JP2014218544A - タイヤ用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低転がり抵抗性及び操縦安定性を従来レベル以上に改良するようにしたタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供する。【解決手段】ジエン系合成ゴム100重量部に、シリカを50〜120重量部含む無機充填材を配合し、シランカップリング剤を前記シリカ量の5〜15重量%配合して混練した後、下記式(i)で表わされるS−(アミノアルキル)チオ硫酸又はその金属塩を前記ジエン系合成ゴム100重量部に対し0.03〜5重量部配合し、混練することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、低転がり抵抗性及び操縦安定性を改良するようにしたタイヤ用ゴム組成物及びその製造方法に関する。
近年、空気入りタイヤに対する要求性能として、地球環境問題への関心の高まりに伴い燃費性能が優れることが求められている。燃費性能を向上するためには転がり抵抗を低減すること必要である。このため空気入りタイヤを構成するゴム組成物の発熱を抑えることにより、タイヤにしたときの転がり抵抗を小さくすることが行われている。ゴム組成物の発熱性の指標としては一般に動的粘弾性測定による60℃のtanδが用いられ、ゴム組成物のtanδ(60℃)が小さいほど発熱性が小さくなる。
ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくする方法として、例えばカーボンブラックの配合量を少なくしたり、カーボンブラックの粒径を大きくしたりすることが挙げられる。しかし、このような方法では、ゴム硬度、引張り弾性率などの機械的特性が低下し、タイヤにしたとき操縦安定性が低下するという問題がある。
特許文献1は、ゴム成分とS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸と充填剤と硫黄成分と加硫促進剤とを含む加硫ゴム組成物により、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくすることを提案している。しかし、このゴム組成物では、ゴム組成物の機械的強度を確保する効果が必ずしも十分ではなく更なる改良が求められていた。
一方、シリカ及びシランカップリング剤を配合することにより、tanδ(60℃)を小さくするようにしたタイヤ用ゴム組成物が広く知られている。しかしながら、シリカ及びシランカップリング剤を配合したゴム組成物では、tanδ(60℃)を改良することができるものの、ゴム硬度が低下し、操縦安定性を改良する維持、改良することが困難であった。
また、シリカ及びシランカップリング剤を、上述したS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸と共に配合したゴム組成物では、そのtanδ(60℃)が却って大きくなり、タイヤにしたとき転がり抵抗が増大するという問題があった。
特開2012−107232号公報
本発明の目的は、低転がり抵抗性及び操縦安定性を従来レベル以上に改良するようにしたタイヤ用ゴム組成物及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、ジエン系合成ゴム100重量部に、シリカを50〜120重量部含む無機充填材を配合し、シランカップリング剤を前記シリカ量の5〜15重量%配合して混練した後、下記式(i)で表わされるS−(アミノアルキル)チオ硫酸又はその金属塩を前記ジエン系合成ゴム100重量部に対し0.03〜5重量部配合し、混練することを特徴とする。
Figure 2014218544
(式中、nは2〜10の整数を表す。)
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、S−(アミノアルキル)チオ硫酸及びその金属塩が存在しない状態で、ジエン系合成ゴム、シリカ及びシランカップリング剤を配合、混練し、その後S−(アミノアルキル)チオ硫酸又はその金属塩を配合し、混練するようにしたので、シリカ及びシランカップリング剤の反応により、シリカの分散性が向上し、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくし、タイヤにしたときの転がり抵抗を改良することができる。またS−(アミノアルキル)チオ硫酸又はその金属塩を配合することにより、ゴム組成物のtanδ(60℃)を維持しながら、ゴム硬度、弾性率を改良しタイヤにしたときの操縦安定性を高くすることができる。
前記ジエン系合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムから選ばれる少なくとも一つであることが好ましく、スチレンブタジエンゴムを含むことがより好ましい。
前記無機充填材としては、カーボンブラックを含むとよい。前記シリカのCTAB比表面積は、150〜250m2/gであるとよい。また前記S−(アミノアルキル)チオ硫酸又はその金属塩を、90〜150℃で混練することが好ましい。
上述した製造方法により得られたゴム組成物は空気入りタイヤに使用することが好適であり、空気入りタイヤの転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良しながら、操縦安定性を従来レベル以上に改良することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、少なくとも二つの混練工程を有する逐次混練によりゴム組成物を調製する方法である。逐次混練は二以上の混練工程からなる混練方法であり、ゴム組成物の配合剤を段階的に加えたり、先後の工程で混練方法や混練条件を互いに異ならせたりすることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、ジエン系合成ゴム、シリカ及びシランカップリング剤を配合、混練することにより第一混合物を得る第一の混練工程と、得られた第一混合物にS−(アミノアルキル)チオ硫酸又はその金属塩を配合、混練する第二の混練工程を含む逐次混練方法である。ここで、S−(アミノアルキル)チオ硫酸及びその金属塩を配合、混練するのは、第一の混練工程に続く2番目の混練工程に限定されるものではなく、3番目の混練工程、又はそれ以降の混練工程でもよく、最終的に第一の混練工程で得られた第一混合物にS−(アミノアルキル)チオ硫酸及びその金属塩を配合し、混練するように逐次混練すればよい。また2番目又は3番目以降の混練工程が加硫系配合剤を添加するフィニッシング工程であるときも、S−(アミノアルキル)チオ硫酸及びその金属塩を加硫系配合剤と共に配合することができる。本明細書では、理解を容易にするため、主に第二の混練工程において、S−(アミノアルキル)チオ硫酸及びその金属塩を、第一混合物に配合し、混練するものとして説明する。
第一の混練工程では、ジエン系合成ゴム100重量部に、シリカを50〜120重量部含む無機充填材を配合し、シランカップリング剤をシリカ量の5〜15重量%配合して混練することにより、第一混合物を得る。
第一混合物を組成するゴム成分は、ジエン系合成ゴムである。好適なジエン系合成ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴムを除くジエン系合成ゴムであり、例えばスチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムを例示することができる。なかでもスチレンブタジエンゴムを含むことが好ましい。これらのジエン系合成ゴムは、1種又は2種以上のジエン系合成ゴムを選ぶことができる。とりわけジエン系合成ゴムが、スチレンブタジエンゴム、又はスチレンブタジエンゴムと他のジエン系合成ゴムとの組み合わせであるとよい。
第一の混合工程において、ジエン系合成ゴムにシリカを含む無機充填材を配合する。この無機充填材は、シリカ及びシリカを除く他の無機充填材からなる。他の無機充填材としては、例えばカーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、水酸化アルミニウムを例示することができる。なかでもカーボンブラックが好ましい。
シリカは、ジエン系合成ゴム100重量部に対し50〜120重量部、好ましくは50〜100重量部配合する。シリカの配合量を50重量部以上にすることにより、ゴム組成物の発熱性を抑制し、転がり抵抗を小さくすることができる。またシリカの配合量を120重量部以下にすることにより、加工性悪化を抑制することができる。シリカの種類としては、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを使用することができる。
使用するシリカの特性としては、特に制限されるものではないが、CTAB比表面積が好ましくは150〜250m2/g、より好ましくは150〜230m2/gであるとよい。シリカのCTAB比表面積を150m2/g以上にすることにより、硬度・破断強度を改善することができる。またシリカの窒素吸着比表面積を250m2/g以下にすることにより、加工性が良好になる。シリカのCTAB比表面積はISO 5794に準拠して求めるものとする。
シリカを含む無機充填材の配合量の合計は、ジエン系合成ゴム100重量部に対し、好ましくは50〜150重量部、より好ましくは50〜120重量部にするとよい。無機充填材の配合量を50重量部以上にすることにより、低発熱性に有利になる。また無機充填材の配合量を150重量部以下にすることにより、加工性悪化を抑制する。
また無機充填材として好適に配合するカーボンブラックの配合量は、上述したシリカの配合量及び無機充填材の配合量の合計から決めることができる。なおカーボンブラックを配合するのは、第一の混練工程に限定されるものではなく、2番目以降の混練工程で配合することができる。また好適に使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積が好ましくは60〜155m2/g、より好ましくは70〜120m2/gにするとよい。窒素吸着比表面積を60m2/g以上にすることにより、ゴム組成物のゴム硬度、弾性率などの機械的特性を確保することができる。また窒素吸着比表面積を155m2/g以下にすることにより、tanδ(60℃)の増大を抑制することができる。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準拠して、測定するものとする
第一の混練工程において、シリカと共にシランカップリング剤を配合する。シランカップリング剤を配合することにより、シリカの分散性を向上しジエン系合成ゴムとの補強性をより高くする。シランカップリング剤は、シリカ配合量に対して好ましくは5〜20重量%、好ましくは5〜15重量%配合するとよい。シランカップリング剤の配合量をシリカ重量の5重量%以上にすることにより、シリカの分散性を向上することができる。また、シランカップリング剤が20重量%以下にすることにより、シランカップリング剤同士が重合して所望の効果を阻害するのを抑制する。
シランカップリング剤としては、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましく、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、[C1327O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH等を例示することができる。なかでもビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、[C1327O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SHが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、第一の混練工程で得られた第一混合物に対し下記式(i)で表わされるS−(アミノアルキル)チオ硫酸又はその金属塩を0.03〜5重量部配合する。この配合量は、第一混合物中のジエン系合成ゴムを100重量部とするものである。
Figure 2014218544
(式中、nは2〜10の整数を表す。)
上記式(i)において、nは1〜10の整数を表し、好ましくは2〜6、より好ましくは3〜4の整数である。S−(アミノアルキル)チオ硫酸としては、S−(アミノメチル)チオ硫酸、S−(2−アミノエチル)チオ硫酸、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸、S−(4−アミノブチル)チオ硫酸、S−(5−アミノペンチル)、S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸、S−(7−アミノペプチル)チオ硫酸、S−(8−アミノオクチル)チオ硫酸、S−(9−アミノノニル)チオ硫酸、S−(10−アミノデシル)チオ硫酸が例示される。なかでもS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸、S−(4−アミノブチル)チオ硫酸が好ましい。
上記式(i)表わされるS−(アミノアルキル)チオ硫酸の金属塩は、金属イオンとして、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオン、亜鉛イオンを例示することができる。
S−(アミノアルキル)チオ硫酸の配合量を、ジエン系合成ゴム100重量部に対し0.03重量部以上にすることにより、ゴム組成物のtanδ(60℃)を低減し、かつゴム硬度、弾性率などの機械的特性を改良することができる。またS−(アミノアルキル)チオ硫酸の配合量を5重量部以下にすることにより、スコーチタイムが短縮するのを抑制することができる。
本発明の製造方法において、上記式(i)表わされるS−(アミノアルキル)チオ硫酸又はその金属塩を、第一混合物、すなわちジエン系合成ゴム、シリカ及びシランカップリング剤を混練し、シリカとシランカップリング剤とを反応させてシリカを良好に分散させたゴム混合物に配合する必要がある。S−(アミノアルキル)チオ硫酸が有するアミノ基は、シリカのシラノール基と結合し、更に他方の末端のチオ硫酸基は、シリカ及びシランカップリング剤と反応性を有する。このためジエン系合成ゴム、シリカ及びシランカップリング剤と、S−(アミノアルキル)チオ硫酸とを共存させて混練すると、S−(アミノアルキル)チオ硫酸が、シリカ、シランカップリング剤間の反応を阻害し、シリカを良好に分散させることができない。このため、予めシリカを良好に分散させた第一混合物に、S−(アミノアルキル)チオ硫酸を配合し、混練することにより、シリカの分散性に悪影響を及ぼすのを防ぎ、シリカを配合する効果を得ることができる。
またS−(アミノアルキル)チオ硫酸が有するアミノ基が、カーボンブラックに作用しその分散性を良好にすることができる。これにより、ゴム組成物の発熱性を小さくすると共に、ゴム硬度、弾性率をいっそう高くすることができる。
本発明において、S−(アミノアルキル)チオ硫酸又はその金属塩を、第一混合物に混練するとき、混練温度を好ましくは90〜150℃、より好ましくは120〜145℃にするとよい。混練温度を90℃以上にすることにより、シリカ及びシランカップリング剤を効果的に反応させることができる。またS−(アミノアルキル)チオ硫酸の混練温度を150℃以下にすることにより、シランカップリング剤とゴムとの混練中の架橋反応を抑制できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤのキャップトレッド部、アンダートレッド部、サイドウォール部、ビードフィラー部、及びカーカス層、ベルト層、ベルトカバー層などのコード用被覆ゴム、ランフラットタイヤにおける断面三日月型のサイド補強ゴム層、リムクッション部などに好適に使用することができる。これらの部材に本発明のゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、走行時の発熱性が小さくなるので、転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良することができる。同時に、ゴム組成物の機械的特性の改良により、操縦安定性を従来レベル以上に維持・向上することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表4に示す共通配合剤を配合し、表1〜3に示す配合からなる21種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜11、比較例1〜10)を、逐次混練により調製した。先ず、「第一逐次混練工程の配合(第一混合物)」の欄に記載の配合で下記に記載の第一逐次混練工程の条件で混練を行い、第一混合物を調製した。得られた第一混合物を使用し、「第二逐次混練工程の配合(第二混合物)」の欄に記載の配合で下記に記載の第二逐次混練工程の条件で混練を行い、第二混合物を調製した。得られた第二混合物を使用し、「混合工程の配合」の欄に記載の配合で下記に記載の混合工程の条件で混合し、タイヤ用ゴム組成物を調製した。
なお表1〜3の「第二逐次混練工程の配合(第二混合物)」における「第一混合物(ゴム成分量)」の欄の記載は、第一逐次混練工程で調製された第一混合物の配合量を表す。なお「SBR」の欄には、油展オイルを含むSBRの配合量を記載すると共に、油展オイルを除いた各ゴム成分の正味の配合量を括弧内に記載した。また表1〜3の「第一逐次混練工程の配合(第一混合物)」における「配合剤(表4参照)」の記載は、第一逐次混練工程で添加された加硫系配合剤以外の配合剤の合計を意味し、加硫系配合剤以外の配合剤の配合は、表4に表した。表4に記載した加硫系配合剤以外の配合剤の添加量は、表1〜3に記載のタイヤ用ゴム組成物を構成するジエン系合成ゴム100重量部に対する重量部を意味する。
<第一逐次混練工程の予備混練>
1.8Lバンバリーミキサーを用いて、表1〜3の「第一逐次混練工程の配合(第一混合物)」の欄に記載の配合物を秤量し、混練した。全混合時間は5分30秒であり、その時のゴム温度は152℃であった。また充填率は72%とした。
<第二逐次混練工程>
1.8Lバンバリーミキサーを用いて、第一逐次工程にて得られた第一混合物及び「第二逐次混練工程の配合(第二混合物)」の欄に記載の配合剤を添加し、混練した。第二逐次混練の全混合時間は3分であり、その時のゴム温度は120〜140℃であった。
<混合工程>
オープンロール機で70〜90℃の温度にて、表1〜3の「第一逐次混練工程の配合(第一混合物)」の欄に記載の配合物を配合、混合し、タイヤ用ゴム組成物を得た。
得られた21種類のゴム組成物を、それぞれ所定形状の金型中で、150℃、15分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法によりゴム硬さ、引張り特性(300%モジュラス)及び動的粘弾性(60℃のtanδ)の評価を行った。
ゴム硬度
得られた試験片を用いJIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度25℃で測定した。得られた結果は、表1,2では比較例1の値を100、表3では比較例7の値を100として「ゴム硬度」の欄に示した。ゴム硬度の指数が大きいほど操縦安定性が優れることを意味する。
引張り特性
得られた試験片から、JIS K6251に準拠してJIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、500mm/分の引張り速度で試験を行い、300%モジュラスを測定した。得られた結果は、表1,2では比較例1の値を100、表3では比較例7の値を100とする指数として「300%モジュラス」の欄に示した。300%モジュラスの指数が大きいほど操縦安定性が優れることを意味する。
動的粘弾性(60℃のtanδ)
得られた試験片をJIS K6394に準拠して、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で、温度60℃における損失正接tanδを測定した。また得られた結果は、それぞれの値の逆数を算出し、表1,2では比較例1の値の逆数を100、表3では比較例7の値の逆数を100とする指数として「tanδ(60℃)」の欄に示した。tanδ(60℃)の指数が大きいほどtanδ(60℃)、すなわち発熱性が小さく、タイヤにしたとき転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
Figure 2014218544
Figure 2014218544
Figure 2014218544
なお、表1〜3において使用した原材料の種類を下記に示す。
NR:天然ゴム、RSS#1
SBR:スチレン−ブタジエンゴム、旭化成社製E581、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品
カーボンブラック:東海カーボン社製 シーストKH
シリカ1:RHODIA社製1165MP、CTAB比表面積が150m2/g
シリカ2:EVONIK社製Ultrasil 9000GR、CTAB比表面積が220m2/g
カップリング剤1:硫黄含有シランカップリング剤、エボニックデグサ社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
カップリング剤2:メルカプト系シランカップリング剤、エボニックデグサ社製Si363、[C1327O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH
有機チオ硫酸1:S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸(住友化学社製)
有機チオ硫酸2:S−(4−アミノブチル)チオ硫酸(住友化学社製)
硫黄:鶴見化学工業社製油処理硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーNS−P
Figure 2014218544
なお、表4において使用した原材料の種類を下記に示す。
アロマオイル:ジャパンエナジー社製プロセスX−140
亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
ワックス:大内新興化学工業社製サンノック
老化防止剤:フレキシス社製SANTOFLEX6PPD
表2,3から明らかなように実施例1〜11のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム硬さ、300%モジュラス及びtanδ(60℃)が従来レベル以上に向上することが確認された。
表1から明らかなように、比較例2のゴム組成物は、比較例1に対し第一逐次混練工程へS−(アミノアルキル)チオ硫酸を配合したので、tanδ(60℃)が悪化する。比較例3のゴム組成物は、比較例1のカップリング剤1をカップリング剤2に変更したが、S−(アミノアルキル)チオ硫酸を第二逐次混練工程に配合しないため、ゴム硬度及び300%モジュラスが悪化する。比較例4のゴム組成物は、比較例3に対し第一逐次混練工程へS−(アミノアルキル)チオ硫酸を配合したので、低発熱性の効果が低減してしまう。
比較例5のゴム組成物は、第一逐次混練工程にシランカップリング剤を配合しなかったので、シリカとゴムの反応が乏しく、低モジュラス・低硬度となる。更にtanδ(60℃)が悪化する。比較例6のゴム組成物は、S−(アミノアルキル)チオ硫酸を第一逐次混練工程に配合し、シリカ及びシランカップリング剤を第二逐次混練工程に配合ししたので、シリカ及びシランカップリング剤の反応性を阻害し、発熱性低下を妨げてしまう。
表3から明らかなように、比較例8のゴム組成物は、比較例7に対し第一逐次混練工程へS−(アミノアルキル)チオ硫酸を配合したので、tanδ(60℃)が悪化する。比較例9のゴム組成物は、比較例7のカップリング剤1をカップリング剤2に変更したが、S−(アミノアルキル)チオ硫酸を第二逐次混練工程に配合しないため、ゴム硬度及び300%モジュラスが悪化する。比較例10のゴム組成物は、比較例9に対し第一逐次混練工程へS−(アミノアルキル)チオ硫酸を配合したので、低発熱性の効果が低減してしまう。

Claims (8)

  1. ジエン系合成ゴム100重量部に、シリカを50〜120重量部含む無機充填材を配合し、シランカップリング剤を前記シリカ量の5〜15重量%配合して混練した後、下記式(i)で表わされるS−(アミノアルキル)チオ硫酸又はその金属塩を前記ジエン系合成ゴム100重量部に対し0.03〜5重量部配合し、混練することを特徴とするタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    Figure 2014218544
    (式中、nは2〜10の整数を表す。)
  2. 前記ジエン系合成ゴムが、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴムから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記ジエン系合成ゴムが、スチレンブタジエンゴムを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  4. 前記無機充填材が、カーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  5. 前記シリカのCTAB比表面積が150〜250m2/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  6. 前記S−(アミノアルキル)チオ硫酸又はその金属塩を、90〜150℃で混練することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物。
  8. 請求項7に記載のタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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JP2017008182A (ja) * 2015-06-19 2017-01-12 東洋ゴム工業株式会社 防振ゴムの製造方法
JP2018123272A (ja) * 2017-02-03 2018-08-09 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017008182A (ja) * 2015-06-19 2017-01-12 東洋ゴム工業株式会社 防振ゴムの製造方法
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