JP2010270247A - タイヤ用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり抵抗を低減するようにしたタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に、シリカを5〜100重量部配合すると共に、下記式(1)(2)で表わされるメルカプトシランをシリカ配合量の0.5〜4.0重量%、0.5〜10重量%を配合。
Figure 2010270247

Figure 2010270247

(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基、Rはメチレン又は炭素数2〜4のアルキレン基、Rはアルキルポリエーテル基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物の製造方法に関し、更に詳しくは、ゴム硬度及び成形加工性を維持しながら、転がり抵抗を一層低減するようにしたタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
近年、車両走行時の燃費性能を向上するため、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減することが求められている。このため空気入りタイヤのトレッド部を構成するゴム組成物に、シリカを配合してヒステリシスロス(特に高温時のtanδ)を小さくすることにより低発熱性にし、タイヤの転がり抵抗を低減することが行われている。
しかし、シリカは凝集性が強いのでジエン系ゴムに均一に分散させることが難しいため、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが知られている。このようなシランカップリング剤としては、メルカプトシランやスルフィドシランが挙げられる。このうちメルカプトシランは、反応性が高くヒステリシスロスを小さくする効果が優れるものの、スコーチ時間が短いため成形加工時に焼けが発生しやすいという問題があった。
例えば、特許文献1は、ゴム組成物に長鎖アルキルポリエーテル基を有するメルカプトシランを配合することで、ヒステリシスロスを小さくすることを提案している。しかし、長鎖アルキルポリエーテル基を有するメルカプトシランを配合したゴム組成物は、スコーチ時間が短いため成形加工性が悪化し、かつゴム硬度が低下するためトレッド部に使用したとき充分な剛性を確保することができず、空気入りタイヤの操縦安定性が低下するという問題があった。
このスコーチ時間を改善するため、特許文献2は、メルカプトシランと共に、酸化亜鉛又はスルフィドシランを配合することを提案している。しかし、このゴム組成物では、スコーチ時間を改善することはできても、ヒステリシスロスを小さく抑制する作用を従来レベル以上に向上することは困難であった。
特開2006−249069号公報 特開2007−217465号公報
本発明の目的は、ゴム硬度及び成形加工性を低下させることなく、ヒステリシスロスを低減させ転がり抵抗を一層低減するようにしたタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴム100重量部に、シリカを5〜100重量部配合すると共に、下記式(1)で表わされるメルカプトシラン(1)を前記シリカ配合量の0.5〜4.0重量%と、下記式(2)で表わされるメルカプトシラン(2)を前記シリカ配合量の0.5〜10重量%とを配合して、温度145〜185℃で混合するようにしたことを特徴とする。
Figure 2010270247
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基、Rはメチレン又は炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜2のいずれかの整数である。)
Figure 2010270247
(式中、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基、Rはメチレン又は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1又は2の整数、Rは式−O−(R−O)p−Rで表されるアルキルポリエーテル基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Rは炭素数10〜16のアルキル基、pは2〜15の数である。)
前記メルカプトシラン(1)とメルカプトシラン(2)の重量比(メルカプトシラン(1)/メルカプトシラン(2))は、0.1〜3.0であるとよい。また、前記メルカプトシラン(1)は、3−メルカプトプロピル(トリメトキシシラン)であるとよい。メルカプトシラン(2)は、
[C1327O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1327O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH
から選ばれる少なくとも1種であるとよい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤのトレッド部に使用することが好適であり、その空気入りタイヤは、良好な操縦安定性を確保すると共に低転がり抵抗性を向上することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法によれば、ジエン系ゴム100重量部に、シリカを5〜100重量部配合すると共に、前記式(1)で表わされるメルカプトシラン(1)をシリカ配合量の0.5〜4.0重量%と、前記式(2)で表わされるメルカプトシラン(2)をシリカ配合量の0.5〜10重量%とを配合し、温度145〜185℃で混合するようにしたので、メルカプトシラン(1)及び(2)の配合に伴う成形加工性の低下を可及的に小さくすることができる。また、メルカプトシラン(1)を配合することによりゴム硬度を維持し、かつメルカプトシラン(2)を配合することによりゴム組成物のヒステリシスロスを従来レベルよりも一層低減し、低転がり抵抗性を向上することができる。
本発明により製造するタイヤ用ゴム組成物において、ベースゴムにはジエン系ゴムを使用する。ジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などが例示される。これらジエン系ゴムは、単独又は複数のブレンドとして使用することができる。
本発明により製造するタイヤ用ゴム組成物には、上述したジエン系ゴムにシリカを配合することにより、ゴム組成物のヒステリシスロスを低減する。シリカの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは30〜80重量部である。シリカの配合量が5重量部未満であるとゴム組成物のヒステリシスロスを十分に低くすることができない。また、シリカの配合量が100重量部を超えると、シリカを均一に分散させるのが困難になると共に、ゴム組成物の機械的物性が低下する。シリカの種類としては、タイヤ用ゴム組成物に使用可能な任意のシリカ、例えば、天然シリカ、合成シリカ、より具体的には、乾式シリカ、湿式シリカ等を使用することが出来る。
シリカは、その粒子表面にシラノール基を有するため凝集性があり、ジエン系ゴムに対する分散性が悪い。このため、本発明では後述するメルカプトシラン(1)及び(2)を共に配合することにより、シリカの分散性を向上しヒステリシスロスを低減する効果を最大にする。メルカプトシラン(1)は、下記式(1)で表される。
Figure 2010270247
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基、Rはメチレン又は炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜2のいずれかの整数である。)
上記式(1)において、nは0〜2のいずれかの整数、好ましくは0である。Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、好ましくはメチル基又はエチル基である。なお、nが2のとき、Rは互いに独立であり、同じであっても異なっていてもよい。
は炭素数1〜4のアルコキシ基であり、好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。なお、(3−n)が2又は3のとき、Rは互いに独立であり、同じであっても異なっていてもよい。
はメチレン又は炭素数2〜4のアルキレン基であり、好ましくはトリメチレン基(―CHCHCH―)である。
前記式(1)で表されるメルカプトシラン(1)としては、例えば3−メルカプトプロピル(トリメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(トリエトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(ジエトキシメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(トリプロポキシシラン)、3−メルカプトプロピル(ジプロポキシメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(トリブトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(ジブトキシメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(ジメトキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(メトキシジメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ジエトキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(エトキシジメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ジプロポキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(プロポキシジメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ジイソプロポキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(イソプロポキシジメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ジブトキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ブトキシジメチルシラン)、2−メルカプトエチル(トリメトキシシラン)、2−メルカプトエチル(トリエトキシシラン)、メルカプトメチル(トリメトキシシラン)、メルカプトメチル(トリエトキシシラン)、3−メルカプトブチル(トリメトキシシラン)、3−メルカプトブチル(トリエトキシシラン)等が例示される。なかでも3−メルカプトプロピル(トリメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(トリエトキシシラン)が好ましい。
上述したメルカプトシラン(1)は、シリカとの親和性が高くジエン系ゴムへの分散性を向上する。このためゴム組成物のヒステリシスロスを低減する作用を行う。また同時にゴム組成物のゴム硬度を維持する作用を行う。メルカプトシラン(1)の配合量は、シリカ配合量に対して0.5〜4.0重量%、好ましくは1.0〜3.0重量%である。メルカプトシラン(1)の配合量が0.5重量%未満であると、充分なシリカ分散効果が得られない。また、メルカプトシラン(1)の配合量が4.0重量%を超えると、スコーチにより加工性が悪化する。
また、メルカプトシラン(2)は、下記式(2)で表され、メルカプトシラン(1)との共同作用により、シリカの分散性を一層向上しヒステリシスロスを低減する作用を行う。
Figure 2010270247
(式中、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基、Rはメチレン又は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1又は2の整数、Rは式−O−(R−O)p−Rで表されるアルキルポリエーテル基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Rは炭素数10〜16のアルキル基、pは2〜15の数である。)
上記式(2)において、mは1又は2の整数、好ましくは2である。Rは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。なお、(3−m)が2のとき、Rは互いに独立であり、同じであっても異なっていてもよい。Rはメチレン又は炭素数2〜4のアルキレン基であり、好ましくはトリメチレン基(―CHCHCH―)である。
は式−O−(R−O)p−Rで表されるアルキルポリエーテル基である。mが2のとき、Rは互いに独立であり、同じであっても異なっていてもよい。また、ポリエーテル部分(R−O)pは、単一の構造でなくてもよく、以下の範囲で分布を有する構造でもよい。Rは炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基(―CHCH―)、トリメチレン基(―CHCHCH―)、プロピレン基(―CH(CH)CH―)である。pは、エーテル部分の繰り返し数の平均値であり、2〜15の数、好ましくは3〜10、より好ましくは3.5〜8の数である。Rは炭素数10〜16、好ましくは11〜15のアルキル基である。
式(2)で表されるメルカプトシラン(2)において、アルキルポリエーテル基Rは複数種の混合物であってもよい。このようなRとしては、例えば―O―(CHCH−O)−(CH10CH、―O―(CHCH−O)−(CH11CH、―O―(CHCH−O)−(CH12CH、―O―(CHCH−O)−(CH13CH、―O―(CHCH−O)−(CH14CH、―O―(CHCH−O)−(CH12CH、―O―(CHCH−O)−(CH12CH、―O―(CHCH−O)−(CH12CH、―O―(CHCH−O)−(CH12CHが例示される。
前記式(2)で表されるメルカプトシラン(2)としては、例えば
[C1123O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1225O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1225O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1225O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1225O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1327O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1327O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1327O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1327O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1429O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1429O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1429O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1429O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1531O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
[C1123O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1225O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1225O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1225O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1225O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1327O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1327O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1327O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1327O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1429O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1429O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1429O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1429O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1531O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
が例示される。なかでもメルカプトシラン(2)としては、
[C1327O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、
[C1327O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
が好ましい。メルカプトシラン(2)は、これらの中から選ばれる単独化合物でも、複数の化合物の混合物でもよい。
上述したメルカプトシラン(2)は、シリカとの親和性が極めて高くジエン系ゴムへの分散性を向上するためゴム組成物のヒステリシスロスを一層低減する作用を行う。メルカプトシラン(2)の配合量は、シリカ配合量に対して0.5〜10重量%、好ましくは、3.0〜8.0重量%である。メルカプトシラン(2)の配合量が0.5重量%未満であると、充分なシリカの分散効果が得られない。また、メルカプトシラン(2)の配合量が10重量%を超えると、スコーチにより加工性が悪化する。
メルカプトシラン(2)は、シリカとの親和性を一層向上するが、ゴム組成物のゴム硬度を低下させるので、単独で配合するとタイヤの剛性が低下し操縦安定性が悪化する。このため、メルカプトシラン(2)と、上述したメルカプトシラン(1)を共に使用することにより、ゴム組成物のゴム硬度が低下しないようにする。メルカプトシラン(1)とメルカプトシラン(2)の重量比(メルカプトシラン(1)/メルカプトシラン(2))は、好ましくは0.1〜3.0、より好ましくは0.2〜2.0、更に好ましくは0.3〜1.2にするとよい。重量比(メルカプトシラン(1)/メルカプトシラン(2))が0.1未満であると、ゴム硬度が低下する。また、重量比(メルカプトシラン(1)/メルカプトシラン(2))が3.0を超えると充分なヒステリシスロスの低減効果が得られない。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、上述したジエン系ゴムに、シリカ及びメルカプトシラン(1)及び(2)を配合して混合するときの温度を145〜185℃、好ましくは155〜175℃の温度範囲にする必要がある。混合時の温度が145℃より低いとシリカの分散が不充分な状態でカップリング反応が進行するため加工性が悪化し、温度が185℃より高いとゴム硬度が低下する。一般にタイヤ用ゴム組成物の混合温度は145℃以下であるが、このような温度で混合した場合、メルカプトシラン(1)及び(2)の配合によりメルトフラクチャーが起りやすくなり、成形加工性を良好にすることができない。一方、混合温度を145〜185℃の範囲内にすることにより、メルカプトシラン(1)及び(2)を共に配合して混合したときに、メルトフラクチャーの発生を防止すると共に、押出し成形体の表面を平滑にして優れた成形加工性を得ることができる。本発明のゴム組成物の製造方法は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用することができる。
本発明において、タイヤ用ゴム組成物に、シリカ以外の無機充填剤やカーボンブラックを配合しても良い。無機充填剤としては、例えば、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、マイカ、タルク等を例示することが出来る。また、ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、老化防止剤、各種オイル、可塑剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することが出来る。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることが出来る。
本発明の製造方法で得られたタイヤ用ゴム組成物は、ヒステリシスロス(特に高温のtanδ)が小さいため、低発熱性であると共にタイヤにしたときに転がり抵抗を低減することができる。また、ゴム硬度を確保するため、操縦安定性が優れる。更に、成形加工性が良好なため、高品質のタイヤ部材を安定して製造することができる。このタイヤ用ゴム組成物は、特にトレッド部を構成するのに好適である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に使用した空気入りタイヤは、転がり抵抗が小さいため燃費性能を向上することができる。また、タイヤ剛性が高いため良好な操縦安定性を得ることができる。更に、成形加工性が良好であるため、空気入りタイヤの品質を高くすると共に、安定的に生産することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、これにより本発明の範囲が制限を受けるものではない。
表1に示す配合からなる9種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜4、比較例1〜5)を、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分を秤量し、1.7Lのバンバリーミキサーを使用して、混合温度165℃で6分間混合しマスターバッチとした。このマスターバッチを放出し、オープンロールで硫黄及び加硫促進剤を加え混合し、タイヤ用ゴム組成物を製造した。
得られた9種類のタイヤ用ゴム組成物の成形加工性を下記の方法により評価した。また、各タイヤ用ゴム組成物を、所定形状の金型内で160℃、20分間プレス加熱し、加硫試験片を成形した。この加硫試験片を使用して、下記の方法により、ゴム硬度及びヒステリシスロス(tanδ)を評価した。
ゴム硬度
加硫試験片を試料にして、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃でのゴム硬度を測定した。得られた結果を表1に示した。このゴム硬度が高いほどタイヤにしたときの操縦安定性が優れることを意味する。
ヒステリシスロス(tanδ)
加硫試験片を試料にして、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzで、温度60℃におけるtanδを測定し、ヒステリシスロスの尺度とした。得られた結果を表1に示した。このtanδ(60℃)が小さいほどヒステリシスロスが小さく、タイヤにしたときの転がり抵抗性が低いことを意味する。
成形加工性
タイヤ用ゴム組成物を、キャピラリーレオメーター(東洋精機製作所社製capirograph 1C、バレル内径9.55mm、キャピラリー径1.0×10.0mm)に供し、温度110℃、押出し速度100mm/分の条件でゴム組成物のストランドを押出した。得られたストランドの表面を、以下の判定基準により評価し、その結果を表1に示した。この評点が小さいほど成形加工性が優れ、評点1であるのがよい。
1: ストランド表面が滑らかなもの
2+:ストランド表面に曇りが生じているもの
2−:ストランド表面に肌荒れ、シャークスキンの初期のものがあるもの
3: ストランド表面が顕著なシャークスキンがあるもの又はメルトフラクチャーしているもの
Figure 2010270247
なお、表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
BR:ブタジエンゴム(日本ゼオン社製Nipol BR1220)
SBR:溶液重合スチレンブタジエンゴム(バイエル社製VSL5025、ゴム100重量部に対しアロマオイル37.5重量部を添加した油展品)
シリカ:日本シリカ工業社製Nipsil AQ
カーボンブラック:東海カーボン社製シースト7HM
メルカプトシラン(1):3−メルカプトプロピル(トリメトキシシラン)、信越化学社製KBM803
メルカプトシラン(2):[C1327O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH、Degussa社製Si363
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
老化防止剤:大内新興化学工業社製ノクラック6C
硫黄:鶴見化学工業社製油処理硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
加硫促進剤(2):大内新興化学工業社製ノクセラーD

Claims (5)

  1. ジエン系ゴム100重量部に、シリカを5〜100重量部配合すると共に、下記式(1)で表わされるメルカプトシラン(1)を前記シリカ配合量の0.5〜4.0重量%と、下記式(2)で表わされるメルカプトシラン(2)を前記シリカ配合量の0.5〜10重量%とを配合し、温度145〜185℃で混合するようにしたタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    Figure 2010270247
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基、Rはメチレン又は炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜2のいずれかの整数である。)
    Figure 2010270247
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基、Rはメチレン又は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1又は2の整数、Rは式−O−(R−O)p−Rで表されるアルキルポリエーテル基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Rは炭素数10〜16のアルキル基、pは2〜15の数である。)
  2. 前記メルカプトシラン(1)とメルカプトシラン(2)の重量比(メルカプトシラン(1)/メルカプトシラン(2))を0.1〜3.0にした請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記メルカプトシラン(1)が、3−メルカプトプロピル(トリメトキシシラン)である請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  4. 前記メルカプトシラン(2)が、
    [C1327O−(CHCHO)](CHCHO)Si(CHSH、
    [C1327O−(CHCHO)(CHCHO)Si(CHSH
    から選ばれる少なくとも1種である請求項1,2又は3に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に使用した空気入りタイヤ。
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