JP5877758B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
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Description
用いるシリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカの分散を良くするためには混練時間を長くする必要がある。また、ゴム中へのシリカの分散が不十分なためゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押出しなどの加工性に劣るなどの欠点を有していた。さらに、シリカ粒子の表面が酸性であることから、加硫促進剤として使用される塩基性物質を吸着し、ゴム組成物の加硫が十分に行われず、貯蔵弾性率が上がらないという欠点を有していた。そのため、従来からシリカ配合ゴム組成物における加工性等の改良が求められている。
(1) 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、シリカを含む白色充填剤と、下記一般式(I)及び一般式(II)で表されるシランカップリング剤の中から選ばれる少なくとも一種と、下記式(III)で表されるモノアルカノールアミドの少なくとも一種とを配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
(3) 前記一般式(I)及び一般式(II)で表されるシランカップリング剤の配合量が、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部である上記(1)又は(2)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(4) 上記式(III)中のR1は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、又はイソトリデシル基を表し、また、R2は、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(5) 上記式(III)中のR2は、下記式(IV)で表され、R3は炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、nは1〜5となる数であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
−(R3O)n−H ………(IV)
(6) 前記式(III)で表されるモノアルカノールアミドの配合量が、上記シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、シリカを含む白色充填剤と、下記一般式(I)及び一般式(II)で表されるシランカップリング剤の中から選ばれる少なくとも一種と、下記式(III)で表されるモノアルカノールアミドの少なくとも一種とを配合してなることを特徴とするものである。
用いることができるシリカとしては、特に制限はなく、市販のゴム組成物に使用されているものが使用でき、中でも湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等を使用することができ、特に、湿式シリカの使用が好ましい。
これらの白色充填剤の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して5〜200質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは、10〜150質量部の範囲とすることが望ましく、より更に好ましくは、20〜120質量部の範囲とすることが望ましい。特に、本発明の場合、シリカが上記ゴム成分100質量部に対して60質量部以上の高い配合であっても、本発明の効果を発揮できるものである。
この白色充填剤の配合量が上記ゴム成分100質量部に対してヒステリシスを低下させる効果の観点から、5質量部以上が好ましく、一方、作業性を向上させる観点から200質量部以下が好ましい。
これらのシランカップリング剤は、従来のビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどのシランカップリング剤よりも、ゴム加工時の作業性に優れると共に、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性を更に向上させることができるものである。
また、R18で表される炭素数1〜18の二価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基、炭素数5〜18のシクロアルキレン基、炭素数6〜18のシクロアルキルアルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数7〜18のアラルキレン基を挙げることができる。前記アルキレン基及びアルケニレン基は、直鎖状、枝分かれ状のいずれであってもよく、前記シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基は、環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよい。
このR18としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、特に直鎖状アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基を好ましく挙げることができる。
市販では、例えば、東京化成工業社製の3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、信越化学工業社製の商品名「KBM803」、「KBM802」、デグザ社製の商品名「VP Si363」などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤の配合量がシリカ100質量部に対し、カップリング剤を入れる効果の観点から、1質量部以上が好ましく、一方、補強性、発熱性を維持する観点から、20質量部以下が好ましい。
用いることができるカーボンブラックは、特に制限なく、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを用いることができる。
これらのカーボンブラックの配合量も、特に限定されるものではないが、好ましくは、前記ゴム成分100質量部に対し、0〜60質量部、更に好ましくは、10〜50質量部であることが望ましい。なお、発熱性を維持する観点から、60質量部以下が好ましい。
本発明において、上記式(III)におけるR1を上述の如く、炭素数1〜13のアルキル基又はアルケニル基、好ましくは、炭素数6〜13、さらに好ましくは炭素数11〜13のアルキル基又はアルケニル基に限定したのは、炭素数13を超えるものでは、炭素数1〜13のものに較べ、本発明の効果の発現が低くなる傾向にあるためである。
更に、上記式(III)中のR2は、下記式(IV)で表されるものが好ましく、R3は炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、nは1〜5となる数であることが好ましい。
−(R3O)n−H ………(IV)
中でも、R3が、エチレン基やプロピレン基が好ましく、nは1〜3となるものが好ましく、1がより好ましく、R3が、エチレン基であり、且つnが1がより更に好ましい。なお、n個のR3は同一でも異なっていてもよい。
このモノアルカノールアミドの配合量が、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上では、未加硫粘度低減効果が高く、一方、15質量部以下では、加硫速度への影響が小さく好ましい。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分と、シリカを含む白色充填剤、上記シランカップリング剤、上記モノアルカノールアミドと、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とをロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練り、熱入れ、押出等することにより得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等のタイヤのタイヤ部材の用途に好適に用いることができる。
すなわち、本発明のタイヤ用ゴム組成物において、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、上記シリカを含む白色充填剤を配合した配合系に、上記一般式(I)及び一般式(II)で表されるシランカップリング剤の少なくとも一種と、上記式(III)で表されるモノアルカノールアミドの少なくとも一種とが配合されると、シリカ表面を疎水化することにより、シリカ同士の凝集を抑制し、加工性が良好となるものと共に、上記シランカップリング剤との組み合わせにより、低発熱性が向上されるものと推察される。なお、脂肪酸アミド、3級アミンなどよりもシリカ表面疎水化効果が高くこれらの化合物よりも加工性が良好となる。
用いるモノアルカノールアミドは、下記各製造法等により得たものを使用した。
(製造例1)
500mLの4つ口フラスコにラウリン酸メチル350g(1.63モル)、及び2−アミノ−1−プロパノール122.6g(1.63モル)を仕込み、得られた混合物の0.05質量%のナトリウムメトキシドを加えて、減圧(45mmHg)/窒素雰囲気下、85℃で7時間攪拌して反応により生成したメタノールを除去した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド396gを得た。
2.5リッターのエチレンオキサイド付加装置に、アミノーンC−01[花王(株)製]900g(3.70モル)とその0.1質量%のナトリウムメトキシドを仕込み、120℃でエチレンオキサイド326g(7.40モル)を付加させた。その後、真空にて脱気を行い、70℃まで冷却して抜き出した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミド1140gを得た。
上記製造例1から、エステルをヘキサン酸メチル320g(2.46モル)に、及びアミンをモノエタノールアミン150.1g(2.46モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、ヘキサン酸モノエタノールアミド362gを得た。
上記製造例1から、エステルをオクタン酸メチル340g(2.15モル)に、及びアミンをモノエタノールアミン131.2g(2.15モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、オクタン酸モノエタノールアミド371gを得た。
上記製造例1から、エステルをテトラデカン酸メチル380g(1.57モル)に、及びアミンをモノエタノールアミン95.8g(1.57モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、テトラデカン酸モノエタノールアミド401gを得た。
下記表1に示す配合処方で常法により、タイヤ用ゴム組成物を調製した。表中の数値は質量部である。また、用いたシランカップリング剤は、一般式(I)で表されるシランカップリング剤として、上記式(I−1)で表される3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランである、商品名「NXT」(Momentive社製)を用い、一般式(II)で表されるシランカップリング剤として、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランである、デグザ社製の商品名「VP Si363」を用いた。
得られた各タイヤ用ゴム組成物について、下記測定方法により、未加硫ゴム粘度の測定を行った。また、得られたゴム組成物を160℃で14分間加硫した。得られた加硫ゴムに対し、下記測定方法により粘弾性(tanδ)の測定を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
未加硫ゴム粘度、スコーチタイムは、JIS K 6300−1:2001(ムーニー粘度、ムーニースコーチタイム)に準拠して行った。
なお、評価は、比較例1の値を100として指数表示した。未加硫ゴム粘度は、値が小さいほど作業性が良好であることを示す。
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、比較例1の値を100として指数表示した。この値が小さい程、低発熱性が良好であることを示す。
*1)SBR#1723〔JSR社製〕(ゴム成分100質量部、油成分37.5質量部)
*2)シースト7HM〔東海カーボン社製〕
*3)東ソーシリカ株式会社製「ニプシールVN3」
*4)Evonic社製、「Si69」(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
*5)Momentive社製、「NXT」(3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン)
*6)デグザ社製、「VP Si363」(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)
*7)マイクロクリスタリンワックス,オゾエース0701〔日本精蝋社製〕
*8)ノクラック6C〔大内新興化学工業社製〕
*9)ノンフレックスRD−S〔精工化学社製〕
*10)ノクセラーD〔大内新興化学工業社製〕
*11)ノクセラーDM〔大内新興化学工業社製〕
*12)サンセラーCM−G〔三新化学工業社製〕
*13)製造例1の化合物
*14)製造例2の化合物
*15)アミノーンC−01〔ラウリン酸モノエタノールアミド、花王社製〕
*16)製造例3の化合物
*17)製造例4の化合物
*18)製造例5の化合物
Claims (5)
- 前記一般式(I)及び一般式(II)で表されるシランカップリング剤の配合量が、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 上記式(III)中のR1は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、又はイソトリデシル基を表し、また、R2は、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 上記式(III)中のR2は、下記式(IV)で表され、R3は炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、nは1〜5となる数であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
−(R3O)n−H ………(IV) - 前記式(III)で表されるモノアルカノールアミドの配合量が、上記シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
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