JP4887497B2 - 有機el装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機ELディスプレイ等の有機EL(Electroluminescent)装置に関するものである。
有機EL装置として、アノードをコモン電極とし、カソード電位を画素ごとに分離させ、発光時、カソード電極が画素ごとに異なる電位を供給するようにした形態の有機EL装置が従来より広く用いられている。
このような有機EL装置を製造する際、カソード電極を画素毎に分離して形成する方法として、断面形状が逆台形をなす隔壁を、各画素を囲うように配置する方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
図16に、従来の有機EL装置の構成を示す。図16に示すように従来の有機EL装置は、素子基板501上に形成された回路層502と、回路層502上に形成された平坦化膜503と、平坦化膜503上に形成されたアノード電極504と、アノード電極504上に形成された有機層505と、有機層505上に形成されたカソード電極506と、カソード電極506と回路層502とを電気的に接続するカソードコンタクト507と、層間絶縁膜508と、層間絶縁膜508上にネガレジスト(NR)により形成された隔壁509と、パネル全体を覆って設けられた封止膜510と、を備えて構成されている。
このような逆台形の構造を有する隔壁509がオーバーハング部509aを有することによって、カソード電極506となる材料をパネルの表面に蒸着した際に、成膜されたカソード電極をより確実に分離することができ、画素ごとに電気的に独立したカソード電極506を作製することができる。
特開平10−312886号公報
ところで、有機EL装置の有機層、カソード電極およびアノード電極は、水分や酸素の影響によりその機能が損なわれ易く、水分や酸素が浸入した場合には製品寿命の低下を招くこととなる。そこで、窒化シリコン(SiN)等の封止膜でパネル全体を覆うことで、外部からの水分や酸素の浸入を防ぐ手法が取られている。
封止膜510は通常、蒸着やスパッタ等により形成されるが、隔壁509のオーバーハング部509aでは、封止膜510の膜厚が薄くなり易く、この部分で封止膜509のカバレッジが低下する傾向にある。このように封止膜510の膜厚が薄くなった部分では、水分や酸素が浸入しやすく、有機EL装置のさらなる長寿命化を図る上で問題となっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、封止膜による封止状態が良好になし、長寿命化が図られた有機EL装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の有機EL装置は、隣接する第1、第2の画素領域を有する基板と、前記第1、第2の画素領域の境界部を跨ぐように前記基板上に形成され、且つ前記境界部に沿った溝部を有する下部電極と、前記下部電極上に形成され、且つ前記第1の画素領域側に配される第1の有機層と、前記下部電極上に形成され、且つ前記第2の画素領域側に配される第2の有機層と、前記第1、第2の有機層上に形成され、且つ前記溝部により分離される上部電極と、前記上部電極上に形成される封止膜と、前記第1の有機層の外周部と前記下部電極との間に介在される第1の層間絶縁膜と、前記第2の有機層の外周部と前記下部電極との間に介在される第2の層間絶縁膜と、を有し、前記第1
、第2の層間絶縁膜の前記境界部側の端部が、互いに間隔を空けた状態で前記溝部の上面まで延在されているとともに、前記第1の層間絶縁膜と前記第2の層間絶縁膜との間から露出した前記下部電極の上面に、前記溝部が設けられていることを特徴とする。

また本発明の有機EL装置は、前記基板に対向して配置される封止基板と、前記封止基板と前記基板とを接着するシール材と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、膜厚の薄い封止膜により、パネル全体をカバレッジ良く封止することにより、外部からの水分や酸素の浸入を良好に防ぐことができ、水分や酸素の影響を受けやすい有機層等を良好に水分や酸素から保護することができる。したがって、この発明によれば、封止膜による封止状態を良好になし、長寿命化が図られた有機EL装置を提供することができる。
以下に、本発明にかかる有機EL装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
図1は、本実施形態にかかる有機EL装置の平面図であり、図2は図1における線分A−A’の断面図、図3は図1における線分B−B’の断面図である。なお本実施形態の有機EL装置は、上面側(有機電界発光素子部側)から光を取り出すトップエミッション型構造を採用している。
図1に示すように、本実施形態にかかる有機EL装置は、略矩形状をなす複数の画素領域がマトリクス状に配列され、各画素領域には発光素子120が設けられている。発光素子120は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかを発光する機能を有し、有機EL装置をフルカラーのディスプレイパネルとして使用する場合には、R,G,Bそれぞれの発光素子120を所定の規則に従って配列する。また有機EL装置をモノカラーのディスプレイパネルとして使用する場合には、そのカラーの単色の発光素子を各画素領域に設ければよい。なお本発明では、これら複数の画素領域のうち、隣り合う任意の画素領域同士を第1、第2の画素領域と称する。
図2、3に示すように本発明の有機EL装置は、基板100と、基板100上に形成された発光素子120と、発光素子120を被覆する封止膜110とから主に構成されている。
基板100は、素子基板101と、素子基板101上に形成された回路層102と、回路層102上に形成された平坦化膜103とから構成されるものである。素子基板101は、たとえばプラスチックやガラスを用いることができるが、本実施形態にかかる有機EL装置はトップエミッション型の有機EL表示装置であるため、透光性を有しない素子基板を採用することもできる。素子基板101上に形成される回路層102は、発光素子120の駆動制御等を行うためのトランジスタやコンデンサ等の各種回路素子(図示せず)から構成されている。そして、回路層102上の平坦化を行うために回路層102を覆う平坦化膜103が形成され、該平坦化膜103の上に発光素子120が形成されることとなる。
基板100上に形成される発光素子120は、下部電極104と、下部電極104上に形成される有機層105と、有機層105上に形成される上部電極106とから構成されるものである。
この有機EL装置では、下部電極104がコモン電極となっており、隣接する画素領域の下部電極同士は電気的に接続されている。下部電極104は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金等を用いて、従来周知のフォトリソグラフィー法等により所定のパターンに形成される。なお、本実施形態においては、下部電極104が陽極(アノード)として機能している。
図5は下部電極104の概略的なパターン形状を説明するための平面図である。同図に示すように、下部電極104は、コンタクトホール107の周囲(図の白抜き部分)等、一部を除いて基板100の上面に略全面的に形成されている。したがって、下部電極104は画素領域間の境界を跨ぐパターン形状となっている。また、下部電極4には画素領域間の境界部に沿って、溝部104aが形成されている。この溝部104aは後述する上部電極106を画素ごとに分離するためのものであり、例えば、エッチングにより所定の深さに形成される。
なお下部電極106は、単層の金属でもよいが、エッチングにより溝部104aを形成する場合には、エッチングレートの異なる金属層を積層させた多層構造とし、エッチングレートの大きい金属層が上側に配置されるように形成することが好ましい。これにより、エッチングによる溝部104aの形成を効率よく行うことができる。
下部電極104上に形成される有機層105は、有機系材料を発光体として用いた発光層を含んで構成され、単層構造もしくは多層構造のいずれも採用することができる。例えば、有機層105が発光層のみからなる単層構造では、発光層が正孔輸送特性と電子輸送特性とを兼ね備えた材料からなり、その材料中に発光材料をドープする方法や、発光材料自体に電化輸送特性が付与された材料を用いる方法等を採用することができる。このような単層構造は、素子形成プロセスを簡略化できることから、有機EL装置の生産性を向上させることができる。一方、有機層105の構造として多層構造を採用する場合、発光層に加え、正孔輸送層、正孔注入層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、電子阻止層等を任意に選択して設けることができる。
また下部電極104上には層間絶縁膜108が設けられている。図6は層間絶縁膜108の概略的なパターン形状を示す平面図であり、図中、網掛け部分が層間絶縁膜108が形成されている領域である。同図に示すように層間絶縁膜108は、発光素子120の形成領域、上部電極106とコンタクトホール107との接続部分、および画素領域間の境界を除く部分に全面的に形成されている。層間絶縁膜108は、その一部が有機層105の下面外縁部に潜り込むような形で下部電極104と有機層105との間に介在されている。このように層間絶縁膜108を形成することによって下部電極104と上部電極106との短絡を防止することができる。また本発明において特徴的なことは画素領域間の境界部には層間絶縁膜108が形成されていないことである。従来のように隔壁を設ける構造においては、通常、画素領域間の境界部を跨ぐようにして層間絶縁膜が形成され、この境界部を跨ぐ層間絶縁膜上に隔壁を形成することとなる。これに対し、本発明の有機EL装置では、隔壁を設けず下部電極104の境界に沿った部分に溝部104aを形成するため、画素領域間の境界部には層間絶縁膜108が形成されていない。
層間絶縁膜108の材料としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO、SiO、SiON等)、シリコン窒化膜(Si、SiNx等)等の無機材料、アクリル樹脂、ノボラック樹脂、シリコン樹脂等の有機材料を用いることができる。
一方、有機層105上に形成される上部電極106は、陰極(カソード)として機能するものである。本実施形態では、トップエミッション型の有機EL装置を採用しているため、上部電極106は光を透過する電極材料を使用する。光透過性の電極材料としては、ITO(酸化インジウム錫)等の透明金属材料が使用できる。また、本来透明ではないCaやMg、Ag等の金属材料であっても極めて薄く被着させることにより、光を透過させることができるためこれらの材料を使用してもよい。
この上部電極106は、画素領域ごとに独立して設けられており、隣接する画素領域、すなわち第1の画素領域と第2の画素領域の上部電極は互いに絶縁されている。これを図4を参照しながら詳しく説明する。図4は図3におけるZ部分の拡大図である。同図に示すように、第1、第2の画素領域の境界部を跨ぐように形成された下部電極104には、境界部に沿った溝部104aが設けられており、第1の層間絶縁膜108aの端部と第2の層間絶縁膜108bの端部が、互いに間隔を空けた状態で溝部104aの開口面まで延在されている。換言すれば、溝部104aの外縁部が第1、第2の層間絶縁膜108a、108bの端部の下に回り込むようして溝部104aが形成されている。このように溝部104aの外縁部が層間絶縁膜の端部の下に回り込むことによって、層間絶縁膜108の端部の下面と溝部104aの底面との間に隙間ができる。一般的に、上部電極106は金属材料を蒸着等により堆積させることによって形成されるが、金属材料を堆積させた際、層間絶縁膜108の端部の下面と溝部104aの底面との間に形成された隙間により、金属膜が途切れるため、第1、第2の層間絶縁膜上に形成された上部電極106を分離することができる。
上部電極106の分離しやすさは、層間絶縁膜108の端部の先端部下面と溝部104aの底面との間の距離Lに大きく影響される。すなわち距離Lが長いほど上部電極106が途切れやすくなり、上部電極106を確実に分離することができるようになる。図4に示すように、上部電極106を形成する際に、溝部104aの底面における第1、第2の層間絶縁膜の間に設けた間隔に対応する部分にも金属膜106aが同時に形成されることになる。このため、距離Lが短すぎると上部電極106が金属膜106aと繋がりやすくなり、隣接する画素領域間の上部電極106が短絡する危険性が高くなる。したがって、距離Lは十分に長くしておくことが好ましく、具体的には、上部電極106の厚みTに対し距離Lが、L≧2Tの関係にあることが好ましい。距離Lがこの関係を満たすことにより、上部電極106が金属膜106aと繋がるのを防止して、より確実に上部電極106の分離を行うことができる。
上部電極106は、図2に示すように、各画素領域に設けたコンタクトホール107を通じて回路層102と電気的に接続されている。コンタクトホール107は、平坦化膜103を厚み方向に貫く貫通孔の内面に導体を被着させることにより形成されている。また、コンタクトホール107の内部には導体を被覆するようにして絶縁部材109が設けられている。絶縁部材109はコンタクトホール107の導体を被覆することにより導体の腐食等を防止している。この絶縁部材109は、先に述べた層間絶縁膜108と同じ材料を用いて層間絶縁膜108と同一工程で作製することができる。
また上部電極106の上には封止膜110が設けられている。封止膜110は、少なくとも上部電極106を被覆し、発光素子120を水分や外気から保護している。この封止膜110は、例えば、シリコン酸化膜(SiN,SiO,SiON等)、シリコン窒化膜(Si、SiNx等)等の無機材料からなり、従来周知の蒸着、スパッタ、CVD等により形成される。
本発明の有機EL装置では、下部電極104に設けた溝部104aにより上部電極106を分離させていることから、従来の有機EL装置のように、基板100の上面側に大きく突出する隔壁を設ける必要がない。これにより、隔壁のオーバーハング部に見られたような封止膜110の厚みが薄くなり易い部分が少なくなり、パネル全体をカバレッジ良く封止することができる。これにより水分や酸素の浸入を有効に防止して、有機層105や上部電極106など、水分や酸素の影響を受けやすい部材を良好に水分や酸素から保護することができる。その結果、有機EL装置のさらなる長寿命化を達成することができる。
上述の有機EL装置は、図7に示すように、構成部材としてさらに基板100に対向して配置される封止基板111と、封止基板111と基板100とを接着するシール材112とを有している。シール材112は、全ての画素領域を取り囲むように基板100の外周に沿って環状に形成されており、基板100、封止基板111、およびシール材112で囲まれた空間に発光素子120が封止されることになる。封止基板111は、例えば、プラスチックやガラス等の透光性の基板により形成される。また、シール材112は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂等を用いて形成される。
ここで有機EL装置の信頼性に大きく影響する水分は、パネル周辺に設けたシール材112から主に侵入する。水分の透過率はシール部材112の断面積に比例して大きくなるので、シール材112の厚みが厚くなると侵入する水分の量も増加することとなる。従来の有機EL装置では、隔壁を設けているためその分、シール材を高くしなければならず、水分が浸入しやすい構造となる。これに対し本発明の有機EL装置によれば、隔壁を設ける必要がないため、シール材112の高さHを低くするすることができ、シール材112から進入する水分の量を少なくすることができる。これにより有機EL装置をより高寿命化することができる。
つぎに上記のような本実施の形態にかかる有機EL装置の製造方法について図8〜図14を参照ながら説明する。なお、以下の説明図は図1の線分B−B’の断面に対応するものである。
まず図8に示すように、素子基板101、回路層102、平坦化膜103からなる基板100を準備する。平坦化膜103にコンタクトホール107となる貫通孔を形成した後、平坦化膜103上にAl,Al合金、Ag,Ag合金,Mo等の金属材料からなる導電性膜を形成し、従来周知のフォトリソグラフィー等の方法でパターニングを施すことにより、所定形状の下部電極104を形成する。下部電極104を平面視したときの形状は図5に示す通りであり、コンタクトホール107の周囲を除く領域に略全面的に形成される。
ついで図9に示すように、下部電極104上にSi,SiNx,SiN,SiO,SiO,SiNO等の無機材料あるいはアクリル樹脂、ノボラック樹脂、シリコン樹脂等の有機材料からなる絶縁膜を形成し、従来周知のフォトリソグラフィー等の方法で、所定の形状にパターニングすることにより、層間絶縁膜108を形成する。層間絶縁膜108を平面視したときの形状は図6に示す通りであり、発光素子120を形成する領域、上部電極106とコンタクトホール107との接続部分、および画素領域間の境界部を除く領域に形成される。したがって、画素領域間の境界部上には層間絶縁膜108の形成されない開口部108aが存在することになる。このように層間絶縁膜108に開口部108aを設けることにより、下部電極104にエッチングを施して溝部104aを形成することが可能となる。また、層間絶縁膜108の開口部108aをエッチングのパターンニングとして使用することにより、溝部104aを精度良く形成することができる。
つづいて図10に示すように、所定の形状にレジスト膜201を形成する。このレジスト膜201は、下部電極104にエッチングにより溝部104aを形成する際、発光素子120の形成領域がエッチングされないように保護するためのものあり、少なくとも下部電極104の発光素子120の形成領域となる部分を覆うように形成される。また、本実施形態では下部電極104に溝部104aを形成する際、層間絶縁膜108をマスクとして使用するため、層間絶縁膜108の開口部108aが露出するようにレジスト膜201を形成することが重要である。この状態で下部電極104の露出部をエッチングすることにより、画素領域間の境界部に沿って溝部104aが形成される。エッチングは、例えば、燐酸、硝酸、酢酸等の混合液に10〜30分程度浸すことにより行われる。このとき、下部電極104に対する層間絶縁膜108の選択比[選択比=(下部電極のエッチング速度)/(層間絶縁膜のエッチング速度)]を1より大きくしておけば、下部電極104のエッチング量が層間絶縁膜108のエッチング量より多くなり、溝部104aの外周縁が層間絶縁膜108の下面に回り込む形状となすことができる。したがって、下部電極104に対する層間絶縁膜108の選択比は1より大きくしておくことが好ましい。このようにして、最深部の深さ(図4の‘a’)が150nm〜0.5μm、最長部の幅(図4の‘b’)が0.1μm〜0.8μm程度の溝部104aが形成される。なお、下部電極104のエッチングは、上述のようなウェットエッチングの他にドライエッチングを採用することもできる。
レジスト膜201を除去した後、図11に示すように、発光素子120となる部分に対応した複数の開口を有するシャドウマスク202を基板100上に配置した状態で、有機材料を真空蒸着法等によって下部電極上に蒸着することにより有機層105を形成する。
次に図12に示すように、金属材料を真空蒸着法等により蒸着させることにより上部電極106を形成する。本実施形態では、トップエミッション型の有機EL装置を採用しているため、上部電極106は光を透過する電極材料を使用する。光透過性の電極材料としては、ITO(酸化インジウム錫)等の透明金属材料が使用できる。また、本来透明ではないCaやMg、Ag等の金属材料であっても、数十nm程度の厚みで薄く被着させることにより、光を透過させることができるためこれらの材料を使用してもよい。上部電極106の厚みは、光透過性の材料を用いた場合には10nm〜900nm、光透過性でない材料を用いる場合には、5nm〜50nm程度に設定される。
ここで、下部電極104が溝部104aを有しているため、上部電極106となる導電材料を蒸着した際に層間絶縁膜108の端部において上部電極106が分離されることにより上部電極106が画素毎に分離されることとなる。このように本実施形態にかかる有機EL装置の製造方法では、従来のように隔壁を設けることなく上部電極106を分離することができる。一方、隔壁を設けずに上部電極の形成領域に対応した開口部を有するシャドウマスクを用いて上部電極の蒸着を行うことにより、隔壁を設けることなく上部電極の分離を行う技術も従来より知られている。しかしながら、この方法の場合、金属の蒸着によってシャドウマスクが高温となる上、マスクの交換・洗浄等の頻度も多くなり生産性に劣る。これに対し、本実施形態の製造方法は層間絶縁膜108自体がマスクの役割を果たすため生産性に優れるという利点もある。
その後、図13に示すように、基板100の全面に封止膜110を形成する。この封止膜110は、例えば、Si,SiNx,SiN,SiO,SiO,SiNO等の無機材料を用いて、蒸着、スパッタ、CVD法等により形成される。従来の有機EL装置のように、基板100の上面側に大きく突出する隔壁を設けない状態で封止膜110を形成することができるため、パネル全体をカバレッジ良く封止することができる。これにより水分や酸素の浸入を有効に防止して、有機層105や上部電極106など、水分や酸素の影響を受けやすい部材を良好に水分や酸素から保護することができる。その結果、有機EL装置のさらなる長寿命化を達成することができる。
最後に全ての画素領域を取り囲むように基板100の外周に沿って環状のシール材112を形成し、封止基板111をシール材112に接着させることにより製品としての有機EL装置が完成する。
従来の有機EL表示装置のように、隔壁のような画素を囲う格子状の高さの高い構造物がある場合は、デバイス作成前の洗浄で異物が残り易く、点灯欠陥の原因となる。これに対して、本実施形態にかかる有機EL装置の製造方法においては、隔壁のような画素を囲う格子状の高さの高い構造物が存在しないため、洗浄した際に異物を除去しやすくなる。これにより、異物に起因した点灯欠陥の発生を抑制することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
上述した実施形態においては、層間絶縁膜108の端部を溝部104aの開口面まで延在させることにより、すなわち溝部104aの外縁部が層間絶縁膜108の下面に回り込む形状とすることで上部電極106の分離を行ったが、図14に示すように、隣接する第1、第2の有機層における画素領域間の境界部側の端部を溝部104aの開口面まで延在させることにより、溝部104aの外縁部が第1、第2の有機層の下面に回り込む形状となし、この部分で上部電極106を分離するようにしてもよい。
また上述した実施形態においては、環状のシール材112を用いて封止基板111の接着を行うようにしたが、図15に示すように、基板100の主面側を全面的に覆う面状シール材113を用いて封止基板111を接着するようにしてもよい。この場合も、隔壁のような画素を囲う高さの高い構造物が存在しないため、面状シール材113の厚みHを薄くでき、パネル周辺のシール部から侵入する水分を低減させることができる。これにより、信頼性にすぐれた有機EL装置を作製することができる。
本発明の実施形態にかかる有機EL装置の平面図である。 図1における線分A−A’の断面図である。 図1における線分B−B’の断面図である。 図3におけるZ部の拡大図である。 本発明の実施形態にかかる有機EL装置の下部電極の概略形状を示す平面図である。 本発明の実施形態にかかる有機EL装置の層間絶縁膜の概略形状を示す平面図である。 本発明の実施形態にかかる有機EL装置の断面図である。 本発明の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の他の実施形態にかかる有機EL装置の断面図である。 本発明の他の実施形態にかかる有機EL装置の断面図である。 従来の有機EL装置の断面図である。
符号の説明
100・・・基板
101・・・素子基板
102・・・回路層
103・・・平坦化膜
104・・・下部電極
105・・・有機層
106・・・上部電極
107・・・コンタクトホール
108・・・層間絶縁膜
109・・・絶縁部材
110・・・封止膜

Claims (2)

  1. 隣接する第1、第2の画素領域を有する基板と、
    前記第1、第2の画素領域の境界部を跨ぐように前記基板上に形成され、且つ前記境界部に沿った溝部を有する下部電極と、
    前記下部電極上に形成され、且つ前記第1の画素領域側に配される第1の有機層と、
    前記下部電極上に形成され、且つ前記第2の画素領域側に配される第2の有機層と、
    前記第1、第2の有機層上に形成され、且つ前記溝部により分離される上部電極と、
    前記上部電極上に形成される封止膜と、
    前記第1の有機層の外周部と前記下部電極との間に介在される第1の層間絶縁膜と、
    前記第2の有機層の外周部と前記下部電極との間に介在される第2の層間絶縁膜と、
    を有し、
    前記第1、第2の層間絶縁膜の前記境界部側の端部が、互いに間隔を空けた状態で前記溝部の上面まで延在されているとともに、
    前記第1の層間絶縁膜と前記第2の層間絶縁膜との間から露出した前記下部電極の上面に、前記溝部が設けられていることを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記基板に対向して配置される封止基板と、前記封止基板と前記基板とを接着するシール材と、を有することを特徴とする請求項に記載の有機EL装置。
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