JP2014210829A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】加工性を悪化させることなく、硬度、破断強度、ウェットグリップ性能および燃費性能を共に向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対しシリカを5〜100質量部配合してなるゴム組成物であって、前記ゴム組成物は、さらにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(1)およびポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(2)を両方配合してなり、かつ、(2)に対する(1)の配合量の比率(X)が、1.0≦(X)≦5.0であることを特徴とするゴム組成物と、該ゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、加工性を悪化させることなく、硬度、破断強度、ウェットグリップ性能および燃費性能を共に向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤは各種性能が要求されているが、とくに操縦安定性、ドライおよびウェット環境下でのグリップ性能および燃費性能を高い次元でバランスさせることが望まれている。
一方、タイヤのグリップ性能を向上させるために、例えばゴム組成物にシリカを配合することが知られている。
しかし、シリカを配合すると背反性能として転がり抵抗や破断伸びが悪化したり、また未加硫ゴムの粘度が高くなり、加工性が悪化するという問題点があった。
一方、タイヤのグリップ性能を向上させるために、例えばゴム組成物にシリカを配合することが知られている。
しかし、シリカを配合すると背反性能として転がり抵抗や破断伸びが悪化したり、また未加硫ゴムの粘度が高くなり、加工性が悪化するという問題点があった。
なお、下記特許文献1にはゴムラテックスと充填剤分散液と液状重合体エマルジョンとを混合して得られるウェットマスターバッチを含むトレッド用ゴム組成物が開示され、該エマルジョンの調製にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のような界面活性剤の使用が例示されている。
しかし特許文献1には、下記で説明する本発明に必須の式(1)および(2)で表される化合物の両方を特定の比率で配合し、加工性を悪化させることなく、硬度、破断強度、ウェットグリップ性能および燃費性能を共に向上させるという技術思想は何ら開示または示唆されていない。
しかし特許文献1には、下記で説明する本発明に必須の式(1)および(2)で表される化合物の両方を特定の比率で配合し、加工性を悪化させることなく、硬度、破断強度、ウェットグリップ性能および燃費性能を共に向上させるという技術思想は何ら開示または示唆されていない。
本発明の目的は、加工性を悪化させることなく、硬度、破断強度、ウェットグリップ性能および燃費性能を共に向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムおよびシリカを配合してなるゴム組成物に、さらに特定の化合物を2種類、特定の比率でもって配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対しシリカを5〜100質量部配合してなるゴム組成物であって、前記ゴム組成物は、さらに下記式(1)で表される化合物および下記式(2)で表される化合物を両方配合してなり、かつ、下記式(2)で表される化合物に対する下記式(1)で表される化合物の配合量の比率(X)が、1.0≦(X)≦5.0であることを特徴とするゴム組成物。
(式(1)および(2)中、a〜iはそれぞれ独立して1〜20の整数を表し、式(2)中のRはそれぞれ独立して直鎖または分岐した炭素数8〜30の飽和または不飽和のアルキル基を表す)
2.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、さらにシランカップリング剤を0.5〜10質量部配合してなることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記式(1)で表される化合物の配合量が、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜20質量部であることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記式(2)で表される化合物の配合量が、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜10質量部であることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
5.前記1〜4のいずれかに記載のゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
2.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、さらにシランカップリング剤を0.5〜10質量部配合してなることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記式(1)で表される化合物の配合量が、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜20質量部であることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記式(2)で表される化合物の配合量が、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜10質量部であることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
5.前記1〜4のいずれかに記載のゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、ジエン系ゴムおよびシリカを配合してなるゴム組成物に、さらに前記式(1)および(2)で表される化合物の両方を特定の比率で配合したので、加工性を悪化させることなく、硬度、破断強度、ウェットグリップ性能および燃費性能を共に向上させ得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはSBRおよびBRがとくに好ましい。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはSBRおよびBRがとくに好ましい。
(シリカ)
本発明で使用するシリカはとくに制限されず、通常タイヤ用ゴム組成物に配合されるシリカ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカ等を使用することができる。
なお、シリカのBET比表面積(ISO5794/1に準拠して測定)は50〜400m2/gが好ましく、100〜250m2/gが更に好ましい。
本発明で使用するシリカはとくに制限されず、通常タイヤ用ゴム組成物に配合されるシリカ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカ等を使用することができる。
なお、シリカのBET比表面積(ISO5794/1に準拠して測定)は50〜400m2/gが好ましく、100〜250m2/gが更に好ましい。
(式(1)および(2)で表される化合物)
本発明では、下記式(1)および(2)で表される化合物を配合する。
本発明では、下記式(1)および(2)で表される化合物を配合する。
(式(1)および(2)中、a〜iはそれぞれ独立して1〜20の整数を表し、式(2)中のRはそれぞれ独立して直鎖または分岐した炭素数8〜30の飽和または不飽和のアルキル基を表す)
式(1)で表される化合物は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油として、式(2)で表される化合物は、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとして公知であり、また市販されているものを利用することができ、例えば式(1)で表される化合物は日油(株)製ユニオックスHC−20(a+b+c+d+e+fとして表されるエチレンオキシド付加モル数が20)、ユニオックスHC−40(エチレンオキシド付加モル数が40)、ユニオックスHC−60(エチレンオキシド付加モル数が60)、ユニオックスHC−100(エチレンオキシド付加モル数が100)等がある。また式(2)で表される化合物としては、日油(株)製ユニオックスGT−10IS(g+h+iとして表されるエチレンオキシド付加モル数が10であり、Rがイソステアリン酸である)、ユニオックスGT−20IS(エチレンオキシド付加モル数が20であり、Rがイソステアリン酸である)、ユニオックスGT−30IS(エチレンオキシド付加モル数が30であり、Rがイソステアリン酸である)等がある。
本発明によれば、式(1)および(2)で表される化合物は共にシリカの分散剤として作用し、低発熱性をもたらす効果を奏する。さらに、式(1)で表される化合物がシリカの補強効果を高め、高硬度および高強度をもたらすとともに、式(2)で表される化合物における特定範囲の炭素数を有するアルキル鎖(炭素数が8〜30の飽和または不飽和のアルキル基)がシリカとゴムの親和性を向上させ、低温での弾性率の上昇を抑え、ウェット性能を向上させる効果を奏する。
本発明によれば、式(1)および(2)で表される化合物は共にシリカの分散剤として作用し、低発熱性をもたらす効果を奏する。さらに、式(1)で表される化合物がシリカの補強効果を高め、高硬度および高強度をもたらすとともに、式(2)で表される化合物における特定範囲の炭素数を有するアルキル鎖(炭素数が8〜30の飽和または不飽和のアルキル基)がシリカとゴムの親和性を向上させ、低温での弾性率の上昇を抑え、ウェット性能を向上させる効果を奏する。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカが5〜100質量部配合される。シリカが5質量部未満であると、ウェットグリップ性能が発現しない。逆に100質量部を超えると加工性が悪化する。
また、本発明のゴム組成物において、式(2)で表される化合物に対する下記式(1)で表される化合物の配合量の比率(X)が、1.0≦(X)≦5.0である。比率(X)が1.0未満であると、硬度および破断強度の改善効果が発現しない。逆に5.0を超えるとウェットグリップ性能が悪化する。さらに好ましい比率(X)は、1.5≦(X)≦3.0である。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカが5〜100質量部配合される。シリカが5質量部未満であると、ウェットグリップ性能が発現しない。逆に100質量部を超えると加工性が悪化する。
また、本発明のゴム組成物において、式(2)で表される化合物に対する下記式(1)で表される化合物の配合量の比率(X)が、1.0≦(X)≦5.0である。比率(X)が1.0未満であると、硬度および破断強度の改善効果が発現しない。逆に5.0を超えるとウェットグリップ性能が悪化する。さらに好ましい比率(X)は、1.5≦(X)≦3.0である。
また、本発明のゴム組成物において、式(1)で表される化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜20質量部であることが好ましく、式(2)で表される化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜10質量部であることが好ましい。
式(1)で表される化合物の配合量が0.5質量部未満であると配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量部を超えるとウェットグリップ性能が悪化する傾向にある。
式(2)で表される化合物の配合量が0.5質量部未満であると配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に10質量部を超えると硬度および破断強度が悪化する傾向にある。
さらに好ましい式(1)で表される化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、2.0〜15.0質量部である。
さらに好ましい式(2)で表される化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1.0〜5.0質量部である。
式(1)で表される化合物の配合量が0.5質量部未満であると配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量部を超えるとウェットグリップ性能が悪化する傾向にある。
式(2)で表される化合物の配合量が0.5質量部未満であると配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に10質量部を超えると硬度および破断強度が悪化する傾向にある。
さらに好ましい式(1)で表される化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、2.0〜15.0質量部である。
さらに好ましい式(2)で表される化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1.0〜5.0質量部である。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;各種オイル;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;各種オイル;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明におけるゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、さらにシランカップリング剤を0.5〜10質量部配合してなることが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−ビストリエトキシシリルプロピル)−テトラスルフィド、ビス−(3−ビストリエトキシシリルプロピル)−ジスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、とくにキャップトレッドに適用するのがよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜3および比較例1〜8
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、約150℃でミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物に加硫促進剤および硫黄を加えてオープンロールにて混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で170℃、10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、約150℃でミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物に加硫促進剤および硫黄を加えてオープンロールにて混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で170℃、10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
ムーニー粘度(ML1+4:100℃):上記ゴム組成物を用い、JIS 6300−1に準拠して、L型ローターを用いて測定した。結果は比較例1の値を100として指数表示し、この数字が低いほど粘度が低く、加工性が良好であることを示す。
硬度:上記加硫ゴム試験片を用い、JIS K6253に準拠して20℃のショアA硬度を測定した。結果は比較例1の値を100として指数表示し、この数字が高いほど硬度が高く良好な結果といえる。
破断強度および破断伸び:JIS K6251に準拠して測定した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この数字が高いほど強度が高いことを意味する。
貯蔵弾性率E’:JIS 6394に準拠し、初期歪10%、振幅2%、周波数20Hzにて0℃および60℃での貯蔵弾性率E’を測定した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この数値が高いほど高弾性率であることを示す。
ウェットグリップ性能:(株)東洋精機製作所製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件下でtanδ(0℃)を測定し、この値をもってウェットグリップ性能を評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この数字が低いほどウエットグリップ性能が良好であることを示す。
発熱性:(株)東洋精機製作所製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって発熱性を評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この数字が低いほど、低発熱性であることを示す。
結果を表1に併せて示す。
硬度:上記加硫ゴム試験片を用い、JIS K6253に準拠して20℃のショアA硬度を測定した。結果は比較例1の値を100として指数表示し、この数字が高いほど硬度が高く良好な結果といえる。
破断強度および破断伸び:JIS K6251に準拠して測定した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この数字が高いほど強度が高いことを意味する。
貯蔵弾性率E’:JIS 6394に準拠し、初期歪10%、振幅2%、周波数20Hzにて0℃および60℃での貯蔵弾性率E’を測定した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この数値が高いほど高弾性率であることを示す。
ウェットグリップ性能:(株)東洋精機製作所製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件下でtanδ(0℃)を測定し、この値をもってウェットグリップ性能を評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この数字が低いほどウエットグリップ性能が良好であることを示す。
発熱性:(株)東洋精機製作所製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定し、この値をもって発熱性を評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この数字が低いほど、低発熱性であることを示す。
結果を表1に併せて示す。
*1:S−SBR:旭化成(株)製E−581、溶液重合スチレンブタジエンゴム、ゴム成分100質量部に対しオイル37.5質量部を添加した油展品)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:シリカ(東ソーシリカ(株)製Nipsil AQ)
*4:カーボンブラック(東海カーボン(株)製シーストKH)
*5:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*6:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸YR)
*7:式(1)で表される化合物(日油(株)製ユニオックスHC−60、エチレンオキシド付加モル数が60であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)
*8:式(2)で表される化合物(日油(株)製ユニオックスGT−20IS、エチレンオキシド付加モル数が20であり、Rがイソステアリン酸であるポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル)
*9:ポリオキシエチレンモノステアレート(日油(株)製ノニオンS−40)
*10:老化防止剤(フレキシス社製サントフレックス6PPD)
*11:シランカップリング剤(エボニックデグッサジャパン(株)製Si69)
*12:オイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*13:硫黄(アクゾノーベル(株)製クリステックスHT OT 20)
*14:加硫促進剤−1(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*15:加硫促進剤−2(フレキシス社製PERKACIT DPG)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:シリカ(東ソーシリカ(株)製Nipsil AQ)
*4:カーボンブラック(東海カーボン(株)製シーストKH)
*5:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*6:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸YR)
*7:式(1)で表される化合物(日油(株)製ユニオックスHC−60、エチレンオキシド付加モル数が60であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)
*8:式(2)で表される化合物(日油(株)製ユニオックスGT−20IS、エチレンオキシド付加モル数が20であり、Rがイソステアリン酸であるポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル)
*9:ポリオキシエチレンモノステアレート(日油(株)製ノニオンS−40)
*10:老化防止剤(フレキシス社製サントフレックス6PPD)
*11:シランカップリング剤(エボニックデグッサジャパン(株)製Si69)
*12:オイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*13:硫黄(アクゾノーベル(株)製クリステックスHT OT 20)
*14:加硫促進剤−1(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*15:加硫促進剤−2(フレキシス社製PERKACIT DPG)
上記の表1から明らかなように、実施例で調製されたゴム組成物は、ジエン系ゴムおよびシリカを配合してなるゴム組成物に、さらに式(1)および(2)で表される化合物の両方を特定の比率で配合したので、従来の代表的な比較例1に比べて、加工性を悪化させることなく、硬度、破断強度、ウェットグリップ性能および燃費性能が共に向上することが証明された。
これに対し、比較例2は、式(2)で表される化合物を配合していないので、0℃における弾性率が高くなりすぎてウェットグリップ性能が悪化した。
比較例3は、式(1)で表される化合物を配合していないので、硬度および破断強度が改善されなかった。
比較例4および7は、式(2)で表される化合物に対する式(1)で表される化合物の配合量の比率(X)が、本発明で規定する下限未満であるので、硬度および破断強度が改善されなかった。
比較例5および6は、式(2)で表される化合物に対する式(1)で表される化合物の配合量の比率(X)が、本発明で規定する上限を超えているので、ウェットグリップ性能が悪化した。
比較例8は、式(1)および(2)で表される化合物を配合せず、ポリオキシエチレンモノステアレートを配合した例であるので、ウェットグリップ性能が悪化した。
これに対し、比較例2は、式(2)で表される化合物を配合していないので、0℃における弾性率が高くなりすぎてウェットグリップ性能が悪化した。
比較例3は、式(1)で表される化合物を配合していないので、硬度および破断強度が改善されなかった。
比較例4および7は、式(2)で表される化合物に対する式(1)で表される化合物の配合量の比率(X)が、本発明で規定する下限未満であるので、硬度および破断強度が改善されなかった。
比較例5および6は、式(2)で表される化合物に対する式(1)で表される化合物の配合量の比率(X)が、本発明で規定する上限を超えているので、ウェットグリップ性能が悪化した。
比較例8は、式(1)および(2)で表される化合物を配合せず、ポリオキシエチレンモノステアレートを配合した例であるので、ウェットグリップ性能が悪化した。
Claims (5)
- 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、さらにシランカップリング剤を0.5〜10質量部配合してなることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記式(1)で表される化合物の配合量が、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜20質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 前記式(2)で表される化合物の配合量が、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜10質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
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Cited By (6)
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WO2017069273A1 (ja) * | 2015-10-22 | 2017-04-27 | 株式会社ブリヂストン | ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ |
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