JP2010202803A - トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた低燃費性を有すると同時に、ウェットグリップ性能にも優れたトレッド用ゴム組成物、及びこれをトレッドに用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分100質量部に対して、シリカを10〜150質量部及びシリケート化合物を10〜30質量部含有するトレッド用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、トレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
一般に、空気入りタイヤにおいて、転がり抵抗を低減し、かつウェットグリップ性能(湿潤路面でのグリップ性能又は制動距離)を高めるためには、トレッド用ゴム組成物に充填剤としてシリカを使用するとともに、低温でのゴム組成物のヒステリシスロスを増加させる方法が知られている。
低温でのヒステリシスロスを増加させる方法として、高いガラス転移温度を有するゴム組成物を使用する方法が挙げられるが、この方法では、ウェットグリップ性能を改善できる一方で、同時に高温でのヒステリシスロスも増加して転がり抵抗が増大するという問題が生じ、耐摩耗性能も低下する傾向にある。
一方、ゴム組成物の低発熱性を満足させる方法として、補強用充填剤の含有量を減量する方法が知られているが、この場合、ゴム組成物の硬度が低下するためタイヤが軟化し、車のハンドリング性能(操縦安定性)やウェットグリップ性能が低下したり、耐摩耗性が低下したりするといった問題が生じる。このように、操縦安定性や耐摩耗性を維持しつつ、低発熱性及びウェットグリップ性能を両立することは困難である。
特許文献1には、アルコキシシラン化合物をトレッド用ゴム組成物に使用することで凍結路面上でのグリップ性を改良することが提案されている。また、特許文献2には、アルコキシシラン化合物をトレッド用ゴム組成物に使用することで耐チッピング性を改善できることが提案されている。
しかしながら、操縦安定性や耐摩耗性を維持しつつ、低発熱性(低燃費性)及びウェットグリップ性能を両立することについては未だ改善の余地がある。また、シリケート化合物を使用することについては検討されていない。
特開平9−87427号公報 特開平8−337688号公報
本発明は、前記課題を解決し、優れた低燃費性を有すると同時に、ウェットグリップ性能にも優れたトレッド用ゴム組成物、及びこれをトレッドに用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分100質量部に対して、シリカを10〜150質量部及びシリケート化合物を10〜30質量部含有するトレッド用ゴム組成物に関する。
上記シリケート化合物は、下記式(I)で表される化合物及び/又はその部分加水分解物であることが好ましい。
Figure 2010202803
(式(I)において、Rは、同一若しくは異なって、置換されていてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表す。R′は、同一若しくは異なって、置換されていてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。nは、1〜100の数である。)
上記シリケート化合物の重量平均分子量は、300〜3000であることが好ましい。
上記ゴム成分がスチレンブタジエンゴム及び天然ゴムを含むことが好ましい。
上記ゴム成分が重合末端及び/又は主鎖にシラノール基と反応可能な官能基を有する変性ジエン系ゴムを含むことが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分に、所定量のシリカ及びシリケート化合物を配合したトレッド用ゴム組成物であるので、該ゴム組成物をタイヤのトレッドに適用することにより、低発熱性及びウェットグリップ性能を良好に両立した空気入りタイヤを提供できる。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分、シリカ及びシリケート化合物を所定量含有する。所定量のシリカ及びシリカ化合物を併用することで、転がり抵抗を低減できると同時に、低温でのヒステリシスロスを増加できる一方で、高温でのヒステリシスロスの増加を抑制できる。従って、該ゴム組成物をトレッドに使用することにより、従来困難であった低発熱性及びウェットグリップ性能の両立が可能となる。
また、シリカ、シリケート化合物を所定量使用していることから、ゴム組成物の硬度の低下によるタイヤの軟化を防止でき、良好なハンドリング性能(操縦安定性)や耐摩耗性を維持することもできる。
本発明のゴム組成物で使用できるゴム成分としては、ジエン系ゴムが挙げられ、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。また、ゴム成分として、重合末端及び/又は主鎖にシラノール基と反応可能な官能基を有する変性ジエン系ゴムを使用してもよい。なかでも、低燃費性及びウェットグリップ性能の両立の点から、SBR、NRを使用することが好ましく、これらを併用することがより好ましい。これらのゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRとしては、乳化重合SBR(E−SBR)、溶液重合SBR(S−SBR)が挙げられるが、スチレン及びビニルの自由度が高く、ウェットグリップ性能などの性能を充分に向上できるように設計しやすいという理由から、S−SBRが好ましい。
S−SBRとしては、SnやSiなどでカップリングされて高分子量化されたものを用いることが好ましい。S−SBRのカップリング方法は、常法に従って、例えば、S−SBRの分子鎖末端のアルカリ金属(Liなど)又はアルカリ土類金属(Mgなど)を、ハロゲン化スズ、ハロゲン化ケイ素などと反応させることによって得ることができる。また、エポキシ基でカップリングしたS−SBRも使用できる。
また、S−SBRとしては、上記ゴムの重合末端及び/又は主鎖を変性したもの(変性によりシラノール基と反応可能な官能基を導入)を用いることもできる。例えば、ゴムの重合末端のアルカリ金属(Li等)やアルカリ土類金属(Mg等)をアミド類、尿素類、ラクタム類等の種々の化合物と反応させることで末端変性したもの(例えば、末端にエポキシ基、アミノ基等を導入したもの)が得られる。
S−SBRのスチレン単位量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。また、該スチレン単位量は、好ましくは45質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
またS−SBRのビニル単位量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。該ビニル単位量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。
S−SBRのスチレン単位量やビニル単位量が上記範囲内であると、転がり抵抗を低減できるとともに、良好な耐摩耗性が得られる。また、優れたウェットグリップ性能を得ることもできる。
なお、スチレン単位量及びビニル単位量は、H−NMR測定により算出できる。
ゴム組成物がSBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは65質量%以上である。60質量%未満であると、ウェットグリップ性能が劣るおそれがある。該SBRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。90質量%を超えると、摩耗が悪くなるおそれがある。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム組成物がNRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上である。10質量%未満であると、機械的強度が低下する傾向がある。該NRの含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。50質量%を超えると、ウェットグリップ性能が低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、シリカを含有する。シリカを配合することにより、良好な低発熱性が得られる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(無水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。湿式法シリカの市販品としては、デグッサ社製ウルトラシル(Ultrasil)VN3、日本シリカ工業(株)製のニップシールVN3 AQなどが挙げられる。シリカは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは100m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。50m/g未満であると、分散性改良効果や補強効果が小さくなる傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは250m/g以下、更に好ましくは220m/g以下である。300m/gを超えると、分散性が悪く、タイヤの発熱性が増大する傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
上記シリカの含有量は、上記ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上、好ましくは15質量部以上、より好ましくは45質量部以上である。シリカの含有量が10質量部未満では、シリカの配合による充分な効果、すなわちウェットグリップ性能と転がり抵抗の改善が見られないおそれがある。該シリカの含有量は、150質量部以下、好ましくは120質量部以下である。150質量部を超えると、シリカがゴム組成物中の分散が悪くなり、耐摩耗性及び強度などの特性が低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、シリケート化合物を含有する。シリカとともに、シリケート化合物を配合することにより、操縦安定性や耐摩耗性を維持しつつ、低発熱性及びウェットグリップ性能を両立できる。
シリケート化合物としては、主鎖にポリシロキサン結合を有するオリゴマー(シリコーン類)が挙げられ、ポリシロキサン結合の主鎖の置換基の一部が加水分解をうけてOH基となったものも含まれる。
好ましいシリケート化合物としては、ポリシロキサン結合を有する下記式(I)で表される化合物、その部分加水分解物が挙げられる。
Figure 2010202803
(式(I)において、Rは、同一若しくは異なって、置換されていてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表す。R′は、同一若しくは異なって、置換されていてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。nは、1〜100の数である。)
Rは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリールオキシ基が好ましく、これらは任意に置換されていてもよい。より好ましくは非置換のアルコキシ基、アルキル基、アリールオキシ基、更に好ましくはアルコキシ基、特に好ましくはブトキシ基、エトキシ基、メトキシ基が特に好ましく、最も好ましくはメトキシ基である。
R′は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜6のアルケニル基、又は炭素数2〜6のアルキニル基が好ましく、これらは任意に置換されていてもよい。より好ましくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基、更に好ましくはメチル基、エチル基、ブチル基、最も好ましくはメチル基である。
繰り返し単位nは、通常1〜100、好ましくは2〜50、更に好ましくは3〜30の範囲の数である。nの値に応じて、式(I)で表される化合物は、モノマーの形で、長鎖の形態で、任意に分岐オリゴマー長鎖の形態で、存在する。
上記式(I)で表される化合物の部分加水分解物は、R,R′の少なくとも一部が加水分解によりOH基となったものである。
本発明におけるシリケート化合物としては、慣用的にメチルシリケート、エチルシリケートと称されるアルキルシリケート(SiO含有量は、通常50〜60質量%)が含まれる。また、メチルシリケートのメチル基やエチルシリケートのエチル基の一部をブチル基等の他の有機基に置換した変性メチルシリケート、変性エチルシリケートも含まれる。アルキルシリケートは、常態は無色透明液体であるが、加水分解・縮合反応を完全に進行させると、固体シリカを生成する。本発明におけるシリケート化合物は、アルコキシシリル基とも反応し(例えば、シランカップリング剤中のアルコキシシリル基と反応し)、シロキサン結合を生成する。
シリケート化合物の重量平均分子量は、好ましくは300以上、より好ましくは400以上、更に好ましくは500以上である。また、該重量平均分子量は、好ましくは3000以下、より好ましくは2500以下、更に好ましくは2000以下である。上記分子量のシリケート化合物を配合することにより、転がり抵抗を低減できるとともに、ウェットグリップ性能を改善できる。
本発明において、重量平均分子量は、GPCによる測定値をもとに標準ポリプロピレングリコール及びポリメトキシシロキサン換算により求めたものである。
シリケート化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上、好ましくは12質量部以上、より好ましくは15質量部以上である。10質量部未満であると、添加による充分な効果、すなわちウェットグリップ性能と転がり抵抗の改善が見られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下である。30質量部を超えると、コストの上昇が大きく、加工性の悪化が懸念される。
上記シリカ及びシリケート化合物の合計含有量は、SiO換算で、上記ゴム成分100質量部に対して、好ましくは40質量部以上、より好ましくは60質量部以上である。30質量部未満では、配合による充分な効果が得られない傾向がある。また、該合計含有量は、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。120質量部を超えると、シリカのゴムヘの分散が困難になったり、ゴムの加工性が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、シリカ及びシリケート化合物とともに、シランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。なかでも、シランカップリング剤の補強性効果と加工性という点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランを用いることが好ましく、更に加工性という点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを用いることが特に好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリケート化合物及びシリカの合計含有量(SiO換算)100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、7質量部以上がより好ましい。3質量部未満では、破壊強度が大きく低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。15質量部を超えると、シランカップリング剤を添加することによる破壊強度の増加や転がり抵抗低減などの効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物には、カーボンブラックを配合してもよい。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができる。使用できるカーボンブラックの例としては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
カーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は50m/g以上が好ましく、65m/g以上がより好ましい。NSAが50m/g未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは100m/g以下が好ましく、80m/g以下がより好ましい。NSAが100m/gを超えると、未加硫時の粘度が非常に高くなり、加工性が悪化する、又は燃費が悪化する傾向がある。カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上である。5質量部未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。50質量部を超えると、発熱が大きくなる傾向がある。
上記ゴム組成物には、前記成分の他に、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、充填剤、軟化剤(パラフィン系、アロマ系、ナフテン系のプロセスオイル等のオイル、可塑剤等)、粘着付与剤(クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂等)、ワックス、酸化防止剤、老化防止剤、加硫促進助剤(ステアリン酸、酸化亜鉛等)、過酸化物、硫黄、含硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤等を含有してもよい。
加硫剤として硫黄を用いる場合、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下である。0.5質量部未満では、加硫速度が遅く、加硫不足になる傾向があり、3.0質量部を超えると、逆に加硫速度が速く、スコーチングする傾向がある。
加硫促進剤としては、グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンデート系の化合物などが挙げられる。なかでも、ゴム中への分散性、加硫物性の安定性の点から、スルフェンアミド系加硫促進剤〔N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなど〕、グアニジン系加硫促進剤(ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなど)が好ましく、CBS及びDPGを併用することが特に好ましい。
加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。また、該配合量は、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下である。1.0質量部未満では、加硫速度が遅く、、加硫不足になる傾向があり、4.0質量部を超えると、加硫速度が速くなり、スコーチングする傾向がある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッドに使用する。トレッドはシート状にしたものを所定の形状に張り合わせる方法、又は2本以上の押出し機に装入して押出し機のヘッド出口で2層に形成する方法、等により作製できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造できる。すなわち、ゴム組成物を未加硫の段階でトレッドの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
スチレンブタジエンゴム(SBR):旭化成ケミカルズ(株)製のE15(エポキシ基でカップリングしたS−SBR、スチレン単位量:23質量%、ビニル単位量:64質量%、末端基:なし)
NR:RSS#3
シリケート化合物(1):三菱化学(株)製のMS56S(メチルシリケート、前記式(I)でR′=CH、R=OCH、nの平均値=約16、SiO含有量59±1.0質量%(SiO換算)、重量平均分子量:1500)
シリケート化合物(2):三菱化学(株)製のMS58B30(メチル/ブチル混合シリケート、前記式(I)でR′=CH又はC、R=OCH又はOC、化合物中のCH/C数の全体比率は70/30、nの平均値=約15、SiO含有量58±1.0質量%(SiO換算)、重量平均分子量:1500)
シリケート化合物(3):三菱化学(株)製のMS51(メチルシリケート、前記式(I)でR′=CH、R=OCH、nの平均値=約5、SiO含有量52±1.0質量%(SiO換算)、重量平均分子量:500)
シリカ:デグッサ社(株)製のULTRASIL VN3(NSA:175m/g)
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のシーストNH(NSA:74m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社(株)製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
実施例1〜5及び比較例1〜3
表1に示す配合内容に従い、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形して、他のタイヤ部材と貼り合わせ、150℃で30分間加硫することにより、試験用タイヤを作製した。
得られた試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
(低燃費性)
転がり抵抗試験機を用い、試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例1を100としたときの指数(転がり抵抗指数)で表示した。指数は大きい方が良好である。
(ウェットグリップ性能)
湿潤アスファルト路面にて初速度100km/hからの制動距離を求めた。結果は指数で表し、数字の大きいほどウェットグリップ性能が良好である。指数は次の式で求めた。
ウェットグリップ指数=(比較例1の制動距離)/(各実施例又は比較例の制動距離)×100
Figure 2010202803
所定量のシリケート化合物及びシリカを配合した実施例では、低燃費性能及びウェットグリップ性能ともに改善がみられ、良好に性能を両立できた。一方、シリケート化合物を配合していない比較例1や配合量が少量の比較例2では、両性能ともに劣っていた。また、シリケート化合物の配合量が多い比較例3では、低燃費性能の改善はみられるものの、ウェットグリップ性能が劣り、性能を両立できなかった。

Claims (6)

  1. ゴム成分100質量部に対して、シリカを10〜150質量部及びシリケート化合物を10〜30質量部含有するトレッド用ゴム組成物。
  2. シリケート化合物は、下記式(I)で表される化合物及び/又はその部分加水分解物である請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
    Figure 2010202803
    (式(I)において、Rは、同一若しくは異なって、置換されていてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表す。R′は、同一若しくは異なって、置換されていてもよいアルキル基、アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。nは、1〜100の数である。)
  3. シリケート化合物の重量平均分子量が300〜3000である請求項1又は2記載のトレッド用ゴム組成物。
  4. ゴム成分がスチレンブタジエンゴム及び天然ゴムを含む請求項1〜3のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
  5. ゴム成分が重合末端及び/又は主鎖にシラノール基と反応可能な官能基を有する変性ジエン系ゴムを含む請求項1〜3のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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