間した状態で配置されている。また、ソース配線15
6と、ゲート配線154とによって、略長方形の領域が囲まれており、この領域が発光装
置の一つの画素となり、マトリクス状に複数配置されている。
また、各画素には、発光素子の駆動を制御するトランジスタ150と、所望の画素を選択
するトランジスタ152が形成されている。所謂、アクティブマトリクス型の発光装置で
ある。また、各画素の間には構造体126が複数配置されている。
図1(B)に示す発光装置は、トランジスタ150と、トランジスタ150上に形成され
た発光素子130と、各画素間に離間して形成された隔壁124、及び構造体126と、
が形成された第1の基板100と、遮光膜164と、カラーフィルタ166と、が形成さ
れた第2の基板160と、が第1の接着層170により貼り合わされている。
なお、第1の基板100と、第2の基板160は、可撓性を有する基板であり、本明細書
等においては、可撓性を有する基板をフレキシブル基板と呼ぶ。
また、図1(B)に示す発光装置は、発光素子130からの光が、カラーフィルタ166
を介して第2の基板160側から射出される、所謂トップエミッション構造(上面射出構
造)の発光装置である。
第1の基板100は、第1の基板100上に設けられた第2の接着層102と、第2の接
着層102上に設けられた第1のバッファ層104と、第1のバッファ層104上に設け
られた発光素子の駆動を制御するトランジスタ150と、トランジスタ150と電気的に
接続された発光素子130と、発光素子130を隔離する隔壁124と、隔壁124上に
設けられた構造体126と、を有している。
トランジスタ150は、第1のバッファ層104上に形成されたゲート電極層106と、
ゲート電極層106上に形成されたゲート絶縁層108と、ゲート絶縁層108上に形成
された半導体層110と、半導体層110上に形成されたソース電極層112a及びドレ
イン電極層112bと、を有している。また、トランジスタ150は、第1の絶縁層11
4と、第2の絶縁層116により覆われており、第2の絶縁層116の上には、第1の電
極層118と、第1の電極層118上に形成された発光層120と、発光層120上に形
成された第2の電極層122と、を有している。
なお、図1(B)に図示していないが、図1(A)に示したトランジスタ152は、トラ
ンジスタ150と同様の構成である。ただし、トランジスタのサイズ(例えば、L長、及
びW長)や、トランジスタの接続等は、各トランジスタで適宜調整することができる。
また、第1の電極層118、発光層120、及び第2の電極層122により発光素子13
0が形成されている。また、発光素子130は、第1の絶縁層114、及び第2の絶縁層
116に設けられた開口部を介してトランジスタ150と電気的に接続されている。
また、発光素子130は、隔壁124、及び構造体126により分離されて画素を形成し
ている。ただし、隔壁124と構造体126の機能が異なっている。
隔壁124については、第1の電極層118や、第1の絶縁層114、及び第2の絶縁層
116に設けられた開口部などの段差により、発光素子130が断線しないために設けら
れる。そのため、隔壁124は、その上面に形成される膜が途切れないように、順テーパ
形状を有していることが好ましい。なお、順テーパ形状とは、下地となる層に他の層がな
だらかな角度で厚みを増して接する構成を言う。
一方、構造体126については、発光層120を分離するために設けられる。本実施の形
態においては、発光層120の分離と合わせて、第2の電極層122も分離した構造につ
いて例示したが、第2の電極層122は分離しなくてもよい。ただし、構造体126は、
発光層120を分離し第2の電極層122、または第1の接着層170と少なくとも一部
分が接する形状である。
このように、構造体126は、発光層120を介さずに、第2電極層122、または第1
の接着層170と接する領域が設けられる。構造体126により形成された発光層120
を介さずに、第2の電極層122、または第1の接着層170と接する領域は、密着性を
強くすることが可能であり、各画素間に設けることによって、発光素子130を保護した
構造となっている。従って、外部から物理的な力が与えられた際、構造体126に設けら
れた密着性の強い領域によって、発光素子130が破壊されることを抑制することが可能
となる。
ここで、図1(B)に示した発光装置の作製方法について、図2乃至図5を用いて詳細に
説明を行う。
〈発光装置の作製方法〉
まず、第3の基板180上に第1の剥離層101を形成し、第1の剥離層101上に第1
のバッファ層104を形成する。第1のバッファ層104は、第1の剥離層101を大気
に曝すことなく連続して形成することが好適である。連続して形成することにより、第1
の剥離層101と第1のバッファ層104との間にゴミや、不純物の混入を防ぐことがで
きる(図2(A)参照)。
第3の基板180としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、
金属基板などを用いることができる。また、本実施の形態の処理温度に耐えうる耐熱性を
有するプラスチック基板を用いてもよい。プラスチック基板を用いる場合には、剥離層1
01を設けなくてもよい。
また、ガラス基板としては、後の加熱処理の温度が高い場合には、歪み点が730℃以上
のものを用いると良い。また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、ア
ルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている
。なお、酸化バリウム(BaO)を多く含ませることで、より実用的な耐熱ガラスが得ら
れる。他にも、結晶化ガラスなどを用いることができる。
また、本実施の形態においては、第3の基板180に接して第1の剥離層101を形成し
ているが、第3の基板180にガラス基板を用いる場合に、第3の基板180と第1の剥
離層101の間に酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリ
コン膜等の絶縁層を形成することにより、ガラス基板からの汚染を防止できるので、より
好ましい。
第1の剥離層101は、タングステン、モリブデン、チタン、タンタル、ニオブ、ニッケ
ル、コバルト、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジ
ウム、シリコンから選択された元素、又は前記元素を含む合金材料、又は前記元素を含む
化合物材料からなり、単層又は積層された層である。シリコンを含む層の結晶構造は、非
晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。
また、第1の剥離層101は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等
により形成できる。なお、塗布法はスピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス法
を含む。
第1の剥離層101が単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又
はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物
若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタ
ングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお
、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に
相当する。
また、第1の剥離層101として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む
層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成
される絶縁層を形成することで、タングステン層と絶縁層との界面に、タングステンの酸
化物を含む層が形成されることを活用してもよい。また、タングステンを含む層の表面を
、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行ってタ
ングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。またプラズマ処理や加熱処理は、酸素、
窒素、亜酸化窒素単体、あるいは前記ガスとその他のガスとの混合気体雰囲気下で行って
もよい。上記プラズマ処理や加熱処理により、第1の剥離層101の表面状態を変えるこ
とにより、第1の剥離層101と後に形成される第1のバッファ層104との密着性を制
御することが可能である。
次に、第1のバッファ層104を第1の剥離層101上に形成する。第1のバッファ層1
04は、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、及び窒化酸化シリコン等を単層または多層で
形成するのが好ましい。
第1のバッファ層104は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等を
用いて形成することが可能であり、例えば、プラズマCVD法によって成膜温度を250
℃以上400℃以下として形成することで、緻密で非常に透水性の低い膜とすることがで
きる。なお、第1のバッファ層104の厚さは10nm以上3000nm以下、さらには
200nm以上1500nm以下が好ましい。
次に、第1のバッファ層104上に導電膜を形成しフォトリソグラフィ工程、及びエッチ
ング工程を行うことで、ゲート電極層106を形成する。(図2(A)参照)。
ゲート電極層106の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、
アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらの元素を含む合金材
料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。
次に、ゲート電極層106上にゲート絶縁層108を形成する。ゲート絶縁層108は、
プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化
窒化シリコン、窒化酸化シリコン、または酸化アルミニウムを単層で又は積層して形成す
ることができる。例えば、成膜ガスとして、SiH、NOを用いてプラズマCVD法
により酸化窒化シリコン膜を形成すればよい。
次に、半導体層を形成しフォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程を行うことで、島
状の半導体層110を形成する(図2(A)参照)。
半導体層110の材料は、シリコン半導体や酸化物半導体を用いて形成することができる
。シリコン半導体としては、単結晶シリコンや多結晶シリコンなどがあり、酸化物半導体
としては、In−Ga−Zn−O系金属酸化物などを、適宜用いることができる。ただし
、半導体層110としては、In−Ga−Zn−O系金属酸化物である酸化物半導体を用
いて、オフ電流の低い半導体層とすることで、後に形成される発光素子のオフ時のリーク
電流が抑制できるため、好ましい。
次に、ゲート絶縁層108、及び半導体層110上に導電膜を形成し、フォトリソグラフ
ィ工程、及びエッチング工程を行うことで、ソース電極層112a及びドレイン電極層1
12bを形成する(図2(B)参照)。
ソース電極層112a及びドレイン電極層112bに用いる導電膜としては、例えば、A
l、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した
元素を含む金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を
用いることができる。また、Al、Cuなどの金属膜の下側又は上側の一方または双方に
Ti、Mo、Wなどの高融点金属膜またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モ
リブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成としても良い。また、ソース電極層
112a及びドレイン電極層112bに用いる導電膜としては、導電性の金属酸化物で形
成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In等)、酸化スズ
(SnO等)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In
―ZnO等)、またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いる
ことができる。
次に、半導体層110、ソース電極層112a及びドレイン電極層112b上に、第1の
絶縁層114を形成する(図2(B)参照)。第1の絶縁層114としては、酸化シリコ
ン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる
次に、第1の絶縁層114上に第2の絶縁層116を形成する(図2(C)参照)。
第2の絶縁層116としては、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化機能
を有する絶縁膜を選択するのが好適である。例えば、ポリイミド、アクリル、ベンゾシク
ロブテン、等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料
(low−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を
複数積層させることで、第2の絶縁層116を形成してもよい。
次に、フォトリソグラフィ工程、及びエッチング工程を行うことで、第1の絶縁層114
、及び第2の絶縁層116にドレイン電極層112bに達する開口部を形成する。開口方
法は、ドライエッチング、ウェットエッチングなど適宜選択すれば良い。
次に、第2の絶縁層116、及びドレイン電極層112b上に導電膜を形成し、フォトリ
ソグラフィ工程、及びエッチング工程を行うことで、第1の電極層118を形成する(図
2(C)参照)。
第1の電極層118としては、発光層120(後に形成される)が発する光を効率よく反
射する材料が好ましい。なぜなら光の取り出し効率を向上できるためである。なお、第1
の電極層118を積層構造としてもよい。例えば、発光層120に接する側に金属酸化物
による導電膜、またはチタン等を薄く形成し、他方に反射率の高い金属膜(アルミニウム
、アルミニウムを含む合金、または銀など)を用いることができる。このような構成とす
ることで、発光層120と反射率の高い金属膜(アルミニウム、アルミニウムを含む合金
、または銀など)との間に形成される絶縁膜の生成を抑制することができるので好適であ
る。
なお、本実施の形態においては、トップエミッション構造の発光装置について例示したが
、ボトムエミッション構造(下面射出構造)、及びデュアルエミッション構造(両面射出
構造)の発光装置とする場合においては、第1の電極層118に透光性の材料を用いるこ
とで、作製することができる。
次に、第1の電極層118の上に隔壁124を形成する(図2(C)参照)。
隔壁124としては、有機絶縁材料、又は無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の
樹脂材料を用い、隔壁124の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるよう
に形成することが好ましい。
次に、隔壁124の上に構造体126を形成する(図2(C)参照)。
構造体126としては、のちに形成される発光層120を分離する必要があるため、その
形状が重要になる。例えば、本実施の形態に示した構造体126は、逆テーパ形状である
。ここで言う逆テーパ形状とは、底部よりも基板に平行な方向にせり出した側部、または
上部を有した形状である。
構造体126に使用できる材料としては、無機絶縁材料、有機絶縁材料、金属材料を用い
て形成することができる。例えば、有機絶縁材料としては、ネガ型やポジ型の感光性を有
する樹脂材料、非感光性の樹脂材料などを用いることができる。また、金属材料としては
、チタン、アルミニウムなどを用いることができる。
次に、第1の電極層118、隔壁124、及び構造体126上に発光層120を形成する
(図2(D)参照)。
発光層120は、蒸着法(真空蒸着法を含む)等により形成することができる。発光層1
20としては、単層の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されてい
てもどちらでも良いが、発光層120が発する光は白色であることが好ましく、赤、緑、
青のそれぞれの波長領域にピークを有する光が好ましい。
なお、本実施の形態においては、発光層120が発する光は、カラーフィルタ166を介
して射出する構造について例示したが、これに限定されない。発光層120を各色(例え
ば、RGB)に塗り分けて、カラーフィルタ166を用いない構成としてもよい。ただし
、発光層120を塗りわけを行うことにより、工程数の増加、コストの増加など恐れがあ
るために、本実施の形態に示した白色の発光層120とカラーフィルタ166による構成
が好適である。
また、発光層120は、構造体126により分離されて形成される。構造体126の形状
が逆テーパ構造となっているため、発光層120形成時に構造体126の底部には膜が回
り込みできずに、分離することができる。なお、構造体126の上部、および側部の一部
には、発光層120が形成された構造となる。
次に、発光層120上に第2の電極層122を形成する(図2(D)参照)。
本実施の形態においては、第2の電極層122は、発光層120と同様に構造体126に
より分離された構造となる。なお、構造体126、及び発光層120の上部および側部の
一部には、第2の電極層122が形成された構造となる。
第2電極層122としては、透光性の金属酸化物を用いて形成することができる。透光性
の金属酸化物としては酸化インジウム(In等)、酸化スズ(SnO等)、酸化
亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO、ITOと略記す
る)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO等)、またはこれらの金属酸化
物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
なお、第1の電極層118、または第2の電極層122は、いずれか一方は発光層120
の陽極として機能し、他方は発光層120の陰極として機能する。陽極として機能する電
極には、仕事関数の大きな物質が好ましく、陰極として機能する電極には仕事関数の小さ
な物質が好ましい。
また、第1の電極層118、発光層120、及び第2の電極層122により発光素子13
0が形成される。
以上の工程により、発光素子の駆動を制御するトランジスタ150、及び発光素子130
が設けられた第3の基板180が形成される。
次に、遮光膜164、カラーフィルタ166、及びオーバーコート168が形成された第
4の基板190の作製方法を以下に示す。
まず、第4の基板190上に第2の剥離層161を形成し、第2の剥離層161上に第2
のバッファ層162を形成する(図3(A)参照)。
第2の剥離層161、及び第2のバッファ層162は、先に記載した第1の剥離層101
、及び第1のバッファ層104と同様の材料、及び手法により形成することができる。
次に、第2のバッファ層162上に導電膜を形成し、フォトリソグラフィ工程、及びエッ
チング工程を行うことで、遮光膜164を形成する(図3(B)参照)。
遮光膜164により、各画素間での混色を防止することができる。遮光膜164としては
、チタン、クロムなどの反射率の低い金属膜、または、黒色顔料や黒色染料が含浸された
有機樹脂膜などを用いることができる。ただし、遮光膜164は設けなくてもよい。
次に、第2のバッファ層162、及び遮光膜164の上に、カラーフィルタ166を形成
する(図3(C)参照)。
カラーフィルタ166については、特定の波長領域の光を透過する有色層である。例えば
、赤色の波長帯域の光を透過する赤色(R)のカラーフィルタ、緑色の波長帯域の光を透
過する緑色(G)のカラーフィルタ、青色の波長帯域の光を透過する青色(B)のカラー
フィルタなどを用いることができる。各カラーフィルタは、公知の材料を用いて、印刷法
、インクジェット法、フォトリソグラフィ技術を用いたエッチング方法などでそれぞれ所
望の位置に形成する。
なお、ここでは、RGBの3色を用いた方法について説明したが、これに限定されず、R
GBY(黄色)等の4色を用いた構成、または、5色以上の構成としてもよい。
次に、遮光膜164、及びカラーフィルタ166の上にオーバーコート168を形成する
(図3(C)参照)。
オーバーコート168は、アクリル、ポリイミド等の有機樹脂膜により形成することがで
きる。オーバーコート168により、カラーフィルタ166に含有された不純物成分等を
発光層120側への拡散を防止することができる。また、オーバーコート168は、有機
樹脂膜と無機絶縁膜との積層構造としてもよい。無機絶縁膜としては、窒化シリコン、酸
化シリコンなどを用いることができる。なお、オーバーコート168は、設けない構成と
してもよい。
以上の工程により、第2の剥離層161、第2のバッファ層162、遮光膜164、カラ
ーフィルタ166、及びオーバーコート168が設けられた第4の基板190が形成され
る。
次に、第3の基板180と、第4の基板190と、をアライメントして第1の接着層17
0を用いて貼り合わせを行う(図4(A)参照)。
第1の接着層170は、特に限定はなく、接着可能な屈折率が大きい透光性の接着剤を用
いることができる。また、接着剤に光の波長以下の分子サイズの構造を持ち、乾燥剤とし
て機能する物質(ゼオライト等)や、屈折率の大きいフィラー(酸化チタンや、ジルコニ
ウム等)を混合することにより、発光素子130の信頼性が向上、または発光素子130
からの光取り出し効率が向上するため好適である。
また、第1の接着層170と第2の電極層122の間に、透湿性の低い封止膜が形成され
ていてもよい。透湿性の低い封止膜としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸化
アルミニウム等を用いることができる。
次に、第3の基板180に形成された第1の剥離層101と第1のバッファ層104の間
で剥離(分離)を行う(図4(B)参照)。剥離方法には様々な方法を用いることができ
る。
例えば、第1の剥離層101と第1のバッファ層104がトランジスタ150の形成工程
中の加熱により、第1の剥離層101と第1のバッファ層104の界面に金属酸化膜が形
成されている。第1の剥離層101に達する溝を形成し(図示しない)、該溝をきっかけ
として金属酸化膜が脆弱化し、第1の剥離層101と第1のバッファ層104との界面で
剥離が生じる。
なお、第3の基板180に形成した第1の剥離層101と、第4の基板190に形成した
第2の剥離層161の平面方向での大きさは、異なっていても良い。例えば、第2の剥離
層161の大きさを第1の剥離層101よりも小さく形成しておくことで、第3の基板1
80と第4の基板190を貼り合わせ後に、第2の剥離層161に溝が形成しやすくなる
ので好適である。
剥離方法としては、機械的な力を加えること(人間の手や治具で引き剥がす処理や、ロー
ラーを回転させながら分離する処理等)を用いて行えばよい。また、溝に液体を滴下し、
第1の剥離層101及び第1のバッファ層104の界面に液体を浸透させて第1の剥離層
101から第1のバッファ層104を剥離してもよい。また、溝にNF、BrF、C
lF等のフッ化ガスを導入し、第1の剥離層101をフッ化ガスでエッチングし除去し
て、絶縁表面を有する第3の基板180から第1のバッファ層104を剥離する方法を用
いてもよい。
その他の剥離方法としては、第1の剥離層101をタングステンで形成した場合は、アン
モニア水と過酸化水素水の混合溶液により第1の剥離層101をエッチングしながら剥離
を行うことができる。
また第1の剥離層101として、窒素、酸素や水素等を含む膜(例えば、水素を含む非晶
質シリコン膜、水素含有合金膜、酸素含有合金膜など)を用い、第3の基板180として
透光性を有する基板を用いた場合には、第3の基板180から第1の剥離層101にレー
ザー光を照射して、剥離層内に含有する窒素、酸素や水素を気化させて、第3の基板18
0と第1の剥離層101との間で剥離する方法を用いることができる。
次に、第1のバッファ層104と、第1の基板100と、を第2の接着層102を用いて
接着する(図5(A)参照)。
なお、本明細書等において、基板上に形成された剥離層と、剥離層上に形成されたバッフ
ァ層の間で分離し、他の基板に接着することを剥離、転置と呼ぶ。
第1の基板100としては、可撓性及び可視光に対する透光性を有する基板を用いること
ができ、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(P
EN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチル
メタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエーテルスルフォン樹脂(P
ES)、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、などを好適に用いることができる。また、第1の基板100
には予め窒化シリコンや酸化窒化シリコン等の窒素と珪素を含む膜や窒化アルミニウム等
の窒素とアルミニウムを含む膜のような透水性の低い保護膜を成膜しておいても良い。な
お第1の基板100として繊維体に有機樹脂が含浸された構造物(所謂プリプレグとも言
う)を用いてもよい。
なお、本実施の形態で示す発光装置は、第2の基板160側の面から発光を取り出すトッ
プエミッション型の発光装置であるため、第1の基板100として非透光性の可撓性を有
する程度に薄くフィルム化した金属基板を用いてもよい。金属基板は光を取り出さない側
に設ける。金属基板を構成する材料としては特に限定はないが、アルミニウム、銅、ニッ
ケルやアルミニウム合金若しくはステンレスなどの金属の合金などを好適に用いることが
できる。
第1の基板100の材料中に繊維体が含まれている場合、繊維体は有機化合物または無機
化合物の高強度繊維を用いる。高強度繊維とは、具体的には引張弾性率またはヤング率の
高い繊維のことを言い、代表例としては、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系
繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、ポリパラフェニレンベ
ンゾビスオキサゾール繊維、ガラス繊維、または炭素繊維が挙げられる。ガラス繊維とし
ては、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Qガラス等を用いたガラス繊維が挙げられる。こ
れらは、織布または不織布の状態で用い、この繊維体に有機樹脂を含浸させ有機樹脂を硬
化させた構造物を第1の基板100として用いても良い。第1の基板100として繊維体
と有機樹脂からなる構造物を用いると、曲げや局所的押圧による破損に対する信頼性が向
上するため、好ましい構成である。
第2の接着層102としては、紫外線硬化型接着剤など光硬化型の接着剤、反応硬化型接
着剤、熱硬化型接着剤、または嫌気型接着剤など各種硬化型接着剤を用いることができる
。これらの接着剤の材質としてはエポキシ樹脂やアクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノ
ール樹脂などを用いることができる。
なお、第1の基板100としてプリプレグを用いた場合には、第2の接着層102を用い
ずに第1の基板100と第1のバッファ層104とを圧着して貼り合わせてもよい。
次に、第4の基板190に形成された第2の剥離層161と第2のバッファ層162の間
で剥離(分離)を行い、第3の接着層163を用いて第2の基板160と接着を行う(図
5(B)参照)。
剥離方法には上述した第3の基板180に形成された第1の剥離層101と第1のバッフ
ァ層104の間で剥離した方法と同様な手法により行うことができる。また、第2の基板
160、及び第3の接着層163は、それぞれ第1の基板100、及び第2の接着層10
2と同様な材料、及び手法により形成することができる。
以上の工程により、フレキシブル基板に形成された発光装置を作製することができる。
また、本実施の形態では、第3の基板180を剥離したのち、第4の基板190を剥離す
る方法を例示したが、本明細書中で開示する発明はこれに限らず、第4の基板190を剥
離したのち、第3の基板180を剥離してもよい。
また、本実施の形態では、剥離転置法を用いて、第1の基板100、及び第2の基板16
0にトランジスタ150、発光素子130、及びカラーフィルタ166等を転置する方法
を例示したが、本明細書中で開示する発明はこれに限らず、第1の基板100と第2の基
板160にトランジスタ150、発光素子130、及びカラーフィルタ166等を直接形
成してもよい。
また、本実施の形態では、発光装置の一つとして、アクティブマトリクス型の発光装置に
ついて例示したが、パッシブマトリクス型の発光装置に適用することも可能である。
以上のように、本実施の形態に示す発光装置は、上述した構造体を設けることにより、外
部から物理的な力が与えられた際に、発光素子が破壊されることを抑制した信頼性の高い
発光装置を提供することができる。
また、上述した構造体を設けることにより、フレキシブル化を行う手法の一つとして、本
実施の形態に示した剥離、転置を使用した場合においても、発光素子が破壊されることを
抑制し、発光素子をフレキシブル基板へ剥離、転置することが可能となる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
(実施の形態2)
本発明の発光装置に用いる構造体について、先の実施の形態1に示した構造体126と異
なる構成について、図6(A)乃至図6(D)を用いて説明する。
なお、先の実施の形態1で示した発光装置と同様の箇所には同様の符号を用い、その説明
は省略する。
図6(A)に示す発光装置は、隔壁124上に、第1の構造体202と第2の構造体20
4からなる構造体206を有している。
構造体206の形成方法としては、まず、有機絶縁材料からなる膜を形成し、その上に無
機絶縁材料からなる膜を形成する。その後、所望の領域にパターニングを行い、無機絶縁
材料からなる膜を加工したのち、該無機絶縁材料からなる膜をマスク(所謂ハードマスク
)として、有機絶縁材料からなる膜の加工を行う。有機絶縁材料からなる膜の加工は、ウ
ェットエッチング、ドライエッチングなどを用いることで形成することができる。なお、
有機絶縁材料からなる膜により形成した部分は、第1の構造体202となり、無機絶縁材
料からなる膜により形成した部分は、第2の構造体204となる。
第1の構造体202に使用できる材料としては、例えば、ネガ型やポジ型の感光性を有す
る樹脂材料、非感光性の樹脂材料などを用いることができる。また、第2の構造体204
に非透光性の材料を用いた場合には、第2の構造体204を遮光膜として用いて、第1の
構造体を露光などにより形成してもよい。
第2の構造体204に使用できる材料としては、たとえば、酸化シリコン、窒化シリコン
などの無機絶縁材料、または、チタン、アルミニウムなどの導電性の金属材料などを用い
ることができる。
構造体206は、その形状により、発光層120、及び第2の電極層122を分離してい
る。したがって、構造体206と第1の接着層170、及び構造体206と第2の電極層
122とが接触している構造となる。すなわち、構造体206は、発光層120を介さず
に第1の接着層170、および第2の電極層122と接する領域が設けられる。このよう
な構成とすることで、密着性を強くすることが可能であり、構造体206を各画素間に設
けることによって、発光素子130を保護した構造となっている。従って、外部から物理
的な力が与えられた際、構造体206に設けられた密着性の強い領域によって、発光素子
130が破壊されることを抑制することが可能となる。
次に、図6(B)に示す発光装置は、隔壁124上に構造体208を有している。
構造体208は、実施の形態1に示した構造体126と側面の形状が異なる。構造体20
8の側面の形状は基板に対して、略垂直な形状を有している。
構造体208の形成方法、及び使用できる材料としては、無機絶縁材料からなる膜を形成
し、所望の領域にパターニングを行い、無機絶縁材料からなる膜を加工することで形成す
ることができる。無機材料からなる膜としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンな
どの無機絶縁膜、または、チタン、アルミニウムなどの導電性の金属材料などを用いるこ
とができる。
構造体208は、その形状により、発光層120を分離している。なお、構造体208は
、発光層120のみを分離しており、第2の電極層122は分離してない。すなわち、構
造体208の側面において、第2の電極層122は隣接する画素と連続している。また、
構造体208の側面において、構造体208と第2の電極層122とが接触している構造
となる。このような構成とすることで、発光層120を介せずに接する領域が設けられる
ため、密着性を強くすることが可能であり、構造体208を各画素間に設けることによっ
て、発光素子130を保護した構造となっている。従って、外部から物理的な力が与えら
れた際、構造体208に設けられた密着性の強い領域によって、発光素子130が破壊さ
れることを抑制することが可能となる。
次に、図6(C)に示す発光装置は、隔壁124上に構造体210を有している。
構造体210は、球状(断面形状においては、円形状)を有しており、発光層120、及
び第2の電極層122を分離する機能と、第1の基板100と第2の基板160との間隔
(所謂セルギャップ)を調整するスペーサとしての機能も同時に有している。なお、実施
の形態1に示した構造体126、本実施の形態に示した構造体206、構造体208、及
び構造体214についても構造体210と同様にスペーサとしての機能を有していてもよ
い。
構造体210は、その形状により、発光層120、及び第2の電極層122を分離してい
る。したがって、構造体210と第1の接着層170、及び構造体210と第2の電極層
122とが接触している構造となる。すなわち、構造体210は、発光層120を介さず
に第1の接着層170、または第2の電極層122と接する領域が設けられる。このよう
な構成とすることで、密着性を強くすることが可能であり、構造体210を各画素間に設
けることによって、発光素子130を保護した構造となっている。従って、外部から物理
的な力が与えられた際、構造体210に設けられた密着性の強い領域によって、発光素子
130が破壊されることを抑制することが可能となる。
次に、図6(D)に示す発光装置は、先の実施の形態1に示した発光装置と異なり、隔壁
、及び構造体の形状が異なった構成について例示する。
図6(D)に示す発光装置は、第2の絶縁層116、及び第1の電極層118上に隔壁2
12、隔壁212上に構造体214を有する。
隔壁212、及び構造体214の形成方法、及び使用できる材料としては、酸化シリコン
を形成し、続けて窒化シリコン、チタン、またはアルミニウムを形成する。その後、所望
の領域にパターニングを行い、窒化シリコン、チタン、またはアルミニウムなどの加工を
行う。加工された窒化シリコン、チタン、またはアルミニウムなどをハードマスクとして
酸化シリコンを加工することで、隔壁212と、構造体214が形成される。このように
、隔壁212と構造体214を同時に形成することで、マスクを一枚削減できるため、製
造コストが安くなり好適である。
また、構造体214は、発光層120のみを分離しており、第2の電極層122は分離し
てない。すなわち、構造体214の側面において、第2の電極層122は隣接する画素と
連続している。また、構造体214の側面において、構造体214と第2の電極層122
とが接触している構造となる。このような構成とすることで、構造体214に発光層12
0を介せずに接する領域が設けられるため、密着性を強くすることが可能であり、構造体
214を各画素間に設けることによって、発光素子130を保護した構造となっている。
従って、外部から物理的な力が与えられた際、構造体214に設けられた密着性の強い領
域によって、発光素子130が破壊されることを抑制することが可能となる。
なお、実施の形態1に示した構造体126、本実施の形態に示した構造体206、構造体
208、構造体210、及び構造体214は、構造体に導電性の金属材料を使用すること
により、補助電極として機能することができる。
具体的には、第2の電極層122に用いることができる透光性を有する材料は、比較的抵
抗が高い。そのため、発光素子130の面積を大きくすると、第2の電極層122の抵抗
が高い場合には、抵抗に起因する電圧降下が大きく、画素間で輝度の勾配が発生してしま
う可能性がある。そのため、構造体を補助電極とすることで、画素間での輝度の勾配を低
減することもできる。ただし、補助電極として機能させる場合には、構造体の配置が重要
である。配置については、後の実施の形態3に詳細を記載する。
また、実施の形態1に示した構造体126、及び本実施の形態で示した構造体206、構
造体208、構造体210、構造体214は、使用する材料に乾燥剤を含む構成とすると
好適である。乾燥剤として使用できる材料としては、例えば酸化アルミニウム、ゼオライ
トなどを用いることができる。このような材料を用いることにより、発光素子130に進
入する水分等を構造体により吸収し、発光素子130の信頼性を向上させることができる
以上のように、本実施の形態に示す発光装置は、上述した構造体を設けることにより、外
部から物理的な力が与えられた際に、発光素子が破壊されることを抑制した信頼性の高い
発光装置を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、先の実施の形態1に示した構造体126、または実施の形態2
に示した構造体206、構造体208、構造体210、構造体214を使用した発光装置
の各画素の配置について、図7を用いて説明を行う。
図7(A)乃至図7(D)に示した発光装置は、画素の一部分の上面図である。ただし、
本実施の形態においては、構造体の各画素に対する位置について説明するため、本発明の
構成要素である一部(例えば、トランジスタ150、及び発光素子130など)を図面の
煩雑を避けるために省略している。
図7に示す発光装置は、複数のソース配線156が互いに平行(図中上下方向に延伸)か
つ互いに離間した状態で配置されており、複数のゲート配線154が互いに平行(図中左
右方向に延伸)かつ互いに離間した状態で配置されている。また、ソース配線156と、
ゲート配線154とによって、略長方形の領域が囲まれており、この領域が発光装置の一
つの画素となり、マトリクス状に複数配置されている。
図7(A)に示す発光装置では、複数のソース配線156と略重なって構造体240が形
成されている。すなわち、構造体240を各画素に対して所謂ストライプ状に配置されて
いる。
図7(B)に示す発光装置では、複数のソース配線156と、複数のゲート配線154の
交差した領域に構造体242が形成されている。すなわち、各画素の四隅に構造体242
が配置されている。なお、構造体242は、上面図において四角形の形状を有しているが
、これに限定されない。例えば、多角形、円、楕円、L字型、十字型など様々な形状をと
ることができる。特に、L字型、及び十字型は、複数のソース配線156と、複数のゲー
ト配線154の交差した領域に設ける場合には、構造体の面積を大きくすることができ、
構造体に接する層(第2の電極層、または第1の接着層)との接触面積が拡大し、密着性
が強くなるため好適である。
図7(C)に示す発光装置では、複数のソース配線156と、複数のゲート配線154と
略重なって構造体244が形成されている。すなわち、構造体244は、各画素の周囲を
囲むように設けられている。
また、構造体244が非透光性である材料により形成された場合には、図7(C)に示す
ような構成とすることで、構造体244は、発光素子からの発光を各画素で独立させるこ
とができ、隣接する画素への光漏れを防止することができ好適である。
図7(D)に示す発光装置は、図7(A)に示した構成の変形例であり、複数のソース配
線156と略重なって構造体246が形成されている。すなわち、構造体246を各画素
に対して所謂ストライプ上に配置されている。
なお、構造体246は、導電性の金属材料で形成されており、第2の電極層122は、構
造体246を介して別途形成された陰極共通配線層248と電気的に接続されている。こ
のように、構造体246を補助電極として用いることにより、各画素間での輝度の勾配を
低減することもできる。
以上のように、本実施の形態に示す発光装置は、構造体を画素間に設けることにより、外
部から物理的な力が与えられた際に、発光素子が破壊されることを抑制した信頼性の高い
発光装置を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
(実施の形態4)
本実施の形態においては、実施の形態1で示した第1の電極層118、発光層120、及
び第2の電極層122からなる発光素子130の詳細について、図8(A)、及び図8(
B)を用いて説明を行う。
〈発光素子の構成〉
図8(A)に示す発光素子130は、一対の電極(第1の電極層118、第2の電極層1
22)間に発光領域を含む発光層120が挟まれた構造を有する。なお、以下の本実施の
形態の説明においては、例として、第1の電極層118を陽極として用い、第2の電極層
122を陰極として用いるものとする。
また、発光層120は、少なくとも発光層を含んで形成されていればよく、発光層以外の
機能層を含む積層構造であっても良い。発光層以外の機能層としては、正孔注入性の高い
物質、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、バイポー
ラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等を含む層を用いることができる。具体
的には、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等の機能層を適宜組み合わせ
て用いることができる。
図8(A)に示す発光素子130は、第1の電極層118と第2の電極層122との間に
生じた電位差により電流が流れ、発光層120において正孔と電子とが再結合し、発光す
るものである。つまり発光層120に発光領域が形成されるような構成となっている。
本発明において、発光素子130からの発光は、第1の電極層118、または第2の電極
層122側から外部に取り出される。従って、第1の電極層118、または第2の電極層
122のいずれか一方は透光性を有する物質で成る。
なお、発光層120は、図8(B)のように第1の電極層118と第2の電極層122と
の間に複数積層されていても良い。n(nは2以上の自然数)層の積層構造を有する場合
には、m(mは自然数、mは1以上n−1以下)番目の発光層と、(m+1)番目の発光
層との間には、それぞれ電荷発生層120aを設けることが好ましい。
電荷発生層120aは、有機化合物と金属酸化物の複合材料、金属酸化物、有機化合物と
アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物との複合材料の他、これらを適
宜組み合わせて形成することができる。有機化合物と金属酸化物の複合材料としては、例
えば、有機化合物と酸化バナジウムや酸化モリブデンや酸化タングステン等の金属酸化物
を含む。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水
素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用い
ることができる。なお、有機化合物としては、正孔輸送性有機化合物として正孔移動度が
10−6cm/Vs以上であるものを適用することが好ましい。但し、電子よりも正孔
の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、電荷発生層12
0aに用いるこれらの材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、発光
素子130の低電流駆動、および低電圧駆動を実現することができる。
なお、電荷発生層120aは、有機化合物と金属酸化物の複合材料と他の材料とを組み合
わせて形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子供
与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わ
せて形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電膜
とを組み合わせて形成してもよい。
このような構成を有する発光素子130は、エネルギーの移動や消光などの問題が起こり
難く、材料の選択の幅が広がることで高い発光効率と長い寿命とを併せ持つ発光素子とす
ることが容易である。また、一方の発光層で燐光発光、他方で蛍光発光を得ることも容易
である。
なお、電荷発生層120aとは、第1の電極層118と第2の電極層122に電圧を印加
したときに、電荷発生層120aに接して形成される一方の発光層120に対して正孔を
注入する機能を有し、他方の発光層120に電子を注入する機能を有する。
図8(B)に示す発光素子130は、発光層120に用いる発光物質の種類を変えること
により様々な発光色を得ることができる。また、発光物質として発光色の異なる複数の発
光物質を用いることにより、ブロードなスペクトルの発光や白色発光を得ることもできる
図8(B)に示す発光素子130を用いて、白色発光を得る場合、複数の発光層の組み合
わせとしては、赤、青及び緑色の光を含んで白色に発光する構成であればよく、例えば、
青色の蛍光材料を発光物質として含む第1の発光層と、緑色と赤色の燐光材料を発光物質
として含む第2の発光層を有する構成が挙げられる。また、赤色の発光を示す第1の発光
層と、緑色の発光を示す第2の発光層と、青色の発光を示す第3の発光層とを有する構成
とすることもできる。または、補色の関係にある光を発する発光層を有する構成であって
も白色発光が得られる。発光層が2層積層された積層型素子において、第1の発光層から
得られる発光の発光色と第2の発光層から得られる発光の発光色を補色の関係にする場合
、補色の関係としては、青色と黄色、あるいは青緑色と赤色などが挙げられる。
なお、上述した積層型素子の構成において、積層される発光層の間に電荷発生層を配置す
ることにより、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での長寿命素子を実現することが
できる。また、電極材料の抵抗による電圧降下を小さくできるので、大面積での均一発光
が可能となる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、発光装置の一形態である表示装置(表示パネル、または発光パネルと
もいう)の外観及び断面について、図9を用いて説明する。図9(A)は、第1の基板上
に形成された発光素子駆動用トランジスタ、及び発光素子と、第2の基板上に形成された
遮光膜、カラーフィルタ、及びオーバーコートと、を封止したパネルの上面図であり、図
9(B)は、図9(A)の破線B1−B2における断面図に相当する。
図9(A)に示す発光装置は、第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号
線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、及び走査線駆動回路4504a、走
査線駆動回路4504bが設けられている。また画素部4502、信号線駆動回路450
3a、信号線駆動回路4503b、及び走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路45
04bの上に第2の基板4506が設けられている。
なお、第1の基板4501、及び第2の基板4506は、フレキシブル基板を用いて形成
されており、本実施の形態においては、先の実施の形態1に示した剥離、転置の手法を用
いて、形成している。
また、図9(B)に示す発光装置は、第1の基板4501上にトランジスタ4509、ト
ランジスタ4510、及びトランジスタ4511が設けられており、トランジスタ451
0、及びトランジスタ4511上には、発光素子4550が設けられている。
発光素子4550からの発光は、第2の基板4506側から射出される。すなわちトップ
エミッション構造の発光装置である。そのため、第2の基板4506は、透光性を持たせ
る必要があり、例えば、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまたはアクリ
ルフィルムのような材料を用いる。
なお、第2の基板4506上には、遮光膜4521、カラーフィルタ4522、及びオー
バーコート4523が設けられている。遮光膜4521、カラーフィルタ4522、及び
オーバーコート4523については、先の実施の形態1に示した第2の基板160上に形
成した手法と同様な手法により形成することができる。
また、画素部4502、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、及び走
査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504bは、第1の基板4501と第1の接
着層4505と第2の基板4506とによって、密封されている。このように外気に曝さ
れないように脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィル
ム等)やカバー材でパッケージング(封入)することにより、気密性が高く好ましい。
また、第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、
信号線駆動回路4503b、及び走査線駆動回路4504a、走査線駆動回路4504b
は、トランジスタを複数有しており、図9(B)では、画素部4502に含まれるトラン
ジスタ4510、トランジスタ4511と、信号線駆動回路4503aに含まれるトラン
ジスタ4509とを例示している。
トランジスタ4509乃至トランジスタ4511は、実施の形態1で示したトランジスタ
150と同様な手法により形成することができる。また、画素部4502においては、ト
ランジスタ4510、及びトランジスタ4511上に発光素子4550を有している。
発光素子4550は、第1の電極層4513、発光層4514、第2の電極層4515に
より構成されており、トランジスタ4510またはトランジスタ4511と電気的に接続
されている。また、発光素子4550は、先の実施の形態4に示した素子構成を適用する
ことができる。
また、発光素子4550は、隔壁4552、及び構造体4554により分離されている。
隔壁4552は、有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサンを用いて形成する。
特に感光性の材料を用い、第1の電極層4513上に隔壁4552を形成し、その側壁が
連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
また、構造体4554は、発光層4514を各画素間で分離するために設けられる。本実
施の形態においては、発光層4514の分離と合わせて、第2の電極層4515も分離し
た構造について例示したが、第2の電極層4515は分離しなくてもよい。ただし、構造
体4554は、第2の電極層4515、または第1の接着層4505と少なくとも一部分
が接する形状である。
このように、構造体4554は、発光層4514を介さずに、第2電極層4515、また
は第1の接着層4505と接する領域が設けられる。発光層4514を介さずに接する領
域は、密着性を強くすることが可能であり、各画素間に設けることによって、発光素子4
550を保護した構造となっている。従って、外部から物理的な力が与えられた際、構造
体4554に設けられた密着性の強い領域によって、発光素子4550が破壊されること
を抑制することが可能となる。
また、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、走査線駆動回路4504
a、走査線駆動回路4504b、または画素部4502に与えられる各種信号及び電位は
、FPC4518から供給されている。
本実施の形態においては、FPC4518は、第1の基板4501側に実装されている構
造について例示してある。第1の基板4501、及び第2の基板4506は、フレキシブ
ル基板により形成されている。また、実施の形態1に示した剥離、転置の手法を用いて、
フレキシブル化した構成の発光装置であるため、FPC4518の接続端子を第2の基板
4506側に露出するのが困難である。そのため、FPC4518が接続される領域に貫
通電極4556が形成されており、第1の基板4501側からFPC4518を接続する
方法が好適である。なお、FPC4518を接続する方法については、これに限定されず
、第2の基板4506側から接続する方法を用いても良い。
なお、貫通電極4556は、FPC4518が有する端子と、異方性導電膜4519を介
して電気的に接続されている。
また、必要であれば、第2の基板4506に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)
、位相差板(λ/4板、λ/2板)などの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光
板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し
、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
また、信号線駆動回路4503a、信号線駆動回路4503b、及び走査線駆動回路45
04a、走査線駆動回路4504bは、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結
晶半導体膜によって形成された駆動回路で実装されていてもよい。また、信号線駆動回路
のみ、或いは一部、又は走査線駆動回路のみ、或いは一部のみを別途形成して実装しても
良く、図9の構成に限定されない。
以上のように、本実施の形態に示す発光装置は、構造体を画素間に設けることにより、外
部から物理的な力が与えられた際に、発光素子が破壊されることを抑制した信頼性の高い
発光装置を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、先の実施の形態5で説明した発光装置を組み込んだ携帯電話につい
て、図10(A)及び、図10(B)を用いて説明する。
図10(A)は、携帯電話を正面から見た上面図を示し、図10(B)は携帯電話の斜視
図である。
図10(A)、及び図10(B)に示す携帯電話は、筐体400、筐体400に組み込ま
れた表示部404、及び操作ボタン402を有している。
また、表示部404は、先の実施の形態5で示した発光装置が組み込まれており、本実施
の形態においては、発光装置と別途形成したタッチパネルを組み合わせて表示部404と
している。したがって、表示部404上には、操作部406を有している。
なお、本実施の形態の携帯電話は、図10(B)に示すように、表示部404が、ある一
定の曲率半径を有して湾曲している。また、筐体400の上部の領域も表示部404とし
ているため、携帯電話を正面からのみではなく、上部からも表示部404を視認すること
ができる。
例えば、上部の表示部には、メールの有無、着信の有無、日時、電話番号、人名等が表示
できればよく、携帯電話を胸ポケット等に入れた状態においても、携帯電話を取り出すこ
となく、表示領域を確認することができる。
このように、本発明の発光装置は、フレキシブル基板に形成できるために、湾曲した媒体
に用いることが可能である。また、フレキシブル基板に形成した発光装置は、薄型軽量で
あるため携帯電話等への採用は好適である。
以上のように、本実施の形態に示す発光装置は、構造体を画素間に設けることにより、外
部から物理的な力が与えられた際に、発光素子が破壊されることを抑制した信頼性の高い
発光装置を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態1乃至5に示す発光装置を含む電子機器について説明する
実施の形態1乃至5に示した発光装置を有する電子機器の一例として、ビデオカメラ、デ
ジタルビデオカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音
響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯
情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録
媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc
(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが
挙げられる。これらの電子機器の具体例を図11に示す。
図11(A)はテレビ装置であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、ス
ピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。このテレビ装置は表示部910
3に実施の形態1乃至実施の形態5に示した発光装置を用いることによって作製される。
本発明の発光装置をテレビ装置の表示部9103に搭載することで、信頼性の高い表示部
を用いたテレビ装置を提供することができる。
図11(B)はコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キ
ーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス9206等を含む
。このコンピュータは、表示部9203に実施の形態1乃至実施の形態5に示した発光装
置を用いることによって作製される。本発明の発光装置をコンピュータの表示部9203
に搭載することで、信頼性の高い表示部を用いたコンピュータを提供することができる。
図11(C)は携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入
力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アン
テナ9408等を含む。この携帯電話は、表示部9403が実施の形態1乃至実施の形態
5に示した発光装置を用いることによって作製される。本発明の発光装置を携帯電話の表
示部9403に搭載することで、信頼性の高い表示部を用いた携帯電話を提供することが
できる。
図11(D)はデジタルビデオカメラであり、本体9501、表示部9502、筐体95
03、外部接続ポート9504、リモコン受信部9505、受像部9506、バッテリー
9507、音声入力部9508、操作キー9509、接眼部9510等を含む。このデジ
タルビデオカメラは、表示部9502に、実施の形態1乃至実施の形態5に示した発光装
置を用いることによって作製される。本発明の発光装置をデジタルビデオカメラの表示部
9502に搭載することで、信頼性の高い表示部を用いたデジタルビデオカメラを提供す
ることができる。
以上のように、実施の形態1乃至5に示した発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光
装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
100 基板
101 剥離層
102 接着層
104 バッファ層
106 ゲート電極層
108 ゲート絶縁層
110 半導体層
112a ソース電極層
112b ドレイン電極層
114 絶縁層
116 絶縁層
118 電極層
120 発光層
120a 電荷発生層
122 電極層
124 隔壁
126 構造体
130 発光素子
150 トランジスタ
152 トランジスタ
154 ゲート配線
156 ソース配線
160 基板
161 剥離層
162 バッファ層
163 接着層
164 遮光膜
166 カラーフィルタ
168 オーバーコート
170 接着層
180 基板
190 基板
202 構造体
204 構造体
206 構造体
208 構造体
210 構造体
212 隔壁
214 構造体
240 構造体
242 構造体
244 構造体
246 構造体
248 陰極共通配線層
400 筐体
402 操作ボタン
404 表示部
406 操作部
4501 基板
4502 画素部
4503a 信号線駆動回路
4503b 信号線駆動回路
4504a 走査線駆動回路
4504b 走査線駆動回路
4505 接着層
4506 基板
4509 トランジスタ
4510 トランジスタ
4511 トランジスタ
4513 電極層
4514 発光層
4515 電極層
4518 FPC
4519 異方性導電膜
4521 遮光膜
4522 カラーフィルタ
4523 オーバーコート
4550 発光素子
4552 隔壁
4554 構造体
4556 貫通電極
9101 筐体
9102 支持台
9103 表示部
9104 スピーカー部
9105 ビデオ入力端子
9201 本体
9202 筐体
9203 表示部
9204 キーボード
9205 外部接続ポート
9206 ポインティングデバイス
9401 本体
9402 筐体
9403 表示部
9404 音声入力部
9405 音声出力部
9406 操作キー
9407 外部接続ポート
9408 アンテナ
9501 本体
9502 表示部
9503 筐体
9504 外部接続ポート
9505 リモコン受信部
9506 受像部
9507 バッテリー
9508 音声入力部
9509 操作キー
9510 接眼部

Claims (1)

  1. 第1の可撓性を有する基板上のトランジスタと、
    前記トランジスタと電気的に接続する発光素子と、
    前記トランジスタ及び前記発光素子を間に挟んで、前記第1の可撓性を有する基板と対向する第2の可撓性を有する基板と、
    前記第1の可撓性を有する基板と前記第2の可撓性を有する基板との間の接着層と、を有し、
    前記発光素子は、第1の電極層と、前記第1の電極層上の発光層と、前記発光層上の第2の電極層とを有し、
    前記第1の電極層は、前記トランジスタと電気的に接続され、
    前記第1の電極層の端部と、隣の画素の第1の電極層の端部とは、有機絶縁材料からなる膜に覆われ、
    前記有機絶縁材料からなる膜は、第1の厚みを有する領域と、第2の厚みを有する領域と、を有し、
    前記第2の厚みを有する領域は、前記第1の厚みを有する領域よりも厚く、
    前記第1の厚みを有する領域は、前記発光層と接する領域を有し、
    前記第2の厚みを有する領域は、前記発光層と接する領域を有することを特徴とする電子機器。
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