JP2016183265A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】低転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および加工性を改良するタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを40重量%以上含むジエン系ゴム100重量%に一般式(i)で表わされる特定の化合物0.3〜5.0重量%を共存させた素練りゴムマスターバッチ50〜100重量%を含むゴム成分100重量部に対し、カーボンブラックおよびシリカを含む補強性充填剤を50〜200重量部配合し、該補強性充填剤中、前記カーボンブラックの割合が30重量%以上であり、メルカプト基を有するシランカップリング剤を前記シリカ重量の1〜20重量%配合したことを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを40重量%以上含むジエン系ゴム100重量%に一般式(i)で表わされる特定の化合物0.3〜5.0重量%を共存させた素練りゴムマスターバッチ50〜100重量%を含むゴム成分100重量部に対し、カーボンブラックおよびシリカを含む補強性充填剤を50〜200重量部配合し、該補強性充填剤中、前記カーボンブラックの割合が30重量%以上であり、メルカプト基を有するシランカップリング剤を前記シリカ重量の1〜20重量%配合したことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、低転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および加工性を改良するようにしたタイヤ用ゴム組成物に関する。
近年、空気入りタイヤに対する要求性能として、地球環境問題への関心の高まりに伴い燃費性能が優れることが求められている。燃費性能を向上するためには転がり抵抗を低減することが必要である。このため空気入りタイヤを構成するゴム組成物の発熱を抑えることにより、タイヤの転がり抵抗を小さくすることが行われている。ゴム組成物の発熱性の指標としては一般に動的粘弾性測定による60℃のtanδが用いられ、ゴム組成物のtanδ(60℃)が小さいほど発熱性が小さくなる。
ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくする方法として、例えばシリカを配合すること、カーボンブラックの配合量を少なくすること、カーボンブラックの粒径を大きくすること等が挙げられる。しかし、このような方法では、ゴム組成物のゴム硬度、引張り破断強度などの機械的特性が低下し、タイヤにしたとき操縦安定性、耐摩耗性が低下するという問題がある。またシリカは、天然ゴムを主成分とするジエン系ゴムに良好に分散させることが困難であり、通常用いられる硫黄含有シランカップシング剤を配合しても、シリカを十分に分散させることが困難であった。このため天然ゴムを主成分にするジエン系ゴムからなるゴム組成物ではシリカが粘弾性特性を改質する効果を十分に引き出すことができなかった。
一方、シリカの分散剤としてメルカプト基を有するシランカップリング剤が提案されている。しかしメルカプト基を有するシランカップリング剤は、天然ゴムを含むジエン系ゴムとの反応効率が高いものの、これを配合したゴム組成物ではスコーチ時間が短くなり過ぎて押出性などの加工性が悪化するという問題がある。このため特許文献1は、メルカプト基を含むシリコンオリゴマーを配合することにより、ゴム組成物の加工性を確保しながらシリカの分散性を改良することを提案している。しかし、需要者が空気入りタイヤに求める性能のレベルはより高くタイヤ用ゴム組成物の低転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および加工性を従来レベル以上に向上することが求められている。
本発明の目的は、低転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および加工性を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを40重量%以上含むジエン系ゴム100重量%に下記一般式(i)で表わされる化合物0.3〜5.0重量%を共存させた素練りゴムマスターバッチ50〜100重量%を含むゴム成分100重量部に対し、カーボンブラックおよびシリカを含む補強性充填剤を50〜200重量部配合し、該補強性充填剤中、前記カーボンブラックの割合が30重量%以上であり、メルカプト基を有するシランカップリング剤を前記シリカの重量の1〜20重量%配合したことを特徴とする。
(式中、R1は置換基を有してもよい炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基、R2,R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ヒドロキシ基または炭素数1〜6のアルコキシ基、R4はヒドロキシ基または−ONa、Xは−NH−または−O−を表す。)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴムに前記一般式(i)で表される化合物を共存させた素練りゴムマスターバッチを含むゴム成分に対し、カーボンブラック、シリカおよびメルカプト基を有するシランカップリング剤を配合するようにしたので、低転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および加工性を従来レベル以上に向上することができる。これにより空気入りタイヤにしたとき生産性を向上させながら、燃費性能を改良し、ウェットグリップ性能を改良することができる。
前記一般式(i)で表される化合物において、R4はヒドロキシ基であるとよい。
このゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良しながら、ウェットグリップ性能を従来レベル以上に改良することができる。また加工性が優れるため、高い品質で安定的に製造することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、素練りゴムマスターバッチを含むゴム成分、カーボンブラック、シリカおよびメルカプト基を有するシランカップリング剤からなる。素練りゴムマスターバッチは、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムに一般式(i)で表される特定の化合物を共存させ混練したたものである。天然ゴムおよびイソプレンゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられるものを使用することができる。
素練りゴムマスターバッチは、一般式(i)で表される化合物が希釈化された天然ゴム、イソプレンゴムの少なくとも1種を含み、任意に他のジエン系ゴムを含む。素練りゴムマスターバッチが、天然ゴムおよびイソプレンゴムを有しないと、本発明の所期の効果を奏することができない。
素練りゴムマスターバッチを構成するジエン系ゴム100重量%中、天然ゴムおよびイソプレンゴムの含有量は、40重量%以上、好ましくは50〜100重量%であるとよい。天然ゴムおよびイソプレンゴムの含有量が40重量%未満であると、ジエン系ゴム中に一般式(i)の化合物を十分に分散混合させることができない。
素練りゴムマスターバッチを構成するジエン系ゴムは、天然ゴムおよびイソプレンゴム以外の他のジエン系ゴムを任意に含むことができる。他のジエン系ゴムとしては、例えばスチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等を挙げることができる。なかでもスチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムが好ましい。
本発明において、素練りゴムマスターバッチは、ジエン系ゴム100重量%に下記一般式(i)で表わされる化合物0.3〜5.0重量%を共存させ混練したものである。
(式中、R1は置換基を有してもよい炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基、R2,R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ヒドロキシ基または炭素数1〜6のアルコキシ基、R4はヒドロキシ基または−ONa、Xは−NH−または−O−を表す。)
一般式(i)中、R1は置換基を有してもよい炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基である。炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基が挙げられる。置換基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、ハロゲン原子等が例示される。これら置換基は芳香族炭化水素基の水素原子を任意に0〜4個置換することができる。R1は好ましくはフェニレン基であるとよい。
R2,R3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ヒドロキシ基または炭素数1〜6のアルコキシ基である。R2およびR3におけるハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としては、炭素数6〜12の単環式又は縮合多環式芳香族炭化水素を示し、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
R2およびR3として、R2が水素原子であり、R3が水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、より好ましくはR2およびR3が水素原子である。
R4は、ヒドロキシ基または−ONaであり、好ましくはヒドロキシ基であるとよい。
Xは、−NH−または−O−である。Xは好ましくは−NH−であるとよい。
R4は、ヒドロキシ基または−ONaであり、好ましくはヒドロキシ基であるとよい。
Xは、−NH−または−O−である。Xは好ましくは−NH−であるとよい。
前記一般式(i)で表わされる化合物としては、例えば(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸、(2Z)−4−[(3−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸、(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−2−メチル−4−オキソ−2−ブテン酸、ナトリウム(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸、ナトリウム(2Z)−4−[(3−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸等を例示することができる。なかでも(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸、ナトリウム(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸が好ましく、とりわけ(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸が好ましい。
素練りゴムマスターバッチ中、一般式(i)で表わされる化合物の含有量は、ジエン系ゴム100重量%に対し0.3〜5.0重量%、好ましくは0.5〜5.0重量%である。一般式(i)で表わされる化合物の含有量が0.3重量%未満であると、本発明の所期の効果を奏することができない。また5.0重量%を超えると、ウェットグリップ性能が却って低下する。
素練りゴムマスターバッチは、補強性充填剤を含まないようにする。素練りゴムマスターバッチが補強性充填剤を含む場合、tanδ(60℃)を低減する効果、およびウェットグリップ性能を改良する効果が、本発明により得られたタイヤ用ゴム組成物と比べ劣る。また早期加硫が起きやすくなり加工性が悪化する。
この素練りゴムマスターバッチは、天然ゴム、イソプレンゴムおよび任意にスチレンブタジエンゴム等の他のジエン系ゴムが一般式(i)で表わされる化合物と共存し希釈化しているため、後にカーボンブラックを含む補強性充填剤を配合したゴム組成物にすると、ジエン系ゴム中へのカーボンブラックを含む補強性充填剤の分散性を向上することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述した素練りゴムマスターバッチ50〜100重量%を含むゴム成分100重量部に対し、カーボンブラックおよびシリカを含む補強性充填剤を50〜200重量部配合したものである。ゴム成分は、素練りゴムマスターバッチを組成するジエン系ゴムの他、任意に他のジエン系ゴムを含むことができる。他のジエン系ゴムは、素練りゴムマスターバッチを調製した後に、補強性充填剤と共に配合するジエン系ゴムであり、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴムおよびイソプレンゴムから選ぶことができる。
本発明において、ゴム成分100重量%は、素練りゴムマスターバッチ50〜100重量%と、他のジエン系ゴムの合計で50〜0重量%とからなる。素練りゴムマスターバッチの含有量は50〜100重量%、好ましくは60〜100重量%である。また他のジエン系ゴムの合計は50〜0重量%、好ましくは40〜0重量%である。素練りゴムマスターバッチの含有量が50重量%未満では、ジエン系ゴムとカーボンブラックを含む補強性充填剤の親和性を十分に高くすることができない。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分中の素練りゴムマスターバッチおよび後添加する他のジエン系ゴムを組成する天然ゴムおよびイソプレンゴムの合計が、ゴム成分100重量%中、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは60〜100重量%であるとよい。天然ゴムおよびイソプレンゴムの合計を50重量%以上にすることにより、タイヤ用ゴム組成物に要求されるレベルの機械的特性および低発熱性を得ることができる。
素練りゴムマスターバッチおよび後添加する他のジエン系ゴムを組成するゴム成分中、天然ゴムおよびイソプレンゴム以外のジエン系ゴムの配合量の合計は、ゴム成分100重量%中、好ましくは50〜0重量%、より好ましくは40〜0重量%であるとよい。天然ゴムおよびイソプレンゴム以外のジエン系ゴムの合計が50重量%を超えると、転がり抵抗が大きくなる。天然ゴムおよびイソプレンゴム以外のジエン系ゴムは、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムから選ばれる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、カーボンブラックおよびシリカを含む補強性充填剤を50〜200重量部、好ましくは60〜150重量部を配合する。補強性充填剤の配合量が50重量部未満であるとゴム組成物の機械的特性を改良する効果が十分に得られない。補強性充填剤が200重量部以上であるとゴム組成物の発熱性が大きくなりタイヤにしたとき転がり抵抗が大きくなる。
カーボンブラックの割合は、補強性充填剤100重量%中、30重量%以上、好ましくは40〜70重量%である。カーボンブラックの割合を、補強性充填剤100重量%中、30重量%以上にすることにより、素練りゴムマスターバッチおよび補強性充填剤の親和性をより高くすることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、好ましくは25〜300m2/g、より好ましくは50〜200m2/gであるとよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積が25m2/g未満であると、ゴム組成物のゴム強度、ゴム硬度などの機械的特性が低下する。またカーボンブラックの窒素吸着比表面積が300m2/gを超えると、tanδ(60℃)が大きくなる。本明細書において、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準拠して、測定するものとする。
本発明において、カーボンブラックおよびシリカを補強性充填剤として配合する。シリカの割合は、補強性充填剤100重量%中、70重量%以下、好ましくは30〜60重量%である。シリカを配合することにより、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくすることができる。シリカの種類としては、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを使用することができる。
補強性充填剤として、カーボンブラック、シリカ以外の他の補強性充填剤を配合することができる。他の補強性充填剤としては、例えばクレイ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、シリカと共にメルカプト基を有するシランカップリング剤(以下、単に「メルカプトシラン」ということがある。)を配合することにより、シリカの分散性を向上しジエン系ゴムに対する補強性をより高くすることができる。なおメルカプトシランを配合したゴム組成物は、スコーチ時間が短くなり押出性などの加工性が低下する虞があったが、本発明では前記一般式(i)で表される化合物を共存させた素練りゴムマスターバッチを主成分とするため、加工性を維持しながらシリカの分散性を向上させることができる。これにより、低転がり抵抗性、ウェットグリップ性能および加工性を両立することができる。
メルカプトシランは、シリカの重量の1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%、より好ましくは5〜12重量%配合する。メルカプトシランの配合量がシリカ重量の1重量%未満であると、シリカの分散性を向上する効果が十分に得られない。またメルカプトシランの配合量がシリカ重量の20重量%を超えると、ゴム組成物が早期加硫を起こしやすくなり成形加工性が悪化する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、メルカプトシランは、好ましくは下記一般式(2)で表わされるメルカプトシラン化合物、または下記一般式(3)および(4)の構造を有する共重合物、または下記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンであるとよく、シリカとの親和性を高くしその分散性を改良することができる。なかでも式(5)で表されるメルカプトシランが好ましい。これらのメルカプトシラン化合物は、単独で配合してもよいし、複数を組み合わせて配合してもよい。
(式(2)中、R3,R4,R5は互いに独立して、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、鎖長が4〜30の直鎖ポリエーテル基、炭素数6〜30のアリール基から選ばれると共に、少なくとも1つは前記アルコキシ基、少なくとも1つは前記直鎖ポリエーテル基であり、R6は炭素数1〜30のアルキレン基である。)
(式(3)中、R7およびR8で環構造を形成してもよく、R7は水素、ハロゲン、炭素数1〜30のアルキル基或いはアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニル基或いはアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニル基或いはアルキニレン基、前記アルキル基或いはアルケニル基の末端がヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換された基から選ばれ、R8は炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニレン基から選ばれ、xは1以上の整数である。)
(式(4)中、R9およびR10で環構造を形成してもよく、R9は水素、ハロゲン、炭素数1〜30のアルキル基或いはアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニル基或いはアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニル基或いはアルキニレン基、前記アルキル基或いはアルケニル基の末端がヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換された基から選ばれ、R10は炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニレン基から選ばれ、yは1以上の整数である。)
(式(5)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R11は炭素数1〜4の1価の炭化水素基であり、a〜eは、0≦a<1、0≦b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。ただしa、bの少なくとも1つが0でない。)
上記一般式(2)で表されるメルカプトシラン化合物において、R3,R4,R5は互いに独立して、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、鎖長が4〜30の直鎖ポリエーテル基、炭素数6〜30のアリール基である。好ましくは水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、鎖長が10〜29の直鎖ポリエーテル基である。直鎖ポリエーテル基は、好ましくは式−O−(R13−O)p−R14で表される。ポリエーテル部分(R13−O)pにおいて、R13は炭素数2〜4のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基、トリメチレン基(―CH2CH2CH2―)、プロピレン基である。R13は、一つの種類でも複数の種類でもよい。pは、エーテル部分の繰り返し数の平均値であり、2〜15の数、好ましくは3〜10、より好ましくは3.5〜8の数である。R14は炭素数10〜16、好ましくは11〜15のアルキル基である。アルキルポリエーテル基は複数種の混合物であってもよく、例えば―O―(CH2CH2−O)5−(CH2)10CH3、―O―(CH2CH2−O)5−(CH2)11CH3、―O―(CH2CH2−O)5−(CH2)12CH3、―O―(CH2CH2−O)5−(CH2)13CH3、―O―(CH2CH2−O)5−(CH2)14CH3、―O―(CH2CH2−O)3−(CH2)12CH3、―O―(CH2CH2−O)4−(CH2)12CH3、―O―(CH2CH2−O)6−(CH2)12CH3、―O―(CH2CH2−O)7−(CH2)12CH3等が例示される。
式(2)において、R3,R4,R5のうち、少なくとも1つは炭素数1〜8のアルコキシ基、少なくとも1つは鎖長が4〜30の直鎖ポリエーテル基であり、式(2)で表されるメルカプトシラン化合物は、アルコキシ基および直鎖ポリエーテル基を必ず有する。
またR6は炭素数1〜30のアルキレン基、好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基である。
本発明で好適に使用される上記一般式(2)で表されるメルカプトシラン化合物としては、例えば[C11H23O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、[C12H25O(CH2CH2O)3](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)4](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)6](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)3](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)4](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)6](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)3](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)4](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)6](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C15H31O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C11H23O(CH2CH2O)5]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)3]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)4]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)5]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)6]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)3]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)4]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)5]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)6]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)3]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)4]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)5]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)6]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C15H31O(CH2CH2O)5]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、等が例示される。なかでも[C13H27O−(CH2CH2O)5]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、[C13H27O−(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH2)3SHが好ましい。
[C12H25O(CH2CH2O)4](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)6](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)3](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)4](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)6](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)3](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)4](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)6](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C15H31O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH2)3SH、
[C11H23O(CH2CH2O)5]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)3]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)4]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)5]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C12H25O(CH2CH2O)6]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)3]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)4]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)5]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C13H27O(CH2CH2O)6]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)3]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)4]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)5]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C14H29O(CH2CH2O)6]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、
[C15H31O(CH2CH2O)5]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、等が例示される。なかでも[C13H27O−(CH2CH2O)5]2(CH2CH2O)Si(CH2)3SH、[C13H27O−(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH2)3SHが好ましい。
上記一般式(3)及び(4)で表わされるセグメントを有する共重合体(メルカプトシラン化合物)において、R7およびR8で環構造を形成してもよく、R9およびR10で環構造を形成してもよい。R7およびR9は水素、ハロゲン、炭素数1〜30のアルキル基或いはアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニル基或いはアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニル基或いはアルキニレン基、前記アルキル基或いはアルケニル基の末端がヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換された基から選ばれる。上述したアルキル基、アルキニル基、アルキニレン基、アルキレン基、アルケニレン基およびアルキニレン基は、それぞれ分岐、非分岐のいずれでもよい。
R8およびR10は、炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニレン基から選ばれる。上述したアルキレン基、アルケニレン基およびアルキニレン基は、それぞれ分岐、非分岐のいずれでもよい。
上記一般式(3)で表わされるセグメントの含有率は好ましくは20〜99モル%、好ましくは30〜95モル%である。式(3)のセグメントの含有率が20モル%未満では加工性、耐摩耗性などの性能とのバランスをとることが困難になる。また、式(3)のセグメントの含有率が99モル%を超えると、シラン化合物を介したゴムとシリカとの化学的な結合が充分に生じず、発熱性が悪化する。
上記一般式(4)で表わされるセグメントの含有率は好ましくは1〜80モル%、好ましくは5〜70モル%である。式(4)で表わされるセグメントの含有率が1モル%未満では、シラン化合物を介したゴムとシリカとの化学的な結合が十分に生じず、発熱性が悪化する。式(4)で表わされるセグメントの含有率が80モル%を超えると、加工性、耐摩耗性などの性能とのバランスをとることが困難になる。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサン(メルカプトシラン化合物)は、その骨格として、シロキサン骨格を有する。シロキサン骨格は直鎖状、分岐状、3次元構造のいずれか又はこれらの組み合わせとすることができる。
上記一般式(5)において、a、bの少なくとも1つが0でない。すなわち、a,bの少なくとも1つが0より大であり、a及びbの両方が0より大でもよい。よって、このポリシロキサンは、スルフィド基を含有する2価の有機基A、炭素数5〜10の1価の炭化水素基Bから選ばれる少なくとも一つを必ず含む。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるメルカプトシラン化合物が、炭素数5〜10の1価の炭化水素基Bを有する場合、メルカプト基を保護しムーニースコーチ時間が長くなると同時に、ゴムとの親和性に優れることで加工性をより優れたものにする。このため一般式(5)における炭化水素基Bの添え字bは、0.10≦b≦0.89であるとよい。炭化水素基Bの具体例としては、好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10の1価の炭化水素基、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。これによりメルカプト基を保護しムーニースコーチ時間を長くし加工性により優れ、低発熱性をより優れたものにすることができる。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシラン化合物が、スルフィド基を含有する2価の有機基Aを有する場合、低発熱性、加工性(特にムーニースコーチ時間の維持・長期化)をより優れたものにする。このため一般式(5)におけるスルフィド基を含有する2価の有機基Aの添え字aは、0<a≦0.50であるとよい。
スルフィド基を含有する2価の有機基Aは、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基とすることができる。
スルフィド基含有有機基Aとしては、シリカの分散性を良好にし、また加工性をより優れたものにする観点から、下記一般式(6)で表される基であることが好ましい。
上記一般式(6)中、nは1〜10の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。また、xは1〜6の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。なお、*は結合位置を示す。
上記一般式(6)で表される基の具体例としては、例えば、*−CH2−S2−CH2−*、*−C2H4−S2−C2H4−*、*−C3H6−S2−C3H6−*、*−C4H8−S2−C4H8−*、*−CH2−S4−CH2−*、*−C2H4−S4−C2H4−*、*−C3H6−S4−C3H6−*、*−C4H8−S4−C4H8−*などが挙げられる。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるメルカプトシラン化合物は、加水分解性基Cを有することによって、シリカとの親和性及び/又は反応性を優れたものにする。一般式(5)における加水分解性基Cの添え字cは、低発熱性、加工性がより優れ、シリカの分散性がより優れるというる理由から、1.2≦c≦2.0であるとよい。加水分解性基Cの具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。加水分解性基Cとしては、シリカの分散性を良好にし、また加工性をより優れたものにする観点から、下記一般式(7)で表される基であることが好ましい。
上記一般式(7)中、*は、結合位置を示す。またR12は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。
上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるメルカプトシラン化合物は、メルカプト基を含有する有機基Dを有することによって、ジエン系ゴムと相互作用及び/又は反応することができ、低発熱性を優れたものにする。メルカプト基を含有する有機基Dの添え字dは、0.1≦d≦0.8であるとよい。メルカプト基を含有する有機基Dとしては、シリカの分散性を良好にし、また加工性をより優れたものにする観点から、下記一般式(8)で表される基であることが好ましい。
上記一般式(8)中、mは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数であることが好ましい。また式中、*は、結合位置を示す。
上記一般式(8)で表される基の具体例としては、*−CH2SH、*−C2H4SH、*−C3H6SH、*−C4H8SH、*−C5H10SH、*−C6H12SH、*−C7H14SH、*−C8H16SH、*−C9H18SH、*−C10H20SHが挙げられる。
上記一般式(5)において、R11は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。炭化水素基R11としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
上記一般式(5)中、a〜eは、0≦a<1、0≦b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。ただしa、bのいずれか一方は0ではない。ここで、a、bのいずれか一方は0ではないことは、a=0の場合0<bとなり、b=0の場合0<aとなることを意味する。なお、0<aかつ0<bであってもよい。
本発明のゴム組成物は、そのtanδ(60℃)を小さくして空気入りタイヤにしたとき転がり抵抗を小さくすると共に、ゴム硬度、引張り破断強度などの機械的特性を維持・向上するため、空気入りタイヤの操縦安定性および耐摩耗性を従来レベル以上に改良することができる。さらにこのゴム組成物は、加工性が良好なため、高品質な空気入りタイヤを安定的に生産することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、好ましくは以下の(1)〜(3)に記載の工程を少なくとも含む製造方法により調製することができる。
(1)天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを40重量%以上含むジエン系ゴム100重量%に、下記一般式(i)で表わされる化合物を0.3〜5.0重量%配合し、補強性充填剤を含まない状態で混練することにより素練りゴムマスターバッチを得る第一混合工程、
(式中、R1は置換基を有してもよい炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基、R2,R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ヒドロキシ基または炭素数1〜6のアルコキシ基、R4はヒドロキシ基または−ONa、Xは−NH−または−O−を表す。)
(2)前記素練りゴムマスターバッチ50〜100重量%を含むゴム成分100重量部に対し、カーボンブラックを30重量%以上およびシリカを含む補強性充填剤を50〜200重量部、加硫系配合剤以外の配合剤を配合すると共に、メルカプト基を有するシランカップリング剤を前記シリカ重量の1〜20重量%配合し、混練することによりゴム混練物を得る第二混合工程、
(3)前記ゴム混練物に加硫系配合剤を配合し、混合する第三混合工程。
(1)天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを40重量%以上含むジエン系ゴム100重量%に、下記一般式(i)で表わされる化合物を0.3〜5.0重量%配合し、補強性充填剤を含まない状態で混練することにより素練りゴムマスターバッチを得る第一混合工程、
(2)前記素練りゴムマスターバッチ50〜100重量%を含むゴム成分100重量部に対し、カーボンブラックを30重量%以上およびシリカを含む補強性充填剤を50〜200重量部、加硫系配合剤以外の配合剤を配合すると共に、メルカプト基を有するシランカップリング剤を前記シリカ重量の1〜20重量%配合し、混練することによりゴム混練物を得る第二混合工程、
(3)前記ゴム混練物に加硫系配合剤を配合し、混合する第三混合工程。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、第一混合工程(1)、第二混合工程(2)および第三混合工程(3)からなる三つの工程を少なくとも含む製造方法により製造することができる。また必要に応じて、他の混練工程および/または混合工程を追加することができる。本明細書では、混合とは配合した原料を混ぜ合わせて均質な状態にする操作、混練とは混合物を均質な状態に分配・分散することに加え、せん断力を負荷し、必要に応じ加熱し、練り合わせる操作をいう。また混練および混合は、通常用いられる手段を用いて行うことができる。
第一混合工程(1)は、素練りゴムマスターバッチを調製する工程である。素練りゴムマスターバッチは、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴムを100重量%とし、これに前記一般式(i)で表される化合物を0.3〜5.0重量%配合し、補強性充填剤を含まない状態で混練することにより製造することができる。一般式(i)で表される化合物の配合量が0.3重量%未満であるとゴム組成物のtanδ(60℃)を低減し、かつ引張り破断強度、ゴム硬度などの機械的特性を改良する効果が十分に得られない。また5.0重量%を超えるとウェットグリップ性能が却って低下する。
この製造方法において、素練りゴムマスターバッチは補強性充填剤を含まないことが必要である。素練りゴムマスターバッチが補強性充填剤を含むと、所期の効果を奏するタイヤ用ゴム組成物を得ることができない。また一般式(i)で表される化合物としては、R4がヒドロキシ基である化合物が好ましい。
第一混合工程(1)は、例えば天然ゴムの素練り工程において、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムに、一般式(i)で表される化合物および任意にスチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどの他のジエン系ゴムを配合して混練することにより実施することができる。
ここでジエン系ゴム100重量%中、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムの含有量は40重量%以上、好ましくは50〜100重量%である。天然ゴムおよびイソプレンゴムの含有量が40重量%未満であると、ジエン系ゴム中に一般式(i)で表される化合物を十分に分散混合させることができない。
第一混合工程(1)において、ジエン系ゴムおよび一般式(i)で表される化合物を、好ましくは150〜180℃、より好ましくは160〜170℃で混練するとよい。また混練時間は、好ましくは1〜5分間、より好ましくは3〜5分間にするとよい。第一混合工程(1)における混練温度および時間を上記の範囲内にすることにより、ゴム硬度、引張り破断強度などの機械的特性が低下するのを抑制することができる。
第二混合工程(2)では、第一混合工程(1)で得られた素練りゴムマスターバッチ50〜100重量%を含むゴム成分100重量部に対し、カーボンブラックを30重量%以上、およびシリカを含む補強性充填剤、加硫系配合剤以外の配合剤を配合し混練することにより、ゴム混練物を得る。補強性充填剤中のカーボンブラックの割合は、30重量%以上、好ましくは50〜70重量%である。カーボンブラックの割合が30重量%未満であると、ゴム組成物の引張り破断強度、ゴム硬度等の機械的特性を改良する効果が十分に得られない。
また補強性充填剤としてシリカを含むことにより、ゴム組成物の粘弾性特性を改質し、発熱性を小さくしながらウェットグリップ性能を高くすることができる。さらにカーボンブラック、シリカ以外の他の補強性充填剤として、例えばクレイ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等を配合することができる。
第二混合工程(2)において、ゴム成分に加硫系配合剤以外の配合剤を配合する。本明細書において加硫系配合剤とは、加硫剤および架橋剤、加硫促進剤および架橋促進剤、加硫遅延剤をいう。また加硫系配合剤以外の配合剤としては、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、各種オイル、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を例示することができる。
第二混合工程(2)では、上述したゴム混練物に対し、ジエン系ゴムおよび補強性充填剤の混合物に適用する通常の条件で、混練操作を行う。第二混合工程における混練温度は、好ましくは120〜190℃、より好ましくは140〜180℃にするとよい。
第三混合工程(3)は、第二混合工程で得られたゴム混練物に加硫系配合剤を配合し混合する工程である。加硫系配合剤とは、上述した配合剤をいう。第三混合工程では、加硫系配合剤が早期加硫および架橋を起こさないように条件を決めて混合を行う。
本発明の製造法により得られたタイヤ用ゴム組成物は、素練りゴムマスターバッチを含むゴム成分100重量部に対し、カーボンブラックを30重量%以上およびシリカを含む補強性充填剤を50〜200重量部配合する。この補強性充填剤は、第一混合工程で製造される素練りゴムマスターバッチには配合されず、第二混合工程で配合される必要がある。このように補強性充填剤を第一混合工程に配合しないことにより、補強性充填剤および一般式(i)で表わされる化合物が凝集するのを抑制して、後に添加するカーボンブラックの分散性を向上させてゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくし、かつ機械的強度を改良することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤのキャップトレッド部、アンダートレッド部、サイドウォール部、ビードフィラー部、およびカーカス層、ベルト層、ベルトカバー層などのコード用被覆ゴム、ランフラットタイヤにおける断面三日月型のサイド補強ゴム層、リムクッション部などに好適に使用することができる。本発明のゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、走行時の発熱性が小さくなるので、転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良することができる。同時に、ウェットグリップ性能を従来レベル以上に向上することができる。また加工性が優れるため、高い品質の空気入りタイヤを安定的に製造することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
第一混合工程、第二混合工程および第三混合工程からなる三つの工程における配合を表1〜3に示すように異ならせたを22種類のゴム組成物(実施例1〜11、標準例、比較例1〜10)を調製した。先ず、「第一混合工程の配合(素練りゴムマスターバッチ)」の欄に記載した配合で、「第一混合工程の混練条件」の欄および下記の第一混合工程の条件で混練を行い、素練りゴムマスターバッチを調製した。なお、本発明の素練りゴムマスターバッチに該当しない比較例の配合物も便宜上、素練りゴムマスターバッチとみなす。得られた素練りゴムマスターバッチを使用し、「第二混合工程の配合(ゴム混練物)」の欄に記載の配合で下記の第二混合工程の条件で混練を行い、ゴム混練物を調製した。得られたゴム混練物を使用し、「第三混合工程の配合」の欄に記載の配合で下記の第三混合工程の条件で混合し、タイヤ用ゴム組成物を調製した。
なお表1〜3の「第二混合工程の配合(ゴム混練物)」における「素練りゴムマスターバッチ(ゴム成分量)」の欄の記載は、第一混合工程で調製された素練りゴムマスターバッチの配合量を表し、また括弧内に記載のゴム成分量は、その内のジエン系ゴムの量を表す。また表1〜3の「第二混合工程の配合(ゴム混練物)」における「配合剤(表4)の記載は、第二混合工程で添加された加硫系配合剤以外の配合剤の合計を意味し、加硫系配合剤以外の配合剤は共通処方として表4に表した。表4に記載した加硫系配合剤以外の配合剤の添加量は、表1〜3に記載のタイヤ用ゴム組成物を構成するゴム成分100重量部に対する重量部を意味する。
<第一混合工程>
1.8Lバンバリーミキサーを用いて、天然ゴムを1分間予備混合後(97℃)、表1,2の「第一混合工程の配合(素練りゴムMB)」の欄に記載の配合物を添加し混練した。なお表中、本発明の素練りゴムマスターバッチに該当しない配合物も便宜上「第一混合工程の配合(素練りゴムMB)」の欄に記載する。第一混合工程の全混合時間は4分であり、充填率は72%とした。混練温度およびその混練温度キープした時間を表1〜3に示した。
1.8Lバンバリーミキサーを用いて、天然ゴムを1分間予備混合後(97℃)、表1,2の「第一混合工程の配合(素練りゴムMB)」の欄に記載の配合物を添加し混練した。なお表中、本発明の素練りゴムマスターバッチに該当しない配合物も便宜上「第一混合工程の配合(素練りゴムMB)」の欄に記載する。第一混合工程の全混合時間は4分であり、充填率は72%とした。混練温度およびその混練温度キープした時間を表1〜3に示した。
<第二混合工程>
1.8Lバンバリーミキサーを用いて、第一混合工程にて得られた素練りゴムマスターバッチおよび任意に第二混合工程で配合するジエン系ゴムを1分間予備混合し、その後カーボンブラックなど、「第二混合工程の配合(ゴム混練物)」の欄に記載の配合剤を混合した。なお表中、本発明の素練りゴムマスターバッチに該当しない第一混合工程で得られた混合物も便宜上「素練りゴムMB(ゴム成分量)」の欄に記載する。第二混合工程の全混合時間は5分30秒であり、その時のゴム温度は162℃である。
1.8Lバンバリーミキサーを用いて、第一混合工程にて得られた素練りゴムマスターバッチおよび任意に第二混合工程で配合するジエン系ゴムを1分間予備混合し、その後カーボンブラックなど、「第二混合工程の配合(ゴム混練物)」の欄に記載の配合剤を混合した。なお表中、本発明の素練りゴムマスターバッチに該当しない第一混合工程で得られた混合物も便宜上「素練りゴムMB(ゴム成分量)」の欄に記載する。第二混合工程の全混合時間は5分30秒であり、その時のゴム温度は162℃である。
<第三混合工程>
オープンロール機で70〜90℃の温度にて、第二混合工程で得られたゴム混練物と、加硫促進剤および硫黄を、表1〜3の「第三混合工程」の欄に記載の組成で配合し、タイヤ用ゴム組成物を得た。
オープンロール機で70〜90℃の温度にて、第二混合工程で得られたゴム混練物と、加硫促進剤および硫黄を、表1〜3の「第三混合工程」の欄に記載の組成で配合し、タイヤ用ゴム組成物を得た。
得られた22種類のゴム組成物について、そのムーニースコーチ(加工性)を下記に示す方法により測定した。また得られた22種類のゴム組成物を、それぞれ所定形状の金型中で、170℃、10分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法により動的粘弾性(0℃および60℃のtanδ)の評価を行った。
ムーニースコーチ(加工性)
タイヤ用ゴム組成物のムーニースコーチタイムは、JIS K6300−1に基づいて、温度125℃において、粘度が最低値から、最低値と最高値の差の5%増加するまでの時間(分)を測定した。得られた結果は、標準例の値を100とする指数で表わし「加工性」の欄に示した。この指数が大きいほどムーニースコーチが長く、加工性が優れることを意味する。
タイヤ用ゴム組成物のムーニースコーチタイムは、JIS K6300−1に基づいて、温度125℃において、粘度が最低値から、最低値と最高値の差の5%増加するまでの時間(分)を測定した。得られた結果は、標準例の値を100とする指数で表わし「加工性」の欄に示した。この指数が大きいほどムーニースコーチが長く、加工性が優れることを意味する。
動的粘弾性(0℃および60℃のtanδ)
得られた試験片をJIS K6394に準拠して、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で、温度0℃および60℃における損失正接tanδを測定した。また得られた結果は、標準例の値を100とする指数としてtanδ(0℃)を「ウェット性能」、tanδ(60℃)を「転がり抵抗」の欄に示した。ウェット性能の指数が大きいほどtanδ(0℃)が大きく、タイヤにしたときウェットグリップ性能が優れることを意味する。転がり抵抗の指数が小さいほど発熱性(tanδ(60℃))が小さく、タイヤにしたとき転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
得られた試験片をJIS K6394に準拠して、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で、温度0℃および60℃における損失正接tanδを測定した。また得られた結果は、標準例の値を100とする指数としてtanδ(0℃)を「ウェット性能」、tanδ(60℃)を「転がり抵抗」の欄に示した。ウェット性能の指数が大きいほどtanδ(0℃)が大きく、タイヤにしたときウェットグリップ性能が優れることを意味する。転がり抵抗の指数が小さいほど発熱性(tanδ(60℃))が小さく、タイヤにしたとき転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
なお、表1〜3において使用した原材料の種類を下記に示す。
−NR:天然ゴム、TSR20
−SBR:スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1502
−カーボンブラック:キャボットジャパン社製ショウブラックN330、窒素吸着比表面積が70m2/g
−シリカ:シリカ、ローディア社製Zeosil 1165MP、CTAB比表面積が160m2/g
−メルカプトシラン:メルカプト基を有するシランカップリング剤、Evonik Degussa社製Si363
−カップリング剤:硫黄含有シランカップリング剤、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、Evonik Degussa社製Si69
−硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄(硫黄の含有量が95.24重量%)
−加硫促進剤−1:大内新興化学工業社製ノクセラー CZ−G
−加硫促進剤−2:大内新興化学工業社製ノクセラー D
−NR:天然ゴム、TSR20
−SBR:スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1502
−カーボンブラック:キャボットジャパン社製ショウブラックN330、窒素吸着比表面積が70m2/g
−シリカ:シリカ、ローディア社製Zeosil 1165MP、CTAB比表面積が160m2/g
−メルカプトシラン:メルカプト基を有するシランカップリング剤、Evonik Degussa社製Si363
−カップリング剤:硫黄含有シランカップリング剤、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、Evonik Degussa社製Si69
−硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄(硫黄の含有量が95.24重量%)
−加硫促進剤−1:大内新興化学工業社製ノクセラー CZ−G
−加硫促進剤−2:大内新興化学工業社製ノクセラー D
−化合物(i):(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸、以下の方法により調製した。
窒素雰囲気下、反応容器に1,4−フェニレンジアミン25.17g(0.233mol)とテトラヒドロフラン230mlを仕込んだ。そこへ氷冷下、無水マレイン酸22.84g(0.233mol)をテトラヒドロフラン50mlに溶解した溶液を約1時間で滴下した後、室温で一晩撹拌した。反応終了後、析出した結晶を濾取し、テトラヒドロフラン40mlで2回洗浄し、40℃で5時間乾燥して粗製の(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸を橙色の粉末として46.92g得た。粗製の(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸46.92gにメタノール250mlを加えて50℃で1時間撹拌し冷却後、ろ過しメタノール20mlで2回洗浄した。得られた結晶を乾燥して(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸を黄橙色粉末として42.67g得た。収率は88.8%であった。
窒素雰囲気下、反応容器に1,4−フェニレンジアミン25.17g(0.233mol)とテトラヒドロフラン230mlを仕込んだ。そこへ氷冷下、無水マレイン酸22.84g(0.233mol)をテトラヒドロフラン50mlに溶解した溶液を約1時間で滴下した後、室温で一晩撹拌した。反応終了後、析出した結晶を濾取し、テトラヒドロフラン40mlで2回洗浄し、40℃で5時間乾燥して粗製の(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸を橙色の粉末として46.92g得た。粗製の(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸46.92gにメタノール250mlを加えて50℃で1時間撹拌し冷却後、ろ過しメタノール20mlで2回洗浄した。得られた結晶を乾燥して(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸を黄橙色粉末として42.67g得た。収率は88.8%であった。
なお、表4において使用した原材料の種類を下記に示す。
−酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
−ステアリン酸:NOFコーポレーション社製ステアリン酸YR
−老化防止剤:Solutia Europe社製Santoflex 6PPD
−酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
−ステアリン酸:NOFコーポレーション社製ステアリン酸YR
−老化防止剤:Solutia Europe社製Santoflex 6PPD
表1〜3から明らかなように実施例1〜11のタイヤ用ゴム組成物は、加工性(ムーニースコーチ)、ウェット性能および低転がり抵抗性が従来レベル以上に向上することが確認された。
表1から明らかなように、比較例1のゴム組成物は、第一混合工程を行わず、素練りゴムマスターバッチを使用しなかったので加工性が悪化した。比較例2のゴム組成物は、第一混合工程で製造した素練りゴムマスターバッチが一般式(i)で表される化合物を含まないので、加工性が悪化した。比較例3のゴム組成物は、第一混合工程で製造した素練りゴムマスターバッチが一般式(i)で表される化合物を含まずにカーボンブラックを含むので、転がり抵抗が悪化した。比較例4のゴム組成物は、第一混合工程で製造した素練りゴムマスターバッチがカーボンブラックを含むので、加工性、ウェット性能および低転がり抵抗性が悪化した。比較例5のゴム組成物は、第一混合工程で製造した素練りゴムマスターバッチ中の天然ゴムが40重量%未満であるので、低転がり抵抗性が悪化した。
表2から明らかなように、比較例6のゴム組成物は、素練りゴムマスターバッチ中の一般式(i)で表される化合物の配合量が0.3重量%未満であるので、加工性が悪化した。比較例7のゴム組成物は、素練りゴムマスターバッチ中の一般式(i)で表される化合物の配合量が5重量%を超えるので、ウェット性能および低転がり抵抗性が悪化した。
比較例8のゴム組成物は、補強性充填剤中のカーボンブラックの割合が30重量%未満であるので、加工性および低転がり抵抗性が悪化した。比較例9のゴム組成物は、メルカプト基を有するシランカップリング剤(メルカプトシラン)を有しないので、加工性、ウェット性能および低転がり抵抗性のすべての特性が悪化した。比較例10のゴム組成物は、メルカプトシランの代わりにメルカプト基を有しないシランカップリング剤を配合したので、低転がり抵抗性が悪化した。
Claims (3)
- 天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを40重量%以上含むジエン系ゴム100重量%に下記一般式(i)で表わされる化合物0.3〜5.0重量%を共存させた素練りゴムマスターバッチ50〜100重量%を含むゴム成分100重量部に対し、カーボンブラックおよびシリカを含む補強性充填剤を50〜200重量部配合し、該補強性充填剤中、前記カーボンブラックの割合が30重量%以上であり、メルカプト基を有するシランカップリング剤を前記シリカの重量の1〜20重量%配合したことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
- 前記一般式(i)において、R4がヒドロキシ基であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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JP2019001873A (ja) * | 2017-06-13 | 2019-01-10 | 株式会社ブリヂストン | ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ |
WO2019017449A1 (ja) | 2017-07-21 | 2019-01-24 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
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