JP2005173063A - トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】 トナー粒子におけるワックス分散が均一であり、低温定着性及び耐高温オフセット性に優れ、高温高湿環境においても安定した画像濃度を示すトナーを提供することにある。
【解決手段】 結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及びワックスを少なくとも含有するトナーにおいて、
(a)該トナーの結着樹脂がポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を含有するものであり、
(b)該トナーの結着樹脂が、1.0×105乃至1.0×107の架橋間分子量を有し、
(c)該トナーのテトラヒドロン(THF)可溶分がゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量3000乃至1万5000にメインピークを有し、Z平均分子量(Mz)が2.0×108以下であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が30乃至500であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法,静電記録法,静電印刷法,トナージェット方式記録法などを利用した記録方法に用いられるトナーに関する。
電子写真法は、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、次いで該静電荷像をトナーにより現像し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱,圧力,加熱加圧或いは溶剤蒸気により定着し、トナー画像を得るものである。
上述の最終工程であるトナー像を紙の如きシートに定着する工程に関して種々の方法や装置が開発されているが、現在,最も一般的な方法は熱ロ−ラー又は加熱フィルムを介した固定発熱ヒーターによる圧着加熱方式である。
加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら被定着シートを通過させることによりトナー像の定着を行うものである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート上のトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができる。
加熱ローラー表面と軟化・溶融状態にあるトナー画像が加圧下で接触する為に、トナー像の一部が定着ローラー表面に付着・転移し、次に被定着シートにこれが再転移することにより被定着シートを汚す、オフセット現象が生じる。このオフセット現象は定着速度、定着温度の影響を大きく受ける。一般に定着速度が遅い場合は、加熱ローラーの表面温度は比較的低く設定され、定着速度が速い場合は、加熱ローラーの表面温度は比較的高く設定される。これは、トナーを定着させる為に加熱ローラーからトナーに与える熱量を、定着速度によらずほぼ一定にするためである。
被定着シート上のトナーは、何層かのトナー層を形成している。定着速度が速く、加熱ローラーの表面温度が高い系においては、加熱ローラーに接触するトナー層と、被定着シートに接触している最下層のトナー層との温度差が大きくなる。加熱ローラーの表面温度が高い場合には、最上層のトナー層が過剰に軟化・溶融してオフセット現象を起こしやすくなる。また、加熱ローラーの表面温度が低い場合は、最下層のトナーは定着するに充分な程度に溶けない為に、被定着シート上にトナーが定着しない低温オフセットという現象が起きやすい。
この問題を解決する方法として、定着速度が速い場合には、定着時の圧カを上げて被定着シートへトナーをアンカーリングさせる方法が通常行われている。この方法だと、加熱ローラー温度をある程度下げることができ、トナーの高温オフセット現象を防ぐことは可能となる。しかし、トナーにかかるせん断カが非常に大きくなる為に、被定着シートが定着ロ−ラーにまきつく、いわゆる巻きつきオフセットが発生し、定着ローラーから被定着シートを分離するための分離爪あとが定着画像に出現しやすい。定着器の加圧力が高いことは、ライン画像を形成するトナー粒子層が過度に圧縮されることがあり、その結果、ライン画像の再現性が悪化する、あるいはトナーが飛散して定着画像の画質劣化を生じ易い。
従来は、トナーのオフセット現象を改良することはトナーの定着性を改良することは同一視されてきたが、結着樹脂、トナーに含有されるワックス等の改良による定着性向上に付随する形でのオフセット改良では限界が有り、トナーの離型性を向上することが不可欠である。
また、定着器を構成する定着部材、クリーニング部材の離型性の向上もトナーの離型性が不十分である場合には、使用初期の段階では充分なオフセット防止効果が期待できても長期間使用した場合には各部材の経年劣化を生じ、最終的にはオフセットが発生する場合が有る。
また、トナーは離型性を付与する目的でワックスを含有させる場合が有るが、経年劣化した定着部材、クリーニング部材に対しては充分なオフセット防止効果を維持するためには多量のワックスを含有させる必要が有る。
トナーが多量のワックスを含有する場合には、現像性すなわち、画像濃度の低下、カブリ濃度の上昇等の問題が生じ、更にはトナー粒子に含有されるワックスの分散状態を制御するのが困難であり、トナーが遊離したワックスを多量に含有することになり、結果的に、感光体上にトナーが強く固着してクリーニングが充分にできずに残存し、画像欠陥となる場合が有る。
また、トナーの離型性及び定着性の改良を目的として、トナー製造時にワックス類が添加されているが、トナー粒子にワックス類を均一に分散することは困難である。ワックスの分散が不充分であることはトナーの定着性能ばかりでなく、現像性にも問題が生じやすく、特に近年、微粒子化が進んでいるトナーにおいてはこの問題は顕著となる。
特許文献1では、トナーの結着樹脂が特定の構造を有する架橋剤を含有し、架橋間分子量の範囲が規定されたトナーが開示されているが、低温定着性及び耐高温オフセット性の改良は充分であるとはいえない。
特許文献2では、異なる二つの重合系モノマー混合物と、そのいずれとも反応し得る化合物及び離型剤を混合し、二つの重合反応を同一反応容器中で行わせることにより得られる結着剤について開示されているが、低温定着性及びワックスの分散性は十分に改良されているとはいえない。
特許文献3では、少なくともポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、重合性単量体、着色剤からなる重合性組成物を懸濁重合させてなることを特徴とするトナーが開示され、その中で変性ワックスが使用されているが、低温定着性改良の点では充分でないといえる。
特許文献4では、結着樹脂がポリエステルとビニル系共重合体のブレンドからなり、フローテスタの温度カーブの範囲を規定したトナーが開示されているが、高温オフセット性及びワックス分散性は充分とはいえないものである。
特許第3067761号公報 特開平10−87839号公報 特開平10−268560号公報 特開平11−190913号公報
本発明は、上述の如き問題点を解決したトナーを提供するものである。より詳しくは、本発明の目的は、トナー粒子におけるワックス分散が均一であり、低温定着性及び、耐高温オフセット性に優れたトナー、画像形成方法またはプロセスカートリッジを提供するものである。
本発明の目的は、熱ロール定着器を使用する中〜高速機、あるいは、耐熱フィルムを介した固定発熟ヒーターによる圧着加熱定着方式を使用する中〜低速機において、高温高湿、あるいは常温常湿環境においても安定した画像濃度を示すトナーを提供するものである。
本発明は、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及びワックスを少なくとも含有するトナーにおいて、
(a)該トナーの結着樹脂がポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を含有するものであり、
(b)該トナーの結着樹脂の架橋間分子量が1.0×105乃至1.0×107であり、
(c)該トナーのテトラヒドロン(THF)可溶分がゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量3000乃至1万5000にメインピークを有し、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が30乃至500であることを特徴とするトナーに関する。
また、本発明は、(I)静電荷像を担持するための像担持体に担持されている静電荷像を負摩擦帯電性トナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程:
(II)該像担持体上に形成されたトナー画像が中間転写体を介して、または介さずに記録材に転写する転写工程:及び
(III)該記録材に転写されたトナー画像を該記録材に加熱定着する定着工程:を有する画像形成方法において、
該トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックス少なくとも含有するトナーであって、
(a)該トナーの結着樹脂がポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を含有するものであり、
(b)該トナーの結着樹脂の架橋間分子量が1.0×105乃至1.0×107であり、
(c)該トナーのテトラヒドロン(THF)可溶分がゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量3000乃至1万5000にメインピークを有し、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が30乃至500であることを特徴とする画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
本発明によれば、トナー粒子におけるワックス分散が均一であり、低温定着性及び耐高温オフセット性に優れ、高温高湿環境においても安定した画像濃度を示すトナーを提供することができる。
本発明者らの検討によれば、低温定着性と耐高温オフセット性がともに優れ、高温高湿環境においても安定した画像濃度を示すトナーを得るには、トナーの結着樹脂としてポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂を用い、トナーの結着樹脂が特定の架橋間分子量を有し、特定の分子量分布を有することにより達成できることを見出した。
本発明のトナーにおいて、トナーに含有される結着樹脂はポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を含有するものであり、ハイブリッド樹脂組成物を構成するポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットの組成は、質量比で30:70乃至60:40であれば良いが、好ましくは40:60乃至50:50となる場合である。ハイブリッド樹脂組成物を形成するポリエステルユニットの組成比が30質量%未満となる場合または70質量%超となる場合のいずれの場合でも、低温定着性および耐高温オフセット性の両立が困難となる場合があり好ましくない。
ハイブリッド樹脂成分の存在は13C−NMR測定により確認することができる。13C−NMRスペクトルの分解能を阻害する磁性体を含有する磁性トナーを濃塩酸水溶液中に添加して室温で70乃至80時間撹拌することにより磁性体を溶解したものを測定試料とし、測定することができる。また、カーボンブラック、有機顔料を含有するトナーは、そのままで測定試料とすることができる。以下にビニル系重合体としてアクリル酸エステルを用いた場合の測定結果の一例を表1に示す。
Figure 2005173063
本発明のトナーにおいて、結着樹脂に含有されるハイブリッド樹脂組成物は、飽和ポリエステル及び不飽和ポリエステルをキシレン等の有機溶剤に溶解し、これにビニル系モノマー及び重合開始剤を添加してラジカル重合を行うことにより製造され、まず、(1)不飽和ポリエステルとビニル系モノマーとの付加重合によるハイブリッド樹脂(1)が生成し、飽和ポリエステルとビニル系重合体のエステル化により生成する重合体からなるハイブリッド樹脂(2)及び/または上記ハイブリッド樹脂(1)とビニル系重合体とのエステル化により生成するハイブリッド樹脂(3)が生成する。
本発明のトナーにおいて、ハイブリッド樹脂はトナーの定着性ばかりでなくトナーの現像性及びトナー粒子におけるワックスの分散性にも影響し、この観点から不飽和ポリエステルとビニル系重合体から生成するハイブリッド樹脂(1)よりはポリエステル及び/またはハイブリッド樹脂の水酸基とビニル系重合体のカルボキシル基とがエステル化することにより生成するハイブリッド樹脂(2)が相対的に多く存在するほうが好ましい。ハイブリッド樹脂(1)はおもにテトラヒドロフラン(THF)不溶分として存在するものであるが、ハイブリッド樹脂(2)はテトラヒドロフラン不溶分及び分子量2900万乃至1億の成分として存在する。
本発明に関わるハイブリッド樹脂の製造に用いられるポリエステルは、飽和ポリエステルと不飽和ポリエステルが質量比で50:1乃至1:1で混合して用いられるが、好ましくは質量比で30:1乃至3:1で混合して用いられる場合であり、特に好ましくは、質量比で20:1乃至5:1で混合して用いられる場合である。飽和ポリエステルと不飽和ポリエステルが質量比で50:1未満となる場合にはビニル系重合体との付加重合反応が不十分であり、トナーとしては耐高温オフセット性が不十分であり、1:1超となる場合にはトナーの低温定着性が著しく阻害され好ましくない。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂の架橋間分子量は、実質的にハイブリッド樹脂(3)の架橋間分子量を意味し、ハイブリッド樹脂組成物を構成するビニル系重合体、ポリエステルの各ユニットの分子量調整及び/又はビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットの反応を制御することにより調整することができる。好ましくはビニル系重合体とのエステル化に関与し、かつ高温高湿環境におけるトナーの現像性に悪影響を及ぼす可能性があるポリエステルユニットの水酸基を安息香酸、フタル酸、トリメリット酸等の芳香族カルボン酸類を用いてエンドキャップすることにより調整することである。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂の架橋間分子量は1.0×105乃至1.0×107であればよいが、好ましくは5.0×105乃至5.0×106となる場合であり、更に好ましくは1.0×106乃至3.0×106となる場合である。もし架橋間分子量が1.0×105未満あるいは、1.0×107超のいずれの場合においても、低温定着性及び耐高温オフセット性の両立が困難であり好ましくない。
本発明のトナーにおいて、トナーに含有される結着樹脂のTHF可溶分は、分子量3000乃至1万5000の領域にメインピークを有するものであり、好ましくは、分子量4000乃至1万2000の領域にメインピークを有する場合であり、更に好ましくは、分子量5000乃至1万の領域にメインピークを有する場合である。もし、メインピークを分子量3000未満の領域に有する場合には、トナーの耐高温オフセット性を損なう場合があり、分子量1万5000超の領域に有する場合には、トナーの低温定着性を損なう場合があり好ましくない。
本発明のトナーにおいて、トナーに含有される結着樹脂のTHF可溶分は、Z平均分子量(Mz)が2.0×108以下であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が30乃至500であればよいが、好ましくはZ平均分子量(Mz)が1.5×108以下であり、比(Mz/Mw)が60乃至300となる場合であり、更に好ましくはZ平均分子量(Mz)が1.0×108以下であり、比(Mz/Mw)が100乃至200となる場合である。もし、比(Mz/Mw)が30未満である場合には、トナーの耐高温オフセット性を損なう場合があり、Z平均分子量(Mz)が2.0×108超であり、比(Mz/Mw)が500超となる場合には、トナーの低温定着性を損なう場合があり好ましくない。
本発明のトナーにおいて、トナーに含有される結着樹脂のTHF可溶分は、分子量10万以上の成分を0.1乃至30質量%含有するが、好ましくは3乃至20質量%含有するものであり、更に好ましくは5乃至10質量%含有するものである。分子量10万以上の成分が0.1質量%未満となる場合あるいは30質量%超となる場合のいずれにおいても、低温定着性と耐高温オフセット性を満足することはできず好ましくない。
本発明のトナーにおいて、トナーの酸価は1乃至25mgKOH/gであれば良いが、好ましくは5乃至20mgKOH/gとなる場合であり、更に好ましくは10乃至15mgKOH/gとなる場合である。トナーの酸価が1mgKOH/g未満となる場合及び25mgKOH/g超となる場合のいずれの場合においても、高温高湿あるいは常温常湿の各環境において安定した画像濃度を示すトナーを得ることが困難であり好ましくない。
本発明のトナーにおいて、トナーの水酸基価は2乃至40mgKOH/gであれば良いが、好ましくは7乃至30mgKOH/gとなる場合であり、より好ましくは12乃至25mgKOH/gとなる場合である。トナーの水酸基が2mgKOH/g未満となる場合及び40mgKOH/g超となるいずれの場合でも、低温定着性及び、耐高温オフセット性の両立が困難であり好ましくない。
本発明のトナーに含有されるワックスは、GPCで測定されるメインピーク(Mp)が300乃至20000、比(Mw/Mn)が1.0乃至20であれば良いが、好ましくは500乃至15000、比(Mw/Mn)が1.1乃至15となる場合であり、更に好ましくは700乃至10000、比(Mw/Mn)が1.2乃至10となる場合である。Mpが300未満、比(Mw/Mn)が1.0未満となる場合にはトナー粒子におけるワックスの分散粒径が小さくなりすぎ、Mpが20000超、比(Mw/Mn)が20超となる場合には分散粒径が大きくなりすぎ、どちらの場合でもワックスの分散粒径を制御することが困難であり好ましくない。
本発明のトナーに含有されるワックスは、結着樹脂100質量部あたり0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部が好ましい。
本発明のトナーにおいて、ワックスを結着樹脂の製造工程で添加する場合には、結着樹脂であるハイブリッド樹脂を製造する工程で変性ワックスを添加することであり、この場合にはワックスの均一分散が更に容易になる。好ましくは、ビニル系重合体ユニットの製造工程あるいはポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットとの反応工程のいずれかでワックスを添加する場合である。
本発明のトナーに含有されるワックスは、炭化水素系ワックス、ポリエチレン系ワックスまたはポリプロピレン系ワックス、式(1)で表せる構造を有するワックスのいずれかから選択されるものであるが、好ましくは炭化水素系ワックスあるいはポリエチレン系ワックスを芳香族ビニル系モノマー及び/または脂肪族酸モノマーで変性したワックスであり、更に好ましくは芳香族ビニル系モノマーで変性した炭化水素系ワックスであり、これらのワックスは結着樹脂製造時に添加されることが好ましい。
式(1):
CH3−(CH2−CH2)a−CH2−CH2−A
(式中、Aは水酸基またはカルボキシル基を表し、aは20乃至60の整数を表す)
本発明のトナーにおいて、ワックスの変性に使用するビニル系モノマー及び/または脂肪族酸モノマーは、例えばビニルトルエンの如きスチレン誘導体;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸フェニルの如きメタクリル酸エステル;マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル類;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカルボン酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸酸ビニルの如きモノマー;エチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如きビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテルが挙げられる。これらのビニル系モノマーを単独もしくは2種以上を用いることができるが、好ましくはスチレンモノマーで変性する場合であり、トナー粒子におけるワックスの分散を均一にできるばかりでなく、トナーの流動性、保存性及び低温定着性共に良好となり好ましい。
本発明のトナーにおいて、DSCで測定される吸熱ピークの異なるワックスが2種類含有されていれば良く、好ましくは60乃至90℃に1つ以上の吸熱ピークを有し、90乃至150℃に1つの吸熱ピークを有するワックスが含有されている場合である。もし、上記範囲外に、吸熱ピークを有するワックスを含有した場合、低温定着性及び耐高温オフセット性の両立が困難となり好ましくない。
本発明において、トナーに含有されるワックスが2種類である場合、好ましくは温度90乃至150℃に吸熱ピークを有するワックスのみ、芳香族ビニル系モノマーで変性している場合である。もし、温度60乃至90℃に吸熱ピークを有するワックスのみ芳香族ビニル系モノマーで変性している場合には、低温定着性及びワックス分散性が悪化する場合があり好ましくない。
本発明のトナーにおいてワックスが、スチレン変性炭化水素系ワックスである場合には、スチレンの添加量は、炭化水素系ワックス100質量部に対し、10乃至100質量部添加されている場合であり、好ましくは20乃至80質量部添加されている場合であり、より好ましくは30乃至50質量部添加されている場合である。
本発明に係る変性ワックスにおいて、ワックスの変性に使用できる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、1,1,−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジシンナモイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート等があげられるが、好ましくは1,1,−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンあるいはジシンナモイルパーオキサイドを使用する場合であり、これらの重合開始剤は単独で使用してもよく、混合して使用しても良い。これらの重合開始剤を使用すると生成するビニル系重合体が分岐ポリマーとなる傾向があり、結果的にはワックスの種類によらずトナー粒子におけるワックスの分散が良好となる。
本発明のトナーに含有されるワックスは、一酸化炭素・水素を原料とするアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素などのワックスがよい。更に、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別桔晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましく用いられる。
本発明のトナーに含有されるワックスは、式(1)で表せる構造を有するものである。
CH3−(CH2−CH2)a−CH2−CH2−A (1)
(式中、Aは水酸基またはガルボキシル基を表し、aは20乃至60の整数を表すが、好ましくはAが水酸基を表し、aが30乃至50の整数を表す場合である。)
本発明のトナーに2種のワックスが含有される場合には、好ましくは、少なくとも1種のワックスが上述したワックスを使用することである。
本発明のトナーに2種のワックスが混合して含有される場合の好ましいワックスの組み合わせ及び等量混合した場合のワックスのメインピーク分子量、比(Mw/Mn)の一例を以下の表2に示す。
Figure 2005173063
本発明のトナーにおいて、ポリエステルユニットのモノマーとしては以下のものが挙げられる。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1.6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、水素添加ビスフェノールA及び下記式(2)で示されるジオール類が挙げられる。
Figure 2005173063
[式中、Rはエチレンまたはプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。]
Figure 2005173063
[式中、R’はエチレン、プロピレンまたはターシャリブチレン基を示す。]
酸成分としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類または酸無水物;炭素数6〜18のアルキル基で置換されたコハク酸もしくはその酸無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類またはその酸無水物;が挙げられる。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂のポリエステルユニットは、例えば三価以上の多価カルボン酸またはその無水物、または、三価以上の多価アルコールを有しているものであってもよく、三価以上の多価カルボン酸またはその無水物としては、たとえば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物または低級アルキルエステル等が挙げられ、三価以上の多価アルコールとしては、例えば、1,2,3−プロパントリオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等が挙げられるが、好ましくは1,2,4−ベンゼントリカルボン酸及びその無水物である。
本発明のトナーにおいて、ビニル系重合体ユニットは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;前述のα,β−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類が挙げられる。
また、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルなどのカルボキシル基を有するモノマーおよび、または2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレン等ヒドロキシル基を有するモノマー等のビニル系モノマーを単独もしくは2種以上から構成されるものである。カルボン酸を有するビニル系モノマーとしてはマレイン酸モノブチルが、共重合するスチレンあるいはアクリル酸エステルモノマーとの反応性、及び、有機溶剤を減圧留去する際に容易に酸無水物を形成し、ポリエステルの水酸基とエステル化しハイブリッド樹脂を生成することから好ましい。
本発明において、結着樹脂のビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有するモノマーを含有していてもよいが、この場合に用いられるモノマーは、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、0.01〜10質量部(さらに好ましくは0.03〜5質量部)用いることができる。
ビニル系重合体は、5乃至50mgKOH/gの酸価を有するものであり、好ましくは10乃至40mgKOH/gの酸価を有する場合であり、特に好ましくは15乃至35mgKOH/gの酸価を有する場合である。酸価が5未満となるにはポリエステルとのハイブリッド樹脂の生成が不十分となり、トナーの耐高温オフセット性が不十分となり、酸価が50超となる場合にはポリエステルのハイブリッド樹脂の生成が過剰となり、トナーの低温定着性が著しく阻害され好ましくない。
本発明ではビニル系共重合体成分及び/又はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系共重合体成分を構成するモノマーとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先にあげたビニル系樹脂及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
本発明のビニル系重合体ユニットを製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、1,1,−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート等があげられる。
本発明に用いられる磁性体は、異種元素を含有するマグネタイト、マグヘマタイト、フェライト等の磁性酸化物及びその混合物が好ましく用いられ、例えば、リチウム、ベリリウム、ボロン、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、イオウ、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、錫、鉛、亜鉛、カルシウム、バリウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、銅、ニッケル、ガリウム、インジウム、銀、パラジウム、金、白金、タングステン、モリブデン、ニオブ、オスミニウム、ストロンチウム、イットリウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、ビスマス等から選ばれる少なくとも一つ以上の元素を含有する磁性酸化鉄である。リチウム、ベリリウム、ボロン、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、錫、イオウ、カルシウム、バリウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、銅、ニッケル、ストロンチウム、ビスマス及び亜鉛が好ましい。特に好ましくは、異種元素としてマグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン及びジルコニウムから選択される元素を含有する磁性酸化鉄である。これらの元素は酸化鉄結晶格子に取り込まれても良いし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれていても良いし、表面に酸化物あるいは水酸化物として存在しても良いが、酸化物として含有されるのが好ましい。
これらの元素は、磁性体生成時に各々の元素の塩を混在させpH調整により、粒子中に取り込むことが出来る。また、磁性体粒子生成後にpH調整、あるいは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより粒子表面に析出させることが出来る。
これらの元素を含有する磁性体は、一般的にトナーの結着樹脂との親和性が良好であり特定の酸価を有する結着樹脂ではより効果的であるばかりでなく、本発明に用いられる荷電制御樹脂を本発明に好適な状態に分散するにも好影響を与える。また、これらの磁性体の粒度分布は狭く、かつ結着樹脂への分散性も良好であることからトナーの帯電均一化及び安定化を改善する効果も有する。これは近年、質量平均粒径(D4)が2.5乃至10μmとトナー粒子が小粒径化していることから帯電性の不均一性によるトナーの凝集性の改良が求められており、より重要視されている。この結果、トナー粒子の質量平均径(D4)が4.5乃至8.5μmのトナーにおいて画像濃度の向上、カブリの改善等の現像性改良効果が顕著であり、本発明のトナーにおいても好ましいものである。
これらの異種元素の含有率は、磁性酸化鉄の鉄元素を基準として0.05〜10質量%であればよいが、好ましくは0.1〜7質量%含有する場合であり、特に好ましくは0.2〜5質量%含有する場合であり、さらには、0.3〜4質量%含有する場合である。含有量が0.05質量%未満となる場合には、上記これらの元素の含有効果がなく、良好な分散性、帯電均一性が得られなくなる。また、10質量%より多くなると電荷の放出が多くなり帯電不足を生じ、画像濃度の低下、カブリの増加等があり好ましくない。
また、これらの異種元素の含有分布において、磁性体の表面近傍に多く存在しているのが好ましい。例えば、酸化鉄に含有される鉄元素の溶解率が20質量%のときに、異種元素の溶解率が、全異種元素の存在量の20〜100%質量であればよいが、好ましくは25〜100質量%となる場合であり、特に好ましくは30〜100質量%となる場合である。異種元素の表面存在量を多くすることにより分散効果及び電気的拡散効果をより向上することができる。
これらの磁性体の個数平均粒径は0.05〜1.0μmが好ましく、さらには0.1〜0.5μmのものが好ましい。磁性体のBET比表面積2〜40m2/gが好ましく、さらには4〜20m2/gのものが好ましい。磁性体の磁気特性は、磁場795.8kA/mで測定した飽和磁化が10〜200Am2/kgが好ましく、さらには70〜100Am2/kgがより好ましい。残留磁化は1〜100Am2/kgが好ましく、さらには2〜20Am2/kgが好ましい。抗磁力は1〜30kA/mが好ましく、さらには2〜15kA/mがより好ましい。これらの磁性体は結着樹脂100質量部に対して20〜200質量部添加して用いられる。
磁性体に含有される元素は、蛍光X線分析装置SYSTEM3080(理学電機工業(株)社製)を使用し、JIS K0119蛍光X線分析通則に従って、蛍光X線分析を行うことにより測定することができる。元素分布については、塩酸なたはフッ酸により溶解してくる元素量の経時変化をプラズマ発光分析(ICP)測定により定量することにより知ることができる。
磁性体の個数分布は透過型電子顕微鏡により拡大撮影した写真をデジタイザー等で測定することにより求めることができる。磁性体の磁気特性は、振動試料型磁力計VSM−3S−15(東英工業社製)を用いて外部磁場795.8kA/mで測定したものである。磁性体の比表面積はBET法に従って、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素を吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
本発明のトナーには任意の適当な顔料または染料を着色剤として使用できる。顔料としては例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンイエロー、アリザリンイエロー、ベンガラ、フタロシアニンブルー等が使用する子ができ、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部添加すればよいが、好ましくは0.2〜10質量部添加することである。また、同様にして、染料としては例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料等が使用することができ、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部添加すればよいが、好ましくは0.3〜10質量部添加することである。
本発明のトナーにおいて、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機酸化物、カーボンブラック、フッ化カーボン等の微粒径の無機微粉体を外添することが好ましい。
シリカ微粉体、アルミナ微粉体または酸化チタン微粉体は、トナー粒子表面に分散させた時に細かい粒子となるほうがトナーへの流動性付与効果が高く好ましく、個数平均粒径は5〜100nmになるのがよく、さらには5〜50nmとなるほうが好ましい。
これらの微粉体の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.03〜5質量部がよく、適切なトナー粒子表面被覆率になる。
本発明のトナーにおいて、好ましい荷電制御剤としては、下記式(4)で表せるモノアゾ化合物と鉄原子からなる有機鉄化合物である。
Figure 2005173063
本発明のトナーに流動性向上剤を添加しても良い。流動性向上剤は、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものである。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ等がある。
好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカとしてはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒径として、0.001〜2μmの範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体とし
ては、例えば以下の様な商品名で市販されているものがある。
AEROSIL(日本アエロジル社)130、200、300、380、TT600、MOX170、MOX80、COK84;Ca−O−SiL(CABOT Co.社)M−5、MS−7、MS−75、HS−5、EH−5;(WACKER−CHEMIE GMBH社)HDK、N20、15、N20E、T30、T40;D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社);Fransol(Fransil社)
さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。さらに、ジメチルシリコーンオイルの如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー100質量部に対して流動性向上剤0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。
本発明のトナーは、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよく、キャリアの抵抗値は、キャリア表面の凹凸度合い、被覆する樹脂量を調整して106〜1010Ω・cmにするのがよい。
キャリア表面を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイト樹脂あるいは、これらの樹脂の混合物を使用することができる。
キャリアコアの磁性材料としては、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄等の酸化物、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの合金を用いることができる。また、これらの磁性材料に含有される元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等が挙げられる。
本発明のトナーにおいて、各種特性付与を目的として種々の添加剤を使用することができ、例えば、以下に示す添加剤である。
(1)研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム等)、窒化物(窒化ケイ素等)、炭化物(炭化ケイ素等)、金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)等がある。
(2)滑剤としてはフッ素系樹脂粉末(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、脂肪族金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)等がある。
(3)荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)、カーボンブラック、樹脂粒子等がある。
これらの添加剤は、トナー粒子100質量部に対して0.05〜10質量部添加されるが、好ましくは0.1〜5質量部添加することであり、これらの添加剤は単独または複数種を混合して使用してもよい。
磁性トナーの場合には、2種以上の無機酸化物あるいは金属酸化物の微粉体を用いることが現像の耐久安定性及び放置後の現像安定性の観点から好ましい。非磁性一成分現像方法の場合には、酸化チタンまたはアルミナを用いるのが、流動性向上及び画像均一性の観点から好ましい。
本発明のトナーを製造するには、上述したトナー構成材料をボールミル、ヘンシェルミキサー等を用いて十分に混合してから、熱ロールニーダー、エクストルダー等の熱混練機を用いてよく混練し、冷却固化後、機械的に粗粉砕し、次にジェット気流または機械的に微砕粉し、これを分級することによりトナーを得る方法が好ましい。これ以外の製造法としては、結着樹脂を構成すべきモノマーに所定の材料を混合しして乳化懸濁液とした後に、重合してトナーを得る重合法トナー製造法;コア材、シェル材からなる所謂マイクロカプセルトナーにおいて、コア材あるいはシェル材、あるいはこれらの両方に所定の材料を含有させる方法;結着樹脂溶液中に構成材料を分散した後に、噴霧乾燥することによりトナーを得る方法が挙げられる。さらに必要に応じて所望の添加剤とトナー粒子とをヘンシェルミキサー等の混合機により十分に混合し、本発明のトナーを製造することができる。
次に、本発明のトナーが好ましく用いられる画像形成法について説明する。
まず、本発明の画像形成方法に適用できる現像手段について説明する。
図1において、公知のプロセスにより形成された静電荷像を担持する像保持体、例えば電子写真感光ドラム7は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ14は、ホッパー9から供給された一成分現像剤としてのトナー10を担持して、矢印A方法に回転することにより、現像スリーブ14と感光ドラム7とが対向した現像部Dにトナー10を搬送する。現像スリーブ14内には、トナー10が磁性トナーである場合には、現像スリーブ14上に磁気的に吸引及び保持するために、磁石11が配置されている。トナー10は現像スリーブ14との摩擦により、感光ドラム7上の静電荷像を現像可能な摩擦帯電電荷を得る。
現像部Dに搬送されるトナー10の層厚を規制するために、磁性トナーである場合には強磁性金属からなる規制磁性ブレード8が、現像スリーブ14の表面から約200〜300μmのギャップ幅を持って現像スリーブ14に臨むように、ホッパー9から垂下されている。磁石11の磁極N1からの磁力線がブレード8に集中することにより、現像スリーブ14上にトナー10の薄層が形成される。ブレード8としては非磁性ブレードを使用することもできる。また、トナー10が非磁性トナーである場合には、ウレタンゴム、シリコーンゴム、チップブレードなどの弾性ブレードが用いられる。
現像スリーブ14上に形成されるトナー10の薄層の厚みは、現像部Dにおける現像スリーブ14と感光ドラム7との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。このようなトナー薄層により静電荷像を現像する方式の現像装置(即ち非接触型現像装置)に、本発明の現像方法は特に有効である。しかし、現像部において、トナー層の厚みが現像スリーブ14と感光ドラム7との間の最小間隙以上の厚みである現像装置(即ち接触型現像装置)にも、本発明の現像方法は適用することができる。
以下、非接触型現像装置の例を説明する。
上記現像スリーブ14には、これに担持された一成分現像剤であるトナー10を飛翔させるために、電源15により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電荷像の画像部(トナー10が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧が、現像スリーブ14に印加されることが好ましい。一方、現像画像の濃度を高め或は階調性を向上するために、現像スリーブ14に交番バイアス電圧を印加して、現像部Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合、上記画像部の電位と背景部の電位の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を現像スリーブ14に印加することが好ましい。
また、高電位部と低電位部を有する静電荷像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、いわゆる正規現像では、静電荷像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用し、一方、静電荷像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、反転現像では、トナーは静電荷像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。高電位と低電位というのは、絶対値による表現である。いずれにしても、トナー10は現像スリーブ14との摩擦により静電荷像を現像するための極性に帯電する。
現像装置では、現像スリーブ14上のトナー10の層厚を規制する部材として、ウレタンゴム,シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、或はリン青銅,ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料で形成された弾性板17を使用し、この弾性板17を現像スリーブ14に圧接させていることが特徴である。このような現像装置では、現像スリーブ8上に更に薄いトナー層を形成することができる。図2の現像装置のその他の構成は、図1に示した現像装置と基本的に同じで、図2において図1に付した符号と同一の符号は同一の部材を示す。
上記のようにして現像スリーブ14上にトナー層を形成する図2に示すような現像装置は、弾性板17によりトナーを現像スリーブ14上に擦りつけるため、トナーの摩擦帯電量も多くなり、画像濃度の向上が図られる。また、非磁性一成分トナーにおいては、このような現像装置が用いられる。
本発明に用いられる現像剤担持体であるスリーブは、円筒状基体と、該基体表面を被覆する被膜層(樹脂層)を有することも好ましい。その構成は図3に示したようなものである。該樹脂層1は、結着樹脂4、場合によっては導電性物質2、充填剤3、固体潤滑剤5等を含有し、円筒状基体6上に被覆されている。導電性物質2が含有されている場合、樹脂層1は導電性なのでトナーの過剰帯電が防止できる。また充填剤3が含有されている場合には、トナーによる該樹脂層1の摩耗を防ぎ、更に充填剤3の帯電付与性により、トナーの帯電も好適にコントロールできる。また、固体潤滑剤5が含有される場合には、トナーとスリーブとの離型性が向上され、その結果トナーのスリーブ上への融着が防止できる。
本発明のスリーブにおいて、樹脂層に導電性物質を含有させる場合、該樹脂層の体積抵抗が106Ω・cm以下、好ましくは103Ω・cm以下であるものがよい。樹脂層の体積抵抗が106Ω・cmを超える場合には、トナーのチャージアップが発生しやすくなり、ブロッチの発生や現像特性の劣化を引き起こすことがある。
また、該樹脂層の表面粗さは、JIS中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。Raが0.2μm未満ではスリーブ近傍のトナーの帯電量が高くなりすぎ、鏡映力によりトナーがスリーブ上に引きつけられ、新たなトナーがスリーブから帯電付与を受けられず、現像性が低下する。Raが3.5μmを超えると、スリーブ上のトナーコート量が増加しすぎてトナーが十分な帯電量を得られず、かつ不均一な帯電となり、画像濃度の低下や濃度ムラの原因となる。
次に該樹脂層1を構成する各材料について説明する。
図3において導電性物質2としては、例えばアルミニウム、銅、ニッケル、銀の如き金属粉体;酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズの如き金属酸化物;カーボンファイバー、カーボンブラック、グラファイトの如き炭素同素体が挙げられる。このうちカーボンブラックは特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与したり、添加量のコントロールで、ある程度任意の導電度を得ることができるために好適に用いられる。本発明に使用するカーボンブラックの個数平均粒径は0.001〜1.0μm、好ましくは0.01〜0.8μmのものが良い。カーボンブラックの個数平均粒径が1μmを超える場合には、樹脂層の体積抵抗を制御しづらくなり好ましくない。
導電性物質の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜300質量部であり、より好ましくは1〜100質量部である。
充填剤3としては、公知のトナー用ネガ帯電性荷電制御剤、あるいはポジ帯電性荷電制御剤を添加しても良い。このほかの物質として、例えばアルミナ、アスベスト、ガラス繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、シリカ、ケイ酸カルシウムの如き無機化合物;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、PMMA、メタクリレートのターポリマー(例えばポリスチレン/n−ブチルメタクリレート/シランターポリマー)、スチレン−ブタジエン系共重合体、ポリカプロラクトン;ポリカプロラクタム、ポリビニルピリジン、ポリアミドの如き含窒素化合物;ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラクロロフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシル化エチレン、ポリテトラフルオロアルコキシエチレン、フッ素化エチレンプロピレン−ポリテトラフルオロエチレン共重合体、トリフルオロクロロエチレン−塩化ビニル共重合体といった高度にハロゲン化された重合体;ポリカーボネート、ポリエステルが挙げられる。このうちシリカ及びアルミナが、それ自身の硬さ及びトナーに対する帯電制御性を有するので好ましく用いられる。
充填剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜500質量部、より好ましくは1〜200質量部である。
固体潤滑剤5としては、例えば二硫化モリブデン、窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石が挙げられる。このうちグラファイトは潤滑性と共に導電性を有し、高すぎる電荷を有するトナーを減少させ、現像に好適な帯電量を持たせる働きがあることから好適に用いられる。
固体潤滑剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜300質量部であり、より好ましくは1〜150質量部である。
場合によっては、該導電性物質2、該充填剤3や固体潤滑剤5が分散される結着樹脂4としては、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂の如き樹脂が用いられる。特に熱硬化性もしくは光硬化性の樹脂が好ましい。
また本発明におけるスリーブ表面の樹脂層中の導電性物質、或いは充填剤や固体潤滑剤を表面に好適に露出させるために、または、表面を平滑化処理して均一な凹凸表面を作るために、後述の磨き加工等の手段により表面を平滑化処理することにより、さらに好ましい性能を付与することが可能である。特に、ベタ黒やハーフトーン画像に発生する縦スジ現象や初期の画像濃度の立ち上がりに効果があり、特に高温高湿下での効果が大きい。フェルトや砥粒の付着した帯状研磨材での磨き加工を施すことで、スリーブの表面凹凸を均一に仕上げることができるので、スリーブ上のトナーコート量が均一化し、その結果スリーブとの摩擦帯電を受けたトナーのみが現像領域に搬送されるようになる。従って、上記効果が得られるものと考えられる。
上記のように平滑化処理を施した後も、コート層表面はJIS B 0601におけるRaで0.2〜3.5μmの範囲の凹凸を保持していることが好ましく、より好ましくは0.3〜2.5μm程度である。理由は前記と同様である。
円筒基体6としては、非磁性金属円筒管、樹脂円筒が好ましく用いられ、例えば、ステンレス円筒管、アルミニウム円筒管、銅合金円筒管等の非磁性の円筒管が用いられる。円筒管を作製する方法としては、引き抜き法や押し出し法があり、更に円筒管自体の寸法精度を上げる場合には、切削や研磨を施して所定の寸法精度とする。円筒管の真直度は30μm以下であることが好ましく、さらには20μm以下が好ましく良好な画像が得られる。また必要に応じて適度な凹凸を表面に付与するためにサンドブラストや研磨により粗面を形成してもよい。ブラストに用いられる砥粒は定形粒子でも不定形粒子でも構わない。
次に、本発明の現像方法を適用し得る画像形成方法を、図4に概略的に示す接触帯電手段及び接触転写手段を有する画像形成装置を参照しながら説明する。本発明の現像方法は、コロナ帯電方式及び/又はコロナ転写方式を使用する画像形成方法にも適用できる。
光導電層801a及び導電性基層801bを有する回転ドラム型の感光体801は、図面上時計の針の回転方向に所定の周速(プロセススピード)で回転される。導電性弾性層802a及び芯金802bを有している帯電ローラー802は、帯電バイアス電源803によりバイアスが印加されている。帯電ローラー802は、感光体801に押圧力により圧接されており、感光体801の回転に伴い従動回転する。
帯電ローラー802にバイアスV2が印加されることで感光体801の表面が所定の極性・電位に帯電される。次いで画像露光804によって静電荷像が形成され、現像手段805によりトナー画像として順次可視化されていく。
現像手段805を構成する現像スリーブには、現像バイアス印加手段813よりバイアスV1が印加される。現像により潜像保持体上に形成されたトナー像は、転写バイアス電源807により転写バイアスV3が印加された転写材808を感光体801に押圧する当接転写手段としての転写ローラー806(導電性弾性層806a,芯金806b)により転写材808に静電転写され、転写材上のトナー像は、加熱ローラー811a及び加圧ローラー811bを有する加熱加圧手段811により加熱加圧定着される。トナー画像転写後の感光体801面では転写残りトナーの如き付着汚染物質を、感光体801にカウンター方向に圧接した弾性クリーニングブレードを具備したクリーニング装置809で清浄面化され、更に除電露光装置810により除電されて、繰り返して作像される。
一次帯電手段としては、以上のごとく接触帯電手段として帯電ローラー802を用いて説明したが、帯電ブレード、帯電ブラシの如き接触帯電手段でもよく、更に、非接触のコロナ帯電手段でもよい。接触帯電手段の方が帯電工程におけるオゾンの発生が少ない。転写手段としては、以上のごとく転写ローラー806を用いて説明したが転写ブレード又は転写ベルトの如き接触帯電手段でもよく、更に非接触のコロナ転写手段でもよい。当接転写手段の方が転写工程におけるオゾンの発生が少ない。
また更に、本発明の画像形成方法に適用できる別の定着法について図5に示す定着手段を用いて説明する。図5は、トナー顕画像が形成されている記録材519を固定支持された加熱体511と、該加熱体に対向圧接し且つフィルム515を介して該記録材を該加熱体に密着させる加圧部材518とにより加熱定着する手段を示す。
図5に示す定着装置において加熱体511は、従来の熱ロールに比べて熱容量が小さく、線状の加熱部を有するものであって、加熱部の最高温度は100〜300℃であることが好ましい。
また、加熱体511と加圧部材としての加圧ローラー518との間に位置する定着フィルム515は、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが好ましく、これら耐熱性シートとしては耐熱性の高い、ポリエステル,PET(ポリエチレンテレフタレート),PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体),PTFE(ポリテトラフルオロエチレン),ポリイミド,ポリアミドの如きポリマーシートの他、アルミニウムの如き金属シート及び、金属シートとポリマーシートから構成されたラミネートシートが用いられる。
より好ましい定着フィルムの構成としては、これら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を有していることである。
511は、装置に固定支持された低熱容量線状加熱体であって、一例として厚み1.0mm,幅10mm,長手長240mmのアルミナ基板512に抵抗材料513を幅1.0mmに塗工したもので、長手方向両端より通電される。通電はDC100Vの周期20msecのパルス状波形で検温素子514によりコントロールされた所望の温度、エネルギー放出量に応じたパルスをそのパルス幅を変化させて与える。略パルス幅は0.5msec〜5msecとなる。この様にエネルギー及び温度を制御された加熱体511に当接して、図中矢印方向に定着フィルム515は移動する。
この定着フィルムの一例として厚み20μmの耐熱フィルム(例えば、ポリイミド,ポリエーテルイミド,PES,PFAに少なくとも画像当接面側にPTFE,PAFの如き弗素樹脂)に導電剤を添加した離型層を10μmコートしたエンドレスフィルムである。一般的には総厚は100μm未満、より好ましく40μm未満が良い。フィルムの駆動は駆動ローラー516と従動ローラー517による駆動とテンションにより矢印方向に皺を生じることなく移動する。
518は、シリコーンゴムの如き離型性の良いゴム弾性層を有する加圧ローラーで、総圧4〜20kgでフィルムを介して加熱体を加圧し、フィルムと圧接回転する。記録材519上の未定着トナー520は、入口ガイド521により定着部に導かれ、上述の加熱により定着画像を得るものである。
なお、定着フィルム515は、エンドレスベルトで説明したが、シート送り出し軸及び巻き取り軸を使用し、定着フィルムは有端のフィルムであってもよい。
本発明に用いられるトナーの好ましい製造方法について説明する。
本発明のトナーを最適に生産できる粉砕・分級システムは、図6に示すように、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段によって粗粉砕し、得られた粗粉砕物からなる粉体原料を、第1定量供給機に導入し、少なくとも中心回転軸に取り付けられた回転体からなる回転子と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転子の周囲に配置されている固定子とを具備し、且つ間隔を保持することによって形成される環状空間が気密状態となるように構成されている機械式粉砕機内に、上記第1定量供給機から所定量の粉体原料を該機械式粉砕機の粉体導入口を介して導入し、該機械式粉砕機の上記回転子を高速回転させることによって粉体原料を微粉砕する。該微粉砕物を機械式粉砕機の粉体排出口から排出して第2定量供給機に導入し、第2定量供給機から所定量の微粉砕物を、交差気流とコアンダ効果を利用して粉体を気流分級する多分割気流式分級機に導入し、該多分割気流式分級機内で微粉砕物を少なくとも微粉体、中粉体及び粗粉体に分級し、分級された粗粉体を粉体原料と混入し、上記機械式粉砕機に導入して粉砕し、分級された中粉体からトナーを生成するシステムである。
図11及び図12に本発明のトナーの製造方法に適用した装置システムの一例を示し、これに基づいて本発明を更に具体的に説明する。この装置システムに導入されるトナー原料である粉体原料には、結着樹脂,着色剤及び含イオウ化合物を少なくとも含有する着色樹脂粒子粉体が用いられるが、該粉体原料は、例えば、結着樹脂,着色剤及び含イオウ化合物からなる混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却し、更に冷却物を粉砕手段によって粗粉砕したものが用いられる。
この装置システムにおいて、トナー粉原料となる粉砕原料は、粉砕手段である機械式粉砕機301に第1定量供給機315を介して所定量導入される。導入された粉砕原料は、機械式粉砕機301で瞬間的に粉砕され、補集サイクロン229(図11では53)を介して第2定量供給機2(図11では54)に導入される。次いで振動フィーダー3(図11では55)を介し、更に原料供給ノズル16(図11では148)を介して分級手段である多分割気流式分級機1(図11では57)内に供給される。
この装置システムにおいて、第1定量供給機315から粉砕手段である機械式粉砕機301に導入される所定量と、第2定量供給機2(図11では54)から分級手段である多分割気流式分級機1(図11では57)に導入される所定量との関係を、第1定量供給機315から機械式粉砕機301に導入される所定量を1とした場合、第2定量供給機2(図11では54)から多分割気流式分級機1(図11では57)に導入される所定量を好ましくは0.7〜1.7、より好ましくは、0.7〜1.5、更に好ましくは、1.0〜1.2とすることがトナー生産性及び生産効率という点から好ましい。
気流式分級機は、相互の機器をパイプのごとき連通手段で連結し、装置システムに組み込まれて使用される。図11に示す一体装置システムは、多分割分級装置57、第2定量供給機54、振動フィーダー55、捕集サイクロン59、捕集サイクロン60、捕集サイクロン61を連通手段で連結してなるものである。また、図12に示す一体装置システムは、多分割分級装置1、定量供給機2、振動フィーダー3、捕集サイクロン4、捕集サイクロン5、捕集サイクロン6を連通手段で連結してなるものである。
この装置システムにおいて、粉体は、適宜の手段により、定量供給機2に送り込まれ、ついで振動フィーダー3を介し、原料供給ノズル16により3分割分級装置1内に導入される。導入に際しては、10〜350m/秒の流速で3分割分級機1内に粉体を導入する。3分割分級機1の分級室を構成する大きさは通常[10〜50cm]×[10〜50cm]なので、粉体は0.1〜0.01秒以下の瞬時に3種類以上の粒子群に分級し得る。そして、3分割分級機1により、大きい粒子(粗粒子)、中間の粒子、小さい粒子に分級される。その後、大きい粒子は排出導管11aを逝って、補集サイクロン6に送られ機械式粉砕機301に戻される。中間の粒子は排出導管12aを介して系外に排出され捕集サイクロン5で補集されトナーとなるべく回収される。小さい粒子は、排出導管13aを介して系外に排出され捕集サイクロン4で捕集され、トナー材料からなる粉体原料を生成する為の溶融混練工程に供給されて再利用されるか、或いは廃棄される。捕集サイクロン4,5,6は粉体を原料供給ノズル16を介して分級室に吸引導入するための吸引減圧手段としての働きをすることも可能である。また、この際分級される大きい粒子は、第1定量供給機315に再導入し、粉体原料中に混入させて、機械式粉砕機301にて再度粉砕することが好ましい。
図11に示すように、多分割気流式分級機57から第1定量供給機315に再導入される大きい粒子(粗粒子)の再導入量は、第2定量供給機54から供給される微粉砕品の重量を基準として、0乃至10.0質量%、更には、0乃至5.0質量%とすることがトナー生産性上好ましい。多分割気流式分級機57から第1定量供給機315に再導入される大きい粒子(粗粒子)の再導入量が10.0質量%を超えると、機械式粉砕機301内の粉塵濃度が増大し、装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、粉砕時に過粉砕され熱によるトナーの表面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性という点から好ましくない。
更に、図12に示すように、多分割気流式分級機1で分級された大きい粒子(粗粒子)を第3定量供給機331に導入し、第3定量供給機331から機械式粉砕機301に導入することがよりトナー生産性上好ましい。なおこの際、多分割気流式分級機1で分級された大きい粒子(粗粒子)の再導入量は、第2定量供給機2から供給される微粉砕品の重量を基準として、0乃至10.0質量%、更には、0乃至5.0質量%とすることがトナー生産性上好ましい。多分割気流式分級機1から第3定量供給機331に再導入される大きい粒子(粗粒子)の再導入量が10.0質量%を超えると、機械式粉砕機301内に導入される粗粒子の再導入量を多くしなけらばならなくなり、その結果、機械式粉砕機301内の粉塵濃度が増大し、装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、粉砕時に過粉砕され熱によるトナーの表面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性という点から好ましくない。
この装置システムにおいて、粉体原料の粒度は、18メッシュパス(ASTM E−11−61)が95質量%以上であり、100メッシュオン(ASTM E−11−61)が90質量%以上であることが好ましい。
また、この装置システムにおいて、重量平均粒径が10μm以下(更には8μm以下)のシャープな粒度分布を有するトナーを得るためには、機械式粉砕機で微粉砕された微粉砕物の重量平均粒径が4乃至10μm、4.0μm以下が70個数%以下、更には65個数%以下、10.1μm以上が25体積%以下、更には20体積%以下が好ましい。また、分級された中粉体の粒度は、重量平均粒径が5乃至10μm、4.0μm以下が40個数%以下、更には35個数%以下、10.1μm以上が25体積%以下、更には20体積%以下が好ましい。
本発明のトナーの製造方法を適用した上記装置システムにおいては、粉砕処理前の第1分級工程を必要とせず、粉砕工程及び分級工程を1パスで行うことができる。
本発明のトナー製造方法に使用される粉砕手段として好ましく用いられる機械式粉砕機について説明する。機械式粉砕機としては、例えば、川崎重工業(株)製粉砕機KTM、ターボ工業(株)製ターボミルなどを挙げることができ、これらの装置をそのまま、あるいは適宜改良して使用することが好ましい。
本発明においては、これらの中でも図7〜9に示したような機械式粉砕機を用いることが、粉体原料の粉砕処理を容易に行うことが出来るので効率向上が図られ、好ましい。
以下、図7〜9に示した機械式粉砕機について説明する。図7は、本発明において使用される機械式粉砕機の一例の概略断面図を示しており、図8は図7におけるD−D’面での概略的断面図を示しており、図9は図7に示す回転子314の斜視図を示している。該装置は、図7に示されている様に、ケーシング313、ジャケット316、ディストリビュータ220、ケーシング313内にあって中心回転軸312に取り付けられた回転体からなる高速回転する表面に多数の溝が設けられている回転子314、回転子314の外周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝が設けられている固定子310、更に、被処理原料を導入する為の原料投入口311、処理後の粉体を排出する為の原料排出口302とから構成されている。
以上のように構成してなる機械式粉砕機での粉砕操作は、例えば次のようにして行う。
即ち、図7に示した機械式粉砕機の粉体入口311から、所定量の粉体原料が投入されると、粒子は、粉砕処理室内に導入され、該粉砕処理室内で高速回転する表面に多数の溝が設けられている回転子314と、表面に多数の溝が設けられている固定子310との間の発生する衝撃と、この背後に生じる多数の超高速渦流、並びにこれによって発生する高周波の圧力振動によって瞬間的に粉砕される。その後、原料排出口302を通り、排出される。トナー粒子を搬送しているエアー(空気)は粉砕処理室を経由し、原料排出口302、パイプ219、補集サイクロン229、バグフィルター222、及び吸引ブロワー224を通って装置システムの系外に排出される。本発明においては、この様にして、粉体原料の粉砕が行われるため、微粉及び粗粉を増やすことなく所望の粉砕処理を容易に行うことが出来る。
また、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する際に、冷風発生手段321により、粉体原科と共に、機械式粉砕機内に冷風を送風し、機械式粉砕機本体はジャケット構造316を有する構造とし、冷却水(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を通水することにより、粉砕機内の雰囲気温度を0℃以下、より好ましくは−5〜−15℃、更に好ましくは−7〜−12℃とすることがトナー生産性という点から好ましい。粉砕機内の渦巻室の室温を0℃以下、より好ましくは−5〜−15℃、更に好ましくは−7〜−12℃とすることにより、熱によるトナーの表面変質を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができる。粉砕機内の雰囲気温度が0℃を超える場合、粉砕時に熱によるトナーの表面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性という点から好ましくない。また、粉砕機内の雰囲気温度を−15℃より低い温度で運転しようとすると、上記冷風発生手段321で使用している冷媒(代替フロン)をフロンに変更しなけらばならない。
現在、オゾン層保護の観点からフロンの撤廃が進められている。上記冷風発生手段321の冷媒にフロンを使用することは地球全体の環境問題という点から好ましくない。
なお、冷却水(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)は、冷却水供給口317よりジャケット内部に供給され、冷却水排出口318より排出される。
また、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する際に、機械式粉砕機の渦巻室212の室温T1と後室320の室温T2の温度差ΔT(T2−T1)を30〜80℃とすることが好ましく、より好ましくは35〜75℃、更に好ましくは37〜72℃とすることがトナー生産性という点から好ましい。機械式粉砕機の温度T1と温度T2とのΔTを30〜80℃、より好ましくは35〜75℃、更に好ましくは37〜72℃とすることにより、熱によるトナーの表面変質を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができる。機械式粉砕機の温度T1(入口温度)と温度T2(出口温度)とのΔTが30℃より小さい場合、粉砕されずにショートパスを起こしている可能性があり、トナー性能という点から好ましくない。また、80℃より大きい場合、粉砕時に過粉砕されている可能性があり、熱によるトナーの表面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性という点から好ましくない。
また、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する際に、機械式粉砕機の入口温度は、結着樹脂のガラス転移点(Tg)に対して、0℃以下であり且つTgよりも60乃至75℃低くすることがトナー生産性という点から好ましい。機械式粉砕機の入口温度を0℃以下であり且つTgよりも60乃至75℃低くすることにより、熱によるトナーの表面変質を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができる。また、出口温度は、Tgよりも5乃至30℃、更には10乃至20℃低いことが好ましい。機械式粉砕機の出口温度をTgよりも5乃至30℃低くすることにより、熱によるトナーの表面変質を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができる。
また、回転する回転子314の先端周速としては80〜180m/secであることが好ましく、より好ましくは90〜170m/sec、更に好ましくは100〜160m/secとすることがトナー生産性という点から好ましい。回転する回転子314の周速を80〜180m/sec、より好ましくは90〜170m/sec、更に好ましくは100〜160m/secとすることで、トナーの粉砕不足や過粉砕を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができる。回転子の周速が80m/secより遅い場合、粉砕されずにショートパスを起こしやすいのでトナー性能という点から好ましくない。また、回転子314の周速が180m/secより速い場合、装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、粉砕時に過粉砕され熱によるトナーの表面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性という点から好ましくない。
また、回転子314と固定子310との間の最小間隔は0.5〜10.0mmであることが好ましく、より好ましくは1.0〜5.0mm、更に好ましくは1.0〜3.0mmとすることが好ましい。回転子314と固定子310との間の間隔を0.5〜10.0mm、より好ましくは1.0〜5.0mm、更に好ましくは1.0〜3.0mmとすることで、トナーの粉砕不足や過粉砕を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができる。回転子314と固定子310との間の間隔が10.0mmより大きい場合、粉砕されずにショートパスを起こしやすいのでトナー性能という点から好ましくない。また回転子314と固定子310との間の間隔が0.5mmより小さい場合、装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、粉砕時に過粉砕され熱によるトナーの表面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性という点から好ましくない。
本発明の粉砕方法は、粉砕工程前の第1分級を必要としないため、トナーが微粒子化されることにより、粒子間の静電凝集が高まり、本来は第2分級手段に送られるトナーが再度第1分級手段に循環されることにより過粉砕となった微粉及び超微粉が発生しない。さらに、シンプルな構成に加え、粉砕原料を粉砕するのに多量のエアーを必要としない構成のため、電力消費が低く、エネルギーコストを低く抑えることができる。
次に、本発明のトナー製造方法を構成している分級手段として好ましく用いられる気流式分級機について説明する。
本発明に使用される好ましい多分割気流式分級機の一例として、図10(断面図)に示す形式の装置を一具体例として例示する。
図10において、側壁82及びGブロック83は分級室の一部を形成し、分級エッジブロック84及び85は分級エッジ77及び78を具備している。Gブロック83は左右に設置位置をスライドさせることが可能である。また、分級エッジ77及び78は、軸77a及び78aを中心にして、回動可能であり、分級エッジを回動して分級エッジ先端位置を変えることができる。各分級エッジブロック84及び85は左右に設置位置をスライドさせることが可能であり、それにともなってそれぞれのナイフエッジ型の分級エッジ77及び78も左右にスライドする。この分級エッジ77及び78により、分級室92の分級域90は3分画されている。
原料粉体を導入するための原料供給口95を原料供給ノズル76の最後端部に有し、該原料供給ノズル76の後端部に高圧エアー供給ノズル76と原料粉体導入ノズル97とを有し且つ分級室92に開口部を有する原料供給ノズル76を側壁82の右側に設け、該原料供給ノズル76の下部接線の延長方向に対して長楕円弧を描く様にコアンダブロック86が設置されている。分級室92の左部ブロック87は、分級室92の右側方向にナイフエッジ型の入気エッジ79を具備し、更に分級室92の左側には分級室92に開口する入気管74及び75を設けてある。また、図12に示すように入気管74及び75には、ダンパーのごとき第1気体導入調節手段80及び第2気体導入調節手段81と静圧計88及び静圧計89を設けてある。
分級エッジ87,88、Gブロック93及び入気エッジ79の位置は、被分級処理原料であるトナーの種類及び所望の粒径により調整される。
また、分級室92の上面にはそれぞれの分画域に対応させて、分級室内に開口する排出口71,72及び73を有し、排出口71,72及び73にはパイプの如き連通手段が接続されており、それぞれにバルブ手段のごとき開閉手段を設けてよい。
原料供給ノズル76は直角筒部と角錘筒部とからなり、直角筒部の内径と角錘筒部の最も狭い箇所の内径の比を20:1から1:1、好ましくは10:1から2:1に設定すると、良好な導入速度が得られる。
以上のように構成してなる多分割分級域での分級操作は、例えば次のようにして行う。即ち、排出口71,72及び73の少なくとも1つを介して分級室内を減圧し、分級室内に開口部を有する原料供給ノズル76中を該減圧によって流動する気流と高圧エアー供給ノズル76から噴射される圧縮エアーのエゼクター効果により、好ましくは流速10〜350m/secの速度で粉体は原料供給ノズル76を介して分級室に噴出し、分散する。
分級室に導入された粉体中の粒子は、コアンダブロック86のコアンダ効果による作用と、その際流入する空気のごとき気体の作用とにより湾曲線を描いて移動し、それぞれの粒子の粒径及び慣性力の大小に応じて、大きい粒子(粗粒子)は気流の外側、すなわち分級エッジ78の外側の第1分画、中間の粒子は分級エッジ78と77の間の第2分画、小さい粒子は分級エッジ77の内側の第3分画に分級され、分級された大きい粒子は排出口決定される。さらに、分級点は、分級気流の吸引流量あるいは原料供給ノズル76からの粉体の噴出速度等の影響を受ける。
本発明の気流式分級機は、特に電子写真法による画像形成方法に用いられるトナー又はトナー用着色樹脂粉体を分級する場合に有効である。本発明のトナーの製造に用いられる機械式粉砕機としては、例えば、KTM粉砕機(川崎重工業社製)、ターボミル(ターボ工業社製)等が挙げられ、これらの機械式粉砕機は適宜改良して使用することができる。
本発明のトナーに係る物性の測定方法を以下に列挙する。
(1)トナー及び結着樹脂の酸価測定
JIS K0070に記載の測定方法に準拠して行う。
測定装置 :電位差自動滴定装置 AT−400(京都電子社製)
装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
測定温度 :25℃
試料調製 :トナー1.0g又は結着樹脂0.5gをトルエン120mlに添加して室温(約25℃)で約10時間マグネチックスターラーを用いて撹拌して溶解する。更にエタノール30mlを添加して試料溶液とする。
測定操作 :
1)200mlのビーカーにトナー試料を1.0g精秤して入れる。これにトルエン120mlを添加して撹拌・溶解する。約10時間撹拌してから、エタノール30mlを添加してトルエンとエタノールの混合溶液とする。同時にブランクテスト用として同量のトルエンとエタノールのみからなる混合溶液を調整しておく。
2)0.1mol/lの水酸化カリウムのエタノール溶液を用いて、ブランクテストを行う。この時の水酸化カリウム溶液の使用量をB(ml)とする。
3)次に、トナー試料溶液の滴定を行う。この時の水酸化カリウム溶液の使用量をB(ml)とする。
4)次式により酸価を計算する。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}}/W
(2)THF可溶分の分子量測定
結着樹脂又はトナーのTHF可溶分のTHF(テトラハイドロフラン)を溶媒としたGPCによる分子量分布は次の条件で測定し、分子量1000以上を測定するものとする。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。なお、カラムをしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組合せるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組合せや、東ソー社製のTSkgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSkgurd columnの組合せを挙げることができる。
上記の方法で得られたGPCによる分子量分布から、分子量800以上の分子量積分値に対する分子量50万以上の分子量積分値の割合を算出することによって、分子量50万以上の成分の含有量を求める。
また、試料は以下の様にして作製する。
試料をTHF中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時THF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)などが使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。また、試料濃度は、樹脂成分が、0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
(3)テトラヒドロフラン(THF)不溶分の測定
THF不溶分を測定しようとするトナー試料を0.5乃至1.0gを精秤し、円筒ろ紙(東洋濾紙社製、No.86R、寸法は外形28mm×高さ100mm)に入れてソックスレー抽出器にかけ、抽出溶媒であるTHFは200ml使用する。抽出はオイルバスの温度を120乃至130℃に制御して使用し、1回の還流に要する時間は120乃至150秒になるように調整する。抽出時間は10時間とする。抽出終了後は円筒濾紙を70℃で10時間減圧乾燥し、下記式からTHF不溶分を算出する。
Figure 2005173063
(式中、W1はトナー試料の質量、W2は結着樹脂のTHF可溶成分、W3はトナーに含有される結着樹脂以外の成分(例えば、磁性体、ワックス、外添剤等である)を表す。)
(4)トナーのDSC曲線及びワックスの吸熱ピーク温度の測定
示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量する。
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。
この昇温過程で、温度30〜200℃の範囲におけるトナーのDSC曲線及びのDSC曲線におけるワックスのメインピークの吸熱ピークが得られる。この吸熱メインピークの温度をもってワックスの融点とする。
(5)結着樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定
示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
吸熱ピーク前後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発明におけるガラス転移温度Tgとする。
(6)ワックスの分子量分布の測定
GPC測定装置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
(7)結着樹脂原料又はトナーの結着樹脂成分の分子量分布測定
GPCによるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。試料が結着樹脂原料の場合は、結着樹脂原料をロールミルに素通し(130℃,15分)したものを用いる。試料がトナーの場合は、トナーをTHFに溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102,2.1×103,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×105,3.9×105,8.6×105,2×106,4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Waters社製のμ−styragel 500,103,104,105の組合せや、昭和電工社製のshodex KA−801,802,803,804,805,806,807の組合せが好ましい。
(8)トナーの粒度分布の測定
本発明のトナーの粒度分布測定は、コールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(ベックマン・コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(ベックマン・コールター社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準(各チャンネルの代表値とする)の重量平均径(D4)を求めた。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.72μm未満;12.72〜16.00μm未満;16.00〜20.02μm未満;20.02〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
(9)結着樹脂の架橋間分子量測定
架橋間分子量は、正弦波振動法による動的粘弾性の温度分散測定により得られる貯蔵弾性率(G’)から算出することができる。
測定装置:粘弾性測定装置ARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)
測定治具:直径25mmのパラレルプレートを使用する。
測定温度:窒素雰囲気下、90℃から毎分2℃で昇温して280℃まで測定する。
測定用試料:磁性トナー約2gを市販の濃塩酸50mlに添加して約70時間撹拌することによりトナーに含有される磁性体を完全に溶解して測定試料とする。
測定周波数:6.28ラジアン/秒
測定歪の設定:初期値を0.01%に設定し、自動測定モードにて測定を行った。
架橋間分子量の算出:下記式から算出する。
架橋間分子量=dRT/G’
式中、dは結着樹脂の密度、Rは気体定数、Tはゴム状平坦域を示す中心温度、G’はゴム状平坦域の中心温度における貯蔵弾性率を示す。
(10)水酸基価の測定
JIS K0070に記載の測定方法に準拠して行う。
試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後100℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするため再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁を良く洗う。ガラス電極を用いて1/2モルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行うことによりOH価を求める。
本発明のトナーを実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
−本発明に関わる変性ワックスの製造−
[製造例1]
キシレン100質量部に、炭化水素系ワックス30質量部を添加し、撹拌しながら110℃まで加熱した。窒素を通気しながら、スチレンモノマーを10質量部及び、重合開始剤(2,2’−ビス(4,4−ジ−t−プチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン)0.2質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間撹拌を継続し、還流温度まで過熱した。その後、溶媒であるキシレンを減圧留去することによりスチレン変性ワックス(1)を得た。
得られたワックスのピーク分子量は1000、Mw/Mnは1、吸熱ピーク温度は105℃であった。
[製造例2]
製造例1において、炭化水素系ワックスのかわりにパラフィンワックスを使用した以外は同様にして、スチレン変性ワックス(2)を得た。
得られたワックスのピーク分子量は880で、Mw/Mnは5.2、吸熱ピーク温度は73.7℃及び、80.1℃であった。
[製造例3]
製造例1において、炭化水素系ワックスのかわりにスチレン変性パラフィンワックスを使用した以外は同様にして、スチレン変性ワックス(3)を得た。
得られたワックスのピーク分子量は900で、Mw/Mnは7.3、吸熱ピーク温度は73.3℃及び、80.1℃であった。
−本発明に関わるハイブリッド樹脂の製造−
[製造例4]
テレフタル酸:35モル%、フマル酸:16モル%、式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:エチレン基、x+y=2.4):20モル%及び式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:プロピレン基、x+y=2.2):20モル%からなる不飽和ポリエステル(1)25質量部と、テレフタル酸:41モル%、式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:エチレン基、x+y=2.4):24モル%及び式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:プロピレン基、x+y=2.2):24モル%からなる飽和ポリエステル(1)にフタル酸:5モル%を添加し、水酸基をエンドキャップしたエンドキャップポリエステル(E−1)75質量部を、還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を備えた反応容器にキシレン200質量部とともに投入した。窒素を導入しながら反応容器の内温を115〜120℃まで加熱して上記ポリエステルをキシレンに溶解した。
次に、ビニル系重合体ユニットを形成するスチレン74質量部、アクリル酸ブチル20質量部、マレイン酸モノブチル6質量部及び重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド2質量部からなるモノマー混合物を添加して8時間ラジカル重合反応を行ない、減圧下でキシレンを留去することにより不飽和ポリエステルにビニル系重合体がグラフトしたハイブリッド樹脂(1)、エンドキャップポリエステル(E−1)及びビニル系重合体の溶液混合物を得た。
次いで、表3に示したワックス(1)9.5質量部を添加して更に3時間撹拌を行うことで、飽和ポリエステル(1)及び上記ハイブリッド樹脂(1)の水酸基とビニル系重合体のマレイン酸モノブチルユニットからブタノールが脱離することにより生成した酸無水物がエステル結合したハイブリッド樹脂(2)及び/またはハイブリッド樹脂(2)とワックス(1)を含有する樹脂組成物を得た。これらの樹脂組成物は分子量9000にメインピークを有し、ガラス転移温度(Tg)は58℃、酸価は25mgKOH/gであり、水酸基価は18mgKOH/gを有していた。これを本発明のハイブリッド樹脂組成物(H−1)とする。
[製造例5]
製造例4において、飽和ポリエステル(1)のかわりに、テレフタル酸:42モル%,式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:エチレン基、x+y=2.4):24モル%及び式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:プロピレン基、x+y=2.2):24モル%からなる飽和ポリエステル(2)にフタル酸:10モル%を添加したエンドキャップポリエステル(E−2)75質量部を使用し、ビニル系重合体ユニットを形成するモノマーとしてスチレン75.5質量部、アクリル酸ブチル24質量部、マレイン酸モノブチル4質量部及び重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド2質量部を使用した以外は同様にして、分子量4800にメインピークを有し、ガラス転移温度(Tg)は61℃、酸価は35mgKOH/gであり、水酸基価は13mgKOH/g有していた。これを本発明のハイブリッド樹脂組成物(H−2)を得た。
[製造例6]
製造例4において、飽和ポリエステル(1)のかわりに、テレフタル酸:42モル%,式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:エチレン基、x+y=2.4):24モル%及び式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:プロピレン基、x+y=2.2):24モル%からなる飽和ポリエステル(3)にフタル酸:3モル%を添加したエンドキャップポリエステル(E−3)75質量部を使用した以外は同様にして、分子量7000にメインピークを有し、ガラス転移温度(Tg)は62℃、酸価は20mgKOH/gであり、水酸基価は28mgKOH/g有していた。これを本発明のハイブリッド樹脂組成物(H−3)を得た。
[製造例7]
製造例4において、飽和ポリエステル(1)のかわりに、テレフタル酸:43モル%,式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:エチレン基、x+y=2.4):24モル%及び式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:プロピレン基、x+y=2.2):24モル%からなる飽和ポリエステル(4)にフタル酸:1モル%を添加したエンドキャップポリエステル(E−4)75質量部を使用した以外は同様にして、分子量6800にメインピークを有し、ガラス転移温度(Tg)は62℃、酸価は10mgKOH/gであり、水酸基価は39mgKOH/g有していた。これを本発明のハイブリッド樹脂組成物(H−4)を得た。
[製造例8]
製造例4において、不飽和ポリエステル(1)のかわりに、テレフタル酸:32モル%,フマル酸:15モル%,式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:エチレン基、x+y=2.4):24モル%及び式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:プロピレン基、x+y=2.2):24モル%からなる不飽和ポリエステル(2)25質量部と、飽和ポリエステル(1)のかわりに、テレフタル酸:37モル%,無水トリメリット酸:2.3モル%,式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:エチレン基、x+y=2.4):18モル%及び式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:プロピレン基、x+y=2.2):18モル%からなる飽和ポリエステル(5)に安息香酸16モル%を添加したエンドキャップポリエステル(E−4)75質量部を使用した以外は同様にして、分子量4800にメインピークを有し、ガラス転移温度(Tg)は61℃、酸価は8mgKOH/gであり、水酸基価は9mgKOH/g有していた。これを本発明のハイブリッド樹脂組成物(H−5)を得た。
[製造例9]
製造例8において、ビニル系重合体ユニットに、スチレン77質量部、アクリル酸ブチル21質量部、マレイン酸モノブチル2質量部及び重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド2質量部を使用した以外は同様にして、分子量3500にメインピークを有し、ガラス転移温度(Tg)は59℃、酸価は12mgKOH/gであり、水酸基価は11mgKOH/g有していた。これを本発明のハイブリッド樹脂組成物(H−6)を得た。
[製造例10]
製造例4において、飽和ポリエステル(1)のかわりに、テレフタル酸:43モル%,式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:エチレン基、x+y=2.4):24モル%及び式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:プロピレン基、x+y=2.2):24モル%からなる飽和ポリエステル(4)に安息香酸:11モル%を添加したエンドキャップポリエステル(E−5)75質量部を使用し、ビニル系重合体ユニットに、スチレン67質量部、アクリル酸ブチル21質量部、マレイン酸モノブチル12質量部及び重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド2質量部を使用した以外は同様にして、分子量11000にメインピークを有し、ガラス転移温度(Tg)は59℃、酸価は34mgKOH/gであり、水酸基価は17mgKOH/g有していた。これを本発明のハイブリッド樹脂組成物(H−7)を得た。
[製造例11]
製造例10において、ビニル系重合体ユニットに、スチレン63質量部、アクリル酸ブチル21質量部、マレイン酸モノブチル16質量部及び重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド2質量部を使用した以外は同様にして、分子量13000にメインピークを有し、ガラス転移温度(Tg)は60℃、酸価は42mgKOH/gであり、水酸基価は13mgKOH/g有した、本発明のハイブリッド樹脂組成物(H−8)を得た。
[製造例12]
製造例4において、テレフタル酸:35モル%、フマル酸:16モル%、式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:エチレン基、x+y=2.4):20モル%及び式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:プロピレン基、x+y=2.2):20モル%からなる不飽和ポリエステル(1)に無水トリメリット酸10モル%を添加したエンドキャップポリエステル樹脂(E−6)25質量部と、テレフタル酸:41モル%、式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:エチレン基、x+y=2.4):24モル%及び式(2)で表せるビスフェノールA誘導体(R:プロピレン基、x+y=2.2):24モル%からなる飽和ポリエステル(5)75質量部を使用した以外は同様にして、分子量8000にメインピークを有し、ガラス転移温度(Tg)は61℃、酸価は23mgKOH/gであり、水酸基価は22mgKOH/g有した、本発明のハイブリッド樹脂(H−9)を得た。
[製造例13〜18]
製造例4において、ワックス(1)のかわりに表3に示すワックス(2)〜(7)を添加した以外は同様にして、本発明のハイブリッド樹脂組成物(H−10)〜(H−15)を得た。
[比較製造例1]
テレフタル酸:30モル%、イソフタル酸:28モル%、フマル酸:2モル%、1,4−シクロヘキサンジオール:40モル%からなる比較用不飽和ポリエステル(1)を使用し、ビニル系重合体ユニットとしてスチレン65質量部、ジビニルベンゼン0.5質量部及び重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2質量部からなるモノマー混合物を用いた以外は製造例4と同様にして、分子量2万1000にメインピークを有し、酸価は56mgKOH/gであり、水酸基価は1mgKOH/gである比較用ハイブリッド樹脂(R−1)を得た。
[比較製造例2]
テレフタル酸:20モル%、イソフタル酸:18モル%、1,4−シクロヘキサンジオール:62モル%からなる比較用飽和ポリエステル(1)を使用し、ビニル系重合体ユニットとしてスチレン80質量部、アクリル酸ブチル16質量部、マレイン酸モノブチル1質量部及び重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイドを10質量部からなるモノマー混合物を用いた以外は製造例4と同様にして、分子量2300にメインピークを有し、酸価は3mgKOH/gであり、水酸基価は53mgKOH/gである比較用ハイブリッド樹脂(R−2)を得た。
[比較製造例3]
スチレン84質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル16質量部よりなるガラス転移温度(Tg)は62℃、数平均分子量(Mn)8000のビニル系重合体200g、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン463g(=26.8モル%)、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン551g(=28.5モル%)、フマル酸191g(=30.2モル%)、トリメリット酸168g(=14.5モル%)、ジブチル錫オキシド2g、及び、ハイドロキノン1.5gをガラス製2lの4つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け、200℃で反応することで酸価14mgKOH/g、水酸基価23mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)63℃の比較用樹脂組成物(R−3)を得た。
[比較製造例4]
温度計、撹拌装置、冷却器及び窒素導入管をそなえた反応器にポリエステル(ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物4742質量部、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物4458質量部、ボラック型フェノールノ樹脂のエチレンオキシド5モル 付加物597質量部及びテレフタル酸3901質量部からなり、数平均分子量(Mn)3100、重量平均分子量(Mw)2万1000、水酸基価48mgKOH/g)8700質量部とビニル系ポリマー(スチレン320質量部、マレイン酸モノメチル96質量部及びアクリロニトリル62質量部からなる共重合体、数平均分子量(Mn)5400、重量平均分子量(Mw)2万1000、酸価160mgKOH/g)1300質量部を入れ、最初に窒素雰囲気下190℃で反応させ、次いで減圧下でエステル化反応をすることにより、ピーク分子量2900、Tg56℃であり、酸価10mgKOH/g、水酸基価15mgKOH/gの比較用樹脂組成物(R−4)を得た。
<実施例1>
・ハイブリッド樹脂(H−1) 100質量部
・磁性体 90質量部
(平均粒径0.22μm、保磁力9.6kA/m、飽和磁化83Am2/kg、
残留磁化15Am2/kg)
・荷電制御剤 2質量部
(モノアゾ化合物2モルと鉄原子1モルからなる化合物)
上記粉体原料を図7、12に示す装置システムで粉砕及び分級を行った。機械式粉砕機301には、ターボ工業社製ターボミルT−250型を用い、図8に示す回転子314と固定子310の間隙を1.5mmとし、回転子314の周速を115m/sで運転した。
本実施例では、テーブル式の第1定量供給機315にて粗粉砕物からなる粉体原料を、40kg/hの割合で機械式粉砕機301に供給し、粉砕した。機械式粉砕機301で粉砕された粉体原料は、排気ファン224からの吸引エアーに同伴されながらサイクロン229にて捕集され、第2定量供給機62へと導入される。なお、このとき、機械式粉砕機内の入口温度は−10℃、出口温度は39℃、入口温度と出口温度のΔTは49℃であった。また、この時に機械式粉砕機301で粉砕されて得られた微粉砕品Aは、重量平均径が7.2μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が29個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子を2.7体積%含有するシャープな粒度分布を有していた。
次に、上記の機械式粉砕機301で粉砕されて得られた微粉砕品(1)を、第2定量供給機2に導入し、振動フィーダー3、原料供給ノズル76を介して44kg/hの割合で図10の構成を有する気流式分級機61に導入した。該気流式分級機61では、コアンダ効果を利用して、粗粉体、中粉体及び微粉体の3種の粒度に分級される。気流式分級機1への導入に際しては、排出口71,72及び73の少なくとも1つを介して分級室内を減圧し、分級室内に開口部を有する原料供給ノズル76中を該減圧によって流動する気流と、高圧エアー供給ノズル96から噴射される圧縮エアーを利用した。導入された微粉砕品は、0.1秒以下の瞬時に、粗粉体G、中粉体M−1及び微粉体の3種に分級された。分級されたもののうち、粗粉体Gは捕集サイクロン66で捕集した後、先に説明した機械式粉砕機301に2.0kg/hの割合で導入し、再度粉砕工程に導入した。
上記の分級工程で分級された中粉体M−1(分級品)は、質量平均粒径が7.0μmであり、この中粉体M−1(分級品)100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET比表面積、200m2/g)4質量部及びSt−c(チタン酸ストロンチウム)をヘンシェルミキサーに1質量部、外添添加して本発明のトナー(1)とした。
このトナー(1)のTHF可溶分の分子量を測定したところ、ピーク分子量6400、分子量10万以上の成分を8質量%含有し、Mzは9.6×106を示し、Mz/Mwは142を示した。また、トナーの酸価及び水酸基価を測定したところ、それぞれ、12mgKOH/g、14mgKOH/gであった。また、粘弾性測定により算出される架橋間分子量は1.4×106であった。
トナー(1)を用いて、キヤノン製デジタル複写機GP−405(プロセススピード105mm/秒、サーフ定着)及びキヤノン製複写機NP−6085(プロセススピード320mm/秒、熱ロール定着)で画像特性を評価したところ、表5に示したような良好な結果が得られた。
次に、NP−6085の定着器をとりはずし外部駆動装置、定着器の温度制御装置及びローラーの加圧力を調整する装置を装着した定着試験装置を試作した。ローラー周速を150mm/秒、総加圧力を40kgfとして、1.2の画像濃度を与えるトナーを現像した未定着画像を用いて、ローラー表面温度を150℃に設定して低温定着試験を行ない、ローラー表面温度を220℃に設定して耐高温オフセット性を評価したところ、表5に示したような良好な結果が得られた。
<実施例2>
実施例1において、ハイブリッド樹脂(H−1)のかわりに、ハイブリッド樹脂(H−9)を使用し、且つ製造時にワックス(1)を添加した以外は同様にして本発明のトナー(2)を得た。実施例1と同様にして評価した結果を表5に示す。
<実施例3〜9>
実施例1において、ハイブリッド樹脂(H−1)のかわりに、ハイブリッド樹脂(H−2)〜(H−8)を使用した以外は同様にして本発明のトナー(3)〜(9)を得た。実施例1と同様にして評価した結果を表5に示す。
<実施例10〜15>
実施例1において、ハイブリッド樹脂(H−1)のかわりに、ハイブリッド樹脂(H−10)〜(H−15)を使用した以外は同様にして本発明のトナー(10)〜(15)を得た。実施例1と同様にして評価した結果を表5に示す。
<比較例1>
・比較用ハイブリッド樹脂(R−1) 100質量部
・磁性体 47質量部
(平均粒径0.22μm、保磁力9.6kA/m、飽和磁化83Am2/kg、
残留磁化15Am2/kg)
・荷電制御剤 2質量部
(モノアゾ化合物(6)2モルと鉄原子1モルからなる化合物)
・比較用ワックス(1) 5質量部
上記原料混合物を130℃に加熱された2軸混練押出機によって溶融混練を行った。混練物は放冷後、カッターミルで組粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平均粒径7.3μmの比較用磁性トナー(1)を得た。
[比較例2〜4]
比較例1において、比較用ハイブリッド樹脂(R−2)〜(R−4)を使用した以外は同様にして比較用トナー(2)〜(4)を得た。評価結果を表5に示す。
[比較例5]
比較例1において、比較用ワックス(2)を5質量部使用した以外は同様にして比較用トナー(5)を得た。評価結果を表5に示す。
Figure 2005173063
Figure 2005173063
Figure 2005173063
低温定着性のランク
ランク5:摺擦による濃度低下率が5%未満
ランク4:摺擦による濃度低下率が10%未満
ランク3:摺擦による濃度低下率が15%未満
ランク2:摺擦による濃度低下率が20%未満
ランク1:摺擦による濃度低下率が20%以上
ホットオフセットのランク
ランク5:まったく発生せず
ランク4:軽微なオフセット発生するが、実用的には許容できる
ランク3:目視で容易に判別できるオフセット発生
ランク2:顕著なオフセット発生
ランク1:紙がローラーに巻き付く
トナーのワックス分散性のランク
トナーを偏光板に取り付けた光学顕微鏡を用いて低倍率(例えば、30から100倍)で観察し、約500個のトナー粒子当りで,トナーから遊離しているワックスの粒子の存在を示す輝点の数を測定した。
ランク5:偏光板を通して輝点なし
ランク4:1〜10個の輝点(実用上問題ない程度)
ランク3:11〜20個の輝点(画像のカブリ濃度が高くなる程度)
ランク2:21〜30個の輝点(感光体ドラム上にワックスが固着する程度)
ランク1:30個以上の輝点(感光体ドラム上にワックス及びトナーが固着する程度)
トナーのブロッキング評価(50℃の環境に72時間放置して評価)
ランク5:トナーの流動性に変化が見られない
ランク4:トナーの流動性が若干低下している
ランク3:トナーの凝集体が見られるが、容易にほぐれる(実用的には許容できる)
ランク2:トナーの凝集体が見られる、芯があり完全にはほぐれない
ランク1:ケーキング
「画像濃度」は、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、直径5mmの円形画像の反射濃度を測定して求めた。
本発明のトナーが使用される画像形成装置に使用される、現像剤担持体が組み込まれる現像剤補給系現像装置の一例を示す概略図である。 本発明のトナーが使用される画像形成装置に使用される、現像剤担持体が組み込まれる現像剤補給系現像装置の一例を示す概略図である。 本発明のトナーが使用される画像形成装置に適用される現像装置の現像剤担持体の一部分の断面の概略図である。 本発明のトナーを適用しえる画像形成装置の概略的説明図である。 本発明の画像形成方法に適用しえる定着装置の概略図である。 本発明のトナーの製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明のトナーの粉砕工程において使用される一例の機械式粉砕機の概略断面図である。 図7におけるD−D’面での概略的断面図である。 図7に示す回転子の斜視図である。 本発明のトナーの分級工程に用いられる多分割気流式分級装置の概略断面図である。 本発明のトナーの製造方法を示すシステム図である。 本発明のトナーの製造方法の他の例を示すシステム図である。
1 多分割分級機
2 第2定量供給機
3 振動フィーダー
4、5、6、229 捕集サイクロン
71、72、73 排出口
11a、12a、13a 排出導管
14、15 入気管
54 第2定量供給機
55 振動フィーダー
57 多分割分級機
53,59,60,61 捕集サイクロン
62,65 インジェクションフィーダ
63 中紛体 (製品)
64 超微紛体
148,149 原料供給管
150 分級室上部壁
151 入気エッジ
152,153 入気管
154,155 気体導入調節手段
156,157 静圧計
158,159,160 排出口
76 原料供給ノズル
77、78 分級エッジ
79 入気エッジ
80 第1気体導入調節手段
81 第2気体導入調節手段
82、83 側壁
84、85 分級エッジブロック
86 コアンダブロック
87 左部ブロック
88、89 静圧計
90 分級域
92 分級室
95 原料供給口
96 高圧エアー供給ノズル
97 原料粉体導入ノズル
7 感光ドラム
9 現像剤容器
10 磁性トナー
11 多極永久磁石
14 現像スリーブ
220 ディストリビュータ
222 バグフィルター
224 吸引ブロワー
229 捕集サイクロン
301 機械式粉砕機
302 粉体排出口
310 固定子
311 粉体投入口
312 回転軸
313 ケーシング
314 回転子
315 第1定量供給機
316 ジャケット
317 冷却水供給口
318 冷却水排出口
320 後室
321 冷風発生手段
331 第3定量供給
524 第2定量供給機
525 振動フィーダー
527 多分割分級機
523、529、530、531 捕集サイクロン
533 中粉体(製品)
534 超微粉体
535 インジェクションフィーダー
550 分級室上部壁
551 入気エッジ
552、553 入気管
554、555 気体導入調節手段
556、557 静圧計
558、559、560 排出口

Claims (65)

  1. 結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及びワックスを少なくとも含有するトナーにおいて、
    (a)該トナーの結着樹脂がポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を含有するものであり、
    (b)該トナーの結着樹脂が、1.0×105乃至1.0×107の架橋間分子量を有し、
    (c)該トナーのテトラヒドロン(THF)可溶分がゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量3000乃至1万5000にメインピークを有し、Z平均分子量(Mz)が2.0×108以下であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が30乃至500であることを特徴とするトナー。
  2. 該トナーの結着樹脂が、5.0×105乃至5.0×106の架橋間分子量を有することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該トナーの結着樹脂が、1.0×106乃至3.0×106の架橋間分子量を有することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  4. 該トナーのテトラヒドロン(THF)可溶分が、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量4000乃至1万2000にメインピークを有し、Z平均分子量(Mz)が1.5×108以下であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が60乃至300であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 該トナーのテトラヒドロン(THF)可溶分が、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量5000乃至1万にメインピークを有し、Z平均分子量(Mz)が1.0×108以下であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が100乃至200であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  6. 該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分が、分子量10万以上の成分を0.1乃至30質量%含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分が、分子量10万以上の成分を3乃至20質量%含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  8. 該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分が、分子量10万以上の成分を5乃至10質量%含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  9. 該トナーの酸価が、1乃至25mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  10. 該トナーの酸価が、5乃至20mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  11. 該トナーの酸価が、10乃至15gKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  12. 該トナーの水酸基価が、2乃至40mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. 該トナーの水酸基価が、7乃至30mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  14. 該トナーの水酸基価が、12乃至25mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  15. 該トナーに含有されるワックスが、分子量300乃至20000にメインピークを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.0乃至20であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナー。
  16. 該トナーに含有されるワックスが、分子量500乃至15000にメインピークを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.1乃至15であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナー。
  17. 該トナーに含有されるワックスが、分子量700乃至10000にメインピークを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.2乃至15であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナー。
  18. 該トナーの示差走査熱量計(DSC)で測定される昇温時のDSC曲線において、温度60乃至150℃の領域に相異なる吸熱ピーク及び/又はショルダーが少なくとも2個以上観察されることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載のトナー。
  19. 該トナーの示差走査熱量計(DSC)で測定される昇温時のDSC曲線において、温度60乃至90℃の領域に少なくとも1個の吸熱ピークを有し、温度90℃乃至150℃の領域に少なくとも1個の吸熱ピーク及び/又はショルダーを有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載のトナー。
  20. 該トナーが、炭化水素系ワックス、ポリエチレン系ワックスまたはポリプロピレン系ワックスのいずれか一種を少なくとも含有していることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のトナー。
  21. 該トナーが、ビニル系モノマーで変性された炭化水素系ワックス、ポリエチレン系ワックスまたはポリプロピレン系ワックスのいずれか一種を少なくとも含有していることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のトナー。
  22. 該トナーが、芳香族ビニル系モノマーで変性された炭化水素系ワックスを含有していることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のトナー。
  23. 該トナーに含有されるワックスが、結着樹脂製造時に添加されていることを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載のトナー。
  24. 該トナーの重量平均径が4乃至12μmであり、トナーの粒度分布において、粒径10.1μm以上の粒子を50体積%未満含有することを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載のトナー。
  25. 該トナーは重量平均径が5乃至9μmであり、トナーの粒度分布において、粒径10.1μm以上の粒子を30体積%以下含有することを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載のトナー。
  26. 該トナーは重量平均径が5.5乃至8μmであり、トナーの粒度分布において、粒径10.1μm以上の粒子を10体積%以下含有することを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載のトナー。
  27. 該トナーが、BET比表面積が30m2/g以上である無機微粉体を外添していることを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載のトナー。
  28. 該トナーが、BET比表面積が60乃至400m2/gである無機微粉体を外添していることを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載のトナー。
  29. 該トナーが、BET比表面積が20m2/g以上である表面処理された無機微粉体を外添していることを特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載のトナー。
  30. 該トナーが、BET比表面積が40乃至300m2/gである表面処理された無機微粉体を外添していることを特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載のトナー。
  31. 該トナーが、メタノールウエッタビリティーが30%以上の無機微粉体を外添していることを特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載のトナー。
  32. 該トナーが、メタノールウエッタビリティーが50%以上の無機微粉体を外添していることを特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載のトナー。
  33. (I)静電荷像を担持するための像担持体に担持されている静電荷像を負摩擦帯電性トナーにより現像してトナー画像を形成する現像工程;
    (II)該像担持体上に形成されたトナー画像が中間転写体を介して、または介さずに記録材に転写する転写工程;及び
    (III)該記録材に転写されたトナー画像を該記録材に加熱定着する定着工程;を有する画像形成方法において、
    該トナーは、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及びワックスを少なくとも含有するトナーであって、
    (a)該トナーの結着樹脂がポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハイブリッド樹脂成分を含有するものであり、
    (b)該トナーの結着樹脂が、1.0×105乃至1.0×107の架橋間分子量を有し、
    (c)該トナーのテトラヒドロン(THF)可溶分がゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量3000乃至1万5000にメインピークを有し、Z平均分子量(Mz)が2.0×108以下であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が30乃至500であることを特徴とする画像形性方法。
  34. 該トナーの結着樹脂が、5.0×105乃至5.0×106の架橋間分子量を有することを特徴とする請求項33に記載の画像形性方法。
  35. 該トナーの結着樹脂が、1.0×106乃至3.0×106の架橋間分子量を有することを特徴とする請求項33に記載の画像形性方法。
  36. 該トナーのテトラヒドロン(THF)可溶分が、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量4000乃至1万2000にメインピークを有し、Z平均分子量(Mz)が1.5×108以下であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が60乃至300であることを特徴とする請求項33乃至35のいずれかに記載の画像形性方法。
  37. 該トナーのテトラヒドロン(THF)可溶分が、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量5000乃至1万にメインピークを有し、Z平均分子量(Mz)が1.0×108以下であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が100乃至200であることを特徴とする請求項33乃至36のいずれかに記載の画像形性方法。
  38. 該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分が、分子量10万以上の成分を0.1乃至30質量%含有することを特徴とする請求項33乃至37のいずれかに記載の画像形性方法。
  39. 該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分が、分子量10万以上の成分を3乃至20質量%含有することを特徴とする請求項33乃至37のいずれかに記載の画像形性方法。
  40. 該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分が、分子量10万以上の成分を5乃至10質量%含有することを特徴とする請求項33乃至37のいずれかに記載の画像形性方法。
  41. 該トナーの酸価が、1乃至25mgKOH/gであることを特徴とする請求項33乃至40のいずれかに記載の画像形性方法。
  42. 該トナーの酸価が、5乃至20mgKOH/gであることを特徴とする請求項33乃至40のいずれかに記載の画像形性方法。
  43. 該トナーの酸価が、10乃至15mgKOH/gであることを特徴とする請求項33乃至41のいずれかに記載の画像形性方法。
  44. 該トナーの水酸基価が、2乃至40mgKOH/gであることを特徴とする請求項33乃至43のいずれかに記載の画像形性方法。
  45. 該トナーの水酸基価が、7乃至30mgKOH/gであることを特徴とする請求項33乃至43のいずれかに記載の画像形性方法。
  46. 該トナーの水酸基価が、12乃至25mgKOH/gであることを特徴とする請求項33乃至43のいずれかに記載の画像形性方法。
  47. 該トナーに含有されるワックスが、分子量300乃至20000にメインピークを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.0乃至20であることを特徴とする請求項33乃至46のいずれかに記載の画像形性方法。
  48. 該トナーに含有されるワックスが、分子量500乃至15000にメインピークを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.1乃至15であることを特徴とする請求項33乃至46のいずれかに記載の画像形性方法。
  49. 該トナーに含有されるワックスが、分子量700乃至10000にメインピークを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.2乃至15であることを特徴とする請求項33乃至46のいずれかに記載の画像形性方法。
  50. 該トナーの示差走査熱量計(DSC)で測定される昇温時のDSC曲線において、温度60乃至150℃の領域に相異なる吸熱ピーク及び/又はショルダーが少なくとも2個以上観察されることを特徴とする請求項33乃至49のいずれかに記載の画像形性方法。
  51. 該トナーの示差走査熱量計(DSC)で測定される昇温時のDSC曲線において、温度60乃至90℃の領域に少なくとも1個の吸熱ピークを有し、温度90℃乃至150℃の領域に少なくとも1個の吸熱ピーク及び/又はショルダーを有することを特徴とする請求項33乃至49のいずれかに記載の画像形性方法。
  52. 該トナーが、炭化水素系ワックス、ポリエチレン系ワックスまたはポリプロピレン系ワックスのいずれか一種を少なくとも含有していることを特徴とする請求項33乃至51のいずれかに記載の画像形性方法。
  53. 該トナーが、ビニル系モノマーで変性された炭化水素系ワックス、ポリエチレン系ワックスまたはポリプロピレン系ワックスのいずれか一種を少なくとも含有していることを特徴とする請求項33乃至51のいずれかに記載の画像形性方法。
  54. 該トナーが、芳香族ビニル系モノマーで変性された炭化水素系ワックスを含有していることを特徴とする請求項33乃至51のいずれかに記載の画像形性方法。
  55. 該トナーに含有されるワックスが、結着樹脂製造時に添加されていることを特徴とする請求項33乃至54のいずれかに記載の画像形性方法。
  56. 該トナーの重量平均径が4乃至12μmであり、トナーの粒度分布において、粒径10.1μm以上の粒子を50体積%未満含有することを特徴とする請求項33乃至55のいずれかに記載の画像形性方法。
  57. 該トナーは重量平均径が5乃至9μmであり、トナーの粒度分布において、粒径10.1μm以上の粒子を30体積%以下含有することを特徴とする請求項33乃至55のいずれかに記載の画像形性方法。
  58. 該トナーは重量平均径が5.5乃至8μmであり、トナーの粒度分布において、粒径10.1μm以上の粒子を10体積%以下含有することを特徴とする請求項33乃至55のいずれかに記載の画像形性方法。
  59. 該トナーが、BET比表面積が30m2/g以上である無機微粉体を外添していることを特徴とする請求項33乃至58のいずれかに記載の画像形性方法。
  60. 該トナーが、BET比表面積が60乃至400m2/gである無機微粉体を外添していることを特徴とする請求項33乃至58のいずれかに記載の画像形性方法。
  61. 該トナーが、BET比表面積が20m2/g以上である表面処理された無機微粉体を外添していることを特徴とする請求項33乃至60のいずれかに記載の画像形性方法
  62. 該トナーが、BET比表面積が40乃至300m2/gである表面処理された無機微粉体を外添していることを特徴とする請求項33乃至60のいずれかに記載の画像形性方法。
  63. 該トナーが、メタノールウエッタビリティーが30%以上の無機微粉体を外添していることを特徴とする請求項33乃至62のいずれかに記載の画像形性方法。
  64. 該トナーが、メタノールウエッタビリティーが50%以上の無機微粉体を外添していることを特徴とする請求項33乃至62のいずれかに記載の画像形性方法。
  65. 感光体上に形成された静電潜像にトナーを転移させて可視化してトナー像を形成させ、該トナー像を転写材に転写させることにより画像を形成する画像形成装置に用いられ、同装置から着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、
    感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、前記感光体上に静電潜像を形成させる潜像形成手段と、前記トナー像を記録材に転写させる転写手段と、前記転写材にトナー像が転写された後に前記感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、から選ばれる少なくとも1つの手段が、前記感光体上に形成された前記静電潜像にトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段と一体に支持され、
    前記トナーは、請求項1乃至32のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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