JP2016113474A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】老化防止剤は分子極性の高さによってマイグレーションが発生しやすく、物性やタイヤ外観の悪化が問題になっていた。さらに、老化防止剤は可塑剤もしくは加硫阻害剤として作用するため、ゴム硬度を低下させてしまう。一方で、シリカを配合したゴムにおいては低燃費性能向上のためシリカを高分散化させることが求められており、そのような目標を達成できる配合剤が求められている。【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、ジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を0.5〜15質量部およびシリカを30〜180質量部配合し、さらにグリセリンモノ脂肪酸エステルを前記シリカの質量に対し1〜20質量%配合してなることを特徴とするゴム組成物によって上記課題を解決した。【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、老化防止剤の配合に起因する硬度の低下およびタイヤ外観の悪化を防止し、シリカの分散性を高め得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
老化防止剤はゴムに耐疲労性や耐オゾン性を付与する重要な配合剤である一方、分子極性の高さによってマイグレーションが発生しやすく、長期使用においては上記各特性の悪化やタイヤ外観の悪化などが問題になっていた。さらに、老化防止剤は可塑剤もしくは加硫阻害剤として作用するため、ゴム硬度の低下に伴うタイヤ操縦安定性の低下が問題になっていた。
一方で、シリカを配合したゴムにおいては低燃費性能向上のためシリカを高分散化させることが求められており、そのような目標を達成できる配合剤が求められている。
一方で、シリカを配合したゴムにおいては低燃費性能向上のためシリカを高分散化させることが求められており、そのような目標を達成できる配合剤が求められている。
なお下記特許文献1には、ゴム材料と特定構造のメチレンビス(アルキルスルフィド)およびフェノール系酸化防止剤等から選ばれる劣化防止剤とを混合する技術が開示されている。しかし特許文献1には、下記で説明する本発明のスチレン化フェノール化合物については開示も示唆もない。また、特定のスチレン化フェノール化合物やグリセリンモノ脂肪酸エステルを用いて老化防止剤の配合に起因する硬度の低下およびタイヤ外観の悪化を防止し、シリカの分散性を高めようとする技術思想は何ら開示されていない。
したがって本発明の目的は、老化防止剤の配合に起因する硬度の低下およびタイヤ外観の悪化を防止し、シリカの分散性を高め得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムに対し、特定のスチレン化フェノール化合物、シリカおよびグリセリンモノ脂肪酸エステルを特定量でもって配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、ジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を0.5〜15質量部およびシリカを30〜180質量部配合し、
さらにグリセリンモノ脂肪酸エステルを前記シリカの質量に対し1〜20質量%配合してなることを特徴とするゴム組成物。
2.前記グリセリンモノ脂肪酸エステルが、炭素数8〜24の脂肪酸を由来とするグリセリンモノ脂肪酸エステルであることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記1または2に記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
さらにグリセリンモノ脂肪酸エステルを前記シリカの質量に対し1〜20質量%配合してなることを特徴とするゴム組成物。
2.前記グリセリンモノ脂肪酸エステルが、炭素数8〜24の脂肪酸を由来とするグリセリンモノ脂肪酸エステルであることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記1または2に記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、ジエン系ゴムに対し、特定のスチレン化フェノール化合物、シリカおよびグリセリンモノ脂肪酸エステルを特定量でもって配合したので、老化防止剤の配合に起因する硬度の低下およびタイヤ外観の悪化を防止し、シリカの分散性を高め得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(スチレン化フェノール化合物)
スチレン化フェノール化合物は、下記式で表すことができる。
スチレン化フェノール化合物は、下記式で表すことができる。
本発明で使用されるスチレン化フェノール化合物は、nが2であるジスチレン化フェノールまたはnが3であるトリスチレン化フェノールを主成分とする。本発明で使用されるスチレン化フェノール化合物は、公知の製造方法により製造することができ、また商業的に入手も可能である、市販品としては、例えば三光(株)製SP−24(ジスチレン化フェノールを主成分とする)、TSP(トリスチレン化フェノールを主成分とする)等が挙げられる。
一般的に製造されたスチレン化フェノール化合物は、フェノール1モルに対してスチレン1モルが付加したモノスチレン化フェノール(上記式中、n=1);フェノール1モルに対してスチレン2モルが付加したジスチレン化フェノール(上記式中、n=2);フェノール1モルに対してスチレン3モルが付加したトリスチレン化フェノール(上記式中、n=3);およびその他の成分の混合物となる。本発明では、これらのスチレン化フェノール化合物のうち、主成分としてジスチレン化フェノールおよびトリスチレン化フェノールを使用する。上述のように製造されたスチレン化フェノール化合物は、主に、モノ、ジおよびトリ体の混合物であるので、本発明で使用されるスチレン化フェノール化合物は、モノ体がある程度存在することができる。したがって本発明で言う、「ジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールを主成分とする」とは、ジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールが全体の50モル%以上、好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは65モル%以上を占めることを意味し、それ以外の成分としてモノスチレン化フェノールやその他の成分(例えばテトラ体あるいはそれ以上の付加物のスチレン化フェノール化合物)が含まれていてもよい。
なお、上記式におけるスチレン部位は、スチレンの誘導体であってもよい。例えば、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン等が挙げられる。
(シリカ)
本発明で使用されるシリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカおよび沈降シリカなど、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のシリカを単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
なお本発明では、本発明の効果がさらに向上するという観点から、シリカのCTAB比表面積(JIS K6217−3)は、100〜400m2/gであるのが好ましく、150〜300m2/gであるのがさらに好ましい。
本発明で使用されるシリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカおよび沈降シリカなど、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のシリカを単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
なお本発明では、本発明の効果がさらに向上するという観点から、シリカのCTAB比表面積(JIS K6217−3)は、100〜400m2/gであるのが好ましく、150〜300m2/gであるのがさらに好ましい。
(グリセリンモノ脂肪酸エステル)
本発明で使用されるグリセリンモノ脂肪酸エステルは、炭素数8〜24の脂肪酸を由来とするモノグリセリドであるのが好ましい。
このようなモノグリセリドにおいて、脂肪酸としては、具体的には、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の直鎖脂肪酸類が挙げられる。
グリセリンモノ脂肪酸エステルは、一種類を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の効果が向上するという観点から、前記脂肪酸は、ステアリン酸、オレイン酸が好ましい。
本発明で使用されるグリセリンモノ脂肪酸エステルは、グリセリン由来の2つの−OH基がシリカ表面のシラノール基に吸着すると同時に、脂肪酸由来の炭素鎖が疎水化部位として作用し、ゴムに対するシリカの分散性に寄与する。また、グリセリンモノ脂肪酸エステルは界面活性剤として機能し、極性を有する老化防止剤のブルームを防止するため、老化防止剤のマイグレーションの防止に寄与することができる。
本発明で使用されるグリセリンモノ脂肪酸エステルは、炭素数8〜24の脂肪酸を由来とするモノグリセリドであるのが好ましい。
このようなモノグリセリドにおいて、脂肪酸としては、具体的には、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の直鎖脂肪酸類が挙げられる。
グリセリンモノ脂肪酸エステルは、一種類を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の効果が向上するという観点から、前記脂肪酸は、ステアリン酸、オレイン酸が好ましい。
本発明で使用されるグリセリンモノ脂肪酸エステルは、グリセリン由来の2つの−OH基がシリカ表面のシラノール基に吸着すると同時に、脂肪酸由来の炭素鎖が疎水化部位として作用し、ゴムに対するシリカの分散性に寄与する。また、グリセリンモノ脂肪酸エステルは界面活性剤として機能し、極性を有する老化防止剤のブルームを防止するため、老化防止剤のマイグレーションの防止に寄与することができる。
なお、本発明のゴム組成物に配合される老化防止剤はとくに制限されず、従来公知のゴム組成物に用いられる老化防止剤を使用できる。具体的には、例えば、フェノール誘導体、芳香族アミン誘導体、アミン−ケトン縮合物、ベンズイミダゾール誘導体、ジチオカルバミン酸誘導体、チオウレア誘導体等が好適に挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記フェノール誘導体としては、具体的には、例えば、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)等が挙げられ、特に2,6−ジ−tert−ブチルフェノールが好ましい。
上記芳香族アミン誘導体としては、具体的には、例えば、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられ、特にN−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンが好ましい。
上記アミン−ケトン縮合物としては、具体的には、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、ジフェニルアミンとアセトンの反応物等が挙げられ、特に2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体が好ましい。
上記ベンズイミダゾール誘導体としては、具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩等が挙げられる。
上記ジチオカルバミン酸誘導体としては、具体的には、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
上記チオウレア誘導体としては、具体的には、例えば、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、トリブチルチオ尿素等が挙げられる。
本発明のゴム組成物において、老化防止剤は、ジエン系ゴム100質量部に対し例えば0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部配合される。
上記フェノール誘導体としては、具体的には、例えば、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)等が挙げられ、特に2,6−ジ−tert−ブチルフェノールが好ましい。
上記芳香族アミン誘導体としては、具体的には、例えば、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられ、特にN−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンが好ましい。
上記アミン−ケトン縮合物としては、具体的には、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、ジフェニルアミンとアセトンの反応物等が挙げられ、特に2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体が好ましい。
上記ベンズイミダゾール誘導体としては、具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩等が挙げられる。
上記ジチオカルバミン酸誘導体としては、具体的には、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
上記チオウレア誘導体としては、具体的には、例えば、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、トリブチルチオ尿素等が挙げられる。
本発明のゴム組成物において、老化防止剤は、ジエン系ゴム100質量部に対し例えば0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部配合される。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、ジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を0.5〜15質量部およびシリカを30〜180質量部配合し、さらにグリセリンモノ脂肪酸エステルを前記シリカの質量に対し1〜20質量%配合してなることを特徴とする。
前記スチレン化フェノール化合物の配合量が1.0質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に15質量部を超えると硬度が低下する。
シリカの配合量が30質量部未満であると、シリカを配合する効果に乏しい。逆に180質量部を超えると、加工性が悪化する。
グリセリンモノ脂肪酸エステルの配合量が前記シリカに対して1質量%未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量%を超えると老化防止剤のマイグレーションの防止効果が低下する。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、ジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を0.5〜15質量部およびシリカを30〜180質量部配合し、さらにグリセリンモノ脂肪酸エステルを前記シリカの質量に対し1〜20質量%配合してなることを特徴とする。
前記スチレン化フェノール化合物の配合量が1.0質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に15質量部を超えると硬度が低下する。
シリカの配合量が30質量部未満であると、シリカを配合する効果に乏しい。逆に180質量部を超えると、加工性が悪化する。
グリセリンモノ脂肪酸エステルの配合量が前記シリカに対して1質量%未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量%を超えると老化防止剤のマイグレーションの防止効果が低下する。
さらに好ましい前記スチレン化フェノール化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.6〜10質量部である。
さらに好ましい前記シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、60〜150質量部である。
さらに好ましい前記グリセリンモノ脂肪酸エステルの配合量は、前記シリカに対し、1〜10質量%である。
さらに好ましい前記シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、60〜150質量部である。
さらに好ましい前記グリセリンモノ脂肪酸エステルの配合量は、前記シリカに対し、1〜10質量%である。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、トレッドに適用するのが好ましく、とくに乗用車用タイヤのトレッドに適用するのがとくに好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例1、実施例1〜7および比較例1〜14
サンプルの調製
表1および2に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
サンプルの調製
表1および2に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
ペイン効果:未加硫の組成物を用いてASTM P6204に準拠してRPA2000においてG’(0.56%歪)を測定した。結果は、標準例1の値を100として指数表示した。指数が小さいほどシリカの分散性が高いことを意味する。
硬度(20℃):JIS K6253に基づき、20℃にて測定した。結果は、標準例の値を100として指数で示した。指数が大きいほど硬度が高いことを示す。
老化後のブルーム度:加硫ゴム試験片を、40℃、240時間で老化させた後、目視により試験し、下記の評価基準により評価した。
A:老化前と変わらない。
B:部分的に変色している。
C:全体的に変色している。
結果を表1および2に示す。
硬度(20℃):JIS K6253に基づき、20℃にて測定した。結果は、標準例の値を100として指数で示した。指数が大きいほど硬度が高いことを示す。
老化後のブルーム度:加硫ゴム試験片を、40℃、240時間で老化させた後、目視により試験し、下記の評価基準により評価した。
A:老化前と変わらない。
B:部分的に変色している。
C:全体的に変色している。
結果を表1および2に示す。
*1:SBR(旭化成(株)製タフデン3830、油展量=SBR100質量部に対し37.5質量部)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:シリカ(ローディア社製ZEOSIL 1165MP、CTAB比表面積=159m2/g)
*4:カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製N339)
*5:シランカップリング剤(エボニックデグサ社製Si69)
*6:グリセリンモノ脂肪酸エステル−1(シグマアルドリッチ製モノステアリン酸グリセロール)
*6’:グリセリンモノ脂肪酸エステル−2(シグマアルドリッチ製モノオレイン酸グリセロール)
*6’’:グリセリンモノ脂肪酸エステル−3(シグマアルドリッチ製モノベヘン酸グリセロール)
*7:比較脂肪酸エステル(シグマアルドリッチ製グリセリン)
*8:スチレン化フェノール化合物−1(三光(株)製SP−24。モノスチレン化フェノール0モル%、ジスチレン化フェノール60モル%以上、トリスチレン化フェノール40モル%以下)
*9:スチレン化フェノール化合物−2(三光(株)製TSP。モノスチレン化フェノール0モル%、ジスチレン化フェノール30モル%以下、トリスチレン化フェノール65モル%以上)
*10:スチレン化フェノール化合物−3(三光(株)製SP−F。モノスチレン化フェノール65モル%以上、ジスチレン化フェノール32モル%以下、トリスチレン化フェノール1モル%以下)
*11:比較フェノール化合物(BHT(3−メチル−2,6−t−ブチルトルエン))
*12:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*13:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸YR)
*14:老化防止剤(フレキシス社製6PPD、化合物名=N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン)
*15:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*16:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄、硫黄含有量=95.24質量%)
*17:加硫促進剤−1(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*18:加硫促進剤−2(フレキシス社製Perkacit DPG)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:シリカ(ローディア社製ZEOSIL 1165MP、CTAB比表面積=159m2/g)
*4:カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製N339)
*5:シランカップリング剤(エボニックデグサ社製Si69)
*6:グリセリンモノ脂肪酸エステル−1(シグマアルドリッチ製モノステアリン酸グリセロール)
*6’:グリセリンモノ脂肪酸エステル−2(シグマアルドリッチ製モノオレイン酸グリセロール)
*6’’:グリセリンモノ脂肪酸エステル−3(シグマアルドリッチ製モノベヘン酸グリセロール)
*7:比較脂肪酸エステル(シグマアルドリッチ製グリセリン)
*8:スチレン化フェノール化合物−1(三光(株)製SP−24。モノスチレン化フェノール0モル%、ジスチレン化フェノール60モル%以上、トリスチレン化フェノール40モル%以下)
*9:スチレン化フェノール化合物−2(三光(株)製TSP。モノスチレン化フェノール0モル%、ジスチレン化フェノール30モル%以下、トリスチレン化フェノール65モル%以上)
*10:スチレン化フェノール化合物−3(三光(株)製SP−F。モノスチレン化フェノール65モル%以上、ジスチレン化フェノール32モル%以下、トリスチレン化フェノール1モル%以下)
*11:比較フェノール化合物(BHT(3−メチル−2,6−t−ブチルトルエン))
*12:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*13:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸YR)
*14:老化防止剤(フレキシス社製6PPD、化合物名=N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン)
*15:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*16:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄、硫黄含有量=95.24質量%)
*17:加硫促進剤−1(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*18:加硫促進剤−2(フレキシス社製Perkacit DPG)
上記の表1および2の結果から明らかなように、実施例1〜7で得られたゴム組成物は、ジエン系ゴムに対し、特定のスチレン化フェノール化合物、シリカおよびグリセリンモノ脂肪酸エステルを特定量でもって配合したので、従来の代表的な標準例1に対し、老化防止剤の配合に起因する硬度の低下およびタイヤ外観の悪化が防止され、シリカの分散性も高いことが分かる。
これに対し、比較例1は、スチレン化フェノール化合物の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、標準例1と比べて物性の改善が確認できなかった。
比較例2は、スチレン化フェノール化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度が低下した。
比較例3および14は、グリセリンモノ脂肪酸エステルの替わりにグリセリンを使用した例であるので、ペイン効果や老化後のブルーム度が低下した。
比較例4は、グリセリンモノ脂肪酸エステルの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、標準例1と比べて物性の改善が確認できなかった。
比較例5は、グリセリンモノ脂肪酸エステルの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、老化防止剤のマイグレーションが悪化した。
比較例6は、スチレン化フェノール化合物の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、標準例1と比べて物性の改善が確認できなかった。
比較例7は、スチレン化フェノール化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度が低下した。
比較例8は、モノスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を使用しているので、老化防止剤のマイグレーションが悪化した。
比較例9は、スチレン化フェノール化合物の替わりにBHTを使用しているので、硬度および老化防止剤のマイグレーションが悪化した。
比較例10〜13は、グリセリンモノ脂肪酸エステルを配合していないので、ペイン効果の向上、硬度および老化防止剤のマイグレーションの悪化の防止を同時に改善することができなかった。
これに対し、比較例1は、スチレン化フェノール化合物の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、標準例1と比べて物性の改善が確認できなかった。
比較例2は、スチレン化フェノール化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度が低下した。
比較例3および14は、グリセリンモノ脂肪酸エステルの替わりにグリセリンを使用した例であるので、ペイン効果や老化後のブルーム度が低下した。
比較例4は、グリセリンモノ脂肪酸エステルの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、標準例1と比べて物性の改善が確認できなかった。
比較例5は、グリセリンモノ脂肪酸エステルの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、老化防止剤のマイグレーションが悪化した。
比較例6は、スチレン化フェノール化合物の配合量が本発明で規定する下限未満であるので、標準例1と比べて物性の改善が確認できなかった。
比較例7は、スチレン化フェノール化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度が低下した。
比較例8は、モノスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を使用しているので、老化防止剤のマイグレーションが悪化した。
比較例9は、スチレン化フェノール化合物の替わりにBHTを使用しているので、硬度および老化防止剤のマイグレーションが悪化した。
比較例10〜13は、グリセリンモノ脂肪酸エステルを配合していないので、ペイン効果の向上、硬度および老化防止剤のマイグレーションの悪化の防止を同時に改善することができなかった。
Claims (3)
- ジエン系ゴム100質量部に対し、ジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を0.5〜15質量部およびシリカを30〜180質量部配合し、
さらにグリセリンモノ脂肪酸エステルを前記シリカの質量に対し1〜20質量%配合してなることを特徴とするゴム組成物。 - 前記グリセリンモノ脂肪酸エステルが、炭素数8〜24の脂肪酸を由来とするグリセリンモノ脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 請求項1または2に記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014250616A JP2016113474A (ja) | 2014-12-11 | 2014-12-11 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014250616A JP2016113474A (ja) | 2014-12-11 | 2014-12-11 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022158423A1 (ja) * | 2021-01-21 | 2022-07-28 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ |
JP2022112201A (ja) * | 2021-01-21 | 2022-08-02 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ |
-
2014
- 2014-12-11 JP JP2014250616A patent/JP2016113474A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022158423A1 (ja) * | 2021-01-21 | 2022-07-28 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ |
JP2022112201A (ja) * | 2021-01-21 | 2022-08-02 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ |
JP7323813B2 (ja) | 2021-01-21 | 2023-08-09 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ |
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