JP6997644B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
タイヤ用ゴム組成物において、低転がり抵抗性と湿潤路面でのグリップ性の両立効果に優れることから、充填剤としてシリカを用いることが知られている。しかしながら、シリカは、その粒子表面に存在するシラノール基により凝集しやすく、混練時にゴム組成物の粘度を上昇させ、加工性を悪化させる要因となる。特に、シリカとして窒素吸着比表面積の大きい小粒径シリカを用いた場合、加工性が大きく損なわれる。
特許文献1,2には、シリカの分散性を向上するために、グリセリンモノ脂肪酸エステルを配合することが提案されている。特許文献3には、低燃費性、耐摩耗性を維持又は改善しつつ、タイヤ外観を改善するために、ポリエチレングリコールモノ脂肪酸エステル及び/又はポリエチレングリコールジ脂肪酸エステルからなる非イオン界面活性剤を配合することが提案されている。特許文献4には、シリカの分散剤として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とポリオキシエチレングリセリントリ脂肪酸エステルを併用することが提案されている。しかしながら、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルのモノエステル又はジエステルを用いることは提案されていない。
特開2016-113602号公報 特開2016-113515号公報 特開2015-000972号公報 特開2014-210829号公報
従来、充填剤として小粒径シリカを用いたゴム組成物において、加工性を改良するとともに、耐摩耗性及び耐引き裂き性を改良することは困難であった。
本発明の実施形態は、小粒径シリカを配合したゴム組成物において、加工性と耐摩耗性と耐引き裂き性を改良することができるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム、窒素吸着比表面積が200m/g以上のシリカ、及び、下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルであってモノエステル及び/又はジエステルであるエーテルエステルを含むものである。
Figure 0006997644000001
式中、R、R及びRはそれぞれ、水素原子、又は炭素数6~30の飽和もしくは不飽和のアルキル基を持つアシル基を表し、R、R及びRのうち少なくとも1つはアシル基であり、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基を表し、a、b及びcはそれぞれ独立に平均付加モル数を表し、(RO)、(RO)及び(RO)の60質量%以上がオキシエチレン基からなる。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を用いて作製されたものである。
本発明の実施形態によれば、上記エーテルエステルを配合することにより、小粒径シリカ配合のゴム組成物において加工性と耐摩耗性と耐引き裂き性を改良することができる。
本実施形態に係るゴム組成物は、ジエン系ゴムに、小粒径シリカと、特定のエーテルエステルを配合してなるものである。
ゴム成分としてのジエン系ゴムとしては、特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン-イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン-イソプレン共重合体ゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム等、ゴム組成物において通常使用される各種ジエン系ゴムが挙げられる。これらのジエン系ゴムは、いずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
好ましい一実施形態に係るジエン系ゴムは、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、及び天然ゴムからなる群から選択された少なくとも1種である。例えば、ジエン系ゴムは、スチレンブタジエンゴムを含むことが好ましく、スチレンブタジエンゴム単独、又は、スチレンブタジエンゴムとブタジエンゴム及び/又は天然ゴムとのブレンドでもよく、その場合、ジエン系ゴム100質量部中、スチレンブタジエンゴムを好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上含むことである。
充填剤としてのシリカとしては、例えば湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカが挙げられる。本実施形態では、シリカとして、窒素吸着比表面積(NSA)が200m/g以上であるもの、すなわち小粒径シリカが用いられる。ここで、シリカの窒素吸着比表面積は、JIS K6430に記載のBET法に準じて測定されるBET比表面積である。シリカの窒素吸着比表面積は、より好ましくは210m/g以上であり、更に好ましくは230m/g以上である。窒素吸着比表面積の上限は、特に限定されず、例えば300m/g以下でもよく、250m/g以下でもよい。
シリカの配合量としては、ジエン系ゴム100質量部に対して、20~120質量部であることが好ましく、より好ましくは50~120質量部であり、更に好ましくは70~120質量部であり、90~120質量部でもよい。本実施形態では、主たる充填剤としてシリカを用いることが好ましく、すなわち、充填剤の50質量%超がシリカであることが好ましく、より好ましくは充填剤の70質量%超がシリカである。
充填剤としてはシリカ単独でもよいが、シリカとともにカーボンブラックを配合してもよい。カーボンブラックとしては、特に限定されず、公知の種々の品種を用いることができる。例えば、タイヤトレッドゴムに用いる場合、SAF級(N100番台)、ISAF級(N200番台)、HAF級(N300番台)、FEF級(N500番台)(ともにASTMグレード)のものが好ましく用いられる。これら各グレードのカーボンブラックは、いずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。カーボンブラックの配合量は、特に限定されず、ジエン系ゴム100質量部に対して、20質量部以下でもよく、5~15質量部でもよい。
本実施形態に係るゴム組成物には、下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルであってモノエステル及び/又はジエステルであるエーテルエステルが配合される。該エーテルエステルは、ポリオキシアルキレングリセリンのモノ脂肪酸エステル及び/又はジ脂肪酸エステルであり、そのエーテル部がシリカ表面に吸着することで、シリカの凝集が抑制されると考えられる。その結果、混練時の粘度の上昇が抑制される。特に窒素吸着比表面積が200m/g以上である上記の小粒径シリカは凝集しやすいが、本実施形態によれば該エーテルエステルの添加により、混練時の粘度を効果的に低減することができる。また、金属石鹸などの汎用の加工助剤に比べて、耐摩耗性と耐引き裂き性も改良可能となる。これは、該エーテルエステルの疎水部(アシル基の持つアルキル基)によるジエン系ゴムの可塑化効果と、親水部(エーテル部)によるシリカへの相互作用との相乗効果によるものと考えられる。
Figure 0006997644000002
式(1)中、R、R及びRはそれぞれ、水素原子、又は炭素数6~30の飽和もしくは不飽和のアルキル基を持つアシル基(即ち、アルキル基をRとして-COR)を表し、R、R及びRのうち、少なくとも1つはアシル基である。アシル基の持つアルキル基としては、直鎖でも分岐でもよく、その炭素数はより好ましくは6~25であり、更に好ましくは8~22であり、10~20でもよい。アシル基は1分子中に複数存在する場合、同一でも異なってもよい。
本実施形態では、式(1)で表されるポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルのうちモノエステル及び/又はジエステルを用いる。モノエステル及び/又はジエステルを用いることにより、加工性と耐摩耗性と耐引き裂き性の改良効果を高めることができ、トリエステルでは耐摩耗性の改良効果に劣る。モノエステルは、式(1)においてR、R及びRのうち1つがアシル基で2つが水素原子のものを主成分とするものであり、ジエステルは、式(1)においてR、R及びRのうち2つがアシル基で1つが水素原子のものを主成分とするものである。ここで、主成分とはモル比が最大の成分のことである。
ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルは、エステル化度に分布を有していてもよい。そのため、上記エーテルエステルには、上記の効果を損なわない範囲で、式(1)中のR、R及びRが全てアシル基であるもの及び/又は全て水素原子であるものが含まれてもよい。例えば、上記エーテルエステルの平均エステル化度は0.8~2.2でもよく、0.9~2.1でもよく、1.0~2.0でもよい。ここで、平均エステル化度とは、ポリオキシアルキレングリセリンの3つのヒドロキシル基の水素原子をアシル基により置換した数(エステル化度)の算術平均であり、すなわち、ポリオキシアルキレングリセリン1モルに対してエステル化した脂肪酸のモル数の比であり、最大で3である。ここで、平均エステル化度は13C-NMRを用いて算出される。
式(1)中、R、R及びRは、それぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基を表し、a、b及びcはそれぞれ独立にオキシアルキレン基の平均付加モル数を表す。R、R及びRは、より好ましくは、それぞれ独立に炭素数2又は3のアルキレン基を表す。R、R及びRのアルキレン基は直鎖状でも分岐状でもよい。RO、RO及びROで表されるオキシアルキレン基としては、それぞれオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などが挙げられる。式(1)における(RO)、(RO)及び(RO)は、それぞれ炭素数2~4のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)を付加重合させることにより得られるポリオキシアルキレン鎖である。アルキレンオキサイド等の重合形態は特に限定されず、単独重合体でも、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でもよい。
式(1)中の(RO)、(RO)及び(RO)は、主としてオキシエチレン基からなることが好ましく、(RO)、(RO)及び(RO)の60質量%以上がオキシエチレン基からなることが好ましい。すなわち、(RO)で表されるポリオキシアルキレン鎖と(RO)で表されるポリオキシアルキレン鎖と(RO)で表されるポリオキシアルキレン鎖は、これらの全体でオキシエチレン基を60質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは80質量%以上含むことであり、特に好ましくは100質量%、即ち下記一般式(2)で示されるようにオキシエチレン基のみからなることである。一実施形態として、(RO)、(RO)及び(RO)のそれぞれが60質量%以上のオキシエチレン基からなることが好ましい。
Figure 0006997644000003
式(2)中のR、R、R、a、b及びcは、式(1)のR、R、R、a、b及びcと同じである。
オキシアルキレン基の平均付加モル数を表すa、b及びcは、それぞれ1以上であることが好ましい。a,b,cの合計、即ちa+b+cは、3~60であることが好ましく、より好ましくは3~50であり、3~30でもよく、4~20でもよい。
上記エーテルエステルのHLB(親水親油バランス)は、特に限定されないが、6~13であることが好ましく、8~12でもよい。該エーテルエステルのHLBが6~13であることにより、上記の親水部によるシリカへの相互作用と疎水部によるジエン系ゴムへの相互作用とのバランスがよくなり、耐摩耗性や耐引き裂き性の改良効果を高めることができる。ここで、HLBは、下記のグリフィンの式により算出される値であり、値が大きいほど分子全体に占める親水部分の割合が多く、親水性が高いことを表す。
HLB=20×(親水部分の分子量)/(全体の分子量)
式中の親水部分の分子量とは、(RO)、(RO)及び(RO)で表されるポリオキシアルキレン鎖の分子量である。
上記エーテルエステルの配合量は、特に限定されるものではないが、ジエン系ゴム100質量部に対して、1~10質量部であることが好ましく、より好ましくは2~8質量部である。エーテルエステルの配合量が多すぎると、耐引き裂き性が低下し、耐摩耗性の向上効果が低下する傾向となるため、エーテルエステルの配合量は10質量部以下であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記成分の他に、シランカップリング剤、オイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
シランカップリング剤としては、スルフィドシランやメルカプトシランなどが挙げられる。シランカップリング剤の配合量は、特に限定されないが、シリカ配合量に対して2~20質量%であることが好ましい。
加硫剤としては、硫黄が好ましく用いられる。加硫剤の配合量は、特に限定するものではないが、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1~10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~5質量部である。また、加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、及びグアニジン系などの各種加硫促進剤が挙げられ、いずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫促進剤の配合量は、特に限定するものではないが、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1~7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、例えば、第一混合段階(ノンプロ練り工程)で、ジエン系ゴムに対し、シリカ及びエーテルエステルとともに、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階(プロ練り工程)で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合して未加硫のゴム組成物を調製することができる。
本実施形態に係るゴム組成物は、タイヤ用ゴム組成物として用いることができる。タイヤとしては、乗用車用タイヤ、トラックやバスの重荷重用タイヤなど各種用途及び各種サイズの空気入りタイヤが挙げられる。一実施形態に係る空気入りタイヤは、上記ゴム組成物からなるゴム部分を備えたものである。タイヤの適用部位としては、例えば、トレッドゴム、サイドウォールゴムなどが挙げられ、好ましくはトレッドゴムに用いることである。空気入りタイヤのトレッドゴムには、キャップゴムとベースゴムとの2層構造からなるものと、両者が一体の単層構造のものがあるが、接地面を構成するゴムに好ましく用いられる。すなわち、単層構造のものであれば、当該トレッドゴムが上記ゴム組成物からなり、2層構造のものであれば、キャップゴムが上記ゴム組成物からなることが好ましい。
空気入りタイヤの製造方法は、特に限定されない。例えば、上記ゴム組成物を、常法に従い、押出加工によって所定の形状に成形し、他の部品と組み合わせて未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を作製する。例えば、上記ゴム組成物を用いてトレッドゴムを作製し、他のタイヤ部材と組み合わせて未加硫タイヤを作製する。その後、例えば140~180℃で加硫成型することにより、空気入りタイヤを製造することができる。
以下、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[平均エステル化度の測定]
平均エステル化度は13C-NMRを用いて算出した。測定条件は、観測核:13C、観測周波数:100.648MHz、パルス幅:90℃、溶媒:CDCl、濃度:5質量%とした。算出法は下記の計算式を用いた。
エステル化度=(173.8ppm付近に現れるエステル炭素のピーク面積)/(78.3ppm付近に現れる下記炭素(I)のピーク面積)
Figure 0006997644000004
[エーテルエステルの合成]
実施例及び比較例で用いたエーテルエステル1~5を以下の方法により合成した。
[エーテルエステル1]
グリセリン(東京化成工業(株)製)10g(0.11モル)に、水酸化カリウム触媒0.1gを加え、110~120℃で撹拌しながらエチレンオキサイド(東京化成工業(株)製)29g(0.66モル)を圧入し、付加反応を行った。反応物をフラスコに移し、触媒の水酸化カリウムをリン酸で中和した。中和物からリン酸塩を濾別してポリオキシエチレン化合物36g(収率92質量%)を得た。得られたポリオキシエチレン化合物32g(0.09モル)とオレイン酸クロリド(東京化成工業(株)製)54g(0.18モル)をトリエチルアミン触媒下、THF溶媒中で反応させて、49gのエーテルエステル1(収率62質量%)を得た。エーテルエステル1は、式(2)で表されるポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルのジエステルである(a+b+c=6、アシル基:-COC1733、平均エステル化度=1.9、HLB=6)。
[エーテルエステル2]
グリセリン(東京化成工業(株)製)7.5g(0.08モル)に、水酸化カリウム触媒0.1gを加え、110~120℃で撹拌しながらエチレンオキサイド(東京化成工業(株)製)52.8g(1.2モル)を圧入し、付加反応を行った。反応物をフラスコに移し、触媒の水酸化カリウムをリン酸で中和した。中和物からリン酸塩を濾別してポリオキシエチレン化合物45g(収率75質量%)を得た。得られたポリオキシエチレン化合物40g(0.05モル)とオレイン酸クロリド(東京化成工業(株)製)15g(0.05モル)をトリエチルアミン触媒下、THF溶媒中で反応させて、35gのエーテルエステル2(収率70質量%)を得た。エーテルエステル2は、式(2)で表されるポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルのモノエステルである(a+b+c=15、アシル基:-COC1733、平均エステル化度=0.9、HLB=13)。
[エーテルエステル3]
グリセリン(東京化成工業(株)製)7.5g(0.08モル)に、水酸化カリウム触媒0.1gを加え、110~120℃で撹拌しながらエチレンオキサイド(東京化成工業(株)製)42g(0.96モル)を圧入し、付加反応を行った。反応物をフラスコに移し、触媒の水酸化カリウムをリン酸で中和した。中和物からリン酸塩を濾別してポリオキシエチレン化合物35g(収率71質量%)を得た。得られたポリオキシエチレン化合物30g(0.05モル)とラウロイルクロリド(東京化成工業(株)製)24g(0.11モル)をトリエチルアミン触媒下、THF溶媒中で反応させて、30gのエーテルエステル3(収率62質量%)を得た。エーテルエステル3は、式(2)で表されるポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルのジエステルである(a+b+c=12、アシル基:-COC1123、平均エステル化度=2.0、HLB=11)。
[エーテルエステル4]
グリセリン(東京化成工業(株)製)10g(0.11モル)に、水酸化カリウム触媒0.1gを加え、110~120℃で撹拌しながらエチレンオキサイド(東京化成工業(株)製)29g(0.66モル)を圧入し、付加反応を行った。反応物をフラスコに移し、触媒の水酸化カリウムをリン酸で中和した。中和物からリン酸塩を濾別してポリオキシエチレン化合物32g(収率83質量%)を得た。得られたポリオキシエチレン化合物30g(0.08モル)とステアロイルクロリド(東京化成工業(株)製)24g(0.08モル)をトリエチルアミン触媒下、THF溶媒中で反応させて、35gのエーテルエステル4(収率72質量%)を得た。エーテルエステル4は、式(2)で表されるポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルのモノエステルである(a+b+c=6、アシル基:-COC1735、平均エステル化度=1.0、HLB=9)。
[エーテルエステル5]
グリセリン(東京化成工業(株)製)5g(0.054モル)に、水酸化カリウム触媒0.1gを加え、110~120℃で撹拌しながらエチレンオキサイド(東京化成工業(株)製)64g(1.46モル)を圧入し、付加反応を行った。反応物をフラスコに移し、触媒の水酸化カリウムをリン酸で中和した。中和物からリン酸塩を濾別してポリオキシエチレン化合物50g(収率73質量%)を得た。得られたポリオキシエチレン化合物50g(0.04モル)とオレイン酸クロリド(東京化成工業(株)製)39g(0.13モル)をトリエチルアミン触媒下、THF溶媒中で反応させて、47gのエーテルエステル5(収率65質量%)を得た。エーテルエステル5は、式(2)で表されるポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルのトリエステルである(a+b+c=27、アシル基:-COC1733、平均エステル化度=3.0、HLB=13)。
[ゴム組成物の作製及び評価]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、ゴム成分に対し硫黄及び加硫促進剤を除く配合剤を添加し混練し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。
・SBR:JSR(株)製「SL563」
・カーボンブラック:三菱ケミカル(株)製「ダイアブラックN341」
・シリカ1:エボニック・デグサ社製「VN3」(NSA:160m/g)
・シリカ2:エボニック・デグサ社製「Ultrasil9000GR」(NSA:235m/g)
・シリカ3:ソルベイ社製「Zeosil Premium 200MP」(NSA:220m/g)
・シランカップリング剤:エボニック・デグサ社製「Si69」
・オイル:JX日鉱日石エネルギー(株)製「JOMOプロセスNC140」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1号」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS-20」
・加工助剤:ランクセス社製「アクチプラストPP」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
・加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
・加硫促進剤2:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
得られた各ゴム組成物について加工性を評価するとともに、160℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、耐引き裂き性と耐摩耗性を評価した。各測定・評価方法は以下の通りである。
・加工性:JIS K6300に準拠して東洋精機(株)製ロータレスムーニー測定機を用い、未加硫ゴムを100℃で1分間予熱後、4分後のトルク値をムーニー単位で測定し、測定値の逆数について、比較例2の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを意味する。
・耐引き裂き性:JIS K6252に準じて、クレセント形に打ち抜き、くぼみ中央に0.50±0.08mmの切れ込みを入れた試験片を用い、島津製作所製の引っ張り試験機により、500mm/分の引っ張り速度で引き裂き試験を行い、引き裂き力を測定し、比較例2の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど引き裂き力が高く、耐引き裂き性に優れることを意味する。
・耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用いて、荷重40N、スリップ率30%の条件で摩耗減量を測定し、測定値の逆数について、比較例2の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど摩耗減量が少なく、耐摩耗性に優れることを意味する。
Figure 0006997644000005
結果は表1に示す通りである。脂肪酸金属塩からなる加工助剤とともに汎用のシリカを配合した比較例1に対し、当該シリカを小粒径シリカに置換した比較例2では、耐引き裂き性及び耐摩耗性は改善したものの、加工性が大幅に悪化した。かかる比較例2に対し、上記加工助剤に代えてエーテルエステルを用いた実施例1~3では、加工性、耐引き裂き性及び耐摩耗性の全てで改良効果が認められた。一方、比較例3では、エーテルエステルとしてトリエステルを用いており、モノエステルやジエステルを用いた実施例5~7に比べて、耐摩耗性の改良効果が明らかに劣っていた。
シリカの配合量を120質量部とした場合も、脂肪酸金属塩からなる加工助剤を用いた比較例4に対し、エーテルエステルを用いた実施例4~6では、加工性、耐引き裂き性及び耐摩耗性の全てで改良効果が認められた。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム、窒素吸着比表面積が200m/g以上のシリカ、及び、下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルであって平均エステル化度が0.8~2.2であるモノエステル及び/又はジエステルであるエーテルエステルを含むタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0006997644000006
    式中、R、R及びRはそれぞれ、水素原子、又は炭素数6~30の飽和もしくは不飽和のアルキル基を持つアシル基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基を表し、a、b及びcはそれぞれ独立に平均付加モル数を表し、(RO)、(RO)及び(RO)の60質量%以上がオキシエチレン基からなる。
  2. 前記ジエン系ゴム100質量部に対して、前記シリカを20~120質量部含み、かつ、前記エーテルエステルを1~10質量部含む、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記エーテルエステルのHLBが6~13である、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤ。
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