JP5835351B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物に関し、更に詳しくは押出加工性を維持向上しながら低転がり抵抗性及びウェット性能を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
空気入りタイヤに対する要求性能として、地球環境問題への関心の高まりに伴い燃費性能が優れることと共に、ウェット性能が高く安全性が優れることが求められている。このためトレッド部を構成するゴム組成物にシリカを配合することによりトレッドゴムの損失正接(tanδ)等の動的粘弾性特性を改質し、発熱を抑え転がり抵抗を低減して燃費性能を高くすると共に、ウェット性能を改良することが行われている。しかしシリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により、粒子同士が凝集する傾向にあり、ジエン系ゴムとの親和性が乏しく分散が不良になり易く、低転がり抵抗性及びウェット性能を改良する効果が十分に得られなかった。
このため、シリカと共にメルカプト基を含有するシランカップリング剤を配合することにより、ゴム組成物におけるシリカの分散性を改良することが行われている(例えば特許文献1参照)。メルカプト基含有シランカップリング剤は、シリカとの親和性が高く分散性改良に優れ、転がり抵抗、ウェット性能を改良することが認められる。しかしメルカプト基含有シランカップリング剤を配合したゴム組成物は、粘度が高くなり、スコーチ(早期加硫)が起き易い、などの押出加工性が劣るという問題があり、特許文献1も粘度および作業性の改良を試みたが必ずしも十分には改良されていなかった。
日本国特開2009−126907号公報
本発明の目的は、押出加工性を維持向上しながら低転がり抵抗性及びウェット性能を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ヒドロキシル基含有変性スチレンブタジエンゴムを50重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを60〜130重量部含むゴム組成物であって、前記シリカを含む充填剤の重量に対するオイルの重量比を0.25以下にするとともに、メルカプト基およびSi−O結合を有するシランカップリング剤を前記シリカ量の4〜15重量%、かつジエチレングリコールを前記シリカ量の1〜6重量%配合し、かつ前記メルカプト基およびSi−O結合を有するシランカップリング剤が、下記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンであることを特徴とする。
Figure 0005835351
(式中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R 11 は炭素数1〜4の1価の炭化水素基であり、a〜eは、0≦a<1、0≦b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。ただしa、bの少なくとも1つが0でない。)
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ヒドロキシル基含有変性スチレンブタジエンゴムを50重量%以上含むジエン系ゴム100重量部にシリカを60〜130重量部、上記一般式(5)で表されるメルカプト基およびSi−O結合を有するシランカップリング剤を前記シリカ量の4〜15重量%配合するようにしたので、ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を改良し、低転がり抵抗性及びウェット性能を優れたものにすることができる。またゴム組成物に、ジエチレングリコールを前記シリカ量の1〜6重量%配合したことにより、ゴム組成物の粘度、スコーチ(早期加硫)を改良し、押出加工性を維持改良することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを前記シリカ量の2〜5重量%配合することが好ましく、シリカの分散性を一層向上させ、低転がり抵抗性及びウェット性能をさらに改良することができる。
また下記一般式(1)で表わされる加硫遅延剤を、前記ジエン系ゴム100重量部に対し、1.0重量部以下配合することが好ましく、ゴム組成物の低転がり抵抗性及びウェット性能を確保しながらスコーチ(早期加硫)を改良することができる。
Figure 0005835351
(式中、R1は炭素数1〜10の直鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、または芳香族炭化水素基、R2は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基又はアルコキシ基、或いは炭素数3〜4の分岐炭化水素基又はアルコキシ基を表わす。)
前記ジエン系ゴムとしては、天然ゴムを45重量%以下含むことが好ましく、ゴム組成物としてのまとまり性を改良し、賦形性および作業性を改良することができる。
このゴム組成物をトレッド部に使用した空気入りタイヤは、優れた押出加工性により生産性及び品質安定性に優れると共に、低転がり抵抗性及びウェット性能を従来レベル以上に向上することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムであり、そのジエン系ゴムはヒドロキシル基含有変性スチレンブタジエンゴムを必ず含むようにする。
変性スチレンブタジエンゴムは、分子鎖の少なくとも一部にヒドロキシル基を必ず有する。ヒドロキシル基含有変性スチレンブタジエンゴムを配合することによりシリカとの親和性を高くし、その分散性を改善するため、シリカの作用効果を一層向上し、低転がり抵抗性及びウェット性能を共に改良することができる。
ヒドロキシル基含有変性スチレンブタジエンゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられるものを配合することができる。
ヒドロキシル基含有変性スチレンブタジエンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100重量%中、50重量%以上であり、好ましくは55〜90重量%である。ヒドロキシル基含有変性スチレンブタジエンゴムの含有量が50重量%未満であると、シリカの分散性が不十分になり、転がり抵抗性及びウェット性能を改良する効果が十分には得られない。
本発明において、ジエン系ゴムが天然ゴムを含有することが好ましく、ゴム組成物としてのまとまり性を改良し、賦形性および作業性を改良することができる。シリカを多量に含むゴム組成物は、ゴムとしてのまとまりが悪くなりシーティング性が悪化することがある。例えばゴム組成物を混練した後ロールを通してシート状にして積み重ねる工程でシートがぼそぼそになったり、シートが切れたり端部が欠けやすくなったりする。このため更に押出工程での作業性が悪化することがある。これに対し天然ゴムを配合することにより、ゴム組成物としてのまとまり性を改良し、賦形性および作業性を改良することができる。
天然ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100重量%中、好ましくは45重量%以下、好ましくは10〜45重量%である。天然ゴムの含有量が45重量%を超えると、転がり抵抗を改良する効果が小さくなることがある。天然ゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられるものを使用するとよい。
本発明において、ゴム成分として上述した変性スチレンブタジエンゴム及び天然ゴム以外の他のジエン系ゴムを配合することができる。他のジエン系ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、ブタジエンゴム、変性していないスチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等を例示することができる。好ましくはイソプレンゴム、ブタジエンゴム、未変性のスチレンブタジエンゴムがよい。このようなジエン系ゴムは、単独又は複数のブレンドとして使用することができる。他のジエン系ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100重量%中50重量%以下、好ましくは35重量%以下にするとよい。
本発明のゴム組成物は、シリカを必ず含む。シリカを配合することにより、ゴム組成物の損失正接(tanδ)等の動的粘弾性特性を改質し、発熱を抑え転がり抵抗を低減して燃費性能を高くすると共に、ウェット性能を改良することができる。シリカの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し60〜130重量部、好ましくは65〜120重量部にする。シリカの配合量が60重量部未満であると、転がり抵抗性及びウェット性能を改良する効果が十分に得られない。シリカの配合量が130重量部を超えると、転がり抵抗が却って悪化する。
シリカとしては、タイヤトレッド用ゴム組成物に通常使用されるシリカ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを使用することができる。シリカは、市販されているものの中から適宜選択して使用することができる。また通常の製造方法により得られたシリカを使用することができる。
本発明では、シリカ以外の他の充填剤を配合することができる。他の充填剤としては、例えばカーボンブラック、クレー、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等を例示することができる。なかでもカーボンブラック、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムが好ましい。他の充填剤を配合することによりゴム組成物の強度を高くすることができ、タイヤにしたときの操縦安定性を改良することができる。またタイヤトレッド用ゴム組成物がカーボンブラックを含むことにより、ゴム組成物の強度及び耐摩耗性を向上することができる。
カーボンブラック等の他の充填剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは3〜30重量部であるとよい。
本発明のゴム組成物において、メルカプト基およびSi−O結合を有するシランカップリング剤(以下、「メルカプト系シランカップリング剤」ということがある。)をシリカと共に配合することにより、シリカの分散性を向上しシリカの性能を十分に発現させることができる。メルカプト系シランカップリング剤は、その分子鎖にSi−O結合およびメルカプト基(−SH)を必ず含むものとする。Si−O結合としては、例えばSi−O−の酸素原子に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子、窒素原子、ケイ素原子等が結合した構造を例示することができる。なかでもSi−O−H,Si−O−Cの構造を有する結合であるとよい。
本発明では、メルカプト系シランカップリング剤を配合することによりシリカとの親和性を高くして、その分散性を改良することにより、低転がり抵抗性およびウェット性能というシリカの作用効果を引き出すことができる。メルカプト系シランカップリング剤の配合量は、シリカ配合量の4〜15重量%、好ましくは5〜13重量%にする。メルカプト系シランカップリング剤の配合量が4重量%未満であると、シリカの分散性を向上する効果が十分に得られない。またメルカプト系シランカップリング剤が15重量%を超えると、シランカップリング剤同士が縮合してしまい、所望の効果を得ることができなくなる。
メルカプト系シランカップリング剤としては、メルカプト基およびSi−O結合を有するシランカップリング剤であり、下記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンである。
Figure 0005835351
(式中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R11は炭素数1〜4の1価の炭化水素基であり、a〜eは、0≦a<1、0≦b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。ただしa、bの少なくとも1つが0でない。)
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するメルカプト系シランカップリング剤は、その骨格として、シロキサン骨格を有する。シロキサン骨格は直鎖状、分岐状、3次元構造のいずれか又はこれらの組合わせとすることができる。
上記一般式(5)において、a、bの少なくとも1つが0でない。すなわち、a,bの少なくとも1つが0より大であり、a及びbの両方が0より大でもよい。よって、このポリシロキサンは、スルフィド基を含有する2価の有機基A、炭素数5〜10の1価の炭化水素基Bから選ばれる少なくとも一つを必ず含む。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤が、炭素数5〜10の1価の炭化水素基Bを有する場合、メルカプト基を保護しムーニースコーチ時間が長くなると同時に、ゴムとの親和性に優れることで加工性をより優れたものにする。このため一般式(5)における炭化水素基Bの添え字bは、0.10≦b≦0.89であるとよい。炭化水素基Bの具体例としては、好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10の1価の炭化水素基、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤が、スルフィド基を含有する2価の有機基Aを有する場合、ウェット性能、耐摩耗性、加工性(特にムーニースコーチ時間の維持・長期化)をより優れたものにする。このため一般式(5)におけるスルフィド基を含有する2価の有機基Aの添え字aは、0<a≦0.50であるとよい。
スルフィド基を含有する2価の有機基Aは、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基とすることができる。
スルフィド基含有有機基Aとしては、下記一般式(6)で表される基であることが好ましい。
Figure 0005835351
上記一般式(6)中、nは1〜10の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。また、xは1〜6の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。なお、*は結合位置を示す。
上記一般式(6)で表される基の具体例としては、例えば、*−CH2−S2−CH2−*、*−C24−S2−C24−*、*−C36−S2−C36−*、*−C48−S2−C48−*、*−CH2−S4−CH2−*、*−C24−S4−C24−*、*−C36−S4−C36−*、*−C48−S4−C48−*などが挙げられる。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤は、加水分解性基Cを有することによって、シリカとの親和性及び/又は反応性を優れたものにする。一般式(5)における加水分解性基Cの添え字cは、1.2≦c≦2.0であるとよい。加水分解性基Cの具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。加水分解性基Cとしては、下記一般式(7)で表される基であることが好ましい。
Figure 0005835351
上記一般式(7)中、*は、結合位置を示す。またR12は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。
上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤は、メルカプト基を含有する有機基Dを有することによって、ジエン系ゴムと相互作用及び/又は反応することができ、ウェット性能、耐摩耗性を優れたものにする。メルカプト基を含有する有機基Dの添え字dは、0.1≦d≦0.8であるとよい。メルカプト基を含有する有機基Dとしては、下記一般式(8)で表される基であることが好ましい。
Figure 0005835351
上記一般式(8)中、mは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数であることが好ましい。また式中、*は、結合位置を示す。
上記一般式(8)で表される基の具体例としては、*−CH2SH、*−C24SH、*−C36SH、*−C48SH、*−C510SH、*−C612SH、*−C714SH、*−C816SH、*−C918SH、*−C1020SHが挙げられる。
上記一般式(5)において、R11は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。炭化水素基R11としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
上記一般式(5)中、a〜eは、0≦a<1、0≦b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。ただしa、bのいずれか一方は0ではない。ここで、a、bのいずれか一方は0ではないことは、a=0の場合0<bとなり、b=0の場合0<aとなることを意味する。なお、0<aかつ0<bであってもよい。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンを製造する方法は特に限定されない。例えば、原料として、メルカプト基を含有する有機基D及び加水分解性基Cを有するシランカップリング剤を少なくとも含む有機ケイ素化合物の組成物を加水分解縮合させることによって製造することができる。ここで上述した有機ケイ素化合物の組成物は、以下のi)〜iii)のシランカップリング剤を含むことができる。
i)スルフィド基を含有する2価の有機基A及び加水分解性基Cを有するシランカップリング剤
ii)炭素数1〜4の1価の炭化水素基R11及び加水分解性基Cを有するシランカップリング剤(炭化数1〜4の炭化水素基を有するアルキルシランカップリング剤
iii)炭化数5〜10の1価の炭化水素基B及び加水分解性基Cを有するアルキルシランカップリング剤
式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンの重量平均分子量は、ウェット性能、加工性により優れ、低転がり抵抗性に優れるという観点から、500〜2300であるのが好ましく、600〜1500であるのがより好ましい。ポリシロキサンの分子量は、トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で求められた重量平均分子量である。
式(5)の平均組成式で表されるポリシロキサンの酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によるメルカプト当量は、加硫反応性に優れるという観点から、550〜1900g/molであるのが好ましく、600〜1800g/molであるのがより好ましい。
本発明で使用するメルカプト系シランカップリング剤として、上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサン以外のメルカプトシラン化合物を併用することができる。このようなメルカプト系シランカップリング剤として、例えば3−メルカプトプロピル(トリメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(トリエトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(ジエトキシメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(トリプロポキシシラン)、3−メルカプトプロピル(ジプロポキシメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(トリブトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(ジブトキシメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(ジメトキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(メトキシジメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ジエトキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(エトキシジメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ジプロポキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(プロポキシジメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ジイソプロポキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(イソプロポキシジメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ジブトキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ブトキシジメチルシラン)、2−メルカプトエチル(トリメトキシシラン)、2−メルカプトエチル(トリエトキシシラン)、メルカプトメチル(トリメトキシシラン)、メルカプトメチル(トリエトキシシラン)、3−メルカプトブチル(トリメトキシシラン)、3−メルカプトブチル(トリエトキシシラン)等を例示することができる。なかでも3−メルカプトプロピル(トリメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(トリエトキシシラン)が好ましい。
本発明のゴム組成物では、メルカプト系シランカップリング剤の作用を阻害しない限りにおいて、他のシランカップリング剤を配合することができる。他のシランカップリング剤としては、硫黄原子を含むシランカップリング剤が好ましく、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、(CH3CH2O)3Si(CH23S−CO−(CH26CH3等を例示することができる。なかでもビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが好ましい。
他のシランカップリング剤の配合量は、シリカ配合量の好ましくは2〜5重量%、より好ましくは2.5〜4.5重量%にするとよい。他のシランカップリング剤の配合量をこのような範囲内にすることにより、メルカプト系シランカップリング剤の作用を阻害せずに、シリカの分散性を一層向上することができる。
本発明のゴム組成物において、ジエチレングリコールを必ず配合する。ジエチレングリコールを配合することにより、ゴム組成物の粘度を低くすると共に、スコーチタイムを長くする作用が得られる。またゴム組成物のゴムとしてのまとまり性(例えばシーティング性)を改良することができる。ここでジエチレングリコールの作用は、後述するようにゴム組成物中のオイル量を制限することにより、その効果が大きくなる。
ジエチレングリコールの配合量は、シリカ配合量の1〜6重量%、好ましくは2〜5重量%にする。ジエチレングリコールの配合量が1重量%未満であると、ゴム組成物の粘度およびスコーチ(早期加硫)を改良する効果が十分に得られない。またゴムとしてのまとまり性を改良することができない。ジエチレングリコールの配合量が6重量%を超えると、シリカとメルカプト基を含有するシランカップリング剤との反応を阻害する効果が大きくなり過ぎてしまい、転がり抵抗が悪化してしまう。
本発明では、ゴム組成物中のオイル量を制限することにより、ゴム組成物の硬度を改良しタイヤにしたときの操縦安定性を高くすることができる。シリカ配合量を多くすると、ゴム組成物の硬度が低下する傾向があるため、操縦安定性を確保するためオイル量を少なくする必要がある。しかしオイル量を制限するとゴム組成物の粘度が高く、スコーチが短く、まとまり性が悪くなるなどの押出加工性が低下するが、上述したジエチレングリコールを配合することにより、押出加工性を維持向上することができる。
ゴム組成物中のオイル量は、シリカを含む充填剤の重量に対する重量比で、0.25以下、好ましくは0.10〜0.23にする。オイル/充填剤の重量比が0.25より高いと、ゴム組成物の硬度を改良して操縦安定性を高くする効果が十分に得られない。ここでゴム組成物中のオイルとは、配合したジエン系ゴムに含まれる油展オイルおよびゴム組成物に配合するオイル成分の合計をいう。
本発明のゴム組成物は、加硫遅延剤を配合することにより、スコーチ(早期加硫)を改良することが好ましい。加硫遅延剤としては、特に制限されることはなく、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられるものを使用することができる。好ましくは下記一般式(1)で表わされる加硫遅延剤が好ましい。
Figure 0005835351
(式中、R1は炭素数1〜10の直鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、または芳香族炭化水素基、R2は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基又はアルコキシ基、或いは炭素数3〜4の分岐炭化水素基又はアルコキシ基を表わす。)
1は炭素数1〜10の直鎖状炭化水素基、シクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基、またはフェニル基等の芳香族炭化水素基であり、好ましくはシクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基である。
2は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基又はアルコキシ基、或いは炭素数3〜4の分岐炭化水素基又はアルコキシ基であり、好ましくは水素原子である。
加硫遅延剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは1.0重量部以下、より好ましくは0.7重量部以下にするとよい。加硫遅延剤の配合量が1.0重量部を超えると、加硫が完了するまでの時間が掛かり過ぎるようになってしまう虞がある。
タイヤトレッド用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などのタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に使用される各種配合剤を配合することができる。このような配合剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。タイヤトレッド用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、空気入りタイヤに好適に使用することができる。このゴム組成物をトレッド部に使用した空気入りタイヤは、押出加工性が優れるため生産性及び品質安定性に優れると共に、低転がり抵抗性及びウェット性能を従来レベル以上に向上することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表4に示す配合剤を共通配合とし、表1〜3に示す配合からなる23種類のタイヤトレッド用ゴム組成物(実施例1〜3、参考例1〜11、比較例1〜9)を、硫黄、加硫促進剤および加硫遅延剤を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで160℃、5分間混練し放出したマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤および加硫遅延剤を加えてオープンロールで混練することにより調製した。
なお、表1〜3中、SBR及び変性SBRがそれぞれ37.5重量部及び25重量部、20重量部の油展オイルを含むため、配合量の欄に実際の配合量と共に、括弧内に油展オイルを除いたそれぞれのSBR正味の配合量を記載した。また、表4に記載した配合剤の量は、表1〜3に記載したジエン系ゴム100重量部(正味のゴム量)に対する重量部で表わした。
得られた23種類のタイヤトレッド用ゴム組成物を試料として、下記に示す方法でシーティング性、粘度およびスコーチを評価した。
シーティング性
得られたゴム組成物をを試料として、8×16inchロールにゴムを1回通した際のゴムのまとまり性を官能評価しシーティング性を評価した。得られた結果は、1〜5の5段階の評点として表1〜3に示した。評点3を標準とし、評点が小さいほどシーティング性が劣り、評点が大きいほどシーティング性が優れることを意味する。
粘度
得られたゴム組成物をJIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計にてL型ロータ(38.1mm径、5.5mm厚)を使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃、2rpmの条件でムーニー粘度(ML1+4)を測定した。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数で表わし表1〜3に示した。この指数が小さいほど粘度が低く押出加工性が優れることを意味する。
スコーチ
得られたゴム組成物をJIS K6300−1:2001に準じて、L形ロータを使用し、試験温度125℃の条件で、スコーチタイムを測定した。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数で表わし表1〜3に示した。この指数が大きいほどスコーチ時間が長く押出加工性が優れることを意味する。
次に、タイヤサイズが225/50R17の空気入りタイヤを、上述した23種類のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッド部に使用して5本ずつ製作した。得られた23種類の空気入りタイヤのウェット性能(湿潤路面における制動性能)、転がり抵抗および操縦安定性を下記に示す方法により評価した。
ウェット性能(湿潤路面における制動性能)
得られた空気入りタイヤをリムサイズ7×Jのホイールに組付け、国産2.5リットルクラスの試験車両に装着し、空気圧230kPaの条件で湿潤路面からなる1周2.6kmのテストコースを実車走行させ、そのときの制動性能を専門パネラー3名による感応評価により採点した。得られた結果は比較例1を100とする指数として、表1〜3の「ウェット性能」の欄に示した。この指数が大きいほど湿潤路面におけるウェット制動性能が優れることを意味する。
転がり抵抗
得られた空気入りタイヤをリムサイズ7×Jのホイールに組付け、空気圧を230kPaにして、JIS D4230に準拠する室内ドラム試験機(ドラム径1707mm)にかけて、試験荷重2.94kN、速度50km/hのときの抵抗力を測定した。得られた結果は、比較例1を100とする指数として、表1〜3の「転がり抵抗」の欄に示した。この指数が小さいほど転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
操縦安定性
得られた空気入りタイヤをリムサイズ7×Jのホイールに組付け、国産2.5リットルクラスの試験車両に装着し、空気圧230kPaの条件で乾燥路面からなる1周12kmのテストコースを実車走行させ、そのときの操縦安定性を専門パネラー3名による感応評価を行った。得られた結果は比較例1を100とする指数として、表1〜3の「操縦安定性」の欄に示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れることを意味する。
Figure 0005835351
Figure 0005835351
Figure 0005835351
なお、表1〜3において使用した原材料の種類を下記に示す。
・SBR:未変性のスチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol NS522、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品
・変性S−SBR2:ヒドロキシル基含有変性スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol NS570、ゴム成分100重量部に対しオイル分25重量部を含む油展品
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
・NR:天然ゴム、RSS#3
・シリカ:Rhodia社製1165MP
・カーボンブラック:キャボットジャパン(株)社製ショウブラックN339
・カップリング剤1:エボニックデグサ社製Si363、メルカプト系シランカップリング剤[C1327O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH
・カップリング剤2:Momentive社製NXT−Z45、メルカプト系シランカップリング
・カップリング剤3:後述する製造方法により得られたポリシロキサン1、前記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤[(-C36-S4-C36-)0.071(-C817)0.571(-OC25)1.50(-C36SH)0.286SiO0.75
・カップリング剤4:後述する製造方法により得られたポリシロキサン2、前記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤[(−C8170.667(−OC251.50(−C36SH)0.333SiO0.75
・カップリング剤5:エボニックデグサ社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
・DEG:ジエチレングリコール、(株)日本触媒社製ジエチレングリコール
・加硫遅延剤:東レファインケミカル(株)社製N−シクロヘキシル−チオフタルイミドPVI、前記式(1)で表わされる加硫遅延剤(R1:シクロヘキシル基、R2:水素)
・オイル:昭和シェル石油(株)社製エクストラ4号S
<カップリング剤3(ポリシロキサン1)の製造方法>
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコにビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学工業製 KBE−846)107.8g(0.2mol)、γ―メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−803)190.8g(0.8mol)、オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−3083)442.4g(1.6mol)、エタノール190.0gを納めた後、室温にて0.5N塩酸37.8g(2.1mol)とエタノール75.6gの混合溶液を滴下した。その後、80℃にて2時間攪拌した。その後、濾過、5%KOH/EtOH溶液17.0gを滴下し80℃で2時間攪拌した。その後、減圧濃縮、濾過することで褐色透明液体のポリシロキサン480.1gを得た。GPCにより測定した結果、平均分子量は840であり、平均重合度は4.0(設定重合度4.0)であった。また、酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によりメルカプト当量を測定した結果、730g/molであり、設定通りのメルカプト基含有量であることが確認された。以上より、得られたポリシロキサンは下記平均組成式で示される。
(-C36-S4-C36-)0.071(-C817)0.571(-OC25)1.50(-C36SH)0.286SiO0.75
得られたポリシロキサンをポリシロキサン1とした。
<カップリング剤4(ポリシロキサン2)の製造方法>
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコにγ―メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−803)190.8g(0.8mol)、オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−3083)442.4g(1.6mol)、エタノール162.0gを納めた後、室温にて0.5N塩酸32.4g(1.8mol)とエタノール75.6gの混合溶液を滴下した。その後、80℃にて2時間攪拌した。その後、濾過、5%KOH/EtOH溶液14.6gを滴下し80℃で2時間攪拌した。その後、減圧濃縮、濾過することで無色透明液体のポリシロキサン412.3gを得た。GPCにより測定した結果、平均分子量は850であり、平均重合度は4.0(設定重合度4.0)であった。また、酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によりメルカプト当量を測定した結果、650g/molであり、設定通りのメルカプト基含有量であることが確認された。以上より、得られたポリシロキサンは下記平均組成式で示される。
(−C8170.667(−OC251.50(−C36SH)0.333SiO0.75
得られたポリシロキサンをポリシロキサン2とした。
Figure 0005835351
表4において使用した原材料の種類を下記に示す。
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸、日油(株) 社製 ビーズステアリン酸NY
・老化防止剤:フレキシス社製サントフレックス6PPD 6C
・加工助剤:ストラクトール社製STRUKTOL A50P
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤1:加硫促進剤TBzTD、フレキシス社製Perkacit TBzTD
・加硫促進剤2:加硫促進剤CBS、大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
表1〜3から明らかなように実施例1〜のタイヤトレッド用ゴム組成物は、シーティング性、粘度およびスコーチ(早期加硫)を維持しながらウェット性能、転がり抵抗および操縦安定性を従来レベル以上に向上することが確認された。
比較例2のゴム組成物は、ゴム組成物中のオイル量が充填剤に対する重量比で0.25を超えるので、転がり抵抗を改良することができず、また実施例と比べると操縦安定性が大幅に劣る。また転がり抵抗を改良することができない。
比較例3のゴム組成物は、ジエチレングリコールの配合量がシリカ量の1重量%未満であるので、シーティング性、粘度およびスコーチが劣る。またウェット性能および転がり抵抗が悪化する。
比較例4のゴム組成物は、変性SBRの配合量が50重量%未満、かつジエチレングリコールの配合量がシリカ量の1重量%未満であるので、粘度およびスコーチが劣る。またウェット性能および転がり抵抗が悪化する。
比較例5のゴム組成物は、変性SBRの配合量が50重量%未満であるので、ウェット性能および転がり抵抗が悪化する。
表3から明らかなように、比較例6のゴム組成物は、メルカプト系シランカップリング剤の配合量がシリカ量の4重量%未満であるので、ウェット性能、転がり抵抗および操縦安定性が劣る。
比較例7のゴム組成物は、メルカプト系シランカップリング剤の配合量がシリカ量の15重量%を超えるので、粘度およびスコーチが劣り、またシーティング性も良くない。
比較例8のゴム組成物は、シリカの配合量が60重量部未満であるので、ウェット性能および転がり抵抗が劣る。
比較例9のゴム組成物は、ジエチレングリコールの配合量がシリカ量の6重量%を超えるので、転がり抵抗が悪化する。

Claims (5)

  1. ヒドロキシル基含有変性スチレンブタジエンゴムを50重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを60〜130重量部含むゴム組成物であって、前記シリカを含む充填剤の重量に対するオイルの重量比を0.25以下にするとともに、メルカプト基およびSi−O結合を有するシランカップリング剤を前記シリカ量の4〜15重量%、かつジエチレングリコールを前記シリカ量の1〜6重量%配合し、かつ前記メルカプト基およびSi−O結合を有するシランカップリング剤が、下記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンであることを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
    Figure 0005835351
    (式中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R 11 は炭素数1〜4の1価の炭化水素基であり、a〜eは、0≦a<1、0≦b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。ただしa、bの少なくとも1つが0でない。)
  2. ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを前記シリカ量の2〜5重量%配合したことを特徴とする請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 下記一般式(1)で表わされる加硫遅延剤を、前記ジエン系ゴム100重量部に対し、1.0重量部以下配合したことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
    Figure 0005835351
    (式中、R1は炭素数1〜10の直鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、または芳香族炭化水素基、R2は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状炭化水素基又はアルコキシ基、或いは炭素数3〜4の分岐炭化水素基又はアルコキシ基を表わす。)
  4. 前記ジエン系ゴムが、天然ゴムを45重量%以下含むことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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