JP2017008151A - タイヤアンダートレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】近年の環境意識の高まりに伴い、低転がり抵抗性であり、耐久性に優れたタイヤが求められている。このため、従来のアンダートレッドコンパウンドにおいてフィラーの配合量を減らす等の手法があるが、低転がり抵抗性は得られるものの、硬度や破断特性が低下し、耐久性が悪化するという問題点がある。
【解決手段】天然ゴムを30〜95質量部およびシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを5質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積が30〜180m2/gのカーボンブラックを30〜90質量部、および2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド(2EBZ)のようなスルフィド化合物をカーボンブラックに対して0.1〜20質量%配合してなるゴム組成物により、前記課題を解決した。
【選択図】なし
【解決手段】天然ゴムを30〜95質量部およびシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを5質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積が30〜180m2/gのカーボンブラックを30〜90質量部、および2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド(2EBZ)のようなスルフィド化合物をカーボンブラックに対して0.1〜20質量%配合してなるゴム組成物により、前記課題を解決した。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤアンダートレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、硬度、低転がり抵抗性、破断特性および耐久性を共に高め得るタイヤアンダートレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤは左右一対のビード部およびサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるとともにキャップトレッドとアンダートレッドとからなるトレッド部から主に構成されている。タイヤの内側にはカーカス層が設けられ、カーカス層の両端部はビードコアをタイヤ内側から外側へ包みこむように折り返されている。
一方、近年の環境意識の高まりに伴い、低転がり抵抗性であり、かつ耐久性に優れたタイヤが求められている。このため、従来のアンダートレッドコンパウンドにおいては、発熱性を改善して低転がり抵抗性を得る手段として、フィラーの配合量を減らす等の手法があるが、低転がり抵抗性は得られるものの、硬度や破断特性が低下し、耐久性が悪化するという問題点がある。
したがって、従来技術では、硬度、低転がり抵抗性、破断特性および耐久性を共に高めることは非常に困難であった。
一方、近年の環境意識の高まりに伴い、低転がり抵抗性であり、かつ耐久性に優れたタイヤが求められている。このため、従来のアンダートレッドコンパウンドにおいては、発熱性を改善して低転がり抵抗性を得る手段として、フィラーの配合量を減らす等の手法があるが、低転がり抵抗性は得られるものの、硬度や破断特性が低下し、耐久性が悪化するという問題点がある。
したがって、従来技術では、硬度、低転がり抵抗性、破断特性および耐久性を共に高めることは非常に困難であった。
なお、特許文献1には、特定の構造を有するスルフィド化合物を含有するゴム・カーボンブラック用カップリング剤が提案され、該化合物は分子内に芳香族縮合複素環を有することから、カーボンブラック表面のベンゼン環とのπ電子相互作用による結合が形成され、その結果、該化合物を含むゴム組成物をタイヤの原料に用いた場合、良好な転がり抵抗性を有するタイヤが提供されるとの開示がある。
しかしながら、特許文献1には、低転がり抵抗性に加え、アンダートレッドに求められる硬度、破断特性および耐久性をどのようにして同時に改善するかについては、何ら開示または示唆がない。
しかしながら、特許文献1には、低転がり抵抗性に加え、アンダートレッドに求められる硬度、破断特性および耐久性をどのようにして同時に改善するかについては、何ら開示または示唆がない。
したがって本発明の目的は、硬度、低転がり抵抗性、破断特性および耐久性を共に高め得るタイヤアンダートレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(N2SA)を有するカーボンブラック、および前記特許文献1に記載された特定のスルフィド化合物を特定量で配合することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.天然ゴムおよび合成イソプレンゴムからなる群より選択された少なくとも1種のゴムを30〜95質量部およびシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを5質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜180m2/gのカーボンブラックを30〜90質量部、および下記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜20質量%配合してなることを特徴とするタイヤアンダートレッド用ゴム組成物。
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNR2を表わす。R2は、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
2.前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記式(I)で表されるスルフィド化合物を混合するときの混合温度が120℃以下であることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をアンダートレッドに用いた空気入りタイヤ。
2.前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記式(I)で表されるスルフィド化合物を混合するときの混合温度が120℃以下であることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をアンダートレッドに用いた空気入りタイヤ。
本発明によれば、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(N2SA)を有するカーボンブラック、および前記特許文献1に記載された特定のスルフィド化合物を特定量で配合することにより、硬度、低転がり抵抗性、破断特性および耐久性を共に高め得るタイヤアンダートレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)および/または合成イソプレンゴム(IR)と、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(VCR)とを必須成分とする。これらの配合量は、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときにNRおよび/またはIRが30〜95質量部であり、VCRが5質量部以上である。NRおよび/またはIRの配合量が30質量部未満であると、破断特性が悪化する。またVCRが5質量部未満であると硬度および耐久性が悪化する。またジエン系ゴム全体を100質量部としたときにNRおよび/またはIRの好ましい配合量は50〜80質量部であり、VCRの好ましい配合量は10〜30質量部である。なおVCRは公知であり、その製造方法は例えば特開2000−44633号公報に開示されている。また商業的に入手可能であり、例えば宇部興産(株)から商品名UBEPOL VCR412として市販されている。
なお、上記以外にも他のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、VCR以外のブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)および/または合成イソプレンゴム(IR)と、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(VCR)とを必須成分とする。これらの配合量は、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときにNRおよび/またはIRが30〜95質量部であり、VCRが5質量部以上である。NRおよび/またはIRの配合量が30質量部未満であると、破断特性が悪化する。またVCRが5質量部未満であると硬度および耐久性が悪化する。またジエン系ゴム全体を100質量部としたときにNRおよび/またはIRの好ましい配合量は50〜80質量部であり、VCRの好ましい配合量は10〜30質量部である。なおVCRは公知であり、その製造方法は例えば特開2000−44633号公報に開示されている。また商業的に入手可能であり、例えば宇部興産(株)から商品名UBEPOL VCR412として市販されている。
なお、上記以外にも他のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、VCR以外のブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(カーボンブラック)
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜180m2/gであることが必要である。本発明の効果が向上するという観点から、50〜160m2/gであることが好ましい。なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。
本発明で使用するカーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等が使用可能であるが、タイヤ用途の場合は、ファーネスブラックを好ましく使用することができる。
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜180m2/gであることが必要である。本発明の効果が向上するという観点から、50〜160m2/gであることが好ましい。なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。
本発明で使用するカーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等が使用可能であるが、タイヤ用途の場合は、ファーネスブラックを好ましく使用することができる。
(スルフィド化合物)
本発明で使用されるスルフィド化合物は、前記特許文献1に開示されている。具体的には、下記式(I)で表される。
本発明で使用されるスルフィド化合物は、前記特許文献1に開示されている。具体的には、下記式(I)で表される。
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNR2を表わす。R2は、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
本発明で使用されるスルフィド化合物は、スルフィド部の両末端に、芳香族縮合複素環がアルキレン基を介して結合した左右対称の構造(ビス体構造)を有している。
当該化合物としては、例えば、
ビス(ベンズイミダゾリル−2)メチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルトリスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルテトラスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルトリスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルテトラスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルトリスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド
等が挙げられる。なお、これらのスルフィド化合物は、1種または2種以上を組み合わせてもよい。
前記スルフィド化合物は、1,2−ジアミノベンゼン系化合物、2−アミノチオフェノール系化合物または2−アミノフェノール系化合物のいずれかと、チオジカルボン酸系化合物を、4N希塩酸中で反応させることによって、容易に合成することができ、特許文献1にその製造方法が詳細に開示されている。
当該化合物としては、例えば、
ビス(ベンズイミダゾリル−2)メチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルトリスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルテトラスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルトリスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルテトラスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルトリスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド
等が挙げられる。なお、これらのスルフィド化合物は、1種または2種以上を組み合わせてもよい。
前記スルフィド化合物は、1,2−ジアミノベンゼン系化合物、2−アミノチオフェノール系化合物または2−アミノフェノール系化合物のいずれかと、チオジカルボン酸系化合物を、4N希塩酸中で反応させることによって、容易に合成することができ、特許文献1にその製造方法が詳細に開示されている。
前記スルフィド化合物において、分子内の芳香族縮合複素環がカーボンブラック表面と相互作用するとともに、分子内のスルフィド結合がゴム混練り時に切断され、生じたラジカルによってゴムとの相互作用がさらに高まる。とくに、前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2である場合に該効果が高まり、好ましい。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜180m2/gのカーボンブラックを30〜90質量部、および前記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜20質量%配合する。
カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、補強性能が悪化し硬度が低下する。逆に90質量部を超えると転がり抵抗性が悪化する。
スルフィド化合物の配合量が0.1質量%未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量%を超えると破断特性および耐久性が悪化する。
本発明のゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜180m2/gのカーボンブラックを30〜90質量部、および前記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜20質量%配合する。
カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、補強性能が悪化し硬度が低下する。逆に90質量部を超えると転がり抵抗性が悪化する。
スルフィド化合物の配合量が0.1質量%未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量%を超えると破断特性および耐久性が悪化する。
さらに好ましい前記カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、40〜70質量部である。
さらに好ましい前記スルフィド化合物の配合量は、カーボンブラックに対し、2〜20質量%である。
さらに好ましい前記スルフィド化合物の配合量は、カーボンブラックに対し、2〜20質量%である。
なお本発明者の検討によれば、前記式(I)で表されるスルフィド化合物をゴム組成物に配合すると、スコーチが悪化し、加工性が悪化するという問題点が見出された。
そこで、本発明のゴム組成物を調製する際には、前記スルフィド化合物を混合するときの混合温度を120℃以下に設定することが好ましい。120℃以下での混合により、スルフィド化合物が、カーボンブラックとジエン系ゴムとの架橋を適切に促進しているものと推測される。
スルフィド化合物の混合温度が120℃を超えると、スコーチが悪化し、加工性が悪化する。該混合温度は、90〜110℃が好ましい。
そこで、本発明のゴム組成物を調製する際には、前記スルフィド化合物を混合するときの混合温度を120℃以下に設定することが好ましい。120℃以下での混合により、スルフィド化合物が、カーボンブラックとジエン系ゴムとの架橋を適切に促進しているものと推測される。
スルフィド化合物の混合温度が120℃を超えると、スコーチが悪化し、加工性が悪化する。該混合温度は、90〜110℃が好ましい。
また本発明では、前記スルフィド化合物を混合する時期を特定することにより、本発明の効果をさらに高めることができる。
一般的に、タイヤ用ゴム組成物の調製は、例えば次のような混合工程が組み合わされて行われる。
(1)ジエン系ゴムのみを素練りする素練り工程;
(2)素練りされた、あるいは素練りされていないジエン系ゴムに、加硫系配合物を除く各種配合物を加え、混合するNP(non-processing)工程(このNP工程は分割されて複数回行われることもある);および
(3)NP工程後のゴムに加硫系配合物を加え、混合する最終混合工程。
本発明において、前記(1)および/または(2)の工程は、「加硫系配合物を除く1種または2種以上の配合物をn回にわたり混合する初期混合工程(ただし、nは1以上の数を表す)」と呼称する。
前記のように、スルフィド化合物は、混合温度が120℃以下であれば、上記の各工程において添加し、混合するのが好ましいが、本発明では、スルフィド化合物を上記の(3)最終混合工程で添加するのが好ましい。一般的に、上記の(1)素練り工程および(2)NP工程は、140℃以上の温度で行われ、120℃以下の温度でスルフィド化合物を混合するには、各工程において一旦配合物を冷却する必要がある。これに対し、最終混合工程は概ね120℃以下で行われるものであるので、スルフィド化合物を添加するに際し、前記冷却等の手間がかからず、製造コストの上昇を避けることができる。
なお、本発明でいう加硫系配合物とは、硫黄のような加硫剤や加硫促進剤を意味する。加硫促進剤としては、従来から公知のものがいずれも使用可能であり、例えば、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、等が挙げられ、中でも好ましくはスルフェンアミド系促進剤である。
一般的に、タイヤ用ゴム組成物の調製は、例えば次のような混合工程が組み合わされて行われる。
(1)ジエン系ゴムのみを素練りする素練り工程;
(2)素練りされた、あるいは素練りされていないジエン系ゴムに、加硫系配合物を除く各種配合物を加え、混合するNP(non-processing)工程(このNP工程は分割されて複数回行われることもある);および
(3)NP工程後のゴムに加硫系配合物を加え、混合する最終混合工程。
本発明において、前記(1)および/または(2)の工程は、「加硫系配合物を除く1種または2種以上の配合物をn回にわたり混合する初期混合工程(ただし、nは1以上の数を表す)」と呼称する。
前記のように、スルフィド化合物は、混合温度が120℃以下であれば、上記の各工程において添加し、混合するのが好ましいが、本発明では、スルフィド化合物を上記の(3)最終混合工程で添加するのが好ましい。一般的に、上記の(1)素練り工程および(2)NP工程は、140℃以上の温度で行われ、120℃以下の温度でスルフィド化合物を混合するには、各工程において一旦配合物を冷却する必要がある。これに対し、最終混合工程は概ね120℃以下で行われるものであるので、スルフィド化合物を添加するに際し、前記冷却等の手間がかからず、製造コストの上昇を避けることができる。
なお、本発明でいう加硫系配合物とは、硫黄のような加硫剤や加硫促進剤を意味する。加硫促進剤としては、従来から公知のものがいずれも使用可能であり、例えば、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、等が挙げられ、中でも好ましくはスルフェンアミド系促進剤である。
また本発明では、ジエン系ゴムとスルフィド化合物とを含むマスターバッチを予め調製し、得られたマスターバッチを最終混合工程で配合し混合することがさらに好ましい。この形態によれば、最終混合工程でスルフィド化合物がゴム組成物中に均一に分散するとともに、スコーチや転がり抵抗性に優れるという点で有利である。この場合、マスターバッチ中のスルフィド化合物の割合は、例えば20〜50質量%である。
さらに本発明では、ジエン系ゴムとスルフィド化合物と加硫系配合物とを含むマスターバッチを予め調製し、得られたマスターバッチを最終混合工程で配合し混合することがさらに好ましい。この形態によれば、スルフィド化合物の分散性、スコーチおよび転がり抵抗性が一層優れる。この場合、マスターバッチ中のスルフィド化合物の割合は、例えば20〜30質量%であり、加硫系配合物の割合は、例えば20〜30質量%である。なおこの形態において加硫系配合物は、硫黄のみでもよいし、硫黄および加硫促進剤の両方をマスターバッチ化してもよい。
本発明において、スルフィド化合物の混合時間としては、例えば1分〜5分であり、混合装置は初期混合工程や最終混合工程で従来から使用されている公知の装置を用いればよい。
本発明のゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は、硬度、低転がり抵抗性、破断特性および耐久性を共に高め得ることから、タイヤ用途、とくにタイヤアンダートレッド用ゴム組成物として使用するのが好ましい。また本発明のゴム組成物は、従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例1、実施例1〜5、比較例1〜3
表1に示す配合(質量部)において、加硫系配合物を除く配合物を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーに入れ、混合時の最高温度が160℃となるように5分間混練した(初期混合工程)。続いて、加硫系配合物およびスルフィド化合物を加え、オープンロールで混合時の最高温度が110℃となるように、2分混合した(最終混合工程)。得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法でゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
表1に示す配合(質量部)において、加硫系配合物を除く配合物を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーに入れ、混合時の最高温度が160℃となるように5分間混練した(初期混合工程)。続いて、加硫系配合物およびスルフィド化合物を加え、オープンロールで混合時の最高温度が110℃となるように、2分混合した(最終混合工程)。得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法でゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
硬度(20℃):JIS K6253に準拠して20℃にて測定した。結果は、標準例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほど硬度が高いことを示す。
tanδ(60℃):(株)東洋精機製作所製、粘弾性スペクトロメーターを用い、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件で、tanδ(60℃)を測定した。結果は、標準例1の値を100として指数表示した。指数が小さいほど低転がり抵抗性であることを示す。
破断伸び(EB):JIS K6251に準拠して引張試験にて100℃で評価した。結果は標準例1の値を100として指数表示した。この指数が大きいほど破断物性に優れることを示す。
耐久性:加硫後のゴム組成物をアンダートレッドとして用い、リム14×5 1/2J、内圧200kPaとして排気量1800ccのFF乗用車に装着し、市街地を30,000km走行した。アンダートレッド用ゴムに不具合があると、キャップトレッドに悪影響を及ぼすことから、走行後のキャップトレッドの状態(クラック成長、ブロック欠け等)を目視で観察した。結果は、標準例1の値を100として指数表示した。この指数が大きいほど、走行後のキャップトレッドの状態が良好であり、耐久性に優れることを示す。
結果を表1に併せて示す。
tanδ(60℃):(株)東洋精機製作所製、粘弾性スペクトロメーターを用い、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件で、tanδ(60℃)を測定した。結果は、標準例1の値を100として指数表示した。指数が小さいほど低転がり抵抗性であることを示す。
破断伸び(EB):JIS K6251に準拠して引張試験にて100℃で評価した。結果は標準例1の値を100として指数表示した。この指数が大きいほど破断物性に優れることを示す。
耐久性:加硫後のゴム組成物をアンダートレッドとして用い、リム14×5 1/2J、内圧200kPaとして排気量1800ccのFF乗用車に装着し、市街地を30,000km走行した。アンダートレッド用ゴムに不具合があると、キャップトレッドに悪影響を及ぼすことから、走行後のキャップトレッドの状態(クラック成長、ブロック欠け等)を目視で観察した。結果は、標準例1の値を100として指数表示した。この指数が大きいほど、走行後のキャップトレッドの状態が良好であり、耐久性に優れることを示す。
結果を表1に併せて示す。
*1:NR(TSR20)
*2:SBR(日本ゼオン(株)製NIPOL 1502)
*3:シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンVCR(宇部興産(株)製UBEPOL VCR412。なお表1では、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン量を示した)
*4:BR(日本ゼオン(株)製NIPOL BR 1220)
*5:カーボンブラック(東海カーボン(株)製N134、N2SA=143m2/g)
*6:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*8:老化防止剤(フレキシス製サントフレックス6PPD)
*9:2EBZ(四国化成工業(株)製2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド)
*10:4EBZ(四国化成工業(株)製2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド)
*11:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT−20)
*12:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS−P)
*2:SBR(日本ゼオン(株)製NIPOL 1502)
*3:シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンVCR(宇部興産(株)製UBEPOL VCR412。なお表1では、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン量を示した)
*4:BR(日本ゼオン(株)製NIPOL BR 1220)
*5:カーボンブラック(東海カーボン(株)製N134、N2SA=143m2/g)
*6:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*8:老化防止剤(フレキシス製サントフレックス6PPD)
*9:2EBZ(四国化成工業(株)製2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド)
*10:4EBZ(四国化成工業(株)製2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド)
*11:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT−20)
*12:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS−P)
上記の表1から明らかなように、実施例1〜5で調製されたゴム組成物は、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(N2SA)を有するカーボンブラック、および特定のスルフィド化合物を特定量で配合したので、従来の代表的な標準例1に比べ、硬度、低転がり抵抗性、破断特性および耐久性がすべて良化している。
比較例1は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、転がり抵抗性、破断特性および耐久性が悪化した。
比較例2は、VCRを配合していないので、硬度および耐久性が悪化した。
比較例3は、特定のスルフィド化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、破断特性および耐久性が悪化した。
比較例1は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、転がり抵抗性、破断特性および耐久性が悪化した。
比較例2は、VCRを配合していないので、硬度および耐久性が悪化した。
比較例3は、特定のスルフィド化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、破断特性および耐久性が悪化した。
なお、(1)標準例1、(2)実施例1、(3)実施例1において特定のスルフィド化合物を初期混合工程で添加し混合した場合、のスコーチを測定した。
スコーチ:ゴム組成物に対し、JIS K6300に準拠して、温度125℃にて粘度が5ムーニー単位上昇する時間を測定した。標準例1の値を100として指数表示した。値が大きいほうがスコーチに優れることを意味する。
その結果、前記(2)のスコーチは110、前記(3)のスコーチは85であり、前記スルフィド化合物を混合するときの混合温度を120℃以下に設定することにより、スコーチが改善されることが認められた。
スコーチ:ゴム組成物に対し、JIS K6300に準拠して、温度125℃にて粘度が5ムーニー単位上昇する時間を測定した。標準例1の値を100として指数表示した。値が大きいほうがスコーチに優れることを意味する。
その結果、前記(2)のスコーチは110、前記(3)のスコーチは85であり、前記スルフィド化合物を混合するときの混合温度を120℃以下に設定することにより、スコーチが改善されることが認められた。
Claims (4)
- 天然ゴムおよび合成イソプレンゴムからなる群より選択された少なくとも1種のゴムを30〜95質量部およびシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを5質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜180m2/gのカーボンブラックを30〜90質量部、および下記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜20質量%配合してなることを特徴とするタイヤアンダートレッド用ゴム組成物。
- 前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記式(I)で表されるスルフィド化合物を混合するときの混合温度が120℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をアンダートレッドに用いた空気入りタイヤ。
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---|---|---|---|
JP2015122638A JP2017008151A (ja) | 2015-06-18 | 2015-06-18 | タイヤアンダートレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
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---|---|---|---|---|
WO2022029263A1 (en) | 2020-08-07 | 2022-02-10 | Apollo Tyres Global R&D B.V. | Rubber composition for tyres with low rolling resistance and good winter properties |
-
2015
- 2015-06-18 JP JP2015122638A patent/JP2017008151A/ja active Pending
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WO2022029263A1 (en) | 2020-08-07 | 2022-02-10 | Apollo Tyres Global R&D B.V. | Rubber composition for tyres with low rolling resistance and good winter properties |
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