JP2023077969A - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化亜鉛などの金属酸化物の量を低減ないし無配合にしつつ加硫戻りを抑制することができるゴム組成物を提供する。【解決手段】実施形態に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム、充填剤、及びシランカップリング剤を含み、前記ジエン系ゴムは40質量%以上の天然ゴムを含み、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、前記充填剤の含有量が30~200質量部、前記シランカップリング剤の含有量が5質量部以上であり、かつ、金属酸化物の含有量が0.5質量部未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物、及びそれを用いたタイヤに関する。
タイヤ、防振ゴム、コンベアベルト等に用いられるゴム組成物には、一般にゴム成分としてジエン系ゴムが用いられ、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤とともに、酸化亜鉛などの金属酸化物が配合されている。該ゴム組成物を加硫することにより加硫ゴムが形成される。かかる加硫機構において、酸化亜鉛などの金属酸化物は加硫促進助剤として働き、必要不可欠な成分として使用されている。
しかしながら、近年、酸化亜鉛などの金属酸化物は、環境汚染防止の観点から配合量を減らすことが要求されている。そこで、例えば特許文献1には、ゴム成分の50質量%以上を溶液重合スチレンブタジエンゴムとしたゴム組成物が開示されている。特許文献2には、ゴム成分の50質量%以上を分子末端が変性された溶液重合スチレンブタジエンゴムとしたゴム組成物が開示されている。また、特許文献3には、ゴム組成物中の亜鉛原子含有濃度が低くても加硫戻りを抑制することを目的として、2以上のチオール基を有するチアゾール誘導体を加硫剤とともにジエン系ゴムに配合することが開示されている。
特開2019-099709号公報 特開2019-099708号公報 特開2017-088789号公報
加硫促進助剤として必須の材料として使用されている酸化亜鉛などの金属酸化物は、ゴム組成物を高温で加硫する場合において加硫戻りを抑制するために有用である。そのため、酸化亜鉛の含有量を低減し又は酸化亜鉛を無配合にすると、加硫戻りが生じやすいという問題がある。
本発明の実施形態は、以上の点に鑑み、酸化亜鉛などの金属酸化物の量を低減ないし無配合にしつつ加硫戻りを抑制することができるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム、充填剤、及びシランカップリング剤を含み、前記ジエン系ゴムは40質量%以上の天然ゴムを含み、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、前記充填剤の含有量が30~200質量部、前記シランカップリング剤の含有量が5質量部以上であり、かつ、金属酸化物の含有量が0.5質量部未満である。ここで、金属酸化物の含有量が0.5質量部未満には、金属酸化物の含有量が0質量部である場合、すなわち、金属酸化物を含まない場合も包含される。
本発明の実施形態に係るタイヤは、上記ゴム組成物を用いて作製されたものである。
本発明の実施形態によれば、酸化亜鉛などの金属酸化物の量を低減ないし無配合にしつつ加硫戻りを抑制することができる。
実施形態に係るゴム組成物は、天然ゴムを40質量%以上含むジエン系ゴムと、充填剤と、シランカップリング剤とを含み、金属酸化物の含有量がジエン系ゴム100質量部に対して0.5質量部未満である。酸化亜鉛などの金属酸化物は加硫促進助剤として働き、金属酸化物の量を低減ないし無配合とすると、加硫により形成された結合が切断される加硫戻りが生じやすくなる。これに対し、ジエン系ゴム中の天然ゴム量を40質量%以上としたゴム組成物においてシランカップリング剤を配合することにより、加硫戻りの抑制効果を高めることができ、金属酸化物を通常通りの量で配合した場合と同等以上の加硫戻りの抑制効果が得られる。
実施形態に係るゴム組成物において、ゴム成分としてのジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)を40質量%以上含み、すなわち、ジエン系ゴム100質量部中、40質量部以上の天然ゴムを含む。ジエン系ゴムの全質量に対する天然ゴムの量は、50質量%以上でもよく、60質量%以上でもよく、70質量%以上でもよく、100質量%でもよい。
ジエン系ゴムとは、共役二重結合を持つジエンモノマーに対応する繰り返し単位を持つゴムをいい、ポリマー主鎖に二重結合を有する。ジエン系ゴムは、天然ゴム単独でもよいが、天然ゴムと他のジエン系ゴムを併用してもよい。他のジエン系ゴムとしては、特に限定されず、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン-イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン-イソプレン共重合体ゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム等、ゴム組成物において通常使用される各種ジエン系ゴムが挙げられる。これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、他のジエン系ゴムとしては、ブタジエンゴム又はスチレンブタジエンゴムの少なくとも一方を用いることが好ましい。なお、上記のジエン系ゴムには、必要に応じて末端を変性したもの(例えば、末端変性SBR)や、所望の特性を付与するべく改質したもの(例えば、改質NR)も、その概念に包含される。
一実施形態において、ジエン系ゴム100質量%は、天然ゴム40~80質量%(より好ましくは50~70質量%)と、スチレンブタジエンゴム及び/又はブタジエンゴム20~60質量%(より好ましくは30~50質量%)とを含んでもよい。他の一実施形態において、ジエン系ゴム100質量%は、天然ゴム40~80質量%(より好ましくは50~70質量%)と、スチレンブタジエンゴム10~55質量%(より好ましくは15~30質量%)と、ブタジエンゴム5~50質量%(より好ましくは10~20質量%)とを含んでもよい。
ゴム組成物に配合する充填剤としては、カーボンブラック及び/又はシリカを用いることが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、公知の種々の品種を用いることができる。具体的には、SAF級(N100番台)、ISAF級(N200番台)、HAF級(N300番台)、FEF級(N500番台)、GPF級(N600番台)(ともにASTMグレード)などが挙げられる。これら各グレードのカーボンブラックは、いずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
シリカとしては、特に限定されず、湿式シリカ、乾式シリカ等が挙げられる。好ましくは、湿式沈降法シリカ、湿式ゲル化法シリカなどの湿式シリカを用いることである。
充填剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、30~200質量部であることが好ましく、用途等に応じて適宜設定することができる。ジエン系ゴム100質量部に対する充填剤の含有量は、40~150質量部であることが好ましく、より好ましくは45~120質量部であり、50~100質量部でもよい。カーボンブラックの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、5~150質量部でもよく、10~120質量部でもよく、20~100質量部でもよく、30~80質量部でもよい。シリカの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、10~150質量部でもよく、20~120質量部でもよく、30~100質量部でよい。
一実施形態において充填剤はカーボンブラックを主成分としてもよい。すなわち、充填剤の全質量に対するカーボンブラックの量が50質量%超でもよく、70質量%以上でもよく、100質量%でもよい。この場合、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラック30~120質量部及びシリカ0~30質量部でもよく、カーボンブラック40~100質量部及びシリカ0~20質量部でもよい。
一実施形態において充填剤はシリカを主成分としてもよい。すなわち、充填剤の全質量に対するシリカの量が50質量%超でもよく、60質量%以上でもよく、70質量%以上でもよく、100質量%でもよい。この場合、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカ30~120質量部及びカーボンブラック5~50質量部でもよく、シリカ40~100質量部及びカーボンブラック5~20質量部でもよい。
本実施形態に係るゴム組成物にはシランカップリング剤が配合される。上記のように金属酸化物の量を低減ないし無配合とすると加硫戻りが生じやすくなるが、シランカップリング剤を配合することにより加硫戻りを抑制することができ、特に天然ゴムを多く含むゴム組成物であると、その効果をより一層高めることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエキトシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィドシランカップリング剤、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプトシランカップリング剤、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-プロピオニルチオプロピルトリメトキシシラン、3-ヘキサノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリメトキシシラン等のチオエステル基含有シランカップリング剤等が挙げられる。これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、シランカップリング剤としては、スルフィドシランカップリング剤を用いることが好ましく、加硫戻り抑制効果をより高めることができる。
シランカップリング剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して5質量部以上である。このように5質量部以上配合することにより、加硫戻りの抑制効果を高めることができ、加硫戻りによるゴム強度の低下を抑制することができる。シランカップリング剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して7質量部以上であることがより好ましい。加硫戻りを抑制するという観点では、シランカップリング剤の含有量の上限は特に限定されないが、強度低下を抑制する観点から、シランカップリング剤の含有量は、充填剤の含有量に対して40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下でもよい。一実施形態において、シランカップリング剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して5~20質量部でもよい。
一般にシランカップリング剤は充填剤としてシリカを用いた場合に併用されるが、本実施形態では、充填剤としてシリカを含まない場合にもシランカップリング剤を配合する。充填剤としてシリカを含む場合でも、シリカの含有量によらず、シランカップリング剤をジエン系ゴム100質量部に対して5質量部以上配合する。一実施形態において、シランカップリング剤は、シリカ100質量部に対して20質量部より多い量で、ゴム組成物に含まれてもよい。
本実施形態に係るゴム組成物においては、環境汚染防止の観点から、金属酸化物の含有量が、ジエン系ゴム100質量部に対して0.5質量部未満であり、より好ましくは0.2質量部未満であり、更に好ましくは0質量部、即ち金属酸化物を含まないことである。ここで、金属酸化物の含有量は、複数種の金属酸化物を含む場合、その合計量である。
金属酸化物とは、金属元素の酸化物であり、半金属元素を含む酸化物は金属酸化物には含まれない。ここで、金属元素は、周期表において、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、ビスマス(これらは半金属元素である。)を結ぶ線よりも左に位置する元素(但し、水素は除く。)である。金属酸化物として、代表的には酸化亜鉛が挙げられ、その他に、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等が挙げられる。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記成分の他に、例えば、オイル、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤が配合されてもよい。
老化防止剤としては、例えば、芳香族アミン系老化防止剤、アミン-ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤等が挙げられる。これらはいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。老化防止剤の含有量は、特に限定されず、例えばジエン系ゴム100質量部に対して0.5~10質量部でもよい。
加硫剤としては、硫黄が好ましく用いられ、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。加硫剤の含有量は、特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1~10質量部でもよく、0.5~5質量部でもよい。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、グアニジン系等の各種加硫促進剤が挙げられ、いずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫促進剤の配合量は、特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1~10質量部でもよく、0.5~5質量部でもよい。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。例えば、第一混合段階(ノンプロ練り工程)で、ジエン系ゴムに対し、充填剤、シランカップリング剤とともに、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を添加混合する。次いで、得られた混合物に、最終混合段階(プロ練り工程)で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合して未加硫のゴム組成物を調製することができる。
本実施形態に係るゴム組成物は、タイヤ、防振ゴム、コンベアベルトなどの各種ゴム部材に用いることができる。好ましくは、タイヤ用であり、乗用車用タイヤ、トラックやバスの大型タイヤなど各種用途、各種サイズの空気入りタイヤのトレッド、サイドウォール、ビード部などタイヤの各部位に適用することができる。
一実施形態において、上記ゴム組成物からなるゴム部分(例えば、トレッドゴム、サイドウォールゴム等)を含むタイヤは次のようにして製造される。ゴム組成物は、常法に従い、例えば押出加工によって所定の形状に成形される。得られた成形物を他の部品と組み合わせることでグリーンタイヤが作製される。該グリーンタイヤを例えば140~180℃で加硫成形することにより、空気入りタイヤを製造することができる。
以下、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で使用した各成分は以下の通りである。
・NR:天然ゴム「RSS#3」
・BR:ブタジエンゴム、宇部興産株式会社製「BR150B」
・SBR:スチレンブタジエンゴム(末端変性)、JSR株式会社製「HPR840」
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト3」
・シリカ:エボニックインダストリー社製「Ultrasil VN3」
・シランカップリング剤1:ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニック社製「Si69」
・シランカップリング剤2:ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、エボニック社製「Si75」
・シランカップリング剤3:3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、モメンティブ社製「NXT」
・オイル:JXTGエネルギー(株)製「プロセスNC-140」
・酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製「酸化亜鉛2種」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS-20」
・老化防止剤:住友化学(株)製「アンチゲン6C」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「5%油入粉末硫黄」
・加硫促進剤CBS:大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーCZ-G(CZ)」
・加硫促進剤DPG:大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーD」
実施例及び比較例における評価方法は以下の通りである。
(1)加硫戻り抑制指数
未加硫のゴム組成物について、JIS K6300-2:2013の条件に従って、175℃におけるレオメータカーブ(トルク)を測定し、下記式にて加硫戻り性を求め、さらにその逆数を算出した。表1では比較例1の加硫戻り性の逆数、表2では比較例4の加硫戻り性の逆数、表3では比較例7の加硫戻り性の逆数、表4では比較例10の加硫戻り性の逆数を、それぞれ100として、各実施例及び比較例の加硫戻り抑制指数を求めた。指数が大きいほど加硫戻りの抑制効果に優れることを示す。
加硫戻り性(%)=[(MH-M15)/(MH-ML)]×100
式中、MHはトルクの最大値を表す。MLはトルクの最小値を表す。M15は測定開始後から15分後のトルク値を表す。
(2)引張強度(M100)
未加硫のゴム組成物を175℃にて15分間加熱することにより加硫して得られたゴムサンプルを用いた。JIS3号ダンベルを使用して作製したサンプルについて、JIS K6251に準拠して、100%モジュラスM100(MPa)を測定した。表1では比較例1のM100、表2では比較例4のM100、表3では比較例7のM100、表4では比較例10のM100を、それぞれ100として、各実施例及び比較例の引張強度を指数表示した。指数が小さいほど加硫戻りによるゴム強度の低下が大きいことを示す。
[実施例1~4及び比較例1~3]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、天然ゴムに対し硫黄及び加硫促進剤を除く配合剤を添加し混練した(排出温度=150℃)。次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練した(排出温度=90℃)。これにより得られた各ゴム組成物について、加硫戻り抑制指数と引張強度(M100)の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2023077969000001
表1に示す例は、ジエン系ゴムがNR単独かつ充填剤がカーボンブラック単独である。この場合において、酸化亜鉛を配合した比較例1に対し、単に酸化亜鉛を排除した比較例2では加硫戻りが大きく、引張強度の低下も大きい。これに対し、シランカップリング剤を配合した実施例1~4では、酸化亜鉛を含まないにもかかわらず、酸化亜鉛を含む比較例1と同等レベルまで加硫戻りが抑制されており、比較例2で見られた引張強度の低下についても大幅に改善された。
[実施例5~9及び比較例4~6]
下記表2に示す配合(質量部)に従い、その他は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。得られた各ゴム組成物について、加硫戻り抑制指数と引張強度(M100)の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2023077969000002
表2に示す例は、ジエン系ゴムがNR/BR=50/50かつ充填剤がカーボンブラックとシリカの併用である。この場合においても、表1の場合と同様、シランカップリング剤を配合した実施例5~9では、酸化亜鉛を含まないにもかかわらず、酸化亜鉛を含む比較例4と同等レベルまで加硫戻りが抑制されており、比較例5で見られた引張強度の低下についても大幅に改善された。また、シランカップリング剤の種類について、同じ配合量で比較した場合、スルフィドシランカップリング剤を用いた方が加硫戻り抑制効果及び引張強度の改善効果ともに大きい傾向が見られた。
[実施例10~13及び比較例7~9]
下記表3に示す配合(質量部)に従い、その他は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。得られた各ゴム組成物について、加硫戻り抑制指数と引張強度(M100)の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2023077969000003
表3に示す例は、ジエン系ゴムがNR/BR/SBR=60/20/20かつ充填剤がカーボンブラックとシリカの併用である。この場合においても、表1の場合と同様、シランカップリング剤を配合した実施例10~13では、酸化亜鉛を含まないにもかかわらず、酸化亜鉛を含む比較例7と同等レベルまで加硫戻りが抑制されており、比較例8で見られた引張強度の低下についても大幅に改善された。
[実施例14~18及び比較例10~12]
下記表4に示す配合(質量部)に従い、その他は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。得られた各ゴム組成物について、加硫戻り抑制指数と引張強度(M100)の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2023077969000004
表4に示す例は、ジエン系ゴムがNR/BR/SBR=40/10/50かつ充填剤がカーボンブラックとシリカの併用である。この場合においても、表1の場合と同様、シランカップリング剤を配合した実施例14~18では、酸化亜鉛を含まないにもかかわらず、酸化亜鉛を含む比較例10と同等レベルまで加硫戻りが抑制されており、比較例11で見られた引張強度の低下についても大幅に改善された。
なお、明細書に記載の種々の数値範囲は、それぞれそれらの上限値と下限値を任意に組み合わせることができ、それら全ての組み合わせが好ましい数値範囲として本明細書に記載されているものとする。また、「X~Y」との数値範囲の記載は、X以上Y以下を意味する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム、充填剤、及びシランカップリング剤を含み、
    前記ジエン系ゴムは40質量%以上の天然ゴムを含み、
    前記ジエン系ゴム100質量部に対して、前記充填剤の含有量が30~200質量部、前記シランカップリング剤の含有量が5質量部以上であり、かつ、金属酸化物の含有量が0.5質量部未満である、ゴム組成物。
  2. 前記シランカップリング剤がスルフィドシランカップリング剤を含む、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記シランカップリング剤の含有量が前記充填剤の含有量に対して40質量%以下である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて作製されたタイヤ。
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