JP6597866B2 - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、高比表面積のシリカを配合しても、その分散性を高め、転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性を同時に高め得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
転がり抵抗性、ウェットグリップ性能(ウェットの路面でのグリップ性能)および耐摩耗性の3つの性能は、マジックトライアングルと呼ばれ、タイヤ高性能化には、このマジックトライアングル性能を高次にバランスすることが必要となる。しかし、これら3つの性能を同時に高めることは、当業界で相当困難な事項であることも認識されている。例えば、ウェットグリップ性能と耐摩耗性とは背反性能である。
一方、近年、益々強まるタイヤ高性能化への要求に伴い、高比表面積のシリカを配合する技術が知られている。このようなシリカは、耐摩耗性を高めることができるが、ゴム中での分散が極めて難しいという問題点がある。当業界では、種々のシランカップリングを開発してシリカを分散させようと試みてはいるが、高比表面積のシリカをゴム中に良好に分散させるにはいまだ至っていない。
下記特許文献1には、グリセリン脂肪酸エステルからなり、該グリセリン脂肪酸エステルが、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであって、該グリセリン脂肪酸エステルを構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に10〜90質量%であり、さらにモノエステル成分をグリセリン脂肪酸エステル中に50〜100質量%含むシリカ配合ゴム組成物用添加剤組成物が開示されている。
また下記特許文献2には、2種以上のジエン系ゴムを含むゴム成分と、石油外資源由来のグリセロール脂肪酸トリエステルとを含み、前記ゴム成分が、天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、ブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種のジエン系ゴムを含み、前記グリセロール脂肪酸トリエステルは、オレイン酸の含有量が45質量%以上であり、ゴム成分100質量%中の天然ゴム及びブタジエンゴムの合計含有量が50質量%以上、又は、ゴム成分100質量%中の天然ゴム及びエポキシ化天然ゴムの合計含有量が50質量%以上であるサイドウォール又はベーストレッド用ゴム組成物が開示されている。
また下記特許文献3には、ジエン系ゴムと、シリカと、シランカップリング剤と、特定のグリセリンエステル化合物とを含有し、前記エステル化合物の融点が、40℃以下であり、前記シリカの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜200質量部であり、前記シランカップリング剤の含有量が、前記シリカの含有量に対して、1〜20質量%であり、前記エステル化合物の含有量が、前記シリカの含有量に対して、1〜20質量%である、ゴム組成物が開示されている。
しかし、特許文献1〜3に開示された技術では、マジックトライアングル性能、すなわち転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性の3つの性能を高次にバランスするには至っていない。
国際公開WO2016/139916号パンフレット 特許第5679798号公報 特開2016−37556号公報
したがって本発明の目的は、高比表面積のシリカを配合しても、その分散性を高め、転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性を同時に高め得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムに対し、シリカおよびシランカップリング剤を特定量で配合するとともに、さらに特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量でもって配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを5〜200質量部、シランカップリング剤を前記シリカの質量に対し1〜20質量%、および炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするポリグリセリン脂肪酸エステルを前記シリカの質量に対し1〜20質量%配合してなり、
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、下記式(1)で表されることを特徴とするゴム組成物。
Figure 0006597866
式(1)中、Rは前記脂肪酸に由来する炭素鎖を表し、nは0〜8を表す。
2.前記シリカのCTAB比表面積が150m/g以上であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記脂肪酸が、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸であることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記式(1)中、nが0または1であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
5.前記1〜4のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、ジエン系ゴムに対し、シリカおよびシランカップリング剤を特定量で配合するとともに、さらに特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量でもって配合したので、高比表面積のシリカを多量に配合しても、その分散性を高め、転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性を同時に高め得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、通常のゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはSBR、BRが好ましい。
(シリカ)
本発明で使用するシリカは、CTAB比表面積が150m/g以上であることが好ましい。本発明では、このような高比表面積のシリカをゴム中に配合しても、良好な分散が可能となる。なお、本発明では、さらにCTAB比表面積が180m/g以上、とくに200m/g以上という超高比表面積を有するシリカであっても、ゴム中に良好に分散させることができる。
なおシリカのCTAB比表面積は、ISO5794/1に準拠して測定される。
(シランカップリング剤)
本発明で使用されるシランカップリング剤は、とくに制限されないが、含硫黄シランカップリング剤が好ましく、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。シランカップリング剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
(ポリグリセリン脂肪酸エステル)
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするエステルである。
脂肪酸としては、具体的には、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の直鎖脂肪酸類が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、1種類を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性を同時にさらに高めるという観点から、前記脂肪酸は、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸が好ましい。
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン由来の−OH基がシリカ表面のシラノール基に吸着すると同時に、グリセリンの繰り返し単位がとくに高比表面積のシリカの凝集体の細孔に入り込み、留まり易く、ゴムに対するシリカの分散性に寄与する。これにより、転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性を同時に高めることができる。なお、当該効果は、モノグリセリン脂肪酸エステルには奏されない作用効果である。
また、転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性を同時にさらに高めるという観点から、本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、下記式(1)で表されるモノ脂肪酸エステルであることが好ましい。
Figure 0006597866
式(1)中、Rは前記脂肪酸に由来する炭素鎖を表し、nは0〜8を表し、0〜3が好ましく、0または1であることがとくに好ましい。
なお、前述の特許文献3に記載のゴム組成物では、ポリグリセリンの第2級ヒドロキシ基を選択的にエステル化したグリセリンエステル化合物が使用されている。しかし、このような特許文献3に記載のグリセリンエステル化合物を、本発明の式(1)で表されるモノ脂肪酸エステルの代わりに使用しても、前記作用効果を発揮することができず、本発明の効果である、高比表面積のシリカの分散性、転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性を同時に高めることはできない。
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、市販されているものであることができ、式(1)で表されるモノ脂肪酸エステルとして、例えば理研ビタミン株式会社製DS100A(ジグリセリンモノステアレート)、DO100V(ジグリセリンモノオレート)、S71D(ジグリセリンステアレート)、ポエムJ−4081V(テトラグリセリンステアレート)、J−0021(デカグリセリンラウレート)、J−0081HV(デカグリセリンステアレート)、J−0381V(デカグリセリンオレート)等が挙げられる。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを5〜200質量部、シランカップリング剤を前記シリカの質量に対し1〜20質量%、および炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするポリグリセリン脂肪酸エステルを前記シリカの質量に対し1〜20質量%配合してなることを特徴とする。
シリカの配合量が5質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を得ることができない。逆に200質量部を超えると、シリカの分散性、転がり抵抗性が悪化する。
シランカップリング剤の配合量がシリカの質量に対し1質量%未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量%を超えると加工性および破断伸びが悪化する。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量がシリカの質量に対し1質量%未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量%を超えると耐摩耗性が悪化する。
また、本発明のゴム組成物において、シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、30〜200質量部であることが好ましい。
シランカップリング剤の配合量は、シリカの質量に対し3〜20質量%であることが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量は、シリカの質量に対し2〜20質量%であることが好ましい。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、とくにトレッドに適用するのがよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例1〜3、実施例1〜11および比較例1〜8
サンプルの調製
表1〜3に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
ペイン効果(シリカ分散性):未加硫の組成物を用いてASTM P6204に準拠してRPA2000においてG’(0.56%歪)を測定した。結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が小さいほど補強性充填剤の分散性が高いことを意味する。
tanδ(60℃)(転がり抵抗性):JIS K6394に準拠して60℃で試験した。結果は、標準例の値を100として指数で示した。指数が小さいほど、低転がり抵抗性であることを示す。
ウェットグリップ性能:JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度0℃の条件で、tanδ(0℃)を測定した。結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
耐摩耗性:岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用い、荷重5kg(49N)、スリップ率25%、時間4分、室温の条件にて測定し摩耗減量を求めた。結果は、標準例の値を100として指数で示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
結果を表1〜3に併せて示す。
Figure 0006597866
Figure 0006597866
Figure 0006597866
*1:SBR(旭化成(株)製E−581、油展量=SBR100質量部に対し37.5質量部)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:シリカ−1(Solvay社製 Zeosil 200MP、CTAB比表面積=200m/g)
*4:シリカ−2(Solvay社製 Zeosil 115GR、CTAB比表面積=115m/g)
*5:モノグリセリンモノステアレート(理研ビタミン株式会社製S100)
*6:ジグリセリンモノステアレート(理研ビタミン株式会社製DS100A、前記式(1)においてn=0であり、R−COOはステアリン酸に由来する)
*7:ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製DS100V、前記式(1)においてn=0であり、R−COOはオレイン酸に由来する)
*8:ジグリセリンステアレート(理研ビタミン株式会社製71D、前記式(1)においてn=0であり、R−COOはステアリン酸に由来する)
*9:シランカップリング剤(Evonik Degussa社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
*10:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸YR)
*11:亜鉛華(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*12:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PPD)
*13:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*14:硫黄(軽井沢精錬所社製油処理イオウ)
*15:加硫促進剤CBS(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*16:加硫促進剤DPG(大内新興化学工業(株)製ノクセラーD)
*17:シリカ−3(トクヤマ社製 KS30-SC、CTAB比表面積=300m/g)
*18:ジグリセリンジステアレート(下記式(A)で表されるエステル化合物。ここで、2個あるORA基の全てがステアリン酸に由来するエステル基である。
Figure 0006597866
表1は、高比表面積のシリカを配合した例を示している。
表1の結果から、実施例1〜7のゴム組成物は、ジエン系ゴムに対し、シリカおよびシランカップリング剤を特定量で配合するとともに、さらに特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量でもって配合したので、標準例1に比べて、高比表面積のシリカを配合しても、その分散性が高まり、転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性が高次にバランスされていることが分かる。
これに対し、比較例1はモノグリセリンモノ脂肪酸エステルを配合した例であるので、標準例1に対し、耐摩耗性が低下している。
比較例2はポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、標準例1に対し、転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性の向上効果が見られない。
比較例3はポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、標準例1に対し、耐摩耗性が低下している。
表2は、比表面積が低いシリカを配合した例を示している。
表2の結果から、実施例8〜9のゴム組成物は、ジエン系ゴムに対し、シリカおよびシランカップリング剤を特定量で配合するとともに、さらに特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量でもって配合したので、標準例2に比べて、シリカを配合しても、その分散性が高まり、転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性が高次にバランスされていることが分かる。
これに対し、比較例4はモノグリセリンモノ脂肪酸エステルを配合した例であるので、標準例2に対し、ウェットグリップ性能および耐摩耗性が低下している。
表3は、超高比表面積のシリカを配合した例を示している。
表3の結果から、実施例10〜11のゴム組成物は、ジエン系ゴムに対し、シリカおよびシランカップリング剤を特定量で配合するとともに、さらに特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量でもって配合したので、標準例3に比べて、超高比表面積のシリカを配合しても、その分散性が高まり、転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性が高次にバランスされていることが分かる。
これに対し、比較例5はモノグリセリンモノ脂肪酸エステルを配合した例であるので、標準例3に対し、ウェットグリップ性能および耐摩耗性が低下している。
また、表1〜3の結果を参照すると、本発明の組成物は、シリカのCTAB比表面積が高くなるほど、その効果を高めることができる。例えば、実施例1と実施例8を比較すると、それぞれの標準例に対し、転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および耐摩耗性の改善の度合いが、シリカのCTAB比表面積が高くなるほど(実施例1)、向上していることが分かる。
また、表3の比較例6〜8に示すように、ポリグリセリンの第2級ヒドロキシ基を選択的にエステル化したグリセリンエステル化合物(特許文献3に記載の化合物)を使用した場合は、所望の効果が奏されないことが分かる。なお、比較例6はシリカ−3を使用しているので標準例3に対する相対評価を、比較例7はシリカ−1を使用しているので標準例1に対する相対評価を、比較例8はシリカ−2を使用しているので標準例2に対する相対評価を行っている。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを5〜200質量部、シランカップリング剤を前記シリカの質量に対し1〜20質量%、および炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするポリグリセリン脂肪酸エステルを前記シリカの質量に対し1〜20質量%配合してなり、
    前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、下記式(1)で表されることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0006597866
    式(1)中、Rは前記脂肪酸に由来する炭素鎖を表し、nは0〜8を表す。
  2. 前記シリカのCTAB比表面積が150m/g以上であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記脂肪酸が、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸であることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記式(1)中、nが0または1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
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