JP2016183262A - スチールコード被覆用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】低発熱性、機械的特性およびワイヤー接着性を従来レベル以上に改良するようにしたスチールコード被覆用ゴム組成物を提供する。【解決手段】天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴム100重量%に一般式(i)で表わされる特定の化合物0.3〜5.0重量%を共存させた素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、補強性充填剤を30〜150重量部、有機酸コバルト塩を0.1〜10重量部配合したことを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、低発熱性および機械的特性を改良するようにしたスチールコード被覆用ゴム組成物に関する。
近年、空気入りタイヤに対する要求性能として、地球環境問題への関心の高まりに伴い燃費性能が優れることが求められている。燃費性能を向上するためには転がり抵抗を低減することが必要である。このため空気入りタイヤを構成するゴム組成物の発熱を抑えることにより、タイヤの転がり抵抗を小さくすることが行われている。ゴム組成物の発熱性の指標としては一般に動的粘弾性測定による60℃のtanδが用いられ、ゴム組成物のtanδ(60℃)が小さいほど発熱性が小さくなる。
ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくする方法として、例えばカーボンブラックの配合量を少なくしたり、カーボンブラックの粒径を大きくしたりすることが挙げられる。しかし、このような方法では、ゴム組成物のゴム硬度、引張り破断強度、引張り破断伸びなどの機械的特性が低下し、タイヤにしたとき操縦安定性、耐摩耗性が低下するという問題がある。
特許文献1は、ゴム成分と(2Z)−4−アミノフェニルアミノ−4−オキソ−2−ブテン酸と充填剤を混練して得られるゴム組成物が、その粘弾性特性を改変することによりタイヤにしたとき燃費性能を改良することを提案している。しかし、このゴム組成物では引張り破断強度、引張り破断伸びなどの機械的特性、特に引張り破断伸びを十分に確保することができず更なる改良が求められていた。また、このゴム組成物を空気入りタイヤのスチールコード被覆用ゴムに使用しようとするとき、スチールコードに対する接着性(ワイヤー接着性)をより一層向上することが求められる。
本発明の目的は、低発熱性、機械的特性およびワイヤー接着性を従来レベル以上に改良するようにしたスチールコード被覆用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴム100重量%に下記一般式(i)で表わされる化合物0.3〜5.0重量%を共存させた素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、補強性充填剤を30〜150重量部、有機酸コバルト塩を0.1〜10重量部配合したことを特徴とする。
(式中、R1は置換基を有してもよい炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基、R2,R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ヒドロキシ基または炭素数1〜6のアルコキシ基、R4はヒドロキシ基または−ONa、Xは−NH−または−O−を表す。)
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴムに前記一般式(i)で表される化合物を共存させた素練りゴムマスターバッチに対し補強性充填剤および有機酸コバルト塩を配合するようにしたので、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくすると共に、引張り破断強度、引張り破断伸びなどの機械的特性を維持・向上し、かつワイヤー接着性を向上することができる。これにより空気入りタイヤにしたとき、燃費性能を改良しながら、操縦安定性および耐摩耗性を従来レベル以上に改良し、かつタイヤ耐久性を改良することができる。
更に、前記素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、酸化亜鉛を5〜15重量部、硫黄を3〜10重量部を配合することができる。また前記一般式(i)で表される化合物において、R4はヒドロキシ基であるとよい。前記ジエン系ゴムが、前記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを40重量%以上含むことが好ましい。更に前記補強性充填剤100重量%中、カーボンブラックを30重量%以上含むことが好ましい。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は空気入りタイヤに使用することが好適であり、空気入りタイヤの転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良しながら、操縦安定性および耐摩耗性を従来レベル以上に改良し、かつワイヤー接着性を大きくしてタイヤ耐久性を向上することができる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、素練りゴムマスターバッチ、補強性充填剤および有機酸コバルト塩からなる。素練りゴムマスターバッチは、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴムに特定された化合物を共存させて混練したものである。素練りゴムマスターバッチを構成するジエン系ゴムは、天然ゴム、イソプレンゴムの少なくとも1種を含む。天然ゴムおよびイソプレンゴムとしては、スチールコード被覆用ゴム組成物に通常用いられるものを使用することができる。素練りゴムマスターバッチが、天然ゴムおよびイソプレンゴムを有しないと、本発明の所期の効果を奏することができない。
ジエン系ゴム100重量%中、天然ゴムおよびイソプレンゴムの含有量は、好ましくは40〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%であるとよい。天然ゴムおよびイソプレンゴムの含有量が40重量%未満であると、ジエン系ゴム中に特定された化合物を十分に分散混合させることができない。
素練りゴムマスターバッチは、天然ゴムおよびイソプレンゴム以外の他のジエン系ゴムを含むことができる。他のジエン系ゴムとしては、例えばブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等を挙げることができる。
本発明において、素練りゴムマスターバッチは、ジエン系ゴム100重量%に下記一般式(i)で表わされる化合物0.3〜5.0重量%を共存させ混練したものである。
(式中、R1は置換基を有してもよい炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基、R2,R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ヒドロキシ基または炭素数1〜6のアルコキシ基、R4はヒドロキシ基または−ONa、Xは−NH−または−O−を表す。)
一般式(i)中、R1は置換基を有してもよい炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基である。炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基が挙げられる。置換基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、ハロゲン原子等が例示される。これら置換基は芳香族炭化水素基の水素原子を任意に0〜4個置換することができる。R1は好ましくはフェニレン基であるとよい。
R2,R3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ヒドロキシ基または炭素数1〜6のアルコキシ基である。R2およびR3におけるハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としては、炭素数6〜12の単環式又は縮合多環式芳香族炭化水素を示し、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
R2およびR3として、R2が水素原子であり、R3が水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、より好ましくはR2およびR3が水素原子である。
R4は、ヒドロキシ基または−ONaであり、好ましくはヒドロキシ基であるとよい。
Xは、−NH−または−O−である。Xは好ましくは−NH−であるとよい。
R4は、ヒドロキシ基または−ONaであり、好ましくはヒドロキシ基であるとよい。
Xは、−NH−または−O−である。Xは好ましくは−NH−であるとよい。
前記一般式(i)で表わされる化合物としては、例えば(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸、(2Z)−4−[(3−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸、(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−2−メチル−4−オキソ−2−ブテン酸、ナトリウム(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸、ナトリウム(2Z)−4−[(3−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸等を例示することができる。なかでも(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸、ナトリウム(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸が好ましく、とりわけ(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸が好ましい。
素練りゴムマスターバッチ中、一般式(i)で表わされる化合物の含有量は、ジエン系ゴム100重量%に対し0.3〜5.0重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%である。一般式(i)で表わされる化合物の含有量が0.3重量%未満であると、本発明の所期の効果を奏することができない。また5.0重量%を超えると、ゴム組成物の引張り破断伸びが却って低下する。またワイヤー接着性が低下する。
素練りゴムマスターバッチは、補強性充填剤を含まないようにする。素練りゴムマスターバッチが補強性充填剤を含む場合、tanδ(60℃)を低減する効果、および引張り破断強度、引張り破断伸び、ゴム硬度などの機械的特性を改良する効果が、本発明により得られたスチールコード被覆用ゴム組成物と比べ劣る。
この素練りゴムマスターバッチは、天然ゴムおよびイソプレンゴムが一般式(i)で表わされる化合物と共存しているため、後にカーボンブラックを含む補強性充填剤を配合したゴム組成物にすると、ジエン系ゴムとカーボンブラックを含む補強性充填剤との親和性を向上することができる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、上述した素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し補強性充填剤を30〜150重量部、好ましくは50〜80重量部配合する。補強性充填剤が30重量部未満であるとゴム組成物の機械的特性を改良する効果が十分に得られない。補強性充填剤が150重量部を超えるとゴム組成物の発熱性が大きくなりタイヤにしたとき転がり抵抗が大きくなる。
補強性充填剤としては、例えばカーボンブラック、シリカ、クレイ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等を例示することができる。なかでもカーボンブラック、シリカが好ましく、とりわけカーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックの配合量は、補強性充填剤100重量%中、好ましくは30重量%以上、より好ましくは60〜100重量%であるとよい。カーボンブラックを補強性充填剤100重量%中、30重量%以上にすることにより、素練りゴムマスターバッチおよび補強性充填剤の親和性をより高くすることができる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、有機酸コバルト塩を配合することにより、スチールコード等のワイヤーに対する接着性を高くする。有機酸コバルト塩の配合量は、上述した素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜3.0重量部である。有機酸コバルト塩の配合量が0.1重量部未満であると、ワイヤー接着性を確保することができない。有機酸コバルト塩の配合量が10重量部を超えるとワイヤー接着性が却って低下する。
有機酸コバルト塩としては、例えばナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト、ホウ酸ネオデカン酸コバルト、アセチルアセトナートコバルト等を例示することができる。また有機酸コバルト塩として、ホウ素を含む有機酸コバルト塩が好ましく、例えば有機酸の一部をホウ酸等で置き換えた複合塩であるとよく、ホウ素を含有する有機酸コバルト塩はコバルト含量が20〜23重量%であるオルトホウ酸コバルトが好ましい。
スチールコード被覆用ゴム組成物は、素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、酸化亜鉛を好ましくは5〜15重量部、より好ましくは8〜12重量部を配合するとよい。酸化亜鉛の配合量が5重量部未満であると、硬度低下によりタイヤでの操安性低下につながる。また酸化亜鉛の配合量が15重量部を超えると、破断伸びが低下し、セパレーションにつながる。
スチールコード被覆用ゴム組成物は、素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、硫黄を好ましくは3〜10重量部、より好ましくは5〜8重量部を配合するとよい。硫黄の配合量が3重量部未満であると、ワイヤーとの接着性が悪化する。また硫黄の配合量が10重量部を超えると、老化物性低下につながる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、上述した酸化亜鉛および硫黄の他、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のスチールコード用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のゴム組成物は、そのtanδ(60℃)を小さくして空気入りタイヤにしたとき転がり抵抗を小さくすると共に、引張り破断強度、引張り破断伸びなどの機械的特性を維持・向上するため、空気入りタイヤの操縦安定性および耐摩耗性を従来レベル以上に改良することができる。スチールコード被覆用ゴムのワイヤー接着性を従来レベル以上に改良するため、タイヤ耐久性を高くすることができる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、好ましくは以下の(1)〜(3)に記載の工程を少なくとも含む製造方法により調製することができる。
(1)天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを含むジエン系ゴム100重量%に、下記一般式(i)で表わされる化合物を0.3〜5.0重量%配合し、補強性充填剤を含まない状態で混練することにより素練りゴムマスターバッチを得る第一混合工程、
(式中、R1は置換基を有してもよい炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基、R2,R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ヒドロキシ基または炭素数1〜6のアルコキシ基、R4はヒドロキシ基または−ONa、Xは−NH−または−O−を表す。)
(2)前記素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、補強性充填剤を30〜150重量部、有機酸コバルト塩を0.1〜10重量部、加硫系配合剤以外の配合剤を配合し、混練することによりゴム混練物を得る第二混合工程、
(3)前記ゴム混練物に加硫系配合剤を配合し、混合する第三混合工程。
(2)前記素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、補強性充填剤を30〜150重量部、有機酸コバルト塩を0.1〜10重量部、加硫系配合剤以外の配合剤を配合し、混練することによりゴム混練物を得る第二混合工程、
(3)前記ゴム混練物に加硫系配合剤を配合し、混合する第三混合工程。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、上述した第一混合工程(1)、第二混合工程(2)および第三混合工程(3)からなる三つの工程を少なくとも含む製造方法により製造することができる。また必要に応じて、他の混練工程および/または混合工程を追加することができる。本明細書では、混合とは配合した原料を混ぜ合わせて均質な状態にする操作、混練とは混合物を均質な状態に分配・分散することに加え、せん断力を負荷し、必要に応じ加熱し、練り合わせる操作をいう。また混練および混合は、通常用いられる手段を用いて行うことができる。
第一混合工程(1)は、素練りゴムマスターバッチを調製する工程である。素練りゴムマスターバッチは、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム、任意に他のジエン系ゴムを含むジエン系ゴムを100重量%とし、これに前記一般式(i)で表される化合物を0.3〜5.0重量%配合し、補強性充填剤を含まない状態で混練することにより製造することができる。一般式(i)で表される化合物の配合量が0.3重量%未満であるとゴム組成物のtanδ(60℃)を低減し、かつ引張り破断強度、引張り破断伸び、ゴム硬度などの機械的特性を改良する効果が十分に得られない。また5.0重量%を超えるとゴム組成物の引張り破断伸びが却って低下する。またワイヤー接着性が低下する。
この製造方法において、素練りゴムマスターバッチは補強性充填剤を含まないことが必要である。素練りゴムマスターバッチが補強性充填剤を含むと、所期の効果を奏するスチールコード被覆用ゴム組成物を得ることができない。また一般式(i)で表される化合物としては、R4がヒドロキシ基である化合物が好ましい。
第一混合工程(1)は、例えば天然ゴムの素練り工程において、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムに、一般式(i)で表される化合物および任意に他のジエン系ゴムを配合して混練することにより実施することができる。
ここでジエン系ゴム100重量%中、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムの含有量は40重量%以上、好ましくは50〜100重量%である。天然ゴムおよびイソプレンゴムの含有量が40重量%未満であると、ジエン系ゴム中に特定された化合物を十分に分散混合させることができない。
第一混合工程(1)において、ジエン系ゴムおよび一般式(i)で表される化合物を、好ましくは150〜180℃、より好ましくは160〜170℃で混練するとよい。また混練時間は、好ましくは1〜5分間、より好ましくは2〜3分間にするとよい。第一混合工程(1)における混練温度および時間を上記の範囲内にすることにより、引張り破断強度や引張り破断伸びなどの機械的特性、特に引張り破断伸びが低下するのを抑制することができる。
第二混合工程(2)では、第一混合工程(1)で得られた素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、補強性充填剤30〜150重量部、有機酸コバルト塩を0.1〜10重量部、加硫系配合剤以外の配合剤を配合し混練することにより、ゴム混練物を得る。補強性充填剤は、素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、30〜150重量部、好ましくは50〜80重量部配合する。補強性充填剤の配合量が30重量部未満であると、ゴム組成物の引張り破断強度、ゴム硬度等の機械的特性を改良する効果が十分に得られない。また補強性充填剤の配合量が150重量部を超えると、tanδ(60℃)が大きくなると共に、引張り破断伸びが低下する。
上記の通り補強性充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、クレイ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等を例示することができる。なかでもカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの配合量は、補強性充填剤100重量%中、好ましくは30重量%以上であるとよい。
第二混合工程(2)において、有機酸コバルト塩を、素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜3.0重量部配合する。有機酸コバルト塩の配合量が0.1重量部未満であると、ワイヤー接着性を確保することができない。有機酸コバルト塩の配合量が10重量部を超えるとワイヤー接着性が却って低下する。
第二混合工程(2)において、ゴム混練物には、素練りゴムマスターバッチ、補強性充填剤、有機酸コバルト塩の他に加硫系配合剤以外の配合剤を配合する。ここで加硫系配合剤とは、加硫剤および架橋剤、加硫促進剤および架橋促進剤、加硫遅延剤をいう。また加硫系配合剤以外の配合剤としては、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、各種オイル、可塑剤などのスチールコード被覆用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を例示することができる。
スチールコード被覆用ゴム組成物の製造方法では、第二混合工程(2)において、素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、酸化亜鉛を好ましくは5〜15重量部、より好ましくは8〜12重量部配合するとよい。
第二混合工程(2)では、上述したゴム混練物を、ジエン系ゴムおよび補強性充填剤の混合物に適用する通常の条件で、混練操作を行う。第二混合工程における混練温度は、好ましくは120〜190℃、より好ましくは140〜180℃にするとよい。
第三混合工程(3)は、第二混合工程で得られたゴム混練物に加硫系配合剤を配合し混合する工程である。加硫系配合剤とは、上述した配合剤をいう。第三混合工程では、加硫系配合剤が早期加硫および架橋を起こさないように条件を決めて混合を行う。
スチールコード被覆用ゴム組成物の製造方法は、第三混合工程(3)において、素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、硫黄を好ましくは3〜10重量部、より好ましくは5〜8重量部配合するとよい。
本発明の製造法により得られたスチールコード被覆用ゴム組成物は、素練りゴムマスターバッチを含むゴム成分100重量部に対し、補強性充填剤を30〜150重量部配合する。この補強性充填剤は、第一混合工程では配合されず、第二混合工程で配合されたものである。このように、補強性充填剤を第一混合工程に配合しないことにより、補強性充填剤および一般式(i)で表わされる化合物が凝集するのを抑制することにより補強性充填剤の分散性を向上させて、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくし、かつ機械的強度、特に引張り破断伸びを改良することができる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、カーカス層、ベルト層、ベルトカバー層などのスチールコードコードの被覆用ゴムに好適に使用することができる。スチールコード被覆用ゴムに本発明のゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、走行時の発熱性が小さくなるので、転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良することができる。同時に、ゴム組成物の機械的特性の改良により、操縦安定性、耐摩耗性、耐久性を従来レベル以上に維持・向上することができる。またスチールコードコードに対する接着性を従来レベル以上に改良するので、タイヤ耐久性を向上することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
第一混合工程、第二混合工程および第三混合工程からなる三つの工程における配合を表1,2に示すように異ならせたを13種類のゴム組成物(実施例1〜7、標準例、比較例1〜5)を調製した。先ず、「第一混合工程の配合(素練りゴムマスターバッチ)」の欄に記載した配合で、「第一混合工程の混練条件」の欄および下記の第一混合工程の条件で混練を行い、素練りゴムマスターバッチを調製した。なお、本発明の素練りゴムマスターバッチに該当しない比較例の配合物も便宜上、素練りゴムマスターバッチとみなす。得られた素練りゴムマスターバッチを使用し、「第二混合工程の配合(ゴム混練物)」の欄に記載の配合で下記の第二混合工程の条件で混練を行い、ゴム混練物を調製した。得られたゴム混練物を使用し、「第三混合工程の配合」の欄に記載の配合で下記の第三混合工程の条件で混合し、スチールコード被覆用ゴム組成物を調製した。
なお表1,2の「第二混合工程の配合(ゴム混練物)」における「素練りゴムマスターバッチ(ゴム成分量)」の欄の記載は、第一混合工程で調製された素練りゴムマスターバッチの配合量を表し、また括弧内に記載のゴム成分量は、その内のジエン系ゴムの量を表す。また表1,2の「第二混合工程の配合(ゴム混練物)」における「配合剤(表3)の記載は、第二混合工程で添加された加硫系配合剤以外の配合剤の合計を意味し、加硫系配合剤以外の配合剤は共通処方として表3に表した。表3に記載した加硫系配合剤以外の配合剤の添加量は、表1,2に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物を構成するジエン系ゴム100重量部に対する重量部を意味する。
<第一混合工程>
1.8Lバンバリーミキサーを用いて、天然ゴムを1分間予備混合後(97℃)、表1,2の「第一混合工程の配合(素練りゴムMB)」の欄に記載の配合物を添加し混練した。なお表中、本発明の素練りゴムマスターバッチに該当しない配合物も便宜上「第一混合工程の配合(素練りゴムMB)」の欄に記載した。第一混合工程の全混合時間は4分であり、充填率は72%とした。混練温度およびその混練温度キープした時間を表1,2に示した。
1.8Lバンバリーミキサーを用いて、天然ゴムを1分間予備混合後(97℃)、表1,2の「第一混合工程の配合(素練りゴムMB)」の欄に記載の配合物を添加し混練した。なお表中、本発明の素練りゴムマスターバッチに該当しない配合物も便宜上「第一混合工程の配合(素練りゴムMB)」の欄に記載した。第一混合工程の全混合時間は4分であり、充填率は72%とした。混練温度およびその混練温度キープした時間を表1,2に示した。
<第二混合工程>
1.8Lバンバリーミキサーを用いて、第一混合工程にて得られた素練りゴムマスターバッチおよび任意に第二混合工程で配合するジエン系ゴムを1分間予備混合し、その後カーボンブラックなど、「第二混合工程の配合(ゴム混練物)」の欄に記載の配合剤を混合した。なお表中、本発明の素練りゴムマスターバッチに該当しない第一混合工程で得られた混合物も便宜上「素練りゴムMB(ゴム成分量)」の欄に記載した。第二混合工程の全混合時間は5分30秒であり、その時のゴム温度は162℃である。
1.8Lバンバリーミキサーを用いて、第一混合工程にて得られた素練りゴムマスターバッチおよび任意に第二混合工程で配合するジエン系ゴムを1分間予備混合し、その後カーボンブラックなど、「第二混合工程の配合(ゴム混練物)」の欄に記載の配合剤を混合した。なお表中、本発明の素練りゴムマスターバッチに該当しない第一混合工程で得られた混合物も便宜上「素練りゴムMB(ゴム成分量)」の欄に記載した。第二混合工程の全混合時間は5分30秒であり、その時のゴム温度は162℃である。
<第三混合工程>
オープンロール機で70〜90℃の温度にて、第二混合工程で得られたゴム混練物と、加硫促進剤、硫黄を、表1,2の「第三混合工程」の欄に記載の組成で配合し、スチールコード被覆用ゴム組成物を得た。
オープンロール機で70〜90℃の温度にて、第二混合工程で得られたゴム混練物と、加硫促進剤、硫黄を、表1,2の「第三混合工程」の欄に記載の組成で配合し、スチールコード被覆用ゴム組成物を得た。
得られた13種類のゴム組成物を、それぞれ所定形状の金型中で、170℃、10分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法によりゴム硬さ、引張り特性および動的粘弾性(60℃のtanδ)の評価を行った。また得られた13種類のゴム組成物のスチールコードに対する接着性(ワイヤー接着性)を下記に示す方法により評価した。
ゴム硬さ
得られた試験片を用いJIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃で測定した。得られた結果は、標準例の値を100として「ゴム硬さ」の欄に示した。ゴム硬さの指数が大きいほど操縦安定性が優れることを意味する。
得られた試験片を用いJIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃で測定した。得られた結果は、標準例の値を100として「ゴム硬さ」の欄に示した。ゴム硬さの指数が大きいほど操縦安定性が優れることを意味する。
引張り特性
得られた試験片から、JIS K6251に準拠してJIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、500mm/分の引張り速度で試験を行い、引張り破断強度および引張り破断伸びを測定した。得られた結果は、標準例のそれぞれの値を100とする指数として「破断強度」および「破断伸び」の欄に示した。破断強度の指数が大きいほど操縦安定性および耐摩耗性が優れることを意味する。破断伸びの指数が大きいほどタイヤ耐久性が優れることを意味する。
得られた試験片から、JIS K6251に準拠してJIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、500mm/分の引張り速度で試験を行い、引張り破断強度および引張り破断伸びを測定した。得られた結果は、標準例のそれぞれの値を100とする指数として「破断強度」および「破断伸び」の欄に示した。破断強度の指数が大きいほど操縦安定性および耐摩耗性が優れることを意味する。破断伸びの指数が大きいほどタイヤ耐久性が優れることを意味する。
動的粘弾性(60℃のtanδ)
得られた試験片をJIS K6394に準拠して、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で、温度60℃における損失正接tanδを測定した。また得られた結果は、標準例の値を100とする指数として「tanδ(60℃)」の欄に示した。tanδ(60℃)の指数が小さいほど発熱性が小さく、タイヤにしたとき転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
得られた試験片をJIS K6394に準拠して、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で、温度60℃における損失正接tanδを測定した。また得られた結果は、標準例の値を100とする指数として「tanδ(60℃)」の欄に示した。tanδ(60℃)の指数が小さいほど発熱性が小さく、タイヤにしたとき転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
スチールコードの接着性(ワイヤ接着性)
複数本のスチールコードを13mm間隔で互いに平行に並べ、これを未加硫のスチールコード被覆用ゴム組成物に埋め込み、170℃で15分間加硫して、試験サンプルを調製した。試験サンプルを2群に分け、一方の群を使用して初期のワイヤー接着性を評価し、他の群は70℃の温水に2週間浸漬させて耐水老化評価用の試験サンプルとし、耐水接着性を評価した。
複数本のスチールコードを13mm間隔で互いに平行に並べ、これを未加硫のスチールコード被覆用ゴム組成物に埋め込み、170℃で15分間加硫して、試験サンプルを調製した。試験サンプルを2群に分け、一方の群を使用して初期のワイヤー接着性を評価し、他の群は70℃の温水に2週間浸漬させて耐水老化評価用の試験サンプルとし、耐水接着性を評価した。
初期接着性および耐水接着性は、それぞれの試験サンプルを使用してASTM−D−2に準拠してスチールコードの引抜き試験を行い、引抜き時の引抜き力およびスチールコードへのゴム被覆率(ゴム付[%])を目視で測定した。得られた結果は、標準例のそれぞれ値を100とする指数として表1,2の「ワイヤー接着性」の「初期接着性」および「耐水接着性」の欄に示した。これらの指数が大きいほどスチールコードに対する「初期接着性」および「耐水接着性」が優れることを意味する。
なお、表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
−NR:天然ゴム、TSR20
−カーボンブラック:東海カーボン社製シースト300
−有機酸コバルト塩:DIC社製ステアリン酸コバルト
−硫黄:四国化成工業社製ミュークロンOT−20
−加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーDZ
−NR:天然ゴム、TSR20
−カーボンブラック:東海カーボン社製シースト300
−有機酸コバルト塩:DIC社製ステアリン酸コバルト
−硫黄:四国化成工業社製ミュークロンOT−20
−加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーDZ
−化合物(i):(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸、以下の方法により調製した。
窒素雰囲気下、反応容器に1,4−フェニレンジアミン25.17g(0.233mol)とテトラヒドロフラン230mlを仕込んだ。そこへ氷冷下、無水マレイン酸22.84g(0.233mol)をテトラヒドロフラン50mlに溶解した溶液を約1時間で滴下した後、室温で一晩撹拌した。反応終了後、析出した結晶を濾取し、テトラヒドロフラン40mlで2回洗浄し、40℃で5時間乾燥して粗製の(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸を橙色の粉末として46.92g得た。粗製の(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸46.92gにメタノール250mlを加えて50℃で1時間撹拌し冷却後、ろ過しメタノール20mlで2回洗浄した。得られた結晶を乾燥して(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸を黄橙色粉末として42.67g得た。収率は88.8%であった。
窒素雰囲気下、反応容器に1,4−フェニレンジアミン25.17g(0.233mol)とテトラヒドロフラン230mlを仕込んだ。そこへ氷冷下、無水マレイン酸22.84g(0.233mol)をテトラヒドロフラン50mlに溶解した溶液を約1時間で滴下した後、室温で一晩撹拌した。反応終了後、析出した結晶を濾取し、テトラヒドロフラン40mlで2回洗浄し、40℃で5時間乾燥して粗製の(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸を橙色の粉末として46.92g得た。粗製の(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸46.92gにメタノール250mlを加えて50℃で1時間撹拌し冷却後、ろ過しメタノール20mlで2回洗浄した。得られた結晶を乾燥して(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸を黄橙色粉末として42.67g得た。収率は88.8%であった。
なお、表3において使用した原材料の種類を下記に示す。
−酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
−老化防止剤:フレキシス社製SANTOFLEX6PPD
−酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
−老化防止剤:フレキシス社製SANTOFLEX6PPD
表2から明らかなように実施例1〜7のスチールコード被覆用ゴム組成物は、ゴム硬さ、引張り破断強度、引張り破断伸びおよびtanδ(60℃)並びに初期および耐水老化後のワイヤー接着性が従来レベル以上に向上することが確認された。
表1から明らかなように、比較例1のゴム組成物は、第一混合工程を行わず、素練りゴムマスターバッチを使用しなかったので、引張り破断強度および引張り破断伸びが悪化する。比較例2のゴム組成物は、第一混合工程で天然ゴムおよびカーボンブラックを混練し、素練りゴムマスターバッチを使用しなかったので引張り破断伸びが悪化する。
比較例3のゴム組成物は、第一混合工程で天然ゴム、カーボンブラックおよび一般式(i)で表される化合物を一括で混練し、素練りゴムマスターバッチがカーボンブラックを含むので引張り破断伸びが悪化する。
比較例4のゴム組成物は、第一混合工程で天然ゴムを素練りし、第二混合工程でカーボンブラックおよび一般式(i)で表される化合物を一括で混練し、素練りゴムマスターバッチを使用しなかったので引張り破断強度および引張り破断伸びが悪化する。
比較例5のゴム組成物は、第一混合工程において、一般式(i)で表される化合物の配合量が5重量%を超えるので、引張り破断伸びが悪化する。またワイヤー接着性が、初期接着性および耐水接着性のいずれも悪化する。
Claims (6)
- 前記素練りゴムマスターバッチ100重量部に対し、酸化亜鉛を5〜15重量部、硫黄を3〜10重量部を更に配合したことを特徴とする請求項1に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
- 前記一般式(i)において、R4がヒドロキシ基であることを特徴とする請求項1または2に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴムが、前記天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを40重量%以上含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
- 前記補強性充填剤100重量%中、カーボンブラックを30重量%以上含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のスチールコード被覆用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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---|---|---|---|---|
WO2018105230A1 (ja) * | 2016-12-08 | 2018-06-14 | 住友ゴム工業株式会社 | ゴム組成物、及び空気入りタイヤ |
JP2018123272A (ja) * | 2017-02-03 | 2018-08-09 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物 |
CN114316449A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-04-12 | 无锡市中惠橡胶科技有限公司 | 一种三元乙丙胶与线绳粘合的混炼工艺 |
-
2015
- 2015-03-26 JP JP2015064421A patent/JP2016183262A/ja active Pending
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