JP3212860B2 - 電子写真用トナーバインダー - Google Patents

電子写真用トナーバインダー

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JP3212860B2
JP3212860B2 JP34985995A JP34985995A JP3212860B2 JP 3212860 B2 JP3212860 B2 JP 3212860B2 JP 34985995 A JP34985995 A JP 34985995A JP 34985995 A JP34985995 A JP 34985995A JP 3212860 B2 JP3212860 B2 JP 3212860B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用トナーバ
インダーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用プロセスでは紙等の上に転写
されたトナーを定着するために、接触加熱型定着器(ヒ
ートロールを用いる方法、加熱体と紙等の間にフィルム
またはベルトを介する方法(例えば特開平4−7068
8号公報および特開平4−12558号公報)が広く採
用されている。この方法では、定着下限温度(以下MF
Tと略す)は低いことが望ましく(低温定着性)、ま
た、ヒートロール表面、フィルムまたはベルトへのホッ
トオフセットが発生する温度(以下HOTと略す)は高
いことが望ましい(耐ホットオフセット性)。また、電
子写真プロセスの機械内では、定着器等から熱が発生す
るため、トナーが熱によって凝集し流動性が悪化したり
することのない様、耐熱保存性も満たさなければならな
い。
【0003】従来、この乾式トナーの成分として、ポリ
スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂等が一般に使用され、中でも粉
砕性、帯電性等の性能と、コストの点からポリスチレン
系樹脂が、また複写機の処理速度の高速化の伴い、定着
性の良いポリエステル樹脂が広く使用されている。低温
定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性を満足させ
るためには、樹脂の分子量分布を広くすることにより改
良する方法が多く提案されている。分子量分布を広げる
方法としては、ビニル系樹脂では、ビニル系架橋剤を使
用する方法(特開昭61ー215558号公報)や、分
子量分布において、高分子部分と低分子部分に2つのピ
ークを有するバインダー(特公昭63ー32180号、
特公昭63ー32382号公報)などが提唱されてい
る。また、ポリエステル樹脂では、ノボラック型フェノ
ール樹脂のオキシアルキレンエーテルを用いたポリエス
テル樹脂(特開平5ー27478号公報)や、水酸基を
有するビニル共重合体樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂
の加熱反応生成物を主成分とするトナー(例えば特開平
2−277074号公報)が提唱されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、架橋構造にしたバインダーや、単に高分子量体と低
分子量体からなるバインダーでは、耐ホットオフセット
性を維持するために、架橋成分や高分子量体成分を多く
使用することになる。そのため、樹脂は固くなり、トナ
ー製造時の粉砕性は低下する。また樹脂の溶融粘度も上
がり、トナーの低温定着性も不充分となる。以上のよう
に従来の技術では、近年のコピー機やファクシミリの高
速化による、より低温定着性を求める動向や、プリンタ
ーの小型化による、より耐熱保存性、耐ホットオフセッ
ト性を求める動向、コスト面からトナー製造時の粉砕性
を上げる動向に充分に対応できているとは言いがたい。
本発明は上記の問題を解決するものであって、トナー製
造時の粉砕性が良好で、トナー化した際に、耐熱保存性
および電気特性に問題が無く、ホットオフセット発生温
度が高く、かつ低温定着性に優れるトナーバインダーを
得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、トナー製
造時の粉砕性が良好で、トナー化した際に、耐熱保存性
および電気特性に問題が無く、ホットオフセット発生温
度が高く、かつ低温定着性に優れるトナーバインダーを
得ることを目的に鋭意検討した結果本発明に到達した。
すなわち、本発明は170℃での貯蔵弾性率が50万d
yn/cm2以上である樹脂(A)と170℃での貯蔵
弾性率が10万dyn/cm2以下である樹脂(B)お
よび(A)、(B)とのSp値の差の絶対値が1以下で
ある樹脂(C)からなる電子写真用トナーバインダーに
おいて、(A)がニトリル基を含有する樹脂である電子
写真用トナーバインダーである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。本発明
のトナーバインダーにおいて、樹脂(A)の170℃で
の貯蔵弾性率は50万dyn/cm2以上である。好ま
しくは100万dyn/cm2以上であり、更に好まし
くは、200万dyn/cm2以上である。50万dy
n/cm2より小さいとHOTが低くなる。樹脂(B)
の170℃での貯蔵弾性率は10万dyn/cm2以下
である。好ましくは、1万dyn/cm2以下であり、
更に好ましくは1,000dyn/cm2以下である。
10万dyn/cm2より大きいとMFTが高くなる。
本発明のトナーバインダーにおいて、樹脂(A)はニト
リル基を含有する樹脂である。通常トナーバインダー
は、貯蔵弾性率の大きい成分(通常、高分子量成分や架
橋成分)と貯蔵弾性率の小さい成分(通常、低分子量成
分)からなり、HOTを高くするためには、バインダー
の貯蔵弾性率を大きくする必要がある。このため、通
常、貯蔵弾性率の大きい成分の割合を多く使用する方法
が取られている。しかし、貯蔵弾性率の大きい成分をあ
まり多くすると、MFTは高くなり、また樹脂が固くな
るため、トナー製造時の粉砕性も悪くなる。しかし、本
発明のように、ニトリル基を樹脂に導入することによっ
て、樹脂(A)はニトリル基の無い樹脂に比べて高温で
の貯蔵弾性率が非常に大きくなり、通常のトナーバイン
ダーで使用される貯蔵弾性率の大きい成分の使用量よ
り、少ない量で、バインダーの貯蔵弾性率を維持するこ
とができる。すなわち、トナーにした時のHOTが高
く、MFTが低く、トナー製造時の粉砕性の良好なバイ
ンダーにすることができる。
【0007】ニトリル基を含有する樹脂としては、特に
限定されないが、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リル、メタアクリロニトリルのメチル基がエチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基な
どの低級アルキル基で置換されたビニルモノマー、α−
シアノ−3−ヒドロキシけい皮酸、α−シアノ−4−ヒ
ドロキシけい皮酸などのニトリル基を含むビニルモノマ
ーと、他のビニルモノマーとの共重合体や、α−シアノ
−3−ヒドロキシけい皮酸、α−シアノ−4−ヒドロキ
シけい皮酸などのニトリル基と水酸基、カルボキシル基
を含む成分をポリエステル樹脂を重縮合する際に反応さ
せニトリル基を導入したポリエステル樹脂などが挙げら
れる。これらの中で、好ましいのは(メタ)アクリロニ
トリルと他のビニルモノマーとの共重合体である。(メ
タ)アクリロニトリルと他のビニル系単量体の共重合体
(A)に使用する他のビニル系単量体としては、特に限
定されないが、スチレン、α−メチルスチレン、p−メ
トキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセト
キシスチレン等のスチレン系モノマー;(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2ーエチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ステアリルなどの、アルキル基の炭素数が1〜18のア
ルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)ア
クリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの
アミノ基含有(メタ)アクリレート;酢酸ビニルなどの
ビニルエステル類;ビニルエチルエーテルなどのビニル
エーテル類;α−オレフィン、イソプレンなどの脂肪族
炭化水素系ビニル;(メタ)アクリル酸、無水マレイン
酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸もしくはそ
の無水物などが挙げられる。これらのうちスチレン系モ
ノマー、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキル(メ
タ)アクリレート、不飽和カルボン酸が好ましく、スチ
レン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸が更に好
ましい。(A)のうち(メタ)アクリロニトリルの比率
は、3〜60重量%であることが好ましい。更に好まし
くは5〜40重量%である。
【0008】(A)の重合方法としては、溶液重合、塊
状重合、懸濁重合などの任意の方法を選択できる。重合
開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルな
どのアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤;2,
2ービス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘ
キシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−
ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレートなどの1
分子内に2つ以上のパーオキシド基を有する多官能性重
合開始剤;ジアリルパーオキシジカーボネート、t−ブ
チルパーオキシアリルカーボネートなどの1分子内に1
つ以上のパーオキシド基と1つ以上の重合性不飽和基を
有する多官能性重合開始剤などが挙げられる。これらの
うち好ましいものは、1分子内に2つ以上のパーオキシ
ド基を有する多官能性重合開始剤である。
【0009】(A)を溶液重合によって得る場合の溶剤
としては、特に限定されないが、トルエン、キシレン、
エチルベンゼンなどの芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸
ブチルなどのエステル系溶剤、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトンなどが挙げ
られる。好ましくは、ジメチルホルムアミド、キシレ
ン、トルエンである。
【0010】また(A)を懸濁重合によって得る場合、
炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの無機塩系分散
剤、ポリビニルアルコール、メチル化セルロースなどの
有機系分散剤を用いて水中で重合することができる。
(A)の重合温度は通常50〜160℃、好ましくは6
0〜140℃である。(共)重合中の雰囲気は窒素のよ
うな不活性ガスの存在下で行うことが好ましい。
【0011】(A)の重合時に分子量をより高くするた
めに、少なくとも2個の重合性二重結合を有する多官能
モノマーをゲル化を発生させない程度の量(通常0.1
重量%以下)加えてもよい。多官能性モノマーとして
は、ジまたはポリビニル化合物(例えばジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、ジビニルトルエン)など
が挙げられる。これらの内好ましくはジビニルベンゼ
ン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジビニ
ルトルエン)などが挙げられる。
【0012】(A)の重量平均分子量は通常10万〜
1,000万、好ましくは15万〜500万、更に好ま
しくは20万〜300万である。(A)の重量平均分子
量が10万以下であると(A)の170℃での貯蔵弾性
率が小さくなり、トナーにした時のHOTが低くなる可
能性がある。1,000万以上であると、トナー製造時
の粉砕性が悪化する可能性があり、またトナーにした時
のMFTが高くなる可能性がある。(A)の数平均分子
量は通常3万〜300万、好ましくは5万〜150万、
更に好ましくは7万〜100万である。(A)のガラス
転移点(Tg)は通常30〜100℃、好ましくは35
〜90℃、更に好ましくは、40〜85℃である。Tg
が30℃未満ではトナーにした時の耐熱保存性が悪くな
る可能性があり、Tgが100℃を越えるとトナーにし
た時のMFTは高くなる可能性がある。
【0013】本発明のトナーバインダーにおいて、
(A)の含有量は通常2〜50重量%、好ましくは、3
〜40重量%、更に好ましくは、4〜30重量%であ
る。(A)の含有量が2重量%未満では、トナーバイン
ダーの高温での貯蔵弾性率が小さくなり、トナーにした
時のHOTが低くなる可能性がある。50重量%を越え
るとトナー製造時の粉砕性が悪化する可能性があり、ま
たトナーにした時のMFTが高くなる可能性がある。
【0014】本発明のトナーバインダーにおいて、
(B)は特に限定されないが、例えば、ポリエステル
(B1)、ポリウレタン(B2)、エポキシ樹脂(B
3)、ポリアミド(B5)、ビニル系樹脂、クロマン樹
脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、フェノ
ール樹脂などが挙げられる。これらのうち、好ましいの
は(B1)である。
【0015】本発明に用いるポリエステル(B1)は、
例えば2価アルコールと2塩基酸類(2塩基酸、無水
物、低級エステル化物)と必要により3価以上のポリカ
ルボン酸類および/または3価以上のアルコール類を重
縮合することにより得られる。末端カルボン酸、末端水
酸基を封止するため、あるいは分子量の調整や反応の制
御を目的として、モノアルコールまたはモノカルボン酸
を併用することもできる。2価アルコ−ルとしてはエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−
ヘキサンジオールなどの脂肪族グリコール類およびこれ
らのアルキレンオキサイド付加物;ハイドロキノン、
カテコール、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノー
ル類(ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフ
ェノールF、ビスフェノールスルホンなど)および水素
添加ビスフェノール類およびこれらにアルキレンオキサ
イドを付加させたフェノール系グリコール類;およびこ
れらの2種以上の混合物が挙げられる。アルキレンオキ
サイドとしてはエチレンオキサイド(EO)、プロピレ
ンオキサイド(PO)などがあげられ、これら混合物を
付加する場合、ブロック付加でもランダム付加でも良
い。これらの中で好ましいものは、エチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコールおよびビスフェノール類
(とくにビスフェノールA)にアルキレンオキサイドを
2〜3モル付加させたもの、およびこれらの混合物であ
り、特に好ましくはネオペンチルグリコール、ビスフェ
ノールAのアルキレンオキサイドを2〜3モル付加させ
たもの、およびこれらの2種以上の混合物である。
【0016】2塩基酸としてはコハク酸、マレイン酸、
フマール酸、イタコン酸、アゼライン酸、メサコン酸、
シトラコン酸、セバチン酸、グルタコン酸、アジピン
酸、マロン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタ
ール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナジック酸、メ
チルナジック酸、オクチルコハク酸、ドデセニルコハク
酸など、およびこれらの酸の無水物、低級アルキル(メ
チル、エチル)エステルなどが挙げられる。その他リノ
レイン酸の二量体、三量体などの重合脂肪酸も使用でき
る。2塩基酸は単独でも2種以上の混合物としても使用
できる。これらの中では、コハク酸、マレイン酸、フマ
ール酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール
酸、オクチルコハク酸およびドデセニルコハク酸に代表
されるアルキルまたはアルケニル(炭素数4〜18)コ
ハク酸が好ましい。
【0017】3価以上のポリカルボン酸類の具体例とし
ては、(1)炭素数7〜20の脂肪族ポリカルボン酸
(1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘ
キサントリカルボン酸など);(2)炭素数9〜20の
脂環式ポリカルボン酸(1,2,4−シクロヘキサント
リカルボン酸など);(3)炭素数9〜20の芳香族ポ
リカルボン酸(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、
1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸
など);並びにこれらの無水物や低級アルキル(メチ
ル、ブチルなど)エステルが挙げられる。これらの中で
は、(3)およびその無水物や低級アルキルエステルが
好ましい。3価以上のアルコール類の具体例としては、
(1)炭素数3〜20の脂肪族多価アルコール(ソルビ
トール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリ
セロールなど);(2)炭素数6〜20の芳香族多価ア
ルコール(1,3,5−トリヒドロキシルメチルベンゼ
ンなど);並びにこれらのアルキレンオキサイド付加
物;(3)ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキ
レンエーテル;(4)イソシアヌル酸などの分子中に2
個以上の活性水素を有する複素環式化合物のオキシアル
キレンエーテルなどが挙げられる。これらの中では、
(1)、(3)および(4)の化合物が好ましく、
(3)および(4)が更に好ましい。モノアルコール、
モノカルボン酸の具体例としては、安息香酸、パラオキ
シ安息香酸、トルエンカルボン酸、サリチル酸、酢酸、
プロピオン酸、およびステアリン酸などのモノカルボン
酸;ベンジルアルコール、トルエン−4−メタノールお
よびシクロヘキサンメタノールなどのモノアルコールが
挙げられる。
【0018】重縮合反応は、必要により触媒(例えばジ
ブチル錫オキサイド、酸化第一錫およびテトラブチルチ
タネート)を使用することができ、通常150℃〜30
0℃の任意の温度で行うことができる。また、この反応
は、常圧または減圧下、さらに不活性ガスや溶媒の存在
下または不存在下で行うことができる。
【0019】(B1)の酸価は、特に限定されないが5
0mgKOH/g以下が好ましい。酸価が50mgKO
H/gを越えるとトナーにした時環境安定性が悪くなる
可能性がある。水酸基価は、通常0.2〜200mgK
OH/g、好ましくは、0.5〜150mgKOH/
g、更に好ましくは、50mgKOH/gである。(B
1)の酸価は、酸価の低いポリエステル(例えば50m
gKOH/g以下)を重縮合した後、2価以上のポリカ
ルボン酸無水物(例えば、無水マレイン酸、無水トリメ
リット酸など)を反応させることにより調整することが
できる。(B1)の重量平均分子量は通常1,000〜
10万、好ましくは1,500〜5万であり、更に好ま
しくは2,000〜3万である。(B1)のTgは通常
20〜85℃、好ましくは35〜80℃、更に好ましく
は、45〜75℃である。Tgが20℃未満ではトナー
にした時の耐熱保存性が悪くなる可能性があり、Tgが
85℃を越えるとトナーにした時のMFTが高くなる可
能性がある。
【0020】 本発明に用いるポリウレタン(B2)
は、ポリイソシアネートおよびポリオールとから得られ
る。末端イソシアネート、末端OHを封止するために、
モノアルコール、モノイソシアネートを併用することも
できる。ポリイソシアネートの具体例としては、(1)
芳香族ポリイソシアネート{トリレンジイソシアネート
(TDI)、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)、変性MDI、ナフチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネートなど};(2)芳香族
ポリイソシアネートの多量体(TDI,MDIなどの二
量体、三量体など);(3)NCO末端ウレタンプレポ
リマー{低分子ポリオール(トリメチロールプロパンな
ど)と過剰の芳香族イソシアネート(TDI)などとの
反応物など};(4)脂肪族ポリイソシアネート{テト
ラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなど};
(5)脂肪族ポリイソシアネートの多量体(IPDIの
三量体など)が挙げられる。これらのうちTDI、MD
I、およびIPDIが好ましい。ポリオールの具体例と
しては前記記載の2価アルコール、3価以上のアルコー
ル類が挙げられる。その他のポリオール成分としては、
(1)分子量500〜3,000のポリエーテルジオー
ル(ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールなど);(2)分子
量500〜3,000のポリエステルジオール{ジカル
ボン酸(アジピン酸、マレイン酸、フタル酸など)と低
分子ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールなど)との末端水酸基含有縮合物}が挙げられる。
これらのうちビスフェノールAのEOおよび/またはP
O2〜4モル付加物が好ましい。
【0021】ポリイソシアネートとポリオールの比率
は、モル比で通常、0.5〜1.5、好ましくは0.6
〜1.4、更に好ましくは0.7〜1.3となるような
比率であればよい。反応温度は通常40〜130℃、反
応においては、ウレタン化反応に用いられる触媒(ジブ
チルチンオキサイド、スタナスオクトエートなど)を使
用することもできる。
【0022】(B3)の重量平均分子量は通常1,00
0〜10万、好ましくは1,500〜5万であり、更に
好ましくは2,000〜3万である。(B3)のTgは
通常20〜85℃、好ましくは35〜80℃、更に好ま
しくは、45〜75℃である。Tgが20℃未満ではト
ナーにした時の耐熱保存性が悪くなる可能性があり、T
gが85℃を越えるとトナーにした時のMFTが高くな
る可能性がある。
【0023】 本発明に用いるエポキシ樹脂(B3)の
具体例としては、ビスフェノールA型、ビスフェノール
F型、ノボラック型、ポリフェノール型、ポリグリシジ
ル型エポキシ樹脂およびこれらエポキシ樹脂と前記記載
のジカルボン酸および/またはモノカルボン酸との反応
物が挙げられる。(B3)の重量平均分子量は通常1,
000〜10万、好ましくは1,500〜5万であり、
更に好ましくは2,000〜3万である。(B3)のT
gは通常20〜85℃、好ましくは35〜80℃、更に
好ましくは、45〜75℃である。Tgが20℃未満で
はトナーにした時の耐熱保存性が悪くなる可能性があ
り、Tgが85℃を越えるとトナーにした時のMFTが
高くなる可能性がある。
【0024】 本発明に用いるポリアミド(B4)は、
特に限定されないが、2価以上のカルボン酸類と2価以
上のアミン類と必要によりモノカルボン酸および/また
はモノアミンとから得ることができる。2価以上のカル
ボン酸類の具体例としては、一般にダイマー酸と呼ばれ
るオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸を重合し
た重合脂肪酸および前記記載の2価カルボン酸類が挙げ
られる。2価以上のアミン類の具体例としては、(1)
脂肪族ポリアミン(エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、1,2−ジアミノプ
ロパン、1,3−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジ
アミンなど);(2)脂環式ポリアミン(イソホロンジ
アミン、シクロヘキシレンジアミンなど);(3)芳香
族ポリアミン(キシリレンジアミン、ジアミノジフェニ
ルメタンなど)が挙げられる。このうち(1)が好まし
い。モノカルボン酸の具体例としては、前記記載のモノ
カルボン酸、その他の例としては、混合脂肪酸(パーム
油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、牛脂脂肪酸
など)が挙げられる。モノアミンの具体例としては、n
−プロピルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミ
ン、モノエタノールアミンなどが挙げられる。
【0025】カルボン酸類とポリアミン類の比率は、カ
ルボキシル基当量/アミノ基当量が、通常0.5〜1.
5、好ましくは0.6〜1.4、更に好ましくは0.7
〜1.3となるような比率であればよい。反応は通常、
140〜250℃、好ましくは180〜230℃程度の
温度条件下で行われる。反応は着色を防止するために窒
素ガスなどの不活性ガス中で行うことが好ましい。(B
5)の重量平均分子量は通常1,000〜10万、好ま
しくは1,500〜5万であり、更に好ましくは2,0
00〜3万である。
【0026】(B)は1種でもよいし、2種以上の樹脂
から構成されていてもよい。これら(B)のうち好まし
いものは、(B1)である。
【0027】本発明のトナーバインダーにおいて、
(B)の含有量は通常30〜90重量%、好ましくは、
25〜80重量%、更に好ましくは、30〜85重量%
である。(B)の含有量が30重量%未満では、トナー
にした時のMFTが高くなる可能性があり、またトナー
の耐久性が悪くなる可能性がある。(B)が90重量%
を越えるとトナーバインダーの高温での貯蔵弾性率が小
さくなり、トナーにした時のHOTが低くなる可能性が
ある。
【0028】本発明のトナーバインダーにおいて、
(C)は、(A)、(B)とのSp値の差の絶対値が1
以下であれば、特に限定されない。Sp値の差の絶対値
が1を越える場合は、(A)と(B)の相溶性が不十分
でトナーにした時のHOTが低くなる。(C)として、
例えば、(メタ)アクリロニトリルと他のビニル系単量
体の共重合体(C1)、ポリエステルに(メタ)アクリ
ロニトリルおよび必要により他のビニル系単量体をグラ
フトした樹脂(C2)などが挙げられる。また必要によ
り(C1)と(C2)を併用することができる。
【0029】(C1)の具体例としては、(メタ)アク
リロニトリルと前記記載のビニル系単量体から選ばれる
少なくとも1種以上を(共)重合してなるビニル系樹脂
などが挙げられる。前記記載のビニル系単量体のうち、
スチレン系モノマー、アルキル基の炭素数が1〜18の
アルキル(メタ)アクリレート、不飽和カルボン酸が好
ましく、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)ア
クリル酸が更に好ましい。(C1)のうち(メタ)アク
リロニトリルの比率は、3〜60重量%であることが好
ましい。更に好ましくは5〜40重量%である。
【0030】(C1)の重合方法としては、溶液重合、
塊状重合、懸濁重合などの任意の方法を選択できが、分
子量を低くする点から溶液重合が好ましい。重合開始剤
としては、特に限定されないが、前記記載の重合開始剤
が挙げられる。これらのうち、好ましいのは、アゾ系開
始剤(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレ
ロニトリルなど)や過酸化物系開始剤(ベンゾイルパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなど)など
が挙げられる。(C1)を溶液重合によって得る場合の
溶剤としては、特に限定されないが、前記記載の溶剤が
挙げられる。これらのうち好ましいのは、ジメチルホル
ムアミド、キシレン、トルエンである。(C1)の重合
温度は通常80〜210℃、好ましくは140〜205
℃である。(共)重合中の雰囲気は窒素のような不活性
ガスの存在下で行うことが好ましい。
【0031】(C1)の重量平均分子量は通常1,00
0〜5万、好ましくは2,000〜3万、更に好ましく
は3,000〜2万である。重量平均分子量が1,00
0未満であると (C1)のTgが低くなり、トナーに
した時の耐熱保存性が悪くなる可能性がある。5万を越
えると、トナー製造時の粉砕性が悪くなる可能性があ
り、またトナーにした時のMFTが高くなる可能性があ
る。(C1)のTgは通常20〜85℃、好ましくは3
5〜80℃、更に好ましくは、45〜75℃である。T
gが20℃未満ではトナーにした時の耐熱保存性が悪く
なる可能性があり、Tgが85℃を越えるとトナーにし
た時のMFTは高くなる可能性がある。
【0032】(C2)の具体例としては、前記記載の2
価アルコールと2塩基酸類と必要により3価以上のポリ
カルボン酸および/または3価以上のアルコール類から
なるポリエステルに(メタ)アクリロニトリルおよび必
要により前記記載のビニル系単量体から選ばれる少なく
とも1種以上をグラフトした系樹脂などが挙げられる。
また、グラフトする前にポリエステルと無水マレイン酸
などの不飽和2価カルボン酸を反応させることもでき
る。
【0033】(C2)のポリエステルの重縮合反応は前
記記載の方法で行うことができる。ポリエステルに(メ
タ)アクリロニトリルおよび必要により前記記載のビニ
ル系単量体から選ばれる少なくとも1種以上をグラフト
する反応方法としては、溶液重合、塊状重合、懸濁重合
などの任意の方法を選択できが、分子量を低くする点か
ら溶液重合が好ましい。重合開始剤としては、特に限定
されないが、前記記載の重合開始剤が挙げられる。これ
らのうち、好ましいのは、アゾ系開始剤(アゾビスイソ
ブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなど)や
過酸化物系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイドなど)などが挙げられる。(C
2)を溶液存在下でグラフト反応する場合の溶剤として
は、特に限定されないが、前記記載の溶剤が挙げられ
る。これらのうち好ましいのは、ジメチルホルムアミ
ド、キシレン、トルエンである。グラフト反応の重合温
度は通常80〜210℃、好ましくは140〜205℃
である。(共)重合中の雰囲気は窒素のような不活性ガ
スの存在下で行うことが好ましい。
【0034】(C2)の重量平均分子量は通常1,00
0〜5万、好ましくは2,000〜3万、更に好ましく
は3,000〜2万である。重量平均分子量が1,00
0未満であると(C2)のTgが低くなり、トナーにし
た時の耐熱保存性が悪くなる可能性がある。5万を越え
ると、トナー製造時の粉砕性が悪くなる可能性があり、
またトナーにした時のMFTが高くなる可能性がある。
(C2)のTgは通常20〜85℃、好ましくは35〜
80℃、更に好ましくは、45〜75℃である。Tgが
20℃未満ではトナーにした時の耐熱保存性が悪くなる
可能性があり、Tgが85℃を越えるとトナーにした時
のMFTは高くなる可能性がある。
【0035】本発明のトナーバインダーにおいて、
(C)の含有量は通常10〜60重量%、好ましくは、
15〜50重量%、更に好ましくは、20〜45重量%
である。(C)の含有量が10重量%未満では、トナー
にした時のHOTが低くなる可能性があり、またトナー
の耐久性が悪くなる可能性がある。(C)が60重量%
を越えるとトナーにした時のMFTが高くなる可能性が
ある。
【0036】(A)、(B)、(C)をブレンドする方
法は特に限定されないが、加熱溶融状態で両者を混練す
る方法、溶剤の存在下でブレンド後脱揮する方法、一方
の存在下で他方を重合する方法などが挙げられる。
【0037】本発明のトナーバインダーの重量平均分子
量(Mw)は、通常10,000〜1,000,00
0、数平均分子量(Mn)は、通常1,000〜50,
000であり、分子量分布(Mw/Mn)は、通常10
〜1,000である。Mwが10,000未満であると
トナーにした時のHOTが低く、1,000,000を
越えるとトナーにした時のMFTが高くなる可能性があ
る。Mnが1,000未満であるとトナーにした時の耐
久性が悪くなる可能性があり、Mnが50,000を越
えるとトナー製造時の粉砕性が悪くなる可能性がある。
Mw/Mnが10未満であるとトナーにした時のHOT
が悪くなる可能性があり、Mw/Mnが100を越える
とトナーにした時にMFTが悪くなる可能性がある。ま
た、Mw、MnおよびMw/Mnは、(A)、(B)お
よび(C)の配合量により調整することができる。
【0038】本発明のトナーバインダーの170℃の貯
蔵弾性率(G’)は、通常1,000ダイン/cm2
上であり、140℃での複素粘性率(η)は、2万ポイ
ズ以下である。170℃のG’が、1,000ダイン/
cm2未満ではトナーにした時のHOTが悪くなる可能
性がある。また、140℃でのηが、2万ポイズを越え
るとトナーにした時のMFTが高くなる可能性がある。
また、G’およびηは、(A)、(B)および(C)の
配合量により調整することができる。
【0039】本発明のトナーバインダーの残存溶剤は、
通常0.4%以下、好ましくは0.3%以下、更に好ま
しくは0.2%以下であり、残存(メタ)アクリロニト
リルおよび他のビニル単量体は、通常それぞれ0.1%
以下、好ましくは0.05%以下、更に好ましくは0.
03%以下である。残存溶剤が0.4%および/または
残存(メタ)アクリロニトリルおよび他のビニル単量体
が0.1%を越えると本発明のトナーバインダーを使用
したトナーを、複写機やプリンターで使用する際に臭気
が発生する可能性がある。
【0040】本発明のトナーバインダーには、低分子量
ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンおよび
それらの変性物など)をトナーバインダー全体に対し
0.5〜10重量%含むことができる。ただし、トナー
バインダーの分子量測定は、低分子量ポリオレフィンを
含まない状態で行う。
【0041】本発明のバインダーの用途となる電子写真
用トナーの製法例を例示すると、トナー重量に基づいて
トナーバインダーが通常45〜95重量%、公知の着色
剤(カーボンブラック、鉄黒、ベンジジンイエロー、キ
ナクドリン、ローダミンB、フタロシアニン等)が通常
5〜10重量%および磁性粉(鉄、コバルト、ニッケ
ル、ヘマタイト、フェライトなどの化合物)が通常0〜
50重量%用いられたものがあげられる。さらに種々の
添加剤[荷電調整剤(金属錯体、ニグロシンなど)、滑
剤(ポリテトラフルオロエチレン、低分子量ポリオレフ
ィン、脂肪酸、もしくはその金属塩またはアミドなど)
など]を含むことができる。これらの添加剤の量はトナ
ー重量に基づいて通常0〜10重量%である。電子写真
用トナーは上記成分を乾式ブレンドした後、溶融混練さ
れ、その後粗粉砕され、最終的にジェット粉砕機などを
用いて微粉砕され粒径5〜20μmの微粒子として得ら
れる。前記電子写真用トナーは、必要に応じて鉄粉、ガ
ラスビーズ、ニッケル粉、フェライトなどのキャリア粒
子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。
また粉体の流動性改良のために疎水性コロイダルシリカ
微粉末を用いることもできる。前記電子写真用トナーは
支持体(紙、ポリエステルフィルムなど)に定着され使
用される。定着方法については前述の通りである。
【0042】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが本
発明はこれに限定されるものではない。 以下、部は重
量部を示す。また、合成例、実施例および比較例で得ら
れた樹脂の性質の測定法を次に示す。
【0043】Sp値算出法 SP値の算出は、ポリマーエンジニアリングアンドサイ
エンス,1974,Vol.14,No.2等に記載の
Fedorsの方法による。
【0044】 分子量測定 装置 :昭和電工株式会社製 SYSTEM−11 条件 :カラム 東ソー株式会社製 TSK gel GMHXL2本 測定温度 :40℃ 試料溶液 :0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液 溶液注入量:100μl 検出機 :屈折率検出機 なお分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成。
【0045】 ガラス転移点(Tg)測定 装置:セイコー電子工業株式会社製 DSC20、SSC/580 条件:ASTM(D3418−2)法 貯蔵弾性率および複素粘性率測定 装置 :レオメトリックス社(Rheometrics Inc.U.S.A.)製 RDS−7700IIダイナミックススペクトロメータ テストフィックスチェアー:25mmφコーンプレート使用 測定周波数:20Hz(125.6rad/sec) 歪率 :5%固定
【0046】製造例1 温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応
槽中に水1,425部、ポリビニルアルコール9部をい
れ、充分溶解したのち、アクリロニトリル200部、ス
チレン516部、アクリル酸−2エチルヘキシル284
部の混合モノマーとジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒ
ドロテレフタレート2.3部を反応槽に入れ、窒素気流
中で、85℃で10時間、その後98℃で3時間懸濁重
合させた。冷却後、反応物を濾過、水洗し、55℃で乾
燥して、Sp値11.8の本発明の樹脂(A−1)を得
た。(A−1)の重量平均分子量は90万、数平均分子
量は30万、ガラス転移点は60℃、170℃での貯蔵
弾性率は、3.2×106dyn/cm2であった。
【0047】製造例2 混合モノマーをアクリロニトリル164部、スチレン6
56部、ラウリルメタクリレート180部とし、製造例
1と同様にしてSp値11.5の樹脂(A−2)を得
た。(A−2)の重量平均分子量は120万、数平均分
子量は40万、ガラス転移点は72℃、170℃での貯
蔵弾性率は、5.4×106dyn/cm2であった。
【0048】製造例3 イソフタル酸367部とビスフェノールAのプロピレン
オキサイド2モル付加物1,000部を230℃で重縮
合し、Sp値11.5のポリエステル樹脂(B1−1)
を得た。(B1−1)の重量平均分子量は5,400、
数平均分子量は2,600、ガラス転移点は57℃、1
70℃での貯蔵弾性率は0.6dyn/cm2であっ
た。
【0049】製造例4 テレフタル酸386部とビスフェノールAのエチレンオ
キサイド2モル付加物1,000部を230℃で重縮合
し、Sp値11.5のポリエステル樹脂(B1−2)を
得た。(B1−2)の重量平均分子量は4,000、数
平均分子量は2,200、ガラス転移点は49℃、17
0℃での貯蔵弾性率は0.5dyn/cm2であった。
【0050】製造例5 テレフタル酸236部とビスフェノールAのプロピレン
オキサイド2モル付加物697部とドデセニルコハク酸
67部を230℃で重縮合し、Sp値11.3のポリエ
ステル樹脂(B1−3)を得た。(B1−3)の重量平
均分子量は7300、数平均分子量は3,800、ガラ
ス転移点は61℃、170℃での貯蔵弾性率は4dyn
/cm2であった。
【0051】製造例6 温度計、攪拌機、窒素導入管の付いたオートクレーブ反
応槽中にキシレン646部をいれ、窒素置換後、アクリ
ロニトリル200部、スチレン689部、アクリル酸−
2エチルヘキシル114部の混合モノマーと、キシレン
118部、ジ−t−ブチルパーオキサイド52部の開始
剤溶液を170℃で、3時間で滴下し、脱溶剤すること
により、Sp値11.8の本発明の(C1−1)を得
た。(C1−1)の重量平均分子量は4,700、数平
均分子量は2,300、ガラス転移点は55℃であっ
た。
【0052】製造例7 (B1−1)1,000部と無水マレイン酸35部を1
60℃で2時間反応させたポリエステル800部、アク
リロニトリル50部、スチレン150部の混合モノマー
とキシレン300部、ジ−t−ブチルパーオキサイド5
部の開始剤溶液を製造例6と同様にして、Sp値12.
1の本発明の(C2−1)を得た。(C2−1)の重量
分子量は6,100、数平均分子量は2,700、ガラ
ス転移温度は60℃であった。
【0053】製造例8 混合モノマーをスチレン815部、アクリル酸−2エチ
ルヘキシル185部とし、製造例1と同様にしてSp値
10.4の樹脂(D)を得た。(D)の重量平均分子量
は700万、数平均分子量は26万、ガラス転移点は6
2℃、170℃での貯蔵弾性率は、1.1×106dyn
/cm2であった。
【0054】製造例9 混合モノマーをスチレン815部、アクリル酸−2エチ
ルヘキシル185部とし、製造例6と同様にしてSp値
10.4の樹脂(E)を得た。(E)の重量平均分子量
は4,800、数平均分子量は2400、ガラス転移温
度は50℃であった。
【0055】実施例1〜8 冷却管、攪拌機付コルベンにキシレン120部を仕込
み、表1に記載した成分を加え、窒素置換後、攪拌しな
がら140℃で2時間攪拌し、キシレンに溶解させた。
その後180℃で脱揮し、本発明のトナーバインダー
(TB−1)〜(TB−8)を得た。ガスクロマトグラ
フィーで残存溶剤、残存(メタ)アクリロニトリルおよ
び他のビニル単量体を測定したところ、残存溶剤は、い
ずれも0.4%以下、残存(メタ)アクリロニトリルお
よび他のビニル単量体は、いずれも0.1%以下であっ
た。
【0056】
【表1】 *1 (A)と(C)とのSp値の差の絶対値。 *2 (B)と(C)とのSp値の差の絶対値。
【0057】比較例1〜5 表2の成分を実施例1と同様にして、比較のトナーバイ
ンダー(TB−9〜TB−13)を得た。
【0058】
【表2】 *1 (A)と(C)とのSp値の差の絶対値。 *2 (B)と(C)とのSp値の差の絶対値。
【0059】使用例および比較使用例 実施例1〜8の本発明のトナーバインダーおよび比較例
1〜5のトナーバインダーの各々88部にカーボンブラ
ック(三菱化成(株)製 MA100)7部、低分子量
ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製 ビスコール5
50P)3部、及び荷電調整剤(保土ヶ谷化学工業
(株)製スピロンブラックTRH)2部を均一混合した
後、内温150℃の二軸押出機で混練、冷却物をジェッ
トミルで微粉砕し、ディスパージョンセパレータで分級
し平均粒径12μmのトナーa〜mを得た。
【0060】試験例1 トナーa〜mの各々3部にフェライトキャリア(パウダ
ーテック(株)製 F−100)97部を均一混合し、
市販複写機((株)東芝製BD−7720)を用いて紙
上にトナー像を転写し、転写された紙上のトナーを市販
複写機(シャープ(株)製 SF8400A)の定着部
を改造して、A4紙35枚/分のスピードでMFTを評
価を行った。評価結果は表3に示した通りである。
【0061】試験例2 トナーa〜mの各々3部にフェライトキャリア(パウダ
ーテック(株)製 F−100)97部を均一混合し、
市販複写機((株)東芝製BD−7720)を用いて紙
上にトナー像を転写し、転写された紙上のトナーを市販
複写機(シャープ(株)製 SF8400A)の定着部
を改造して、A4紙10枚/分のスピードでHOTを評
価を行った。評価結果は表3に示した通りである。
【0062】試験例3 トナーa〜mのそれぞれをポリエチレン製の瓶に入れ、
45℃の恒温水槽に8時間保持した後、42メッシュの
ふるいに移し、ホソカワミクロン(株)製パウダーテス
ターを用いて10秒間振とうし、ふるいのうえに残った
トナーの重量%を測定し、耐熱保存性のテストとした。
数字の小さいもの程、耐熱保存性が良い。結果を表3に
示す。
【0063】試験例4 トナーa〜mの各々3部にフェライトキャリア(パウダ
ーテック(株)製 F−100)97部を50CCのガ
ラス瓶に入れ、25℃、50%RHの温湿度調整室に1
2時間放置した後、25℃、50%RHの条件でターブ
ラーシェーカーミキサーで100rpmで30分間、攪
拌し、摩擦帯電させた。その後、(株)東芝製ブローオ
フ帯電量測定機で測定した結果を表3に示す。
【0064】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− トナー トナー MFT HOT 耐熱 摩擦 ハ゛インタ゛ー (℃) (℃) 保存性 帯電量 *1 *2 (%) (μc/g) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 a TB-1 135 >200 27 -23 b TB-2 125 >200 21 -21 施 c TB-3 130 >200 24 -21 d TB-4 125 >200 28 -20 例 e TB-5 130 >200 29 -22 f TB-6 130 >200 22 -22 g TB-7 135 >200 26 -21 h TB-8 130 >200 21 -22 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比 i TB-9 140 160 27 -20 j TB-10 140 150 29 -21 較 k TB-11 147 >220 25 -22 l TB-12 140 180 27 -20 例 m TB-13 135 160 26 -21 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *1 画像濃度1.2の黒ベタ部を学振式堅牢度試験機(摩擦部=紙)により 5回の往復回数で摩擦し、摩擦後のベタ部の画像濃度が70%以上残存していた コピーを得た時のヒートロール温度。 *2 トナーがホットオフセットした時のヒートロール温度
【0065】本発明のバインダーを使用したトナーa〜
hはいずれも比較バインダーを使用したトナーi〜mに
比べ、低温定着性、耐ホットオフセット性のバランスに
優れる。また、a〜hはいずれも良好な耐熱保存性、帯
電特性を示した。
【0066】
【発明の効果】本発明のトナーバインダーは、ニトリル
基含有高弾性樹脂(A)と低弾性樹脂(B)に、
(A)、(B)とのSp値の差の絶対値が1以下である
樹脂(C)を入れることにより、高温での貯蔵弾性率を
従来の高分子量の樹脂以上に大きくでき、従来より少量
の高分子量樹脂の使用で、トナーのホットオフセットの
発生を防ぐことができる。 同時に、低分子量樹脂の割
合が増えるため、低温定着性も従来以上に向上する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−56869(JP,A) 特開 昭61−87162(JP,A) 特開 平4−226473(JP,A) 特開 平6−27731(JP,A) 特開 平4−190244(JP,A) 特開 平4−204457(JP,A) 特開 平6−59504(JP,A) 特開 平3−177847(JP,A) 特開 平4−178658(JP,A) 特開 平5−88403(JP,A) 特開 平8−292596(JP,A) 特開 平8−328305(JP,A) 特開 平6−324514(JP,A) 特開 平7−146582(JP,A) 特開 平5−80581(JP,A) 特開 平5−100468(JP,A) 特開 平5−173366(JP,A) 特開 平5−216272(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/087

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 170℃での貯蔵弾性率が50万dyn
    /cm2以上である樹脂(A)と170℃での貯蔵弾性
    率が10万dyn/cm2以下である樹脂(B)および
    (A)、(B)とのSp値の差の絶対値が1以下である
    樹脂(C)からなる電子写真用トナーバインダーにおい
    て、(A)がニトリル基を含有する樹脂である電子写真
    用トナーバインダー。
  2. 【請求項2】 (A)が、(メタ)アクリロニトリルと
    他のビニル系単量体の共重合体である請求項1記載のト
    ナーバインダー。
  3. 【請求項3】 該トナーバインダー中に、(A)を2〜
    50重量%、(B)を20〜90重量%および(C)を
    10〜60重量%含有する請求項1または2記載のトナ
    ーバインダー。
  4. 【請求項4】 (B)が、ポリエステル(B1)である
    請求項1〜3のいずれか記載のトナーバインダー。
  5. 【請求項5】 (B1)の酸価が、50以下である請求
    項4記載のトナーバインダー。
  6. 【請求項6】 (C)が、(メタ)アクリロニトリルと
    他のビニル系単量体の共重合体(C1)である請求項1
    〜5のいずれか記載のトナーバインダー。
  7. 【請求項7】 (C)が、ポリエステルに(メタ)アク
    リロニトリルおよび必要により他のビニル系単量体をグ
    ラフトした樹脂(C2)である請求項1〜5のいずれか
    記載のトナーバインダー。
  8. 【請求項8】 トナーバインダーの重量平均分子量(M
    w)が10,000〜1,000,000、数平均分子
    量(Mn)が1,000〜50,000であり、分子量
    分布(Mw/Mn)が10〜1,000である請求項1
    〜7のいずれか記載のトナーバインダー。
  9. 【請求項9】 トナーバインダーの170℃での貯蔵弾
    性率が1,000dyn/cm2以上であり、140℃
    での複素粘性率が2万ポイズ以下である請求項1〜8の
    いずれか記載のトナーバインダー。
  10. 【請求項10】 トナーバインダー中の残存溶剤が0.
    4%以下であり、残存(メタ)アクリロニトリルおよび
    他のビニル単量体がそれぞれ0.1%以下である請求項
    1〜9のいずれか記載のトナーバインダー。
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