JP2014037550A - ベーストレッド用ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、融点が100〜180℃のポリアミドエラストマー(B)0.1〜50重量部と無機補強剤(C)1〜100重量部を含有し、前記ポリアミドエラストマー(B)のソフトセグメントがポリエーテルであることを特徴とするゴム組成物である。
【選択図】なし
Description
次に、本発明に係るゴム組成物について説明する。
本発明に係るゴム組成物に用いられる加硫可能なゴムとしては、特に制限なく、公知のものを使用することができ、好ましくは、ジエン系ゴムを使用することができる。例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(SPB)含有のブタジエンゴム、SPB含有の天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、及びクロロプレンゴムなどのジエン系単量体の重合体;アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ニトリルクロロプレンゴム、及びニトリルイソプレンゴムなどのアクリロニトリル−ジエン共重合ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンクロロプレンゴム、及びスチレンイソプレンゴムなどのスチレン−ジエン共重合ゴム;並びに、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などが挙げられる。この中で、ブタジエンゴム、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン含有のブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、及びイソプレンゴムが好ましい。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に係るゴム組成物に用いられる融点が100〜180℃のポリアミドエラストマー(B)は、ハードセグメントはポリアミドであり、ソフトセグメントはポリエーテルやポリエステルを用いたマルチブロックコポリマーである。ソフトセグメントは、ポリエーテルが好ましい。アミド成分はナイロン6,66,610,11,12などであり、ポリエーテルの代表例はジオールポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコールなどであり、ポリエステルの代表例はポリ(エチレンアジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4アジペート)グリコールなどである。このようなポリアミドエラストマー(B)としては、特許第4123475号に記載のポリエーテルポリアミドエラストマーや、特公昭56−45419号に記載のポリエーテル・エステル・アミドブロックコポリマーが挙げられる。
次に、アミノカルボン酸化合物(D1)及びラクタム化合物(D2)について説明する。本発明に使用するアミノカルボン酸化合物(D1)は、下記式(1)で表される化合物である。
H2N−R1−COOH (1)
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(E)は、下記式(3)で表される化合物であり、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールなどの両末端にプロピレンオキシドを付加することによりポリプロピレングリコールとした後、このポリプロピレングリコールの末端にアンモニアなどを反応させることによって製造されるポリエーテルジアミンなどを用いることができる。
本発明に使用するジカルボン酸化合物(F)は、下記式(4)で表される化合物である。
HOOC−(R3)m−COOH (4)
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造方法として、一例を挙げると、ポリアミド形成性モノマー(即ち、アミノカルボン酸化合物(D1)及び/又はラクタム化合物(D2))、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(E)及びジカルボン酸(F)の三成分を、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じさらに減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができ、さらにポリアミド形成性モノマー、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(E)及びジカルボン酸(F)の三成分を同時に、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じさらに減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができる。なお、ポリアミド形成性モノマーとジカルボン酸(F)の二成分を先に重合させ、ついで、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(E)を重合させる方法も利用できる。
本発明に係るゴム組成物に配合される無機補強剤(C)としては、各種のカーボンブラック、ホワイトカーボン、シリカ、活性化炭酸カルシウム、及び超微粒子珪酸マグネシウム等などが挙げられる。なかでも、カーボンブラック及びシリカのうち少なくとも1以上であることが好ましい。特に好ましくは、粒子径が90nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/100g以上のカーボンブラックであり、例えば、FEF、FF、GPF、SAF、ISAF、SRF、及びHAF等が用いられる。
30重量部である。
本発明に係るゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、活性剤、スコーチ防止剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、及びステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を混練してもよい。
本発明に係るゴム組成物は、上記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、又は二軸混練り機などを用いて混練時の最高温度がポリアミドエラストマーの融点以上となる条件で混練りすることで得られる。混練時の最高温度はポリアミドエラストマーの融点と同じ温度〜融点よりも50℃高い温度の範囲が好ましい。さらに好ましくは、融点よりも5℃高い温度〜融点よりも40℃高い温度である。混練時の最高温度はポリアミドエラストマーの融点より低いとポリアミドエラストマーが溶融分散せず、融点よりも50℃高い温度であると加硫可能なゴムが劣化する場合がある。
本発明に係るゴム組成物は、高弾性で引張強度が高く、発熱性、疲労性の優れたゴム組成物に関するもので、タイヤにおけるトレッド・サイドウォール・チェーファー等のタイヤ外部部材、カーカス・ベルト・ビード、インナーライナー等のタイヤ内部部材、防振ゴム・ゴムベルト・ホース・免震ゴム・防舷材等の工業用品、紳士靴、婦人靴、及びスポーツシューズ等の履物、工業用・印刷用・OA機器用等のゴムロール、ゴルフボール・テニスボール・スポーツ床等のスポーツ用品、農耕用・フォークリフト用等のソリッドタイヤ、ゴムクローラー、キャスター、シーリング材、接着剤、ゴムシート、防水材、パッキン類、並びにスポンジ製品などにも用いる事ができる。ゴム組成物は、タイヤに用いられることが好ましい。また、後述のベーストレッド用ゴム組成物、チェーファー用ゴム組成物、及びサイドウォール用ゴム組成物であることが好ましい。
次に、本発明に係るベースとレッド用ゴム組成物について説明する。
本発明に係るベーストレッド用ゴム組成物に用いられる加硫可能なゴム(A)及びポリアミドエラストマー(B)は、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。ただし、ポリアミドエラストマー(B)の含有量は、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、ポリアミドエラストマー(B)1〜50重量部、好ましくは2〜40重量部、さらに好ましくは3〜30重量部である。ポリアミドエラストマー(B)の量が、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、1重量部より少ないと効果が発現せず、50重量部より多いと加工性が悪化するため好ましくない。
本発明に係るベーストレッド用ゴム組成物に用いられる無機補強剤(C)としては、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。ただし、無機補強剤(C)が少なくともカーボンブラック及びシリカを含み、無機補強剤(C)中におけるシリカの配合量が80質量%以下である。
本発明に係るベーストレッド用ゴム組成物には、タイヤ溝底の耐オゾンクラック性を保持させるためにワックスを配合することが好ましい。
本発明に係るベーストレッド用ゴム組成物には、その他の成分として、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。
本発明に係るベーストレッド用ゴム組成物のJIS−A硬度は、55〜75が好ましく、60〜70が特に好ましい。硬度が55未満になると、操縦安定性が不安定になる傾向がある。また硬度が75以上になると破断伸びが低下する傾向を示す。
次に、本発明に係るチェーファー用ゴム組成物について説明する。
本発明に係るチェーファー用ゴム組成物に用いられる加硫可能なゴム(A)及びポリアミドエラストマー(B)は、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。ただし、ポリアミドエラストマー(B)の含有量は、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、ポリアミドエラストマー(B)1〜50重量部、好ましくは2〜40重量部、さらに好ましくは3〜30重量部である。ポリアミドエラストマー(B)の量が、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、1重量部より少ないと効果が発現せず、50重量部より多いと加工性が悪化するため好ましくない。加硫可能なゴム(A)は、少なくとも天然ゴム又はポリイソプレンゴムを30重量%以上含むことが好ましく、40重量%以上含むことがさらに好ましい。
本発明に係るチェーファー用ゴム組成物に用いられる無機補強剤(C)としては、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。
本発明に係るチェーファー用ゴム組成物に用いられるその他の成分としては、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。
本発明に係るチェーファー用ゴム組成物のJIS−A硬度は、70以上、好ましくは75以上である。該ゴム組成物のJIS−A硬度が70未満では、ビードの十分な耐久性が得られない。また、チェーファー用ゴム組成物のJIS−A硬度は、90以下、好ましくは85以下である。該ゴム組成物のJIS−A硬度が90を超えると、ゴム組成物の伸びが低下する。
次に、本発明に係るサイドウォール用ゴム組成物について説明する。
本発明に係るサイドウォール用ゴム組成物に用いられる加硫可能なゴム(A)及びポリアミドエラストマー(B)は、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。ただし、ポリアミドエラストマー(B)の含有量は、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、ポリアミドエラストマー(B)1〜50重量部、好ましくは2〜40重量部、さらに好ましくは3〜30重量部である。ポリアミドエラストマー(B)の量が、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、1重量部より少ないと効果が発現せず、50重量部より多いと加工性が悪化するため好ましくない。
本発明に係る無機補強剤としては、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。
本発明に係るサイドウォール用ゴム組成物には、タイヤ溝底の耐オゾンクラック性を保持させるためにワックスを配合することが好ましい。
本発明に係るサイドウォール用ゴム組成物には、その他の成分として、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。
本発明に係るサイドウォール用ゴム組成物のJIS−A硬度は、55〜75であり、60〜70が好ましい。JIS−A硬度が55未満になると、操縦安定性が不安定になる傾向がある。またJIS−A硬度が75を超えると破断伸びが低下する傾向を示す。
本発明に係るタイヤは、発明で得られたベーストレッド用ゴム組成物を有することで、操縦安定性が低下することなく、転がり抵抗を低減させることが可能である。
(1)ムーニー粘度(ML)
ムーニー粘度(ML)は、JIS−K6300に準拠し、100℃にて予熱1分測定4分の値をムーニー粘度計(島津製作所製、SMV−202)により測定した。
固有粘度[η]は、試料ゴム0.1gとトルエン100mlを三角フラスコに入れて30℃で完全溶解させ、その後、30℃に維持された恒温水槽中で、キャノンフェンスケ動粘度計に上記溶液10mlを入れ、溶液の落下時間(T)を測定し、下記式により求めた値とする。
ηsp=T/T0−1(T0:トルエンだけの落下時間)
ηsp/c=[η]+k’[η]2c
(ηsp:比粘度、k’:ハギンズ定数(0.37)、c:試料濃度(g/ml))
トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液として粘度計校正用標準液(JIS−Z8809)を用い、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。
ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス740cm−1、トランス967cm−1、ビニル910cm−1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
ηsp/cは、1.2ポリブタジエン結晶繊維の分子量の目安として、0.20g/dlのo−ジクロロベンゼン溶液から135℃で還元粘度を測定した。
ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、JIS−K6300に準拠し、100℃にて予熱1分測定4分の値をムーニー粘度計(島津製作所製、SMV−202)により測定した。数値が小さいほど粘度が低く、流動性が良好なことを示す。
JIS−A硬度は、JIS−K6253に規定されている測定法に従って、タイプAデュロメーターで測定した、数値が大きいほど硬度が高いことを示す。
(1)相対粘度(ηr)(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)
試薬特級品のm−クレゾールを溶媒として、5g/dm3の濃度で、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
重合物約1gに40ミリリットルのベンジルアルコールを加え、窒素ガス雰囲気で加熱溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてフェノールフタレインを加えて、N/20水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定した。
重合物約1gを40ミリリットルのフェノール/メタノール混合溶媒(容量比:9/1)に溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてチモールブルーを加えて、N/20塩酸で滴定した。
Tm及びTcは、株式会社島津製作所製示差走査熱量計DSC−50を用いて窒素雰囲気下で測定した。室温から230℃まで10℃/minの速度で昇温し(昇温ファーストランと呼ぶ)、230℃で10分保持したのち、−100℃まで10℃/minの速度で降温し(降温ファーストランと呼ぶ)、次に230℃まで10℃/minの速度で昇温した(昇温セカンドランと呼ぶ)。得られたDSCチャートから降温ファーストランの発熱ピーク温度をTc、昇温セカンドランの吸熱ピーク温度をTmとした。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの組成は、重トリフロロ酢酸を溶媒として、4質量%の濃度で、日本電子株式会社製JNM−EX400WB型FT−NMRを用いて、室温で測定したプロトンNMRスペクトルから各成分の組成を求めた。
ASTM D2240に準拠してショアーDを測定した。射出成形により成形した厚さ6mmのシートを用いて測定した。測定は、温度23℃で行った。
(i)引張り試験(引張り降伏点強さ及び引張り破断伸び):ASTM D638に記載のTypeIの試験片をASTM D638準拠して測定した。
(ii)曲げ試験(曲げ弾性率及び曲げ強度):試験片寸法6.35mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D790に準拠して測定した。
(iii)衝撃強さ(アイゾットノッチ付):試験片寸法12.7mm×12.7mm×63.5mmの試験片を用いてASTM D256に準拠し、23℃で測定した。
(iv)荷重たわみ温度:試験片寸法6.35mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D648に準拠し、荷重0.45MPaで測定した。
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に宇部興産(株)製12−アミノドデカン酸8.000kg、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)10.471kg及びアジピン酸1.529kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら徐々に加熱を行った。3時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で8時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は0.05MPaに調整した。次に、撹拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約12kgのペレットを得た。得られたペレットは白色強靱でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.16、[COOH]=1.28×10−5eq/g、[NH2]=1.86×10−5eq/g、Mn=63700、Tm=135℃、Tc=59℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=40.7/52.9/6.4(重量%)(ただし、PA12、XTJ−542及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、XTJ−542はABA型トリブロックポリエーテルジアミン単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す。)であった。得られたペレットを射出成形し、各種物性測定用試料得た。得られた試料の硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
硬度:40,曲げ弾性率:76MPa,曲げ強度:4.3MPa,引張り降伏強度:6.3MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:NB,荷重たわみ温度:48℃。
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に宇部興産(株)製12−アミノドデカン酸11.200kg、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)7.678kg及びアジピン酸1.121kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら徐々に加熱を行った。3時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で6時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は0.05MPaに調整した。次に、撹拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約12kgのペレットを得た。得られたペレットは白色強靱でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.22、[COOH]=1.61×10−5eq/g、[NH2]=2.17×10−5eq/g、Mn=52900、Tm=154℃、Tc=109℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=56.5/38.9/4.6(重量%)(ただし、PA12、XTJ−542及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、XTJ−542はABA型トリブロックポリエーテルジアミン単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す。)であった。得られたペレットを射出成形し、各種物性測定用試料得た。得られた試料の硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
硬度:48,曲げ弾性率:132MPa,曲げ強度:7.2MPa,引張り降伏強度:9.2MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:NB,荷重たわみ温度:73℃。
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に宇部興産(株)製12−アミノドデカン酸14.000kg、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)5.236kg及びアジピン酸0.764kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら徐々に加熱を行った。3時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で6.5時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は0.05MPaに調整した。次に、撹拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約13kgのペレットを得た。得られたペレットは白色強靱でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.05、[COOH]=2.48×10−5eq/g、[NH2]=2.82×10−5eq/g、Mn=37700、Tm=163℃、Tc=123℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=70.1/26.6/3.3(重量%)(ただし、PA12、XTJ−542及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、XTJ−542はABA型トリブロックポリエーテルジアミン単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す。)であった。得られたペレットを射出成形し、各種物性測定用試料得た。得られた試料の硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
硬度:55,曲げ弾性率:232MPa,曲げ強度:11.9MPa,引張り降伏強度:14.8MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:NB,荷重たわみ温度:78℃。
(A)ビニル・シスポリブタジエンの作製
窒素ガスで置換した内容1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に重合溶液1.0L(ブタジエン;31.5wt%、2‐ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水1.7mmol、ジエチルアルミニウムクロライド2.9mmol、二硫化炭素0.3mmol、シクロオクタジエン13.0mmol、及びコバルトオクトエート0.005mmolを加え、60℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。その後、ブタジエン150ml、水1.1mmol、トリエチルアルムニウムクロライド3.5mmol、及びコバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えた。その後、未反応のブタジエン及び2‐ブテン類を蒸発除去し、収量66gで、HI;40.5%のビニル・シスポリブタジエンを得た。このうち58gのビニル・シスポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、ビニル・シスポリブタジエンスラリーを作製した。
窒素ガスで置換した内容1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液1.0L(ブタジエン;31.5wt%、2‐ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水1.7mmol、ジエチルアルミニウムクロライド2.9mmol、シクロオクタジエン20.0mmol、及びコバルトオクトエート0.005mmolを加え、60℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えて重合を停止した。その後、未反応のブタジエン及び2‐ブテン類を蒸発除去し、ムーニー粘度29.0、トルエン溶液粘度48.3のシスポリブタジエン81gを得た。この操作を2回実施し、合わせて162gのシス−ポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、シス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を作製した。
窒素ガスで置換した内容5.0Lの攪拌機つきステンレス製反応槽中に前述で述べたシスポリブタジエン162gが溶解したシス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を入れ、そこに前述で述べたビニル・シスポリブタジエン58gを含むビニル・シスポリブタジエンシクロヘキサンスラリーを撹拌しながら添加した。スラリー添加後1時間撹拌した後、105℃で60分間真空乾燥して、(A)+(B)混合物であるナノVCRを220gを得た。
実施例1〜5及び比較例1〜2
次に、実施例1〜5及び比較例1〜2について説明する。表1に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除くBR150(ML=43,Tcp=75)とPAE及び配合剤を1.7リットルの試験用バンバリーミキサーを使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は170℃〜180℃であった。次いで、一次混練物を60℃の10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物のダイスウェル及び加硫特性(t90)を測定した。次に、二次混練物を金型に入れて150℃で(t90×3)分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて比較例1を100として指数で表1に示した。なお、表中に示した記号は、以下のすべての表において共通であり、以下のものを示す。
(*2)宇部興産社製 UBESTA XPA9040X1(融点135℃,硬度40)
(*3)宇部興産社製 UBESTA XPA9048X1(融点154℃,硬度48)
(*4)宇部興産社製 UBESTA XPA9055X1(融点163℃,硬度55)
(*5)宇部興産社製 UBESTA XPA9068X1(融点181℃,硬度68)
(*6)三菱化学社製 ダイアブラックH
(*7)宇部興産社製 ハイシスポリブタジエンゴム
(*8)東ソー・シリカ社製 NipsilAQ
(*9)デグサ社製 シランカップリング剤
(*10)宇部興産社製 補強ポリブタジエンゴム
(*11)製造例4で製造されたナノVCR
(*12)ARKMA社製 PEBAX 5533(融点159℃,硬度55)
(*13)精工化学社製サンタイトS
次に、実施例6〜10及び比較例3〜5について説明する。表2に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除くBR150L(ML=43,Tcp=105)とNRとPAE及び配合剤を1.7リットルの試験用バンバリーミキサーを使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は170℃〜180℃であった。次いで、一次混練物を60℃の10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物のダイスウェル及び加硫特性(t90)を測定した。次に、二次混練物を金型に入れて150℃で(t90×3)分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて比較例3を100として指数で表2に示した。
次に、実施例11〜16及び比較例6〜8について説明する。表3に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除くBR150L(ML=43,Tcp=105)とNRとPAE及び配合剤を1.7リットルの試験用バンバリーミキサーを使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は170℃〜180℃であった。次いで、一次混練物を60℃の10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物のダイスウェル及び加硫特性(t90)を測定した。次に、二次混練物を金型に入れて150℃で(t90×3)分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて比較例6を100として指数で表3に示した。
次に、実施例17〜21及び比較例9について説明する。表4に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除くVCR又はBR150L(ML=43,Tcp=105)とNRとPAE及び配合剤を1.7リットルの試験用バンバリーミキサーを使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は170℃〜180℃であった。次いで、一次混練物を60℃の10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物のダイスウェル及び加硫特性(t90)を測定した。次に、二次混練物を金型に入れて150℃で(t90×3)分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて比較例9を100として指数で表4に示した。
実施例22〜25及び比較例10〜11
次に、実施例22〜25及び比較例10〜11について説明する。表5に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除くBR150L(ML=43,Tcp=105)とNRとPAE及び配合剤を1.7リットルの試験用バンバリーミキサーを使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は170℃〜180℃であった。次いで、一次混練物を60℃の10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物のダイスウェル及び加硫特性(t90)を測定した。次に、二次混練物を金型に入れて150℃で(t90×3)分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて比較例10を100として指数で表5に示した。
次に、実施例26〜30及び比較例12〜14について説明する。表6に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除くVCR又はナノVCRとNRとPAE及び配合剤を1.7リットルの試験用バンバリーミキサーを使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は170℃〜180℃であった。次いで、一次混練物を60℃の10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物のダイスウェル及び加硫特性(t90)を測定した。次に、二次混練物を金型に入れて150℃で(t90×3)分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて比較例12を100として指数で表6に示した。
実施例31〜34及び比較例15〜16
次に、実施例31〜34及び比較例15〜16について説明する。表7に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除くVCRとNRとPAE及び配合剤を1.7リットルの試験用バンバリーミキサーを使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は170℃〜180℃であった。次いで、一次混練物を60℃の10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物のダイスウェル及び加硫特性(t90)を測定した。次に、二次混練物を金型に入れて150℃で(t90×3)分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて表7に示した。
次に、実施例35〜38及び比較例17〜19について説明する。表8に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除くVCR又はBR150L(ML=43,Tcp=105)とNRとPAE及び配合剤を1.7リットルの試験用バンバリーミキサーを使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は170℃〜180℃であった。次いで、一次混練物を60℃の10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物のダイスウェル及び加硫特性(t90)を測定した。次に、二次混練物を金型に入れて150℃で(t90×3)分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて表8に示した。
実施例39〜42及び比較例20〜21
次に、実施例39〜42及び比較例20〜21について説明する。表9に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除くBR150(ML=43,Tcp=75)とNRとPAE及び配合剤を1.7リットルの試験用バンバリーミキサーを使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は170℃〜180℃であった。次いで、一次混練物を60℃の10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物のダイスウェル及び加硫特性(t90)を測定した。次に、二次混練物を金型に入れて150℃で(t90×3)分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて表9に示した。
次に、実施例43〜48及び比較例22〜24について説明する。表10に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除くVCR又はBR150L(ML=43,Tcp=105)とNRとPAE及び配合剤を1.7リットルの試験用バンバリーミキサーを使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は170℃〜180℃であった。次いで、一次混練物を60℃の10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物のダイスウェル及び加硫特性(t90)を測定した。次に、二次混練物を金型に入れて150℃で(t90×3)分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて表10に示した。
次に、本発明に係るゴム組成物について説明する。
本発明に係るゴム組成物に用いられる加硫可能なゴムとしては、特に制限なく、公知のものを使用することができ、好ましくは、ジエン系ゴムを使用することができる。例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(SPB)含有のブタジエンゴム、SPB含有の天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、及びクロロプレンゴムなどのジエン系単量体の重合体;アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ニトリルクロロプレンゴム、及びニトリルイソプレンゴムなどのアクリロニトリル−ジエン共重合ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンクロロプレンゴム、及びスチレンイソプレンゴムなどのスチレン−ジエン共重合ゴム;並びに、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などが挙げられる。この中で、ブタジエンゴム、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン含有のブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、及びイソプレンゴムが好ましい。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に係るゴム組成物に用いられる融点が100〜180℃のポリアミドエラストマー(B)は、ハードセグメントはポリアミドであり、ソフトセグメントはポリエーテルやポリエステルを用いたマルチブロックコポリマーである。ソフトセグメントは、ポリエーテルが好ましい。アミド成分はナイロン6,66,610,11,12などであり、ポリエーテルの代表例はジオールポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコールなどであり、ポリエステルの代表例はポリ(エチレンアジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4アジペート)グリコールなどである。このようなポリアミドエラストマー(B)としては、特許第4123475号に記載のポリエーテルポリアミドエラストマーや、特公昭56−45419号に記載のポリエーテル・エステル・アミドブロックコポリマーが挙げられる。
次に、アミノカルボン酸化合物(D1)及びラクタム化合物(D2)について説明する。本発明に使用するアミノカルボン酸化合物(D1)は、下記式(1)で表される化合物である。
H2N−R1−COOH (1)
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(E)は、下記式(3)で表される化合物であり、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールなどの両末端にプロピレンオキシドを付加することによりポリプロピレングリコールとした後、このポリプロピレングリコールの末端にアンモニアなどを反応させることによって製造されるポリエーテルジアミンなどを用いることができる。
本発明に使用するジカルボン酸化合物(F)は、下記式(4)で表される化合物である。
HOOC−(R3)m−COOH (4)
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造方法として、一例を挙げると、ポリアミド形成性モノマー(即ち、アミノカルボン酸化合物(D1)及び/又はラクタム化合物(D2))、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(E)及びジカルボン酸(F)の三成分を、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じさらに減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができ、さらにポリアミド形成性モノマー、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(E)及びジカルボン酸(F)の三成分を同時に、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じさらに減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができる。なお、ポリアミド形成性モノマーとジカルボン酸(F)の二成分を先に重合させ、ついで、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(E)を重合させる方法も利用できる。
本発明に係るゴム組成物に配合される無機補強剤(C)としては、各種のカーボンブラック、ホワイトカーボン、シリカ、活性化炭酸カルシウム、及び超微粒子珪酸マグネシウム等などが挙げられる。なかでも、カーボンブラック及びシリカのうち少なくとも1以上であることが好ましい。特に好ましくは、粒子径が90nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/100g以上のカーボンブラックであり、例えば、FEF、FF、GPF、SAF、ISAF、SRF、及びHAF等が用いられる。
本発明に係るゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、活性剤、スコーチ防止剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、及びステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を混練してもよい。
本発明に係るゴム組成物は、上記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、又は二軸混練り機などを用いて混練時の最高温度がポリアミドエラストマーの融点以上となる条件で混練りすることで得られる。混練時の最高温度はポリアミドエラストマーの融点と同じ温度〜融点よりも50℃高い温度の範囲が好ましい。さらに好ましくは、融点よりも5℃高い温度〜融点よりも40℃高い温度である。混練時の最高温度はポリアミドエラストマーの融点より低いとポリアミドエラストマーが溶融分散せず、融点よりも50℃高い温度であると加硫可能なゴムが劣化する場合がある。
本発明に係るゴム組成物は、高弾性で引張強度が高く、発熱性、疲労性の優れたゴム組成物に関するもので、タイヤにおけるトレッド・サイドウォール・チェーファー等のタイヤ外部部材、カーカス・ベルト・ビード、インナーライナー等のタイヤ内部部材、防振ゴム・ゴムベルト・ホース・免震ゴム・防舷材等の工業用品、紳士靴、婦人靴、及びスポーツシューズ等の履物、工業用・印刷用・OA機器用等のゴムロール、ゴルフボール・テニスボール・スポーツ床等のスポーツ用品、農耕用・フォークリフト用等のソリッドタイヤ、ゴムクローラー、キャスター、シーリング材、接着剤、ゴムシート、防水材、パッキン類、並びにスポンジ製品などにも用いる事ができる。ゴム組成物は、タイヤに用いられることが好ましい。また、後述のベーストレッド用ゴム組成物、チェーファー用ゴム組成物、及びサイドウォール用ゴム組成物であることが好ましい。
次に、本発明に係るベースとレッド用ゴム組成物について説明する。
本発明に係るベーストレッド用ゴム組成物に用いられる加硫可能なゴム(A)及びポリアミドエラストマー(B)は、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。ただし、ポリアミドエラストマー(B)の含有量は、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、ポリアミドエラストマー(B)1〜50重量部、好ましくは2〜40重量部、さらに好ましくは3〜30重量部である。ポリアミドエラストマー(B)の量が、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、1重量部より少ないと効果が発現せず、50重量部より多いと加工性が悪化するため好ましくない。
本発明に係るベーストレッド用ゴム組成物に用いられる無機補強剤(C)としては、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。ただし、無機補強剤(C)が少なくともカーボンブラック及びシリカを含み、無機補強剤(C)中におけるシリカの配合量が80質量%以下である。
本発明に係るベーストレッド用ゴム組成物には、タイヤ溝底の耐オゾンクラック性を保持させるためにワックスを配合することが好ましい。
本発明に係るベーストレッド用ゴム組成物には、その他の成分として、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。
本発明に係るベーストレッド用ゴム組成物のJIS−A硬度は、55〜75が好ましく、60〜70が特に好ましい。硬度が55未満になると、操縦安定性が不安定になる傾向がある。また硬度が75以上になると破断伸びが低下する傾向を示す。
次に、本発明に係るチェーファー用ゴム組成物について説明する。
本発明に係るチェーファー用ゴム組成物に用いられる加硫可能なゴム(A)及びポリアミドエラストマー(B)は、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。ただし、ポリアミドエラストマー(B)の含有量は、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、ポリアミドエラストマー(B)1〜50重量部、好ましくは2〜40重量部、さらに好ましくは3〜30重量部である。ポリアミドエラストマー(B)の量が、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、1重量部より少ないと効果が発現せず、50重量部より多いと加工性が悪化するため好ましくない。加硫可能なゴム(A)は、少なくとも天然ゴム又はポリイソプレンゴムを30重量%以上含むことが好ましく、40重量%以上含むことがさらに好ましい。
本発明に係るチェーファー用ゴム組成物に用いられる無機補強剤(C)としては、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。
本発明に係るチェーファー用ゴム組成物に用いられるその他の成分としては、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。
本発明に係るチェーファー用ゴム組成物のJIS−A硬度は、70以上、好ましくは75以上である。該ゴム組成物のJIS−A硬度が70未満では、ビードの十分な耐久性が得られない。また、チェーファー用ゴム組成物のJIS−A硬度は、90以下、好ましくは85以下である。該ゴム組成物のJIS−A硬度が90を超えると、ゴム組成物の伸びが低下する。
次に、本発明に係るサイドウォール用ゴム組成物について説明する。
本発明に係るサイドウォール用ゴム組成物に用いられる加硫可能なゴム(A)及びポリアミドエラストマー(B)は、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。ただし、ポリアミドエラストマー(B)の含有量は、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、ポリアミドエラストマー(B)1〜50重量部、好ましくは2〜40重量部、さらに好ましくは3〜30重量部である。ポリアミドエラストマー(B)の量が、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、1重量部より少ないと効果が発現せず、50重量部より多いと加工性が悪化するため好ましくない。
本発明に係る無機補強剤としては、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。
本発明に係るサイドウォール用ゴム組成物には、タイヤ溝底の耐オゾンクラック性を保持させるためにワックスを配合することが好ましい。
本発明に係るサイドウォール用ゴム組成物には、その他の成分として、上記のゴム組成物に用いられるものと同じものを用いることができる。
本発明に係るサイドウォール用ゴム組成物のJIS−A硬度は、55〜75であり、60〜70が好ましい。JIS−A硬度が55未満になると、操縦安定性が不安定になる傾向がある。またJIS−A硬度が75を超えると破断伸びが低下する傾向を示す。
本発明に係るタイヤは、発明で得られたベーストレッド用ゴム組成物を有することで、操縦安定性が低下することなく、転がり抵抗を低減させることが可能である。
(1)ムーニー粘度(ML)
ムーニー粘度(ML)は、JIS−K6300に準拠し、100℃にて予熱1分測定4分の値をムーニー粘度計(島津製作所製、SMV−202)により測定した。
固有粘度[η]は、試料ゴム0.1gとトルエン100mlを三角フラスコに入れて30℃で完全溶解させ、その後、30℃に維持された恒温水槽中で、キャノンフェンスケ動粘度計に上記溶液10mlを入れ、溶液の落下時間(T)を測定し、下記式により求めた値とする。
ηsp=T/T0−1(T0:トルエンだけの落下時間)
ηsp/c=[η]+k’[η]2c
(ηsp:比粘度、k’:ハギンズ定数(0.37)、c:試料濃度(g/ml))
トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液として粘度計校正用標準液(JIS−Z8809)を用い、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。
ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス740cm−1、トランス967cm−1、ビニル910cm−1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
ηsp/cは、1.2ポリブタジエン結晶繊維の分子量の目安として、0.20g/dlのo−ジクロロベンゼン溶液から135℃で還元粘度を測定した。
ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、JIS−K6300に準拠し、100℃にて予熱1分測定4分の値をムーニー粘度計(島津製作所製、SMV−202)により測定した。数値が小さいほど粘度が低く、流動性が良好なことを示す。
JIS−A硬度は、JIS−K6253に規定されている測定法に従って、タイプAデュロメーターで測定した、数値が大きいほど硬度が高いことを示す。
(1)相対粘度(ηr)(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)
試薬特級品のm−クレゾールを溶媒として、5g/dm3の濃度で、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
重合物約1gに40ミリリットルのベンジルアルコールを加え、窒素ガス雰囲気で加熱溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてフェノールフタレインを加えて、N/20水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定した。
重合物約1gを40ミリリットルのフェノール/メタノール混合溶媒(容量比:9/1)に溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてチモールブルーを加えて、N/20塩酸で滴定した。
Tm及びTcは、株式会社島津製作所製示差走査熱量計DSC−50を用いて窒素雰囲気下で測定した。室温から230℃まで10℃/minの速度で昇温し(昇温ファーストランと呼ぶ)、230℃で10分保持したのち、−100℃まで10℃/minの速度で降温し(降温ファーストランと呼ぶ)、次に230℃まで10℃/minの速度で昇温した(昇温セカンドランと呼ぶ)。得られたDSCチャートから降温ファーストランの発熱ピーク温度をTc、昇温セカンドランの吸熱ピーク温度をTmとした。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの組成は、重トリフロロ酢酸を溶媒として、4質量%の濃度で、日本電子株式会社製JNM−EX400WB型FT−NMRを用いて、室温で測定したプロトンNMRスペクトルから各成分の組成を求めた。
ASTM D2240に準拠してショアーDを測定した。射出成形により成形した厚さ6mmのシートを用いて測定した。測定は、温度23℃で行った。
(i)引張り試験(引張り降伏点強さ及び引張り破断伸び):ASTM D638に記載のTypeIの試験片をASTM D638準拠して測定した。
(ii)曲げ試験(曲げ弾性率及び曲げ強度):試験片寸法6.35mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D790に準拠して測定した。
(iii)衝撃強さ(アイゾットノッチ付):試験片寸法12.7mm×12.7mm×3.5mmの試験片を用いてASTM D256に準拠し、23℃で測定した。
(iv)荷重たわみ温度:試験片寸法6.35mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D648に準拠し、荷重0.45MPaで測定した。
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に宇部興産(株)製12−アミノドデカン酸8.000kg、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)10.471kg及びアジピン酸1.529kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら徐々に加熱を行った。3時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で8時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は0.05MPaに調整した。次に、撹拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約12kgのペレットを得た。得られたペレットは白色強靱でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.16、[COOH]=1.28×10−5eq/g、[NH2]=1.86×10−5eq/g、Mn=63700、Tm=135℃、Tc=59℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=40.7/52.9/6.4(重量%)(ただし、PA12、XTJ−542及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、XTJ−542はABA型トリブロックポリエーテルジアミン単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す。)であった。得られたペレットを射出成形し、各種物性測定用試料得た。得られた試料の硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
硬度:40,曲げ弾性率:76MPa,曲げ強度:4.3MPa,引張り降伏強度:6.3MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:NB,荷重たわみ温度:48℃。
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に宇部興産(株)製12−アミノドデカン酸11.200kg、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)7.678kg及びアジピン酸1.121kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら徐々に加熱を行った。3時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で6時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は0.05MPaに調整した。次に、撹拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約12kgのペレットを得た。得られたペレットは白色強靱でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.22、[COOH]=1.61×10−5eq/g、[NH2]=2.17×10−5eq/g、Mn=52900、Tm=154℃、Tc=109℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=56.5/38.9/4.6(重量%)(ただし、PA12、XTJ−542及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、XTJ−542はABA型トリブロックポリエーテルジアミン単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す。)であった。得られたペレットを射出成形し、各種物性測定用試料得た。得られた試料の硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
硬度:48,曲げ弾性率:132MPa,曲げ強度:7.2MPa,引張り降伏強度:9.2MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:NB,荷重たわみ温度:73℃。
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に宇部興産(株)製12−アミノドデカン酸14.000kg、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)5.236kg及びアジピン酸0.764kgを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら徐々に加熱を行った。3時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で6.5時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は0.05MPaに調整した。次に、撹拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約13kgのペレットを得た。得られたペレットは白色強靱でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.05、[COOH]=2.48×10−5eq/g、[NH2]=2.82×10−5eq/g、Mn=37700、Tm=163℃、Tc=123℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=70.1/26.6/3.3(重量%)(ただし、PA12、XTJ−542及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、XTJ−542はABA型トリブロックポリエーテルジアミン単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す。)であった。得られたペレットを射出成形し、各種物性測定用試料得た。得られた試料の硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
硬度:55,曲げ弾性率:232MPa,曲げ強度:11.9MPa,引張り降伏強度:14.8MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:NB,荷重たわみ温度:78℃。
(A)ビニル・シスポリブタジエンの作製
窒素ガスで置換した内容1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に重合溶液1.0L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水1.7mmol、ジエチルアルミニウムクロライド2.9mmol、二硫化炭素0.3mmol、シクロオクタジエン13.0mmol、及びコバルトオクトエート0.005mmolを加え、60℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。その後、ブタジエン150ml、水1.1mmol、トリエチルアルムニウムクロライド3.5mmol、及びコバルトオクトエート0.04mmolを加え、40℃で20分間撹拌し、1,2シンジオ重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えた。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、収量66gで、HI;40.5%のビニル・シスポリブタジエンを得た。このうち58gのビニル・シスポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、ビニル・シスポリブタジエンスラリーを作製した。
窒素ガスで置換した内容1.5Lの撹拌機つきステンレス製反応槽中に、重合溶液1.0L(ブタジエン;31.5wt%、2−ブテン類;28.8wt%、シクロヘキサン;39.7wt%)を入れ、水1.7mmol、ジエチルアルミニウムクロライド2.9mmol、シクロオクタジエン20.0mmol、及びコバルトオクトエート0.005mmolを加え、60℃で20分間撹拌し、1,4シス重合を行った。これに老化防止剤エタノール溶液を加えて重合を停止した。その後、未反応のブタジエン及び2−ブテン類を蒸発除去し、ムーニー粘度29.0、トルエン溶液粘度48.3のシスポリブタジエン81gを得た。この操作を2回実施し、合わせて162gのシス−ポリブタジエンをシクロヘキサンに溶解させ、シス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を作製した。
窒素ガスで置換した内容5.0Lの攪拌機つきステンレス製反応槽中に前述で述べたシスポリブタジエン162gが溶解したシス−ポリブタジエンシクロヘキサン溶液を入れ、そこに前述で述べたビニル・シスポリブタジエン58gを含むビニル・シスポリブタジエンシクロヘキサンスラリーを撹拌しながら添加した。スラリー添加後1時間撹拌した後、105℃で60分間真空乾燥して、(A)+(B)混合物であるナノVCRを220gを得た。
(*2)宇部興産社製 UBESTA XPA9040X1(融点135℃,硬度40)
(*3)宇部興産社製 UBESTA XPA9048X1(融点154℃,硬度48)
(*4)宇部興産社製 UBESTA XPA9055X1(融点163℃,硬度55)
(*5)宇部興産社製 UBESTA XPA9068X1(融点181℃,硬度68)
(*6)三菱化学社製 ダイアブラックH
(*7)宇部興産社製 ハイシスポリブタジエンゴム
(*8)東ソー・シリカ社製 NipsilAQ
(*9)デグサ社製 シランカップリング剤
(*10)宇部興産社製 補強ポリブタジエンゴム
(*11)製造例4で製造されたナノVCR
(*12)ARKMA社製 PEBAX 5533(融点159℃,硬度55)
(*13)精工化学社製サンタイトS
実施例22〜25及び比較例10〜11
次に、実施例22〜25及び比較例10〜11について説明する。表5に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除くBR150L(ML=43,Tcp=105)とNRとPAE及び配合剤を1.7リットルの試験用バンバリーミキサーを使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は170℃〜180℃であった。次いで、一次混練物を60℃の10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物のダイスウェル及び加硫特性(t90)を測定した。次に、二次混練物を金型に入れて150℃で(t90×3)分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて比較例10を100として指数で表5に示した。
次に、実施例26〜30及び比較例12〜14について説明する。表6に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除くVCR又はナノVCRとNRとPAE及び配合剤を1.7リットルの試験用バンバリーミキサーを使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は170℃〜180℃であった。次いで、一次混練物を60℃の10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物のダイスウェル及び加硫特性(t90)を測定した。次に、二次混練物を金型に入れて150℃で(t90×3)分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて比較例12を100として指数で表6に示した。
Claims (37)
- 加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、融点が100〜180℃のポリアミドエラストマー(B)0.1〜50重量部と無機補強剤(C)1〜100重量部を含有することを特徴とするゴム組成物。
- ポリアミドエラストマー(B)のソフトセグメントがポリエーテルであることを特徴とする請求項2記載のゴム組成物。
- ポリアミドエラストマー(B)の硬度(ショアーD)が30〜65であることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載のゴム組成物。
- 無機補強剤(C)がカーボンブラック(C−a)又はシリカ(C−b)を少なくとも含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のゴム組成物。
- 加硫可能なゴム(A)とポリアミドラストマー(B)を溶融混練して製造することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のゴム組成物。
- 無機補強剤(C)がカーボンブラック(C−a)とシリカ(C−b)の混合物であって、カーボンブラック(C−a)とシリカ(C−b)の重量比が90/10〜5/95であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載のゴム組成物。
- 加硫可能なゴム(A)は、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンが含有されたシス−1,4−ポリブタジエンであるビニル・シス−ブタジエンゴムを含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のゴム組成物。
- 前記ビニル・シス−ブタジエンゴムは、結晶繊維の長軸長さの平均が200nm以下の結晶繊維が25μm2当たり90以上であり、かつ融点が170℃以上である特定のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン結晶繊維1〜30質量%、シス−ポリブタジエンゴム99〜70質量%、及び繰り返し単位当たり少なくとも1個の不飽和二重結合を有する不飽和高分子物質0〜20質量%からなるビニル・シス−ポリブタジエンゴムであることを特徴とする請求項7記載のゴム組成物。
- 請求項1乃至8いずれか記載のゴム組成物がタイヤに用いられることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
- 加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、融点が100〜180℃のポリアミドエラストマー(B)1〜50重量部と無機補強剤(C)20〜70質量部を含有し、
前記無機補強剤(C)が少なくともカーボンブラック及びシリカを含み、無機補強剤(C)中におけるシリカの配合量が80質量%以下であること特徴とするベーストレッド用ゴム組成物。 - さらに、融点が60℃以上であるワックス(D)0.1〜5重量部を配合することを特徴とする請求項10に記載のベーストレッド用ゴム組成物。
- ポリアミドエラストマー(B)のソフトセグメントがポリエーテルであることを特徴とする請求項10又は11に記載のベーストレッド用ゴム組成物。
- ポリアミドエラストマー(B)の硬度(ショアーD)が30〜65であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載のベーストレッド用ゴム組成物。
- 加硫可能なゴム(A)とポリアミドラストマー(B)を溶融混練して製造することを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載のベーストレッド用ゴム組成物。
- 請求項10乃至14のいずれかに記載のベーストレッド用ゴム組成物を含むベーストレッド。
- 請求項15記載のベーストレッドを有する乗用車用タイヤ。
- 請求項15に記載のベーストレッドを有するスタッドレスタイヤ。
- 請求項15に記載のベーストレッドを有するタイヤ。
- 加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、融点が100〜180℃のポリアミドエラストマー(B)1〜50重量部と無機補強剤(C)60〜100重量部を含有し、
JIS−A硬度が70〜90及び引張試験における破断伸びが180%以上であるチェーファー用ゴム組成物。 - ポリアミドエラストマー(B)のソフトセグメントがポリエーテルであることを特徴とする請求項19に記載のチェーファー用ゴム組成物。
- ポリアミドエラストマー(B)の硬度(ショアーD)が30〜65であることを特徴とする請求項19又は20に記載のチェーファー用ゴム組成物。
- 加硫可能なゴム(A)が少なくとも天然ゴム又はポリイソプレンゴムを30重量%以上含むことを特徴とする請求項19乃至21のいずれかに記載のチェーファー用ゴム組成物。
- 加硫可能なゴム(A)とポリアミドラストマー(B)を溶融混練して製造することを特徴とする請求項19乃至22のいずれかに記載のチェーファー用ゴム組成物。
- 請求項19乃至23のいずれかに記載のチェーファー用ゴム組成物を含むチェーファー。
- 請求項24に記載のチェーファーを有する乗用車用タイヤ。
- 請求項24に記載のチェーファーを有するスタッドレスタイヤ。
- 請求項24に記載のチェーファーを有するタイヤ。
- 加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、融点が100〜180℃のポリアミドエラストマー(B)1〜50重量部と無機補強剤(C)20〜60重量部含有し、
JIS−A硬度が55〜75であることを特徴とするサイドウォール用ゴム組成物。 - さらに、融点が60℃以上であるワックス(D)0.1〜5重量部を配合することを特徴とする請求項28に記載のサイドウォール用ゴム組成物。
- ポリアミドエラストマー(B)のソフトセグメントがポリエーテルであることを特徴とする請求項28又は29に記載のサイドウォール用ゴム組成物。
- ポリアミドエラストマー(B)の硬度(ショアーD)が30〜65であることを特徴とする請求項28乃至30のいずれかに記載のサイドウォール用ゴム組成物。
- 加硫可能なゴム(A)のゴム成分が天然ゴムを30重量%以上含むことを特徴とする請求項28乃至31のいずれかに記載のサイドウォール用ゴム組成物。
- 加硫可能なゴム(A)とポリアミドラストマー(B)を溶融混練して製造することを特徴とする請求項28乃至32のいずれかに記載のサイドウォール用ゴム組成物。
- 請求項28乃至33のいずれかに記載のサイドウォール用ゴム組成物を含むサイドウォール。
- 請求項34に記載のサイドウォールを有する乗用車用タイヤ。
- 請求項34に記載のサイドウォールを有するスタッドレスタイヤ。
- 請求項34に記載のサイドウォールを有するタイヤ。
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