JP6732076B2 - 発光装置の作製方法 - Google Patents

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本発明は、発光装置の作製方法に関する。
近年、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:EL)
を利用した発光素子の研究開発が盛んに行われている。これら発光素子の基本的な構成は
、一対の電極間に発光性の物質を含む層を挟んだものである。この素子に電圧を印加する
ことにより、発光性の物質からの発光が得られる。
上述の発光素子は自発光型であるため、これを用いた発光装置は、視認性に優れバック
ライトが不要であり、消費電力が少ない等の利点を有する。さらに、発光素子を用いた発
光装置は薄型軽量に作製でき、応答速度が高いなどの利点も有する。
また、上述の発光素子を有する発光装置としては、可撓性が図れることから、可撓性を
有する基板への採用が検討されている。
可撓性を有する基板を用いた発光装置の作製方法としては、例えば、ガラス基板や石英
基板といった基板上に薄膜トランジスタなどの半導体素子を作製した後、該半導体素子と
基板の間に有機樹脂を充填し、ガラス基板や石英基板から他の基板(例えば可撓性を有す
る基板)へと半導体素子を転置する技術が開発されている。半導体素子を可撓性を有する
基板へ転置したのちに、半導体素子と外部の電源とを電気的に接続するため、該有機樹脂
と基板に穴をあける工程が必要である。
例えば、有機樹脂の層間絶縁膜に貫通穴を形成する方法として、レーザアブレーション
法が考案されている(特許文献1)。
特開平07−80670号公報
上述した可撓性を有する基板を用いた発光装置において、発光装置を構成する半導体素
子と外部の電源および信号線に接続するための電極上に設けられる有機膜や基板などの層
に穴を開ける必要がある。しかしながら、例えばレーザアブレーション法等で有機膜や基
板に穴を開ける場合、穴の底や穴の周辺が熱による損傷を受ける恐れや、または、穴を所
望の深さまで開けることができない恐れがある。そこで、穴の底や穴の周辺が熱による損
傷を受けないで所望の深さまで有機膜に穴を開けて電極端子を露出させ、外部電源等と容
易に電気接続可能な発光装置の作製方法を提供することを課題の一とする。または、電極
端子を損傷することなく、有機膜等で覆われた電極端子を露出させる方法を提供すること
を課題の一とする。なお、ここでいう熱による損傷とは、焦げ付きや表面あれ等を含む。
本発明の一態様は、第1基板上に電極端子を形成する工程と、電極端子と電気的に接続
する第1電極層を形成する工程と、第1電極層の端部を覆う隔壁を形成する工程と、電極
端子及び第1電極層上に有機化合物を含む層を形成する工程と、有機化合物を含む層上に
第2電極層を形成する工程と、第2基板上に剥離層を形成する工程と、剥離層と第2電極
層とが対向するように、第1基板と第2基板を、接着層を介して接着する工程と、第2基
板を剥離し、当該剥離により露出した面上に有機層を形成する工程と、有機層の電極端子
と重なる部分を囲って切り込みを入れ、切り込みに囲まれた接着層及び有機層を剥離し、
電極端子を露出させる工程と、電極端子と電気的に接続する導電層を形成する工程と、を
有する、発光装置の作製方法である。
第1電極層だけでなく、外部電源と外部信号を入力する電極端子の領域にも、島状に有
機化合物を含む層を形成する。有機化合物を含む層と電極端子の界面は密着性が低い。そ
のため、電極端子上の有機化合物を含む層上に形成された接着層は、電極端子から容易に
剥離できる。その結果、有機層に切り込みをいれ、有機層を剥離することで電極端子を露
出させることができる。
本発明の一態様の発光装置の作製方法により、レーザアブレーション法、ドライエッチ
ング法、およびイオンビームスパッタリング法などを用いた場合よりも、短い時間で有機
層を取り除いて、電極端子を露出させることができる。また、電極端子に損傷を与えずに
有機層を除去することができる。
また、本発明の他の一態様は、第1基板上に第1剥離層を形成する工程と、第1剥離層
上に電極端子を形成する工程と、電極端子と電気的に接続する第1電極層を形成する工程
と、第1電極層の端部を覆う隔壁を形成する工程と、電極端子及び第1電極層上に有機化
合物を含む層を形成する工程と、有機化合物を含む層上に第2電極層を形成する工程と、
第2基板上に第2剥離層を形成する工程と、第2剥離層と第2電極層とが対向するように
、第1基板と第2基板を、接着層を介して接着する工程と、第2基板を剥離し、当該剥離
により露出した面上に第2有機層を形成し、第2有機層に接して第2の可撓性を有する基
板を設ける工程と、第1基板を剥離し、当該剥離により露出した面上に第1有機層を形成
し、第1有機層に接して第1の可撓性を有する基板を設ける工程と、第2の可撓性を有す
る基板及び第2有機層の電極端子と重なる部分を囲って切り込みを入れ、切り込みに囲ま
れた第2の可撓性を有する基板、接着層及び第2有機層を剥離し、電極端子を露出させる
工程と、電極端子と電気的に接続する導電層を形成する工程と、を有する、発光装置の作
製方法である。
第1電極層だけでなく、外部電源と外部信号を入力する電極端子の領域にも、島状に有
機化合物を含む層を形成する。有機化合物を含む層と電極端子の界面は密着性が低い。そ
のため、電極端子上の有機化合物を含む層上に形成された接着層は、電極端子から容易に
剥離できる。その結果、第2有機層に切り込みをいれ、第2有機層を剥離して、電極端子
を露出させることができる。
本発明の一態様の発光装置の作製方法により、レーザアブレーション法、ドライエッチ
ング法、およびイオンビームスパッタリング法などを用いた場合よりも、短い時間で第2
有機層を取り除いて、電極端子を露出させることができる。また、電極端子に損傷を与え
ずに第2有機層を除去することができる。
本発明の一態様の発光装置の作製方法により、可撓性を有する基板でフレキシブルな発
光装置を得ることができる。
さらに、第2電極層が透光性を有し、剥離層(又は第2剥離層)を形成する工程の後に
、剥離層(又は第2剥離層)上に着色層を形成する工程を有することが好ましい。
本発明の一態様の発光装置の作製方法により、第2有機層側から発光素子の発光を外部
に取り出すことができる。また、着色層を介して発光素子の呈する光を外部に取り出すこ
とができるので、所望の発光色を得ることが出来る。
本発明の一態様によれば、電極端子にダメージを与えることなく、電極端子を露出させ
る穴を有機樹脂等に開けることができる。その電極端子から電源と信号を入力できる可撓
性発光装置を提供することができる。
本発明の一態様の発光装置の断面図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する断面図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する断面図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する断面図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する断面図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する断面図。 本発明の一態様の発光装置の上面図および断面図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する断面図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する断面図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する断面図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する断面図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する断面図。 本発明の一態様の発光素子の断面図。 本発明の一態様の発光装置を用いた電子機器を説明する図。 本発明の一態様の発光装置を用いた電子機器を説明する図。 本発明の一態様の発光装置の断面図。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定
されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更
し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態
の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成におい
て、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い
、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本発明の一態様の発光装置の作製方法で作製できる発光装置901の断面図を図1(A
)に示す。当該発光装置901は、第1基板100a上に、電極端子157、第1電極層
118を有している。第1電極層118の端部は隔壁124で覆われ、絶縁されている。
有機化合物を含む層120は、第1電極層118および隔壁124の少なくとも上面に接
している。電極端子157上には有機化合物を含む層120が存在しない部分を有する。
第2電極層122は有機化合物を含む層120の少なくとも上面に接している。電極端子
157上には第2電極層122は存在しない。接着層170は、第2電極層122に接し
ている。電極端子157上には接着層170は存在しない。第2剥離層101bは、接着
層170の上面と接している。第2有機層700bは、第2剥離層101bの上面に接し
ている。電極端子157上には第2有機層700bは存在しない。導電層600は、電極
端子157と電気的に接続している。
なお、隔壁124で囲まれた、第1電極層118、有機化合物を含む層120、及び第
2電極層122を発光素子130と呼ぶことにする。
(基板)
第1基板100aとしては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板
、金属基板などを用いることができる。また、本実施の形態の処理温度に耐えうる耐熱性
を有するプラスチック基板を用いてもよい。
また、ガラス基板としては、後の加熱処理の温度が高い場合には、歪み点が730℃以
上のものを用いると良い。また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、
アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられてい
る。なお、酸化バリウム(BaO)を多く含ませることで、より実用的な耐熱ガラスが得
られる。他にも、結晶化ガラスなどを用いることができる。
(電極端子)
電極端子157は、電気伝導性を有する物質で形成することができる。例えば、金属、
半導体などで形成することができる。
(第1電極層)
第1電極層118としては、後に形成される有機化合物を含む層120が発する光を効
率よく反射する材料が好ましい。光の取り出し効率を向上できるためである。なお、第1
電極層118を積層構造としてもよい。例えば、有機化合物を含む層120に接する側に
金属酸化物による導電膜、またはチタン等を薄く形成し、他方に反射率の高い金属膜(ア
ルミニウム、アルミニウムを含む合金、または銀など)を用いることができる。このよう
な構成とすることで、有機化合物を含む層120と反射率の高い金属膜(アルミニウム、
アルミニウムを含む合金、または銀など)との間に形成される絶縁膜の生成を抑制するこ
とができるので好適である。
なお、本実施の形態においては、トップエミッション構造(上面射出構造)の発光装置
について例示するが、ボトムエミッション構造(下面射出構造)、及びデュアルエミッシ
ョン構造(両面射出構造)の発光装置とする場合においては、第1電極層118に透光性
の材料を用いればよい。
(隔壁)
隔壁124は、隣接する第1電極層118間の電気的ショートを防止するために設ける
。図面には第1電極層118を一つのみ記載しているが、発光装置において第1電極層1
18は複数設ける場合がある。また、後述する有機化合物を含む層120の形成時にメタ
ルマスクを用いる場合、発光素子間の有機化合物を含む層120は当該隔壁124上で分
断される。隔壁124は、有機樹脂、無機膜等で形成することができる。
(有機化合物を含む層)
有機化合物を含む層120の構成については、実施の形態3で説明する。
(第2電極層)
第2電極層122は、後述する有機化合物を含む層120に電子を注入できる仕事関数
の小さい電極が好ましい。仕事関数の小さい金属単層ではなく、仕事関数の小さいアルカ
リ金属、またはアルカリ土類金属を数nm形成した層を緩衝層として、その上にアルミニ
ウム等の金属、インジウム−スズ酸化物等の金属酸化物または半導体を形成した電極を用
いることが好ましい。緩衝層としては、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属の酸化物
、ハロゲン化物を用いることもできる。また、マグネシウム−銀等の合金を第2電極層1
22として用いることもできる。
また、第2電極層122を介して、発光素子の呈する光を取り出す場合には、第2電極
層122は、可視光に対し透光性を有することが好ましい。
(接着層)
接着層170は、第2電極層122に接している。第2剥離層101bと第1基板10
0aは、接着層170により固定されている。接着層170としては、光硬化型の接着剤
、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、または嫌気型接着剤を用いることができる。例え
ば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、イミド樹脂等を用いることができる。また、接着剤に
光の波長以下の大きさの乾燥剤(ゼオライト等)や、屈折率の大きいフィラー(酸化チタ
ンや、ジルコニウム等)を混合することにより、発光素子130の信頼性が向上、または
発光素子130からの光取り出し効率が向上するため好適である。
(剥離層)
第2剥離層101bはタングステン、モリブデン、チタン、タンタル、ニオブ、ニッケ
ル、コバルト、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジ
ウム、シリコンから選択された元素、又は前記元素を含む合金材料、又は前記元素を含む
化合物材料からなり、単層又は積層された層である。シリコンを含む層の結晶構造は、非
晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。また、酸化アルミニウム、酸化ガリウム
、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化インジウム、酸化インジウムスズ、酸化インジウム亜鉛
、およびIn−Ga−Zn系酸化物等の金属酸化物のいずれの場合でもよい。
また、第2剥離層101bは、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法
等により形成できる。なお、塗布法はスピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス
法を含む。
第2剥離層101bが単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、
又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化
物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又は
タングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。な
お、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金
に相当する。
また、第2剥離層101bとして、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含
む層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形
成される絶縁層を形成することで、タングステン層と絶縁層との界面に、タングステンの
酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。また、タングステンを含む層の表面
を、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行って
タングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。なお、第2剥離層101bと後に説明
する第1剥離層101aは、同じ材料で形成することができる。
(第2有機層)
第2有機層700bは、第2剥離層101bに接している。第2有機層700bは、有
機樹脂を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、イミド樹脂等を用
いることができる。
(導電層)
導電層600は、電極端子157と電気的に接続している。導電層600は、銀ペース
ト等の導電性ペースト、異方性導電体を含むフィルムもしくはペースト、または、スパッ
タリング法で形成した金属等を用いることができる。
<発光装置の作製方法>
図2に本発明の一態様の発光装置の作製方法を示す。当該断面図において、第2電極層
122までの作製方法を示す。以下に述べる各構成要素を構成する材料は、上記を参酌で
きるものとする。
まず、第1基板100a上に、電極端子157を形成する(図2(A))。電極端子1
57は、スパッタリング法等で形成すればよい。
次に、第1基板100a上に第1電極層118を形成する(図2(B))。第1電極層
118は、電極端子157と電気的に接続している。第1電極層118は、蒸着法、スパ
ッタリング法で導電膜を成膜後、フォトリソグラフィを用いて所望の形状に加工すること
により形成する。
次に、第1電極層118の端部を覆って隔壁124を形成する(図2(C))。隔壁1
24は、有機樹脂を塗布法で形成し、フォトリソグラフィを用いて所望の形状に加工する
ことにより形成する。
次に、有機化合物を含む層120を、電極端子157、第1電極層118、および隔壁
124に接するように形成する(図2(D))。有機化合物を含む層120と電極端子1
57の界面は密着性が低いので、電極端子157に接するように有機化合物を含む層12
0を形成すると、後の工程で有機化合物を含む層120を電極端子157から容易に剥離
することができる。これにより、電極端子157を露出させることができる。
次に、第2電極層122を有機化合物を含む層120に接するように形成する(図2(
E))。第2電極層122は、蒸着法、スパッタリング法等で形成することができる。
図3に、第2基板100bに第2剥離層101bを形成する工程、及び、第2有機層7
00bを形成する工程までを示す。
第2基板100bに接するように第2剥離層101bを形成する(図3(A))。第2
基板100bは、第1基板100aと同じ材料を用いることができる。第2剥離層101
bは、スパッタリング法、蒸着法等で形成することができる。
次に、第2基板100bに接する第2剥離層101bに接するように、接着層170を
塗布する。塗布した接着層170により、第2電極層122と第2剥離層101bを固定
する(図3(B))。接着層170により、発光素子130は保護されるため、信頼性の
高い発光装置を得ることが出来る。
次に、発光装置から第2基板100bを剥離する(図3(C))。剥離方法としては、
機械的な力を加えること(人間の手や治具で引き剥がす処理や、ローラーを回転させなが
ら分離する処理、超音波処理等)を用いて行えばよい。例えば、第2剥離層101bに鋭
利な刃物またはレーザ光照射で切り込みをいれ、その切り込みに水を注入する。毛細管現
象により水が第2剥離層101bと第2基板100bの間にしみこむことにより、第2基
板100bを発光装置から容易に剥離することができる。なお、レーザ光照射で切り込み
を入れる場合、第1基板100aまたは第2基板100bからレーザ光を照射しても良い
次に、第2剥離層101b上のごみを取り除き、第2剥離層101bの上に第2有機層
700bを形成する(図3(D))。
図4に電極端子157と重なる部分を囲むように第2有機層700b、第2剥離層10
1b、および接着層170に切り込みを入れる工程から導電層600の形成工程までを示
す。
電極端子157と重なる部分を囲むように第2有機層700b、第2剥離層101b、
および接着層170に切り込みを入れる(図4(A))。鋭利な刃物等を用いて切り込み
を入れればよい。
次に、電極端子157と重なる部分を囲むように切り込みを入れた第2有機層700b
の一部を、発光装置から引き剥がす方向に引っ張ればよい。例えば、粘着性のテープを貼
り付けるなどし、その後当該テープを発光装置から第2有機層700bを引きはがす方向
に引っ張ればよい。有機化合物を含む層120と電極端子157の界面は密着性が低いの
で、電極端子157を露出させることができる(図4(B))。以上により、第2有機層
700b、第2剥離層101b、接着層170、及び有機化合物を含む層120中に、電
極端子157に達する穴を形成することができる。なお、第2有機層700bを剥離した
後に、電極端子157上に有機化合物を含む層120の一部が付着する場合がある。なお
、電極端子157上に付着した有機化合物を含む層120により、後に形成する導電層6
00と電極端子157との密着性や電気的な接続に対して不具合が生じる場合がある。そ
の場合、第2有機層700bを剥離した後に、アセトンなどの有機溶媒等を用いて電極端
子157上に付着した有機化合物を含む層120を除去することが好ましい。
次に、上記で開口した穴を、導電層600により埋め込む(図4(C))。導電層60
0は、銀ペースト等で形成することが好ましい。導電層600を介して、外部電源と外部
信号を入力することが可能となる。または、導電層600として異方性導電性フィルム、
または異方性導電性ペーストを用い、FPC(Flexible Print Circ
uit)をその上層に配置した後、熱圧着によりFPCと電極端子157とを導電層60
0を介して電気的に接続してもよい。または、FPCに変えてICチップを直接実装する
方法を用いてもよい。
本発明の一態様の発光装置の作製方法により、所望の場所にレーザアブレーション法で
は穴を開けることが困難な樹脂等に穴を開けることができる。また、電極端子157にダ
メージを与えずに、開口が困難な樹脂等に穴を開けることができる。
<発光装置の作製方法の変形例1>
本発明の一態様の発光装置の作製方法で作製できる発光装置902の断面図を図1(B
)に示す。可撓性を有する基板501と第2有機層700bで構成されているため、当該
発光装置902は可撓性を有する。当該発光装置902の作製方法は、第1基板100a
と発光素子130の間に第1剥離層101aを形成する工程を、発光装置901の作製方
法に追加している点が異なる。
本変形例においては、第1基板100aにガラス基板を用いる場合に、第1基板100
aと第1剥離層101aの間に酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、
窒化酸化シリコン膜等の絶縁層を形成することにより、ガラス基板からのアルカリ金属の
汚染を防止できるので、より好ましい。
当該発光装置902は、可撓性を有する基板501の上面に接して、第1有機層700
aを有する。第1剥離層101aは、第1有機層700aの上面に接している。電極端子
157、第1電極層118は、第1剥離層101aの上に形成されている。第1電極層1
18の端部は隔壁124で覆われ、絶縁されている。有機化合物を含む層120は、電極
端子157、第1電極層118および隔壁124の少なくとも上面に接している。電極端
子157上の有機化合物を含む層120は、後述する接着層170等の開口時に除去され
る。第2電極層122は有機化合物を含む層120の少なくとも上面に接している。電極
端子157上の第2電極層122も、後述する接着層170等の開口時に除去される。接
着層170は、第2電極層122に接している。電極端子157上の接着層170も、後
述する接着層170等の開口時に除去される。第2剥離層101bは、接着層170の上
面と接している。電極端子157上の第2剥離層101bも、後述する接着層170等の
開口時に除去される。第2有機層700bは、第2剥離層101bの上面に接している。
電極端子157上の第2有機層700bも、後述する接着層170等の開口時に除去され
る。導電層600は、電極端子157と電気的に接続している。
図5に発光装置902の作製工程について、発光装置901の作製工程と異なる工程の
みを示す。それら以外の工程は実施の形態1を参酌することができる。
第1基板100aに接するように第1剥離層101aを形成する(図5(A))。第1
剥離層101aは、第2剥離層101bと同じ材料を使用することができる。
次に、電極端子157を第1剥離層101aに接するように形成する(図5(B))。
第1電極層118の形成から、第2有機層700bの形成まで、実施の形態1の図2(
B)から図2(E)と、図3を参酌することができる。発光装置の一方の面は、第2有機
層700bで形成されている(図5(C))。以下の工程ではもう一方の基板を発光装置
から剥離して可撓性を有する基板501に転載し、フレキシブルな発光装置とする。
発光装置から第1基板100aを剥離する(図5(D))。剥離方法としては、機械的
な力を加えること(人間の手や治具で引き剥がす処理や、ローラーを回転させながら分離
する処理、超音波処理等)を用いて行えばよい。たとえば、第1剥離層101aに鋭利な
刃物またはレーザ光照射で切り込みをいれ、その切り込みに水を注入する。毛細管現象に
より水が第1剥離層101aと第1基板100aの間にしみこむことにより、第1基板1
00aを発光装置から容易に剥離することができる。なお、レーザ光照射で切り込みを入
れる場合、第2基板100bまたは第1基板100aからレーザ光を照射しても良い。
次に、第1剥離層101a上の水を取り除き、第1剥離層101aに接するように第1
有機層700aを形成し、可撓性を有する基板501を張り合わせる。(図5(E))。
可撓性を有する基板501としては、可撓性及び可視光に対する透光性を有する基板を
用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレー
ト樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、などを好適に
用いることができる。また、可撓性を有する基板501は、熱膨張係数が30ppm/K
以下、さらに好ましくは10ppm/K以下がよい。また、可撓性を有する基板501に
は予め窒化シリコンや酸化窒化シリコン等の窒素と珪素を含む膜や窒化アルミニウム等の
窒素とアルミニウムを含む膜のような透水性の低い保護膜を成膜しておいても良い。なお
、可撓性を有する基板501として繊維体に有機樹脂が含浸された構造物(所謂、プリプ
レグとも言う)を用いてもよい。
図6に電極端子157と重なる部分を囲むように第2有機層700b、第2剥離層10
1b、および接着層170に切り込みを入れる工程から導電層600の形成までを示す。
電極端子157と重なる部分を囲むように第2有機層700b、第2剥離層101b、
および接着層170に切り込みを入れる(図6(A))。鋭利な刃物等を用いて切り込み
を入れればよい。
次に、電極端子157と重なる部分を囲むように切り込みを入れた第2有機層700b
の一部を、発光装置から引き剥がす方向に引っ張る。有機化合物を含む層と電極端子の界
面は密着性が低いので、電極端子157を露出させることができる。
次に、上記で開口した穴を、導電層600で埋め込みを行う(図6(B))。導電層6
00は、銀ペースト等で形成することが好ましい。導電層600を介して、外部電源と外
部信号を入力することが可能となる。または、導電層600として異方性導電性フィルム
、または異方性導電性ペーストを用い、FPC(Flexible Print Cir
cuit)をその上層に配置した後、熱圧着によりFPCと電極端子157とを導電層6
00を介して電気的に接続してもよい。または、FPCに変えてICチップを直接実装す
る方法を用いてもよい。
本発明の発光装置の作製方法により、電極端子157と重なる領域の開口が困難な樹脂
等に穴を開けることができる。電極端子157にダメージを与えずに、開口が困難な樹脂
等に穴を開けることができる。
また、可撓性を有する基板501と第2有機層700bで構成されているため、フレキシ
ブルな発光装置を得ることができる。
<発光装置の作製方法の変形例2>
本発明の一態様の発光装置の作製方法で作製できる発光装置903の断面図を図1(C
)に示す。当該発光装置903は、接着層170と第2剥離層101bの間に、着色層1
66を有している。その他の構成は発光装置901と同じであるので、上記の実施の形態
を参酌することができる。そのため、着色層166の作製方法についてのみ、以下、説明
する。
第2電極層122までの形成は、発光装置901の形成工程(図2(A)から図2(E
))を参酌することができる。
(着色層)
着色層166を、第2基板100bの第2剥離層101bの上に形成する。なお、図6
(C)では第2剥離層101b及び着色層166の位置を第2基板100bに対して下向
きに示す。着色層166は、カラーフィルタとも呼ばれ、特定の波長領域の光を透過する
有色層である。例えば、赤色の波長帯域の光を透過する赤色の着色層、緑色の波長帯域の
光を透過する緑色の着色層、青色の波長帯域の光を透過する青色の着色層などを用いるこ
とができる。各着色層は公知の材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォトリソグ
ラフィ技術を用いたエッチング法で形成すればよい(図6(C))。
第2基板100bに形成した着色層166は、接着層170を介して第2電極層122
と接着すればよい。その工程は実施の形態1を参酌することができる。
第2基板100bを発光装置から剥離し、第2有機層700bを形成する工程は、実施
の形態1を参酌することができる。
電極端子157を露出させる方法においても、実施の形態1を参酌することができる。
本発明の発光装置の作製方法により、電極端子157と重なる領域に穴を開けることが
できる。電極端子157にダメージを与えずに、樹脂等に穴を開けることができる。
当該発光装置の作製方法により、作製した発光装置は、着色層を介して発光素子の呈す
る光を外部に取り出すことができるので、所望の発光色を得ることが出来る。
<発光装置の作製方法の変形例3>
本発明の一態様の発光装置の作製方法で作製できる発光装置904の断面図を図1(D
)に示す。可撓性を有する基板501と第2有機層700bで構成されているため、当該
発光装置904は可撓性を有する。また、当該発光装置904は、接着層170と第2剥
離層101bの間に、着色層166を有する。その他の構成は発光装置903と同様であ
る。
第2基板100bに形成した着色層166は、接着層170を介して、第2電極層12
2と接着すればよい。その工程は実施の形態1を参酌することができる。
第2基板100bを発光装置から剥離し、第2有機層700bを形成する工程は、実施
の形態1を参酌することができる。
第1基板100aを発光装置から剥離し、第1有機層700aと可撓性を有する基板5
01を形成する工程は、実施の形態1を参酌することができる。
本発明の発光装置の作製方法により、電極端子157と重なる領域の開口が困難な樹脂
等に穴を開けることができる。電極端子157にダメージを与えずに、開口が困難な樹脂
等に穴を開けることができる。
また、可撓性を有する基板501と第2有機層700bで構成されているため、当該発
光装置の作製方法により、フレキシブルな発光装置を得ることができる。
また、当該発光装置の作製方法により、作製した発光装置は、着色層を介して発光素子
の呈する光を外部に取り出すことができるので、所望の発光色を得ることが出来る。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の発光装置の一態様について、発光装置の構成を図7(A)及
び図7(B)を用いて説明し、次に発光装置の作製方法を図8乃至図12を用いて説明を
行う。
<発光装置の構成>
図7(A)は、発光装置を示す上面図であり、図7(B)は図7(A)を鎖線A1−A
2で切断した断面図である。
図7(A)に示す発光装置は、可撓性を有する基板501上に設けられた画素部450
2、信号線回路部4503が設けられている。
各画素には、発光素子の駆動を制御するトランジスタ150を備える。また図7には信
号線回路部4503の一例としてトランジスタ152を示している。
図7(B)に示す発光装置は、接着層170により可撓性を有する基板501と可撓性
を有する基板502と、が貼り合わされた構造である。可撓性を有する基板501には、
トランジスタ150と、トランジスタ150上に形成された発光素子130と、各画素間
に形成された隔壁124と、電極端子157が形成されている。可撓性を有する基板50
2には、遮光膜164と、着色層166とが形成されている。
また、図7(B)に示す発光装置は、発光素子130からの光が着色層166を介して
可撓性を有する基板502側から射出される、所謂トップエミッション構造の発光装置で
ある。
可撓性を有する基板501は、可撓性を有する基板501上に設けられた第1有機層7
00aと、第1有機層700a上に設けられた第1のバッファ層104と、第1のバッフ
ァ層104上に設けられた発光素子の駆動を制御するトランジスタ150と、トランジス
タ150と電気的に接続された発光素子130と、発光素子130間に隔壁124と、を
有している。
トランジスタ150は、第1のバッファ層104上に形成されたゲート電極層106と
、ゲート電極層106上に形成されたゲート絶縁層108と、ゲート絶縁層108上に形
成された半導体層110と、半導体層110上に形成されたソース電極層112a及びド
レイン電極層112bと、を有している。また、トランジスタ150は、第1の絶縁層1
14と、第2の絶縁層116により覆われており、第2の絶縁層116の上には、第1電
極層118と、第1電極層118上に形成された有機化合物を含む層120と、有機化合
物を含む層120上に形成された第2電極層122と、を有している。
図7(B)に示すトランジスタ151やトランジスタ152は、トランジスタ150と
同様の構成である。ただし、トランジスタのサイズ(例えば、L長、及びW長)や、トラ
ンジスタの接続等は、各トランジスタで適宜調整することができる。
また、第1電極層118、有機化合物を含む層120、及び第2電極層122により発
光素子130が形成されている。また、発光素子130は、第1の絶縁層114、及び第
2の絶縁層116に設けられた開口を介してトランジスタ150と電気的に接続されてい
る。電極端子157は、第2の絶縁層116で覆われないようにする。電極端子157表
面に有機化合物を含む層120を形成するためである。
有機化合物を含む層120及び第2電極層122は、電極端子157の上面に接するよ
うに形成する。電極端子157と有機化合物を含む層120との界面で剥離し、接着層1
70をはがすためである。
また、発光素子130は、隔壁124により分離されて画素を形成している。
隔壁124については、第1電極層118や、第1の絶縁層114、及び第2の絶縁層
116に設けられた開口などの段差により、上面に形成される膜が途切れないために設け
られる。そのため、隔壁124は、その上面に形成される膜が途切れないように、順テー
パ形状を有していることが好ましい。なお、順テーパ形状とは、下地となる層に他の層が
なだらかな角度で厚みを増して接する構成を言う。
ここで、図7(B)に示した発光装置の作製方法について、図8から図12を用いて詳
細に説明を行う。
<発光装置の作製方法>
まず、第1基板100a上に第1剥離層101aを形成し、第1剥離層101a上に第
1のバッファ層104を形成する。第1のバッファ層104は、第1剥離層101aを大
気に曝すことなく連続して形成することが好適である。連続して形成することにより、第
1剥離層101aと第1のバッファ層104との間にゴミや、不純物の混入を防ぐことが
できる。
第1基板100aとしては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板
、金属基板などを用いることができる。詳細は、実施の形態1を参酌することができる。
第1剥離層101aは、タングステン、モリブデン、チタン、タンタル、ニオブ、ニッ
ケル、コバルト、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリ
ジウム、シリコンから選択された元素、又は前記元素を含む合金材料、又は前記元素を含
む化合物材料からなり、単層又は積層された層である。シリコンを含む層の結晶構造は、
非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。詳細は実施の形態1を参酌することが
できる。
次に、第1のバッファ層104を第1剥離層101a上に形成する。第1のバッファ層
104は、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、及び窒化酸化シリコン等を単層または多層
で形成するのが好ましい。
第1のバッファ層104は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等を
用いて形成することが可能であり、例えば、プラズマCVD法によって成膜温度を250
℃以上400℃以下として形成することで、緻密で非常に透水性の低い膜とすることがで
きる。なお、第1のバッファ層104の厚さは10nm以上3000nm以下、さらには
200nm以上1500nm以下が好ましい。
次に、第1のバッファ層104、絶縁層103上に導電膜を形成しフォトリソグラフィ法
によりゲート電極層106を形成する(図8(A)参照)。
ゲート電極層106の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、
アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらの元素を含む合金材
料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。
次に、ゲート電極層106上にゲート絶縁層108を形成する。ゲート絶縁層108は、
プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化
窒化シリコン、窒化酸化シリコン、または酸化アルミニウムを単層で又は積層して形成す
ることができる。例えば、成膜ガスとして、SiH、NOを用いてプラズマCVD法
により酸化窒化シリコン膜を形成すればよい。
次に、半導体層を形成しフォトリソグラフィ法により島状の半導体層110を形成する(
図8(A)参照)。
半導体層110の材料は、シリコン半導体や酸化物半導体を用いて形成することができる
。シリコン半導体としては、単結晶シリコンや多結晶シリコンなどがあり、酸化物半導体
としては、In−Ga−Zn系金属酸化物などを、適宜用いることができる。ただし、半
導体層110としては、In−Ga−Zn系金属酸化物である酸化物半導体を用いて、オ
フ電流の低い半導体層とすることで、後に形成される発光素子のオフ時のリーク電流が抑
制できるため、好ましい。本発明に適用できる酸化物半導体については、実施の形態4に
て説明する。
次に、ゲート絶縁層108、及び半導体層110上に導電膜を形成し、フォトリソグラフ
ィ法によりソース電極層112a及びドレイン電極層112bを形成する。
ソース電極層112a及びドレイン電極層112bに用いる導電膜としては、例えば、A
l、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した
元素を含む金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を
用いることができる。また、Al、Cuなどの金属膜の下側又は上側の一方または双方に
Ti、Mo、Wなどの高融点金属膜またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モ
リブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成としても良い。また、ソース電極層
112a及びドレイン電極層112bに用いる導電膜としては、導電性の金属酸化物で形
成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In等)、酸化スズ
(SnO等)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO、酸化インジウム酸化亜鉛(In
ZnO等)、またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いること
ができる。
次に、電極端子157を形成する。電極端子157は、導電膜で形成すればよい。ソース
電極層112a及びドレイン電極層112bと形成と同時に、電極端子157を形成して
もよい。
次に、半導体層110、ソース電極層112a及びドレイン電極層112b上に、第1の
絶縁層114を形成する(図8(B)参照)。第1の絶縁層114としては、酸化シリコ
ン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる
次に、第1の絶縁層114上に第2の絶縁層116を形成する。
第2の絶縁層116としては、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化機能
を有する絶縁膜を選択するのが好適である。例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂等の
有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材
料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させる
ことで、第2の絶縁層116を形成してもよい。
次に、フォトリソグラフィ法により、第1の絶縁層114、及び第2の絶縁層116に電
極端子157、及びドレイン電極層112bに達する開口を形成する。開口方法は、ドラ
イエッチング、ウェットエッチングなど適宜選択すれば良い。
次に、第2の絶縁層116、及びドレイン電極層112b上に導電膜を形成し、フォトリ
ソグラフィ工程により、第1電極層118を形成する。
第1電極層118としては、有機化合物を含む層120(後に形成される)が発する光を
効率よく反射する材料が好ましい。詳細は実施の形態1を参酌することができる。
次に、第1電極層118の上に隔壁124を形成する(図8(C)参照)。
隔壁124としては、有機絶縁材料、又は無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の
樹脂材料を用い、その側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成す
ることが好ましい。
有機化合物を含む層120を、電極端子157、第1電極層118および隔壁124に接
するように形成する。電極端子157に有機化合物を含む層120を形成する理由は、電
極端子157上の接着層170をはがしやすくするためである。有機化合物を含む層12
0および第2電極層122に用いることができる材料は、実施の形態1および2を参酌す
ることができる。
なお、本実施の形態においては、有機化合物を含む層120が発する光は、着色層166
を介して射出する構造について例示したが、これに限定されるものではない。有機化合物
を含む層120を各色(例えば、RGB)に塗り分けて、着色層166を用いない構成と
してもよい。ただし、有機化合物を含む層120を塗りわけを行うことにより、工程数の
増加、コストの増加など恐れがあるために、本実施の形態に示した白色発光を呈する有機
化合物を含む層120と着色層166による構成が好適である。
次に、有機化合物を含む層120上に第2電極層122を形成する(図8(D)参照)。
第2電極層122も、電極端子157上に形成してもよい。
第2電極層122としては、透光性の金属酸化物を用いて形成することができる。適用
できる材料については実施の形態1を参酌することができる。
なお、第1電極層118、または第2電極層122は、いずれか一方は発光素子130
の陽極として機能し、他方は発光素子130の陰極として機能する。陽極として機能する
電極には、仕事関数の大きな物質が好ましく、陰極として機能する電極には仕事関数の小
さな物質が好ましい。
また、第1電極層118、有機化合物を含む層120、及び第2電極層122により発
光素子130が形成される。
以上の工程により、第1基板100a上に、発光素子の駆動を制御するトランジスタ1
50、トランジスタ151、及び発光素子130が形成される。
次に、第2基板100b上に、遮光膜164、着色層166、及びオーバーコート層1
68の形成方法を以下に示す。
まず、第2基板100b上に第2剥離層101bを形成し、第2剥離層101b上に第
2のバッファ層162を形成する(図9(A)参照)。
第2剥離層101b、及び第2のバッファ層162は、先に記載した第1剥離層101
a、及び第1のバッファ層104と同様の材料、及び手法により形成することができる。
次に、第2のバッファ層162上に、パッシベーション層163と導電膜を形成し、フ
ォトリソグラフィ法を用いて導電膜を加工し、遮光膜164を形成する(図9(B)参照
)。
遮光膜164により、各画素間での混色を防止することができる。遮光膜164として
は、チタン、クロムなどの反射率の低い金属膜、または、黒色顔料や黒色染料が含浸され
た有機樹脂膜などを用いることができる。
次に、パッシベーション層163、及び遮光膜164の上に、着色層166を形成する
着色層166については、特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色
の波長帯域の光を透過する赤色(R)のカラーフィルタ、緑色の波長帯域の光を透過する
緑色(G)のカラーフィルタ、青色の波長帯域の光を透過する青色(B)のカラーフィル
タなどを用いることができる。各カラーフィルタは、公知の材料を用いて、印刷法、イン
クジェット法、フォトリソグラフィ法を用いたエッチング方法などでそれぞれ所望の位置
に形成する。
なお、ここでは、RGBの3色を用いた方法について説明したが、これに限定されず、
RGBY(黄色)等の4色を用いた構成、または、5色以上の構成としてもよい。
次に、遮光膜164、及び着色層166の上にオーバーコート層168を形成する(図
9(C)参照)。
オーバーコート層168は、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機樹脂膜により形成
することができる。オーバーコート層168により、着色層166に含有された不純物成
分等の有機化合物を含む層120側への拡散を防止することができる。また、オーバーコ
ート層168は、有機樹脂膜と無機絶縁膜との積層構造としてもよい。無機絶縁膜として
は、窒化シリコン、酸化シリコンなどを用いることができる。なお、オーバーコート層1
68は、設けない構成としてもよい。
また、後に接着層170を形成する場合において、接着層170に用いる樹脂を第2基
板100b上に塗布する場合、オーバーコート層168の材料として当該樹脂に対してぬ
れ性の高い材料を用いることが好ましい。特に、オーバーコート層168に用いる材料と
しては、透過率が高いこと、当該樹脂と接触したときに反応しないこと、また当該樹脂を
塗布する際に用いる溶媒に溶解しないこと、などが望まれる。例えば、オーバーコート層
168にITO膜などの酸化物導電膜や、透光性を有する程度に薄いAg膜などの金属膜
を用いることが好ましい。
以上の工程により、第2基板100b上に、第2剥離層101b、第2のバッファ層1
62、パッシベーション層163、遮光膜164、着色層166、及びオーバーコート層
168を形成することができる。なお、本実施の形態では、第2基板100b上に着色層
166を形成しているので、以下に示す第1基板100aとの貼り合わせ精度を、10p
pm以下さらに好ましくは、5ppm以下にすることができる。
次に、第1基板100aと第2基板100bとの位置合わせをして、接着層170を用
いて張り合わせを行う(図10(A)参照)。
接着層170に用いることができる材料は、実施の形態1を参酌することができる。
また、接着層170と第2電極層122の間に、透湿性の低い封止膜が形成されていて
もよい。透湿性の低い封止膜としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミ
ニウム等を用いることができる。
次に、第2基板100bに形成された第2剥離層101bと第2基板100bの間で剥
離(分離)を行う(図10(B)参照)。剥離方法には様々な方法を用いることができる
なお、第1基板100aに形成した第1剥離層101aと、第2基板100bに形成し
た第2剥離層101bの平面方向での大きさは、異なっていても良い。例えば、第2剥離
層101bの大きさを第1剥離層101aよりも小さく形成しておくことで、第1基板1
00aと第2基板100bを貼り合わせ後に、第2剥離層101bに溝が形成しやすくな
るので好適である。
剥離方法としては、機械的な力を加えること(人間の手や治具で引き剥がす処理や、ロ
ーラーを回転させながら分離する処理、超音波処理等)を用いて行えばよい。また、溝に
液体を滴下し、第2剥離層101b及び第2のバッファ層162の界面に液体を浸透させ
て第2剥離層101bから第2のバッファ層162を剥離してもよい。また、溝にNF
、BrF、ClF等のフッ化ガスを導入し、第2剥離層101bをフッ化ガスでエッ
チングし除去して、絶縁表面を有する第2基板100bから第2のバッファ層162を剥
離する方法を用いてもよい。
また例えば、第2剥離層101bとして酸化しやすい金属(例えばタングステン、モリ
ブデン、チタンなど)または当該金属を含む合金を、第2のバッファ層162に酸化物(
例えば酸化シリコンなど)をそれぞれ用い、第2のバッファ層162を形成した後に熱処
理を施すことにより、これらの界面に金属酸化物の層を形成する。当該金属酸化物の層で
第2剥離層101bと第2のバッファ層162とを剥離することができる。このとき、剥
離後の第2剥離層101bの表面、及び第2のバッファ層162の表面のいずれか一方、
または両方に当該金属酸化物の層が付着する場合がある。また、第2のバッファ層162
に第2剥離層101bの一部が付着する場合もある。ここで、当該金属酸化物の層を形成
する際、第2のバッファ層162を形成する前に第2剥離層101bの表面を熱酸化、プ
ラズマ酸化などの酸化処理を施して、第2剥離層101bの表面に金属酸化物の層を形成
してもよい。
このように、第2剥離層101bと第2のバッファ層162の間で剥離してもよい。そ
の場合には、第2剥離層101bが第2基板100bと共に剥離され、作製される発光装
置に第2剥離層101bが残存しない構成となる。
その他の剥離方法としては、第2剥離層101bをタングステンで形成した場合は、ア
ンモニア水と過酸化水素水の混合溶液により第2剥離層101bをエッチングしながら剥
離を行うことができる。
また第2剥離層101bとして、窒素、酸素や水素等を含む膜(例えば、水素を含む非
晶質シリコン膜、水素含有合金膜、酸素含有合金膜など)を用い、第2基板100bとし
て透光性を有する基板を用いた場合には、第2基板100bから第2剥離層101bにレ
ーザー光を照射して、剥離層内に含有する窒素、酸素や水素を気化させて、第2基板10
0bと第2剥離層101bとの間で剥離する方法を用いることができる。
次に、第2のバッファ層162に、可撓性を有する基板502を第2有機層700bを
用いて接着する(図11(A)参照)。
可撓性を有する基板502としては、可撓性及び可視光に対する透光性を有する基板を
用いることができる。また、可撓性を有する基板502に、タッチパネル機能を有する基
板を用いても良い。例えば、可撓性を有する基板502の一方の面に、透光性導電膜を形
成した基板を用いればよい。タッチパネルの検出方式は、種々方式を用いることができる
が、投影型静電容量方式が好ましい。可撓性を有する基板502にタッチパネルの機能を
持たせることにより、発光装置を薄くすることができる。
なお、本実施の形態で示す発光装置は可撓性を有する基板502側の面から発光を取り
出すトップエミッション型の発光装置であるため、第1基板100aとして非透光性を有
する程度に薄くフィルム化した金属基板を用いてもよい。金属基板は光を取り出さない側
に設ける。金属基板を構成する材料としては特に限定はないが、アルミニウム、銅、ニッ
ケルやアルミニウム合金若しくはステンレスなどの金属の合金などを好適に用いることが
できる。
可撓性を有する基板502の材料中に繊維体が含まれている場合、繊維体は有機化合物
または無機化合物の高強度繊維を用いる。高強度繊維とは、具体的には引張弾性率または
ヤング率の高い繊維のことを言い、代表例としては、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ
エステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、ポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ガラス繊維、または炭素繊維が挙げられる。ガラ
ス繊維としては、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Qガラス等を用いたガラス繊維が挙げ
られる。これらは、織布または不織布の状態で用い、この繊維体に有機樹脂を含浸させ有
機樹脂を硬化させた構造物を可撓性を有する基板502として用いても良い。可撓性を有
する基板502として繊維体と有機樹脂からなる構造物を用いると、曲げや局所的押圧に
よる破損に対する信頼性が向上するため、好ましい構成である。
第2有機層700bとしては、紫外線硬化型接着剤など光硬化型の接着剤、反応硬化型
接着剤、熱硬化型接着剤、または嫌気型接着剤など各種硬化型接着剤を用いることができ
る。これらの接着剤の材質としてはエポキシ樹脂やアクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェ
ノール樹脂などを用いることができる。
なお、可撓性を有する基板502としてプリプレグを用いた場合には、第2有機層70
0bを用いずに可撓性を有する基板502と第2のバッファ層162とを圧着して貼り合
わせてもよい。
次に、第1基板100aに形成された第1剥離層101aと第1基板100aの間で剥
離(分離)を行い、第1有機層700aを用いて可撓性を有する基板501の接着を行う
(図11(B)参照)。
剥離方法には上述した第2基板100bに形成された第2剥離層101bと第2のバッ
ファ層162の間で剥離した方法と同様な手法により行うことができる。また、可撓性を
有する基板501、及び第1有機層700aは、それぞれ可撓性を有する基板502、及
び第2有機層700bと同様な材料、及び手法により形成することができる。
なお上述のように、第1剥離層101aと第1のバッファ層104の間で剥離してもよ
い。その場合には、第1剥離層101aが第1基板100aと共に剥離され、作製される
発光装置に第1剥離層101aが残存しない構成となる。
また、上述のように第1剥離層101aとして酸化しやすい金属または合金を用いて、
これを酸化して得られる金属酸化物の層で剥離を行う場合には、第1の剥離層101aの
表面、及び第1のバッファ層104の表面のいずれか一方または両方に当該金属酸化物の
層が付着する場合がある。
可撓性を有する基板501側の面から発光を取り出すボトムエミッション型の発光装置
とした場合、可撓性を有する基板502にタッチパネル機能を有する基板を用いても良い
以上の工程により、可撓性を有する基板に形成された発光装置を作製することができる。
また、本実施の形態では、第2基板100bを剥離したのち、第1基板100aを剥離
する方法を例示したが、本明細書中で開示する発明はこれに限らず、第1基板100aを
剥離したのち、第2基板100bを剥離してもよい。
また、本実施の形態では、第1基板100a上に形成したトランジスタ150、発光素
子130から、第1基板100aを剥離し、可撓性を有する基板501に転置する方法を
例示した。しかし、本明細書中で開示する発明はこれに限らず、可撓性を有する基板50
1にトランジスタ150、発光素子130等を直接形成してもよい。
次に、電極端子157と重なる部分を囲むように可撓性を有する基板502側から、可
撓性を有する基板502と第2有機層700bに切り込みを入れる(図12(A))。
次に、電極端子157と重なる部分を囲むように切り込みを入れた第2有機層700b
の一部を、発光装置から引き剥がす方向に引っ張ればよい。有機化合物を含む層120と
電極端子157の界面は密着性が低いので、電極端子157を露出させることができる(
図12(B))。
次に、上記で開口した穴を、導電層600で埋め込みを行う。導電層600は、銀ペー
スト等で形成することが好ましい。導電層600はFPC4518を有する端子と、異方
性導電膜4519を介して電気的に接続され、外部電源と外部信号を、発光装置内のトラ
ンジスタ等に入力することが可能となる。または異方性導電膜4519を用いずに、導電
層600として異方性導電性フィルム、または異方性導電性ペーストを用い、FPC45
18をその上層に配置した後、熱圧着によりFPC4518と電極端子157とを導電層
600を介して電気的に接続してもよい。または、FPCに変えてICチップを直接実装
する方法を用いてもよい。
また、本実施の形態では、発光装置の一つとして、アクティブマトリクス型の発光装置
について例示したが、パッシブマトリクス型の発光装置に適用することも可能である。
以上のように、本実施の形態に示す発光装置は、電極端子157に接するように、有機
化合物を含む層120と第2電極層122を形成する。有機化合物を含む層120と電極
端子157の界面は密着性が低いので、電極端子157に重なる接着層170、第2有機
層、および可撓性を有する基板を引き剥がすことにより穴を形成することができる。
ここで上述のように、第1基板100aや第2基板100bの剥離の際に、剥離層とバ
ッファ層の間で剥離した場合には、図16に示すように作製される発光装置に剥離層が残
存しない構成となる。なお、図16は第1剥離層101aと第2剥離層101bのいずれ
も残存していない場合における、発光装置の断面概略図である。発光素子130からの発
光を取り出す側には、剥離層が存在しない構成とすることにより発光装置からの発光の取
り出し効率を向上させることができる。
なお、剥離層が発光装置に残存する構成とする場合には、発光素子130からの発光を
取り出す側に用いる剥離層として、透光性の材料を用いることが好ましい。また剥離層と
して金属膜、合金膜または半導体膜を用いる場合には、光を透過する程度に薄く形成する
ことが好ましい。
また、本発明の一態様の発光装置の作製方法は、大型の基板に複数の発光装置を同時に
作製する、いわゆる多面取りを行う場合に好適である。例えば、第1基板100aと第2
基板100bとに同じ大きさの大型基板を用いて、可撓性を有する基板上に複数の発光装
置を作製する。その後、それぞれの発光装置ごとに分断した後に、FPC4518と電気
的に接続する電極端子157を露出させることができる。
例えば従来の方法を用いて多面取りを行う場合では、分断は電極端子157を露出させ
るために、可撓性を有する基板502の分断位置を、可撓性を有する基板501の分断位
置と異ならせる必要があった。しかしこの方法では、可撓性を有する基板501と502
とは接着層170により接着されているため、電極端子157上の可撓性を有する基板5
02を除去することが困難であった。本発明の一態様の発光装置の作製方法によれば、可
撓性を有する基板501及び502を同じ位置で分断することができるため、歩留まりよ
く多数の発光装置を同時に作製することができ、生産性を高めることができる。
さらに、第1基板100aと第2基板100bとに同じ大きさの基板を用いることで、
異なる大きさの基板を準備する必要がないため、用いる基板の種類や作製装置(例えば成
膜装置など)を共通化することも可能となり、生産性を向上できる。さらに、これらの基
板に同じ大きさの基板を用いることで、それぞれの基板を剥離(分離)する際に、発光装
置を構成する膜に応力が集中してクラックなどが生じてしまう不具合を抑制できる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可
能である。
(実施の形態3)
<発光素子の構成>
図13(A)に示す発光素子130は、一対の電極(第1電極層118、第2電極層1
22)間に有機化合物を含む層120が挟まれた構造を有する。なお、以下の本実施の形
態の説明においては、例として、第1電極層118を陽極として用い、第2電極層122
を陰極として用いるものとする。
また、有機化合物を含む層120は、少なくとも発光層を含んで形成されていればよく
、発光層以外の機能層を含む積層構造であっても良い。発光層以外の機能層としては、正
孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い
物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等を含む層を用いること
ができる。具体的には、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等の機能層を
適宜組み合わせて用いることができる。
図13(A)に示す発光素子130は、第1電極層118と第2電極層122との間に
生じた電位差により電流が流れ、有機化合物を含む層120において正孔と電子とが再結
合し、発光するものである。つまり有機化合物を含む層120に発光領域が形成されるよ
うな構成となっている。
本発明において、発光素子130からの発光は、第1電極層118、または第2電極層
122側から外部に取り出される。従って、第1電極層118、または第2電極層122
のいずれか一方は透光性を有する物質で成る。
なお、有機化合物を含む層120は図13(B)のように第1電極層118と第2電極
層122との間に複数積層されていても良い。n(nは2以上の自然数)層の積層構造を
有する場合には、m(mは自然数、mは1以上n−1以下)番目の有機化合物を含む層1
20と、(m+1)番目の有機化合物を含む層120との間には、それぞれ電荷発生層1
20aを設けることが好ましい。
電荷発生層120aは、有機化合物と金属酸化物の複合材料、金属酸化物、有機化合物
とアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物との複合材料の他、これらを
適宜組み合わせて形成することができる。有機化合物と金属酸化物の複合材料としては、
例えば、有機化合物と酸化バナジウムや酸化モリブデンや酸化タングステン等の金属酸化
物を含む。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化
水素等の低分子化合物、または、それらの低分子化合物を基本骨格としたオリゴマー、デ
ンドリマー、ポリマー等など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物と
しては、正孔輸送性有機化合物として正孔移動度が10−6cm/Vs以上であるもの
を適用することが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら
以外のものを用いてもよい。なお、電荷発生層120aに用いるこれらの材料は、キャリ
ア注入性、キャリア輸送性に優れているため、発光素子130の低電流駆動、および低電
圧駆動を実現することができる。
なお、電荷発生層120aは、有機化合物と金属酸化物の複合材料と他の材料とを組み
合わせて形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子
供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合
わせて形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電
膜とを組み合わせて形成してもよい。
このような構成を有する発光素子130は、エネルギーの移動や消光などの問題が起こ
り難く、材料の選択の幅が広がることで高い発光効率と長い寿命とを併せ持つ発光素子と
することが容易である。また、一方の発光層で燐光発光、他方で蛍光発光を得ることも容
易である。
なお、電荷発生層120aとは、第1電極層118と第2電極層122に電圧を印加し
たときに、電荷発生層120aに接して形成される一方の有機化合物を含む層120に対
して正孔を注入する機能を有し、他方の有機化合物を含む層120に電子を注入する機能
を有する。
図13(B)に示す発光素子130は、有機化合物を含む層120に用いる発光物質の
種類を変えることにより様々な発光色を得ることができる。また、発光物質として発光色
の異なる複数の発光物質を用いることにより、ブロードなスペクトルの発光や白色発光を
得ることもできる。
図13(B)に示す発光素子130を用いて、白色発光を得る場合、複数の有機化合物
を含む層120の組み合わせとしては、赤、青及び緑色の光を含んで白色に発光する構成
であればよく、例えば、青色の蛍光材料を発光物質として含む第1の発光層と、緑色と赤
色の燐光材料を発光物質として含む第2の発光層を有する構成が挙げられる。また、赤色
の発光を示す第1の発光層と、緑色の発光を示す第2の発光層と、青色の発光を示す第3
の発光層とを有する構成とすることもできる。または、補色の関係にある光を発する発光
層を有する構成であっても白色発光が得られる。発光層が2層積層された積層型素子にお
いて、第1の発光層から得られる発光の発光色と第2の発光層から得られる発光の発光色
を補色の関係にする場合、補色の関係としては、青色と黄色、あるいは青緑色と赤色など
が挙げられる。
なお、上述した積層型素子の構成において、積層される発光層の間に電荷発生層を配置
することにより、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での長寿命素子を実現すること
ができる。また、電極材料の抵抗による電圧降下を小さくできるので、大面積での均一な
発光が可能となる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可
能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2における半導体層に用いることのできる酸化物半導体
について詳述する。
トランジスタの半導体層に用いる酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In
)または亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にIn及びZnを含むことが好ましい。
また、それらに加えて、酸素を強く結びつけるスタビライザーを有することが好ましい。
スタビライザーとしては、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、ハ
フニウム(Hf)及びアルミニウム(Al)の少なくともいずれかを有すればよい。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム
(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウ
ム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホ
ルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、
ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を有してもよい。
例えば、In−Sn−Ga−Zn系酸化物や、In−Ga−Zn系酸化物、In−Sn
−Zn系酸化物、In−Zr−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、Sn−Ga−
Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物や、In−Hf−
Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Z
n系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn
系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系
酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸
化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物や、In−Zn系酸化物、
Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、
In−Mg系酸化物や、In−Ga系酸化物、In系酸化物、Sn系酸化物、Zn系酸化
物などを用いることができる。
なお、ここで、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、In、Ga及びZnを主成分
として有する酸化物という意味であり、In、Ga及びZnの比率は問わない。
また、酸化物半導体として、InMO(ZnO)(m>0)で表記される材料を用
いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、Mn及びCoから選ばれた一の金属元素または複
数の金属元素を示す。また、酸化物半導体として、InSnO(ZnO)(n>0
)で表記される材料を用いてもよい。
例えば、In:Ga:Zn=3:1:2、In:Ga:Zn=1:1:1またはIn:
Ga:Zn=2:2:1の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化
物を用いることができる。または、In:Sn:Zn=1:1:1、In:Sn:Zn=
2:1:3またはIn:Sn:Zn=2:1:5の原子数比のIn−Sn−Zn系酸化物
やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
なお、例えば、In、Ga、Znの原子数比がIn:Ga:Zn=a:b:c(a+b
+c=1)である酸化物の組成が、原子数比がIn:Ga:Zn=A:B:C(A+B+
C=1)の酸化物の組成の近傍であるとは、a、b、cが、式(1)を満たすことをいう
(a―A)+(b―B)+(c―C)≦r (1)
rとしては、例えば、0.05とすればよい。他の酸化物でも同様である。
しかし、これらに限られず、必要とする半導体特性(電界効果移動度、しきい値電圧等
)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とする半導体特性を得るために
、キャリア濃度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度
等を適切なものとすることが好ましい。
また、酸化物半導体を半導体層に用いたトランジスタは、酸化物半導体を高純度化する
ことにより、オフ電流(ここでは、オフ状態のとき、例えばソース電位を基準としたとき
のゲート電位との電位差がしきい値電圧以下のときのドレイン電流とする)を十分に低く
することができる。例えば酸化物半導体の高純度化は、加熱成膜により水素や水酸基を酸
化物半導体中に含ませないようにし、または成膜後の加熱により膜中から除去することで
、実現できる。高純度化されることにより、チャネル領域にIn−Ga−Zn系酸化物を
用いたトランジスタで、チャネル幅あたりのオフ電流を1×10−24A/μm(1yA
/μm)から1×10−22A/μm(100yA/μm)程度とすることが可能である
半導体層に用いることのできる酸化物半導体膜は、例えば非単結晶を有してもよい。非
単結晶は、例えば、CAAC(C Axis Aligned Crystal)、多結
晶、微結晶、非晶質部を有する。非晶質部は、微結晶、CAACよりも欠陥準位密度が高
い。また、微結晶は、CAACよりも欠陥準位密度が高い。なお、CAACを有する酸化
物半導体を、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline
Oxide Semiconductor)と呼ぶ。
好ましくは、酸化物半導体膜は、CAAC−OS膜とする。CAAC−OSは、例えば
、c軸配向し、a軸または/およびb軸はマクロに揃っていない。
酸化物半導体膜は、例えば微結晶を有してもよい。なお、微結晶を有する酸化物半導体
を、微結晶酸化物半導体と呼ぶ。微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm
未満のサイズの微結晶(ナノ結晶ともいう。)を膜中に含む。
酸化物半導体膜は、例えば非晶質部を有してもよい。なお、非晶質部を有する酸化物半
導体を、非晶質酸化物半導体と呼ぶ。非晶質酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩
序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質酸化物半導体膜は、例えば、完全な非晶
質であり、結晶部を有さない。
なお、酸化物半導体膜が、CAAC−OS、微結晶酸化物半導体、非晶質酸化物半導体
の混合膜であってもよい。混合膜は、例えば、非晶質酸化物半導体の領域と、微結晶酸化
物半導体の領域と、CAAC−OSの領域と、を有する。また、混合膜は、例えば、非晶
質酸化物半導体の領域と、微結晶酸化物半導体の領域と、CAAC−OSの領域と、の積
層構造を有してもよい。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、単結晶を有してもよい。
酸化物半導体膜は、複数の結晶部を有し、当該結晶部のc軸が被形成面の法線ベクトル
または表面の法線ベクトルに平行な方向に揃っていることが好ましい。なお、異なる結晶
部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。そのような酸化物半導体
膜の一例としては、CAAC−OS膜がある。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大き
さであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission E
lectron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれ
る結晶部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には
粒界(グレインバウンダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜
は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、例えばc軸がCAAC−OS膜の被形成面の法
線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、かつab面に垂直な方向から
見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層
状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞ
れa軸及びb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場
合、80°以上100°以下、好ましくは85°以上95°以下の範囲も含まれることと
する。また、単に平行と記載する場合、−10°以上10°以下、好ましくは−5°以上
5°以下の範囲も含まれることとする。
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CA
AC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、被
形成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、C
AAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部の結
晶化が低下することもある。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベク
トルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向になるように揃うため、CAAC−OS膜の
形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くこ
とがある。また、結晶部は、成膜したとき、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を
行ったときに形成される。したがって、結晶部のc軸は、CAAC−OS膜が形成された
ときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向になるように揃う
また、CAAC−OSは、例えば、欠陥準位密度を低減することで形成することができ
る。酸化物半導体において、例えば、酸素欠損は欠陥準位である。酸素欠損は、トラップ
準位となることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。CA
AC−OSを形成するためには、例えば、酸化物半導体に酸素欠損を生じさせないことが
重要となる。従って、CAAC−OSは、欠陥準位密度の低い酸化物半導体である。また
は、CAAC−OSは、酸素欠損の少ない酸化物半導体である。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い(酸素欠損の少ない)ことを高純度真性または
実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体は
、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる場合がある。従っ
て、当該酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイ
ナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない場合がある。また
、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体は、欠陥準位密度が低いため
、トラップ準位密度も低くなる場合がある。従って、当該酸化物半導体をチャネル形成領
域に用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる
場合がある。なお、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要
する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準
位密度の高い酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、電気特性が不安
定となる場合がある。
高純度真性または実質的に高純度真性であるCAAC−OSを用いたトランジスタは、
可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信
頼性が高い。
スパッタリング法を用いてCAAC−OS膜を成膜する場合、成膜時の基板温度を高く
することが好ましい。例えば、基板加熱温度を100℃以上600℃以下、好ましくは2
00℃以上500℃以下、さらに好ましくは150℃以上450℃以下として酸化物膜を
成膜することによりCAAC−OS膜を成膜することができる。
また、スパッタリング法に用いる電源として、直流(DC)電源を用いることが好まし
い。なお、高周波(RF)電源、交流(AC)電源を用いることもできる。ただし、RF
電源は、大面積の基板へ成膜可能なスパッタリング装置への適用が困難である。また、以
下に示す観点からAC電源よりもDC電源が好ましいと考えられる。
スパッタリング用ターゲットとしてIn−Ga−Zn−O化合物ターゲットを用いる場
合、例えばInO粉末、GaO粉末、及びZnO粉末を2:2:1、8:4:3、
3:1:1、1:1:1、4:2:3、3:1:2、3:1:4、1:6:4、1:6:
9等のmol数比で混合して形成したIn−Ga−Zn−O化合物ターゲットを用いるこ
とが好ましい。x、y、及びzは任意の正の数である。なお、スパッタリング用ターゲッ
トは、多結晶であってもよい。
また、マグネトロンを用い、磁場によりスパッタリング用ターゲットの近傍のプラズマ
空間を高密度化してもよい。マグネトロンスパッタリング装置では、例えば、スパッタリ
ング用ターゲットの前方に磁場を形成するため、スパッタリング用ターゲットの後方に磁
石組立体が配置される。当該磁場は、スパッタリング用ターゲットのスパッタリング時に
おいて、電離した電子やスパッタリングにより生じた二次電子を捉える。このようにして
捕捉された電子は成膜室内の希ガス等の不活性ガスとの衝突確率を高め、その結果プラズ
マ密度が高まる。これにより、例えば被素子形成層の温度を著しく上昇させることなく、
成膜の速度を上げることができる。
スパッタリング法を用いてCAAC−OS膜を形成する場合、例えば、スパッタリング
装置の成膜室内に存在する不純物(水素、水、二酸化炭素、及び窒素など)を低減するこ
とが好ましい。また、成膜ガス中の不純物を低減することが好ましい。例えば、酸素ガス
やアルゴンガスの成膜ガスとして、露点が−40℃以下、好ましくは−80℃以下、より
好ましくは−100℃以下にまで高純度化したガスを用いることにより、CAAC−OS
膜に対する不純物の混入を抑制することができる。
スパッタリング法を用いてCAAC−OS膜を形成する場合、成膜ガス中の酸素割合を
高くし、電力を最適化して成膜時のプラズマダメージを抑制させることが好ましい。例え
ば、成膜ガス中の酸素割合を、30体積%以上、好ましくは100体積%にすることが好
ましい。
スパッタリング法を用いてCAAC−OS膜を成膜する場合、成膜時の基板加熱に加え
、加熱処理を行ってもよい。加熱処理により、例えば酸化物膜中の不純物濃度を低減させ
ることができる。
上記加熱処理は、例えば350℃以上基板の歪み点未満の温度、さらには、350℃以
上450℃以下で行ってもよい。なお、加熱処理を複数回行ってもよい。
上記加熱処理に用いられる加熱処理装置としては、GRTA(Gas Rapid T
hermal Annealing)装置又はLRTA(Lamp Rapid The
rmal Annealing)装置などのRTA(Rapid Thermal An
nealing)装置を用いてもよい。なお、これに限定されず、電気炉など、別の加熱
処理装置を用いてもよい。
上記工程に示すように、成膜中に、水素や水などを膜中に含ませないようにすることに
より、酸化物半導体膜に含まれる不純物濃度を低減する。また、酸化物半導体膜の成膜後
に、加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜に含まれる水素や水などを除去すること
によって、不純物濃度を低減してもよい。この後に、酸化物半導体膜に酸素を供給し、酸
素欠損を補填することにより、酸化物半導体膜を高純度化することができる。また、酸化
物半導体膜に酸素を添加してもよい。高純度化された酸化物半導体膜は、i型(真性半導
体)又はi型に限りなく近い。また、i型に限りなく近い酸化物半導体膜のキャリア密度
は、1×1017/cm未満、1×1015/cm未満、又は1×1013/cm
未満である。
以上がトランジスタの半導体層に用いる酸化物半導体についての説明である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置が適用された電子機器や照明装置の例に
ついて、図面を参照して説明する。
フレキシブルな形状を備える発光装置を適用した電子機器として、例えば、テレビジョ
ン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デ
ジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話
、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機
などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、照明や表示装置を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装または外装の
曲面に沿って組み込むことも可能である。
図14(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体740
1に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、
スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、発
光装置を表示部7402に用いることにより作製される。
図14(A)に示す携帯電話機7400は、表示部7402を指などで触れることで、
情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆ
る操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
また操作ボタン7403の操作により、電源のON、OFFや、表示部7402に表示
される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニ
ュー画面に切り替えることができる。
ここで、表示部7402には、本発明の一態様の発光装置が組み込まれている。したが
って、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯電話機とすることができる。
図14(B)は、リストバンド型の携帯表示装置の一例を示している。携帯表示装置7
100は、筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び送受信装置710
4を備える。
携帯表示装置7100は、送受信装置7104によって映像信号を受信可能で、受信し
た映像を表示部7102に表示することができる。また、音声信号を他の受信機器に送信
することもできる。
また、操作ボタン7103によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替
え、または音声のボリュームの調整などを行うことができる。
ここで、表示部7102には、本発明の一態様の発光装置が組み込まれている。したが
って、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯表示装置とすることができる。
図14(C)〜図14(E)は、照明装置の一例を示している。照明装置7200、照
明装置7210、照明装置7220はそれぞれ、操作スイッチ7203を備える台部72
01と、台部7201に支持される発光部を有する。
図14(C)に示す照明装置7200は、波状の発光面を有する発光部7202を備え
る。したがってデザイン性の高い照明装置となっている。
図14(D)に示す照明装置7210の備える発光部7212は、凸状に湾曲した2つ
の発光部が対称的に配置された構成となっている。したがって照明装置7210を中心に
全方位を照らすことができる。
図14(E)に示す照明装置7220は、凹状に湾曲した発光部7222を備える。し
たがって、発光部7222からの発光を、照明装置7220の前面に集光するため、特定
の範囲を明るく照らす場合に適している。
また、照明装置7200、照明装置7210及び照明装置7220の備える各々の発光
部はフレキシブル性を有しているため、当該発光部を可塑性の部材や可動なフレームなど
で固定し、用途に合わせて発光部の発光面を自在に湾曲可能な構成としてもよい。
ここで、発光部7202、7212、7222には、本発明の一態様の発光装置が組み
込まれている。したがって、湾曲した発光部を備え、且つ信頼性の高い照明装置とするこ
とができる。
図15(A)には、携帯型の表示装置の一例を示している。表示装置7300は、筐体
7301、表示部7302、操作ボタン7303、引き出し部材7304、制御部730
5を備える。
表示装置7300は、筒状の筐体7301内にロール状に巻かれたフレキシブルな表示
部7302を備える。
また、表示装置7300は制御部7305によって映像信号を受信可能で、受信した映
像を表示部7302に表示することができる。また、制御部7305にはバッテリをそな
える。また、制御部7305にコネクタを備え、映像信号や電力を直接供給する構成とし
てもよい。
また、操作ボタン7303によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替
え等を行うことができる。
図15(B)には、表示部7302を引き出し部材7304により引き出した状態を示
す。この状態で表示部7302に映像を表示することができる。また、筐体7301の表
面に配置された操作ボタン7303によって、片手で容易に操作することができる。
なお、表示部7302を引き出した際に表示部7302が湾曲しないよう、表示部73
02の端部に補強のためのフレームを設けていてもよい。
なお、この構成以外に、筐体にスピーカを設け、映像信号と共に受信した音声信号によ
って音声を出力する構成としてもよい。
表示部7302には、本発明の一態様の発光装置が組み込まれている。したがって、表
示部7302にはフレキシブルで且つ信頼性の高い発光装置が適用されるため、表示装置
7300は軽量で且つ信頼性の高い表示装置とすることができる。
なお、本発明の一態様の発光装置を具備していれば、上記で示した電子機器や照明装置
に特に限定されないことは言うまでもない。
本実施の形態は、本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施するこ
とができる。
100a 第1基板
100b 第2基板
101a 第1剥離層
101b 第2剥離層
103 絶縁層
104 バッファ層
106 ゲート電極層
108 ゲート絶縁層
110 半導体層
112a ソース電極層
112b ドレイン電極層
114 絶縁層
116 絶縁層
118 第1電極層
120 有機化合物を含む層
120a 電荷発生層
122 第2電極層
124 隔壁
130 発光素子
150 トランジスタ
151 トランジスタ
152 トランジスタ
162 バッファ層
163 パッシベーション層
164 遮光膜
168 オーバーコート層
157 電極端子
166 着色層
170 接着層
501 可撓性を有する基板
502 可撓性を有する基板
600 導電層
700a 第1有機層
700b 第2有機層
901 発光装置
902 発光装置
903 発光装置
904 発光装置
4502 画素部
4503 信号線回路部
4519 異方性導電膜
7100 携帯表示装置
7101 筐体
7102 表示部
7103 操作ボタン
7104 送受信装置
7200 照明装置
7201 台部
7202 発光部
7203 操作スイッチ
7210 照明装置
7212 発光部
7220 照明装置
7222 発光部
7300 表示装置
7301 筐体
7302 表示部
7303 操作ボタン
7304 引き出し部材
7305 制御部
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク

Claims (4)

  1. 基板上に第1の電極層及び電極端子を形成し、
    前記第1の電極層の端部を覆う隔壁を形成し、
    前記第1の電極層上、前記隔壁上、及び前記電極端子上に有機化合物を含む層を形成し、
    前記有機化合物を含む層を介して、前記第1の電極層と重なる領域及び前記電極端子と重なる領域を有する第2の電極層を形成し、
    前記第2の電極層上に樹脂層を形成し、
    前記樹脂層の一部、前記第2の電極層の一部、及び前記有機化合物を含む層の一部を除去することによって、前記電極端子の表面に達する開口を形成し、
    前記開口を介して、前記電極端子の表面と接する領域を有する導電層を形成する発光装置の作製方法。
  2. 第1の基板上に剥離層を形成し、
    前記剥離層上に第1の電極層及び電極端子を形成し、
    前記第1の電極層の端部を覆う隔壁を形成し、
    前記第1の電極層の上、前記隔壁の上、及び前記電極端子の上に有機化合物を含む層を形成し、
    前記有機化合物を含む層を介して、前記第1の電極層と重なる領域及び前記電極端子と重なる領域を有する第2の電極層を形成し、
    前記第2の電極層上に樹脂層を形成し、
    前記第1の基板を剥離して可撓性を有する第2の基板を張り合わせ、
    前記樹脂層の一部、前記第2の電極層の一部、及び前記有機化合物を含む層の一部を除去することによって、前記電極端子の表面に達する開口を形成し、
    前記開口を介して、前記電極端子の表面と接する領域を有する導電層を形成する発光装置の作製方法。
  3. 請求項2において、
    前記剥離層にレーザ光を照射することによって、前記第1の基板を剥離する発光装置の作製方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、
    前記樹脂層は、フィラーを有する発光装置の作製方法。
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