JP2015038628A - トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】結晶性樹脂を結着樹脂とするトナーにおいて、紙種によらず一定温度かつ一定速度で定着を可能にすること。【解決手段】 結着樹脂として少なくとも結晶性樹脂を含有するトナーにおいて、前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定における分子量が100,000以上の割合が5%以上であり、かつ重量平均分子量(Mw)が20,000以上60,000以下であって前記結晶性樹脂が、ポリエステルとポリウレタンとのブロックポリマーであることを特徴とするトナー。なお、このトナーはX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(C)、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(A)とした時の比率(C)/((C)+(A))が、0.13以上であることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、トナー、該トナーを用いた現像剤及び画像形成装置に関する。
従来から、電子写真方式の画像形成装置等において、電気的又は磁気的に形成された潜像は、電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称することもある)によって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成し、次いで、該潜像をトナーにより現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の転写材上に転写され、次いで、紙等の転写材上に定着される。トナー像を転写紙上に定着する定着工程においては、そのエネルギー効率の良さから、加熱ローラ定着方式や加熱ベルト定着方式といった熱定着方式が広く一般に用いられている。
近年では、画像形成装置の高速化、省エネルギー化に対する市場からの要求は益々大きくなり、低温定着性に優れ、高品位な画像を提供できるトナーが求められている。トナーの低温定着性を達成するためには、トナーの結着樹脂の軟化温度を低くする必要があるが、結着樹脂の軟化温度が低いと、定着時にトナー像の一部が定着部材の表面に付着し、これがコピー用紙上に転移する、いわゆるオフセット(以下、ホットオフセットとも呼ぶ)が発生しやすくなる。また、トナーの耐熱保存性が低下し、特に高温環境下においてトナー粒子同士が融着する、いわゆるブロッキングが発生する。その他に、現像器内においてもトナーが現像器内部やキャリアに融着して汚染する問題や、トナーが感光体表面にフィルミングしやすくなる問題があった。
これらの問題を解決できる技術として、トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を用いることが知られている。即ち、結晶性樹脂は、樹脂の融点で急激に軟化することができ、融点以下における耐熱保存性を担保しながら、トナーの軟化温度を融点付近にまで下げることが可能である。したがって、低温定着性と耐熱保存性を両立することができる。
結晶性樹脂を用いたトナーとして、例えば、結晶性ポリエステルをジイソシアネートで伸長させた結晶性樹脂を結着樹脂に用いたトナーが開示されている(特許文献1及び2参照)。これらのトナーは、低温定着性には優れるが、耐ホットオフセット性が不十分であり、近年に求められる品質には達していなかった。
また、スルホン酸基を含む不飽和結合による架橋構造を有する結晶性樹脂を用いたトナーが提案されている(特許文献3参照)。このトナーは、それまでの従来技術に較べて耐ホットオフセット性を改善することができている。また、軟化温度と融解熱ピーク温度の比率と粘弾特性を規定し、低温定着性と耐熱保存性に優れた樹脂粒子の技術が開示されている(特許文献4参照)。
また、スルホン酸基を含む不飽和結合による架橋構造を有する結晶性樹脂を用いたトナーが提案されている(特許文献3参照)。このトナーは、それまでの従来技術に較べて耐ホットオフセット性を改善することができている。また、軟化温度と融解熱ピーク温度の比率と粘弾特性を規定し、低温定着性と耐熱保存性に優れた樹脂粒子の技術が開示されている(特許文献4参照)。
本発明者らがトナーの低温定着化を検討していく中で、結着樹脂として結晶性樹脂を含有するトナーにおいて、結晶性樹脂の含有量が大きくなるほど、特に結晶性樹脂を結着樹脂の主成分とする場合には、低温定着性には優れる反面、樹脂硬度が低いことに起因してトナーとしての硬度も低くなるため、現像器内での撹拌ストレスに対して弱く、経時でトナー及びキャリアの凝集体を生じて画像不良を生じるという課題があることを見出した。また、低温定着化の手段として結晶性樹脂の分子量制御や融点制御という手段をとった場合、耐ホットオフセット性や、耐熱保存性とトレードオフの関係になることも課題となった。
また、従来の結晶性樹脂を結着樹脂とするトナーは紙種によらず一定温度かつ一定速度で定着を可能にすることが困難である場合があるため、紙種検知による定着温度制御、あるいはプロセススピードの制御を行わなければならず、画像形成装置の複雑化、大型化、高コスト化につながっていた。
したがって、本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、結晶性樹脂を結着樹脂として含むトナーにおいて、極めて優れた低温定着性を示し、かつ耐熱保存性、耐ストレス性、転写性にも優れたトナーを提供することを目的とする。さらには、紙種によらず一定温度かつ一定速度での定着を可能にするトナーを提供することをも目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のトナーは、結着樹脂として少なくとも結晶性樹脂を含有するトナーであって、トナーのテトラヒドロフラン可溶分が、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の分子量分布において、分子量100,000以上の成分をピーク面積で5.0%以上含み、前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量(Mw)が、20,000〜60,000であることを特徴とする。
本発明のトナーは、結着樹脂として少なくとも結晶性樹脂を含有するトナーであって、トナーのテトラヒドロフラン可溶分が、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の分子量分布において、分子量100,000以上の成分をピーク面積で5.0%以上含み、前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量(Mw)が、20,000〜60,000であることを特徴とする。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、結晶性樹脂を結着樹脂として含むトナーにおいて、紙種によらず一定温度かつ一定速度での定着を可能にするトナーを提供することができる。
(トナー)
本発明のトナーは、結着樹脂として少なくとも結晶性樹脂を含み、更に必要に応じて、着色剤、離型剤や、その他の成分を含む。
前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分が、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の分子量分布において、分子量100,000以上の成分をピーク面積で5.0%以上含み、前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量が、20,000〜60,000である。
本発明のトナーは、結着樹脂として少なくとも結晶性樹脂を含み、更に必要に応じて、着色剤、離型剤や、その他の成分を含む。
前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分が、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の分子量分布において、分子量100,000以上の成分をピーク面積で5.0%以上含み、前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量が、20,000〜60,000である。
本発明者らが鋭意検討を行ったところ、結着樹脂として結晶性樹脂を主成分とするトナーにおいては、従来低温定着性に有効と考えられていた融点以上で急激に粘弾性が低下する性質(シャープメルト性)が、紙種によって定着可能温度領域が大きく異なる原因となると考えられることを見出した。そこで、従来の低温定着性に優れるトナーに使用される結着樹脂の分子量としては高めの成分、具体的にはゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)におけるポリスチレン換算の分子量が100,000以上の成分を一定量以上含有し、さらに重量平均分子量が一定の範囲内にあることによって、紙種によらず一定温度かつ一定速度で定着を可能にすることができることを見出した。
また、本発明者らは、結晶性樹脂にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを導入することで該結合に由来する凝集力の増大により、結晶性樹脂の硬度を向上させることが可能であることを見出した。また、重量平均分子量の異なる2種のウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂を用いることで、トナー全体としての結晶化度の調整がより効果的に可能となり、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかの導入によるトナーの耐熱保存性の悪化も抑制することが可能となると共に、トナーの耐ホットオフセット性も向上させることが可能であることも見出した。
本発明の効果が得られる理由としては、以下のように考えられる。つまり、結晶性樹脂は前述のとおりシャープメルト性を有しているわけであるが、溶融状態におけるトナーの内部凝集力や粘弾性は樹脂の分子量や構造によって大きく異なる。例えば、凝集エネルギーの大きな連結基であるウレタン結合やウレア結合を有する場合、溶融時においても比較的低温であればゴムのような弾性体に近い挙動を示す一方、高温になるのに従い高分子鎖の熱運動エネルギーが増大していくため、徐々に結合間の凝集が解れて粘性体に近づいていく。
このような樹脂をトナー用結着樹脂として用いると、定着温度が低いときには問題なく定着ができたとしても、定着温度が高温であるときにはトナー溶融時の内部凝集力が小さいために定着時にトナー画像の上側が定着部材に付着してしまう、いわゆるホットオフセット現象が発生することがあり、画像品位が著しく損なわれる。ホットオフセットを回避するためにウレタン結合やウレア結合を多くすると、高温での定着においては問題なく行うことができる反面、低温で定着を行う場合には画像光沢が低く、紙への溶融含浸が不十分となり画像が紙から離脱しやすい状態となり、特に厚みがあり表面の凹凸が多い紙への定着を行う場合には、定着時のトナーへの熱の伝達効率が低いために定着状態がさらに悪化したり、凹部においては定着部材でトナーに圧力が十分にかからないため特に弾性的な状態にあるトナーの定着状態は著しく悪くなる。
溶融後の粘弾性を制御する手段として分子量を考えた場合、当然ながら分子量が大きいほど分子鎖の移動に障害が多くなるため粘弾性が大きくなる。さらに、分子量が大きい場合には絡まりが発生するために弾性的な挙動を示すようになる。紙への定着性に着目して考えると、分子量が小さいほうが溶融時の粘度が低いため好ましい反面、ある程度の弾性がなければホットオフセットが発生してしまう。しかしながら、分子量を全体的に上げてしまうと、定着性が損なわれ、特に厚紙においては定着時のトナーへの熱の伝達効率が低いために定着状態がさらに悪化する。そこで、結着樹脂の分子量全体としてはあまり大きくしすぎないようにしつつ、高分子量の結晶性成分を含むようにすることにより、溶融後の粘弾性を好適に制御でき、薄紙や厚紙といった紙種によらず一定温度かつ一定速度で定着可能なトナーを得ることができる。
なお、重量平均分子量の範囲は20,000以上60,000以下、好ましくは30,000以上50,000以下、より好ましくは35,000以上45,000以下である。重量平均分子量が60,000を超えるような場合、結着樹脂全体が高分子量すぎるため定着性が悪化し、光沢が低すぎたり、定着後の画像が外的ストレスで容易に欠落するため好ましくない。また、20,000未満の場合にはいくら高分子量成分が多く存在していたとしてもトナー溶融時の内部凝集力が低くなりすぎ、ホットオフセットや定着部材への紙の巻きつきを引き起こすため好ましくない。
また、分子量100,000以上の成分が5%以上、好ましくは7%以上、さらに好ましくは9%以上である。分子量100,000以上の成分が5%以上有することで、トナーの溶融後の流動性や粘弾性の温度依存性が小さくなるため、定着時において熱が伝わりやすい薄紙であっても熱がトナーに伝わりにくい厚紙であってもトナーの流動性や弾性率に大きく違いが生じにくく、定着装置としては一定温度かつ一定速度で定着することが可能となる。分子量100,000以上の成分が5%未満であると、トナー溶融後の流動性や粘弾性が温度によって大きく変わるため、例えば薄紙における定着ではトナーの変形性が大きくなりすぎてしまい定着部材への接着面積が増大し、その結果定着部材からの離型がうまくできずに紙の巻きつきが発生することがある。さらには、分子量250,000以上の成分を0.5%以上有することにより、薄紙と厚紙での光沢度の差を縮めることができるため好ましい。
上記のような分子量分布を有するような結着樹脂を有するトナーを得る方法としては、分子量分布の異なる2種類以上の樹脂を併用する、重合時に分子量分布が制御された樹脂を使用する方法がある。
分子量分布の異なる2種類以上の樹脂を併用する場合、少なくとも相対的に高分子量の樹脂と低分子量の樹脂の2種類を使用する。高分子量の樹脂としては、あらかじめ分子量の大きな樹脂を使用してもよいし、末端にイソシアネート基を有する変性樹脂をトナーの製造過程で伸長させて高分子量体を形成させても良い。後者のほうが、高分子量体をトナー中に均一に存在させることができ、結着樹脂を有機溶媒中に溶解させる工程があるような製造方法においてははじめから高分子量である樹脂よりも溶解させることが容易であるため好ましい。
分子量分布の異なる2種類以上の樹脂を併用する場合、少なくとも相対的に高分子量の樹脂と低分子量の樹脂の2種類を使用する。高分子量の樹脂としては、あらかじめ分子量の大きな樹脂を使用してもよいし、末端にイソシアネート基を有する変性樹脂をトナーの製造過程で伸長させて高分子量体を形成させても良い。後者のほうが、高分子量体をトナー中に均一に存在させることができ、結着樹脂を有機溶媒中に溶解させる工程があるような製造方法においてははじめから高分子量である樹脂よりも溶解させることが容易であるため好ましい。
重合時に分子量分布が制御された樹脂を使用する場合、このような樹脂を得る方法としては、例えば、縮重合や重付加、付加縮合のような重合形態であれば、2官能のモノマーのほかに官能基数の異なるモノマーを少量添加することにより分子量分布を広げることができる。官能基数の異なるモノマーとしては、3官能以上のモノマー、単官能のモノマーがあるが、3官能以上のモノマーを使用すると分岐構造が生成するため、結晶性を有する樹脂を使用する場合には結晶構造を形成しにくくなる場合がある。単官能のモノマーを使用すれば、単官能のモノマーにより重合反応が停止することで2種類以上の樹脂を用いる場合における低分子量の樹脂を精製させつつ、一部は重合反応が進行し高分子量成分となる。
単官能のモノマーとしての具体例は、モノオールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec-ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ドコサノール、エイコサノール、フェノールおよびその置換体、1-ナフトール、2-ナフトール、ベンジルアルコールおよびその置換体、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、アダマンタノール、コレステロールおよびその置換体などが挙げられる。モノカルボン酸としては、蟻酸、酢酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、2-エチルヘキサン酸、ヘプタン酸 、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、トリアコンタン酸、安息香酸およびその置換体、ベンジル酸およびその置換体が挙げられる。
モノアミン化合物としては、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン等のアルキルアミン、グリシン、α−アラニン、β−アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン等のアミノ酸、アニリン、ベンジルアミン、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン等の芳香族アミノ酸が挙げられる。
なお、高分子量の成分は、結着樹脂全体と樹脂構造が近いことが必要であり、結着樹脂として結晶性を有するのであれば、高分子量の成分も同様に結晶性を有する必要がある。高分子量成分が他の樹脂成分と構造が大きく異なる場合、高分子体は容易に相分離し海島状態となるためトナー全体への粘弾性や凝集力の向上への寄与が期待できない。高分子量の成分と結着樹脂全体との結晶性構造の含有程度の比較としては、例えばテトラヒドロフラン(THF)と酢酸エチルの混合溶媒(混合比率は重量比で50:50)に対する不溶分の示差走査熱量計(DSC)における吸熱量(ΔH(H))と、トナーのDSCにおける吸熱量 (ΔH(T))の比率(ΔH(H)/ΔH(T))が、0.2〜1.25の範囲にあることが好ましい。
テトラヒドロフラン(THF)と酢酸エチルの混合溶媒(混合比率は重量比で50:50)に対する不溶分を得る具体的な試験方法としては、上記混合溶媒40gに対してトナー0.4gを添加し20分振とう混合をした後、遠心分離機により不溶成分を沈降させて上澄み液を除去したものを真空乾燥させることにより得ることができる。
テトラヒドロフラン(THF)と酢酸エチルの混合溶媒(混合比率は重量比で50:50)に対する不溶分を得る具体的な試験方法としては、上記混合溶媒40gに対してトナー0.4gを添加し20分振とう混合をした後、遠心分離機により不溶成分を沈降させて上澄み液を除去したものを真空乾燥させることにより得ることができる。
<結着樹脂>
前記結着樹脂は、結晶性樹脂を少なくとも含有し、更に必要に応じて、非結晶性樹脂などのその他の成分を含む。
前記結着樹脂は、結晶性樹脂を少なくとも含有し、更に必要に応じて、非結晶性樹脂などのその他の成分を含む。
<<結晶性樹脂>>
前記結晶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、主鎖にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂を含むことが好ましく、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂を含むことがより好ましい。
前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂は、ポリウレタンユニット及びポリウレアユニットの少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂を含有することが好ましく、ポリウレタンユニットと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂を含有することがより好ましい。
また、前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂が、末端にイソシアネート基を有する変性結晶性樹脂を伸長させてなるものを含むことが好ましい。
前記結晶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、主鎖にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂を含むことが好ましく、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂を含むことがより好ましい。
前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂は、ポリウレタンユニット及びポリウレアユニットの少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂を含有することが好ましく、ポリウレタンユニットと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂を含有することがより好ましい。
また、前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂が、末端にイソシアネート基を有する変性結晶性樹脂を伸長させてなるものを含むことが好ましい。
本発明における結晶性樹脂とは、結晶構造を持った部位を有する樹脂のことであり、X線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、結晶構造に由来する回折ピークを有する。前記結晶性樹脂の性状は、高化式フローテスターにより測定される軟化温度と、示差走査熱量計(DSC)により測定される融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が0.8〜1.6である、熱により急峻に軟化する性状を示す。
また、前記結着樹脂は、非結晶性樹脂を含んでいてもよい。非結晶性樹脂とは、結晶構造を有さない樹脂のことであり、X線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、結晶構造に由来する回折ピークを有さない。前記非結晶性樹脂の性状は、軟化温度と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が1.6より大きく、熱により緩やかに軟化する性状を示す。
樹脂の軟化温度は、高化式フローテスター(例えば、CFT−500D(株式会社島津製作所製))を用いて測定できる。試料として1gの樹脂を昇温速度3℃/分間で加熱しながら、プランジャーにより2.94MPaの荷重を与え、直径0.5mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化温度とする。
樹脂の融解熱の最大ピーク温度は、示差走査熱量計(DSC)(例えば、示差走査熱量計Q2000(TAインスツルメント社製))を用いて測定できる。融解熱の最大ピーク温度の測定に供する試料は、前処理として、130℃で溶融した後、130℃から70℃まで1.0℃/分間の速度で降温し、次に70℃から 10℃まで0.5℃/分間の速度で降温する。ここで、一度DSCにより、昇温速度10℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される20℃〜100℃にある吸熱ピーク温度を「Ta*」とする。吸熱ピークが複数ある場合は、最も吸熱量が大きいピークの温度をTa*とする。その後、試料を(Ta*−10)℃で6時間保管した後、更に(Ta*−15)℃で6時間保管する。次いで、上記試料を、DSCにより、降温速度10℃/分間で0℃まで冷却した後、昇温速度10℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、同様のグラフを描き、吸熱量の最大ピークに対応する温度を、融解熱の最大ピーク温度とする。
樹脂の融解熱の最大ピーク温度は、示差走査熱量計(DSC)(例えば、示差走査熱量計Q2000(TAインスツルメント社製))を用いて測定できる。融解熱の最大ピーク温度の測定に供する試料は、前処理として、130℃で溶融した後、130℃から70℃まで1.0℃/分間の速度で降温し、次に70℃から 10℃まで0.5℃/分間の速度で降温する。ここで、一度DSCにより、昇温速度10℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される20℃〜100℃にある吸熱ピーク温度を「Ta*」とする。吸熱ピークが複数ある場合は、最も吸熱量が大きいピークの温度をTa*とする。その後、試料を(Ta*−10)℃で6時間保管した後、更に(Ta*−15)℃で6時間保管する。次いで、上記試料を、DSCにより、降温速度10℃/分間で0℃まで冷却した後、昇温速度10℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、同様のグラフを描き、吸熱量の最大ピークに対応する温度を、融解熱の最大ピーク温度とする。
結着樹脂の吸熱量は、室温から昇温速度10℃/分で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置し、その後、室温まで試料を冷却して10分間放置し、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/分で加熱してDSC測定を行ったとき、2回目の昇温時における吸熱ピークとベースラインの間の面積を吸熱量とする。
前記結晶性樹脂の前記結着樹脂に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%以上が、結晶性樹脂による優れた低温定着性と耐熱保存性の両立性を最大限に発現させる観点から好ましく、65質量%以上が更に好ましく、80質量%以上がより好ましく、95質量%以上が特に好ましい。前記含有量が、50質量%未満の場合、結着樹脂の熱急峻性がトナーの粘弾特性上で発現できず、低温定着性と耐熱保存性の両立は難しい。
また、前記結着樹脂のX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(C)、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(A)とした時の比率(C)/((C)+(A))が、0.13以上であることが、定着性と耐熱保存性の両立の観点から好ましく、0.20以上が更に好ましく、0.30以上がより好ましく、0.45以上が特に好ましい。なお、従来公知の、結晶性樹脂やワックスを添加剤程度に含むようなトナーは、この比率がおおよそ0.10未満である。
前記比率(C)/((C)+(A))は、トナー中の結晶化部位の量(主にトナーの主成分たる結着樹脂中の結晶化部位の量)を示す指標である。本発明におけるX線回折測定は、2次元検出器搭載X線回折装置(D8 DISCOVER with GADDS/Bruker社製)を用いて測定した。
測定に使用するキャピラリーは、マークチューブ(リンデンマンガラス)の直径0.70mmを使用した。試料はこのキャピラリー管の上部まで詰めて測定した。また、サンプルを詰める際はタッピングを行い、タッピング回数は100回とした。
測定の詳細条件を以下に示す。
測定に使用するキャピラリーは、マークチューブ(リンデンマンガラス)の直径0.70mmを使用した。試料はこのキャピラリー管の上部まで詰めて測定した。また、サンプルを詰める際はタッピングを行い、タッピング回数は100回とした。
測定の詳細条件を以下に示す。
管電流 : 40mA
管電圧 : 40kV
ゴニオメーター2θ軸 : 20.0000°
ゴニオメーターΩ軸 : 0.0000°
ゴニオメーターφ軸 : 0.0000°
検出器距離 : 15cm(広角測定)
測定範囲 : 3.2≦2θ(゜)≦37.2
測定時間 : 600sec
管電圧 : 40kV
ゴニオメーター2θ軸 : 20.0000°
ゴニオメーターΩ軸 : 0.0000°
ゴニオメーターφ軸 : 0.0000°
検出器距離 : 15cm(広角測定)
測定範囲 : 3.2≦2θ(゜)≦37.2
測定時間 : 600sec
入射光学系には、φ1mmのピンホールを持つコリメーターを用いた。得られた2次元データを、付属のソフトで(χ軸が3.2°〜37.2°で)積分し、 回折強度と2θの1次元データに変換した。得られたX線回折測定結果を基に、前記比率(C)/((C)+(A))を算出する方法を、以下に説明する。
X線回折測定によって得られる回折スペクトルの例を図1(A)及び図1(B)に示す。横軸は2θ、縦軸はX線回折強度であり、両方とも線形軸である。図 1(A)におけるX線回折スペクトルにおいて、2θ=21.3°、24.2°に主要なピーク(P1、P2)があり、この2つのピークを含む広範囲にハロー (h)が見られる。ここで、前記主要なピークは、結晶構造に由来するものであり、ハローは非晶構造に由来するものである。
X線回折測定によって得られる回折スペクトルの例を図1(A)及び図1(B)に示す。横軸は2θ、縦軸はX線回折強度であり、両方とも線形軸である。図 1(A)におけるX線回折スペクトルにおいて、2θ=21.3°、24.2°に主要なピーク(P1、P2)があり、この2つのピークを含む広範囲にハロー (h)が見られる。ここで、前記主要なピークは、結晶構造に由来するものであり、ハローは非晶構造に由来するものである。
この2の主要なピークとハローをガウス関数、
fp1(2θ)=ap1exp{−(2θ−bp1)2/(2cp12)} (式A(1))
fp2(2θ)=ap2exp{−(2θ−bp2)2/(2cp22)} (式A(2))
fh(2θ)=ahexp{−(2θ−bh)2/(2ch2)} (式A(3))
(fp1(2θ)、fp2(2θ)、fh(2θ)はそれぞれ、主要ピークP1、P2、ハローに対応する関数)
で表し、この3つの関数の和
f(2θ)=fp1(2θ)+fp2(2θ)+fh(2θ) (式A(4))
をX線回折スペクトル全体のフィッティング関数(図1(B)に図示する)とし、最小二乗法によるフィッティングを行った。
fp1(2θ)=ap1exp{−(2θ−bp1)2/(2cp12)} (式A(1))
fp2(2θ)=ap2exp{−(2θ−bp2)2/(2cp22)} (式A(2))
fh(2θ)=ahexp{−(2θ−bh)2/(2ch2)} (式A(3))
(fp1(2θ)、fp2(2θ)、fh(2θ)はそれぞれ、主要ピークP1、P2、ハローに対応する関数)
で表し、この3つの関数の和
f(2θ)=fp1(2θ)+fp2(2θ)+fh(2θ) (式A(4))
をX線回折スペクトル全体のフィッティング関数(図1(B)に図示する)とし、最小二乗法によるフィッティングを行った。
フィッティング変数は、ap1、bp1、cp1、ap2、bp2、cp2、ah、bh、chの9つである。各変数のフィッティングの初期値として、bp1、bp2、bhにはX線回折のピーク位置(図1の例では、bp1=21.3、bp2=24.2、bh=22.5)を、他の変数には適宜入力して2つの主要ピークとハローがX線回折スペクトルとできる限り一致させて得られた値を設定した。フィッティングは例えばMicrosoft社製Excel2003のソルバーを利用して行うことができる。
フィッティング後の2つの主要なピーク(P1、P2)に対応するガウス関数fp1(2θ)、fp2(2θ)、及びハローに相当するガウス関数fh(2θ)のそれぞれについての積分面積(Sp1、Sp2、Sh)から、(Sp1+Sp2)を(C)、(Sh)を(A)としたとき、結晶化部位の量を示す指標である比率(C)/((C)+(A))を算出することができる。
前記結晶性樹脂の融解熱の最大ピーク温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から、50℃〜70℃が好ましく、55℃〜68℃がより好ましく、60℃〜65℃が特に好ましい。前記最大ピーク温度が、50℃より低い場合は、低温定着性は良くなるが耐熱保存性が悪化し、70℃より高い場合は逆に耐熱保存性は良くなるが低温定着性が悪化する。
前記結晶性樹脂の軟化温度と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)としては、0.8〜1.6であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.8〜1.5が好ましく、0.8〜1.4がより好ましく、0.8〜1.3が特に好ましい。前記比が小さい程、樹脂が急峻に軟化する性状を持ち、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から優れている。
前記結晶性樹脂として重量平均分子量の異なる2種類の結晶性樹脂を使用する場合には、重量平均分子量の小さいほうの樹脂を結晶性樹脂(A)、重量平均分子量の大きいほうの樹脂を結晶性樹脂(B)とした場合、前記結晶性樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、低温定着性と耐熱保存性の両立性の観点から 10,000〜40,000が好ましく、15,000〜35,000がより好ましく、20,000〜30,000が特に好ましい。10,000より小さい場合はトナーの耐熱保存性が悪化する傾向にあり、40,000より大きい場合はトナーの低温定着性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
前記結晶性樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から、40,000〜300,000が好ましく、50,000〜150,000が特に好ましい。40,000より小さい場合はトナーの耐ホットオフセット性が悪化する傾向にあり、300,000より大きい場合は特に低温での定着時にトナーが充分に溶融せず、画像の剥がれが生じ易くなるため、トナーの低温定着性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
前記結晶性樹脂(A)と前記結晶性樹脂(B)のMwの差は、5,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましい。5,000より小さい場合は、トナーの定着幅が狭くなる傾向にあるため、好ましくない。
前記結晶性樹脂(A)と前記結晶性樹脂(B)との含有比率は、(A):(B)=95:5〜70:30の範囲であることが好ましい。この範囲よりも(A)の比率が多い場合には、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する傾向にあり、この範囲よりも(B)の比率が多い場合には、トナーの低温定着性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
本発明における結晶性樹脂(B)は、活性水素基と反応可能な官能基を末端に有する結晶性樹脂前駆体(B’)をトナーの製造過程において、活性水素基を有 する樹脂や、活性水素基を有する架橋剤や伸長剤等の化合物と反応させることで、高分子量化することによっても得られる。結晶性樹脂前駆体(B’)は、上記の結晶性ポリエステル樹脂、ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂、ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂等を、活性水素基と反応可能な官能基を有する化合物と反応させることで得られる。
前記活性水素基と反応可能な官能基としては特に制限はないが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基などの官能基が挙げられ、これらの中でも、反応性や安定性の観点からイソシアネート基が好ましい。イソシアネート基を有する化合物としては、例えば、前記ジイソシアネート成分等が挙げられる。
前記結晶性樹脂前駆体(B’)を得るために、例えば、前記結晶性ポリエステル樹脂と、前記ジイソシアネート成分とを反応させる場合、前記結晶性ポリエステル樹脂としては、末端に水酸基を含有する水酸基含有結晶性ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
該水酸基含有結晶性ポリエステル樹脂は、ジオール成分とジカルボン酸成分の比率が、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1、より好ましくは1.5/1〜1/1、特に好ましくは1.3/1〜1.02/1で反応させることにより得られる。
該水酸基含有結晶性ポリエステル樹脂は、ジオール成分とジカルボン酸成分の比率が、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1、より好ましくは1.5/1〜1/1、特に好ましくは1.3/1〜1.02/1で反応させることにより得られる。
前記活性水素基と反応可能な官能基を有する化合物の使用量は、例えば、水酸基含有結晶性ポリエステル樹脂にジイソシアネート成分を反応させて結晶性樹脂前駆体(B’)を得る場合、ジイソシアネート成分の比率が、イソシアネート基[NCO]と、水酸基含有結晶性ポリエステル樹脂の水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、好ましくは5/1〜1/1、さらに好ましくは4/1〜1.2/1、とくに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。他の骨格、末端基を有する結晶性樹脂前駆体(B’)の場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
前記活性水素基を有する樹脂、および活性水素基を有する架橋剤や伸長剤などの化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記活性水素基と反応可能な官能基がイソシアネート基ある場合には、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等を有する樹脂や、化合物が挙げられ、反応速度の観点から、水、及びアミン類が特に好適である。
本発明において、トナーのテトラヒドロフラン可溶分および樹脂の分子量分布や重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、HLC−8220GPC(東ソー社製))を用いて測定できる。カラムとしては、TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)を使用した。測定する樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬製)にて0.15質量%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いた。前記THF試料溶液を測定装置に100μl注入し、温度40℃の環境下にて、流速 0.35ml/分間で測定した。
分子量は単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線を用いて計算を行った。前記標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDシリーズおよびトルエンを用いた。以下の3種類の単分散ポリスチレン標準試料のTHF溶液を作成し上記の条件で測定を行い、ピークトップの保持時間を単分散ポリスチレン標準試料の光散乱分子量として検量線を作成した。
溶液A:S-7450 2.5mg, S-678 2.5mg, S-46.5 2.5mg, S-2.90 2.5mg, THF 50ml
溶液B:S-3730 2.5mg, S-257 2.5mg, S-19.8 2.5mg, S-0.580 2.5mg, THF 50ml
溶液C:S-1470 2.5mg, S-112 2.5mg, S-6.93 2.5mg, トルエン2.5mg, THF 50ml
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
分子量100,000以上の成分の割合、および分子量250,000以上の成分の割合は、積分分子量分布曲線において、分子量100,000、および分子量250,000と曲線の交点から調べることができる。
溶液A:S-7450 2.5mg, S-678 2.5mg, S-46.5 2.5mg, S-2.90 2.5mg, THF 50ml
溶液B:S-3730 2.5mg, S-257 2.5mg, S-19.8 2.5mg, S-0.580 2.5mg, THF 50ml
溶液C:S-1470 2.5mg, S-112 2.5mg, S-6.93 2.5mg, トルエン2.5mg, THF 50ml
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
分子量100,000以上の成分の割合、および分子量250,000以上の成分の割合は、積分分子量分布曲線において、分子量100,000、および分子量250,000と曲線の交点から調べることができる。
前記結晶性樹脂は、結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂を主成分とすることが、トナーとして好適な融点設計を行いやすく、紙への結着性に優れる点で好ましい。前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂の前記結着樹脂に対する含有量としては、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、75質量%が更に好ましく、90質量%以上が特に好ましい。結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂が多いほどトナーの低温定着性に優れるためである。
前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂としては、例えば、結晶性ポリエステルユニットのみからなる樹脂(単に、結晶性ポリエステル樹脂ともいう)、結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂、結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを結合させた樹脂(いわゆるブロックポリマー、グラフトポリマー)などが挙げられる。
前記他のポリマーユニットとしては、例えば、非結晶性ポリエステルユニット、ポリウレタンユニット、ポリウレアユニット、ビニル系ポリマーユニットなどが挙げられる。
前記他のポリマーユニットとしては、例えば、非結晶性ポリエステルユニット、ポリウレタンユニット、ポリウレアユニット、ビニル系ポリマーユニットなどが挙げられる。
前記結晶性ポリエステルユニットのみからなる樹脂は、結晶構造をとる部分は多いものの、外力により容易に変形しやすいことがある。その理由としては、結晶性ポリエステルのすべての部分を結晶化させることは困難であり、結晶化していない部分(非結晶部位)の分子鎖の自由度が高いために容易に変形しやすい、あるいは結晶構造をとっている部分に関しても、通常その高次構造は分子鎖が折りたたまれながら面を形成したものが重なる、いわゆるラメラ構造となるが、そのラメラ層間には大きな結合力が働かないため容易にラメラ層がずれやすい、などの原因が考えられる。トナー用の結着樹脂としては、外力により容易に変形してしまうと、画像形成装置内での変形凝集、部材への付着あるいは固着、最終的に出力される画像が容易に傷付く、などの問題が発生する可能性があるため、結着樹脂としても外力に対してある程度変形に耐えうるもの、強靭性を有するものでなければならない。
樹脂の強靭性付与の観点からは、凝集エネルギーの大きいウレタン結合部位、ウレア結合部位、フェニレン部位を有するような結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂、結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂(いわゆるブロックポリマー、グラフトポリマー)が好ましい。この中でも特に、ウレタン結合部位やウレア結合部位は、分子鎖中に存在することにより、非結晶部位やラメラ層間に大きな分子間力による擬似架橋点を形成させることができると考えられる上、紙への定着後においても紙に対して濡れやすく定着強度を高めることができるため好ましい。
したがって、前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂の中でも、樹脂の強靭性付与の観点からは、凝集エネルギーの大きいウレタン結合、ウレア結合、及びフェニレン部位の少なくともいずれかを有する、結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂、結晶性ポリエステルユニットと、他のポリマーユニットとを結合させた樹脂(いわゆるブロックポリマー、グラフトポリマー)が好ましい。
これらの中でも、ウレタン結合やウレア結合が、分子鎖中に存在することにより、非結晶部位やラメラ層間に大きな分子間力による擬似架橋点を形成させることができると考えられる上、紙への定着後においても紙に対して濡れやすく定着強度を高めることができる点で、結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂であって、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する樹脂、結晶性ポリエステルユニットと、他のポリマーユニットとを結合させた樹脂であって、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する樹脂が、特に好ましい。
−結晶性ポリエステルユニット−
結晶性ポリエステルユニットとしては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニット、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステルユニットが、結晶性発現の観点から好ましい。
結晶性ポリエステルユニットとしては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニット、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステルユニットが、結晶性発現の観点から好ましい。
−−ポリオール−−
ポリオールとしては、例えば、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジオール、鎖炭素数が2〜36の分岐型脂肪族ジオール等の脂肪族ジオール;炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール;炭素数4〜36の脂環式ジオール;前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)付加物;ビスフェノール類のAO付加物;ポリラクトンジオール;ポリブタジエンジオール;カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオール;これらの中和塩基等のその他の官能基を有するジオールなどが挙げられる。これらの中でも鎖炭素数が2〜36の脂肪族ジオールが好ましく、直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオールとしては、例えば、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジオール、鎖炭素数が2〜36の分岐型脂肪族ジオール等の脂肪族ジオール;炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール;炭素数4〜36の脂環式ジオール;前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)付加物;ビスフェノール類のAO付加物;ポリラクトンジオール;ポリブタジエンジオール;カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオール;これらの中和塩基等のその他の官能基を有するジオールなどが挙げられる。これらの中でも鎖炭素数が2〜36の脂肪族ジオールが好ましく、直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記直鎖型脂肪族ジオールの前記ジオール全体に対する含有量は、80mol%以上が好ましく、90mol%以上がより好ましい。含有量が80mol%以上であると、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性の両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にある点で好ましい。
前記直鎖型脂肪族ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
前記鎖炭素数が2〜36の分岐型脂肪族ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2−プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36の脂環式ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記脂環式ジオールのAO付加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する)等の付加物(付加モル数1〜30)などが挙げられる。
前記脂環式ジオールのAO付加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する)等の付加物(付加モル数1〜30)などが挙げられる。
前記ビスフェノール類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
前記ポリラクトンジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ−ε−カプロラクトンジオールなどが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等の炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸などが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等の炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸などが挙げられる。
前記スルホン酸基又は前記スルファミン酸基を有するジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物等のスルファミン酸ジオール;[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基の炭素数1〜6)及びそのAO付加物(AOとしてはEO又はPOなど、AOの付加モル数1〜6);ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
前記中和塩基を有するジオールの中和塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミン等)、アルカリ金属(ナトリウム塩等)などが挙げられる。
これらのジオールの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用が好ましい。
これらのジオールの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用が好ましい。
また、必要に応じて用いられる前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカンポリオール及びその分子内又は分子間脱水物(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン等)、糖類及びその誘導体(例えば、ショ糖、メチルグルコシド等)等の炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール;トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーとの共重合物等のアクリルポリオールなどが挙げられる。これらの中でも、3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、ノボラック樹脂のAO付加物がより好ましい。
−−ポリカルボン酸−−
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;芳香族ジカルボン酸などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;芳香族ジカルボン酸などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸等の炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸;ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などのアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸等の炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸;ダイマー酸(2量化リノール酸)等の炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが好適に挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸等の炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸などが好適に挙げられる。
また、必要に応じて用いられる前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
前記ジカルボン酸の中でも、前記脂肪族ジカルボン酸(好ましくは、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等)を単独で用いることが特に好ましいが、前記脂肪族ジカルボン酸と共に前記芳香族ジカルボン酸(好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸等;これら芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル類等)が共重合されることが同様に好ましい。前記芳香族ジカルボン酸の共重合量としては、20mol%以下が好ましい。
−−ラクトン開環重合物−−
前記ラクトン開環重合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バ レロラクトン、ε−カプロラクトン等の炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合させて得られるラクトン開環重合物;開始剤としてグリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)を用い、前記炭素数3〜12のモノラクトン類を開環重合させて得られる、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記炭素数3〜12のモノラクトンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶性の観点からε−カプロラクトンが好ましい。
また、前記ラクトン開環重合物としては、市販品を用いてもよく、該市販品としては、例えば、株式会社ダイセル製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7等の高結晶性ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
前記ラクトン開環重合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バ レロラクトン、ε−カプロラクトン等の炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合させて得られるラクトン開環重合物;開始剤としてグリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)を用い、前記炭素数3〜12のモノラクトン類を開環重合させて得られる、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記炭素数3〜12のモノラクトンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶性の観点からε−カプロラクトンが好ましい。
また、前記ラクトン開環重合物としては、市販品を用いてもよく、該市販品としては、例えば、株式会社ダイセル製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7等の高結晶性ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
−−ポリヒドロキシカルボン酸−−
前記ポリヒドロキシカルボン酸の調製方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体等)等のヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法;グリコリド、ラクチド(L体、D体、ラセミ体等)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間又は3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合する方法などが挙げられる。これらの中でも、分子量の調整の観点から前記開環重合する方法が好ましい。
前記環状エステルの中でも、結晶性の観点からL−ラクチド及びD−ラクチドが好ましい。また、これらのポリヒドロキシカルボン酸は、末端がヒドロキシル基やカルボキシル基となるように変性したものであってもよい。
前記ポリヒドロキシカルボン酸の調製方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体等)等のヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法;グリコリド、ラクチド(L体、D体、ラセミ体等)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間又は3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合する方法などが挙げられる。これらの中でも、分子量の調整の観点から前記開環重合する方法が好ましい。
前記環状エステルの中でも、結晶性の観点からL−ラクチド及びD−ラクチドが好ましい。また、これらのポリヒドロキシカルボン酸は、末端がヒドロキシル基やカルボキシル基となるように変性したものであってもよい。
<<<結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂>>>
前記結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂を得る方法としては、あらかじめ末端にヒドロキシル基等の活性水素を有する結晶性ポリエステルユニットを作製し、ポリイソシアネートで連結する方法などが挙げられる。この手段を用いると樹脂骨格中にウレタン結合部位を導入することができるため、樹脂の強靭性を高めることができる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂を得る方法としては、あらかじめ末端にヒドロキシル基等の活性水素を有する結晶性ポリエステルユニットを作製し、ポリイソシアネートで連結する方法などが挙げられる。この手段を用いると樹脂骨格中にウレタン結合部位を導入することができるため、樹脂の強靭性を高めることができる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジイソシアネート類、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類、芳香脂肪族ジイソシアネート類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、必要により、3価以上のイソシアネートを併用してもよい。
また、必要により、3価以上のイソシアネートを併用してもよい。
前記芳香族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4′−及び/又は4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′,4"−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添 TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、m−及びp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、前記ジイソシアネートの変性物としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等の変性MDI、イソシアネート含有プレポリマー等のウレタン変性TDIなどのジイソシアネートの変性物;これらジイソシアネートの変性物の2種以上の混合物(例えば、変性MDIとウレタン変性TDIとの併用)などが挙げられる。
これらのジイソシアネートの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜20の芳香族ジイソシアネート、2〜18の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネート、8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)、これらの2種以上の混合物などが好ましく、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜15の芳香族ジイソシアネート、4〜12の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネートがより好ましく、TDI、MDI、HDI、水添MDI、及びIPDIが特に好ましい。
<<<結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを結合させた樹脂>>>
結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを結合させた樹脂を得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)あらかじめ結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを別々に作製し、それらを結合させる方法、(2)あらかじめ結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットのいずれかを作製し、次いで作製したユニットの存在下で、もう一方のポリマーを重合することによって結合させる方法、(3)結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを同じ反応場で同時あるいは逐次重合させることにより得る方法などが挙げられるが、設計意図通りに反応を制御させやすいという点で、下記に示す、前記方法(1)の好適な例、及び前記方法(2)の好適な例が好ましい。
結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを結合させた樹脂を得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)あらかじめ結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを別々に作製し、それらを結合させる方法、(2)あらかじめ結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットのいずれかを作製し、次いで作製したユニットの存在下で、もう一方のポリマーを重合することによって結合させる方法、(3)結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを同じ反応場で同時あるいは逐次重合させることにより得る方法などが挙げられるが、設計意図通りに反応を制御させやすいという点で、下記に示す、前記方法(1)の好適な例、及び前記方法(2)の好適な例が好ましい。
前記方法(1)の好適な例としては、前述の結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂を得る方法と同様、あらかじめ末端にヒドロキシル基等の活性水素を有する2種又はそれ以上のユニット(すなわち、結晶性ポリエステルユニット及び他のポリマーユニット)を作製し、ポリイソシアネートで連結する方法などが挙げられる。ポリイソシアネートについても前述のものが使用できる。また、一方のユニットの末端にイソシアネート基を導入し、他方のユニットの活性水素と反応させる方法も、好適に用いることができる。これらの手段を用いると樹脂骨格中にウレタン結合を導入することができるため、樹脂の強靭性を高めることができる。
前記方法(2)の好適な例としては、結晶性ポリエステルユニットを先に作製する場合、次に作製するポリマーユニットが非結晶性ポリエステルユニット、ポリウレタンユニット、ポリウレアユニット等であれば、結晶性ポリエステルユニットの末端のヒドロキシル基あるいはカルボキシル基と、他のポリマーユニットを得るためのモノマーとを反応させる方法が挙げられる。これにより、結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを結合させた樹脂を得ることができる。
<非結晶性ポリエステルユニット>
非結晶性ポリエステルユニットとしては、例えばポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニットが挙げられる。ポリオール及びポリカルボン酸については前述の結晶性ポリエステルユニットで例示したものが使用できるが、結晶性を持たないように設計するためには、ポリマー骨格に屈曲点や分岐点を多く持たせるようにすればよく、屈曲点を持たせるには、例えば、ポリオールとして、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30)などのビスフェノール及びその誘導体、ポリカルボン酸として、フタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸を使用すればよい。また分岐点の導入には3価以上のポリオールやポリカルボン酸を使用すればよい。
非結晶性ポリエステルユニットとしては、例えばポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニットが挙げられる。ポリオール及びポリカルボン酸については前述の結晶性ポリエステルユニットで例示したものが使用できるが、結晶性を持たないように設計するためには、ポリマー骨格に屈曲点や分岐点を多く持たせるようにすればよく、屈曲点を持たせるには、例えば、ポリオールとして、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30)などのビスフェノール及びその誘導体、ポリカルボン酸として、フタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸を使用すればよい。また分岐点の導入には3価以上のポリオールやポリカルボン酸を使用すればよい。
<ポリウレタンユニット>
前記ポリウレタンユニットとしては、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオール等のポリオールと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットなどが挙げられる。これらの中でも、前記ジオールと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットが好ましい。
前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、前記ポリエステル樹脂において挙げた前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールと同様のものが挙げられる。
前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートとしては、前述のジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートと同様のものが挙げられる。
前記ポリウレタンユニットとしては、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオール等のポリオールと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットなどが挙げられる。これらの中でも、前記ジオールと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットが好ましい。
前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、前記ポリエステル樹脂において挙げた前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールと同様のものが挙げられる。
前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートとしては、前述のジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートと同様のものが挙げられる。
<ポリウレアユニット>
前記ポリウレアユニットとしては、ジアミン、3価以上のポリアミン等のポリアミンと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレアユニット等が挙げられる。
前記ポリウレアユニットとしては、ジアミン、3価以上のポリアミン等のポリアミンと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレアユニット等が挙げられる。
前記ジアミンとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば脂肪族ジアミン類、芳香族ジアミン類が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類、炭素数6〜20の芳香族ジアミン類が好ましい。また、必要により、前記3価以上のアミン類を使用してもよい。
前記炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜6のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等の炭素数4〜18のポリアルキレンジアミン;ジアルキルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等の前記アルキレンジアミン又は前記ポリアルキレンジアミンの炭素数1〜4のアルキル又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体;1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4′−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等の炭素数4〜15の脂環式ジアミン;ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等の炭素数4〜15の複素環式ジアミン;キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等の炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミン類などが挙げられる。
前記炭素数6〜20の芳香族ジアミン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2−、1,3−及び1,4−フェニレンジアミン、2,4′−及び4,4′−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4′,4"−トリアミン、ナフチレンジアミン等の非置換芳香族ジアミン;2,4−及び2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、4,4′−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミ ノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジ フェニルメタン、3,5−ジエチル−3′−メチル−2′,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジエチル−2,2′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′,5,5′− テトラエチル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′,5,5′−テトライソプロピル−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等の炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン;前記非置換芳香族ジアミン乃至前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミンの異性体の種々の割合の混合物;メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジブロモジフェニルメタン、3,3′−ジクロロベンジジン、3,3′− ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4′−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4′ −メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等の核置換電子吸引基 (Cl、Br、I、F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ジアミン;4,4′−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等の二級アミノ基を有する芳香族ジアミン〔前記非置換芳香族ジアミン、前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物、前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンの一級アミノ基の一部又は全部がメチル、エチルなどの低級アルキル基で二級アミノ基に置き換ったもの〕などが挙げられる。
前記ジアミンとして、これらの他、ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)前記ポリアミン(前記アルキレンジアミン、前記ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等のポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等のポリエーテルポリアミンなどが挙げられる。
また、アミン化合物のアミノ基をケトン化合物などによりキャッピングしたものを用いてもよい。
前記ジアミンとして、これらの他、ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)前記ポリアミン(前記アルキレンジアミン、前記ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等のポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等のポリエーテルポリアミンなどが挙げられる。
また、アミン化合物のアミノ基をケトン化合物などによりキャッピングしたものを用いてもよい。
これらの中でも、前記ジアミンと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレアユニットが好ましい。
前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートとしては、前記前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートと同様のものが挙げられる。
前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートとしては、前記前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートと同様のものが挙げられる。
<ビニル系ポリマーユニット>
ビニル系ポリマーユニットは、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合したポリマーユニットである。ビニル系モノマーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。
ビニル系ポリマーユニットは、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合したポリマーユニットである。ビニル系モノマーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。
(1)ビニル系炭化水素:
脂肪族ビニル系炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレンレン、ブテン、イソブチレン、ぺンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7− オクタジエン。
脂環式ビニル系炭化水素:モノ−又はジ−シクロアルケン及びアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン等。
芳香族ビニル系炭化水素:スチレン及びそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えばα−メチルス チレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン等;及びビニルナフタレン。
脂肪族ビニル系炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレンレン、ブテン、イソブチレン、ぺンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7− オクタジエン。
脂環式ビニル系炭化水素:モノ−又はジ−シクロアルケン及びアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン等。
芳香族ビニル系炭化水素:スチレン及びそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えばα−メチルス チレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン等;及びビニルナフタレン。
(2)カルボキシル基含有ビニル系モノマー及びその塩:
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸並びにその無水物及びそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー。
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸並びにその無水物及びそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー。
(3)スルホン基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステル化物及びこれらの塩:
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えはビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;及びその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミ ド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル等。
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えはビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;及びその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミ ド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル等。
(4)燐酸基含有ビニル系モノマー及びその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキル燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば、2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸;及びそれらの塩等。
なお、上記(2)〜(4)の塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩又は4級アンモニウム塩が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシアルキル燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば、2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸;及びそれらの塩等。
なお、上記(2)〜(4)の塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩又は4級アンモニウム塩が挙げられる。
(5)ヒドロキシル基含有ビニル系モノマー:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6)含窒素ビニル系モノマー:
アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダ ゾール、N−ビニルピロ一ル、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、及びこれらの塩等。
アミド基含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等。
ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレ一ト等。
4級アンモニウムカチオン基含有ビニル系モノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)。
ニトロ基含有ビニル系モノマー:ニトロスチレン等。
アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダ ゾール、N−ビニルピロ一ル、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、及びこれらの塩等。
アミド基含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等。
ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレ一ト等。
4級アンモニウムカチオン基含有ビニル系モノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)。
ニトロ基含有ビニル系モノマー:ニトロスチレン等。
(7)エポキシ基含有ビニル系モノマー:
グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン類:
ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレー ト[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。
ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ヒニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒトロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2′−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシス チレン等。
ビニルケトン、例えはビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン等。
ビニルスルホン類、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等。
ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレー ト[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。
ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ヒニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒトロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2′−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシス チレン等。
ビニルケトン、例えはビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン等。
ビニルスルホン類、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等。
(9)その他のビニル系モノマー:
イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
(10)フッ素原子元素含有ビニル系モノマー:
4−フルオロスチレン、2,3,5,6−テトラフルオロスチレン、ペンタフルオロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロベンジル(メタ)アクリレート、ペルフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,4H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、ペルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2−ペルフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、トリヒドロペルフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロノルボニルメチル(メタ)アクリレート、1H−ペルフルオロイソボルニル(メタ)アクリレート、2−(N−ブチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチル(メタ)アクリレート、2−(N−エチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチル(メタ)アクリレート、並びにα−フルオロアクリル酸から誘導された対応する化合物、ビス−ヘキサフルオロイソプロピルイタコネート、ビス−ヘキサフルオロイソプロピルマレエート、ビス−ペルフルオロオクチルイタコネート、ビス−ペルフルオロオクチルマレエート、ビス−トリフルオロエチルイタコネート及びビス−トリフルオロエチルマレエート、ビニルヘプタフルオロブチレート、ビニルペルフルオロヘプタノエート、ビニルペルフルオロノナノエート及びビニルペルフルオロオクタノエート等。
4−フルオロスチレン、2,3,5,6−テトラフルオロスチレン、ペンタフルオロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロベンジル(メタ)アクリレート、ペルフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,4H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、ペルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2−ペルフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、トリヒドロペルフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロノルボニルメチル(メタ)アクリレート、1H−ペルフルオロイソボルニル(メタ)アクリレート、2−(N−ブチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチル(メタ)アクリレート、2−(N−エチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチル(メタ)アクリレート、並びにα−フルオロアクリル酸から誘導された対応する化合物、ビス−ヘキサフルオロイソプロピルイタコネート、ビス−ヘキサフルオロイソプロピルマレエート、ビス−ペルフルオロオクチルイタコネート、ビス−ペルフルオロオクチルマレエート、ビス−トリフルオロエチルイタコネート及びビス−トリフルオロエチルマレエート、ビニルヘプタフルオロブチレート、ビニルペルフルオロヘプタノエート、ビニルペルフルオロノナノエート及びビニルペルフルオロオクタノエート等。
<主鎖にウレア結合を有する結晶性樹脂>
また、結着樹脂としては主鎖にウレア結合を有する結晶性樹脂を含むことが好ましい。Solubility Parameter Values(Polymer handbook 4th Ed)によれば、ウレア結合の凝集エネルギーは50,230[J/mol]であり、ウレタン結合の凝集エネルギー(26,370[J/mol])の2倍程度あるため、少量であってもトナーの強靭性や定着時のオフセット耐性向上効果が期待できる。
また、結着樹脂としては主鎖にウレア結合を有する結晶性樹脂を含むことが好ましい。Solubility Parameter Values(Polymer handbook 4th Ed)によれば、ウレア結合の凝集エネルギーは50,230[J/mol]であり、ウレタン結合の凝集エネルギー(26,370[J/mol])の2倍程度あるため、少量であってもトナーの強靭性や定着時のオフセット耐性向上効果が期待できる。
<<<ウレア結合を有する結晶性樹脂>>>
前記結晶性樹脂としては、主鎖にウレア結合を有する結晶性樹脂を含むことが好ましい。Solubility Parameter Values(Polymer handbook 4th Ed)によれば、ウレア結合の凝集エネルギーは50,230[J/mol]であり、ウレタン結合の凝集エネルギー(26,370[J/mol])の2倍程度あるため、少量であってもトナーの強靭性や定着時のオフセット耐性向上効果が期待できる。
前記結晶性樹脂としては、主鎖にウレア結合を有する結晶性樹脂を含むことが好ましい。Solubility Parameter Values(Polymer handbook 4th Ed)によれば、ウレア結合の凝集エネルギーは50,230[J/mol]であり、ウレタン結合の凝集エネルギー(26,370[J/mol])の2倍程度あるため、少量であってもトナーの強靭性や定着時のオフセット耐性向上効果が期待できる。
主鎖にウレア結合を有する樹脂を得るには、ポリイソシアネート化合物と、ポリアミン化合物を反応させる、あるいはポリイソシアネート化合物と水を反応させ、イソシアネートの加水分解によって発生したアミノ基と残りのイソシアネート基を反応させる方法がある。また、主鎖にウレア結合を有する樹脂を得るのにあたり、前述の化合物のほかに、ポリオール化合物も同時に反応させることで樹脂設計の自由度を広げることができる。
前記ウレア結合を有する結晶性樹脂を作製する方法としては、例えば、ポリイソシアネート化合物と、ポリアミン化合物を反応させる方法、あるいはポリイソシアネート化合物と水を反応させ、イソシアネートの加水分解によって発生したアミノ基と残りのイソシアネート基を反応させる方法などが挙げられる。また、前記ウレア結合を有する結晶性樹脂を作製する際に、前述の化合物のほかに、ポリオール化合物も同時に反応させることで樹脂設計の自由度を広げることができる。
−ポリイソシアネート−
前記ポリイソシアネートとしては、前述のようなジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート(以下、低分子量ポリイソシアネートとも記載する)のほか、イソシアネート基を末端や側鎖に有するようなポリマー(以下、プレポリマーとも記載する)を使用してもよい。
プレポリマーの作製方法としては、例えば、低分子量ポリイソシアネートと後述のポリアミン化合物とを、イソシアネート過剰量で反応させて末端にイソシアネート基を有するポリウレアプレポリマーを得る方法、低分子量ポリイソシアネートとポリオール化合物とを、イソシアネート過剰量で反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得る方法などが挙げられる。これらの方法で得られるプレポリマーを単独で使用してもよいし、同じ方法で得られる2種類以上のプレポリマー、あるいは前記2とおりの方法で得られる2種類以上のプレポリマーを併用しても構わないし、さらにはプレポリマーと低分子量ポリイソシアネートを1種類あるいは複数種併用しても構わない。
前記ポリイソシアネートとしては、前述のようなジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート(以下、低分子量ポリイソシアネートとも記載する)のほか、イソシアネート基を末端や側鎖に有するようなポリマー(以下、プレポリマーとも記載する)を使用してもよい。
プレポリマーの作製方法としては、例えば、低分子量ポリイソシアネートと後述のポリアミン化合物とを、イソシアネート過剰量で反応させて末端にイソシアネート基を有するポリウレアプレポリマーを得る方法、低分子量ポリイソシアネートとポリオール化合物とを、イソシアネート過剰量で反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得る方法などが挙げられる。これらの方法で得られるプレポリマーを単独で使用してもよいし、同じ方法で得られる2種類以上のプレポリマー、あるいは前記2とおりの方法で得られる2種類以上のプレポリマーを併用しても構わないし、さらにはプレポリマーと低分子量ポリイソシアネートを1種類あるいは複数種併用しても構わない。
前記ポリイソシアネートの使用比率は、イソシアネート基[NCO]と、ポリアミンのアミノ基[NH2]との当量比[NCO]/[NH2]、あるいはポリオールの水酸基[OH]との当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1.01/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。
[NCO]のモル比が5を超えるとウレタン結合やウレア結合が多くなりすぎ、最終的に得られる樹脂をトナー用の結着樹脂として使用すると溶融状態における弾性率が高すぎ定着性が悪化する可能性があり、[NCO]のモル比が1.01未満では、重合度が高くなり生成するプレポリマーの分子量が大きくなるため、トナーを製造するのにあたり他の材料との混合が困難になる、もしくは溶融状態における弾性率が高すぎ定着性が悪化する可能性があるため好ましくない。
[NCO]のモル比が5を超えるとウレタン結合やウレア結合が多くなりすぎ、最終的に得られる樹脂をトナー用の結着樹脂として使用すると溶融状態における弾性率が高すぎ定着性が悪化する可能性があり、[NCO]のモル比が1.01未満では、重合度が高くなり生成するプレポリマーの分子量が大きくなるため、トナーを製造するのにあたり他の材料との混合が困難になる、もしくは溶融状態における弾性率が高すぎ定着性が悪化する可能性があるため好ましくない。
−ポリアミン−
ポリアミンとしては、前述のようなジアミン、3価以上のポリアミンなどが挙げられる。
ポリアミンとしては、前述のようなジアミン、3価以上のポリアミンなどが挙げられる。
−ポリオール−
ポリオールとしては、前述のようなジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオール(以下、低分子量ポリオールとも記載する)のほか、水酸基を末端や側鎖に有するようなポリマー(以下、高分子量ポリオールとの記載する)を使用してもよい。
高分子量ポリオールの作成方法としては、低分子量ポリイソシアネートと低分子量ポリオールを、水酸基過剰量で反応させて末端に水酸基を有するポリウレタンを得る方法、ポリカルボン酸と低分子量ポリオール化合物とを、水酸基過剰量で反応させて末端に水酸基を有するポリエステルを得る方法が挙げられる。
ポリオールとしては、前述のようなジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオール(以下、低分子量ポリオールとも記載する)のほか、水酸基を末端や側鎖に有するようなポリマー(以下、高分子量ポリオールとの記載する)を使用してもよい。
高分子量ポリオールの作成方法としては、低分子量ポリイソシアネートと低分子量ポリオールを、水酸基過剰量で反応させて末端に水酸基を有するポリウレタンを得る方法、ポリカルボン酸と低分子量ポリオール化合物とを、水酸基過剰量で反応させて末端に水酸基を有するポリエステルを得る方法が挙げられる。
水酸基を末端に有するポリウレタンあるいはポリエステルを調整するためには、低分子量ポリオールと低分子量ポリイソシアネートの比率[OH]/[NCO]、あるいは低分子量ポリオールとポリカルボン酸の比率[OH]/[COOH]は、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
水酸基のモル比が2を超えると重合反応が進まないため所望の高分子量ポリオールが得られず、1.02を下回ると重合度が高くなり得られる高分子量ポリオールの分子量が大きくなりすぎるためトナーを製造するのにあたり他の材料との混合が困難になる、もしくは溶融状態における弾性率が高すぎ定着性が悪化する可能性があるため好ましくない。
水酸基のモル比が2を超えると重合反応が進まないため所望の高分子量ポリオールが得られず、1.02を下回ると重合度が高くなり得られる高分子量ポリオールの分子量が大きくなりすぎるためトナーを製造するのにあたり他の材料との混合が困難になる、もしくは溶融状態における弾性率が高すぎ定着性が悪化する可能性があるため好ましくない。
−ポリカルボン酸−
前記ポリカルボン酸としては前述のジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては前述のジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
得られたウレア結合を有する樹脂が結晶性を有するためには、主鎖に結晶性を有するポリマーユニットを導入すればよい。トナー用の結着樹脂として好適な融点を有するような結晶性ポリマーユニットとしては、上述した結晶性ポリエステルユニット、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸の長鎖アルキルエステルユニット等が挙げられるが、結晶性ポリエステルユニットは末端アルコールのものを簡便に作製することができ、上記のポリオール化合物としてウレア結合を有する樹脂への導入が行いやすいため好ましい。
前記結晶性ポリエステルユニットとしては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニット、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステルユニットが、結晶性発現の観点から好ましい。
前記ジオールとしては、前述のポリオールの中であげられたジオールを使用することができる。その中でも鎖炭素数が2〜36の脂肪族ジオールが好ましく、直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうち、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
前記直鎖型脂肪族ジオールのジオール全体に対する含有量は、80mol%以上が好ましく、90mol%以上がより好ましい。含有量が80mol%以上であると、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性の両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にある点で好ましい。
前記ジカルボン酸としては、前述のポリカルボン酸の中で挙げられたジカルボン酸を使用することができ、これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
前記ジカルボン酸の中でも、前記脂肪族ジカルボン酸(好ましくは、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等)を単独で用いることが特に好ましいが、前記脂肪族ジカルボン酸と共に前記芳香族ジカルボン酸(好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸等;これら芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル類等)が共重合されることが同様に好ましい。前記芳香族ジカルボン酸の共重合量としては、20mol%以下が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、前述のポリカルボン酸の中で挙げられたジカルボン酸を使用することができ、これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
前記ジカルボン酸の中でも、前記脂肪族ジカルボン酸(好ましくは、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等)を単独で用いることが特に好ましいが、前記脂肪族ジカルボン酸と共に前記芳香族ジカルボン酸(好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸等;これら芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル類等)が共重合されることが同様に好ましい。前記芳香族ジカルボン酸の共重合量としては、20mol%以下が好ましい。
[ウレア結合を有する結晶性樹脂のトナーへの導入について]
結着樹脂としてあらかじめウレア結合を形成させた樹脂を使用し、着色剤、離型剤、帯電制御剤など結着樹脂以外のトナー構成材料と混合し、粒子化することでトナーを得ることができるが、ポリイソシアネート化合物と、ポリアミン化合物及び/又は水とを、必要に応じて着色剤、離型剤、帯電制御剤など結着樹脂以外のトナー構成材料と混合することで、ウレア結合を形成させてもよい。特に、ポリイソシアネート化合物としてプレポリマーを使用することで、トナー中に均一に高分子量のウレア結合を有する結晶性樹脂をトナー中に導入でき、トナーの熱特性や帯電性が均一であり定着性とトナーの対ストレス性の両立をしやすいため、好ましい。さらに、プレポリマーとしては、低分子量ポリイソシアネートとポリオール化合物とをイソシアネート過剰量で反応させて得られるプレポリマーが、粘弾性が抑えられるため好ましい。ポリオール化合物としてはポリカルボン酸と低分子量ポリオール化合物とを、水酸基過剰量で反応させて末端に水酸基を有するポリエステルがトナーに適した熱特性を得やすいため好ましい。さらにはポリエステルが結晶性ポリエステルユニットからなる場合、トナー中の高分子量成分がシャープメルトとなり低温定着性に優れたトナーが得られるため好ましい。
また、本発明のトナーが、水系媒体中で造粒することにより得られるものである場合、分散媒の水がポリイソシアネート化合物と反応することで温和な条件でウレア結合を形成させることができる。
結着樹脂としてあらかじめウレア結合を形成させた樹脂を使用し、着色剤、離型剤、帯電制御剤など結着樹脂以外のトナー構成材料と混合し、粒子化することでトナーを得ることができるが、ポリイソシアネート化合物と、ポリアミン化合物及び/又は水とを、必要に応じて着色剤、離型剤、帯電制御剤など結着樹脂以外のトナー構成材料と混合することで、ウレア結合を形成させてもよい。特に、ポリイソシアネート化合物としてプレポリマーを使用することで、トナー中に均一に高分子量のウレア結合を有する結晶性樹脂をトナー中に導入でき、トナーの熱特性や帯電性が均一であり定着性とトナーの対ストレス性の両立をしやすいため、好ましい。さらに、プレポリマーとしては、低分子量ポリイソシアネートとポリオール化合物とをイソシアネート過剰量で反応させて得られるプレポリマーが、粘弾性が抑えられるため好ましい。ポリオール化合物としてはポリカルボン酸と低分子量ポリオール化合物とを、水酸基過剰量で反応させて末端に水酸基を有するポリエステルがトナーに適した熱特性を得やすいため好ましい。さらにはポリエステルが結晶性ポリエステルユニットからなる場合、トナー中の高分子量成分がシャープメルトとなり低温定着性に優れたトナーが得られるため好ましい。
また、本発明のトナーが、水系媒体中で造粒することにより得られるものである場合、分散媒の水がポリイソシアネート化合物と反応することで温和な条件でウレア結合を形成させることができる。
本発明における前記結着樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、異なる重量平均分子量の結着樹脂を併用しても良く、少なくとも第1の結晶性樹脂と、前記第1の結晶性樹脂よりも重量平均分子量Mwが大きい第2の結晶性樹脂を含むことが、優れた低温定着性と耐ホットオフセット性を両立することが出来る点で好ましい。
また、前記第2の結晶性樹脂は、イソシアネート基を有する変性結晶性樹脂である前記結着樹脂前駆体を使用し、活性水素基を有する化合物と反応させることで、樹脂を伸長させてなるものであることが好ましい。この場合、前記結着樹脂前駆体と活性水素基を有する化合物の反応は、トナー製造過程で行われることがより好ましく、重量平均分子量が大きい結晶性樹脂をトナー中に均一に分散することができ、トナー粒子間の特性のバラツキを抑えることができる。
更に、前記第1の結晶性樹脂は、主鎖にウレタン結合及び/又はウレア基結合を有する結晶性樹脂であり、且つ、前記第2の結晶性樹脂は、前記第1の結晶性樹脂を変性した前記結着樹脂前駆体を、活性水素基を有する化合物と反応させ、伸長させてなるものであることが好ましい。前記第1の結晶性樹脂と前記第2の結晶性樹脂の組成構造を近づけることによって、2種の結着樹脂がトナー中でより均一に分散しやすくなり、トナー粒子間の特性のバラツキを更に抑えることができる。
前記結晶性樹脂は、前記結晶性樹脂と非結晶性樹脂を併用してもよく、結着樹脂の主成分が前記結晶性樹脂であることが好ましい。
前記結晶性樹脂は、前記結晶性樹脂と非結晶性樹脂を併用してもよく、結着樹脂の主成分が前記結晶性樹脂であることが好ましい。
[トナーの特性]
本発明のトナーが、低温定着性と耐熱保存性をより高いレベルで両立し、耐ホットオフセット性に優れるものとするために、前記トナーの示差走査熱量計(DSC)により測定される昇温2回目の融解熱の最大ピーク温度が、50℃以上70℃以下の範囲にあり、且つ、昇温2回目の融解熱量が、30J/g以上75J/g以下であることが好ましい。
前記トナーの融解熱の最大ピーク温度は、50℃未満であると、高温環境下でトナーのブロッキングが発生しやすくなり、70℃を超えると、低温定着性が発現し難くなる。また、前記最大ピーク温度は55℃以上68℃以下がより好ましく、58℃以上65℃以下が特に好ましい。
本発明のトナーが、低温定着性と耐熱保存性をより高いレベルで両立し、耐ホットオフセット性に優れるものとするために、前記トナーの示差走査熱量計(DSC)により測定される昇温2回目の融解熱の最大ピーク温度が、50℃以上70℃以下の範囲にあり、且つ、昇温2回目の融解熱量が、30J/g以上75J/g以下であることが好ましい。
前記トナーの融解熱の最大ピーク温度は、50℃未満であると、高温環境下でトナーのブロッキングが発生しやすくなり、70℃を超えると、低温定着性が発現し難くなる。また、前記最大ピーク温度は55℃以上68℃以下がより好ましく、58℃以上65℃以下が特に好ましい。
前記トナーの融解熱量は、30J/g未満であると、トナー中における結晶構造を有する部位が少なくなり、シャープメルト性が低下し、耐熱保存性と低温定着性のバランスが得難くなり、75J/gを超えると、トナーを溶融させて定着するために必要なエネルギーが大きくなり、定着装置によっては定着性が悪化してしまうことがある。また、前記融解熱量は、45J/g以上70J/g以下がより好ましく、50J/g以上60J/g以下が特に好ましい。
トナーの融解熱の最大ピーク温度は、樹脂と同様に、示差走査熱量計(DSC)(例えば、TA−60WS及びDSC−60(島津製作所製))を用いて測定できる。融解熱の最大ピーク温度の測定に供する試料を、20℃から150℃まで昇温速度10℃/分間で昇温し、次いで降温速度10℃/分間で0℃まで冷却 した後、再び昇温速度10℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、吸熱量の最大ピークに対応する温度を、昇温2回目の融解熱の最大ピーク温度とした。また、この時の前記最大ピーク温度を有する吸熱ピークの吸熱量を、昇温2回目の融解熱量とする。
前記トナーの80℃における貯蔵弾性率G'(70)(Pa)は、1.0×104以上5.0×105以下であり、且つ、前記トナーの140℃における貯蔵弾性率G'(160)(Pa)は1.0×103以上5.0×104以下であることが好ましい。
前記貯蔵弾性率G'(70)(Pa)は、1.0×104Pa未満であると、定着画像の連続出力後に、定着画像同士が貼り付くブロッキング現象が発生しやすくなり、5.0×105Paを超えると、低温領域でのトナーの溶融性が低下し、定着画像の光沢が低くなる傾向にある。また、前記貯蔵弾性率G'(70)は、1.0×104Pa以上1.0×105Pa以下がより好ましく、5.0×104Pa以上1.0×105Pa以下が特に好ましい。
前記貯蔵弾性率G'(70)(Pa)は、1.0×104Pa未満であると、定着画像の連続出力後に、定着画像同士が貼り付くブロッキング現象が発生しやすくなり、5.0×105Paを超えると、低温領域でのトナーの溶融性が低下し、定着画像の光沢が低くなる傾向にある。また、前記貯蔵弾性率G'(70)は、1.0×104Pa以上1.0×105Pa以下がより好ましく、5.0×104Pa以上1.0×105Pa以下が特に好ましい。
前記貯蔵弾性率G'(160)(Pa)は、1.0×103Pa未満であると、耐ホットオフセット性が悪化する傾向があり、5.0×104Paを超えると、定着画像の光沢が低くなる傾向にある。また、前記貯蔵弾性率G'(160)は、1.0×103Pa以上1.0×104Pa以下がより好ましく、5.0×103Pa以上1.0×104Pa以下が特に好ましい。
前記トナーの動的粘弾特性値(貯蔵弾性率G'、損失弾性率G")は、動的粘弾性測定装置(例えば、ARES(TAインスツルメント社製))を用いて測定できる。周波数1Hz条件下で測定される。試料を、直径8mm、厚み1mm〜2mmのペレットに成型し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)にて200℃まで昇温速度2.0℃/分間で昇温させて測定した。
[トナー中におけるTHF可溶分のN元素の量]
トナー中におけるTHF可溶分のN元素の量は、0.3〜2.0質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜1.8質量%の範囲にあることがさらに好ましく、0.7〜1.6質量%であることがより好ましい。2.0質量%を超えると、トナーの溶融状態での粘弾性が高くなりすぎることによる定着性の悪化や光沢の低下、帯電性の悪化などが発生する可能性があり、0.3質量%未満であるとトナーの強靭性の低下による画像形成装置内での凝集や部材汚染、トナー溶融状態での粘弾性の低下による高温オフセットの発生の不具合が生じる可能性がある。
トナー中におけるTHF可溶分のN元素の量は、0.3〜2.0質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜1.8質量%の範囲にあることがさらに好ましく、0.7〜1.6質量%であることがより好ましい。2.0質量%を超えると、トナーの溶融状態での粘弾性が高くなりすぎることによる定着性の悪化や光沢の低下、帯電性の悪化などが発生する可能性があり、0.3質量%未満であるとトナーの強靭性の低下による画像形成装置内での凝集や部材汚染、トナー溶融状態での粘弾性の低下による高温オフセットの発生の不具合が生じる可能性がある。
本発明におけるN元素の量は、vario MICRO cube(Elementar社製)を使用し、燃焼炉 950℃、還元炉 550℃、ヘリウム 流量200ml/min、酸素流量25〜30ml/minの条件でCHN同時測定を行い、2回測定した値の平均値とした。なお、本測定方法でN元素の量が0.5質量%未満であった場合は、さらに微量窒素分析装置ND−100型(三菱化学株式会社製)により測定を行った。電気炉温度は(横型反応炉)熱分解部分800℃、触媒部分900℃、測定条件は、メインO2流量300ml/min、O2流量300ml/min、Ar流量400ml/min、感度Lowとし、ピリジン標準液で作成した検量線をともに定量を行った。
なお、トナー中におけるTHF可溶分は、予めトナー5gをソックスレー抽出器に入れ、これを用いて70mLのTHF(テトラヒドロフラン)で20時間抽出を行ったものからTHFを加熱減圧除去することにより得られる。
なお、トナー中におけるTHF可溶分は、予めトナー5gをソックスレー抽出器に入れ、これを用いて70mLのTHF(テトラヒドロフラン)で20時間抽出を行ったものからTHFを加熱減圧除去することにより得られる。
[ウレア結合について]
トナー中におけるTHF可溶分にウレア結合が存在することは、ウレア結合は少量であってもトナーの強靭性や定着時のオフセット耐性向上効果が期待できることから重要である。
トナー中におけるTHF可溶分のウレア結合の存在は、13C−NMRによって行うことができる。
具体的には以下のようにして分析を行った。分析するサンプル2gを、濃度が0.1mol/Lである水酸化カリウムのメタノール溶液200mlに浸し50℃で24hrおいた後、溶液を除去し、残渣物をさらにイオン交換水でpHが中性になるまで洗浄し、残った固体を乾燥した。乾燥後のサンプルを、ジメチルアセトアミド(DMAc)と重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)の混合溶媒(体積比9:1)に、100mg/0.5mlの濃度で加え、70℃で12〜24時間溶解させた後50℃にし、13C−NMR測定を行った。なお、今回の測定周波数は125.77MHz、1H_60°パルスは 5.5μs、基準物質はテトラメチルシラン(TMS)を0.0ppmとした。
トナー中におけるTHF可溶分にウレア結合が存在することは、ウレア結合は少量であってもトナーの強靭性や定着時のオフセット耐性向上効果が期待できることから重要である。
トナー中におけるTHF可溶分のウレア結合の存在は、13C−NMRによって行うことができる。
具体的には以下のようにして分析を行った。分析するサンプル2gを、濃度が0.1mol/Lである水酸化カリウムのメタノール溶液200mlに浸し50℃で24hrおいた後、溶液を除去し、残渣物をさらにイオン交換水でpHが中性になるまで洗浄し、残った固体を乾燥した。乾燥後のサンプルを、ジメチルアセトアミド(DMAc)と重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)の混合溶媒(体積比9:1)に、100mg/0.5mlの濃度で加え、70℃で12〜24時間溶解させた後50℃にし、13C−NMR測定を行った。なお、今回の測定周波数は125.77MHz、1H_60°パルスは 5.5μs、基準物質はテトラメチルシラン(TMS)を0.0ppmとした。
サンプルにおけるウレア結合の存在は、標品となるポリウレアのウレア結合部位のカルボニル炭素に由来するシグナルの化学シフトにシグナルが見られるかどうかで確認を行う。カルボニル炭素の化学シフトは一般に150〜160ppmに見られる。ポリウレアの一例として、4,4′−ジフェニルメタンジイソシア ネート(MDI)と水との反応物であるポリウレアのカルボニル炭素付近の13C−NMRスペクトルを図2に示す。153.27ppmにカルボニル炭素に由来するシグナルが見られる。
[本発明のトナーの体積固有抵抗]
摩擦帯電によってトナーに付与された電荷は現像、転写プロセスにおいては主にトナー表面に保持されている必要がある。そのためにはトナーの体積固有抵抗R[Ω・cm])の常用対数値が10.0〜10.6であることが好ましい。結晶性樹脂がウレタン/ウレア結合を有している場合、これら官能基は電荷をリークさせやすいと考えられるが、結晶性樹脂の機械的強度を高めるためにはこれら官能基で結晶部位を結合させることが望ましく、結果、上記抵抗値の範囲がトナー劣化を起こさず満足な現像転写特性が得られる範囲となる。上記常用対数値が10.0未満であると電荷が接触部材、例えばキャリア、帯電ローラ、感光体上でリークしてしまい潜像に忠実に現像されなくなったり、転写電界で移動できずに未転写トナーが感光体に残存しやすくなる。一方、電荷を保持するためにはある程度高抵抗である必要があるが10.6よりも高いと現像性、転写性は良好となるが、本発明の結晶性樹脂は機械的強度が弱くなり、機械内部の部材との接触、擦れによってトナーが劣化し、凝集したり、変形して満足な画像が得られないことがある。
摩擦帯電によってトナーに付与された電荷は現像、転写プロセスにおいては主にトナー表面に保持されている必要がある。そのためにはトナーの体積固有抵抗R[Ω・cm])の常用対数値が10.0〜10.6であることが好ましい。結晶性樹脂がウレタン/ウレア結合を有している場合、これら官能基は電荷をリークさせやすいと考えられるが、結晶性樹脂の機械的強度を高めるためにはこれら官能基で結晶部位を結合させることが望ましく、結果、上記抵抗値の範囲がトナー劣化を起こさず満足な現像転写特性が得られる範囲となる。上記常用対数値が10.0未満であると電荷が接触部材、例えばキャリア、帯電ローラ、感光体上でリークしてしまい潜像に忠実に現像されなくなったり、転写電界で移動できずに未転写トナーが感光体に残存しやすくなる。一方、電荷を保持するためにはある程度高抵抗である必要があるが10.6よりも高いと現像性、転写性は良好となるが、本発明の結晶性樹脂は機械的強度が弱くなり、機械内部の部材との接触、擦れによってトナーが劣化し、凝集したり、変形して満足な画像が得られないことがある。
なお、電気抵抗はウレタン、ウレア結合の存在量に依存するが、樹脂中の結晶状態にも大きく依存し、結晶性が高いほど抵抗を高くできる。したがって機械的強度を保ったまま電気抵抗を先に述べた範囲に調整するためには、高分子中の結晶部位のサイズを大きくすることが有効である。例えば得られたトナーを適切な条件で加熱処理して結晶成長させたり、本願での製造方法には工程中に加熱工程が含まれるため、その条件、例えば加熱温度、加熱時間を調整する方法などがある。また適切な結晶を成長させる材料(微細な低分子結晶性有機化合物や微細な無機微粒子、金属酸化物、無機塩など)をトナー中にあらかじめ含ませておくことも効果的である。
[本発明のトナーの体積固有抵抗の測定法]
トナーの体積固有抵抗(R[Ω・cm]))の常用対数値LogRの測定は、まず、3gのトナーを40mmφ、約2mm厚のペレット状に成型した測定用サンプルを作成する。(Maekawa testing machine MFG社製、BRE-32型、加圧装置 荷重6Mpa 加圧時間1分間)これをSE−70形固体用電極(安藤電気(株)製)にセットし、そして上記電極間に1kHzの交流を印加したときのLogRをTR−10C形誘電体損測定器、WBG−9発振器、BDA−9平衡点検出器(いずれも安藤電気(株)製)から構成される交流ブリッジ法の測定器によって測定し、これによりトナーのLogRを求める。
トナーの体積固有抵抗(R[Ω・cm]))の常用対数値LogRの測定は、まず、3gのトナーを40mmφ、約2mm厚のペレット状に成型した測定用サンプルを作成する。(Maekawa testing machine MFG社製、BRE-32型、加圧装置 荷重6Mpa 加圧時間1分間)これをSE−70形固体用電極(安藤電気(株)製)にセットし、そして上記電極間に1kHzの交流を印加したときのLogRをTR−10C形誘電体損測定器、WBG−9発振器、BDA−9平衡点検出器(いずれも安藤電気(株)製)から構成される交流ブリッジ法の測定器によって測定し、これによりトナーのLogRを求める。
本発明のトナーの製造方法は、特に限定されないが、溶解懸濁法、乳化凝集法等の公知の湿式造粒法、粉砕法が挙げられる。混練による分子切断や高分子量樹脂と低分子量樹脂の均一混練の難しさから、結着樹脂の混練を伴わない製造方法である、溶解懸濁法、乳化凝集法が好ましく、さらにトナー粒子中の樹脂均一性の観点から溶解懸濁法が特に好ましい。
[溶解懸濁法]
溶解懸濁法によるトナーの製造は次のようにして行う。
先ず、上記の着色剤、結着樹脂、離型剤等のトナー材料を有機溶媒中に分散あるいは溶解させトナー材料液を作り、次にトナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させることにより粒子を得ることができる。
溶解懸濁法によるトナーの製造は次のようにして行う。
先ず、上記の着色剤、結着樹脂、離型剤等のトナー材料を有機溶媒中に分散あるいは溶解させトナー材料液を作り、次にトナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させることにより粒子を得ることができる。
(有機溶媒)
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、酢酸エチルが好ましい。有機溶媒の使用量は、前記トナー材料100部に対し、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、酢酸エチルが好ましい。有機溶媒の使用量は、前記トナー材料100部に対し、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。
(水系媒体)
水系媒体は、水単独でもよいし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000部、好ましくは100〜1000部である。50部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000部を超えると経済的でない。
水系媒体は、水単独でもよいし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000部、好ましくは100〜1000部である。50部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000部を超えると経済的でない。
(界面活性剤、樹脂微粒子)
また、水系媒体中に界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加えるのは、着色剤、ハイブリッド樹脂、離型剤等の分散を良好にするためである。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコー ル脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、水系媒体中に界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加えるのは、着色剤、ハイブリッド樹脂、離型剤等の分散を良好にするためである。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコー ル脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル (C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは3級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
(樹脂微粒子)
樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。例えばビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂が挙げられる。樹脂微粒子の平均粒径は5〜200nm、好ましくは20〜300nmである。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
(分散剤)
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキ シプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキ シプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
(分散の方法)
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常 1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常 1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
(有機溶媒の除去、洗浄、乾燥)
乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添剤として母体粒子に付着させ、トナーを得る。なお、荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添剤として母体粒子に付着させ、トナーを得る。なお、荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
粒径均一性の観点から、本発明のトナーの[体積平均粒径/個数平均粒径]の値は、1.0〜1.4であるのが好ましく、1.0〜1.3であるのがさらに好ましい。トナーの体積平均粒径は、用途により異なるが、一般的には0.1〜16μmが好ましい。上限は、さらに好ましくは11μm、特に好ましくは9μm であり、下限は、さらに好ましくは0.5μm特に好ましくは1μmである。なお、体積平均粒径および個数平均粒径は、マルチサイザーIII(コールター社 製)で同時に測定することができる。
<粒径測定>
着色樹脂粒子の体積平均粒径はコールターカウンター法により行われる。測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII、コールターマルチサイザーIII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、上記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパー チャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径、個数平均粒径を求めることができる。
着色樹脂粒子の体積平均粒径はコールターカウンター法により行われる。測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII、コールターマルチサイザーIII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、上記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパー チャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未 満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未 満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未 満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00〜40.30μm未満の粒子を対象とする。
[乳化凝集法]
乳化凝集法を用いてトナーを製造する方法としては、少なくとも、結着樹脂分散体を、着色剤の分散体、ワックスの分散体等と凝集、融着させることによりトナースラリーを得て、公知の方法に従い、洗浄・濾過により回収し、乾燥することにより単離することができる。
乳化凝集法を用いてトナーを製造する方法としては、少なくとも、結着樹脂分散体を、着色剤の分散体、ワックスの分散体等と凝集、融着させることによりトナースラリーを得て、公知の方法に従い、洗浄・濾過により回収し、乾燥することにより単離することができる。
[粉砕法]
粉砕法を用いてトナーを製造する方法としては、従来公知の手段に従い、少なくとも、結着樹脂、本発明の荷電制御剤及び着色剤からなるトナー組成物を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程を有するトナーの製造方法が挙げられる。なお、機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕又は分級する工程で得られる製品となるトナー以外のものを再利用してもよい。
粉砕法を用いてトナーを製造する方法としては、従来公知の手段に従い、少なくとも、結着樹脂、本発明の荷電制御剤及び着色剤からなるトナー組成物を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程を有するトナーの製造方法が挙げられる。なお、機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕又は分級する工程で得られる製品となるトナー以外のものを再利用してもよい。
機械的に混合する工程は、攪拌羽根を有する混合機等を用いて通常の条件で行えばよく、特に制限されない。この工程が終了したら、混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機やロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。具体的には、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型押出機(東芝機械社製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、PCM型2軸押出機(池貝鉄工所社製)、コニーダー(ブス社製)等が挙げられる。溶融混練は、結着樹脂の分子鎖を切断しないような条件で行う必要がある。溶融混練温度が結着樹脂の軟化点より低過ぎると、分子鎖の切断が起こり、高過ぎると、本発明の荷電制御剤、着色剤等の分散が進まないため、溶融混練温度は、樹脂の軟化点に応じて適宜設定されることが好ましい。
溶融混練する工程が終了したら、混練物を粉砕する。粉砕する工程においては、粗粉砕した後に、微粉砕することが好ましい。このような粉砕方法としては、ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕する方法、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕する方法、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方法が挙げられる。この工程が終了した後に、遠心力等を用いて粉砕物を気流中で分級することにより、所定の粒子径を有するトナーを得ることができる。
また、前記トナーは、特許第4531076号公報に示されるような粒子製造方法、即ち、トナーを構成する材料を液状又は超臨界状態の二酸化炭素に溶解させた後に、この液状又は超臨界状態の二酸化炭素を除去することによりトナー粒子を得る粒子製造方法によっても製造することができる。
―着色剤―
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤から目的に応じて適宜選択することができる。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤から目的に応じて適宜選択することができる。
前記トナーの着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
ブラック用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料等が挙げられる。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、150、163、177、179、184、202、206、207、209、211、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
シアン用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36等が挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、139、151、154、155、180、185;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36等が挙げられる。
トナー中における着色剤の含有量は、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力が低下することがあり、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては、特に制限はないが、本発明における結着樹脂との相溶性の点から、本発明の結着樹脂、又は本発明の結着樹脂と類似した構造の樹脂を用いることが好ましい。
前記マスターバッチは、高せん断力をかけて、樹脂と着色剤を混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒と共に混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水及び有機溶媒を除去する方法である。混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
―離型剤―
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられ る。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられ る。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜100℃が好ましく、60℃〜90℃がより好ましい。前記融点が50℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、100℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(TA−60WS及びDSC−60(島津製作所製))を用いて測定することができる。即ち、まず、離型剤5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度 10℃/minで150℃まで昇温し、その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで降温した後、更に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温 してDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時における融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(TA−60WS及びDSC−60(島津製作所製))を用いて測定することができる。即ち、まず、離型剤5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度 10℃/minで150℃まで昇温し、その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで降温した後、更に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温 してDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時における融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記離型剤の溶融粘度としては、100℃における測定値として、5mPa・sec〜100mPa・secが好ましく、5mPa・sec〜50mPa・secがより好ましく、5mPa・sec〜20mPa・secが特に好ましい。前記溶融粘度が、5mPa・sec未満の場合、離型性が低下することがあり、100mPa・secより大きい場合、耐ホットオフセット性、及び低温での離型性が悪化することがあるため、好ましくない。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜20質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満の場合、耐ホットオフセット性が悪化する傾向にあり、20質量%を超えると耐熱保存性、帯電性、転写性、耐ストレス性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
―帯電制御剤―
また、トナーに適切な帯電能を付与するために、必要に応じて帯電制御剤をトナーに含有させることも可能である。
帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤がいずれも使用可能である。有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、トナーに適切な帯電能を付与するために、必要に応じて帯電制御剤をトナーに含有させることも可能である。
帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤がいずれも使用可能である。有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤の含有量は、結着樹脂の種類、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるものであり、一義的に限定されるものではないが、前記結着樹脂に対し0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.02質量%〜2質量%がより好ましい。前記添加量が、5質量%を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがあり、0.01質量%未満であると、帯電立ち上り性や帯電量が十分でなく、トナー画像に影響を及ぼしやすいことがある。
―外添剤―
本トナーは流動性改質や帯電量調整、電気特性の調整などの目的として各種の外添剤を添加することが出来る。外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
本トナーは流動性改質や帯電量調整、電気特性の調整などの目的として各種の外添剤を添加することが出来る。外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子としては、例えばHDKH2000、HDKH2000/4、HDKH2050EP、HVK21、HDKH1303(いずれも、ヘキスト社製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。前記チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル株式会社製);STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製);TAF−140(富士チタン工業株式会社製);MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。前記疎水化された酸化チタン微粒子としては、例えばT−805(日本アエロジル株式会社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製);MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製);IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子、疎水化されたチタニア微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子は、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。前記疎水化処理剤としては、例えばジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径は、1〜100nmが好ましく、3〜70nmがより好ましい。前記平均粒径が1nm未満であると、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくいことがあり、100nmを超えると、静電潜像担持体表面を不均一に傷つけてしまうことがある。前記外添剤としては、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
前記外添剤の添加量は、前記トナーに対し0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましい。
前記外添剤の添加量は、前記トナーに対し0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましい。
前記外添剤として樹脂微粒子も添加することができる。例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系;熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。このような樹脂微粒子を併用することによってトナーの帯電性が強化でき、逆帯電のトナーを減少させ、地肌汚れを低減することができる。前記樹脂微粒子の添加量は、前記トナーに対し0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤を用いて表面処理すると、トナー粒子表面の疎水性が向上し、高湿度下においても流動特性や帯電特性の低下を抑制することができる。
前記流動性向上剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記流動性向上剤を用いて表面処理すると、トナー粒子表面の疎水性が向上し、高湿度下においても流動特性や帯電特性の低下を抑制することができる。
前記流動性向上剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤をトナーに添加すると、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤が除去されやすくなる。
前記クリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等のソープフリー乳化重合を用いて得られる樹脂粒子などが挙げられる。前記樹脂粒子は、粒度分布が狭いことが好ましく、体積平均粒子径が0.01μm〜1μmであることが好ましい。
前記クリーニング性向上剤をトナーに添加すると、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤が除去されやすくなる。
前記クリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等のソープフリー乳化重合を用いて得られる樹脂粒子などが挙げられる。前記樹脂粒子は、粒度分布が狭いことが好ましく、体積平均粒子径が0.01μm〜1μmであることが好ましい。
−磁性材料−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色の磁性材料が好ましい。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色の磁性材料が好ましい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像剤担持体としての現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
(キャリア)
キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材
と、該芯材を被覆する樹脂層(被覆層)とを有するものが好ましい。
キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材
と、該芯材を被覆する樹脂層(被覆層)とを有するものが好ましい。
―キャリア芯材―
前記芯材としては、磁性を有する粒子であれば特に限定されるものではなく、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル等が好適に挙げられる。また、近年著しく進む環境面への適応性を配慮した場合には、フェライトであれば、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、例えば、マンガンフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、マンガン−ストロンチウムフェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト、リチウム系フェライト等を用いることが好適である。
前記芯材としては、磁性を有する粒子であれば特に限定されるものではなく、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル等が好適に挙げられる。また、近年著しく進む環境面への適応性を配慮した場合には、フェライトであれば、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、例えば、マンガンフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、マンガン−ストロンチウムフェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト、リチウム系フェライト等を用いることが好適である。
―被覆層―
被覆層は、少なくとも結着樹脂を含有しており、必要に応じて無機微粒子等の他の成分を含有していても良い。
被覆層は、少なくとも結着樹脂を含有しており、必要に応じて無機微粒子等の他の成分を含有していても良い。
[結着樹脂]
キャリアの被覆層を形成するための結着樹脂としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択できるが、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)やその変性品、スチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルエーテル等を含む架橋性共重合物;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変性品(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等による変性品);ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;エポキシ樹脂;アイオノマー樹脂;ポリイミド樹脂、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
キャリアの被覆層を形成するための結着樹脂としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択できるが、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)やその変性品、スチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルエーテル等を含む架橋性共重合物;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変性品(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等による変性品);ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;エポキシ樹脂;アイオノマー樹脂;ポリイミド樹脂、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に合わせて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂、およびアルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂が挙げられる。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2405、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)などが挙げられる。また、上記変性シリコーン樹脂の具体例としては、エポキシ変性物:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性物:KR−5203、アルキッド変性物:KR−206、ウレタン変性物:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性物:SR2115、アルキッド変性物:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2405、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)などが挙げられる。また、上記変性シリコーン樹脂の具体例としては、エポキシ変性物:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性物:KR−5203、アルキッド変性物:KR−206、ウレタン変性物:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性物:SR2115、アルキッド変性物:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
なお、前記シリコーン樹脂は、単体で用いることも可能であるが、架橋反応性成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。該架橋反応性成分としては、シランカップリング剤等が挙げられる。該シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、アミノシランカップリング剤等が挙げられる。
[微粒子]
前記被覆層には、必要に応じて微粒子を含有させてもよく、該微粒子としては、特に制限はなく、従来公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粉、酸化錫、酸化亜鉛、シリカ、酸化チタン、アルミナ、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、ホウ酸アルミニウム等の無機微粒子や、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)、ポリピロール、パリレン等の導電性高分子、カーボンブラック等の有機微粒子等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
前記被覆層には、必要に応じて微粒子を含有させてもよく、該微粒子としては、特に制限はなく、従来公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粉、酸化錫、酸化亜鉛、シリカ、酸化チタン、アルミナ、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、ホウ酸アルミニウム等の無機微粒子や、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)、ポリピロール、パリレン等の導電性高分子、カーボンブラック等の有機微粒子等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
前記微粒子は、更に、表面が導電性処理をされていてもよい。このような導電性処理の方法としては、微粒子の表面に、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、銀、又はこれらの合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウム等を固溶体や融着の形態として被覆させる方法等が挙げられる。これらの中でも、酸化スズ、酸化インジウム、スズをドープした酸化インジウムを用いて導電性処理をする方法が好ましい。
前記被覆層のキャリア中での含有率としては5質量%以上が好ましく、更には5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記被覆層の厚さとしては、0.1μm〜5μmであることが好ましく、0.3μm〜2μmであることが更に好ましい。
ここで、被覆層の厚さは、例えば、FIB(集束イオンビーム)でキャリア断面を作成後、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて50点以上のキャリア断面を観察し、求めた膜厚の平均値として算出することができる。
前記被覆層の厚さとしては、0.1μm〜5μmであることが好ましく、0.3μm〜2μmであることが更に好ましい。
ここで、被覆層の厚さは、例えば、FIB(集束イオンビーム)でキャリア断面を作成後、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて50点以上のキャリア断面を観察し、求めた膜厚の平均値として算出することができる。
―キャリア被覆層の形成方法―
キャリアへの被覆層の形成法としては、特に制限はなく、従来公知の被覆層形成方法が使用でき、結着樹脂又は結着樹脂前駆体を始めとする上述の被覆層用の原料を溶解した被覆層溶液を、芯材の表面に噴霧法又は浸漬法等を用いて塗布する方法が挙げられる。芯材表面に被覆層溶液を塗布し、塗布層が形成されたキャリアを加熱することにより、結着樹脂又は結着樹脂前駆体の重合反応を促進させることが好ましい。該加熱処理は、被覆層形成後、引き続きコート装置内で行っても良く、あるいは、被覆層形成後、通常の電気炉や焼成キルン等、別の加熱手段によって行っても良い。
加熱処理温度としては、使用する被覆層の構成材料によって異なるため、一概に決められるものではないが、120℃〜350℃程度が好ましく、被覆層構成材料の分解温度以下であることが特に好ましい。なお、該被覆層構成材料の分解温度としては、220℃程度までの上限温度であることが好ましく、加熱処理時間としては、5分〜120分間程度であることが好ましい。
キャリアへの被覆層の形成法としては、特に制限はなく、従来公知の被覆層形成方法が使用でき、結着樹脂又は結着樹脂前駆体を始めとする上述の被覆層用の原料を溶解した被覆層溶液を、芯材の表面に噴霧法又は浸漬法等を用いて塗布する方法が挙げられる。芯材表面に被覆層溶液を塗布し、塗布層が形成されたキャリアを加熱することにより、結着樹脂又は結着樹脂前駆体の重合反応を促進させることが好ましい。該加熱処理は、被覆層形成後、引き続きコート装置内で行っても良く、あるいは、被覆層形成後、通常の電気炉や焼成キルン等、別の加熱手段によって行っても良い。
加熱処理温度としては、使用する被覆層の構成材料によって異なるため、一概に決められるものではないが、120℃〜350℃程度が好ましく、被覆層構成材料の分解温度以下であることが特に好ましい。なお、該被覆層構成材料の分解温度としては、220℃程度までの上限温度であることが好ましく、加熱処理時間としては、5分〜120分間程度であることが好ましい。
―キャリアの物性―
前記キャリアの体積平均粒径は、10〜100μmの範囲であることが好ましく、20〜65μmの範囲であることがより好ましい。
前記キャリアの体積平均粒径が、10μm未満では前記芯材粒子の均一性が低下することに起因するキャリア付着が発生することがあり好ましくなく、100μmを超える場合には画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないことがあり好ましくない。
前記体積平均粒径の測定方法としては、粒度分布を測定できる機器であれば特に制限はなく、例えば、マイクロトラック粒度分布計:モデルHRA9320―X100(日機装(株)製)を用いて測定することができる。
前記キャリアの体積平均粒径は、10〜100μmの範囲であることが好ましく、20〜65μmの範囲であることがより好ましい。
前記キャリアの体積平均粒径が、10μm未満では前記芯材粒子の均一性が低下することに起因するキャリア付着が発生することがあり好ましくなく、100μmを超える場合には画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないことがあり好ましくない。
前記体積平均粒径の測定方法としては、粒度分布を測定できる機器であれば特に制限はなく、例えば、マイクロトラック粒度分布計:モデルHRA9320―X100(日機装(株)製)を用いて測定することができる。
前記キャリアの体積抵抗率は、9[log(Ω・cm)]以上16[log(Ω・cm)]以下であることが好ましく、10[log(Ω・cm)]以上14[log(Ω・cm)]以下であることがより好ましい。
前記体積抵抗率が9[log(Ω・cm)]未満の場合は非画像部でのキャリア付着が生じて好ましくなく、16[log(Ω・cm)]より大きい場合は現像時、エッジ部における画像濃度が強調される、いわゆるエッジ効果が顕著になり好ましくない。該体積抵抗率は必要に応じて、キャリアの被覆層の膜厚、前記導電性の微粒子の含有量を調整することで、該範囲内で任意に調整可能である。
前記体積抵抗率が9[log(Ω・cm)]未満の場合は非画像部でのキャリア付着が生じて好ましくなく、16[log(Ω・cm)]より大きい場合は現像時、エッジ部における画像濃度が強調される、いわゆるエッジ効果が顕著になり好ましくない。該体積抵抗率は必要に応じて、キャリアの被覆層の膜厚、前記導電性の微粒子の含有量を調整することで、該範囲内で任意に調整可能である。
前記体積抵抗率の測定方法としては、電極間距離0.2cm、表面積2.5cm×4cmの電極1a、電極1bを収容したフッ素樹脂製容器からなるセルに、 キャリアを充填し、落下高さ:1cm、タッピングスピード:30回/min、タッピング回数:10回の条件でタッピングを行う。次に、両電極間に1000Vの直流電圧を印加し、30秒後の抵抗値r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード(株) 製:HighResistanceMeter)により測定し、下記式(3)の通り計算して体積抵抗率R[log(Ω・cm)]を算出することができる。
R=Log[r×(2.5cm×4cm)/0.2cm]・・・・(3)
R=Log[r×(2.5cm×4cm)/0.2cm]・・・・(3)
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、該二成分現像剤におけるトナーとキャリアの混合割合は、キャリアに対するトナーの質量比が2.0〜12.0質量%であることが好ましく、2.5〜10.0質量%であることがより好ましい。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明に用いられる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明に用いられる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
―静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段―
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、等が挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、等が挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
―現像工程及び現像手段―
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、前記現像剤入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、前記現像剤入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器は、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するもの等が好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記現像剤である。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記現像剤である。
―転写工程及び転写手段―
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
―定着工程及び定着手段―
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、各工程は制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、各工程は制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図4に、本発明で用いられる画像形成装置の第一例を示す。画像形成装置100Aは、感光体ドラム10と、帯電ローラ20と、露光装置(不図示)と、現像装置40と、中間転写ベルト50と、クリーニングブレードを有するクリーニング装置60と、除電ランプ70とを備える。
中間転写ベルト50は、内側に配置されている3個のローラ51で張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。3個のローラ51の一部は、中間転写ベルト50に転写バイアス(一次転写バイアス)を印加することが可能な転写バイアスローラとしても機能する。また、中間転写ベルト50の近傍に、クリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。さらに、転写紙95にトナー像を転写するための転写バイアス(二次転写バイアス)を印加することが可能な転写ローラ80が中間転写ベルト50と対向して配置されている。また、中間転写ベルト50の周囲には、中間転写ベルト50に転写されたトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電装置58が、中間転写ベルト50の回転方向に対して、感光体ドラム10と中間転写ベルト50の接触部と、中間転写ベルト50と転写紙95の接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cから構成されている。なお、各色の現像ユニット45は、現像剤収容部42、現像剤供給ローラ43及び現像ローラ44を備える。また、現像ベルト41は、複数のベルトローラで張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。さらに、現像ベルト41の一部が感光体ドラム10と接触している。
次に、画像形成装置100Aを用いて画像を形成する方法について説明する。まず、帯電ローラ20を用いて、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させた後、露光装置(不図示)を用いて、感光ドラム10に露光光Lを露光し、静電潜像を形成する。次に、感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40から供給されたトナーで現像してトナー像を形成する。さらに、感光体ドラム10上に形成されたトナー像が、ローラ51から印加された転写バイアスにより、中間転写ベルト50上に転写(一次転写)された後、転写ローラ80から印加された転写バイアスにより、転写紙95上に転写(二次転写)される。一方、トナー像が中間転写ベルト50に転写された感光体ドラム10は、表面に残留したトナーがクリーニング装置60により除去された後、除電ランプ70により除電される。
図5に、本発明で用いられる画像形成装置の第二例を示す。画像形成装置100Bは、現像ベルト41を設けずに、感光体ドラム10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されている以外は、画像形成装置100Aと同様の構成を有する。
図6に、本発明で用いられる画像形成装置の第三例を示す。画像形成装置100Cは、タンデム型カラー画像形成装置であり、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備える。
複写装置本体150の中央部に設けられている中間転写ベルト50は、3個のローラ14、15及び16に張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。ローラ15の近傍には、トナー像が記録紙に転写された中間転写ベルト50上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードを有するクリーニング装置17が配置されている。ローラ14及び15により張架された中間転写ベルト50に対向すると共に、搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの画像形成ユニット120Y、120C、120M及び120Kが並置されている。また、画像形成ユニット120の近傍には、露光装置21が配置されている。さらに、中間転写ベルト50の画像形成ユニット120が配置されている側とは反対側には、二次転写ベルト24が配置されている。なお、二次転写ベルト24は、一対のローラ23に張架されている無端ベルトであり、二次転写ベルト24上を搬送される記録紙と中間転写ベルト50は、ローラ16と23の間で接触することができる。また、二次転写ベルト24の近傍には、一対のローラに張架されている無端ベルトである定着ベルト26と、定着ベルト26に押圧されて配置された加圧ローラ27とを備える定着装置25が配置されている。なお、二次転写ベルト24及び定着装置25の近傍に、記録紙の両面に画像を形成する場合に、記録紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
複写装置本体150の中央部に設けられている中間転写ベルト50は、3個のローラ14、15及び16に張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。ローラ15の近傍には、トナー像が記録紙に転写された中間転写ベルト50上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードを有するクリーニング装置17が配置されている。ローラ14及び15により張架された中間転写ベルト50に対向すると共に、搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの画像形成ユニット120Y、120C、120M及び120Kが並置されている。また、画像形成ユニット120の近傍には、露光装置21が配置されている。さらに、中間転写ベルト50の画像形成ユニット120が配置されている側とは反対側には、二次転写ベルト24が配置されている。なお、二次転写ベルト24は、一対のローラ23に張架されている無端ベルトであり、二次転写ベルト24上を搬送される記録紙と中間転写ベルト50は、ローラ16と23の間で接触することができる。また、二次転写ベルト24の近傍には、一対のローラに張架されている無端ベルトである定着ベルト26と、定着ベルト26に押圧されて配置された加圧ローラ27とを備える定着装置25が配置されている。なお、二次転写ベルト24及び定着装置25の近傍に、記録紙の両面に画像を形成する場合に、記録紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、画像形成装置100Cを用いて、フルカラー画像を形成する方法について説明する。まず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に、カラー原稿をセットするか、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に、カラー原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした場合は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした場合は、直ちに、スキャナ300が駆動し、光源を備える第1走行体33及びミラーを備える第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33から照射された光の原稿面からの反射光を第2走行体34で反射した後、結像レンズ35を介して、読み取りセンサ36で受光することにより、原稿が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報が得られる。
各色の画像情報は、各色の画像形成ユニット120に伝達され、各色のトナー像が形成される。各色の画像形成ユニット120は、図7に示すように、それぞれ、感光体ドラム10と、感光体ドラム10を一様に帯電させる帯電ローラ160と、各色の画像情報に基づいて、感光体ドラム10に露光光Lを露光し、各色の静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像を各色の現像剤で現像して各色のトナー像を形成する現像装置61と、トナー像を中間転写ベルト50上に転写させるための転写ローラ62と、クリーニングブレードを有するクリーニング装置63と、除電ランプ64とを備える。
各色の画像形成ユニット120で形成された各色のトナー像は、ローラ14、15及び16に張架されて移動する中間転写体50上に順次転写(一次転写)され、重ね合わされて複合トナー像が形成される。
各色の画像形成ユニット120で形成された各色のトナー像は、ローラ14、15及び16に張架されて移動する中間転写体50上に順次転写(一次転写)され、重ね合わされて複合トナー像が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の一つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の一つから記録紙を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
あるいは、給紙ローラを回転して手差しトレイ54上の記録紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録紙の紙粉を除去するためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。次に、中間転写ベルト50上に形成された複合トナー像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させることにより、中間転写ベルト50と二次転写ベルト24との間に記録紙を送出させ、複合トナー像を記録紙上に転写(二次転写)する。なお、複合トナー像を転写した中間転写ベルト50上に残留したトナーは、クリーニング装置17により除去される。
あるいは、給紙ローラを回転して手差しトレイ54上の記録紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録紙の紙粉を除去するためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。次に、中間転写ベルト50上に形成された複合トナー像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させることにより、中間転写ベルト50と二次転写ベルト24との間に記録紙を送出させ、複合トナー像を記録紙上に転写(二次転写)する。なお、複合トナー像を転写した中間転写ベルト50上に残留したトナーは、クリーニング装置17により除去される。
複合トナー像が転写された記録紙は、二次転写ベルト24により搬送された後、定着装置25により複合トナー像が定着される。次に、記録紙は、切換爪55により搬送経路が切り換えられ、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出される。あるいは、記録紙は、切換爪55により搬送経路が切り換えられ、シート反転装置28により反転され、裏面にも同様にして画像が形成された後、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出される。
本発明の画像形成装置では、本発明のトナーを用いることにより、高光沢で高画質な画像を長期にわたって提供することができる。
以下実施例により本発明を更に説明するが、当業者は以下に示す本発明の実施例について適宜変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正は本発明に含まれるものであり、以下の説明はこの発明の好ましい実施形態における例であって、本発明を限定するものではない。
以下、部は質量部を示す。
以下、部は質量部を示す。
(樹脂の製造)
まず、実施例及び比較例で用いた樹脂の製造例を以下に記載する。
[結晶性ポリエステルユニット1の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,6−ヘキサンジオール249部、セバシン酸394部、及びジブチルスズオキシド0.8部を仕込み、常圧下、180℃で6時間反応させた。
次に、10〜15mmHgの減圧下で、4時間反応させて、[結晶性ポリエステルユニット1]を合成した。
得られた[結晶性ポリエステルユニット1]は、数平均分子量が4,000、重量平均分子量が9,100、融点が66℃であった。
まず、実施例及び比較例で用いた樹脂の製造例を以下に記載する。
[結晶性ポリエステルユニット1の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,6−ヘキサンジオール249部、セバシン酸394部、及びジブチルスズオキシド0.8部を仕込み、常圧下、180℃で6時間反応させた。
次に、10〜15mmHgの減圧下で、4時間反応させて、[結晶性ポリエステルユニット1]を合成した。
得られた[結晶性ポリエステルユニット1]は、数平均分子量が4,000、重量平均分子量が9,100、融点が66℃であった。
[結晶性ポリエステルユニット2の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,10−デカンジオール369部、アジピン酸289部、及びジブチルスズオキシド0.8部を仕込み、常圧下、180℃で6時間反応させた。
次に、10〜15mmHgの減圧下で、4時間反応させて、[結晶性ポリエステルユニット2]を合成した。
得られた[結晶性ポリエステルユニット2]は、数平均分子量が4900、重量平均分子量が1,0200、融点が65℃であった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,10−デカンジオール369部、アジピン酸289部、及びジブチルスズオキシド0.8部を仕込み、常圧下、180℃で6時間反応させた。
次に、10〜15mmHgの減圧下で、4時間反応させて、[結晶性ポリエステルユニット2]を合成した。
得られた[結晶性ポリエステルユニット2]は、数平均分子量が4900、重量平均分子量が1,0200、融点が65℃であった。
[結晶性ポリエステルユニット3の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,6−ヘキサンジオール230部、1,4−ブタンジオール23部、セバシン酸390部、及びジブチルスズオキシド0.8部を仕込み、常圧下、180℃で6時間反応させた。
次に、10〜15mmHgの減圧下で、4時間反応させて、[結晶性ポリエステルユニット3]を合成した。
得られた[結晶性ポリエステルユニット3]は、数平均分子量が2,500、重量平均分子量が7,600、融点が57℃であった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,6−ヘキサンジオール230部、1,4−ブタンジオール23部、セバシン酸390部、及びジブチルスズオキシド0.8部を仕込み、常圧下、180℃で6時間反応させた。
次に、10〜15mmHgの減圧下で、4時間反応させて、[結晶性ポリエステルユニット3]を合成した。
得られた[結晶性ポリエステルユニット3]は、数平均分子量が2,500、重量平均分子量が7,600、融点が57℃であった。
[結晶性ポリエステルユニット4の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,10−デカンジオール316部、1−ドコサノール19部、アジピン酸271部、及びジブチルスズオキシド0.8部を仕込み、常圧下、180℃で6時間反応させた。
次に、10〜15mmHgの減圧下で、4時間反応させて、[結晶性ポリエステルユニット4]を合成した。
得られた[結晶性ポリエステルユニット4]は、数平均分子量が4,900、重量平均分子量が24,200、融点が63℃であった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,10−デカンジオール316部、1−ドコサノール19部、アジピン酸271部、及びジブチルスズオキシド0.8部を仕込み、常圧下、180℃で6時間反応させた。
次に、10〜15mmHgの減圧下で、4時間反応させて、[結晶性ポリエステルユニット4]を合成した。
得られた[結晶性ポリエステルユニット4]は、数平均分子量が4,900、重量平均分子量が24,200、融点が63℃であった。
[ポリウレタンプレポリマー1の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物235部、プロピレングリコール10部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート254部、酢酸エチル600部、を仕込み、常圧下、80℃で3時間反応させ、[ポリウレタンプレポリマー1]を合成した。
得られた[ポリウレタンプレポリマー1]は、数平均分子量が2,600、重量平均分子量が5,600であった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物235部、プロピレングリコール10部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート254部、酢酸エチル600部、を仕込み、常圧下、80℃で3時間反応させ、[ポリウレタンプレポリマー1]を合成した。
得られた[ポリウレタンプレポリマー1]は、数平均分子量が2,600、重量平均分子量が5,600であった。
[ポリウレタンプレポリマー2の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物234部、プロピレングリコール7部、イオン交換水2部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート265部、酢酸エチル600部、を仕込み、常圧下、80℃で3時間反応させ、[ポリウレタンウレアプレポリマー2]を合成した。
得られた[ポリウレタンウレアプレポリマー2]は、数平均分子量が2,900、重量平均分子量が6,500であった。
この[ポリウレタンウレアプレポリマー2]はウレア結合を有する。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物234部、プロピレングリコール7部、イオン交換水2部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート265部、酢酸エチル600部、を仕込み、常圧下、80℃で3時間反応させ、[ポリウレタンウレアプレポリマー2]を合成した。
得られた[ポリウレタンウレアプレポリマー2]は、数平均分子量が2,900、重量平均分子量が6,500であった。
この[ポリウレタンウレアプレポリマー2]はウレア結合を有する。
[ポリウレタンプレポリマー3の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物80部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物175部、プロピレングリコール11部、イソホロンジイソシアネート248部、メチルエチルケトン600部、を仕込み、常圧下、80℃で3時間反応させ、[ポリウレタンプレポリマー3]を合成した。
得られた[ポリウレタンプレポリマー3]は、数平均分子量が2,700、重量平均分子量が5,900であった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物80部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物175部、プロピレングリコール11部、イソホロンジイソシアネート248部、メチルエチルケトン600部、を仕込み、常圧下、80℃で3時間反応させ、[ポリウレタンプレポリマー3]を合成した。
得られた[ポリウレタンプレポリマー3]は、数平均分子量が2,700、重量平均分子量が5,900であった。
[樹脂a−1の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステルユニット1]430部、[ポリウレタンプレポリマー1]176部、酢酸エチル400部を仕込み、常圧下、80℃で5時間反応させた後溶媒を除去して、結晶性ポリエステルユニットとポリウレタンプレポリマーユニットからなる[樹脂a−1]を得た。
得られた[樹脂a−1]は、数平均分子量が10,100、重量平均分子量が31,000、窒素原子濃度が1.7質量%、融点は65℃であった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステルユニット1]430部、[ポリウレタンプレポリマー1]176部、酢酸エチル400部を仕込み、常圧下、80℃で5時間反応させた後溶媒を除去して、結晶性ポリエステルユニットとポリウレタンプレポリマーユニットからなる[樹脂a−1]を得た。
得られた[樹脂a−1]は、数平均分子量が10,100、重量平均分子量が31,000、窒素原子濃度が1.7質量%、融点は65℃であった。
[樹脂a−2の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステルユニット2]427部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート15部、メ チルエチルケトン420部を仕込み、常圧下、80℃で5時間反応させた後溶媒を除去して、結晶性ポリエステルユニットが4,4’−ジフェニルメタンジイソ シアネートにより連結されて連結部にウレタン結合を有する[樹脂a−2]を得た。
得られた[樹脂a−2]は、数平均分子量が11,300、重量平均分子量が33,000、窒素原子濃度が0.4質量%、融点は66℃であった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステルユニット2]427部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート15部、メ チルエチルケトン420部を仕込み、常圧下、80℃で5時間反応させた後溶媒を除去して、結晶性ポリエステルユニットが4,4’−ジフェニルメタンジイソ シアネートにより連結されて連結部にウレタン結合を有する[樹脂a−2]を得た。
得られた[樹脂a−2]は、数平均分子量が11,300、重量平均分子量が33,000、窒素原子濃度が0.4質量%、融点は66℃であった。
[樹脂a−3の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステルユニット3]352部、[ポリウレタンプレポリマー1]180部、酢酸エチル420部を仕込み、常圧下、80℃で5時間反応させた後溶媒を除去して、結晶性ポリエステルユニットとポリウレタンプレポリマーユニットからなる[樹脂a−3]を得た。
得られた[樹脂a−3]は、数平均分子量が7,400、重量平均分子量が16,000、窒素原子濃度が2.0質量%、融点は56℃であった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステルユニット3]352部、[ポリウレタンプレポリマー1]180部、酢酸エチル420部を仕込み、常圧下、80℃で5時間反応させた後溶媒を除去して、結晶性ポリエステルユニットとポリウレタンプレポリマーユニットからなる[樹脂a−3]を得た。
得られた[樹脂a−3]は、数平均分子量が7,400、重量平均分子量が16,000、窒素原子濃度が2.0質量%、融点は56℃であった。
[樹脂a−4の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,6−ヘキサンジオール242部、1−ドコサノール14部、アジピン酸33部、セバシン酸374部、及びジブチルスズオキシド0.8部を仕込み、常圧下、180℃で7時間反応させた。
次に、10〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させて、結晶性ポリエステルユニットのみからなる樹脂である[樹脂a−4]を合成した。
得られた[樹脂a−4]は、数平均分子量が5,700、重量平均分子量が42,100、窒素原子濃度が0.1質量%未満、融点が62℃であった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,6−ヘキサンジオール242部、1−ドコサノール14部、アジピン酸33部、セバシン酸374部、及びジブチルスズオキシド0.8部を仕込み、常圧下、180℃で7時間反応させた。
次に、10〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させて、結晶性ポリエステルユニットのみからなる樹脂である[樹脂a−4]を合成した。
得られた[樹脂a−4]は、数平均分子量が5,700、重量平均分子量が42,100、窒素原子濃度が0.1質量%未満、融点が62℃であった。
[樹脂a−5の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステルユニット4]480部、[ポリウレタンプレポリマー3]59部、酢酸エチル531部を仕込み、常圧下、80℃で5時間反応させた後溶媒を除去して、結晶性ポリエステルユニットとポリウレタンプレポリマーユニットからなる[樹脂a−5]を得た。
得られた[樹脂a−5]は、数平均分子量が5,600、重量平均分子量が40,600、窒素原子濃度が0.6質量%、融点は63℃であった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステルユニット4]480部、[ポリウレタンプレポリマー3]59部、酢酸エチル531部を仕込み、常圧下、80℃で5時間反応させた後溶媒を除去して、結晶性ポリエステルユニットとポリウレタンプレポリマーユニットからなる[樹脂a−5]を得た。
得られた[樹脂a−5]は、数平均分子量が5,600、重量平均分子量が40,600、窒素原子濃度が0.6質量%、融点は63℃であった。
[樹脂a−6の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステルユニット4]480部、[ポリウレタンプレポリマー2]61部、酢酸エチル540部を仕込み、常圧下、80℃で5時間反応させた後溶媒を除去して、結晶性ポリエステルユニットとポリウレタンプレポリマーユニットからなる[樹脂a−6]を得た。
得られた[樹脂a−6]は、数平均分子量が5,900、重量平均分子量が41,100、窒素原子濃度が0.6質量%、融点は63℃であった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステルユニット4]480部、[ポリウレタンプレポリマー2]61部、酢酸エチル540部を仕込み、常圧下、80℃で5時間反応させた後溶媒を除去して、結晶性ポリエステルユニットとポリウレタンプレポリマーユニットからなる[樹脂a−6]を得た。
得られた[樹脂a−6]は、数平均分子量が5,900、重量平均分子量が41,100、窒素原子濃度が0.6質量%、融点は63℃であった。
[樹脂b−1の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステルユニット1]389部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート45部、酢酸エチル434部を仕込み、常圧下、80℃で5時間反応させポリエステルプレポリマーである[樹脂b−1]を得た。
なお、[樹脂b−1]は溶媒を含んでおり樹脂固形分は50質量%である。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステルユニット1]389部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート45部、酢酸エチル434部を仕込み、常圧下、80℃で5時間反応させポリエステルプレポリマーである[樹脂b−1]を得た。
なお、[樹脂b−1]は溶媒を含んでおり樹脂固形分は50質量%である。
[樹脂b−2の合成]
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、ポリエステルプレポリマーである[樹脂b−2]を得た。
なお、[樹脂b−2]は溶媒を含んでおり、樹脂固形分は50質量%である。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、ポリエステルプレポリマーである[樹脂b−2]を得た。
なお、[樹脂b−2]は溶媒を含んでおり、樹脂固形分は50質量%である。
[着色剤分散液の製造]
ビーカー内に銅フタロシアニン20部と着色剤分散剤(ソルスパーズ28000;ルーブリゾール社製)4部、および酢酸エチル76部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液1]を得た。[着色剤分散液1]を堀場製作所製粒子径測定装置LA−920で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。
ビーカー内に銅フタロシアニン20部と着色剤分散剤(ソルスパーズ28000;ルーブリゾール社製)4部、および酢酸エチル76部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液1]を得た。[着色剤分散液1]を堀場製作所製粒子径測定装置LA−920で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。
[離型剤分散液1の製造]
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、[サンフラワーワックス(ECOSOLE 日本精鑞製]15部、及び酢酸エチル85部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、さらにウルトラビスコミル(アイメックス株式会社製)にて、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕した。
最後に固形分濃度が15質量%になるように酢酸エチルを追加して調整し、[離型剤分散液1]を得た。
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、[サンフラワーワックス(ECOSOLE 日本精鑞製]15部、及び酢酸エチル85部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、さらにウルトラビスコミル(アイメックス株式会社製)にて、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕した。
最後に固形分濃度が15質量%になるように酢酸エチルを追加して調整し、[離型剤分散液1]を得た。
[実施例1]
ビーカー内に[樹脂a−1]84部、[樹脂b−1]32部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル84部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液1]を得た。
ビーカー内にイオン交換水99部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25質量%水性分散液6部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(三洋化成工業株式会社製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。
ついで50℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[トナー材料液1]75部を投入し2分間撹拌した。
ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、55℃で濃度が0.5質量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、[樹脂粒子の水性樹脂分散体1]を得た。
次いで前洗浄工程として、[樹脂粒子の水性樹脂分散体1]を室温まで冷ました後、濾別し、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。
ビーカー内に[樹脂a−1]84部、[樹脂b−1]32部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル84部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液1]を得た。
ビーカー内にイオン交換水99部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25質量%水性分散液6部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、およびドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(三洋化成工業株式会社製、「エレミノールMON−7」)10部を入れ均一に溶解した。
ついで50℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[トナー材料液1]75部を投入し2分間撹拌した。
ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、55℃で濃度が0.5質量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、[樹脂粒子の水性樹脂分散体1]を得た。
次いで前洗浄工程として、[樹脂粒子の水性樹脂分散体1]を室温まで冷ました後、濾別し、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。
次に、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を3回行い、得られた濾過ケーキに1質量%塩酸300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。最後に得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
得られたケーキを解砕した後40℃にて22時間乾燥を行い、体積平均粒径が5.6μmの[樹脂粒子1]を得た。
得られたケーキを解砕した後40℃にて22時間乾燥を行い、体積平均粒径が5.6μmの[樹脂粒子1]を得た。
得られた[樹脂粒子1]を100部と、外添剤としての疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン株式会社製)1.0部を、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、ト ナー(1−1)を作製した。
得られたトナー(1−1)の積分分子量分布曲線を図3に示す。
得られたトナー(1−1)の積分分子量分布曲線を図3に示す。
[実施例2]
ビーカー内に[樹脂a−1]89部、[樹脂b−1]22部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル89部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液2]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液2]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−2)を作製した。
ビーカー内に[樹脂a−1]89部、[樹脂b−1]22部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル89部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液2]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液2]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−2)を作製した。
[実施例3]
ビーカー内に[樹脂a−1]94部、[樹脂b−1]12部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル94部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液3]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液3]に変更したことを除き実施例1と同様にして(トナー1−3)を作製した。
ビーカー内に[樹脂a−1]94部、[樹脂b−1]12部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル94部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液3]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液3]に変更したことを除き実施例1と同様にして(トナー1−3)を作製した。
[実施例4]
ビーカー内に[樹脂a−1]75部、[樹脂b−1]50部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル75部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液4]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液4]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−4)を作製した。
ビーカー内に[樹脂a−1]75部、[樹脂b−1]50部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル75部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液4]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液4]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−4)を作製した。
[実施例5]
ビーカー内に[樹脂a−2]80部、[樹脂b−1]40部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル80部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液5]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液5]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−5)を作製した。
ビーカー内に[樹脂a−2]80部、[樹脂b−1]40部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル80部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液5]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液5]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−5)を作製した。
[実施例6]
ビーカー内に[樹脂a−3]68部、[樹脂b−1]64部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル68部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液6]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液6]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−6)を作製した。
ビーカー内に[樹脂a−3]68部、[樹脂b−1]64部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル68部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液6]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液6]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−6)を作製した。
[実施例7]
ビーカー内に[樹脂a−4]100部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル100部を入れ、50℃にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液7]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液7]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−7)を作製した。
ビーカー内に[樹脂a−4]100部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル100部を入れ、50℃にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液7]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液7]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−7)を作製した。
[実施例8]
[樹脂a−4]を[樹脂a−5]に変更したことを除き実施例7と同様にしてトナー(1−8)を作製した。
[樹脂a−4]を[樹脂a−5]に変更したことを除き実施例7と同様にしてトナー(1−8)を作製した。
[実施例9]
[樹脂a−4]を[樹脂a−6]に変更したことを除き実施例7と同様にしてトナー(1−9)を作製した。
[樹脂a−4]を[樹脂a−6]に変更したことを除き実施例7と同様にしてトナー(1−9)を作製した。
[実施例10]
ビーカー内に[樹脂a−1]84部、[樹脂b−1]4部、[樹脂b−2]28部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル84部を入れ、50℃にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液10]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液10]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−10)を作製した。
ビーカー内に[樹脂a−1]84部、[樹脂b−1]4部、[樹脂b−2]28部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル84部を入れ、50℃にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液10]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液10]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−10)を作製した。
[実施例11]
[樹脂b−1]を[樹脂b−2]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−11)を作製した。
[樹脂b−1]を[樹脂b−2]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(1−11)を作製した。
[比較例1]
ビーカー内に[樹脂a−1]72部、[樹脂b−1]56部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル72部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液101]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液101]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(101)を作製した。
ビーカー内に[樹脂a−1]72部、[樹脂b−1]56部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル72部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液101]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液101]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(101)を作製した。
[比較例2]
ビーカー内に[樹脂a−1]97部、[樹脂b−1]6部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル97部を入れ、50℃にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液102]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液102]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(102)を作製した。
ビーカー内に[樹脂a−1]97部、[樹脂b−1]6部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル97部を入れ、50℃にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液102]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液102]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(102)を作製した。
[比較例3]
ビーカー内に[樹脂a−3]86部、[樹脂b−1]28部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル86部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液103]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液103]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(103)を作製した。
ビーカー内に[樹脂a−3]86部、[樹脂b−1]28部、[離型剤分散液1]14部、[着色剤分散液1]10部および酢酸エチル86部を入れ、50℃ にて攪拌しながら樹脂を溶解させた後、TK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて[トナー材料液103]を得た。以下、[トナー材料液1]を[トナー材料液103]に変更したことを除き実施例1と同様にしてトナー(103)を作製した。
[評価方法]
実施例及び比較例で得たトナーの定着性及び得られた画像の光沢度を以下の方法で評価した。
<定着性>
薄紙として複写印刷用紙<55>(株式会社リコー製)の縦目(long grain)の用紙(表1中、「55T」と記載)、厚紙として複写印刷用紙<135>(株式会社リコー製)の縦目の用紙(表1中、「135T」と記載)に、50mmの幅のベタ画像をトナー付着量0.85±0.1mg/cm2になるように形成した。定着ローラとして、テフロン(登録 商標)ローラを使用した電子写真方式の複写機(MF−200、株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、定着ベルトの温度を外部制御により120℃に設定しベルトの線速度を300mm/minとして作成した画像を通紙したときの状態において、オフセットの発生の有無を確認した。当然オフセットの発生は印刷品位を著しく損なうものであり好ましくない。
次に、定着後の画像について、株式会社上島製作所製、描画試験器AD−401を使用し、定着画像の着色部分にサファイヤ針(半径125μm)、針回転直 径8mm、荷重1gの条件で当接した状態で走行させた後、ウエスで走行した領域を5回こすったときの画像状態について以下の観点で評価を行った。
評価基準
◎ : 画像の欠損は全くなし
○ : こするとわずかに引っかき跡の画像欠損が生じる
△ : こすると明らかに引っかき跡の画像欠損が生じる
× : こすると引っかいた場所だけでなくそれ以外の画像も剥がれる
実施例及び比較例で得たトナーの定着性及び得られた画像の光沢度を以下の方法で評価した。
<定着性>
薄紙として複写印刷用紙<55>(株式会社リコー製)の縦目(long grain)の用紙(表1中、「55T」と記載)、厚紙として複写印刷用紙<135>(株式会社リコー製)の縦目の用紙(表1中、「135T」と記載)に、50mmの幅のベタ画像をトナー付着量0.85±0.1mg/cm2になるように形成した。定着ローラとして、テフロン(登録 商標)ローラを使用した電子写真方式の複写機(MF−200、株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、定着ベルトの温度を外部制御により120℃に設定しベルトの線速度を300mm/minとして作成した画像を通紙したときの状態において、オフセットの発生の有無を確認した。当然オフセットの発生は印刷品位を著しく損なうものであり好ましくない。
次に、定着後の画像について、株式会社上島製作所製、描画試験器AD−401を使用し、定着画像の着色部分にサファイヤ針(半径125μm)、針回転直 径8mm、荷重1gの条件で当接した状態で走行させた後、ウエスで走行した領域を5回こすったときの画像状態について以下の観点で評価を行った。
評価基準
◎ : 画像の欠損は全くなし
○ : こするとわずかに引っかき跡の画像欠損が生じる
△ : こすると明らかに引っかき跡の画像欠損が生じる
× : こすると引っかいた場所だけでなくそれ以外の画像も剥がれる
[光沢度]
画像の60度光沢の測定を光沢計(VG−700、日本電色工業株式会社製)にて行った。光沢度としては5以上あるのが好ましく、10以上あるとさらに好ましい。さらに、薄紙と厚紙の光沢度の差(表1中、「差」と記載)は小さいほどよく、4未満、さらには2未満がよい。差が大きい場合、薄紙上と厚紙上で画像の違いが顕著になり異なる印象を与える画像になるため好ましくなく、別途定着温度や定着速度を変更して画像光沢を制御する必要が発生する。
以上の評価結果を表1に示す。
画像の60度光沢の測定を光沢計(VG−700、日本電色工業株式会社製)にて行った。光沢度としては5以上あるのが好ましく、10以上あるとさらに好ましい。さらに、薄紙と厚紙の光沢度の差(表1中、「差」と記載)は小さいほどよく、4未満、さらには2未満がよい。差が大きい場合、薄紙上と厚紙上で画像の違いが顕著になり異なる印象を与える画像になるため好ましくなく、別途定着温度や定着速度を変更して画像光沢を制御する必要が発生する。
以上の評価結果を表1に示す。
(製造例1)
<結晶性ポリウレタン樹脂A−1の製造>
撹拌機及び温度計をセットした反応容器に、1,4−ブタンジオール45部(0.50mol)、1,6−ヘキサンジオール59部(0.50mol)、及びメチルエチルケトン(以下、MEKと記載する。)200部を入れた。この溶液に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)250部 (1.00mol)を入れ、80℃で5時間反応した後、溶媒を除去して[結晶性ポリウレタン樹脂A−1]を得た。得られた[結晶性ポリウレタン樹脂A−1]は、Mw20000、融点60℃であった。
<結晶性ポリウレタン樹脂A−1の製造>
撹拌機及び温度計をセットした反応容器に、1,4−ブタンジオール45部(0.50mol)、1,6−ヘキサンジオール59部(0.50mol)、及びメチルエチルケトン(以下、MEKと記載する。)200部を入れた。この溶液に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)250部 (1.00mol)を入れ、80℃で5時間反応した後、溶媒を除去して[結晶性ポリウレタン樹脂A−1]を得た。得られた[結晶性ポリウレタン樹脂A−1]は、Mw20000、融点60℃であった。
(製造例2)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、アジピン酸15部(0.10mol)、1,6−ヘキサンジオール177部(1.50mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ12,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−2]を得た。得られた[結晶性ポリエス テル樹脂A’−2]は、Mw12,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−2]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル350部、4,4’−ジフェ ニルメタンジイソシアネート(MDI)30部(0.12mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]は、Mw22,000、融点62℃であっ た。
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、アジピン酸15部(0.10mol)、1,6−ヘキサンジオール177部(1.50mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ12,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−2]を得た。得られた[結晶性ポリエス テル樹脂A’−2]は、Mw12,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−2]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル350部、4,4’−ジフェ ニルメタンジイソシアネート(MDI)30部(0.12mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]は、Mw22,000、融点62℃であっ た。
(製造例3)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール189部(1.60mol)、及び縮合触媒としてジブチル錫オキサイド0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に 昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ6,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−3]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−3]は、Mw6,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−3]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300部、4,4’−ジフェ ニルメタンジイソシアネート(MDI)38部(0.15mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3]は、Mw10,000、融点64℃であっ た。
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール189部(1.60mol)、及び縮合触媒としてジブチル錫オキサイド0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に 昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ6,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−3]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−3]は、Mw6,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−3]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300部、4,4’−ジフェ ニルメタンジイソシアネート(MDI)38部(0.15mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3]は、Mw10,000、融点64℃であっ た。
(製造例4)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−4の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸185部(0.91mol)、アジピン酸13部(0.09mol)、1,4−ブタンジオール106部(1.18mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃ で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ14,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−4]を得 た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−4]は、Mw14,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−4]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250部、ヘキサメチレンジ イソシアネート(HDI)12部(0.07mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−4]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−4]は、Mw39,000、融点63℃であった。
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−4の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸185部(0.91mol)、アジピン酸13部(0.09mol)、1,4−ブタンジオール106部(1.18mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃ で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ14,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−4]を得 た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−4]は、Mw14,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−4]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250部、ヘキサメチレンジ イソシアネート(HDI)12部(0.07mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−4]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−4]は、Mw39,000、融点63℃であった。
(製造例5)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−5の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸166部(0.82mol)、アジピン酸26部(0.18mol)、1,4−ブタンジオール131部(1.45mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃ で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ8,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−5]を得た。 得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−5]は、Mw8,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−5]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250部、4,4’−ジフェ ニルメタンジイソシアネート(MDI)33部(0.13mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−5]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−5]は、Mw17,000、融点54℃であっ た。
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−5の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸166部(0.82mol)、アジピン酸26部(0.18mol)、1,4−ブタンジオール131部(1.45mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃ で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ8,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−5]を得た。 得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−5]は、Mw8,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−5]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250部、4,4’−ジフェ ニルメタンジイソシアネート(MDI)33部(0.13mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−5]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−5]は、Mw17,000、融点54℃であっ た。
(製造例6)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−6の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、アジピン酸18部(0.12mol)、1,6−ヘキサンジオール139部(1.18mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ18,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−6]を得た。得られた[結晶性ポリエス テル樹脂A’−6]は、Mw18,000であった。
続いて、得られた結晶性ポリエステル樹脂A’−6を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250部、4,4’−ジフェニル メタンジイソシアネート(MDI)15部(0.06mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−6]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−6]は、Mw42,000、融点62℃であった。
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−6の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、アジピン酸18部(0.12mol)、1,6−ヘキサンジオール139部(1.18mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ18,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−6]を得た。得られた[結晶性ポリエス テル樹脂A’−6]は、Mw18,000であった。
続いて、得られた結晶性ポリエステル樹脂A’−6を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250部、4,4’−ジフェニル メタンジイソシアネート(MDI)15部(0.06mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−6]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−6]は、Mw42,000、融点62℃であった。
(製造例7)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−7の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール149部(1.26mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで 徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ9,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−7]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−7]は、Mw9,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−7]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250部、4,4’−ジフェ ニルメタンジイソシアネート(MDI)28部(0.11mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−7]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−7]は、Mw30,000、融点67℃であっ た。
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−7の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール149部(1.26mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで 徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ9,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−7]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−7]は、Mw9,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−7]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250部、4,4’−ジフェ ニルメタンジイソシアネート(MDI)28部(0.11mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−7]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−7]は、Mw30,000、融点67℃であっ た。
(製造例8)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−8の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール191部(1.62mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで 徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ4,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−8]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−8]は、Mw4,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−8]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300部、4,4’−ジフェ ニルメタンジイソシアネート(MDI)35部(0.14mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−8]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−8]は、Mw8,500、融点64℃であった。
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−8の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール191部(1.62mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで 徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ4,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−8]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−8]は、Mw4,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−8]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300部、4,4’−ジフェ ニルメタンジイソシアネート(MDI)35部(0.14mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−8]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−8]は、Mw8,500、融点64℃であった。
(製造例9)
<結晶性ポリウレア樹脂A−9の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、1,4−ブタンジアミン123部(1.40mol)、1,6−ヘキサンジアミン212部(1.82mol)、メチルエチルケトン(MEK)100部を入れて攪拌した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)336部(2.00mol)を加え、窒素気流下にて60℃で5時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[結晶性ポリウレア樹脂A−9]を得た。得られた[結晶性ポリウレア樹脂A−9]は、Mwが23,000、融点64℃であった。
<結晶性ポリウレア樹脂A−9の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、1,4−ブタンジアミン123部(1.40mol)、1,6−ヘキサンジアミン212部(1.82mol)、メチルエチルケトン(MEK)100部を入れて攪拌した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)336部(2.00mol)を加え、窒素気流下にて60℃で5時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[結晶性ポリウレア樹脂A−9]を得た。得られた[結晶性ポリウレア樹脂A−9]は、Mwが23,000、融点64℃であった。
(製造例10)
<結晶性ポリエステル樹脂A−10の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸185部(0.91mol)、アジピン酸13部(0.09mol)、1,4−ブタンジオール125部(1.39mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃ で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ10,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A−10]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A−10]は、Mw9,500、融点57℃であった。
<結晶性ポリエステル樹脂A−10の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸185部(0.91mol)、アジピン酸13部(0.09mol)、1,4−ブタンジオール125部(1.39mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃ で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ10,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A−10]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A−10]は、Mw9,500、融点57℃であった。
(製造例11)
<結晶性ポリエステル樹脂A−11の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール130部(1.10mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで 徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ30,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A−11]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A−11]は、Mw27,000、融点62℃であった。
<結晶性ポリエステル樹脂A−11の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール130部(1.10mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで 徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ30,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A−11]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A−11]は、Mw27,000、融点62℃であった。
(製造例12)
<結晶性部と非晶性部からなるブロック樹脂A−12の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール25部(0.33mol)、メチルエチルケトン(MEK)170部を入れて攪拌した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)147部(0.59mol)を加え、80℃で5時間反応させて末端にイソシアネート基を有する[非晶性部c−1]のMEK溶液を得た。
別途、冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール160部(1.35mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ9,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−12]を得た。得られた[結晶性ポリエス テル樹脂A’−12]は、Mw8,500、融点63℃であった。
次いで、[非晶性部c−1]のMEK溶液340部に、結晶性部として、[結晶性ポリエステル樹脂A’−12]320部をMEK320部に溶解させた溶液 を加えて、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[ブロック樹脂A−12]を得た。得られた[ブロック樹脂A−12]は、Mw26,000、融点62℃であった。
<結晶性部と非晶性部からなるブロック樹脂A−12の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール25部(0.33mol)、メチルエチルケトン(MEK)170部を入れて攪拌した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)147部(0.59mol)を加え、80℃で5時間反応させて末端にイソシアネート基を有する[非晶性部c−1]のMEK溶液を得た。
別途、冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール160部(1.35mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ9,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−12]を得た。得られた[結晶性ポリエス テル樹脂A’−12]は、Mw8,500、融点63℃であった。
次いで、[非晶性部c−1]のMEK溶液340部に、結晶性部として、[結晶性ポリエステル樹脂A’−12]320部をMEK320部に溶解させた溶液 を加えて、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[ブロック樹脂A−12]を得た。得られた[ブロック樹脂A−12]は、Mw26,000、融点62℃であった。
(製造例13)
<結晶性部と非晶性部からなるブロック樹脂A−13の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール39部(0.51mol)、メチルエチルケトン(MEK)270部を入れて攪拌した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)228部(0.91mol)を加え、80℃で5時間反応させて末端にイソシアネート基を有する[非晶性部c−2]のMEK溶液を得た。
別途、冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール160部(1.35mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ8,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−13]を得た。得られた[結晶性ポリエス テル樹脂A’−13]は、Mw7,500、融点62℃であった。
次いで、[非晶性部c−2]のMEK溶液540部に、結晶性部として、[結晶性ポリエステル樹脂A’−12]320部をMEK320部に溶解させた溶液 を加えて、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[ブロック樹脂A−13]を得た。得られた[ブロック樹脂A−13]は、Mw23,000、融点61℃であった。
<結晶性部と非晶性部からなるブロック樹脂A−13の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール39部(0.51mol)、メチルエチルケトン(MEK)270部を入れて攪拌した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)228部(0.91mol)を加え、80℃で5時間反応させて末端にイソシアネート基を有する[非晶性部c−2]のMEK溶液を得た。
別途、冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール160部(1.35mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ8,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−13]を得た。得られた[結晶性ポリエス テル樹脂A’−13]は、Mw7,500、融点62℃であった。
次いで、[非晶性部c−2]のMEK溶液540部に、結晶性部として、[結晶性ポリエステル樹脂A’−12]320部をMEK320部に溶解させた溶液 を加えて、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[ブロック樹脂A−13]を得た。得られた[ブロック樹脂A−13]は、Mw23,000、融点61℃であった。
(製造例14)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸113部(0.56mol)、テレフタル酸ジメチル109部(0.56mol)、1,6−ヘキサンジオール132部(1.12mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水、メタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ35,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂B’−1]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’−1]は、Mw34,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’−1]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル200部、ヘキサメチレンジ イソシアネート(HDI)10部(0.06mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1]は、Mw63,000、融点65℃であった。
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸113部(0.56mol)、テレフタル酸ジメチル109部(0.56mol)、1,6−ヘキサンジオール132部(1.12mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水、メタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ35,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂B’−1]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’−1]は、Mw34,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’−1]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル200部、ヘキサメチレンジ イソシアネート(HDI)10部(0.06mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1]は、Mw63,000、融点65℃であった。
(製造例15)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸204部(1.01mol)、アジピン酸13部(0.09mol)、1,6−ヘキサンジオール136部(1.15mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ20,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂B’−2]を得た。得られた[結晶性ポリエス テル樹脂B’−2]は、Mw20,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’−2]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル200部、4,4’−ジフェ ニルメタンジイソシアネート(MDI)15部(0.06mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2]は、Mw39,000、融点63℃であっ た。
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸204部(1.01mol)、アジピン酸13部(0.09mol)、1,6−ヘキサンジオール136部(1.15mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ20,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂B’−2]を得た。得られた[結晶性ポリエス テル樹脂B’−2]は、Mw20,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’−2]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル200部、4,4’−ジフェ ニルメタンジイソシアネート(MDI)15部(0.06mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2]は、Mw39,000、融点63℃であっ た。
(製造例16)
<結晶性ポリウレア樹脂B−3の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、1,4−ブタンジアミン79部(0.90mol)、1,6−ヘキサンジアミン116部(1.00mol)、メチルエチルケトン(MEK)600部を入れて攪拌した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)475部 (1.90mol)を加え、窒素気流下にて60℃で5時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[結晶性ポリウレア樹脂B−3]を得た。得られた[結晶性ポリウレア樹脂B−3]は、Mwが57,000、融点66℃であった。
<結晶性ポリウレア樹脂B−3の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、1,4−ブタンジアミン79部(0.90mol)、1,6−ヘキサンジアミン116部(1.00mol)、メチルエチルケトン(MEK)600部を入れて攪拌した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)475部 (1.90mol)を加え、窒素気流下にて60℃で5時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[結晶性ポリウレア樹脂B−3]を得た。得られた[結晶性ポリウレア樹脂B−3]は、Mwが57,000、融点66℃であった。
(製造例17)
<結晶性ポリエステル樹脂B−4の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、ドデカン二酸230部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール118部(1.00mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで 徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ50,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂B−4]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂B−4]は、Mw52,000、融点66℃であった。
<結晶性ポリエステル樹脂B−4の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、ドデカン二酸230部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール118部(1.00mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで 徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ50,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂B−4]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂B−4]は、Mw52,000、融点66℃であった。
(製造例18)
<結晶性樹脂前駆体B’−5の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール122部(1.03mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ25,000に達するまで反応を行った。
得られた[結晶性樹脂]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)27部(0.16mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[結晶性樹脂前駆体B’−5]の50質量%酢酸エ チル溶液を得た。得られた[結晶性樹脂前駆体B’−5]の酢酸エチル溶液10部をテトラヒドロフラン(THF)10部と混合し、これにジブチルアミン1部 を添加して、2時間撹拌させた。得られた溶液を試料としてGPC測定を行った結果、[結晶性樹脂前駆体B’−5]のMwは54,000であった。また、前 記溶液から溶媒を除去して得られた試料についてDSC測定を行った結果、[結晶性樹脂前駆体B’−5]の融点は57℃であった。
<結晶性樹脂前駆体B’−5の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール122部(1.03mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ25,000に達するまで反応を行った。
得られた[結晶性樹脂]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)27部(0.16mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[結晶性樹脂前駆体B’−5]の50質量%酢酸エ チル溶液を得た。得られた[結晶性樹脂前駆体B’−5]の酢酸エチル溶液10部をテトラヒドロフラン(THF)10部と混合し、これにジブチルアミン1部 を添加して、2時間撹拌させた。得られた溶液を試料としてGPC測定を行った結果、[結晶性樹脂前駆体B’−5]のMwは54,000であった。また、前 記溶液から溶媒を除去して得られた試料についてDSC測定を行った結果、[結晶性樹脂前駆体B’−5]の融点は57℃であった。
以上、結晶性樹脂の製造に使用した原材料、及び結晶性樹脂の物性について、表2〜表4にまとめて示した。なお、表2〜4中、各製造例の各成分において、左カラムの数値は「部」を示し、右カラムの数値は「mol」を示し、触媒における数値は「部」を示す。
(製造例19)
<非結晶性樹脂C−1の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物222部、ビスフェノールA PO2mol付加物129部、イソフタル酸166部、及びテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下にて反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸35部を加え、常圧で3時間反応させ、[非結晶性樹脂C−1]を得た。得られた[非結晶性樹脂C−1]は、Mw8,000、Tg62℃であった。
<非結晶性樹脂C−1の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物222部、ビスフェノールA PO2mol付加物129部、イソフタル酸166部、及びテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下にて反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸35部を加え、常圧で3時間反応させ、[非結晶性樹脂C−1]を得た。得られた[非結晶性樹脂C−1]は、Mw8,000、Tg62℃であった。
(製造例20)
<非結晶性樹脂前駆体C’−2の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物720部、ビスフェノールA PO2mol付加物90部、テレフタル酸290部、及びテトラブトキシチタネート1部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、10〜15mmHgの減圧下にて7時間反応させ、[非結晶性樹脂]を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、得られた[非結晶性樹脂]400部、イソホロンジイソシアネート95部、酢酸エチル500部を入れ、窒素気流下にて80℃で8時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[非結晶性樹脂前駆体C’−2]の50質量%酢酸エチル溶液を得た。
<非結晶性樹脂前駆体C’−2の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物720部、ビスフェノールA PO2mol付加物90部、テレフタル酸290部、及びテトラブトキシチタネート1部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、10〜15mmHgの減圧下にて7時間反応させ、[非結晶性樹脂]を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、得られた[非結晶性樹脂]400部、イソホロンジイソシアネート95部、酢酸エチル500部を入れ、窒素気流下にて80℃で8時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[非結晶性樹脂前駆体C’−2]の50質量%酢酸エチル溶液を得た。
[実施例12〜24、比較例4〜7]
<トナーの製造>
―グラフト重合体の製造―
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、キシレン480部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業株式会社製、サンワックスLEL−400;軟化点128℃)100部を入れて充分溶解し、窒素置換した後、スチレン740部、アクリロニトリル100部、アクリル酸ブチル60部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート36部、及びキシレン100部の混合溶液を170℃で3時間滴下して重合し、更にこの温度で30分間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[グラフト重合体]を合成した。得られた[グラフト重合体]はMw24,000、Tg67℃であった。
<トナーの製造>
―グラフト重合体の製造―
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、キシレン480部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業株式会社製、サンワックスLEL−400;軟化点128℃)100部を入れて充分溶解し、窒素置換した後、スチレン740部、アクリロニトリル100部、アクリル酸ブチル60部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート36部、及びキシレン100部の混合溶液を170℃で3時間滴下して重合し、更にこの温度で30分間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[グラフト重合体]を合成した。得られた[グラフト重合体]はMw24,000、Tg67℃であった。
―離型剤分散液(1)の調製―
撹拌棒及び温度計をセットした容器にパラフィンワックス(日本精鑞株式会社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)50部、[グラフト重合体]30部、及び酢酸エチル420部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[離型剤分散液(1)]を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした容器にパラフィンワックス(日本精鑞株式会社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)50部、[グラフト重合体]30部、及び酢酸エチル420部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[離型剤分散液(1)]を得た。
―マスターバッチ(1)〜(14)の作製―
・結晶性ポリウレタン樹脂A−1 100部
・カーボンブラック(Printex35、エボニックデグサ社製) 100部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・イオン交換水 50部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて混練した。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却していった。得られた混練物をパルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチ(1)]を作製した。
表5に従って、結着樹脂の種類を結晶性ポリウレタン樹脂A−1から代えたこと以外は[マスターバッチ(1)]と同様にして[マスターバッチ(2)]〜[マスターバッチ(14)]を作製した。
・結晶性ポリウレタン樹脂A−1 100部
・カーボンブラック(Printex35、エボニックデグサ社製) 100部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・イオン交換水 50部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて混練した。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却していった。得られた混練物をパルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチ(1)]を作製した。
表5に従って、結着樹脂の種類を結晶性ポリウレタン樹脂A−1から代えたこと以外は[マスターバッチ(1)]と同様にして[マスターバッチ(2)]〜[マスターバッチ(14)]を作製した。
―油相(1)〜(3)、(5)、(7)〜(10)、(14)〜(17)及び(21)の作製―
温度計および撹拌機を備えた容器に、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]31.5部を入れ、固形分濃度が50質量%となる量の酢酸エチルを加えて、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させた。これに、[非結晶性樹脂C−1]の50質量%酢酸エチル溶液100部、[離型剤分散液(1)]60部、[マスターバッチ(2)]12部を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)で回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相(1’)]を得た。なお、[油相(1’)]の温度は容器内にて50℃に保つようにし、結晶化しないように作製から5時間以内に使用した。
次いで、後述するトナー母体の作製直前に、前記50℃に保たれた[油相(1’)]235部に[結晶性樹脂前駆体B’−5]の酢酸エチル溶液25部を添加し、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相(1)]を調製した。
油相(2)、(3)、(5)、(7)〜(10)、(14)〜(17)及び(21)についても、結晶性樹脂Aの種類・添加量、結晶性樹脂Bの種類・添加量、非結晶性樹脂Cの添加量、及びマスターバッチの種類を、表6に従って変更した以外は、油相(1)と同様に作製した。なお、表6中の[結晶性樹脂前駆体B’−5]、及び[非結晶性樹脂前駆体C’−2]については、[油相(1)]の調整における[結晶性樹脂前駆体B’−5]と同様に、トナー母体の作製 直前に添加し、各油相を調整した。
温度計および撹拌機を備えた容器に、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]31.5部を入れ、固形分濃度が50質量%となる量の酢酸エチルを加えて、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させた。これに、[非結晶性樹脂C−1]の50質量%酢酸エチル溶液100部、[離型剤分散液(1)]60部、[マスターバッチ(2)]12部を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)で回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相(1’)]を得た。なお、[油相(1’)]の温度は容器内にて50℃に保つようにし、結晶化しないように作製から5時間以内に使用した。
次いで、後述するトナー母体の作製直前に、前記50℃に保たれた[油相(1’)]235部に[結晶性樹脂前駆体B’−5]の酢酸エチル溶液25部を添加し、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相(1)]を調製した。
油相(2)、(3)、(5)、(7)〜(10)、(14)〜(17)及び(21)についても、結晶性樹脂Aの種類・添加量、結晶性樹脂Bの種類・添加量、非結晶性樹脂Cの添加量、及びマスターバッチの種類を、表6に従って変更した以外は、油相(1)と同様に作製した。なお、表6中の[結晶性樹脂前駆体B’−5]、及び[非結晶性樹脂前駆体C’−2]については、[油相(1)]の調整における[結晶性樹脂前駆体B’−5]と同様に、トナー母体の作製 直前に添加し、各油相を調整した。
―樹脂微粒子の水分散液の製造―
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業株式会社製)10部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で20分間攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、6時間反応させた。更に1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃ で6時間熟成して[樹脂微粒子の水分散液]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液]中に含まれる粒子の体積平均粒径は80nmであり、樹脂分の重量平均分子量は160,000、Tgは74℃であった。
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業株式会社製)10部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で20分間攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、6時間反応させた。更に1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃ で6時間熟成して[樹脂微粒子の水分散液]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液]中に含まれる粒子の体積平均粒径は80nmであり、樹脂分の重量平均分子量は160,000、Tgは74℃であった。
―水相(1)の調製―
水990部、[樹脂微粒子の水分散液]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、[水相(1)]を得た。
水990部、[樹脂微粒子の水分散液]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、[水相(1)]を得た。
―トナー母体(1)〜(3)、(5)、(7)〜(10)、(14)〜(17)及び(21)の作製―
撹拌機および温度計をセットした別の容器内に、[水相(1)]520部を入れて40℃まで加熱した。40〜50℃に保持したままの前記[水相(1)]をTK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相(1)]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー1]を得た。
次いで、撹拌機および温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、60℃で6時間脱溶剤して、[スラリー1]を得た。得られた[スラリー1]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10質量%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ(1)を得た。
得られた濾過ケーキ(1)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体(1)を作製した。
同様に、油相(2)、(3)、(5)、(7)〜(10)、(14)〜(17)及び(21)をそれぞれ用いて、トナー母体(2)、(3)、(5)、(7)〜(10)、(14)〜(17)及び(21)を作製した。
撹拌機および温度計をセットした別の容器内に、[水相(1)]520部を入れて40℃まで加熱した。40〜50℃に保持したままの前記[水相(1)]をTK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相(1)]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー1]を得た。
次いで、撹拌機および温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、60℃で6時間脱溶剤して、[スラリー1]を得た。得られた[スラリー1]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10質量%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ(1)を得た。
得られた濾過ケーキ(1)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体(1)を作製した。
同様に、油相(2)、(3)、(5)、(7)〜(10)、(14)〜(17)及び(21)をそれぞれ用いて、トナー母体(2)、(3)、(5)、(7)〜(10)、(14)〜(17)及び(21)を作製した。
―油相(4)、(13)及び(18)〜(20)の作製―
温度計および撹拌機を備えた容器に、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]62部、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2]12部を入れ、固形分濃度が50質量%となる量の酢酸エチルを加えて、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させた。これに、[非結晶性樹脂C−1]の50質量%酢酸エチル溶液40部、[離型剤分散液]60部、[マスターバッチ(2)]12部を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)で回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相(4)]を得た。なお、[油相(4)]の温度は容器内にて50℃に保つようにし、結晶化しないように作製から5時間以内に使用した。
油相(13)及び(18)〜(20)についても、結晶性樹脂Aの種類・添加量、結晶性樹脂Bの種類・添加量、非結晶性樹脂Cの添加量、及びマスターバッチの種類を、表7に従って変更した以外は、油相(4)と同様に作製した。なお、表7中の結晶性樹脂Bとして[B−1]、[B−2]、[B−3]、及び[B−4]のいずれかを使用する場合は、これらの結晶性樹脂を、油相作製段階で他のトナー材料と共に溶解、分散させて用いた。
温度計および撹拌機を備えた容器に、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]62部、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2]12部を入れ、固形分濃度が50質量%となる量の酢酸エチルを加えて、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させた。これに、[非結晶性樹脂C−1]の50質量%酢酸エチル溶液40部、[離型剤分散液]60部、[マスターバッチ(2)]12部を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)で回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相(4)]を得た。なお、[油相(4)]の温度は容器内にて50℃に保つようにし、結晶化しないように作製から5時間以内に使用した。
油相(13)及び(18)〜(20)についても、結晶性樹脂Aの種類・添加量、結晶性樹脂Bの種類・添加量、非結晶性樹脂Cの添加量、及びマスターバッチの種類を、表7に従って変更した以外は、油相(4)と同様に作製した。なお、表7中の結晶性樹脂Bとして[B−1]、[B−2]、[B−3]、及び[B−4]のいずれかを使用する場合は、これらの結晶性樹脂を、油相作製段階で他のトナー材料と共に溶解、分散させて用いた。
―水相(2)の調製―
水990部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、[水相(2)]を得た。
水990部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、[水相(2)]を得た。
―トナー母体(4)、(13)、(18)〜(20)の作製―
撹拌機および温度計をセットした別の容器内に、[水相(2)]520部を入れて40℃まで加熱し、40〜50℃に保持したまま、TK式ホモミキサー(プライミクス工業株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相(4)]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー4]を得た。
次いで、撹拌機および温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー4]を投入し、60℃で6時間脱溶剤して、[スラリー4]を得た。得られた[スラリー4]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10質量%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ(4)を得た。
得られた濾過ケーキ(4)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体(4)を作製した。
同様に、油相(13)及び(18)〜(20)をそれぞれ用いて、トナー母体(13)及び(18)〜(20)を作製した。
撹拌機および温度計をセットした別の容器内に、[水相(2)]520部を入れて40℃まで加熱し、40〜50℃に保持したまま、TK式ホモミキサー(プライミクス工業株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相(4)]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー4]を得た。
次いで、撹拌機および温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー4]を投入し、60℃で6時間脱溶剤して、[スラリー4]を得た。得られた[スラリー4]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10質量%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ(4)を得た。
得られた濾過ケーキ(4)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体(4)を作製した。
同様に、油相(13)及び(18)〜(20)をそれぞれ用いて、トナー母体(13)及び(18)〜(20)を作製した。
―結晶性樹脂粒子分散液(A−3)の作製―
[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3]60部に、酢酸エチル60部を加えて50℃で混合撹拌して溶解させて樹脂溶液を得た。次いで、水120部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)6部、及び2質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーA−3]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーA−3]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性樹脂粒子分散液(A−3)]を得た。得られた[結晶性樹脂粒子分散液(A−3)]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定したところ、0.15μmであった。
[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3]60部に、酢酸エチル60部を加えて50℃で混合撹拌して溶解させて樹脂溶液を得た。次いで、水120部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)6部、及び2質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーA−3]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーA−3]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性樹脂粒子分散液(A−3)]を得た。得られた[結晶性樹脂粒子分散液(A−3)]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定したところ、0.15μmであった。
―結晶性樹脂粒子分散液(A−6)の作製―
[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−6]60部に、酢酸エチル60部を加えて50℃で混合撹拌して溶解させて樹脂溶液を得た。次いで、水120部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)6部、及び2質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーA−6]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーA−6]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性樹脂粒子分散液(A−6)]を得た。得られた[結晶性樹脂粒子分散液(A−6)]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定したところ、0.18μmであった。
[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−6]60部に、酢酸エチル60部を加えて50℃で混合撹拌して溶解させて樹脂溶液を得た。次いで、水120部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)6部、及び2質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーA−6]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーA−6]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性樹脂粒子分散液(A−6)]を得た。得られた[結晶性樹脂粒子分散液(A−6)]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定したところ、0.18μmであった。
―結晶性樹脂粒子分散液(B−1)の作製―
[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1]60部に、酢酸エチル60部を加えて50℃で混合撹拌して溶解させて樹脂溶液を得た。次いで、水120部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)6部、及び2質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーB−1]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーB−1]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]を得た。得られた[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定したところ、0.16μmであった。
[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1]60部に、酢酸エチル60部を加えて50℃で混合撹拌して溶解させて樹脂溶液を得た。次いで、水120部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)6部、及び2質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーB−1]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーB−1]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]を得た。得られた[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定したところ、0.16μmであった。
―非結晶性樹脂粒子分散液(C−1)の作製―
[非結晶性樹脂C−1]60部に、酢酸エチル60部を加えて混合撹拌して溶解させて樹脂溶液を得た。次いで、水120部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)6部、及び2質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーC−1]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーC−1]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]を得た。得られた[結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定したところ、0.15μmであった。
[非結晶性樹脂C−1]60部に、酢酸エチル60部を加えて混合撹拌して溶解させて樹脂溶液を得た。次いで、水120部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)6部、及び2質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーC−1]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーC−1]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]を得た。得られた[結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定したところ、0.15μmであった。
―離型剤分散液(2)の調製―
パラフィンワックス(日本精鑞株式会社製、HNP−9、融点75℃)25部、アニオン界面活性剤(三洋化成工業株式会社製:エレミノールMON−7)5部、水200部を混合し、95℃で溶融させた。次いで、この溶融液をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[離型剤分散液(2)]を得た。
パラフィンワックス(日本精鑞株式会社製、HNP−9、融点75℃)25部、アニオン界面活性剤(三洋化成工業株式会社製:エレミノールMON−7)5部、水200部を混合し、95℃で溶融させた。次いで、この溶融液をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[離型剤分散液(2)]を得た。
―着色剤分散液の調製―
カーボンブラック(Printex35、エボニックデグサ社製)20部、アニオン界面活性剤(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)2部、及び水80部を混合し、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)で分散し、[着色剤分散液]を得た。
カーボンブラック(Printex35、エボニックデグサ社製)20部、アニオン界面活性剤(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)2部、及び水80部を混合し、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)で分散し、[着色剤分散液]を得た。
―トナー母体(6)の作製―
[結晶性樹脂粒子分散液(A−3)]190部、[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]63部、[非結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]63部、[離型剤分散液(2)]46部、[着色剤分散液]17部、水600部を混合し、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調節した。次いで、撹拌下、この溶液に10質量%の塩化マグネシウム水溶液50部を徐々に滴下しながら60℃まで加熱した。凝集粒子の体積平均粒径が5.3μmに成長するまで60℃に維持し、 [スラリー6]を得た。得られた[スラリー6]を減圧濾過した後、前記の洗浄処理(1)〜(4)を行い、濾過ケーキ(6)を得た。得られた濾過ケーキ(6)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体(6)を作製した。
[結晶性樹脂粒子分散液(A−3)]190部、[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]63部、[非結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]63部、[離型剤分散液(2)]46部、[着色剤分散液]17部、水600部を混合し、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調節した。次いで、撹拌下、この溶液に10質量%の塩化マグネシウム水溶液50部を徐々に滴下しながら60℃まで加熱した。凝集粒子の体積平均粒径が5.3μmに成長するまで60℃に維持し、 [スラリー6]を得た。得られた[スラリー6]を減圧濾過した後、前記の洗浄処理(1)〜(4)を行い、濾過ケーキ(6)を得た。得られた濾過ケーキ(6)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体(6)を作製した。
―トナー母体(11)の作製―
[結晶性樹脂粒子分散液(A−6)]190部、[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]63部、[非結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]63部、[離型剤分散液(2)]46部、[着色剤分散液]17部、水600部を混合し、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調節した。次いで、撹拌下、この溶液に10質量%の塩化マグネシウム水溶液50部を徐々に滴下しながら60℃まで加熱した。凝集粒子の体積平均粒径が5.9μmに成長するまで60℃に維持し、 [スラリー11]を得た。得られた[スラリー11]を減圧濾過した後、前記の洗浄処理(1)〜(4)を行い、濾過ケーキ(11)を得た。得られた濾過ケーキ(11)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体(11)を作製した。
[結晶性樹脂粒子分散液(A−6)]190部、[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]63部、[非結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]63部、[離型剤分散液(2)]46部、[着色剤分散液]17部、水600部を混合し、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調節した。次いで、撹拌下、この溶液に10質量%の塩化マグネシウム水溶液50部を徐々に滴下しながら60℃まで加熱した。凝集粒子の体積平均粒径が5.9μmに成長するまで60℃に維持し、 [スラリー11]を得た。得られた[スラリー11]を減圧濾過した後、前記の洗浄処理(1)〜(4)を行い、濾過ケーキ(11)を得た。得られた濾過ケーキ(11)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体(11)を作製した。
―トナー母体(12)の作製―
[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]60部、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1]20部、[非結晶性樹脂C−1]20部、パラフィンワックス(日本精鑞株式会社製、HNP−9、融点75℃)5部、及び[マスターバッチ(2)]12部を、へンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製、FM10B)を用いて予備混合した後、二軸混練機(株式会社池貝製、PCM−30)で80℃〜120℃の温度で溶融、混練した。得られた混練物を室温まで冷却後、ハンマーミルにて200μm〜300μmに粗粉砕した。次いで、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、重量平均粒径が6.2±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で、粒径が4μm以下の微粉量が10個数%以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、重量平均粒径が7.0±0.2μmの[ト ナー母体(12)]を得た。
[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]60部、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1]20部、[非結晶性樹脂C−1]20部、パラフィンワックス(日本精鑞株式会社製、HNP−9、融点75℃)5部、及び[マスターバッチ(2)]12部を、へンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製、FM10B)を用いて予備混合した後、二軸混練機(株式会社池貝製、PCM−30)で80℃〜120℃の温度で溶融、混練した。得られた混練物を室温まで冷却後、ハンマーミルにて200μm〜300μmに粗粉砕した。次いで、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、重量平均粒径が6.2±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で、粒径が4μm以下の微粉量が10個数%以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、重量平均粒径が7.0±0.2μmの[ト ナー母体(12)]を得た。
―トナー(2−1)〜(2−21)の作製―
得られたトナー母体(1)〜トナー母体(21)を100部と、外添剤としての疎水性シリカ(HDK−2000、ワッカー・ケミー社製)1.0部を、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmの メッシュで篩い、トナー(2−1)〜トナー(2−21)を作製した。
表8に示す通り、これらのトナーを実施例12〜24、参考例1〜4、比較例4〜7のトナーとした。
得られたトナー母体(1)〜トナー母体(21)を100部と、外添剤としての疎水性シリカ(HDK−2000、ワッカー・ケミー社製)1.0部を、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmの メッシュで篩い、トナー(2−1)〜トナー(2−21)を作製した。
表8に示す通り、これらのトナーを実施例12〜24、参考例1〜4、比較例4〜7のトナーとした。
また、実施例22−2として、実施例22の脱溶剤条件が60℃、6時間であったものを70℃、3時間に変更した以外は実施例22と同様にしてトナーを作製した。
また、実施例22−3として脱溶剤条件を40℃、10時間に変更した以外は実施例22と同様にしてトナーを作製した。
また、実施例22−3として脱溶剤条件を40℃、10時間に変更した以外は実施例22と同様にしてトナーを作製した。
また実施例24−2として、実施例24がトナー作製後の加熱条件が45℃、48時間であったものを55℃、24時間に変更した以外は実施例24と同様にしてトナーを作製した。
実施例24−3として加熱条件を35℃、96時間に変更した以外は実施例24と同様にしてトナーを作製した。
実施例24−3として加熱条件を35℃、96時間に変更した以外は実施例24と同様にしてトナーを作製した。
得られたトナー(2−1)〜(2−21)について、粒度分布(Dv、Dn、Dv/Dn)、Tsh2nd/Th1st、貯蔵弾性率G’(70)、貯蔵弾性 率G’(160)、結晶化度の測定を行った。これらの測定については、前述の測定方法に従って測定を行った。その結果を表8に示す。
<キャリアの作製>
・シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100部
・γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
・カーボンブラック 10部
・トルエン 100部
上記の原材料を、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。その後、流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が35μmの球状フェライト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
・シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100部
・γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
・カーボンブラック 10部
・トルエン 100部
上記の原材料を、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。その後、流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が35μmの球状フェライト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
<現像剤の作製>
トナー(2−1)〜トナー(2−21)のそれぞれを5部と、前記キャリア95部とを混合して、実施例12〜24及び比較例4〜7の各現像剤を作製した。
次に、得られた各現像剤を用いて、以下のようにして定着性(定着下限温度、定着幅)、耐熱保存性、耐ストレス性について評価を行い、総合評価を下した。その結果を表8に示す。
トナー(2−1)〜トナー(2−21)のそれぞれを5部と、前記キャリア95部とを混合して、実施例12〜24及び比較例4〜7の各現像剤を作製した。
次に、得られた各現像剤を用いて、以下のようにして定着性(定着下限温度、定着幅)、耐熱保存性、耐ストレス性について評価を行い、総合評価を下した。その結果を表8に示す。
<<定着性(定着下限温度)>>
図6に示すタンデム型フルカラー画像形成装置100Cを用いて、転写紙(リコービジネスエキスパート株式会社製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナーの付着量が0.85±0.10mg/cm2の 紙全面ベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(株式会社上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260μmR〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。定着下限温度は、低い程、低温定着性に優れる。
〔評価基準〕
◎: 105 ℃以下
○: 105 ℃超え 115 ℃以下
△: 115 ℃超え 130 ℃以下
×: 130 ℃超え
図6に示すタンデム型フルカラー画像形成装置100Cを用いて、転写紙(リコービジネスエキスパート株式会社製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナーの付着量が0.85±0.10mg/cm2の 紙全面ベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(株式会社上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260μmR〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。定着下限温度は、低い程、低温定着性に優れる。
〔評価基準〕
◎: 105 ℃以下
○: 105 ℃超え 115 ℃以下
△: 115 ℃超え 130 ℃以下
×: 130 ℃超え
<<定着性(耐ホットオフセット性・定着幅)>>
図6に示すタンデム型フルカラー画像形成装置100Cを用いて、転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)上に、転写後のトナー付着量が0.85±0.10mg/cm2の 紙全面ベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、ホットオフセットの有無を目視評価し、ホットオフセットが発生しない上限温度と、定着下限温度との差を定着幅とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。定着幅は、広い程、耐ホットオフセット性に優れ、約50℃が従来のフルカラートナーの平均的な温度幅である。
〔評価基準〕
◎:100℃超え
○: 55 ℃超え 100 ℃以下
△: 30 ℃超え 55 ℃以下
×: 30 ℃以下
図6に示すタンデム型フルカラー画像形成装置100Cを用いて、転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)上に、転写後のトナー付着量が0.85±0.10mg/cm2の 紙全面ベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、ホットオフセットの有無を目視評価し、ホットオフセットが発生しない上限温度と、定着下限温度との差を定着幅とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。定着幅は、広い程、耐ホットオフセット性に優れ、約50℃が従来のフルカラートナーの平均的な温度幅である。
〔評価基準〕
◎:100℃超え
○: 55 ℃超え 100 ℃以下
△: 30 ℃超え 55 ℃以下
×: 30 ℃以下
<<耐熱保存性(針入度)>>
50mLのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JISK2235−1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。
なお、本発明においては針入度を貫入深さ(mm)で表す。
〔評価基準〕
◎:針入度25mm以上
○:針入度15mm以上25mm未満
△:針入度5mm以上15mm未満
×:針入度5mm未満
50mLのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JISK2235−1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。
なお、本発明においては針入度を貫入深さ(mm)で表す。
〔評価基準〕
◎:針入度25mm以上
○:針入度15mm以上25mm未満
△:針入度5mm以上15mm未満
×:針入度5mm未満
<<耐ストレス性>>
図6に示すタンデム型フルカラー画像形成装置100Cを用いて、画像面積率0.5%のチャートを5万枚出力後、紙全面ベタ画像を出力した際の画像部における白点状にトナーが抜けた部分の有無について目視にて、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:画像部に白点状にトナーが抜けた部分がまったくなく、優良な状態
○:画像部に白点状にトナーが抜けた部分がごく僅かに見られる程度で、良好な状態
△:画像部に白点状にトナーが抜けた部分が見られるが、実使用上問題ないレベル
×:画像部に白点状にトナーが抜けた部分が多数見られ、実使用上問題となるレベル
図6に示すタンデム型フルカラー画像形成装置100Cを用いて、画像面積率0.5%のチャートを5万枚出力後、紙全面ベタ画像を出力した際の画像部における白点状にトナーが抜けた部分の有無について目視にて、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:画像部に白点状にトナーが抜けた部分がまったくなく、優良な状態
○:画像部に白点状にトナーが抜けた部分がごく僅かに見られる程度で、良好な状態
△:画像部に白点状にトナーが抜けた部分が見られるが、実使用上問題ないレベル
×:画像部に白点状にトナーが抜けた部分が多数見られ、実使用上問題となるレベル
<<転写性>>
図6に示すタンデム型フルカラー画像形成装置100Cを用いて、画像面積率0.5%のチャートを5万枚出力後、全面ベタ画像を出力させる。その時、感光体(10)から中間転写ベルト(50)に転写された直後に装置を停止させ、感光体を取り出し、転写部分の感光体上に残存する未転写トナーの量を目視にて、下記基準で評価した。評価結果を表9に示す。
〔評価基準〕
◎:感光体上に未転写トナーがまったくなく、優良な状態
○:感光体上に未転写トナーがごく僅かに見られ感光体地肌色がわかる程度で、良好な状態
△:感光体上に未転写トナーが存在し、感光体地肌がやや隠蔽されて見られるが、実使用上問題ないレベル
×:感光体上に未転写トナーが多く見られ、感光体地肌がほとんど覆われていて、実使用上問題となるレベル
図6に示すタンデム型フルカラー画像形成装置100Cを用いて、画像面積率0.5%のチャートを5万枚出力後、全面ベタ画像を出力させる。その時、感光体(10)から中間転写ベルト(50)に転写された直後に装置を停止させ、感光体を取り出し、転写部分の感光体上に残存する未転写トナーの量を目視にて、下記基準で評価した。評価結果を表9に示す。
〔評価基準〕
◎:感光体上に未転写トナーがまったくなく、優良な状態
○:感光体上に未転写トナーがごく僅かに見られ感光体地肌色がわかる程度で、良好な状態
△:感光体上に未転写トナーが存在し、感光体地肌がやや隠蔽されて見られるが、実使用上問題ないレベル
×:感光体上に未転写トナーが多く見られ、感光体地肌がほとんど覆われていて、実使用上問題となるレベル
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45C シアン現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写ベルト
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電装置
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写ローラ
63 感光体クリーニング装置
64 除電ランプ
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100A、100B、100C 画像形成装置
120 画像形成ユニット
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
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44K 現像ローラ
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44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45C シアン現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写ベルト
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電装置
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写ローラ
63 感光体クリーニング装置
64 除電ランプ
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100A、100B、100C 画像形成装置
120 画像形成ユニット
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (12)
- 結着樹脂として少なくとも結晶性樹脂を含有するトナーにおいて、トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定における分子量が100,000以上の割合が5%以上であり、かつ重量平均分子量(Mw)が20,000以上60,000以下であって、前記結晶性樹脂が、ポリエステルとポリウレタンとのブロックポリマーであることを特徴とするトナー。
- トナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(C)、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(A)とした時の比率(C)/((C)+(A))が、0.13以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記トナーのTHF可溶分のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定における分子量が250,000以上の割合が0.5%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記トナーの示差走査熱量計(DSC)における吸熱量をΔH(T)(J/g)、前記トナーのTHF/酢酸エチルの混合溶媒(質量比で50/50)に対する不溶分の示差走査熱量計(DSC)における吸熱量をΔH(H)(J/g)としたとき、ΔH(H)/ΔH(T)が0.2〜1.25であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- 前記結晶性樹脂が、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーのTHF可溶分のCHN分析を行ったときの、N元素の量が0.3〜2.0質量%であることを特徴とする請求項5に記載のトナー。
- 前記結晶性樹脂として、末端にイソシアネート基を有する変性結晶性樹脂を伸長させてなるものを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナー。
- 前記結晶性樹脂が、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂であってそれぞれ重量平均分子量(Mw)の異なる結晶性樹脂(A)(低分子量体)及び結晶性樹脂(B)(高分子量体)の2種の結晶性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーの、THF/酢酸エチルの混合溶媒(質量比で50/50)に対する不溶分が10質量%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーの交流ブリッジ法による体積固有抵抗Rの常用対数値が10.0〜10.6であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のトナーとキャリアを含むことを特徴とする現像剤。
- 静電潜像の現像手段として請求項1〜10のいずれかに記載のトナーを備えることを特徴とする画像形成装置。
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