JP2016160422A - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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真希子 米元
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Abstract

【課題】良好なシリカの分散性及び加工性を有しつつ、低ロス性及び耐摩耗性にも優れたゴム組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、変性共役ジエン系重合体を有するゴム成分と、シリカと、グリセリン脂肪酸エステル組成物とを含み、前記変性共役ジエン系重合体の変性は、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子のうちから選択される少なくとも一種を有する変性剤を用いてなり、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物は、脂肪酸の炭素数が8〜28であり、グリセリン脂肪酸モノエステル及びグリセリン脂肪酸ジエステルを有し、該グリセリン脂肪酸エステル組成物の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びタイヤに関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に対する要求が強まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減が求められている。従来、タイヤの転がり抵抗を減少させる手法として、タイヤ構造を最適化する手法も検討されてきたが、タイヤに適用するゴム組成物について、tanδが低く、低発熱性(以下、「低ロス性」という。)の優れたものを用いることが、現在一般的な手法として行われている。
このような低ロス性に優れたゴム組成物を得る方法として、カーボンブラックやシリカ等の充填材の減量、又は大粒径のカーボンブラックの使用等が考えられる。ただし、低ロス性の向上を目的としてこれらの技術を採用した場合、ゴム組成物の補強性や、耐摩耗性の低下が避けられないという問題があった。
また、低ロス性に優れたゴム組成物を得る方法として、ゴム組成物中の充填材の分散性を高める技術の開発も数多くなされてきた。例えば、特許文献1には、ゴム組成物中に、シリカ分散性改良剤として特定のグリセリン脂肪酸エステル組成物を配合することで、シリカの分散性を向上させることができるとともに、ゴム組成物の未加硫粘度、耐スコーチ及びシュリンク性について改善することで加工性の向上を可能する技術が開示されている。
国際公開第2014/098155号
ただし、特許文献1の技術では、シリカの分散性及び加工性については所望の効果を奏することができるものの、低ロス性や耐摩耗性については、依然として改善の余地があった。
そこで、本発明の目的は、良好なシリカの分散性及び加工性を有しつつ、低ロス性及び耐摩耗性にも優れたゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、低ロス性及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するべく研究を行った結果、特許文献1に開示されているように、ゴム組成物中に、特定のグリセリン脂肪酸エステル組成物を配合することによって、シリカの分散性を向上させることができることに加え、ゴム組成物の未加硫粘度を改善できるため加工性を向上させることができることに着目した。そして、さらに鋭意研究を重ねた結果、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子のうちから選択される少なくとも一種を有する変性剤を用いてなる変性共役ジエン系重合体をゴム成分として用いることによって、該変性共役ジエン系重合体がシリカとの相互作用が大きくなるため、低ロス性及び耐摩耗性についても向上できることを見出した。
すなわち、本発明のゴム組成物は、シリカに対して親和性を有する変性官能基を持った変性共役ジエン系重合体を含有するゴム成分と、シリカと、グリセリン脂肪酸エステル組成物とを含むゴム組成物であって、前記変性共役ジエン系重合体の変性は、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子のうちから選択される少なくとも一種を有する変性剤を用いてなり、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物は、脂肪酸の炭素数が8〜28であり、グリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルとを有し、該グリセリン脂肪酸エステル組成物の配合量が、ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部であることを特徴とする。
上記構成により、良好なシリカの分散性及び加工性を有しつつ、優れた低ロス性及び耐摩耗性を実現できる。
また、本発明のゴム組成物では、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物における前記グリセリン脂肪酸モノエステルの含有量が、65質量%以上であることが好ましい。シリカの分散性をより向上できるため、さらに優れたシリカの分散性及び加工性を実現できるためである。
さらに、本発明のゴム組成物では、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、チオウレア類、ジチオカルバミン酸塩類又はキサントゲン酸塩類の加硫促進剤、システイン類、チオ尿素類、チオシアン酸アンモニウム及びジアルキルジチオリン酸亜鉛のうちから選択される少なくとも一種からなる活性剤を、さらに含むことが好ましい。他の物性を低下させることなく、加工性をより向上できるためである。
さらにまた、本発明のゴム組成物では、前記活性剤が、チオウレア若しくはジエチルチオウレアであること、ジメルカプトチアジアゾールであること、又は、ジフェニルグアニジンであることがより好ましい。他の物性を低下させることなく、加工性をさらに向上できるためである。
また、本発明のゴム組成物では、前記変性剤が、下記一般式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2016160422
[式中、n1+n2+n3+n4=4(但し、n1、n2、n3及びn4は0〜4の整数であり、且つn1+n2=1以上の整数)であり、A1は、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、(チオ)エポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸エステルの金属塩、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化合物残基、並びに加水分解性基を有する第一若しくは第二アミノ基又はメルカプト基の中から選択される少なくとも1種の官能基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、A1は、Siと結合して環状構造を形成する二価の基であっても良く、R21は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、n1が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R23は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子であり、n3が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R22は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していても良く、n2が2以上の場合には、互いに同一若しくは異なっていても良く、或いは、一緒になって環を形成しており、R24は、炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていても良い。]
より優れた低ロス性及び耐摩耗性を実現できるからである。
さらに、本発明のゴム組成物では、前記変性剤が、下記一般式(IV)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物、又は、下記一般式(V)若しくは(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることがより好ましい。
Figure 2016160422
[式中、p1+p2+p3=2(但し、p1及びp2、p3は0〜2の整数であり、且つp1+p2=1以上の整数)であり、A2は、NRa(Raは、一価の炭化水素基、加水分解性基又は含窒素有機基である)、或いは、硫黄であり、R25は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R27は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子であり、R26は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していても良く、p2が2の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、R28は、炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。]
Figure 2016160422
[式中、q1+q2=3(但し、q1は0〜2の整数であり、q2は1〜3の整数である)であり、R31は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R32及びR33はそれぞれ独立して加水分解性基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R34は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q1が2の場合には同一でも異なっていても良く、R35は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q2が2以上の場合には同一でも異なっていても良い。]
Figure 2016160422
[式中、r1+r2=3(但し、r1は1〜3の整数であり、r2は0〜2の整数である)であり、R36は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R37はジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、メチルシリル(メチル)アミノメチル基、メチルシリル(メチル)アミノエチル基、メチルシリル(エチル)アミノメチル基、メチルシリル(エチル)アミノエチル基、ジメチルシリルアミノメチル基、ジメチルシリルアミノエチル基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r1が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R38は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r2が2の場合には同一でも異なっていても良い。]
さらに優れた低ロス性及び耐摩耗性を実現できるからである。
また、本発明のゴム組成物では、前記変性剤が、3,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、3,4−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、2−シアノピリジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及び1―メチル−2−ピロリドンから選ばれる少なくとも1種の化合物であっても良い。
また、本発明のゴム組成物では、前記変性剤が、アニオン重合における重合開始剤として用いられるリチウムアミド化合物のアミド部分であることが好ましい。より優れた低ロス性及び耐摩耗性を実現できるためである。
本発明のタイヤは、上述したゴム組成物を用いたことを特徴とする。
上記構成により、優れた低ロス性及び耐摩耗性を実現できる。
本発明によれば、良好なシリカの分散性及び加工性を有しつつ、低ロス性及び耐摩耗性にも優れたゴム組成物を提供できる。また、本発明によれば、破壊特性及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供できる。
<ゴム組成物>
以下に、本発明のゴム組成物について、一実施形態を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体を含有するゴム成分と、シリカと、グリセリン脂肪酸エステル組成物とを含むゴム組成物である。
(ゴム成分)
本発明のゴム組成物に含まれるゴム成分は、変性共役ジエン系重合体を有する。そして、該変性共役ジエン系重合体は、シリカに対して親和性を有する変性官能基を持っており、該変性共役ジエン系重合体の変性は、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子のうちから選択される少なくとも一種を有する変性剤を用いて行われることを特徴とする。
前記変性共役ジエン系重合体が、含窒素官能基、含ケイ素官能基又は含酸素官能基を有することになり、前記シリカとの間で相互作用が生じる結果、ゴム組成物の破壊特性及び耐摩耗性を向上できる。
ここで、前記変性共役ジエン系重合体の共役ジエン系重合体は、共重合体であっても良いし、単独重合体であっても良い。その中でも、共役ジエン系単量体と芳香族ビニル化合物との共重合体又は共役ジエン系単量体の単独重合体が好ましく、60〜100質量%の共役ジエン系単量体と、0〜40質量%の芳香族ビニル化合物とを重合してなる、重合体(単独重合体)又は共重合体であることがより好ましい。前記ゴム組成物の低ロス性、破壊特性及び耐摩耗性をより向上できるためである。
また、前記共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中でも、1,3−ブタジエンが特に好ましい。これら共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、単量体としての前記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン及び2,4,6−トリメチルスチレン等が挙げられ、これらの中でも、スチレンが特に好ましい。これら芳香族ビニル化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、前記シリカとの間で親和性を有する変性官能基とは、該官能基とシリカ表面の間で共有結合を形成するか、又は、共有結合よりも弱い分子間力(イオン−双極子相互作用、双極子−双極子相互作用、水素結合、ファンデルワールス力等といった分子間に働く電磁気学的な力)を形成することが可能な官能基のことである。前記シリカとの親和性の高さから、本発明では前記変性官能基を、含窒素官能基、含ケイ素官能基又は含酸素官能基としている。
さらに、前記ゴム成分中の前記変性共役ジエン系重合体の含有率は、特に限定はされないが、低ロス性及び耐摩耗性向上の観点からは、10質量%以上であることが好ましい。ゴム成分中の前記変性共役ジエン系重合体の含有率が10質量%未満には、ゴム組成物の低ロス性及び耐摩耗性を改善する効果が小さくなるおそれがある。
なお、本発明のゴム組成物において、前記ゴム成分は、上述した前記変性共役ジエン系重合体以外に、さらに、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体等を含有することができ、これらの中でも、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムのうちの少なくとも一種を含有することが好ましい。これらゴム成分は、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
ここで、前記変性共役ジエン系重合体を得る際の変性に用いられる変性剤について説明する。
前記変性剤は、シリカに対して相互作用性を有する官能基を含む変性剤であり、窒素原子、ケイ素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1つの原子を有する変性剤である。
また、前記シリカに対して高い親和性を有する観点から、前記変性剤は、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。
そして、当該アルコキシシラン化合物については、特に限定はされないものの、下記一般式(I)で表されるアルコキシシラン化合物を用いることができる。
Figure 2016160422
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、aは0〜2の整数であり、OR2が複数ある場合、複数のOR2はたがいに同一でも異なっていてもよく、また分子中には活性プロトンは含まれない。)
ここで、前記一般式(I)で表されるアルコキシシラン化合物の具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン等を挙げることができるが、これらの中で、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン及びジメチルジエトキシシランが好適である。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせても用いてもよい。
また、前記シリカに対して高い親和性を有する観点から、前記変性剤は、ヒドロカルビルオキシシラン化合物を用いることが好ましく、当該ヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記一般式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2016160422
前記一般式(III)中、n1+n2+n3+n4=4(但し、n1、n2、n3及びn4は0〜4の整数であり、且つn1+n2=1以上の整数)であり、A1は、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基(イソシアナート基又はチオイソシアナート基を示す。以下、同様。)、(チオ)エポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸エステルの金属塩、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化合物残基、並びに加水分解性基を有する第一若しくは第二アミノ基又はメルカプト基の中から選択される少なくとも1種の官能基であり、R21は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、n1が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R23は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)であり、n3が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R22は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していても良く、n2が2以上の場合には、互いに同一若しくは異なっていても良く、或いは、一緒になって環を形成しており、R24は、炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていても良い。
前記加水分解性基を有する第一若しくは第二アミノ基又は前記加水分解性基を有するメルカプト基における加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
なお、本発明において、「炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基」とは、「炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基若しくは炭素数3〜20の一価の、脂環式炭化水素基」をいう。二価の炭化水素基の場合も同様である。
さらに、前記一般式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(IV)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることがより好ましい。
Figure 2016160422
前記一般式(IV)中、p1+p2+p3=2(但し、p1及びp2、p3は0〜2の整数であり、且つp1+p2=1以上の整数)であり、A2は、NRa(Raは、一価の炭化水素基、加水分解性基又は含窒素有機基である。加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。)、或いは、硫黄であり、R25は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R27は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)であり、R26は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又は含窒素有機基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していても良く、p2が2の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、R28は、炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。
さらに、前記一般式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(V)又は(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることがより好
ましい。
Figure 2016160422
前記一般式(V)中、q1+q2=3(但し、q1は0〜2の整数であり、q2は1〜3の整数である)であり、R31は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R32及びR33はそれぞれ独立して加水分解性基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R34は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q1が2の場合には同一でも異なっていても良く、R35は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q2が2以上の場合には同一でも異なっていても良い。
Figure 2016160422
前記一般式(VI)中、r1+r2=3(但し、r1は1〜3の整数であり、r2は0〜2の整数である)であり、R36は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R37はジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、メチルシリル(メチル)アミノメチル基、メチルシリル(メチル)アミノエチル基、メチルシリル(エチル)アミノメチル基、メチルシリル(エチル)アミノエチル基、ジメチルシリルアミノメチル基、ジメチルシリルアミノエチル基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r1が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R38は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r2が2の場合には同一でも異なっていても良い。
また、前記変性剤が、下記一般式(VII)又は(VIII)で表される2つ以上の窒素原子を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2016160422
前記一般式(VII)中、TMSはトリメチルシリル基であり、R40はトリメチルシリル基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R41は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R42は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。
Figure 2016160422
前記一般式(VIII)中、TMSはトリメチルシリル基であり、R43及びR44はそれぞれ独立して炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R45は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、複数のR45は、同一でも異なっていても良い。
また、前記一般式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記一般式(IX)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることがより好ましい。
Figure 2016160422
前記一般式(IX)中、r1+r2=3(但し、r1は0〜2の整数であり、r2は1〜3の整数である。)であり、TMSはトリメチルシリル基であり、R46は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R47及びR48はそれぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基である。複数のR47又はR48は、同一でも異なっていても良い。
さらに、前記変性剤が、下記一般式(X)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2016160422
前記一般式(X)中、Xはハロゲン原子であり、R49は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R50及びR51はそれぞれ独立して加水分解性基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であるか、或いは、R50及びR51は結合して二価の有機基を形成しており、R52及びR53はそれぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基である。R50及びR51としては、加水分解性基であることが好ましく、加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
以上の一般式(III)〜(X)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、前記変性共役ジエン系重合体がアニオン重合により製造される場合の変性剤として用いられることが好ましい。
また、一般式(III)〜(X)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。
また、アニオン重合によって前記ジエン系重合体を変性する場合に好適な変性剤としては、具体的には、3,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−1−ビニルベンゼン、3,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、3,4−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、2−シアノピリジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及び1―メチル−2−ピロリドンから選ばれる少なくとも1種の化合物でも良い。
さらに、前記変性剤は、アニオン重合における重合開始剤として用いられるリチウムアミド化合物のアミド部分であることが好ましい。
このリチウムアミド化合物としては、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド及びリチウムメチルフェネチルアミドから選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好適に例示される。例えば、リチウムヘキサメチレンイミドのアミド部分を形成する変性剤はヘキサメチレンイミンであり、リチウムピロリジドのアミド部分を形成する変性剤はピロリジンであり、リチウムピぺリジドのアミド部分となる変性剤はピぺリジンである。
また、配位重合によって前記ジエン系重合体を変性する場合に好適な変性剤としては、2−シアノピリジン及び3,4−ジトリメチルシリルオキシベンズアルデヒドから選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく挙げられる。
さらに、乳化重合によって前記ジエン系重合体を変性する場合に好適な変性剤としては、3,4−ジトリメチルシリルオキシベンズアルデヒド及び4−ヘキサメチレンイミノアルキルスチレンから選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく挙げられる。これらの乳化重合において好ましく用いられる変性剤は、窒素原子及び/又はケイ素原子を含むモノマーとして、乳化重合時に共重合されることが好ましい。
なお、前記変性共役ジエン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が5万以上70万未満であるのが好ましい。変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量が5万以上とすることで、良好な耐破壊特性及び耐摩耗性が得られ、70万未満とすることで、良好な加工性が得られる。
また、前記変性共役ジエン系重合体は、示差走査熱量分析計(DSC)で測定したガラス転移点(Tg)が0℃以下であるのが好ましい。前記変性共役ジエン系重合体のガラス転移点が0℃を超えると、低温でのゴム特性が著しく悪化する。
なお、前記変性共役ジエン系重合体の重合方法としては、特に限定はされない。例えば、アニオン重合、配位重合、乳化重合等を用いることができる。前記変性剤は、アニオン重合又は配位重合の重合活性末端と反応する変性剤であっても良いし、重合開始剤として用いられるリチウムアミド化合物のアミド部分であっても良い。また、乳化重合において、前記変性剤が、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1つを含むモノマーとして共重合されても良い。
(シリカ)
本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分に加えて充填材としてのシリカを含む。シリカを含むことによって、ゴム組成物の補強効果を高め、破壊特性及び耐摩耗性を向上させることが可能となる。
ここで、前記シリカの含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して20〜250質量部であることが好ましく、30〜150質量部であることがより好ましく、40〜100質量部であることが特に好ましい。前記シリカの含有量が20質量部未満の場合には、シリカの量が少ないため、破壊特性及び耐摩耗性の十分な向上効果を得られないおそれがあり、含有量が250質量部を超えると、シリカの量が多すぎるため、ゴム組成物の伸びや加工性が悪化するおそれがある。
また、前記シリカの種類については特に限定はされず、一般グレードのシリカから、表面処理を施した特殊シリカまで、用途に応じて使用でき、例えば加工性、機械強度及び耐摩耗性をより向上できる点からは、湿式シリカを用いることが好ましい。
さらに、前記シリカについては、BET比表面積が50〜300m2/g、CTAB比表面積(セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積)が50〜300m2/gであることが好ましい。BET比表面積やCTAB比表面積が高いほど、未加硫粘度の低減効果があるためである。なお、前記BET比表面積については、BET法の一点値により測定されるものであり、前記CTAB比表面積については、ASTM D3765に準拠して測定されるものである。
(グリセリン脂肪酸エステル組成物)
本発明のゴム組成物は、上述したゴム成分及びシリカに加えて、脂肪酸の炭素数が8〜28であり、グリセリン脂肪酸モノエステル及びグリセリン脂肪酸ジエステルを有するグリセリン脂肪酸エステル組成物を、ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部含むことを特徴とする。
ゴム組成物中に前記グリセリン脂肪酸エステル組成物を特定量配合することによって、前記シリカの分散性を高め、優れた加工性を実現できるとともに、低ロス性及び耐摩耗性についても向上できる。
ここで、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物中のグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンの持つ3つのOH基のうちの少なくとも1つに脂肪酸(炭素数が8〜28)がエステル結合したものであり、脂肪酸のつく数によって、グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン脂肪酸トリエステルに分かれるものである。
本発明に用いるグリセリン脂肪酸エステル組成物は、グリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルとを含むが、それ以外にグリセリン脂肪酸トリエステルやグリセリンを含んでいてもよい。
前記グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、加硫促進剤による未加硫ゴムの粘度の悪化を抑制し、無機充填材の分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度低減による加工性の向上や、低ロス性の向上等の観点から、炭素数が8〜28、好ましくは炭素数8〜22、より好ましくは炭素数10〜18の脂肪酸、さらに好ましくは炭素数12〜18の脂肪酸である。また、脂肪酸は飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖いずれでもよいが、特に、直鎖状飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸の具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、モンタン酸等が挙げられる。その中でも、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸であること好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸が特に好ましい。
なお、炭素数8未満の脂肪酸では、ポリマーとの親和性が低く、ブルームが起こりやすい。一方、炭素数28を超える脂肪酸では、加工性改良効果の向上は炭素数28以下と変わらず、コストが上昇し、好ましくない。
また、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物は、グリセリン脂肪酸モノエステルの含有量が、65質量%以上であることが好ましく、65〜100質量%であることがより好ましい。このようなグリセリン脂肪酸エステル組成物は、ゴム組成物の加工性、低ロス性、破壊特性を十分に向上させることができるからである。
さらにグリセリン脂肪酸モノエステルの量が、90〜99質量%であることがさらに好ましく、最も好ましいのは95〜99質量%の範囲である。これは、低ロス性はグリセリン脂肪酸エステル中のグリセリン脂肪酸モノエステル量が多くなるほどロスが改良されるためであり、さらに製造上の観点を考慮するとこのような範囲が適当である。
本発明において、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物は、油脂等を分解したグリセリンと脂肪酸から製造するエステル化法と、油脂等とグリセリンとを原料としたエステル交換法などにより製造することができ、グリセリン脂肪酸エステル組成物中のモノエステル量をコントロールしたものを製造する方法等としては、下記1)〜3)の各方法などが挙げられる。
1)上記エステル化法やエステル交換法などにおいて、脂肪酸成分とグリセリン成分の仕込み比率を変えることで、エステル化の平衡組成を制御する方法。グリセリンについては、さらに蒸留により取り除くことが出来る。但し、反応特性上、得られたグリセリン脂肪酸モノエステル量の上限は約65質量%前後と考えられる。
2)エステル化法やエステル交換法で得られた反応生成物をさらに分子蒸留などにより分別留去し、高純度(通常95質量%以上)のグリセリン脂肪酸モノエステルを取り出す方法。
3)上記2)の手法で得た高純度グリセリン脂肪酸モノエステルを1)の手法で得られる中純度グリセリン脂肪酸モノエステルと任意の割合で混合することにより、比較的高純度領域(およそ65〜95質量%程度)のグリセリン脂肪酸モノエステルを得る方法。
上記原料の油脂や脂肪酸などを天然物から由来のものを用いることにより、環境負荷等も低減したグリセリン脂肪酸エステルを用いることができる。
更に、本発明に用いられるグリセリン脂肪酸エステル組成物は、モノエステル量がコントロールされた市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば、ステアリン酸モノグリセライド(花王株式会社製のレオドールMS−60、エキセルS−95)等が挙げられる。
なお、本発明において、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物中のモノグリセライド(グリセリン脂肪酸モノエステル)含有量とは、GPC分析(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、下式(I)に従って求めたものをいい、グリセリン、モノグリセライド、ジグリセライド(グリセリン脂肪酸ジエステル)及びトリグリセライド(グリセリン脂肪酸トリエステル)の合計に対するモノグリセライドのGPC分析における面積割合を意味する。
Figure 2016160422
〔上記式(I)中、GはGPCのグリセリン面積、MGはGPCのモノグリセライド面積、DGはGPCのジグリセライド面積、TGはGPCのトリグリセライド面積である。〕
尚、GPCの測定条件は、下記の通りである。
−GPCの測定条件−
GPCの測定は下記測定装置を用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を0.6ml/分の流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた。そこにTHFに溶解した1重量%の試料溶液10μLを注入して測定を行った。
標準物質:単分散ポリスチレン
検出器:RI-8022(東ソー(株)製)
測定装置:HPLC-8220 GPC(東ソー(株)製)
分析カラム:TSK-GEL SUPER H1000 2本及びTSK-GEL SUPER H2000 2本を直列に連結(東ソー(株)製)
同様に、グリセリン脂肪酸エステル組成物中のジグリセライド又はトリグリセライド含有量は、グリセリン、モノグリセライド、ジグリセライド及びトリグリセライドの合計に対するジグリセライド又はトリグリセライドのGPC分析における面積割合を意味する。
用いることができるモノエステル量をコントロールした前記グリセリン脂肪酸エステル組成物の例を挙げれば、例えば、脂肪酸の炭素数8のカプリル酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数10のデカン酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数12のラウリン酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数14のミリスチン酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数16のパルミチン酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数18のステアリン酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数22のベヘン酸グリセリル含有組成物、脂肪酸の炭素数28のモンタン酸グリセリル含有組成物等が挙げられ、これらの中で、ラウリン酸グリセリル含有組成物、パルミチン酸グリセリル含有組成物、ステアリン酸グリセリル含有組成物が好ましい。これらのモノエステル量をコントロールしたグリセリン脂肪酸エステル含有組成物は、1種又は2種以上が任意に選択されて配合される。
また、本発明のゴム組成物における前記グリセリン脂肪酸エステル組成物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、未加硫ゴムの粘度低減の観点から、0.5質量部以上とし、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、加硫後ゴム物性の過度の低下(貯蔵弾性率の低下等)を抑制する観点から、15質量部以下とし、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは8質量部以下である。また、未加硫ゴムの粘度とゴム物性の観点から、1〜2質量部の範囲が最も好ましい。
(その他の成分)
本発明のゴム組成物は、上述したゴム成分、シリカ及びグリセリン脂肪酸エステル組成物の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、活性剤、シランカップリング剤、加硫剤、加硫促進助剤、老化防止剤、軟化剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分に、シリカと、グリセリン脂肪酸エステル組成物と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
なお、前記混練りの工程は、前記ゴム成分、前記シリカ、前記グリセリン脂肪酸エステル組成物を含む第一混合物を調製し、該第一混合物を混練することによって予備組成物を調製する工程を備えることができる。
混練装置としては、特に限定はされず、例えば、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等を用いることができる。
−カーボンブラック−
ここで、前記カーボンブラックについては、特に限定はされないが、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFグレードのものが好ましく、HAF、ISAF、SAFグレードのものがさらに好ましい。
また、前記カーボンブラックの含有量についても特に限定はされず、目的に応じて適宜調整することができる。
−活性剤−
本発明のゴム組成物は、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、チオウレア類、ジチオカルバミン酸塩類又はキサントゲン酸塩類の加硫促進剤、システイン類、チオ尿素類、チオシアン酸アンモニウム及びジアルキルジチオリン酸亜鉛のうちから選択される少なくとも一種からなる活性剤を、さらに含むことが好ましい。ゴム組成物の低ロス性及び耐摩耗性をより向上できるからである。
用いることができる前記グアニジン類としては、1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩、1,3−ジ−o−クメニルグアニジン、1,3−ジ−o−ビフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−クメニル−2−プロピオニルグアニジン等が挙げられ、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン及び1−o−トリルビグアニドは反応性が高いので好ましく、1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)は反応性がより高いので特に好ましい。
用いることができる前記スルフェンアミド類としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−プロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−2−エチルヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジメチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジオクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。これらの中で、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドは、反応性が高いので好ましい。
用いることができる前記チアゾール類としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4−メチル−2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)ジスルフィド、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2−メルカプト−6−ニトロベンゾチアゾール、2−メルカプト−ナフト[1,2−d]チアゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。これらの中で、2−メルカプトベンゾチアゾール(M)及びジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)は、反応性が高く好ましい。
用いることができる前記チウラム類としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウラムジスルフィド、テトライソプロピルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラペンチルチウラムジスルフィド、テトラヘキシルチウラムジスルフィド、テトラヘプチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラノニルチウラムジスルフィド、テトラデシルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラステアリルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラプロピルチウラムモノスルフィド、テトライソプロピルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラペンチルチウラムモノスルフィド、テトラヘキシルチウラムモノスルフィド、テトラヘプチルチウラムモノスルフィド、テトラオクチルチウラムモノスルフィド、テトラノニルチウラムモノスルフィド、テトラデシルチウラムモノスルフィド、テトラドデシルチウラムモノスルフィド、テトラステアリルチウラムモノスルフィド、テトラベンジルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。これらの中で、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及びテトラベンジルチウラムジスルフィドは、反応性が高いので好ましい。
用いることができる前記チオウレア類としては、例えば、N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、N,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素、1,3−ジ(o−トリル)チオ尿素、1,3−ジ(p−トリル)チオ尿素、1,1−ジフェニル−2−チオ尿素、2,5−ジチオビ尿素、グアニルチオ尿素、1−(1−ナフチル)−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、p−トリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素等が挙げられる。これらの中で、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素は、反応性が高いので好ましい。
用いることができる前記ジチオカルバミン酸塩類としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジペンチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘプチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸亜鉛、ジデシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジヘプチルジチオカルバミン酸銅、ジオクチルジチオカルバミン酸銅、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸銅、ジデシルジチオカルバミン酸銅、ジドデシルジチオカルバミン酸銅、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ジベンジルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘプチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジオクチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジドデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジイソプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジブチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジペンチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘキシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘプチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジオクチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸第二鉄、ジデシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジドデシルジチオカルバミン酸第二鉄、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸第二鉄、ジベンジルジチオカルバミン酸第二鉄等が挙げられる。これらの中で、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅は、反応性が高いため好ましい。
用いることができる前記キサントゲン酸塩類としては、例えば、メチルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸亜鉛、プロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ペンチルキサントゲン酸亜鉛、ヘキシルキサントゲン酸亜鉛、ヘプチルキサントゲン酸亜鉛、オクチルキサントゲン酸亜鉛、2−エチルヘキシルキサントゲン酸亜鉛、デシルキサントゲン酸亜鉛、ドデシルキサントゲン酸亜鉛、メチルキサントゲン酸カリウム、エチルキサントゲン酸カリウム、プロピルキサントゲン酸カリウム、イソプロピルキサントゲン酸カリウム、ブチルキサントゲン酸カリウム、ペンチルキサントゲン酸カリウム、ヘキシルキサントゲン酸カリウム、ヘプチルキサントゲン酸カリウム、オクチルキサントゲン酸カリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸カリウム、デシルキサントゲン酸カリウム、ドデシルキサントゲン酸カリウム、メチルキサントゲン酸ナトリウム、エチルキサントゲン酸ナトリウム、プロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、ブチルキサントゲン酸ナトリウム、ペンチルキサントゲン酸ナトリウム、ヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、ヘプチルキサントゲン酸ナトリウム、オクチルキサントゲン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、デシルキサントゲン酸ナトリウム、ドデシルキサントゲン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中で、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛は、反応性が高いので好ましい。
用いることができる前記システイン類、前記チオ尿素類、前記チオシアン酸アンモニウム、前記ジアルキルジチオリン酸亜鉛は、上述した加硫促進剤と同様に、ゴム成分と反応するポリスルフィド結合部位の活性化作用を有するものである。
用いることができるシステイン類としては、例えば、(L−)システイン、N−アセチル−L−システイン、(L−)システイン塩酸塩、(L−)システインエチルエステル塩酸塩、(L−)システインメチルエステル塩酸塩などが挙げられる。
用いることができるジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)としては、例えば、炭素数4〜12のアルキル基又はアリール基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛が挙げられる。
特に好ましい加硫促進剤などの活性剤としては、反応性がより高いグアニジン類、システイン類、チオ尿素類、チオシアン酸アンモニウム、ジアルキルジチオリン酸亜鉛であり、特に好ましくは、1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)である。
なお、前記活性剤の合計含有量については特に限定はされないが、好ましくは、前記ゴム成分100質量部に対して、0.3〜6質量部であり、より好ましくは0.3〜2.5質量部であり、特に好ましくは0.5〜1.5質量部である。活性剤の合計含有量が0.3質量部未満であると、低ロス効果が低下するおそれがあり、一方、活性剤の合計含有量が6質量部を超えると、粘度や収縮に与える影響が大きく、均一性を悪化させてしまうおそれがある。
−シランカップリング剤−
さらに、本発明のゴム組成物は、シランカップリング剤をさらに含むことが好ましい。前記変性共役ジエン系重合体によって、カップリング機能の活性が高まる結果、ゴム組成物の低ロス性をさらに向上できるからである。
前記シランカップリング剤については、特に限定はされず、汎用の各種シランカップリング剤が使用できる。上述した耐摩耗性の向上の観点からは、以下に示すシランカップリング剤の一種以上であることが好ましい。
例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどの少なくとも1種が挙げられる。
シランカップリング剤の配合量は、シリカの配合量によって変動するものであるが、シリカ100質量部に対し、補強性の観点から、1質量部以上が好ましく、4質量部以上が更に好ましく、一方、発熱性を維持する観点から、20質量部以下が好ましく、12質量部以下が更に好ましく、シランカップリング剤の配合量は、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部が好ましく、4〜12質量部がより好ましい。
−加硫剤−
前記加硫剤としては、硫黄、不溶性硫黄などの硫黄等が挙げられ、その配合量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部が好ましく、より好ましくは1.0〜5.0質量部である。
<タイヤ>
本発明のタイヤは、前記ゴム組成物を用いたことを特徴とする。前記ゴム組成物をタイヤ部材、特にトレッド部材として用いたタイヤは、低ロス性、破壊特性及び耐摩耗性に優れる。なお、本発明のタイヤは、上述のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(変性共役ジエン系重合体A〜Eの製造)
以下の手順に従って、共役ジエン系重合体A〜Eを製造した。
乾燥し、窒素置換した800ミリリットルの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液、及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン60g及びスチレン15gになるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.70ミリモルを加え、さらに重合開始剤として0.70ミリモルのn−ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行い、リチウム型の活性部位を末端に有するスチレン−ブタジエン共重合体を得た。この際の重合転化率はほぼ100%であった。
引き続き、50℃にて老化防止剤2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液を2ミリリットル加えて重合反応の停止を行い、さらに微量のBHTを含むイソプロパノール中で再沈殿させた後、ドラムドライヤーにて乾燥し、無変性アニオン重合SBRを得た。結合スチレン量は20質量%、ブタジエン中のビニル結合含量は55%であった。
上記の無変性アニオン重合SBRの重合時において、リチウム型の活性部位を末端に有するスチレン−ブタジエン共重合体の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対して、後述する変性剤A〜Eのいずれかを0.63mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行い、その後上記と同様にして、変性共役ジエン系重合体A〜Eを得た。
変性剤については、以下のものを用いた。なお、変性剤B〜Eの化学式を以下に示す。
変性剤A:テトラエトキシシラン
変性剤B:N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン
変性剤C:N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン
変性剤D:N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
変性剤E:3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン
Figure 2016160422
式中、TMSはトリメチルシリル基、Meはメチル基、OEtはエトキシ基である。
得られた変性共役ジエン系重合体A〜E及び無変性のスチレン−ブタジエン共重合体について、結合スチレン量(%)、ビニル粘度(%)及びムーニー粘度(ML1+4/100℃)を下記に従って測定した。測定結果を表1に示す。
変性共役ジエン系重合体(変性SBR)の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〔GPC;東ソ−製HLC−8020、カラム;東ソ−製GMH−XL(2本直列)〕により行い、示差屈折率(RI)を用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン換算で行った。
また、変性共役ジエン系重合体(変性SBR)のブタジエン部分のミクロ構造は、赤外法(モレロ法)によって求め、重合体中のスチレン単位含有量は1H−NMRスペクトルの積分比より算出した。変性ポリマー(重合体)のムーニー粘度は東洋精機社製のRLM−01型テスターを用いて、100℃で測定した。
Figure 2016160422
次に、以下の手順に従って、グリセリン脂肪酸エステルA及びB(脂肪酸の炭素数が16のグリセリン脂肪酸エステル組成物)を準備した。
(グリセリン脂肪酸エステルA)
攪拌機、脱水管−冷却管、温度計、窒素導入管付きの1L四ツ口フラスコに、グリセリン450g、パルミチン酸(花王株式会社製ルナックP−95)352gを入れ[グリセリン/脂肪酸(モル比)=2.0]、少量の水に溶解させた水酸化ナトリウムをナトリウムとして10ppm添加し、窒素を液上空間部に100mL/分流しながら400r/minで撹拌し、約1.5時間かけて240℃まで昇温した。240℃に達した後、酸成分をフラスコに環流させながら脱水し、その温度で4時間反応させた。反応後の生成物中のモノグリセライド含量は67面積%であった。
続いて反応混合物を170℃まで冷却し、そのままグリセリンを圧力2.7kPa以下で減圧留去し、さらに150℃、2kPaで2時間水蒸気を供給した後、ゼータプラス30S(キュノ(株)製)を用いて加圧で吸着濾過して、モノグリセライド含有組成物(グリセリン脂肪酸エステルA)を取得した。得られた組成物をGPCで測定することで、各成分の組成を求めた。
なお、得られたグリセリン脂肪酸エステルAにおける、グリセリン脂肪酸モノエステルの含有量は64質量%、グリセリン脂肪酸ジエステルの含有量は34質量%、グリセリン脂肪酸トリエステルの含有量は1質量%、グリセリンの含有量は1質量%であった。
(グリセリン脂肪酸エステルB)
国際公開第2014/098155号の製造例1に記載の方法に従い、脂肪酸をオクタン酸から同モル量のパーム由来硬化脂肪酸に変えて合成し、さらに分子蒸留することで調製したものをグリセリン脂肪酸エステルBとした。
なお、グリセリン脂肪酸エステルBにおける、グリセリン脂肪酸モノエステルの含有量は97質量%、グリセリンの含有量は0.5質量%であり、その他の2.5質量%については水、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン脂肪酸トリエステル等の混合物であった。
<実施例1〜30及び比較例1〜18>
上述の変性共役ジエン系重合体A〜Eを用いて、表2に示す配合処方のゴム組成物を調整し、実施例及び比較例の各サンプルを得た。
ゴム組成物の混練については、混練の第一工程におけるゴム組成物の最高温度がいずれも150℃になるように表2の混練の第一工程の欄の各成分を調整してバンバリーミキサーで混練し、各タイヤ用ゴム組成物を調製した。タイヤ用ゴム組成物の混練の第一工程において、ゴム成分(A)〔SBR、共役ジエン系重合体A〜E〕、充填材〔カーボンブラック、シリカ〕、シランカップリング剤、加硫促進剤〔グアニジン類である1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)等〕、グリセリン脂肪酸エステル組成物を含む第一混合物を混練することによって予備組成物を調製した後に、60秒間経過した後、第二工程として、前記予備組成物に加硫剤である硫黄などを加えた第二混合物を混練することによってタイヤ用ゴム組成物を調製した。
得られた各タイヤトレッド用ゴム組成物の加工性(未加硫ゴム粘度)、低ロス性(tanδ指数)、耐摩耗性(指数)、を下記の各方法により算出して評価した。また、各評価結果について、評価指標となる比較例1からどれだけ優れているか(比較例1との指数値の差)を取得し、取得値を合計(効果の合計を算出)することで、総合評価を行った。これらの結果を下記表3に示す。
Figure 2016160422
*1:表1に記載の共役ジエン系重合体A〜Eを使用
*2:JSR社製「IR2200」
*3:富士興産社製「アロマックス#3」
*4:三菱化学社製「ダイヤブラックN234」
*7:東・ソーシリカ社製「AQ」
*8:デグッサ社製「Si69」
*9:大内新興化学工業社製「ノクラック6C」
*15:堺化学工業製「チオ尿素」
*16:ラインケミー製「Rhenogran ETU−80」
*17:東京化成製「Bismuthiol」
(1)加工性(未加硫ゴム粘度の測定方法)
各サンプルについて、JIS-K6300-1:2001に準拠して、ムーニー粘度計(モンサント社製RPA)によって、L型ローターを用い、130℃の条件下で、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度[ML1+4(130℃)]を測定した。
得られた未加硫ゴム組成物のムーニー粘度の値は、比較例1の粘度値を100として指数表示した。この値が小さいほど加工性(作業性)が良好であることを示す。
(2)低ロス性(tanδ)
各サンプルに対して、損失正接(tanδ)を、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を用いて、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzの条件で測定した。得られたtanδの値は、比較例1の値を100としたときの指数として表示した。結果を表3に示す。なお、低ロス性の指数値は、小さい程低ロス性に優れることを示す。
(3)耐摩耗性
各サンプルについて、JIS k 6246-2:2005に準拠してランボーン式摩耗試験を用い、室温におけるスリップ率60%での摩耗量を測定した。
得られた摩耗量の値は、その逆数をとり、比較例1の値を100としたときの指数として表示した。結果を表3に示す。指数値が大きい程摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れる。
Figure 2016160422
表3の結果から、本発明の範囲に含まれる変性ジエン系重合体を用い、本発明の範囲に含まれるグリセリン脂肪酸エステル組成物を用いた各実施例のゴム組成物のサンプルは、各比較例のゴム組成物のサンプルに比べて、加工性、耐摩耗性及び低ロス性のいずれについても優れることがわかった。
一方、ジエン系重合体が本発明の範囲から外れる比較例については、耐摩耗性や低ロス性が低下する傾向にあり、グリセリン脂肪酸エステル組成物が本発明の範囲から外れる比較例については、加工性が低下する傾向にあった。
さらに、活性剤を加えることで、より優れた加工性を得ることができることがわかった。
以上のことから、本願実施例のゴム組成物の各サンプルは、低ロス性、破壊特性及び耐摩耗性に優れることがわかった。
本発明によれば、良好なシリカの分散性及び加工性を有しつつ、低ロス性及び耐摩耗性にも優れたゴム組成物を提供でき、また、かかるゴム組成物をタイヤに用いることで、タイヤの低ロス性及び耐摩耗性を向上できる。

Claims (12)

  1. シリカに対して親和性を有する変性官能基を持った変性共役ジエン系重合体を含有するゴム成分と、シリカと、グリセリン脂肪酸エステル組成物とを含むゴム組成物であって、
    前記変性共役ジエン系重合体の変性は、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子のうちから選択される少なくとも一種を有する変性剤を用いてなり、
    前記グリセリン脂肪酸エステル組成物は、脂肪酸の炭素数が8〜28であり、グリセリン脂肪酸モノエステルとグリセリン脂肪酸ジエステルとを有し、該グリセリン脂肪酸エステル組成物の配合量が、ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部であることを特徴とする、ゴム組成物。
  2. 前記グリセリン脂肪酸エステル組成物における前記グリセリン脂肪酸モノエステルの含有量が、65質量%以上であることを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、チオウレア類、ジチオカルバミン酸塩類又はキサントゲン酸塩類の加硫促進剤、システイン類、チオ尿素類、チオシアン酸アンモニウム及びジアルキルジチオリン酸亜鉛のうちから選択される少なくとも一種からなる活性剤を、さらに含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記活性剤が、チオウレア又はジエチルチオウレアであることを特徴とする、ことを特徴とする、請求項3に記載のゴム組成物。
  5. 前記活性剤が、ジメルカプトチアジアゾールであることを特徴とする、請求項3に記載のゴム組成物。
  6. 前記活性剤が、ジフェニルグアニジンであることを特徴とする、請求項3に記載のゴム組成物。
  7. 前記変性剤が、下記一般式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
    Figure 2016160422
    [式中、n1+n2+n3+n4=4(但し、n1、n2、n3及びn4は0〜4の整数であり、且つn1+n2=1以上の整数)であり、A1は、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、(チオ)エポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸エステルの金属塩、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化合物残基、並びに加水分解性基を有する第一若しくは第二アミノ基又はメルカプト基の中から選択される少なくとも1種の官能基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、A1は、Siと結合して環状構造を形成する二価の基であっても良く、R21は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、n1が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R23は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子であり、n3が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R22は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していても良く、n2が2以上の場合には、互いに同一若しくは異なっていても良く、或いは、一緒になって環を形成しており、R24は、炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていても良い。]
  8. 前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記一般式(IV)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることを特徴とする、請求項7に記載のゴム組成物。
    Figure 2016160422
    [式中、p1+p2+p3=2(但し、p1及びp2、p3は0〜2の整数である。かつp1+p2=1以上の整数)であり、A2は、NRa(Raは、一価の炭化水素基、加水分解性基又は含窒素有機基である)、或いは、硫黄であり、R25は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R27は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子であり、R26は、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していても良く、p2が2の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、R28は、炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。]
  9. 前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記一般式(V)又は(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることを特徴とする、請求項7に記載のゴム組成物。
    Figure 2016160422
    [式中、q1+q2=3(但し、q1は0〜2の整数であり、q2は1〜3の整数である)であり、R31は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R32及びR33はそれぞれ独立して加水分解性基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R34は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q1が2の場合には同一でも異なっていても良く、R35は炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q2が2以上の場合には同一でも異なっていても良い。]
    Figure 2016160422
    [式中、r1+r2=3(但し、r1は1〜3の整数であり、r2は0〜2の整数である)であり、R36は炭素数1〜20の二価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R37はジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、メチルシリル(メチル)アミノメチル基、メチルシリル(メチル)アミノエチル基、メチルシリル(エチル)アミノメチル基、メチルシリル(エチル)アミノエチル基、ジメチルシリルアミノメチル基、ジメチルシリルアミノエチル基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r1が2以上の場合には同一でも異なっていても良く、R38は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族若しくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r2が2の場合には同一でも異なっていても良い。]
  10. 前記変性剤が、3,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、3,4−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、2−シアノピリジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及び1―メチル−2−ピロリドンから選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  11. 前記変性剤が、アニオン重合における重合開始剤として用いられるリチウムアミド化合物のアミド部分であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする、タイヤ。
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