JP2016166290A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤのベルト層には、強い衝撃や大きな荷重がかかるため、補強材としてスチールコードが用いられている。このようなスチールコードを被覆するゴムは、スチールコードとの良好な接着性、優れた耐久性が求められている。
【解決手段】天然ゴムを80質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜95m2/gでありかつDBP吸収量が65〜90ml/100gであるカーボンブラックを30〜80質量部、有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部、硫黄を3〜10質量部、および特定のスルフィド化合物をカーボンブラックに対して0.1〜5質量%配合してなるゴム組成物によって上記課題を解決した。
【選択図】なし
【解決手段】天然ゴムを80質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜95m2/gでありかつDBP吸収量が65〜90ml/100gであるカーボンブラックを30〜80質量部、有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部、硫黄を3〜10質量部、および特定のスルフィド化合物をカーボンブラックに対して0.1〜5質量%配合してなるゴム組成物によって上記課題を解決した。
【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、伸びを維持しながら、スチールコードとの良好な接着性および硬度や老化抑制性に基づく優れた耐久性を得ることのできるゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤは左右一対のビード部およびサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とから主に構成されている。タイヤの内側にはカーカス層が設けられ、カーカス層の両端部はビードコアをタイヤ内側から外側へ包みこむように折り返されている。
トレッド部は、キャップトレッドとアンダートレッドとからなり、このアンダートレッドとカーカス層との間に、ベルト層が配設されている。
このベルト層には、強い衝撃や大きな荷重がかかるため、補強材としてスチールコードが用いられている。このようなスチールコードを被覆するゴムは、伸びを維持しながら、スチールコードとの良好な接着性および硬度や老化抑制性に基づく優れた耐久性が求められている。
このベルト層には、強い衝撃や大きな荷重がかかるため、補強材としてスチールコードが用いられている。このようなスチールコードを被覆するゴムは、伸びを維持しながら、スチールコードとの良好な接着性および硬度や老化抑制性に基づく優れた耐久性が求められている。
なお、下記特許文献1には、特定の構造を有するスルフィド化合物を含有するゴム・カーボンブラック用カップリング剤が提案されている。しかし特許文献1には、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(N2SA)およびDBP吸収量を有するカーボンブラック、有機酸コバルト塩および硫黄を特定量で配合し、さらに該スルフィド化合物を配合して、伸びを維持しながら、スチールコードとの良好な接着性および硬度や老化抑制性に基づく優れた耐久性を得ようとする技術思想は何ら開示または示唆されていない。
したがって本発明の目的は、伸びを維持しながら、スチールコードとの良好な接着性および硬度や老化抑制性に基づく優れた耐久性を得ることのできるゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(N2SA)およびDBP吸収量を有するカーボンブラック、有機酸コバルト塩、硫黄および特定のスルフィド化合物を特定量で配合することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを80質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、
窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜90m2/gでありかつDBP吸収量が70〜90ml/100gであるカーボンブラックを50〜70質量部、
有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部
硫黄を3〜10質量部、および
下記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜5質量%配合してなるゴム組成物。
窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜90m2/gでありかつDBP吸収量が70〜90ml/100gであるカーボンブラックを50〜70質量部、
有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部
硫黄を3〜10質量部、および
下記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜5質量%配合してなるゴム組成物。
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNR2を表わす。R2は、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
2.前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記1または2に記載のゴム組成物をベルト層に用いた空気入りタイヤ。
2.前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記1または2に記載のゴム組成物をベルト層に用いた空気入りタイヤ。
本発明によれば、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(N2SA)およびDBP吸収量を有するカーボンブラック、有機酸コバルト塩、硫黄および特定のスルフィド化合物を特定量で配合したので、破断伸びを維持しながら、スチールコードとの良好な接着性および硬度や老化抑制性に基づく優れた耐久性を得ることのできるゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)および/または合成イソプレンゴム(IR)を必須成分とする。NRおよび/またはIRの配合量は、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに80質量部以上であることが必要である。NRおよび/またはIRの配合量が80質量部未満であると、破断強度が悪化し、好ましくない。なお、NRおよびIR以外にも他のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)および/または合成イソプレンゴム(IR)を必須成分とする。NRおよび/またはIRの配合量は、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに80質量部以上であることが必要である。NRおよび/またはIRの配合量が80質量部未満であると、破断強度が悪化し、好ましくない。なお、NRおよびIR以外にも他のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(カーボンブラック)
本発明で使用されるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜95m2/gである必要がある。窒素吸着比表面積(N2SA)が50m2/g未満では、破断強度が悪化し、逆に窒素吸着比表面積(N2SA)が95m2/gを超えると、破断伸びが悪化し、好ましくない。さらに好ましい窒素吸着比表面積(N2SA)は、60〜90m2/gである。なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。
また本発明で使用されるカーボンブラックは、DBP吸収量が65〜90ml/100gである必要がある。DBP吸収量が65ml/100g未満であると硬さが低下し、逆にDBP吸収量90ml/100gを超えると破断伸びが悪化する。さらに好ましいDBP吸収量が70〜85ml/100gである。なお、DBP吸収量はJIS K6217−4吸油量A法に準拠して求めた値である。
本発明で使用されるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜95m2/gである必要がある。窒素吸着比表面積(N2SA)が50m2/g未満では、破断強度が悪化し、逆に窒素吸着比表面積(N2SA)が95m2/gを超えると、破断伸びが悪化し、好ましくない。さらに好ましい窒素吸着比表面積(N2SA)は、60〜90m2/gである。なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。
また本発明で使用されるカーボンブラックは、DBP吸収量が65〜90ml/100gである必要がある。DBP吸収量が65ml/100g未満であると硬さが低下し、逆にDBP吸収量90ml/100gを超えると破断伸びが悪化する。さらに好ましいDBP吸収量が70〜85ml/100gである。なお、DBP吸収量はJIS K6217−4吸油量A法に準拠して求めた値である。
(有機酸コバルト塩)
本発明で使用する有機酸コバルト塩としては、例えばナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト、ホウ酸ネオデカン酸コバルト、アセチルアセトナートコバルト等を例示することができる。また、ホウ素を含む有機酸コバルト塩、例えばオルトホウ酸コバルト等も使用できる。
本発明で使用する有機酸コバルト塩としては、例えばナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト、ホウ酸ネオデカン酸コバルト、アセチルアセトナートコバルト等を例示することができる。また、ホウ素を含む有機酸コバルト塩、例えばオルトホウ酸コバルト等も使用できる。
(スルフィド化合物)
本発明で使用されるスルフィド化合物は、前記特許文献1に開示されている。具体的には、下記式(I)で表される。
本発明で使用されるスルフィド化合物は、前記特許文献1に開示されている。具体的には、下記式(I)で表される。
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNR2を表わす。R2は、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
本発明で使用されるスルフィド化合物は、スルフィド部の両末端に、芳香族縮合複素環がアルキレン基を介して結合した左右対称の構造(ビス体構造)を有している。
当該化合物としては、例えば、
ビス(ベンズイミダゾリル−2)メチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルトリスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルテトラスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルトリスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルテトラスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルトリスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド
等が挙げられる。なお、これらのスルフィド化合物は、1種または2種以上を組み合わせてもよい。
前記スルフィド化合物は、1,2−ジアミノベンゼン系化合物、2−アミノチオフェノール系化合物または2−アミノフェノール系化合物のいずれかと、チオジカルボン酸系化合物を、4N希塩酸中で反応させることによって、容易に合成することができ、特許文献1にその製造方法が詳細に開示されている。
当該化合物としては、例えば、
ビス(ベンズイミダゾリル−2)メチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルトリスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルテトラスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルトリスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルテトラスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルトリスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド
等が挙げられる。なお、これらのスルフィド化合物は、1種または2種以上を組み合わせてもよい。
前記スルフィド化合物は、1,2−ジアミノベンゼン系化合物、2−アミノチオフェノール系化合物または2−アミノフェノール系化合物のいずれかと、チオジカルボン酸系化合物を、4N希塩酸中で反応させることによって、容易に合成することができ、特許文献1にその製造方法が詳細に開示されている。
前記スルフィド化合物において、分子内の芳香族縮合複素環がカーボンブラック表面と相互作用するとともに、分子内のスルフィド結合がゴム混練り時に切断され、生じたラジカルによってゴムとの相互作用がさらに高まる。とくに、前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2である場合に該効果が高まり、好ましい。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜95m2/gでありかつDBP吸収量が65〜90ml/100gであるカーボンブラックを30〜80質量部、有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部、硫黄を3〜10質量部、および前記(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜5質量%配合してなることを特徴とする。
前記カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、硬度が低下して耐久性が悪化し、またスチールコードとの接着性が悪化する。逆に80質量部を超えると、伸び、スチールコードとの接着性およびタイヤ走行時の老化抑制性が悪化する。
有機酸コバルト塩の配合量が0.1質量部未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に10質量部を超えるとスチールコードとの接着性が悪化する。
硫黄の配合量が3質量部未満であると、硬度が低下して耐久性が悪化し、またスチールコードとの接着性が悪化する。逆に10質量部を超えると硬度が高くなり過ぎてゴムの伸びを低下させ、またタイヤ走行時の老化抑制性が悪化する。
スルフィド化合物の配合量が0.1質量%未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に5質量%を超えると破断伸びが悪化する。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜95m2/gでありかつDBP吸収量が65〜90ml/100gであるカーボンブラックを30〜80質量部、有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部、硫黄を3〜10質量部、および前記(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜5質量%配合してなることを特徴とする。
前記カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、硬度が低下して耐久性が悪化し、またスチールコードとの接着性が悪化する。逆に80質量部を超えると、伸び、スチールコードとの接着性およびタイヤ走行時の老化抑制性が悪化する。
有機酸コバルト塩の配合量が0.1質量部未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に10質量部を超えるとスチールコードとの接着性が悪化する。
硫黄の配合量が3質量部未満であると、硬度が低下して耐久性が悪化し、またスチールコードとの接着性が悪化する。逆に10質量部を超えると硬度が高くなり過ぎてゴムの伸びを低下させ、またタイヤ走行時の老化抑制性が悪化する。
スルフィド化合物の配合量が0.1質量%未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に5質量%を超えると破断伸びが悪化する。
さらに好ましい前記カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、50〜70質量部である。
さらに好ましい前記有機酸コバルト塩の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜4質量部である。
さらに好ましい前記硫黄の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、4〜9質量部である。
さらに好ましい前記スルフィド化合物の配合量は、カーボンブラックに対し、0.3〜3質量%である。
さらに好ましい前記有機酸コバルト塩の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜4質量部である。
さらに好ましい前記硫黄の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、4〜9質量部である。
さらに好ましい前記スルフィド化合物の配合量は、カーボンブラックに対し、0.3〜3質量%である。
本発明のゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに使用することができる。本発明のゴム組成物は、ベルト層におけるスチールコードを被覆するゴムに好適に用いられる。
本発明のゴム組成物にスチールコードを埋設させる手段としては、例えば、前記の各種成分をバンバリーミキサーやロールミキサーなどの汎用の混合機を用いて混合しゴム組成物を調製し、これにスチールコードを埋設させ、常法にしたがって加硫すればよい。
なお、スルフィド化合物を混合する時期は、ゴムに加硫系配合物(加硫促進剤および硫黄)を加えて混合する、いわゆる最終混合工程であるのが好ましい。
本発明のゴム組成物にスチールコードを埋設させる手段としては、例えば、前記の各種成分をバンバリーミキサーやロールミキサーなどの汎用の混合機を用いて混合しゴム組成物を調製し、これにスチールコードを埋設させ、常法にしたがって加硫すればよい。
なお、スルフィド化合物を混合する時期は、ゴムに加硫系配合物(加硫促進剤および硫黄)を加えて混合する、いわゆる最終混合工程であるのが好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜2および比較例1〜10
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、スルフィド化合物、加硫促進剤および硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、スルフィド化合物、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、スルフィド化合物、加硫促進剤および硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、スルフィド化合物、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
硬度(20℃):JIS K6253に準拠して20℃にて測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど硬度が高く耐久性に優れることを示す。
破断伸び(EB):JIS K6251に準拠して引張試験にて評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この指数が大きいほど破断伸びに優れることを示す。
剥離力:JIS K6256の剥離試験に準拠し、たんざく状試験片(25mm幅)を作成し、接着・剥離試験を行なった。結果は、比較例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほど、剥離力が大きく、ゴムとワイヤの接着性が良いことを示す。
タイヤ走行時の老化抑制性:195/60R14のタイヤを、リムサイズ14×6JJのリムに装着し、空気圧230kPaとして乗用車の前輪に装着し、2万km走行させた後、前記のように剥離力を測定し、2万km走行前の剥離力との比を求め、タイヤ走行時の老化抑制性を評価した。結果は、比較例1の値を100として指数表示した。指数が小さいほど、2万km走行後の剥離力が大きく、タイヤ走行時の老化抑制性に優れることを意味する。
なお地球環境上の観点から自動車に対する低燃費化の要求が高まっており、スチールコードを被覆するゴムにおいては、低発熱化が求められている。そこで下記の如く発熱性についても評価を行った。
発熱性:(株)東洋精機製作所製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって発熱性を評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この数字が低いほど、低発熱性であることを示す。
結果を表1に併せて示す。
破断伸び(EB):JIS K6251に準拠して引張試験にて評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この指数が大きいほど破断伸びに優れることを示す。
剥離力:JIS K6256の剥離試験に準拠し、たんざく状試験片(25mm幅)を作成し、接着・剥離試験を行なった。結果は、比較例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほど、剥離力が大きく、ゴムとワイヤの接着性が良いことを示す。
タイヤ走行時の老化抑制性:195/60R14のタイヤを、リムサイズ14×6JJのリムに装着し、空気圧230kPaとして乗用車の前輪に装着し、2万km走行させた後、前記のように剥離力を測定し、2万km走行前の剥離力との比を求め、タイヤ走行時の老化抑制性を評価した。結果は、比較例1の値を100として指数表示した。指数が小さいほど、2万km走行後の剥離力が大きく、タイヤ走行時の老化抑制性に優れることを意味する。
なお地球環境上の観点から自動車に対する低燃費化の要求が高まっており、スチールコードを被覆するゴムにおいては、低発熱化が求められている。そこで下記の如く発熱性についても評価を行った。
発熱性:(株)東洋精機製作所製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって発熱性を評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この数字が低いほど、低発熱性であることを示す。
結果を表1に併せて示す。
*1:NR(TSR20)
*2:カーボンブラック−1(東海カーボン(株)製シースト300、N2SA=84m2/g、DBP吸収量=75ml/100g)
*3:カーボンブラック−2(東海カーボン(株)製シースト3、N2SA=79m2/g、DBP吸収量=101ml/100g)
*4:カーボンブラック−3(東海カーボン(株)社製商品名シーストV、N2SA=27m2/g、DBP吸収量=87ml/100g)
*5:ステアリン酸コバルト(DIC(株)製)
*6:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*7:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT−20)
*8:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーDZ)
*9:スルフィド化合物2EBZ(四国化成工業(株)製2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド)
*2:カーボンブラック−1(東海カーボン(株)製シースト300、N2SA=84m2/g、DBP吸収量=75ml/100g)
*3:カーボンブラック−2(東海カーボン(株)製シースト3、N2SA=79m2/g、DBP吸収量=101ml/100g)
*4:カーボンブラック−3(東海カーボン(株)社製商品名シーストV、N2SA=27m2/g、DBP吸収量=87ml/100g)
*5:ステアリン酸コバルト(DIC(株)製)
*6:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*7:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT−20)
*8:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーDZ)
*9:スルフィド化合物2EBZ(四国化成工業(株)製2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド)
上記の表1から明らかなように、実施例1〜2で調製されたゴム組成物は、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(N2SA)およびDBP吸収量を有するカーボンブラック、有機酸コバルト塩、硫黄および特定のスルフィド化合物を特定量で配合したので、スルフィド化合物を配合していない比較例1に比べ、伸びを維持しながら、スチールコードとの良好な接着性および硬度や老化抑制性に基づく優れた耐久性を同時に獲得することができた。また発熱性も良好である。
これに対し、比較例2は、有機酸コバルト塩およびスルフィド化合物を配合していないので、伸び、剥離力が悪化した。なお比較例2では剥離力が著しく低下したので、タイヤ走行時の老化抑制性の試験を行うことができなかった。
比較例3は、比較例2に対しスルフィド化合物を配合しているものの有機酸コバルト塩を配合していないので、伸び、剥離力が悪化した。なお比較例3では剥離力が著しく低下したので、タイヤ走行時の老化抑制性の試験を行うことができなかった。
比較例4は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、伸び、剥離力、タイヤ走行時の老化抑制性が悪化した。また発熱性も悪化した。
比較例5は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、硬度が低下して耐久性が悪化し、剥離力も低下した。
比較例6は、カーボンブラックのDPB吸収量が本発明で規定する範囲外であるので、剥離力が悪化した。なお比較例6では剥離力が著しく低下したので、タイヤ走行時の老化抑制性の試験を行うことができなかった。
比較例7は、カーボンブラックのN2SAが本発明で規定する範囲外であるので、剥離力が悪化した。なお比較例7では剥離力が著しく低下したので、タイヤ走行時の老化抑制性の試験を行うことができなかった。
比較例8は、硫黄の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、硬度が低下して耐久性が悪化し、また剥離力も低下した。なお比較例8では剥離力が著しく低下したので、タイヤ走行時の老化抑制性の試験を行うことができなかった。また発熱性も悪化した。
比較例9は、硫黄の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度が過度に高まりゴムの伸びが悪化し、またタイヤ走行時の老化抑制性が悪化した。
比較例10は、スルフィド化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、破断伸びが悪化した。
これに対し、比較例2は、有機酸コバルト塩およびスルフィド化合物を配合していないので、伸び、剥離力が悪化した。なお比較例2では剥離力が著しく低下したので、タイヤ走行時の老化抑制性の試験を行うことができなかった。
比較例3は、比較例2に対しスルフィド化合物を配合しているものの有機酸コバルト塩を配合していないので、伸び、剥離力が悪化した。なお比較例3では剥離力が著しく低下したので、タイヤ走行時の老化抑制性の試験を行うことができなかった。
比較例4は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、伸び、剥離力、タイヤ走行時の老化抑制性が悪化した。また発熱性も悪化した。
比較例5は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、硬度が低下して耐久性が悪化し、剥離力も低下した。
比較例6は、カーボンブラックのDPB吸収量が本発明で規定する範囲外であるので、剥離力が悪化した。なお比較例6では剥離力が著しく低下したので、タイヤ走行時の老化抑制性の試験を行うことができなかった。
比較例7は、カーボンブラックのN2SAが本発明で規定する範囲外であるので、剥離力が悪化した。なお比較例7では剥離力が著しく低下したので、タイヤ走行時の老化抑制性の試験を行うことができなかった。
比較例8は、硫黄の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、硬度が低下して耐久性が悪化し、また剥離力も低下した。なお比較例8では剥離力が著しく低下したので、タイヤ走行時の老化抑制性の試験を行うことができなかった。また発熱性も悪化した。
比較例9は、硫黄の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度が過度に高まりゴムの伸びが悪化し、またタイヤ走行時の老化抑制性が悪化した。
比較例10は、スルフィド化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、破断伸びが悪化した。
Claims (3)
- 天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを80質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、
窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜95m2/gでありかつDBP吸収量が65〜90ml/100gであるカーボンブラックを30〜80質量部、
有機酸コバルト塩を0.1〜10質量部
硫黄を3〜10質量部、および
下記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して0.1〜5質量%配合してなるゴム組成物。
- 前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 請求項1または2に記載のゴム組成物をベルト層に用いた空気入りタイヤ。
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JP2015046634A JP2016166290A (ja) | 2015-03-10 | 2015-03-10 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
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JP2016196586A (ja) * | 2015-04-06 | 2016-11-24 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP2016204417A (ja) * | 2015-04-15 | 2016-12-08 | 株式会社ブリヂストン | ゴム組成物及び防振ゴム |
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- 2015-03-10 JP JP2015046634A patent/JP2016166290A/ja active Pending
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