JP6420196B2 - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ゴム組成物の製造方法に関し、また該方法により得られたゴム組成物及び空気入りタイヤに関するものである。
従来、ゴム組成物には、充填剤としてシリカを配合する場合があり、シリカの分散性を向上するためにシランカップリング剤が併用されている。シランカップリング剤としては、スルフィドシランが一般的であるが、メルカプトシランを用いることも知られている。
一方、ゴム組成物に、N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドを配合することが知られている(特許文献1〜3参照)。従来、この化合物は加硫遅延剤として配合されており、そのため、硫黄や加硫促進剤とともにプロ練り工程で添加されている。より詳細には、一般にゴム組成物の製造工程は、ジエン系ゴムに充填剤とともに加硫系以外の配合剤を添加して混合するノンプロ練り工程と、それにより得られた混合物に加硫系配合剤として加硫剤と加硫促進剤を添加して混合するプロ練り工程からなる。加硫遅延剤は、加硫系の配合剤としてプロ練り工程で添加されており、特許文献1にも、シリカ配合のゴム組成物において、加硫遅延剤としてのN−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドを、硫黄及び加硫促進剤とともにプロ練り工程で添加することが開示されている。
特表2014−517115号公報 特開2013−133390号公報 特表2008−524104号公報
ところで、メルカプトシランカップリング剤を配合したシリカ配合のゴム組成物には、未加硫段階でのゴム粘度の経時変化が大きいという問題がある。このように未加硫ゴム粘度の経時変化が大きいと、タイヤ等のゴム製品を製造する際の加工安定性が損なわれたり、製品の性能ばらつきの要因となったりする。そのため、未加硫ゴム粘度の経時変化を抑えることが求められる。
本発明は、以上の点に鑑み、メルカプトシランカップリング剤を配合したシリカ配合のゴム組成物における未加硫ゴム粘度の経時変化を抑えることを目的とする。
本発明者は、メルカプトシランカップリング剤を配合したシリカ配合のゴム組成物において、N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドを、プロ練り工程ではなく、ノンプロ練り工程で添加することにより、意外にも上記課題が解決されることを見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。
すなわち、本発明に係るゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴムに、シリカと、メルカプトシランカップリング剤と、N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドを混合するノンプロ練り工程と、前記ノンプロ練り工程で得られた混合物に、加硫剤と加硫促進剤を添加し混合するプロ練り工程と、を含むものである。
本発明に係るゴム組成物は、該製造方法により得られたものである。本発明に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を用いてなるものである。
本発明によれば、ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプトシランカップリング剤と、N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドとを、ノンプロ練り工程で混合することにより、未加硫ゴム粘度の経時変化を抑えることができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物の製造方法は、ノンプロ練り工程で、ジエン系ゴムに、シリカと、メルカプトシランカップリング剤と、N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミド(以下、スルホンアミド化合物ということがある。)を混合した後、得られたノンプロゴム混合物に、プロ練り工程で、加硫剤と加硫促進剤を添加し混合することを特徴とするものである。
このように、本実施形態では、スルホンアミド化合物をノンプロ練り工程で添加することにより、メルカプトシランカップリング剤の分散性を高めて当該カップリング剤とシリカとの反応量を高めることができるものと推測される。そのため、未加硫ゴム粘度の経時変化を抑制することができるとともに、低発熱性能や耐疲労性の向上も図ることができる。従来、スルホンアミド化合物は加硫遅延剤としてプロ練り工程で添加されており、ノンプロ練り工程で添加することにより上記のような効果が奏されることは予想外であった。この点について詳述すると、一般に加硫遅延剤は、ごく少量の添加により加硫速度を遅延させるものであるため、生産性が損なわれないように、厳密に反応量を制御して添加することが求められる。そのため、加硫遅延剤は加硫剤や加硫促進剤とともにプロ練り工程で添加されている。ノンプロ練り工程では、シリカ等のフィラー表面に吸着され、一部が失活して添加量通りの遅延効果が発揮されないためである。従って、加硫遅延剤として公知のスルホンアミド化合物を添加する場合もプロ練り工程で添加するのが当業者の技術常識であるといえる。本実施形態は、かかる技術常識に反してなされたのであり、スルホンアミド化合物の新たな用途を見出したものである。
本実施形態において、ゴム成分としてのジエン系ゴムとしては、特に限定されない。使用可能なジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができる。より好ましくは、NR、SBR、BR、又はこれらの2種以上のブレンドゴムである。
ジエン系ゴムとしては、また、上記で列挙したものの分子末端又は分子鎖中において、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基、スズ含有基、及びハロゲンからなる群から選択された少なくとも1種の官能基が導入されることで、当該官能基により変性された変性ジエン系ゴムを用いてもよい。これらの官能基は、シリカ表面のシラノール基と相互作用(反応性、親和性)があるものであり、シリカの分散性向上に寄与する。これらの官能基の中でも、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基及びアルコキシシリル基などの、酸素原子を含む官能基が好ましい。変性ジエン系ゴムとしては、変性SBR及び/又は変性BRが好ましい。本実施形態のゴム組成物において、ジエン系ゴムは、変性ジエン系ゴム単独でもよく、変性ジエン系ゴムと未変性のジエン系ゴムとのブレンドでもよい。一実施形態において、ゴム成分としてのジエン系ゴムは、ジエン系ゴム100質量部中、変性SBRを30質量部以上含むものでもよく、変性SBRを50〜90質量部と他のジエン系ゴム(例えば、BR及び/又はNR)を50〜10質量部含むものでもよい。
本実施形態において、フィラーとしてのシリカとしては、特に限定されないが、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカが好ましく用いられる。シリカのコロイダル特性は特に限定しないが、BET法による窒素吸着比表面積(BET)が90〜250m2/gであるものが好ましく用いられ、より好ましくは150〜230m2/gである。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に準拠し測定される。
シリカの配合量は、特に限定されず、ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜150質量部でもよく、20〜120質量部でもよく、30〜100質量部でもよい。
本実施形態において、充填剤としては、シリカ単独でもよく、シリカとカーボンブラックを併用してもよい。カーボンブラックを併用する場合、その配合量は特に限定されず、ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜50質量部でもよく、10〜40質量部でもよい。また、シリカとカーボンブラックの合計量で、ジエン系ゴム100質量部に対して、20〜180質量部でもよく、30〜130質量部もよい。
本実施形態において、メルカプトシランカップリング剤としては、シリカ表面の水酸基と反応し得るアルコキシ基と、ジエン系ゴムと反応し得る官能基としてメルカプト基(−SH)を有するカップリング剤であれば特に限定されない。具体的には、下記一般式(1)で表されるものが好ましく用いられる。
(R1m(R2nSi−R3−SH …(1)
式中、R1は、炭素数1〜3のアルコキシ基であり、より好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。R2は、炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基又はアルキルポリエーテル基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルケニル基、又は、−O−(R4−O)k−R5(ここで、R4は、炭素数1〜4、好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基であり、R5は、炭素数1〜16、好ましくは炭素数10〜16のアルキル基であり、k=1〜20、好ましくは2〜10である。)で表されるアルキルポリエーテル基である。R3は、炭素数1〜16のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。m=1〜3、m+n=3である。R2がアルキルポリエーテル基の場合、mが1又は2であることが好ましい。なお、R1,R2は、それぞれ1分子中に複数有する場合、それらは同一でも異なってもよい。
一般式(1)で表されるメルカプトシランカップリング剤の具体例としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシラン、及びエボニック・デグサ社製「VP Si363」(R1:OC25、R2:O(C24O)k−C1327、R3:−(CH23−、m=平均1、n=平均2、k=平均5)などが好ましいものとして挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
メルカプトシランカップリング剤としては、一般式(1)で表されるものには限定されない。一般式(1)以外の、シリカ表面の水酸基と反応し得るアルコキシ基と、ジエン系ゴムと反応し得る官能基としてメルカプト基(−SH)を有するシランカップリング剤の具体例としては、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル製「NXT−Z」が挙げられる。
メルカプトシランカップリング剤の配合量は、特に限定されないが、シリカの分散性改良による低発熱性能の改善効果を高めるという点より、シリカ100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜15質量部であり、5〜13質量部でもよい。
本実施形態に係るゴム組成物において、N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドの配合量は、特に限定されないが、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは、0.2〜8質量部であり、0.3〜5質量部でもよい。
本実施形態において、加硫剤としては、特に限定されないが、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄が挙げられ、これらはそれぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫剤の配合量は、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部でもよく、0.5〜5質量部でもよい。
本実施形態において、加硫促進剤としては、特に限定されず、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DPBS)などのスルフェンアミド系; テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)などのチウラム系; 1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)、1,3−ジ−o−トリルグアニジン(DOTG)などのグアニジン系; ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)などのチアゾール系; N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素等のチオウレア系などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。一実施形態として、加硫促進剤は、スルフェンアミド系加硫促進剤及びグアニジン系加硫促進剤からなる群から選択される少なくとも一種でもよい。加硫促進剤の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本実施形態において、ゴム組成物には、上記成分の他に、プロセスオイルなどの軟化剤、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックスなど、通常ゴム工業で使用される各種添加剤を配合することができる。
本実施形態に係る製造方法によれば、第1工程としてのノンプロ練り工程において、ジエン系ゴムに、シリカと、メルカプトシランカップリング剤と、スルホンアミド化合物を添加し、混合(混練)する。各成分の配合量は、上記の通りに設定することが好ましい。ノンプロ練り工程では、更に、カーボンブラック等の他の充填剤、軟化剤、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックスなどの添加剤を添加し混合することができる。但し、加硫剤及び加硫促進剤は添加せずに混合する。
ノンプロ練り工程は、密閉式混練機であるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混練機を用いて行うことができる。混練機に、ジエン系ゴムを投入するとともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く上記各成分を投入して、混練りを行う。混練すると、剪断による発熱で温度が上昇するので、所定の排出温度にて混合物(ノンプロゴム混合物)を混練機から排出する。
ノンプロ練り工程における混合温度の上限(即ち、混練機からの排出温度)は、特に限定されず、例えば、130〜180℃でもよい。シリカとメルカプトシランカップリング剤との反応を促進するため、混合温度の上限は、より好ましくは140〜180℃であり、更に好ましくは150〜170℃である。なお、混合時間については、基本的には排出温度で制御されるため、特に限定されないが、30〜300秒間であることが好ましい。混練機から排出されたノンプロゴム混合物は、通常、常温下に放置することで冷却される。
本実施形態に係る製造方法によれば、次いで、最終混合工程としてのプロ練り工程において、上記ノンプロゴム混合物に、加硫剤及び加硫促進剤を添加し混合(混練)する。各成分の配合量は、上記の通りに設定することが好ましい。なお、プロ練り工程では、本実施形態の効果を損なわない限り、加硫剤と加硫促進剤以外の添加剤を配合してもよい。
プロ練り工程は、例えば、オープンロールやバンバリーミキサー等の混練機を用いて常法に従い行うことができる。すなわち、混練機に、ノンプロゴム混合物を投入するとともに、加硫剤及び加硫促進剤を投入して、混練りを行い、所定の排出温度で混合物を混練機から排出する。プロ練り工程における混合温度の上限(即ち、混練機からの排出温度)は、加硫剤及び加硫促進剤の反応を抑えるために、例えば、70〜110℃であることが好ましく、より好ましくは80〜100℃である。
なお、ノンプロ練り工程は、単一の混合工程としてもよいが、混合と排出を繰り返す複数の混合工程に分けて実施してもよい。また、ノンプロ練り工程とプロ練り工程との間に、添加剤を添加せずに混練りのみを行うリミル工程を実施してもよい。
このようにして得られたゴム組成物は、その用途は特に限定されず、乗用車用、トラックやバスなどの重荷重用など、各種用途及びサイズの空気入りタイヤにおいて、トレッド部やサイドウォール部などの各部位に適用することができる。すなわち、本実施形態に係るゴム組成物は、常法に従い、例えば、押出加工によって所定の形状に成形され、他の部品と組み合わせてグリーンタイヤを作製した後、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、空気入りタイヤを製造することができる。好ましくは、タイヤのトレッドゴム及び/又はサイドウォールゴムに用いることであり、一実施形態に係る空気入りタイヤは、上記ゴム組成物からなるトレッド及び/又はサイドウォールを備えたものである。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例で使用した原材料は以下の通りである。
・変性SBR:アルコキシル基及びアミノ基末端変性溶液重合SBR、JSR(株)製「HPR350」
・SBR:JSR(株)製「SBR1502」
・NR:RSS3号
・BR:宇部興産(株)製「BR150B」
・シリカ:エボニック・デグサ社製「Ultrasil VN3」(BET:175m2/g)
・カーボンブラック:HAF、東海カーボン(株)製「シースト3」
・オイル:JX日鉱日石エネルギー(株)製「プロセスNC140」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華3号」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・ワックス:日本精鑞(株)製「OZOACE0355」
・シランカップリング剤1:エボニック・デグサ社製「VP Si363」
・シランカップリング剤2:東京化成工業(株)製「3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン
・スルホンアミド化合物:N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミド、LANXESS社製「Vulkalent E/C」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
・加硫促進剤1:DPG、大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
・加硫促進剤2:CBS、住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
[第1実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第1工程(ノンプロ練り工程)で、ジエン系ゴムに対し、同工程の欄に記載の各成分を添加し混合し、排出温度=160℃にてバンバリーミキサーから排出し、常温下で放置することよりノンプロゴム混合物を冷却した。次いで、第2工程(プロ練り工程)で、ノンプロゴム混合物をバンバリーミキサーに投入し、同工程の欄に記載の各成分を添加し混合し、排出温度=100℃にてバンバリーミキサーから排出し、タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。
得られた各ゴム組成物について、加工安定性を評価するとともに、混合工程終了1日経過後の未加硫ゴム組成物を用いて150℃×30分で加硫した試験片を作製し、低発熱性能と耐疲労性と評価した。各評価方法は、以下の通りである。
・低発熱性能:JIS K6394に準じて、加硫した試験片について、温度50℃、静歪み5%、動歪み1%、周波数50Hzの条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、低発熱性能(低燃費性)に優れることを意味する。
・耐疲労性:JIS K6260に準拠し、加硫した試験片について、デマチャ試験機を用い、亀裂が成長して破断するまでの回数を測定し、比較例1の当該回数を100とする指数で表示した。数値が大きいほど耐疲労性に優れることを示す。
・加工安定性:混合工程終了1日経過後と7日経過後の未加硫ゴム組成物について、それぞれムーニー粘度(ML(1+4))をJIS K6300に準じて、100℃にて測定し、次式で加工安定性を表した。値が100に近いほど良好な加工安定性を示す。
加工安定性=100×(7日経過後のムーニー粘度)/(1日経過後のムーニー粘度)
結果は、表1に示す通りであり、メルカプトシランカップリング剤を配合した比較例1では、未加硫ゴム粘度の経時変化が大きかった。かかる比較例1に対し、スルホンアミド化合物をプロ練り工程で添加した比較例2〜4では、未加硫ゴム粘度の経時変化が大きいままであり、加工安定性の改善効果は得られなかった。比較例3に対し、プロ練り工程でメルカプトシランカップリング剤を配合した比較例5では、加工安定性の改善効果が得られないだけでなく、低発熱性能及び耐疲労性についても悪化していた。これに対し、スルホンアミド化合物をノンプロ練り工程で添加した実施例1〜4では、未加硫ゴム粘度の経時変化が小さく、加工安定性が顕著に改善されていた。また、ノンプロ練り工程においてメルカプトシランカップリング剤の分散性が向上したためか、低発熱性能と耐疲労性についても、比較例1に対して顕著な向上効果が認められた。
Figure 0006420196
[第2実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合(質量部)に従い、第1実施例と同様の第1工程及び第2工程を実施してゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物について、加工安定性を評価するとともに、混合工程終了1日経過後の未加硫ゴム組成物を用いて150℃×30分で加硫した試験片を作製し、低発熱性能と耐疲労性と評価した。各評価方法は、第1実施例と同じであるが、低発熱性能と耐疲労性についてはともに比較例6の値を100とした指数で示した。
結果は、表2に示す通りである。第2実施例ではゴム成分とシランカップリング剤の種類を変更したが、第1実施例と同様、スルホンアミド化合物をノンプロ練り工程で添加した実施例5では、未加硫ゴム粘度の経時変化が小さく、加工安定性が顕著に改善されており、また、低発熱性能と耐疲労性についても、比較例6に対して顕著な向上効果が認められた。
Figure 0006420196

Claims (3)

  1. ジエン系ゴムに、シリカと、メルカプトシランカップリング剤と、N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドを混合するノンプロ練り工程と、
    前記ノンプロ練り工程で得られた混合物に、加硫剤と加硫促進剤を添加し混合するプロ練り工程と、
    を含むゴム組成物の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法により得られたゴム組成物。
  3. 請求項2記載のゴム組成物を用いてなる空気入りタイヤ。
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