JP2022181694A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性を向上する。【解決手段】実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム、充填剤、及び、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの脂肪酸エステルを含み、充填剤の50質量%以上がカーボンブラックである。ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの脂肪酸エステルとしてはHLBが13以下のものが好ましく用いられる。実施形態に係るタイヤは、該タイヤ用ゴム組成物を含むものである。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いたタイヤに関する。
タイヤ用ゴム組成物において界面活性剤を配合することが知られている。例えば、特許文献1には、シリカ配合のゴム組成物において、新規シランカップリング剤を用いて低燃費性、耐摩耗性、ウェット性能、操縦安定性をバランス良く改善するとともに、ポリオキシアルキレン誘導体などの界面活性剤を配合することにより充填剤の分散を促進し、経時劣化による変色を防ぐことが開示されている。
特許文献2には、優れた耐破壊力、耐摩耗性及び氷上性能を得るために、ジエン系ゴム成分に非イオン系エステル型界面活性剤などの界面活性剤を短繊維とともに配合すること、及び、界面活性剤を配合することにより短繊維の分散性を向上させることが開示されている。
特許文献3には、シリカ配合のゴム組成物において加工性と耐摩耗性を改良するために、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルのモノエステル及び/又はジエステルを配合することが開示されている。
特開2016-151018号公報 国際公開第2017/069273号 特開2019-131696号公報
一般にゴム組成物において界面活性剤は、シリカなどの親水性の高い充填剤の分散性向上のために配合されており、分散性の良好なカーボンブラックを主たる充填剤とした配合に用いて性能が向上することは知られていなかった。
本発明者は、カーボンブラックを主たる充填剤とした配合において、特定の界面活性剤であるポリオキシアルキレングリセリルエーテルの脂肪酸エステルを用いることにより、耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性を向上することを見出した。すなわち、本発明の実施形態は、カーボンブラックを主たる充填剤とした配合において、耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性を向上することができるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いたタイヤを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム、充填剤、及び、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの脂肪酸エステルを含み、前記充填剤の50質量%以上がカーボンブラックである。
本発明の実施形態に係るタイヤは、上記タイヤ用ゴム組成物を含むものである。
本発明の実施形態によれば、カーボンブラックを主たる充填剤とするカーボンブラック配合のゴム組成物において、上記ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの脂肪酸エステルを配合することにより、耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性を向上することができる。
本実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物(以下、ゴム組成物ともいう。)は、ジエン系ゴムに、充填剤と、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの脂肪酸エステルを配合してなるものである。
ゴム成分としてのジエン系ゴムとしては、特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン-イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン-イソプレン共重合体ゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム等、ゴム組成物において通常使用される各種ジエン系ゴムが挙げられる。これらのジエン系ゴムは、いずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
好ましい一実施形態に係るジエン系ゴムは、天然ゴム、ブタジエンゴム、及びスチレンブタジエンゴムからなる群から選択される少なくとも1種を含むことであり、より好ましくは、少なくとも天然ゴムを含むことである。例えば、ジエン系ゴム100質量部は、天然ゴム60質量部以上100質量部以下とブタジエンゴム0質量部以上40質量部以下を含むものでもよい。
充填剤は、本実施形態ではカーボンブラックを主成分とする。すなわち、充填剤100質量%に占めるカーボンブラックの比率は50質量%以上である。該カーボンブラックの比率が50質量%以上であることにより、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの脂肪酸エステルとの併用によって、耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性において優れた向上効果が得られる。該カーボンブラックの比率は、50質量%超であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上であり、100質量%でもよい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、公知の種々の品種を用いることができる。例えば、SAF級(N100番台)、ISAF級(N200番台)、HAF級(N300番台)、FEF級(N500番台)(ともにASTMグレード)のものが好ましく用いられる。これら各グレードのカーボンブラックは、いずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)(JIS K6217-2)は、特に限定されず、例えば、30~200m/gでもよく、70~150m/gでもよく、100~130m/gでもよい。
充填剤の配合量は、特に限定されず、ジエン系ゴム100質量部に対して、20~100質量部でもよく、25~80質量部でもよく、30~60質量部でもよい。カーボンブラックの配合量は、全充填剤の50質量%以上であれば特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して15~100質量部でもよく、15~70質量部でもよく、20~50質量部でもよい。
充填剤としてはカーボンブラック単独でもよいが、カーボンブラックとともにシリカを配合してもよい。シリカの配合量は、特に限定されず、ジエン系ゴム100に対して30質量部以下でもよく、25質量部以下でもよく、5~20質量部でもよい。
本実施形態に係るゴム組成物には、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの脂肪酸エステル(以下、エーテルエステルということがある。)が配合される。カーボンブラック配合にエーテルエステルを配合することにより、その親水部及び疎水部がジエン系ゴム及びカーボンブラックと相互作用して耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性を向上することができる。
エーテルエステルとしては、下記一般式(1)で表されるものが好ましく用いられる。
Figure 2022181694000001
式(1)中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数6~30の脂肪族アシル基(即ち、脂肪族炭化水素基をRとして-COR)を表し、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素数2~4のアルキレン基を表し、a,b及びcはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表す。
、R及びRについて、脂肪族アシル基の持つ脂肪族炭化水素基としては、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは、R、R及びRが不飽和の脂肪族炭化水素基を持つ脂肪族アシル基を含むこと、すなわち、エーテルエステルがその構成脂肪酸に不飽和脂肪酸を含むことであり、構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸の含有率は50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは70モル%以上である。脂肪族アシル基の炭素数は、より好ましくは8~25であり、さらに好ましくは10~22であり、12~20でもよい。
エーテルエステルは、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルのうち、モノエステル又はジエステルを用いることが好ましい。例えば、式(1)で表されるエーテルエステルにおいて、モノエステルはR、R及びRのうち1つが脂肪族アシル基で2つが水素原子のものを主成分とするものであり、ジエステルはR、R及びRのうち2つが脂肪族アシル基で1つが水素原子のものを主成分とするものである。ここで、主成分とはモル比が最大の成分のことである。
エーテルエステルは、エステル化度に分布を有してもよい。脂肪酸エステルというためにはR、R及びRのうち少なくとも1つは脂肪族アシル基であるといえるが、このようにエステル化度に分布を有する場合、モノエステルといえどもR、R及びRが全て水素原子であるものが含まれることがあり、そのような態様も含まれる。エーテルエステルの平均エステル化度は、特に限定されず、例えば0.5~2.5でもよいが、モノエステル又はジエステルが好ましいことから、平均エステル化度は0.8~2.2であることが好ましく、より好ましくは0.9~2.1であり、更に好ましくは1.0~2.0である。ここで、平均エステル化度とは、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの3つのヒドロキシル基の水素原子を脂肪族アシル基により置換した数(エステル化度)の算術平均であり、すなわち、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル1モルに対してエステル化した脂肪酸のモル数の比であり、最大で3である。ここで、平均エステル化度は13C-NMRを用いて算出される。
式(1)中、R、R及びRは、それぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基を表し、a、b及びcはそれぞれ独立にアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表す。R、R及びRは、より好ましくは、それぞれ独立に炭素数2又は3のアルキレン基を表す。R、R及びRのアルキレン基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。RO、RO及びROで表されるオキシアルキレン基としては、それぞれオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などが挙げられる。
式(1)における(RO)、(RO)及び(RO)は、それぞれ炭素数2~4のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)を付加重合させることにより得られるポリオキシアルキレン鎖である。アルキレンオキサイド等の重合形態は特に限定されず、単独重合体でも、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でもよい。
式(1)中の(RO)、(RO)及び(RO)は、主としてオキシエチレン基からなることが好ましく、(RO)、(RO)及び(RO)の60質量%以上がオキシエチレン基からなることが好ましい。すなわち、(RO)で表されるポリオキシアルキレン鎖と(RO)で表されるポリオキシアルキレン鎖と(RO)で表されるポリオキシアルキレン鎖は、これらの全体でオキシエチレン基を60質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは80質量%以上含むことであり、特に好ましくは100質量%、即ち下記一般式(2)で示されるようにオキシエチレン基のみからなることである。一実施形態として、(RO)、(RO)及び(RO)のそれぞれが60質量%以上のオキシエチレン基からなることが好ましい。
Figure 2022181694000002
式(2)中のR、R、R、a、b及びcは、式(1)のR、R、R、a、b及びcと同じである。
オキシアルキレン基の平均付加モル数を表すa、b及びcは、それぞれ1以上であることが好ましい。a,b,cの合計、即ちa+b+cは、3~60であることが好ましく、より好ましくは3~50であり、3~30でもよく、4~20でもよい。
エーテルエステルのHLB(親水親油バランス)は13以下であることが好ましい。HLBが13であることにより、当該化合物の疎水部によるジエン系ゴム及びカーボンブラックとの相互作用のバランスが良くなり、カーボンブラック配合における耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性への向上効果を高めることができる。エーテルエステルのHLBは、3~13であることが好ましく、より好ましくは5~12であり、更に好ましくは7~10である。
ここで、HLBは、下記のグリフィンの式により算出される値であり、値が大きいほど分子全体に占める親水部分の割合が多く、親水性が高いことを表す。
HLB=20×(親水部分の分子量)/(全体の分子量)
式中の親水部分の分子量とは、(RO)、(RO)及び(RO)で表されるポリオキシアルキレン鎖の分子量である。
エーテルエステルの配合量は、特に限定されないが、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.5~10質量部であることが好ましく、より好ましくは1~8質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記成分の他に、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、オイル、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。充填剤としてカーボンブラックとともにシリカを併用する場合、シランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤の配合量は、シリカ配合量に対して2~20質量%であることが好ましい。
加硫剤としては、硫黄が好ましく用いられる。加硫剤の配合量は、特に限定するものではないが、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1~10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~5質量部である。また、加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、及びグアニジン系などの各種加硫促進剤が挙げられ、いずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫促進剤の配合量は、特に限定するものではないが、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1~7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、例えば、第一混合段階(ノンプロ練り工程)で、ジエン系ゴムに対し、充填剤及びエーテルエステルとともに、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階(プロ練り工程)で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合して未加硫のゴム組成物を調製することができる。
本実施形態に係るゴム組成物は、タイヤ用ゴム組成物として用いることができる。タイヤとしては、乗用車用タイヤ、トラックやバスの重荷重用タイヤなど各種用途及び各種サイズの空気入りタイヤが挙げられる。一実施形態に係るタイヤは、上記ゴム組成物からなるゴム部分を備えたものである。タイヤの適用部位としては、例えば、トレッドゴム、サイドウォールゴムなどが挙げられ、好ましくはトレッドゴムに用いることである。
空気入りタイヤのトレッドゴムには、キャップゴムとベースゴムとの2層構造からなるものと、両者が一体の単層構造のものがある。単層構造のものでは、当該トレッドゴムを上記ゴム組成物で形成してもよい。2層構造のものでは、キャップゴムを上記ゴム組成物で形成してもよく、ベースゴムを上記ゴム組成物で形成してもよい。
空気入りタイヤの製造方法は、特に限定されない。例えば、上記ゴム組成物を、常法に従い、押出加工によって所定の形状に成形し、他の部品と組み合わせて未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を作製する。例えば、上記ゴム組成物を用いてトレッドゴムを作製し、他のタイヤ部材と組み合わせて未加硫タイヤを作製する。その後、例えば140~180℃で加硫成型することにより、空気入りタイヤを製造することができる。
なお、上述した配合量や炭素数、平均エステル化度、平均付加モル数、HLBをはじめとする種々の数値範囲は、それぞれそれらの上限値と下限値を任意に組み合わせることができ、それら全ての組み合わせが好ましい数値範囲として本明細書に記載されているものとする。
以下、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[平均エステル化度の測定方法]
平均エステル化度は13C-NMRを用いて算出した。測定条件は、観測核:13C、観測周波数:100.648MHz、パルス幅:90℃、溶媒:CDCl、濃度:5質量%とした。算出法は下記の計算式を用いた。
エステル化度=(173.8ppm付近に現れるエステル炭素のピーク面積)/(78.3ppm付近に現れる下記炭素(I)のピーク面積)
Figure 2022181694000003
[実施例1~6,比較例1]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、ゴム成分に対し硫黄及び加硫促進剤を除く配合剤を添加し混練し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。表1中の「CB比率」は、充填剤に占めるカーボンブラックの比率(質量%)である。表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。
・天然ゴム:RSS#3
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト6」(NSA=119m/g)
・シリカ: EVONIK社製「Ultrasil VN3」
・シランカップリング剤:EVONIK社製「Si69」
・酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製「酸化亜鉛2種」
・ステアリン酸:日油(株)製「ビーズステアリン酸」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・加硫促進剤:三新化学工業(株)製「サンセラーNS-G」
・硫黄:鶴見化学工業(株)「粉末硫黄」
・エーテルエステルA:式(2)で表されるポリオキシエチレングリセリルエーテルの脂肪酸エステル(モノエステル)。特開2019-131696号公報の[0040]に記載の方法に準拠して合成。a+b+c=5、脂肪族アシル基:-COC1733、平均エステル化度=1.1、HLB=8
・エーテルエステルB:式(2)で表されるポリオキシエチレングリセリルエーテルの脂肪酸エステル(モノエステル)。特開2019-131696号公報の[0041]に記載の方法に準拠して合成。a+b+c=11.8、脂肪族アシル基:-COC1733、平均エステル化度=1.2、HLB=13
・エーテルエステルC:式(2)で表されるポリオキシエチレングリセリルエーテルの脂肪酸エステル(ジエステル)。特開2019-131696号公報の[0043]に記載の方法に準拠して合成。a+b+c=6、脂肪族アシル基:-COC1733、平均エステル化度=2.1、HLB=6
得られた各ゴム組成物について、160℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・耐引裂性:JIS K6252に準拠して引裂強さ(クレセント形試験片)を測定し、比較例1の値を100とした指数で示した。値が大きいほど引裂強さが大きいことを示す。
・耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用いて、スリップ率は30%、負荷荷重は40N、落砂量は20g/分として、摩耗減量を測定し、測定値の逆数について、比較例1の値を100とした指数で示した。数値が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
・耐屈曲疲労性:JIS K6260に準拠し、試験片に10mmのクラックが発生するまでの時間を測定し、比較例1の値を100とした指数で示す。数値が大きいほど耐屈曲疲労性に優れることを示す。
Figure 2022181694000004
結果は表1に示す通りである。カーボンブラックを主たる充填剤とする配合において、エーテルエステルA~Cを配合した実施例1~6であると、エーテルエステルを配合していない比較例1に対して、耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性が向上した。
[実施例11及び比較例11]
下記表2に示す配合(質量部)に従い、その他は実施例1と同様にして、ゴム組成物を調製し、耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性を評価した。表2中のBRはポリブタジエンゴム(宇部興産(株)製「BR150L」)であり、その他の各成分は表1と同じである。耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性の各評価では、比較例1の代わりに比較例11の値を100として指数化した。
Figure 2022181694000005
結果は表2に示す通りであり、充填剤をカーボンブラック単独(CB比率=100質量%)とした場合でも、エーテルエステルを配合した実施例11であると、未配合の比較例11に対して耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性が向上した。
[実施例21及び比較例21]
下記表3に示す配合(質量部)に従い、その他は実施例1と同様にして、ゴム組成物を調製し、耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性を評価した。表3中の各成分は表1及び表2と同じである。耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性の各評価では、比較例1の代わりに比較例21の値を100として指数化した。
Figure 2022181694000006
結果は表3に示す通りであり、充填剤についてカーボンブラックを主成分としつつシリカの量を増やした場合(CB比率=52.4質量%)でも、エーテルエステルを配合した実施例21であると、未配合の比較例21に対して耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性が向上した。
以上のように、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの脂肪酸エステルを、シリカを主たる充填剤とした配合ではなく、カーボンブラックを主たる充填剤とした配合に用いることにより、耐引裂性、耐摩耗性及び耐屈曲疲労性に優れるとの予期せぬ効果が得られた。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム、充填剤、及び、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの脂肪酸エステルを含み、前記充填剤の50質量%以上がカーボンブラックであるタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの脂肪酸エステルを前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.5~10質量部含有する、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ポリオキシアルキレングリセリルエーテルの脂肪酸エステルのHLBが13以下である、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物を含むタイヤ。
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