JP2015168787A - タイヤ用ゴム組成物およびその製造方法 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定の構造を有するスルフィド化合物を含有するカップリング剤をタイヤ用ゴム組成物に用いると、優れた低転がり抵抗性を有するタイヤが得られるとされている。しかし、前記スルフィド化合物をタイヤ用ゴム組成物に配合すると、スコーチが悪化し、加工性が悪化するという問題点がある。本発明の課題は、前記スルフィド化合物を配合してもスコーチおよび加工性を悪化させず、良好な転がり抵抗性を維持しつつ、硬度および破断強度を高め得るタイヤ用ゴム組成物を提供することである。【解決手段】ジエン系ゴム成分100質量部に対し、例えばシリカを50〜150質量部およびシランカップリング剤を3〜20質量部混合した後、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド(2EBZ)のようなスルフィド化合物を0.1〜2.0質量部配合し、前記課題を解決した。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびその製造方法に関するものであり、詳しくは、特定のスルフィド化合物を使用してもスコーチおよび加工性を悪化させず、良好な転がり抵抗性を維持しつつ、硬度および破断強度を高め、操縦安定性およびグリップ性能を向上させ得るタイヤ用ゴム組成物およびその製造方法に関するものである。
近年、地球環境を保護する観点から、空気入りタイヤにも環境への配慮が求められ、具体的には高い強度を維持しながら燃費を向上させる性能が望まれている。燃費を改善するためには、走行時の発熱を抑制可能なゴム組成物を用いて空気入りタイヤを製作すればよく、とくに、走行時に路面に接するキャップトレッドの発熱を低減することにより、燃費を改善することができると考えられる。
一方、空気入りタイヤに求められる性能は、低燃費性に加えて、安定性、操縦安定性などの多岐にわたっており、空気入りタイヤを構成するゴム組成物については、これらの要求を満たすために種々の提案がなされている。例えば、低燃費性を満たすために、キャップトレッド用ゴム組成物へシリカを配合する手法があるが、シリカはゴム中での分散性が低いため、シランカップリング剤などを併用することで分散性を高め、補強性と低燃費性を両立させることが必要である。ところが、低燃費性のため分散性を高め過ぎると加硫ゴムの硬度、破断強度、伸び等を低下させ、操縦安定性およびグリップ性能を低下させるという問題点があった。
また、下記特許文献1には、良好な転がり抵抗性を有するタイヤを提供することを目的として、ゴム組成物に特定の構造を有するスルフィド化合物を配合する技術が開示されている。
しかしながら、前記スルフィド化合物をシリカ配合のゴム組成物に添加すると、スコーチが悪化し、加工性が悪化するという問題点がある。
特開2013−23610号公報
したがって本発明の目的は、前記特許文献1に記載のスルフィド化合物を使用してもスコーチおよび加工性を悪化させず、良好な転がり抵抗性を維持しつつ、硬度および破断強度を高め、操縦安定性およびグリップ性能を向上させ得るタイヤ用ゴム組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、前記特許文献1に記載されたスルフィド化合物の混合を、特定の時期、すなわちシリカとシランカップリング剤の混合工程の後工程で行うことにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.少なくとも以下の工程(i)および工程(ii)を行うことにより得られるタイヤ用ゴム組成物。
工程(i):ジエン系ゴム成分100質量部に対し、少なくとも白色充填剤を50〜150質量部およびシランカップリング剤を3〜20質量部の割合で加え、混合する工程。
工程(ii):前記(i)で得られた混合物に、下記式Iで表されるスルフィド化合物を、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合で加え、混合する工程。
[化1]

Figure 2015168787
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNRを表わす。Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
2.前記白色充填剤がシリカであり、前記シリカの窒素吸着比表面積(NSA)が150〜300m/gであり、かつCTAB比表面積が150〜250m/gであることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
3.少なくとも以下の工程(i)および工程(ii)を行うことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
工程(i):ジエン系ゴム成分100質量部に対し、少なくとも白色充填剤を50〜150質量部およびシランカップリング剤を3〜20質量部の割合で加え、混合する工程。
工程(ii):前記(i)で得られた混合物に、下記式Iで表されるスルフィド化合物を、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合で加え、混合する工程。
[化2]

Figure 2015168787
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNRを表わす。Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
4.前記工程(ii)が、加硫系配合物を配合して行われることを特徴とする前記3に記載の製造方法。
5.前記1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤ。
本発明によれば、前記特許文献1に記載されたスルフィド化合物の混合を、特定の時期、すなわちシリカとシランカップリング剤の混合工程の後工程で行うことを特徴としているので、該スルフィド化合物を使用してもスコーチおよび加工性を悪化させず、良好な転がり抵抗性を維持しつつ、硬度および破断強度を高め、操縦安定性およびグリップ性能を向上させ得るタイヤ用ゴム組成物およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム成分)
本発明で使用するジエン系ゴム成分は、タイヤ用ゴム組成物に配合することができる任意のゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(白色充填剤)
本発明で使用する白色充填剤とは、黒色を呈する充填剤以外の充填剤、例えば黒色を呈する充填剤以外の無機充填剤を意味し、具体的にはシリカ、炭酸カルシウム、クレー等が挙げられる。
なお、本発明ではシリカを配合するのが好ましく、本発明の効果がさらに向上するという観点から、シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は例えば100〜300m/gであり、好ましくは140〜250m/gであり、かつCTAB比表面積は例えば100〜300m/gであり、好ましくは130〜230m/gであるのが好ましい。なお、窒素吸着比表面積(NSA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値であり、CTAB吸着比表面積は、ASTM−D3765−80に準拠して求めた値である。
(シランカップリング剤)
本発明で使用するシランカップリング剤は、その効果向上の観点から、硫黄含有シランカップリング剤を使用するのが好ましい。シランカップリング剤としては、シリカ配合のゴム組成物に使用可能なものであればよく、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
(スルフィド化合物)
本発明で使用するスルフィド化合物は、前記特許文献1に開示されている。具体的には、下記式Iで表される。
[化3]

Figure 2015168787
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNRを表わす。Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
本発明で使用されるスルフィド化合物は、スルフィド部の両末端に、芳香族縮合複素環がアルキレン基を介して結合した左右対称の構造(ビス体構造)を有している。
当該化合物としては、例えば、
ビス(ベンズイミダゾリル−2)メチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルトリスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルテトラスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルトリスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルテトラスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルトリスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド
等が挙げられる。なお、これらのスルフィド化合物は、1種または2種以上を組み合わせてもよい。
前記スルフィド化合物は、1,2−ジアミノベンゼン系化合物、2−アミノチオフェノール系化合物または2−アミノフェノール系化合物のいずれかと、チオジカルボン酸系化合物を、4N希塩酸中で反応させることによって、容易に合成することができ、特許文献1にその製造方法が詳細に開示されている。
また本発明のタイヤ用ゴム組成物は、カーボンブラックを配合するのが好ましい。カーボンブラックは、その窒素吸着比表面積(NSA)が30〜170m/gであるのが好ましく、70〜150m/gであるのがさらに好ましい。
本発明で使用するカーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等が使用可能であるが、タイヤ用の原料の観点から、ファーネスブラックを好ましく使用することができる。
(配合割合)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム成分100質量部に対し、白色充填剤を50〜150質量部、シランカップリング剤を3〜20質量部、前記式Iで表されるスルフィド化合物を0.1〜2.0質量部の範囲で配合する。
白色充填剤(例えばシリカ)が50質量部未満では、補強性が悪化し、逆に150質量部を超えると加工性が悪化する。
シランカップリング剤が3質量部未満では、添加量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量部を超えるとスコーチ性が悪化する。
前記式Iで表されるスルフィド化合物が0.1質量部未満では、添加量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に2.0質量部を超えると転がり性能、破断強度、スコーチがいずれも悪化し、硬度も高めることができない。
さらに好ましい配合割合は、ジエン系ゴム成分100質量部に対し、白色充填剤が50〜120質量部、シランカップリング剤が4〜12質量部、前記式Iで表されるスルフィド化合物が0.1〜1質量部の範囲である。
(タイヤ用ゴム組成物の製造方法)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、少なくとも以下の工程(i)および工程(ii)を行うことにより得られる。
工程(i):ジエン系ゴム成分100質量部に対し、少なくとも白色充填剤を50〜150質量部およびシランカップリング剤を3〜20質量部の割合で加え、混合する工程。
工程(ii):前記(i)で得られた混合物に、前記式Iで表されるスルフィド化合物を、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合で加え、混合する工程。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法について、具体的に説明する。本発明の製造方法は、例えば次の実施形態が挙げられる。
まず、ジエン系ゴム成分に、前記式Iで表されるスルフィド化合物および加硫系配合物を除く各種配合物を加え、ミキサー内で混合する工程(i)を行う(1st混合)。なお、前記各種配合物には、シリカおよびシランカップリング剤の全量が含まれる。工程(i)における混合温度は例えば130〜155℃であり、混合時間は3分〜10分である。
続いて、工程(i)で得られた混合物をミキサー外に放出し冷却し、前記式Iで表されるスルフィド化合物加え、ミキサー内で混合する工程(ii)を行う(2nd混合)。工程(ii)における混合温度は例えば80〜130℃であり、混合時間は例えば1分〜5分である。
次いで、工程(ii)で得られた混合物をミキサー外に放出し冷却し、加硫系配合物を加え、ミキサー内で混合する工程を行う(ファイナル混合)。ファイナル混合における混合温度は例えば50〜100℃であり、混合時間は例えば1分〜3分である。
なお前記では2nd混合時に式Iで表されるスルフィド化合物を加え混合したが、2nd混合時には該スルフィド化合物を加えずに単に工程(i)で得た混合物を再度混合し、ファイナル混合時に該スルフィド化合物と加硫系配合物とを混合してもよい。
また、前記では合計3つの混合工程からなる製造方法について説明したが、1st混合、2nd混合、ファイナル混合は必要に応じてそれぞれ複数回行ってもよい。
本発明でいう加硫系配合物とは、硫黄のような加硫剤や加硫促進剤を意味する。加硫促進剤としては、従来から公知のものがいずれも使用可能であり、例えば、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤等が挙げられる。
本発明者の検討によれば、シリカとシランカップリング剤との反応時、前記式Iで表されるスルフィド化合物が存在すると、シリカとシランカップリング剤との反応を阻害し、ジエン系ゴム成分中でのシリカの分散性に悪影響を及ぼすことが判明した。そこで本発明では、タイヤ用ゴム組成物の製造を工程(i)および工程(ii)の少なくとも2つの工程に分割し、工程(i)でシリカとシランカップリング剤とを反応させ、工程(ii)で前記式Iで表されるスルフィド化合物を混合することにより、該スルフィド化合物のシリカ分散性に対する悪影響が回避され、前記シリカの分散性の問題を解決できるとともに、スコーチおよび加工性を悪化させず、良好な転がり抵抗性を維持しつつ、硬度および破断強度を高め得ることが可能となった。
なお、本発明に係るタイヤ用ゴム組成物には、前記した成分に加えて、充填剤、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。また本発明のタイヤ用ゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに使用することができ、トレッド(とくにキャップトレッド)に使用するのが好適である。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜5および比較例1〜6
表1に示す配合(質量部)において、1st混合、2nd混合およびファイナル混合の3つの混合工程からなる製造方法により、各種タイヤ用ゴム組成物を製造した。
1st混合の混合温度は、150℃(最高到達温度)、混合時間は6分、使用ミキサーは1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーとした。
2nd混合の混合温度は、120℃(最高到達温度)、混合時間は3分、使用ミキサーは1st混合と同じ1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーとした。
ファイナル混合の混合温度は、100℃(最高到達温度)、混合時間は2分、使用ミキサーは1st混合と同じ1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーとした。
各混合工程間は、混合物をミキサーから放出し、室温まで冷却し、続く混合工程に供した。
得られたタイヤ用ゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法でタイヤ用ゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
硬度:JIS K6253に準拠して20℃で測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど硬度に優れることを示す。
破断強度:上記のようにして作成した厚さ2mmのシート状の試験片から3号ダンベル状のサンプル片を打ち抜き、JIS K6251に準拠して100℃での引張応力を測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど破断強度に優れることを示す。
tanδ(60℃):加硫ゴム試験片に対し、(株)東洋精機製作所製、粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定した。比較例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほど発熱が低く転がり抵抗に優れることを意味する。
スコーチ:タイヤ用ゴム組成物に対し、JIS K6300に準拠して、温度125℃にて粘度が5ムーニー単位上昇する時間を測定した。比較例1の値を100として指数表示した。値が大きいほうがスコーチに優れることを意味する。
結果を表1に併せて示す。
Figure 2015168787
*1:SBR(日本ゼオン(株)製Nipol 1502)
*2:カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製ショウブラックN339、窒素吸着比表面積(NSA)=90m/g)
*3:シリカ(ローディア社製Zeosil 1165MP、窒素吸着比表面積(NSA)=160m/g、CTAB比表面積=150m/g)
*4:シランカップリング剤(エボニックデグッサ社製VP Si69)
*5:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PPD)
*6:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(日油(株)製ステアリン酸YR)
*8:2EBZ(四国化成工業(株)製2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド)
*9:4EBZ(四国化成工業(株)製2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド)
*10:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラー CZ−G)
*11:硫黄((株)軽井沢精錬所製油処理イオウ)
上記の表1から明らかなように、実施例1〜5におけるタイヤ用ゴム組成物は、白色充填剤およびシランカップリング剤の混合の後工程で前記式Iで表されるスルフィド化合物を混合して得たものであるので、従来技術の比較例1に比べて、転がり抵抗性を維持しつつ、硬度、破断強度およびスコーチに優れていることが分かる。
これに対し、比較例2は、前記式Iで表されるスルフィド化合物およびシランカップリング剤を配合していないので、転がり抵抗性が悪化し、硬度および破断強度も悪化した。
比較例3は、シリカおよびシランカップリング剤を配合していないので、転がり抵抗性が悪化し、硬度および破断強度も悪化した。
比較例4および5は、白色充填剤、シランカップリング剤および前記式Iで表されるスルフィド化合物を1st混合で同時に混合しているので、スコーチが悪化した。
比較例6は、前記式Iで表されるスルフィド化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、転がり抵抗性が悪化し、硬度、破断強度およびスコーチも悪化した。

Claims (5)

  1. 少なくとも以下の工程(i)および工程(ii)を行うことにより得られるタイヤ用ゴム組成物。
    工程(i):ジエン系ゴム成分100質量部に対し、少なくとも白色充填剤を50〜150質量部およびシランカップリング剤を3〜20質量部の割合で加え、混合する工程。
    工程(ii):前記(i)で得られた混合物に、下記式Iで表されるスルフィド化合物を、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合で加え、混合する工程。
    [化1]

    Figure 2015168787
    (式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNRを表わす。Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
  2. 前記白色充填剤がシリカであり、前記シリカの窒素吸着比表面積(NSA)が150〜300m/gであり、かつCTAB比表面積が150〜250m/gであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 少なくとも以下の工程(i)および工程(ii)を行うことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    工程(i):ジエン系ゴム成分100質量部に対し、少なくとも白色充填剤を50〜150質量部およびシランカップリング剤を3〜20質量部の割合で加え、混合する工程。
    工程(ii):前記(i)で得られた混合物に、下記式Iで表されるスルフィド化合物を、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合で加え、混合する工程。
    [化2]

    Figure 2015168787
    (式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNRを表わす。Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
  4. 前記工程(ii)が、加硫系配合物を配合して行われることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018070753A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP2018070752A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法

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