JPH1195482A - 電子写真用トナーバインダー - Google Patents

電子写真用トナーバインダー

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JPH1195482A
JPH1195482A JP27213397A JP27213397A JPH1195482A JP H1195482 A JPH1195482 A JP H1195482A JP 27213397 A JP27213397 A JP 27213397A JP 27213397 A JP27213397 A JP 27213397A JP H1195482 A JPH1195482 A JP H1195482A
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JP
Japan
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resin
acid
parts
molecular weight
weight
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JP27213397A
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English (en)
Inventor
Tomohisa Kato
智久 加藤
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1195482A publication Critical patent/JPH1195482A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱定着型の複写機もしくはプリンターに用
いる低温定着性、耐ホットオフセット性および耐熱保存
性に優れた電子写真用トナーバインダーの提供。 【解決手段】 重量平均分子量20万〜1,000万、
数平均分子量3万〜300万である(メタ)アクリロニ
トリル系樹脂(A)と重量平均分子量2,000〜5
万、数平均分子量1,000〜3万である(メタ)アク
リロニトリル系樹脂(B)と融点40〜120℃、溶融
粘度(150℃)5〜1,000センチポイズである縮
合型樹脂(C)とからなる電子写真用トナーバインダ
ー;および、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアル
キレンエーテル(D)単位を有するポリエステル樹脂
(E)と融点40〜120℃、溶融粘度(150℃)5
〜1,000センチポイズである縮合型樹脂(C)とか
らなる電子写真用トナーバインダー

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用トナーバ
インダーに関する。
【0002】
【従来の技術】粉体の乾式トナーによる電子写真用プロ
セスでは紙等の上に転写されたトナーを定着するため
に、接触加熱型定着器(ヒートロールを用いる方法、加
熱体と紙等の間にフィルムまたはベルトを介する方法
(例えば特開平4−70688号公報および特開平4−
12558号公報)が広く採用されている。この方法で
は、定着下限温度(以下MFTと略す)は低いことが望
ましく(低温定着性)、また、ヒートロール表面、フィ
ルムまたはベルトへのホットオフセットが発生する温度
(以下HOTと略す)は高いことが望ましい(耐ホット
オフセット性)。また、電子写真プロセスの機械内で
は、定着器等から熱が発生するため、トナーが熱によっ
て凝集し流動性が悪化したりすることのないよう、耐熱
保存性も満たさなければならない。
【0003】従来、この乾式トナーのバインダー成分と
して、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル酸エステ
ル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が一般に
使用され、中でも粉砕性、帯電性等の性能と、コストの
点からポリスチレン系樹脂が広く使用されている。低温
定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性を満足させ
るためには樹脂の分子量分布を広くすることにより改良
する方法が多く提案されている。分子量分布を広げる方
法としては、ビニル系樹脂では、ビニル系架橋剤を使用
する方法(特開昭61ー215558号公報)や、分子
量分布において、高分子部分と低分子部分に2つのピー
クを有するバインダー(特公昭63ー32180号公
報、特公昭63ー32382号公報)を用いる方法など
が提唱されている。さらに低温定着性を改良するために
バインダー中に特定の非ポリオレフィン系結晶性重合体
を添加することも提唱されている(特開昭62−639
40号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、架橋構造にしたバインダーや、単に高分子量体と低
分子量体からなるバインダーでは、耐ホットオフセット
性を維持するために、架橋成分や高分子量体成分を多く
使用することになる。そのため、樹脂の溶融粘度が上が
り、トナーの低温定着性が不充分となる。低温定着性を
改良するために特定の非ポリオレフィン系結晶性重合体
を添加することが有効であるが、通常のスチレン・アク
リル酸エステル系樹脂では、樹脂と結晶性重合体のSP
値が離れすぎているために、結晶性重合体の分散粒径が
大きくなりすぎ、カブリを発生しやすくなる。以上のよ
うに従来の技術では、近年のコピー機やファクシミリの
高速化による、より低温定着性を求める動向や、プリン
ターの小型化による、より耐ホットオフセット性、耐熱
保存性を求める動向に充分に対応できているとは言いが
たい。本発明は上記の問題を解決するものであって、ト
ナー化した際に、耐熱保存性に問題が無く、HOTが高
く、かつ低温定着性に優れるトナーバインダーを得るこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、トナー化
した際に、耐熱保存性に問題が無く、HOTが高く、か
つ低温定着性に優れるトナーバインダーを得ることを目
的に鋭意検討した結果本発明に到達した。すなわち本発
明は重量平均分子量20万〜1,000万、数平均分子
量3万〜300万である(メタ)アクリロニトリル系樹
脂(A)と重量平均分子量2,000〜5万、数平均分
子量1,000〜3万である(メタ)アクリロニトリル
系樹脂(B)と融点40〜120℃、溶融粘度(150
℃)5〜1,000センチポイズである縮合型樹脂
(C)とからなる電子写真用トナーバインダー;および
ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテ
ル(D)単位を有するポリエステル樹脂(E)と融点4
0〜120℃、溶融粘度(150℃)5〜1,000セ
ンチポイズである縮合型樹脂(C)とからなる電子写真
用トナーバインダーである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。通常ト
ナーバインダーは、高分子量成分や架橋成分と低分子量
成分からなっており、HOTを高くするために高分子量
成分や架橋成分の割合を多く使用するとMFTが高くな
る。しかし、本発明のように、ニトリル基を樹脂(A)
および樹脂(B)に導入することによって、ニトリル基
の無い樹脂に比べて高温での弾性が非常に大きくなり、
高分子量成分を増量することなく、トナーにしたときの
HOTを高くすることができる。さらに融点40〜12
0℃、溶融粘度(150℃)5〜1,000センチポイ
ズの縮合型樹脂(C)は室温では比較的硬い固体状であ
り、かつ樹脂(A)、樹脂(B)の凝集力が強いため樹
脂(A)、樹脂(B)と完全には相溶しないためトナー
保管時の保存性や流動性に優れ、かつ融点以上に加熱さ
れると速やかに溶融して液状となりMFTを低くするこ
とができる。また、ノボラック型フェノール樹脂のオキ
シアルキレンエーテルを含有するポリエステルもこれを
含有しないポリエステルに比べ、高温での弾性が高くト
ナー化時のHOTを高くできる。ここに縮合型樹脂
(C)を添加することでHOTを高くしつつMFTを低
くすることができる。
【0007】樹脂(A)および樹脂(B)として使用さ
れる(メタ)アクリロニトリル系樹脂としては、特に限
定されないが、アクリロニトリル、メタアクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリルのメチル基がエチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基など
の低級アルキル基で置換されたビニルモノマー、α−シ
アノ−3−ヒドロキシけい皮酸、α−シアノ−4−ヒド
ロキシけい皮酸などのニトリル基含有ビニルモノマー
と、他のビニルモノマーとの共重合体などが挙げられ
る。これらの中で、好ましいのは(メタ)アクリロニト
リルと他のビニルモノマーとの共重合体である。(メ
タ)アクリロニトリルと他のビニル系単量体の共重合体
(A)および(B)に使用する他のビニル系単量体とし
ては、特に限定されないが、スチレン、α−メチルスチ
レン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレ
ン、p−アセトキシスチレン等のスチレン系モノマー;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2
ーエチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸ステアリルなどの、アルキル基の炭素数
が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含
有(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレート;酢
酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルエチルエーテ
ルなどのビニルエーテル類;α−オレフィン、イソプレ
ンなどの脂肪族炭化水素系ビニル;(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸のモノエステ
ルなどの不飽和カルボン酸もしくはその無水物などが挙
げられる。これらのうちスチレン系モノマー、アルキル
基の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレー
ト、不飽和カルボン酸が好ましく、スチレン、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)ア
クリル酸が更に好ましい。(A)のうちニトリル基含有
ビニルモノマーの比率は、通常3〜60重量%(ニトリ
ル基として56〜1,132ミリモル/100g重合
体)である。好ましくは、5〜40重量%(ニトリル基
として94〜755ミリモル/100g重合体)であ
る。更に好ましくは、5〜30重量%(ニトリル基とし
て94〜566ミリモル/100g重合体)である。
(B)のうちニトリル基含有ビニルモノマーの比率は、
通常1〜50重量%(ニトリル基として19〜943ミ
リモル/100g重合体)である。好ましくは、2〜4
0重量%(ニトリル基として38〜755ミリモル/1
00g重合体)である。更に好ましくは、3〜20重量
%(ニトリル基として56〜377ミリモル/100g
重合体)である。また、(A)に使用するニトリル基含
有ビニルモノマー量は(B)に使用するニトリル基含有
ビニルモノマー量より多いことが好ましい。
【0008】(A)の重合方法としては、溶液重合、塊
状重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合と溶液重合の組
み合わせなどの任意の方法を選択できる。これらの重合
法のうち、懸濁重合や、塊状重合と溶液重合の組み合わ
せが好ましい。重合開始剤としては、特に限定されない
が、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイ
ソバレロニトリルなどのアゾ系開始剤;ベンゾイルパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどの過酸
化物系開始剤;2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチル
パーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテ
レフタレートなどの1分子内に2つ以上のパーオキシド
基を有する多官能性重合開始剤;ジアリルパーオキシジ
カーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネー
トなどの1分子内に1つ以上のパーオキシド基と1つ以
上の重合性不飽和基を有する多官能性重合開始剤などが
挙げられる。これらのうち好ましいものは、1分子内に
2つ以上のパーオキシド基を有する多官能性重合開始剤
である。
【0009】(A)を溶液重合によって得る場合の溶剤
としては、特に限定されないが、トルエン、キシレン、
エチルベンゼンなどの芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸
ブチルなどのエステル系溶剤、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトンなどが挙げ
られる。好ましくは、ジメチルホルムアミド、キシレ
ン、トルエンである。
【0010】また(A)を懸濁重合によって得る場合、
炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの無機塩系分散
剤、ポリビニルアルコール、メチル化セルロースなどの
有機系分散剤を用いて水中で重合することができる。
(A)の重合温度は通常50〜160℃、好ましくは6
0〜140℃である。(共)重合中の雰囲気は窒素のよう
な不活性ガスの存在下で行うことが好ましい。
【0011】(A)の重合時に分子量をより高くするた
めに、少なくとも2個の重合性二重結合を有する多官能
モノマーをゲル化を発生させない程度の量(通常0.1
重量%以下)加えてもよい。多官能性モノマーとして
は、ジまたはポリビニル化合物(例えばジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、ジビニルトルエン)など
が挙げられる。これらのうち好ましくはジビニルベンゼ
ン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジビニ
ルトルエン)などが挙げられる。
【0012】(A)の重量平均分子量は通常20万〜
1,000万、好ましくは25万〜500万、更に好ま
しくは30万〜300万である。(A)の重量平均分子
量が20万未満であるとトナーバインダーとしての弾性
が小さくなり、トナーにした時のHOTが低くなりやす
い。1,000万を超えると、トナーにした時のMFT
が高くなりやすい。(A)の数平均分子量は通常3万〜
300万、好ましくは5万〜150万、更に好ましくは
7万〜100万である。(A)のガラス転移点(Tg)
はトナー化したときの耐熱保存性およびMFTの観点か
ら通常40〜100℃、好ましくは45〜90℃、更に
好ましくは、50〜85℃である。
【0013】(B)の重合方法としては、溶液重合、塊
状重合、懸濁重合などの任意の方法を選択できるが、分
子量を低くする点から溶液重合が好ましい。重合開始剤
としては、特に限定されないが、前記記載の重合開始剤
が挙げられる。これらのうち、好ましいのは、アゾ系開
始剤(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレ
ロニトリルなど)や過酸化物系開始剤(ベンゾイルパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなど)など
が挙げられる。(B)を溶液重合によって得る場合の溶
剤としては、特に限定されないが、前記記載の溶剤が挙
げられる。これらのうち好ましいのは、ジメチルホルム
アミド、キシレン、トルエンである。(B)の重合温度
は通常80〜210℃、好ましくは140〜205℃で
ある。(共)重合中の雰囲気は窒素のような不活性ガス
の存在下で行うことが好ましい。
【0014】(B)の重量平均分子量は通常2,000
〜5万、好ましくは2,000〜3万、更に好ましくは
3,000〜2万である。重量平均分子量が2,000未
満であると(B)のTgが低くなり、トナーにした時の
耐熱保存性が悪くなる可能性がある。5万を越えるとト
ナーにした時のMFTが高くなる可能性がある。(B)
の数平均分子量は通常1,000〜3万、好ましくは
1,000〜2万、更に好ましくは1,500〜1万で
ある。
【0015】本発明に用いる融点40〜120℃,溶融
粘度(150℃)5〜1,000センチポイズである縮
合型樹脂(C)としてはポリエステルやポリエステルと
ポリアミドとのブロックまたはグラフト化物、ポリエス
テルとポリウレタンとのブロックまたはグラフト化物が
挙げられる。樹脂(C)は狭い温度範囲で融解すること
が好ましく、DSCにおける融点の半値幅20℃以下が
好ましい。樹脂(C)の含有量としてはバインダー中に
0.5〜50重量%、好ましくは1〜40重量%、さら
に好ましくは5〜30重量%である。樹脂(C)と樹脂
(A),(B),(E)とはFedors法(R.F.
Fedors,Polym.Eng.Sci.,14
(2)147(1974))によるSP値の差が0.1
〜1.5であることが好ましい。樹脂(C)のポリエス
テルとしては、例えば2価アルコールと2塩基酸類(2
塩基酸、無水物、低級エステル化物)と必要により3価
以上のポリカルボン酸類および/または3価以上のアル
コール類を重縮合することにより得られる。末端カルボ
ン酸、末端水酸基を封止するため、あるいは分子量の調
整や反応の制御を目的として、モノアルコールまたはモ
ノカルボン酸またはその無水物を併用することもでき
る。2価アルコ−ルとしてはエチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6
−ヘキサンジオール、1,12−ドデカンジオールなど
の脂肪族グリコール類が挙げられる。3価以上のアルコ
ール類の具体例としては、ペンタエリスリトール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロ
ールなどが挙げられる。
【0016】2塩基酸としてはコハク酸、マレイン酸、
フマール酸、イタコン酸、アゼライン酸、メサコン酸、
シトラコン酸、セバチン酸、グルタコン酸、アジピン
酸、マロン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタ
ール酸、シクロヘキサンジカルボン酸など、およびこれ
らの酸の無水物、低級アルキル(メチル、エチル)エス
テルなどが挙げられる。3価以上のポリカルボン酸類の
具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン
酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリッ
ト酸並びにこれらの無水物や低級アルキル(メチル、ブ
チルなど)エステルが挙げられる。
【0017】樹脂(C)のポリエステルとグラフト化ま
たはブロック化させるポリウレタンはポリイソシアネー
トとポリオールから得られる。ポリイソシアネートの具
体例としては1,4−テトラメチレンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8
−オクタメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカ
メチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネ
ート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−
フェニレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシア
ネートなどが挙げられる。ポリオールとしては前記記載
の2価アルコールや3価アルコールが挙げられる。樹脂
(C)のポリエステルとのブロック化またはグラフト化
はポリエステルの残存水酸基とポリウレタンの残存イソ
シアネートとを反応させることにより得られる。
【0018】樹脂(C)のポリエステルとグラフト化ま
たはブロック化させるポリアミドはポリアミンとポリカ
ルボン酸とから得られる。ポリアミンとしてはエチレン
ジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノ
ヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,12−ジア
ミノドデカンなどの脂肪族ポリアミン、1,3−フェニ
レンジアミン、1,4−フェニレンジアミンなどの芳香
族ポリアミンが挙げられる。ポリカルボン酸としては前
記記載の2塩基酸や3塩基酸などが挙げられる。樹脂
(C)のポリエステルとのブロック化またはグラフト化
はポリエステルの残存カルボン酸基とポリアミドの残存
アミンとを反応させることにより得られる。
【0019】ノボラック型フェノール樹脂のオキシアル
キレンエーテル(D)は、ノボラック型フェノール樹脂
(a)と分子中1個のエポキシ環を有する化合物(b)
との反応物である。ノボラック型フェノール樹脂(a)
としては、例えばエンサイクロベディア・オブ・ポリマ
ーサイエンス・アンド・テクノロジー(インターサイエ
ンス・パブリッシャーズ)第10巻1頁のフエノリツク
・レジンズの項に記載されるように、塩酸、リン酸、硫
酸などの無機酸又はパラトルエンスルホン酸、シュウ酸
などの有機酸又は酢酸亜鉛などの金属塩を触媒としてフ
ェノール類とアルデヒド類からの重縮合により製造され
るものが挙げられる。フェノール類としては、フェノー
ルや炭素数1〜35の炭化水素基及び/又はハロゲン基
を1個以上置換基として有する置換フェノールが挙げら
れる。置換フェノールの具体例としては、クレゾール
(オルソ体、メタ体もしくはパラ体)、エチルフェノー
ル、ノニルフェノール、オクチルフェノール、フェニル
フェノール、スチレン化フェノール、イソプロペニルフ
ェノール、3−クロルフェノール、3−ブロムフェノー
ル、3,5−キシレノール、2,4−キシレノール、
2,6−キシレノール、3,5−ジクロルフェノール、
2,4−ジクロルフェノール、3−クロル−5−メチル
フェノ−ル、ジクロルキシレノール、ジブロムキシレノ
ール、2,4,5−トリクロルフェノール、6−フェニ
ル−2−クロルフェノール等が挙げられる。フェノール
類は2種以上併用してよい。これらの中ではフェノール
及び炭化水素基で置換された置換フェノールが好まし
く、その中でも特にフェノール、クレゾール、t−ブチ
ルフェノールおよびノニルフェノールが好ましい。フェ
ノールとクレゾールは価格及びトナーの耐オフセット性
を付与する点で好ましく、t−ブチルフェノール及びノ
ニルフェノールに代表される炭化水素基で置換された置
換フェノールはトナーの帯電量の温度依存性を小さくす
る点で好ましい。アルデヒド類としては、ホルマリン
(各種濃度のホルムアルデヒド溶液)、パラホルムアル
デヒド、トリオキサン、ヘキサメチレンテトラミン等が
挙げられる。ノボラック型フェノール樹脂(a)の数平
均分子量は通常300〜8000、好ましくは450〜
3000、更に好ましくは400〜2000である。
(a)中の数平均のフェノール類の核体数は通常3〜6
0、好ましくは3〜20、更に好ましくは4〜15であ
る。また(a)の軟化点(JIS K2531;環球
法)は、通常40〜180℃、好ましくは40〜150
℃、更に好ましくは50〜130℃である。(a)の軟
化点が40℃未満では常温でブロッキングし取り扱いが
困難となる。また軟化点が180℃を越えるとポリエス
テル樹脂の製造過程でゲル化を引き起こし好ましくな
い。
【0020】(b)の具体例としてはエチレンオキサイ
ド(EO)、1,2−プロピレンオキサイド(PO)、
1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサ
イド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等を挙
げることができる。また(b)として炭素数1〜20の
脂肪族1価アルコールもしくは1価フェノールのグリシ
ジルエーテルも使用できる。これらの中ではEOおよび
/またはPOが好ましい。(D)を構成する(a)1モ
ルに対する(b)の付加モル数は通常1〜30モル、好
ましくは2〜15モル、更に好ましくは2.5〜10モ
ルであり、また(a)中のフェノール性水酸基1個に対
する(b)の平均付加モル数は通常0.1〜10モル、
好ましくは0.1〜4モル、更に好ましくは0.2〜2
モルである。
【0021】(D)の数平均分子量は耐ホットオフセッ
ト性およびポリエステル樹脂製造工程でのゲル化防止の
観点から通常300〜10000、好ましくは350〜
5000、更に好ましくは450〜3000である。
(D)の水酸基価(アルコール性及びフェノール性水酸
基の合計)は通常10〜550、好ましくは50〜50
0、更に好ましくは100〜450mgKOH/gであ
る。また、水酸基価のうち、フェノール性水酸基価は通
常0〜500、好ましくは0〜350、更に好ましくは
5〜250mgKOH/gである。(D)の製法を例示
すると、必要により触媒(塩基性触媒又は酸性触媒)の
存在下、(a)に(b)を付加反応させることにより
(D)が得られる。反応温度は通常20〜250℃、好
ましくは70〜200℃であり、常圧下、又は加圧下、
更には減圧下においても行うことができる。また反応は
溶媒(例えばキシレン、ジメチルホルムアミドなど)の
存在下で行うこともできる。
【0022】本発明に用いるポリエステル(E)は、ノ
ボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル
を多価アルコール成分の一部として使用し、他の多価ア
ルコールおよび多価カルボン酸から誘導される。末端カ
ルボン酸、末端水酸基を封止するため、あるいは分子量
の調整や反応の制御を目的として、モノアルコールまた
はモノカルボン酸またはその無水物を併用することもで
きる。2価アルコールとしてはエチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,
2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールな
どの脂肪族グリコール類およびこれらのアルキレンオキ
サイド付加物;ハイドロキノン、カテコール、レゾル
シン、ピロガロール、ビスフェノール類(ビスフェノー
ルA、ビスフェノールAD、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールスルホンなど)および水素添加ビスフェノール
類およびこれらにアルキレンオキサイドを付加させたフ
ェノール系グリコール類;およびこれらの2種以上の混
合物が挙げられる。アルキレンオキサイドとしてはエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイドなどがあげら
れ、これら混合物を付加する場合、ブロック付加でもラ
ンダム付加でも良い。これらの中で好ましいものは、エ
チレングリコール、ネオペンチルグリコールおよびビス
フェノール類(とくにビスフェノールA)にアルキレン
オキサイドを2〜3モル付加させたもの、およびこれら
の混合物であり、特に好ましくはネオペンチルグリコー
ル、ビスフェノールAのアルキレンオキサイドを2〜3
モル付加させたもの、およびこれらの2種以上の混合物
である。
【0023】2塩基酸としてはコハク酸、マレイン酸、
フマール酸、イタコン酸、アゼライン酸、メサコン酸、
シトラコン酸、セバチン酸、グルタコン酸、アジピン
酸、マロン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタ
ール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナジック酸、メ
チルナジック酸、オクチルコハク酸、ドデセニルコハク
酸など、およびこれらの酸の無水物、低級アルキル(メ
チル、エチル)エステルなどが挙げられる。その他リノ
レイン酸の二量体、三量体などの重合脂肪酸も使用でき
る。2塩基酸は単独でも2種以上の混合物としても使用
できる。これらの中では、コハク酸、マレイン酸、フマ
ール酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール
酸、オクチルコハク酸およびドデセニルコハク酸に代表
されるアルキルまたはアルケニル(炭素数4〜18)コ
ハク酸が好ましい。
【0024】3価以上のポリカルボン酸類の具体例とし
ては、(1)炭素数7〜20の脂肪族ポリカルボン酸
(1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘ
キサントリカルボン酸など);(2)炭素数9〜20の
脂環式ポリカルボン酸(1,2,4−シクロヘキサント
リカルボン酸など);(3)炭素数9〜20の芳香族ポ
リカルボン酸(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、
1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸
など);並びにこれらの無水物や低級アルキル(メチ
ル、ブチルなど)エステルが挙げられる。これらの中で
は、(3)およびその無水物や低級アルキルエステルが
好ましい。3価以上のアルコール類の具体例としては、
(1)炭素数3〜20の脂肪族多価アルコール(ソルビ
トール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリ
セロールなど);(2)炭素数6〜20の芳香族多価ア
ルコール(1,3,5−トリヒドロキシルメチルベンゼ
ンなど);並びにこれらのアルキレンオキサイド付加
物;(3)イソシアヌル酸などの分子中に2個以上の活
性水素を有する複素環式化合物のオキシアルキレンエー
テルなどが挙げられる。これらの中では、(1)および
(3)の化合物が好ましい。モノカルボン酸、モノアル
コールの具体例としては、安息香酸、トルエンカルボン
酸、サリチル酸、酢酸、プロピオン酸、およびステアリ
ン酸などのモノカルボン酸;ベンジルアルコール、トル
エン−4−メタノールおよびシクロヘキサンメタノール
などのモノアルコールが挙げられる。本発明のポリエス
テル樹脂を構成するカルボン酸類とアルコール類との比
率はアルコール性水酸基当量/カルボキシル基当量が、
通常0.5〜2.0、好ましくは0.6〜1.6、更に
好ましくは0.7〜1.4となるような比率であればよ
い。また、必要により3価以上のカルボン酸類および/
または3価以上のアルコール類を用いる場合は、通常3
5重量%以下、好ましくは25重量%以下である。3価
以上のカルボン酸類および/または3価以上のアルコー
ル類が35重量%を越えるとトナーの低温定着性が不充
分である。
【0025】重縮合反応は、必要により触媒(例えばジ
ブチル錫オキサイド、酸化第一錫およびテトラブチルチ
タネート)を使用することができ、通常150℃〜30
0℃の任意の温度で行うことができる。また、この反応
は、常圧または減圧下、さらに不活性ガスや溶媒の存在
下または不存在下で行うことができる。
【0026】ポリエステル(E)は通常0.2〜20
0、好ましくは、0.5〜150mgKOH/gの酸価
と通常0.2〜200、好ましくは、0.5〜150m
gKOH/gの水酸基価を有している。耐ホットオフセ
ット性の観点から(E)は通常0〜50%、好ましくは
0〜25%のゲル分(テトラヒドロフラン不溶分)を有
している。(E)のTgはトナー化したときの耐熱保存
性およびMFTの観点から通常40〜85℃、好ましく
は45〜80℃、更に好ましくは、50〜75℃であ
る。ポリエステル(E)に使用する(D)の量はHOT
および生産性の観点から通常0.5〜30重量%、好ま
しくは1〜20重量%、更に好ましくは1〜10重量%
である。
【0027】(A)、(B)および(C)との混合方法
としては;溶剤の存在下で混合する方法、;溶剤の
不存在下で溶融混合する方法、;(C)の存在下で
(A)または/および(B)を合成する方法、;の
方法で合成した(B)と(A)をブレンドする時にさら
に(C)を添加する方法等が挙げられる。(C)と
(E)の混合方法としては上記〜と同様な方法が挙
げられる。
【0028】本発明の(A),(B)および(C)から
なるトナーバインダーにおいて、トナー化したときのH
OTおよびMFTの観点から(A)の含有量は通常3〜
60重量%、好ましくは、5〜50重量%、更に好まし
くは、10〜50重量%であり、(B)の含有量は通常
40〜97重量%、好ましくは50〜95重量%、更に
好ましくは、50〜90重量%である。(C)の添加量
はバインダーに対して通常0.5〜50重量%、好まし
くは1〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%
である。本発明の(E)および(C)からなるトナーバ
インダーにおいて、トナー化したときのHOTおよびM
FTの観点から(E)の含有量は通常50〜98重量
%、好ましくは60〜95重量%、更に好ましくは70
〜95重量%であり、(C)の含有量は通常2〜50重
量%、好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは5〜
30重量%である。
【0029】本発明の(A),(B)および(C)から
なる(メタ)アクリロニトリル系トナーバインダーの重
量平均分子量Mwは通常1万〜100万であり、数平均
分子量Mnは1千〜5万であり、Mw/Mnは10〜
1,000である。好ましくは、Mwは5万〜80万で
あり、Mnは2千〜4万であり、Mw/Mnは15〜5
00である。更に好ましくは、Mwは10万〜50万で
あり、Mnは2,500〜3万であり、Mw/Mnは2
0〜100である。
【0030】通常、トナーの製造時に耐ホットオフセッ
ト性を向上させるために添加する低分子量ポリオレフィ
ンを本発明のトナーバインダーにあらかじめ添加しても
よい。ポリオレフィンとしてはポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン、エチレンプロピレン共重合体等が
挙げられる。これらのうち好ましくは数平均分子量2,
000〜10,000のポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレンプロピレン共重合体である。トナーバイン
ダー中にあらかじめ添加することで、より均一に低分子
量ポリオレフィンがトナー中に分散し、トナーの耐ホッ
トオフセット性が向上する。低分子量ポリオレフィンの
添加量は、通常、トナーバインダー全体に対し0.1〜
10重量%である。好ましくは0.5〜8重量%、更に
好ましくは1〜6重量%である。低分子量ポリオレフィ
ンの混合方法は上記〜と同様の方法で混合できる。
【0031】本発明のトナーバインダーの用途となる電
子写真用トナーの製法の一例を示すと、トナー重量に基
づいてトナーバインダーが通常45〜95重量%、公知
の着色剤(カーボンブラック、鉄黒、ベンジジンイエロ
ー、キナクドリン、ローダミンB、フタロシアニン等)
が通常5〜10重量%および磁性粉(鉄、コバルト、ニ
ッケル、ヘマタイト、フェライトなどの化合物)が通常
0〜50重量%の割合で用い、さらに種々の添加剤[荷
電調整剤(金属錯体、ニグロシンなど)、滑剤(ポリテ
トラフルオロエチレン、低分子量ポリオレフィン、脂肪
酸、もしくはその金属塩またはアミドなど)など]を加
えることができる。これらの添加剤の量はトナー重量に
基づいて通常0〜10重量%である。電子写真用トナー
は上記成分を乾式ブレンドした後、溶融混練され、その
後粗粉砕され、最終的にジェット粉砕機などを用いて微
粉砕され粒径5〜20μmの微粒子として得る。前記電
子写真用トナーは、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、
ニッケル粉、フェライトなどのキャリア粒子と混合され
て電気的潜像の現像剤として用いられる。また粉体の流
動性改良のために疎水性コロイダルシリカ微粉末を用い
ることもできる。前記電子写真用トナーは支持体(紙、
ポリエステルフィルムなど)に定着され使用される。定
着方法については前述の通りである。
【0032】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが本
発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量
部を示す。また、合成例、実施例および比較例で得られ
た樹脂の分子量、溶融粘度、融点の測定法を次に示す。
【0033】 分子量測定 装置 :昭和電工株式会社製 SYSTEM−11 条件 :カラム 東ソー株式会社製 TSK gel GMHXL2本 測定温度 :40℃ 試料溶液 :0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液 溶液注入量:100μl 検出機 :屈折率検出機 なお分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成。
【0034】本発明の150℃における溶融粘度はブル
ックフィールド型回転粘度計を用いて測定し、測定温度
以外の条件はJIS−K1557−1970に準じて行
う。測定試料の温度調整には温度レギュレーター付きの
オイルバスを用いることができる。
【0035】本発明の融点はJIS−K7122−19
87に準じて測定し、吸熱ピークの温度を融点とした。
【0036】製造例1 温度計、攪拌機、窒素導入管の付いた反応槽中にアクリ
ロニトリル140部、スチレン680部、メタクリル酸
ラウリル180部、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート0.2部、2、2−ビス(4、4−ジ−t−ブチ
ルパーオキシシクロヘキシル)プロパン2部、低分子量
ポリプロピレン10部をいれ、窒素置換後、95℃で2
時間重合し、つぎにキシレン600部を95℃にて4時
間かけて滴下し、更に110℃で6時間重合させ、更に
150℃でジ−t−ブチルパーオキサイド1部、キシレ
ン30部を30分で滴下し、150℃で1時間反応させ
た後、脱溶剤することにより本発明用の樹脂(A−1)
を得た。(A−1)の重量平均分子量は55万、数平均
分子量は7万であった。
【0037】製造例2 温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応
槽中に水1425部、ポリビニルアルコール9部をい
れ、充分溶解したのち、アクリロニトリル200部、ス
チレン550部、アクリル酸ブチル250部の混合モノ
マーとジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタ
レート2.3部を反応槽に入れ、窒素気流中で、85℃
で10時間、その後98℃で3時間懸濁重合させた。冷
却後、反応物を濾過、水洗し、55℃で乾燥して、本発
明用の樹脂(A−2)を得た。(A−2)の重量平均分
子量は90万、数平均分子量は30万であった。
【0038】製造例3 混合モノマーをスチレン750部、アクリル酸−2エチ
ルヘキシル250部、1,6ヘキサンジオールジアクリ
レート0.2部とし、製造例1と同様にして比較用の樹
脂(A−3)を得た。(A−3)の重量平均分子量は5
2万、数平均分子量は66000であった。
【0039】製造例4 温度計、撹拌機、窒素導入管の付いたオートクレーブ反
応槽中にキシレン650部をいれ、窒素置換後、アクリ
ロニトリル150部、スチレン746部、アクリル酸−
2エチルヘキシル104部の混合モノマーと、キシレン
120部、ジ−t−ブチルパーオキサイド52部の開始
剤溶液を170℃で、3時間で滴下し、脱溶剤すること
により、本発明用の樹脂(B−1)を得た。(B−1)
の重量平均分子量は4,800、数平均分子量は2,30
0であった。
【0040】製造例5 混合モノマーをアクリロニトリル50部、スチレン94
0部、アクリル酸ブチル10部とし、製造例4と同様に
して本発明用の樹脂(B−2)を得た。(B−2)の重
量平均分子量は5,000、数平均分子量は2,400
であった。
【0041】製造例6 混合モノマーを、スチレン970部、アクリル酸−2−
エチルヘキシル30部とし、製造例4と同様にして、比
較用の樹脂(B−3)を得た。(B−3)の重量平均分
子量は4,800、数平均分子量は2,300であった。
【0042】製造例7 温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応
槽中にセバシン酸685部とエチレングリコール315
部、ジブチル錫オキサイド2部を180℃にて重縮合
し、本発明用の樹脂(C−1)を得た。(C−1)の融
点は62℃、溶融粘度(150℃)は102センチポイ
ズであった。
【0043】製造例8 コハク酸613部とエチレングリコール384部、ジブ
チル錫オキサイド2部を用いた他は製造例7と同様にし
て本発明用の樹脂(C−2)を得た。(C−2)の融点
は94℃、溶融粘度(150℃)は756センチポイズ
であった。
【0044】製造例9 テレフタル酸533部と1,5ペンタンジオール467
部、ジブチル錫オキサイド2部を用いた他は製造例7と
同様にして比較用の樹脂(C−3)を得た(C−3)の
融点は136℃、溶融粘度(150℃)は956センチ
ポイズであった。
【0045】製造例10 オートクレーブ中に核体数4.4(1分子中のフェノー
ル核数の平均値)、軟化点81℃のフェノールノボラッ
ク樹脂1モル(455g)を入れて反応器内の空気を窒
素で置換した。次いで、トリエチルアミン触媒を1.5
g加えて、温度を120℃に保ちつつ、プロピレンオキ
サイドを4.5モル(261g)徐々に圧入し、反応を
完結させた。揮発物を除去してノボラック型フェノール
樹脂のオキシアルキレンエーテル(D−1)を得た。
【0046】製造例11 核体数7.2、軟化点97℃のo−クレゾールフェノー
ルノボラック樹脂1モル(850g)、トリエチルアミ
ン触媒を2.0g、プロピレンオキサイドを2.5モル
(145g)とし、製造例10と同様にして(D−2)
を得た。
【0047】製造例12 温度計、トルク検知器の付いた攪拌機、冷却器および窒
素導入管の付いた反応槽中にポリオキシプロピレン
(3,1)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン940部、(D−1)を60部、テレフタル酸
376部、ジブチル錫オキサイド3.5部を入れて、窒
素気流下230℃で反応させた。反応物に透明感が出た
時点から反応温度を200℃に下げて減圧下でポリエス
テル化反応を進めた。反応物の粘度が除々に高くなり、
攪拌機のトルクが所定の値を示す時点で反応を停止し、
反応物を取り出し急冷し本発明用のポリエステル樹脂
(E−1)を得た。(E−1)の酸価は3.0,水酸基
価は20、Tgは60℃、ゲル分は15%であった。
【0048】製造例13 ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン700部、(D−2)を
300部、テレフタル酸324部、ジブチル錫オキサイ
ド3.5部とし、製造例12と同様にして本発明用のポ
リエステル樹脂(E−2)を得た。(E−2)の酸価は
6.0,水酸基価は20、Tgは58℃、ゲル分は10
%であった。
【0049】製造例14 製造例12と同様の反応装置にポリオキシエチレン
(2,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン950部、テレフタル酸434部を入れて23
0℃で酸価が1.5になるまで反応させた。次に、19
0℃まで冷却し、無水トリメリット酸100部を加えて
更にポリエステル化反応を進めた。反応物の粘度が除々
に高くなり、攪拌機のトルクが所定の値を示す時点で反
応を停止し、反応物を取り出し急冷し、比較用のポリエ
ステル樹脂(E−3)を得た。ポリエステル樹脂(E−
3)の酸価は21、水酸基価は20、Tg64℃、ゲル
分は10%であった。
【0050】実施例1〜9 冷却管、攪拌機付コルベンにDMF200部を仕込み、
表1に記載した成分を加え、窒素置換後、攪拌しながら
150℃で8時間攪拌し、DMFに溶解または膨潤させ
た。その後180℃で脱溶剤し、本発明のトナーバイン
ダー(TB−1)〜(TB−9)を得た。
【0051】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 樹脂 (A) (B) (C) (E) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 1 TB-1 A-1 30部 B-1 60部 C-1 10部 − 施 2 TB-2 A-1 35部 B-1 45部 C-2 20部 − 例 3 TB-3 A-1 30部 B-2 45部 C-1 25部 − 4 TB-4 A-2 25部 B-2 70部 C-1 5部 − 5 TB-5 A-2 25部 B-1 50部 C-2 25部 − 6 TB-6 A-2 20部 B-1 70部 C-1 10部 − 7 TB-7 − − C-1 5部 E-1 95部 8 TB-8 − − C-2 10部 E-1 90部 9 TB-9 − − C-1 30部 E-2 70部 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0052】比較例1〜5 表2の成分を実施例1と同様にして、比較のトナーバイ
ンダー(TB−10〜TB−14)を得た。
【0053】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 樹脂 (A) (B) (C) (E) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比 1 TB-10 A-3 30部 B-1 60部 C-1 10部 − 較 2 TB-11 A-1 30部 B-3 60部 C-1 10部 − 例 3 TB-12 A-1 30部 B-1 60部 C-3 10部 − 4 TB-13 − − C-1 5部 E-3 95部 5 TB-14 − − C-3 5部 E-1 95部 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0054】使用例および比較使用例 実施例1〜9の本発明のトナーバインダーおよび比較例
1〜5のトナーバインダーの各々88部にカーボンブラ
ック(三菱化成(株)製 MA100)7部、低分子量
ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製 ビスコール5
50P)3部、及び荷電調整剤(保土ヶ谷化学工業
(株)製スピロンブラックTRH)2部を均一混合した
後、内温150℃の二軸押出機で混練、冷却物をジェッ
トミルで微粉砕し、ディスパージョンセパレータで分級
し平均粒径12μmのトナーTN-1〜TN-14を得た。
【0055】試験例1 トナーTN-1〜TN-14の各々30部にフェライトキャリア
(パウダーテック(株)製 F−100)800部を均
一混合し、市販複写機(シャープ(株)AR5030
F)を用いて紙上にトナー像を転写し、転写された紙上
のトナーを市販複写機(シャープ(株)製 SF840
0A)の定着部を改造して、A4紙35枚/分のスピー
ドで定着テストを行った。テスト結果は表3に示した通
りである。
【0056】試験例2 トナーTN-1〜TN-14のそれぞれをポリエチレン製の瓶に
入れ、45℃の恒温水槽に8時間保持した後、42メッ
シュのふるいに移し、ホソカワミクロン(株)製パウダ
ーテスターを用いて10秒間振とうし、ふるいのうえに
残ったトナーの重量%を測定し、耐熱保存性のテストと
した。数字の小さいもの程、耐熱保存性が良い。結果を
表3に示す。
【0057】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− トナー トナー MFT HOT 耐熱 ハ゛インタ゛ー (℃) (℃) 保存性 *1 *2 (%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 TN-1 TB-1 125 >220 29 施 TN-2 TB-2 130 >220 28 例 TN-3 TB-3 120 >220 27 TN-4 TB-4 120 >220 29 TN-5 TB-5 120 >220 28 TN-6 TB-6 125 >220 27 TN-7 TB-7 125 >220 25 TN-8 TB-8 120 >220 26 TN-9 TB-9 115 >220 29 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比 TN-10 TB-10 140 210 45 較 TN-11 TB-11 145 215 45 例 TN-12 TB-12 145 >220 35 TN-13 TB-13 135 200 35 TN-14 TB-14 145 >220 35 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *1 画像濃度1.2の黒ベタ部を学振式堅牢度試験機(摩擦部=紙)により 5回の往復回数で摩擦し、摩擦後のベタ部の画像濃度が70%以上残存していた コピーを得た時のヒートロール温度。 *2 トナーがホットオフセットした時のヒートロール温度
【0058】本発明のバインダーを使用したトナーTN-1
〜TN-9はいずれも比較バインダーを使用したトナーTN-1
0〜TN-14に比べ、低温定着性、耐ホットオフセット性、
粉砕性のバランスに優れる。また、TN-1〜TN-9はいずれ
も良好な耐熱保存性を示した。
【0059】
【発明の効果】本発明のトナーバインダーは、高分子量
および低分子量の樹脂にニトリル基を入れることにより
高温での弾性を従来の高分子量の樹脂以上に大きくで
き、トナーのホットオフセットの発生を防ぐことができ
るうえに、特定融点範囲、特定粘度範囲の化合物を添加
することにより低温定着性も従来以上に向上する。ま
た、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエ
ーテルを含有したポリエステルも高温での弾性を高くで
き、トナーのホットオフセットの発生を防ぐことがでる
うえに、特定融点範囲、特定粘度範囲の化合物を添加す
ることにより低温定着性も従来以上に向上する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量20万〜1,000万、
    数平均分子量3万〜300万である(メタ)アクリロニ
    トリル系樹脂(A)と重量平均分子量2,000〜5
    万、数平均分子量1,000〜3万である(メタ)アク
    リロニトリル系樹脂(B)と融点40〜120℃、溶融
    粘度(150℃)5〜1,000センチポイズである縮
    合型樹脂(C)とからなる電子写真用トナーバインダ
    ー。
  2. 【請求項2】 ノボラック型フェノール樹脂のオキシア
    ルキレンエーテル(D)単位を有するポリエステル樹脂
    (E)と融点40〜120℃、溶融粘度(150℃)5
    〜1,000センチポイズである縮合型樹脂(C)とか
    らなる電子写真用トナーバインダー。
  3. 【請求項3】 縮合型樹脂(C)がポリエステル、ポリ
    エステルとポリアミドとのブロックもしくはグラフト化
    物、又はポリエステルとポリウレタンとのブロックもし
    くはグラフト化物である請求項1または2記載の電子写
    真用トナーバインダー。
  4. 【請求項4】 更に、数平均分子量2,000〜10,
    000の低分子量ポリオレフィンを0.1〜10重量%
    含有する請求項1〜3のいずれか記載の電子写真用トナ
    ーバインダー。
JP27213397A 1997-09-17 1997-09-17 電子写真用トナーバインダー Pending JPH1195482A (ja)

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