JP2013159714A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴムの補強性を維持しながら、シリカの分散性向上により低発熱性能を改良する。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを50質量%以上含むフィラー30〜120質量部と、沸点が200℃以上かつ流動点が20℃以下である下記一般式(1)で表される脂肪酸エステルオイル3〜60質量部と、を含有するゴム組成物である(式(1)中、Rは、炭素数7〜21のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、又は(CO)(CO)CHを示す。但し、n=1〜20、m=0〜m=0〜20である。)。
【化1】
Figure 2013159714

【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物に関し、また、該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関するものである。
従来、ゴム組成物の加工性を向上させるための手法として、一般的に市販されている石油由来のプロセスオイルや可塑剤、加工助剤などを添加する方法がある。しかしながら、これらの方法では、低発熱性能の悪化や、ゴムの補強性低下に伴う操縦安定性能や耐摩耗性能の悪化という問題点がある。
下記特許文献1には、未加硫ゴムの粘度を低下させて加工性を改良するために、特定の溶液重合スチレンブタジエンゴムに対して、加工助剤として高分子量脂肪酸エステルを配合することが開示されている。下記特許文献2には、シリカ配合のゴム組成物において、加工助剤として、脂肪酸カルシウム及び/又は脂肪酸カリウムと、脂肪酸アミド及び/又は脂肪酸エステルとの混合物を配合することが開示されている。下記特許文献3には、シリカ配合のゴム組成物において加工助剤として脂肪酸エステルを配合することが開示されている。このようにゴム組成物に脂肪酸エステルを配合することが開示されているが、特許文献1、2では、脂肪酸エステルとして、具体的にはストラクトール社製「WB212」という高融点のものが用いられており、特許文献3では、水添及び未水添のC5及びC6糖類の脂肪酸エステルが用いられている。
また、ゴム組成物に脂肪酸エステルを配合する技術としては、下記特許文献4に、耐候性を低下させることなく、またホースのカバー材に必要な物性を低下させることなく、外観不良を抑制するために、脂肪酸エステルと特定のワックスとを配合することが開示されているが、脂肪酸エステルとしては融点が40℃以上である高融点の脂肪酸エステルを用いるものである。下記特許文献5には、氷上摩擦力を改善するために、トール油脂肪酸エステルを熱膨張性マイクロカプセル等とともに配合することが開示されているが、トール油脂肪酸はオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸からなるものであり、特定の飽和脂肪酸エステルを用いることは開示されていない。下記特許文献6には、耐摩耗性を向上させつつ、低転がり抵抗化を実現するために、ジエン系ゴムにポリスチレン−ビニルイソプレントリブロック共重合体とともに脂肪酸エステルを配合することが開示されているが、脂肪酸エステルとして多価アルコールの脂肪酸エステルを用いるものである。
一方、下記特許文献7には、タイヤトレッド用ゴム組成物において、高級脂肪酸エステルとともに界面活性剤を配合することが開示されている。しかしながら、この文献は、アイス路面やウェット路面などの低摩擦係数の路面における制動性及び操作性を向上するために、高級脂肪酸エステルを配合するものであり、特定の高級脂肪酸エステルをシリカと併用することについては開示されていない。
特開平06−248113号公報 特開2005−206673号公報 特開平11−158293号公報 特開平11−199711号公報 特開2008−150413号公報 特開2004−010781号公報 特開2004−027028号公報
本発明は、ゴムの補強性を維持しながら、シリカの分散性を改良することができ、低発熱性能を改良することができるゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを50質量%以上含むフィラー30〜120質量部と、沸点が200℃以上かつ流動点が20℃以下である下記一般式(1)で表される脂肪酸エステルオイル3〜60質量部と、を含有するものである。
Figure 2013159714
式中、Rは、炭素数7〜21のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、又は(CO)(CO)CHを示す。但し、n=1〜20、m=0〜m=0〜20である。
また、本発明の好ましい態様に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を用いてなるものである。
本発明によれば、ジエン系ゴムに対してシリカとともに上記特定の脂肪酸エステルオイルを配合したことにより、脂肪酸エステルオイルがゴムの補強性を悪化させることなく、シリカの分散性を向上することができ、低発熱性能を改良することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物において、ゴム成分としてのジエン系ゴムとしては特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体などが挙げられる。これらのジエン系ゴムは、いずれか1種単独で用いてもよく、あるいはまた2種以上の組み合わせて用いてもよい。例えば、該ゴム組成物をタイヤトレッドに用いる場合、ジエン系ゴムとしては、スチレンブタジエンゴムの単独、又はスチレンブタジエンゴムとポリブタジエンゴムとのブレンドであることが好ましく、特に限定するものではないが、ブレンドの場合、スチレンブタジエンゴムがジエン系ゴム成分中の割合で50質量%以上であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、補強性充填剤としてのフィラーを、ジエン系ゴム100質量部に対して30〜120質量部配合することができる。該フィラーとしては、シリカを50質量%以上含むものが用いられる。すなわち、該フィラーは、シリカ単独でもよく、またシリカ50質量%以上と他のフィラー50質量%以下とのブレンドでもよい。フィラーがシリカを主成分として含むことにより、脂肪酸エステルオイルによる分散性向上効果が発揮されて、低発熱性能を改良することができる。フィラーの配合量が30質量部以上であることにより、補強性を確保することができ、また120質量部以下であることにより、加工性を確保するとともに低発熱性能の改良効果を維持することができる。フィラーの配合量は、より好ましくは40〜100質量部である。
シリカとしては、特に限定されず、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)等が挙げられるが、中でも湿式シリカが好ましい。シリカのコロイダル特性は特に限定しないが、BET法による窒素吸着比表面積(BET)150〜250m/gであるものが好ましく用いられ、より好ましくは180〜230m/gである。なお、シリカのBETはISO 5794に記載のBET法に準拠し測定される。シリカの配合量は、上記フィラー中に含まれる割合として50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。また、シリカは、ジエン系ゴム100質量部に対して、30〜120質量部配合することができ、より好ましくは30〜100質量部であり、更に好ましくは40〜90質量部である。
シリカと併用することができる他のフィラーとしては、カーボンブラック、クレー、タルク、マイカなどが挙げられ、その中でもカーボンブラックが好ましい。すなわち、フィラーとしては、シリカ単独、又はシリカとカーボンブラックのブレンドであることが好ましい。カーボンブラックの配合量としては、上記フィラー中に含まれる割合が50質量%以下、好ましくは30質量%以下であれば特に限定されないが、ジエン系ゴム100質量部に対して5〜60質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜40質量部、更に好ましくは10〜30質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、沸点が200℃以上かつ流動点が20℃以下であり、かつ下記一般式(1)で表される脂肪酸エステルオイルが配合される。
Figure 2013159714
式(1)中、Rは、炭素数7〜21の分岐状又は直鎖状のアルキル基であり、その炭素数は9〜17であることが好ましく、より好ましくは11〜15である。好ましくは直鎖状のアルキル基である。この炭素数が大きいほど、沸点は高くなるが、流動点も高くなる傾向にあるので、炭素数が21よりも大きいものでは、流動点を20℃以下にするのが困難となる。
式(1)中、Rは、炭素数1〜18の分岐状又は直鎖状のアルキル基であり、又は(CO)(CO)CHで表されるポリアルキレングリコールメチルエーテル基である。前記アルキル基の炭素数は1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜8である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
前記ポリアルキレングリコールメチルエーテル基において、nはエチレンオキサイド(EO)の平均付加モル数を表し、n=1〜20であり、より好ましくは2〜10である。また、mはプロピレンオキサイド(PO)の平均付加モル数を表し、m=0〜20であり、より好ましくは0〜5である。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加形態はランダムでもブロックでもよく、またブロック付加の場合、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加順序に制限はない。
以上の式(1)で表される脂肪酸エステルオイルは、いずれか1種単独で用いてもよく、2種以上の脂肪酸エステルオイルを含む混合物を用いてもよい。
該脂肪酸エステルオイルとしては、上記式(1)で表されるものの中でも、沸点が200℃以上であり、かつ流動点が20℃以下であるものが用いられる。沸点が200℃未満では、ゴム組成物の混練時の熱により脂肪酸エステルオイルが気化してしまうおそれがある。沸点は250℃以上であることがより好ましい。沸点は高いほど好ましく、上限は特に限定されないが、通常は450℃以下である。一方、流動点が20℃以下のものを用いること、すなわち常温で液状のオイルを用いることにより、シリカとなじみやすくなり、シリカ表面のシラノール基(Si−OH)と相互作用して、シリカの分散性を向上することができる。流動点は15℃以下であることがより好ましい。流動点の下限は特に限定されないが、通常は−80℃以上である。
ここで、脂肪酸エステルオイルの沸点は、JIS K0066に準拠した蒸留試験にて測定されるものであり、該蒸留試験にて初留点および乾点を求め、そのときの乾点を沸点とする。また、流動点は、JIS K2269に準拠した測定方法にて計測される。
上記脂肪酸エステルオイルとして、具体的には、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸2エチルヘキシル、ラウリン酸ポリエチレングリコールメチルエーテル、ラウリン酸ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメチルエーテル、ステアリン酸ポリエチレングリコールメチルエーテル、ステアリン酸ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメチルエーテルなどが挙げられる。これらはいずれか1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの脂肪酸エステルオイルは、ライオン株式会社製のパステルM−012、M−014、2H−16、レオファットOC−0503M、伊藤製油株式会社製リックサイザーC−101(沸点:250℃以上、流動点:−12℃)等が市販されており、使用可能である。また、脂肪酸とアルコールとの通常のエステル反応により得ることもでき、アルキレンオキサイド付加物については、脂肪酸エステルにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加反応させることにより合成することができ、このようにして合成したものを使用することもできる。なお、これらの脂肪酸エステルオイルの中には、ヤシ油やパーム油などの植物由来のものが多く、このような植物由来の脂肪酸エステルオイルを用いることにより、地球環境にやさしいゴム組成物を提供することができる。
上記脂肪酸エステルオイルの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して3〜60質量部であり、好ましくは5〜60質量部であり、より好ましくは10〜50質量部である。脂肪酸エステルオイルの配合量が3質量部未満ではその添加効果が不十分である。逆に60質量部を超えると、低発熱性能がかえって損なわれるおそれがある。
本実施形態に係るゴム組成物には、シリカの分散性を更に向上するために、スルフィドシランやメルカプトシランなどのシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤の配合量は、特に限定されないが、シリカ配合量に対して2〜20質量%であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の各成分の他に、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、軟化剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
上記加硫剤としては、硫黄、及び硫黄含有化合物(例えば、塩化硫黄、二塩化硫黄、高分子多硫化物、モルホリンジスルフィド、及びアルキルフェノールジスルフィド等)が挙げられ、これらはいずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫剤の配合量は、特に限定するものではないが、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
上記加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、及びグアニジン系などの各種加硫促進剤を用いることができ、いずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫促進剤の配合量は、特に限定するものではないが、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、第一混合段階で、ジエン系ゴムに対し、上記フィラー及び脂肪酸エステルオイルとともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
このようにして得られるゴム組成物の用途は、特に限定されず、トレッドやサイドウォール等のタイヤ、コンベアベルト、防振ゴムなどの各種ゴム組成物に用いることができる。特には、タイヤ、とりわけトレッドゴムに用いることが好適であり、常法に従い、例えば140〜200℃で加硫成形することにより、各種空気入りタイヤのゴム部分(トレッドゴムやサイドウォールゴムなど)を構成することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従い、まず、第一混合段階で、硫黄と加硫促進剤を除く成分を添加混合し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で硫黄と加硫促進剤を添加混合して(排出温度=90℃)、タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
・SBR:スチレンブタジエンゴム、ランクセス株式会社製「VSL5025−0HM」
・BR:ポリブタジエンゴム、宇部興産株式会社製「BR150B」
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールAQ」(BET=205m/g)
・カップリング剤:スルフィドシランカップリング剤、エボニック・デグサ社製「Si69」
・カーボンブラック:三菱化学株式会社製「ダイアブラックN341」
・加工助剤:ストラクトール社製「WB212」(融点:55℃)
・脂肪酸エステルオイル1:ライオン株式会社製「パステルM−08」(主要成分:C15COOCH;カプリル酸メチル、沸点:190℃、流動点:−32.5℃)
・脂肪酸エステルオイル2:ライオン株式会社製「パステルM−180」(主要成分:C1735COOCH;ステアリン酸メチル、沸点:350℃以上、流動点:40℃)
・脂肪酸エステルオイル3:ライオン株式会社製「パステルM−012」(主要成分:C1123COOCH;ラウリン酸メチル、沸点:250℃、流動点:7.5℃)
・脂肪酸エステルオイル4:ライオン株式会社製「パステルM−014」(主要成分:C1327COOCH;ミリスチン酸メチル、沸点:250℃以上、流動点:19℃)
・脂肪酸エステルオイル5:ライオン株式会社製「パステル2H−16」(主要成分:C1531COOC17;カプリル酸2エチルヘキシル、沸点:300℃以上、流動点:−2.5℃)
・脂肪酸エステルオイル6:ライオン株式会社製「レオファットOC−0503M」(主要成分:C1735COO(CO)(CO)CH;ステアリン酸ポリエチレングリコール(平均付加モル数5)ポリプロピレングリコール(平均付加モル数3)メチルエーテル、沸点:350℃以上、流動点:−12.5℃)
・石油由来オイル:昭和シェル石油株式会社製「エキストラクト4号S」
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1号」
・老化防止剤:住友化学工業株式会社製「アンチゲン6C」
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックS−20」
・ワックス:日本精鑞株式会社製「OZOACE0355」
・硫黄:鶴見化学工業株式会社製「5%油入微粉末硫黄」
・加硫促進剤:住友化学工業株式会社製「ソクシノールCZ」
各ゴム組成物について、150℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、硬度と低発熱性能を測定・評価した。各評価・測定方法は以下の通りである。
・硬度:JIS K6253に準拠したタイプAデュロメータを用いて、23℃での硬さを測定し(試験片の厚み=13mm)、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、硬度が高いことを意味する。
・低発熱性能:東洋精機(株)製の粘弾性試験機を使用し、静歪み10%、動歪み±1%、周波数10Hz、温度60℃の条件下で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、従って、発熱しにくく、低発熱性能に優れることを意味する。
Figure 2013159714
結果は、表1に示す通りであり、コントロールである比較例1に対し、石油由来オイルを増量した比較例2では、低発熱性能が悪化するとともに、補強性が損なわれて硬度が低下していた。融点の高い脂肪酸エステルからなる加工助剤を配合した比較例3では、低発熱性能の改良効果は得られず、補強性が低下した。
一方、比較例4では、石油由来オイルに代えて脂肪酸エステルオイルを配合したが、脂肪酸エステルオイルの沸点が低いものであったため、低発熱性能の改良効果が不十分であった。また、比較例5では、用いた脂肪酸エステルオイルの流動点が高かったため、硬度の低下がみられるとともに、低発熱性能の改良効果も小さかった。これは、流動点が高いために、シリカとなじみにくく、シリカの分散性を向上する効果が不十分であったためと考えられる。比較例6では、脂肪酸エステルオイルの配合量が多すぎて、低発熱性能の改良効果が損なわれていた。
これに対し、実施例1〜7であると、石油由来オイルに代えて、特定の沸点及び流動点を持つ脂肪酸エステルオイルを配合したことにより、ゴムの補強性を悪化させることなく、従って硬度を維持しながら、シリカの分散性を向上させることにより、低発熱性能が顕著に改良されていた。詳細には、実施例1は、比較例1に対し、シリカを減量しているが、脂肪酸エステルオイルを用いることで硬度を同等に維持できており、低発熱性能は大幅に改良されていた。実施例2〜5は、比較例1とシリカの配合量は同じであり、石油由来オイルを特定の脂肪酸エステルオイルに置換することにより、硬度は同等以上に維持しながら、低発熱性能が改良されていた。実施例6は、シリカを増量したものであり、その分、実施例2に対しては低発熱性能の改良効果が小さくなっていたが、硬度は上昇しており、そのため、実施例2と同様、補強性と低発熱性能がバランスよく向上していた。実施例7は、フィラーとしてシリカとカーボンブラックを同量用いた例であり、この場合にも、補強性を損なうことなく、低発熱性能は向上していた。

Claims (3)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを50質量%以上含むフィラー30〜120質量部と、沸点が200℃以上かつ流動点が20℃以下である下記一般式(1)で表される脂肪酸エステルオイル3〜60質量部と、を含有することを特徴とするゴム組成物。
    Figure 2013159714
    (式中、Rは、炭素数7〜21のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、又は(CO)(CO)CHを示し、但し、n=1〜20、m=0〜20である。)
  2. 前記脂肪酸エステルオイルが、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸2エチルヘキシル、ラウリン酸ポリエチレングリコールメチルエーテル、ラウリン酸ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメチルエーテル、ステアリン酸ポリエチレングリコールメチルエーテル、及びステアリン酸ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメチルエーテルからなる群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
  3. 請求項1記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
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