JP5918780B2 - ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いたタイヤに関し、更に詳しくは、ゴム組成物へのシリカの分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度低減と加硫ゴムの発熱性も良好となるゴム組成物及びそれを用いたタイヤに関する。
近年の省エネルギーの社会的な要請に伴い、自動車の燃料消費節約を目的として、タイヤ用ゴム組成物の低発熱性と湿潤路面でのグリップ性を両立させる充填剤として、シリカの配合が多用されている。
用いるシリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカの分散を良くするためには混練時間を長くする必要がある。また、ゴム中へのシリカの分散が不十分なためゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押出しなどの加工性に劣るなどの欠点を有していた。さらに、シリカ粒子の表面が酸性であることから、加硫促進剤として使用される塩基性物質を吸着し、ゴム組成物の加硫が十分に行われず、貯蔵弾性率が上がらないという欠点を有していた。そのため、従来からシリカ配合ゴム組成物における加工性等の改良が求められている。
従来において、シリカ配合ゴム組成物における諸物性等を改良する技術として、例えば、ジエン系ゴム90重量部以上含むゴム100重量部に対して、40重量%以上のシリカ、水酸化アルミニウムなどの白色充填剤を含む充填剤30〜120重量部と、非イオン系界面活性剤又は特定のリン酸エステル0.2〜8重量部とを配合したことを特徴とする帯電性を改良したゴム組成物(例えば、本願出願人の特許文献1参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1の目的が体積抵抗値を小さくし静電気の発生を抑制して帯電性を改良するものであり、本発明のゴム組成物へのシリカの分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度低減と加硫ゴムの発熱性も良好とすることについては全く記載や示唆乃至認識は全くないものであり、更に、実施例においてはシリカに対する添加量が最大50質量部以下と少ないものであり、本発明とは技術思想が相違するものである。
WO95/031888号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等について、これを解消しようとするものであり、ゴム組成物へのシリカの分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度低減と、加硫ゴムの発熱性を改良することができるゴム組成物及びそれを用いたタイヤ、並びに、未加硫ゴムの粘度低減方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題等に鑑み、鋭意検討した結果、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、特定量以上のシリカと、特定のアルカノールアミンの少なくとも一種を配合することにより、上記目的のゴム組成物及びそれを用いたタイヤ、並びに、未加硫ゴムの粘度低減方法が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(11)に存する。
(1) 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分100質量部に対して、シリカ55〜200質量部と、下記一般式(I)で表されるアルカノールアミンの少なくとも一種0.5〜15質量部とを配合してなることを特徴とするゴム組成物。
Figure 0005918780
〔上記式(I)中において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、m、nは、平均付加モル数を意味し、mとnはm+n=1〜20となる数値である。〕
(2) 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする上記(1)に記載のゴム組成物。
(3) シランカップリング剤が、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部である、上記(2)に記載のゴム組成物。
(4) アルカノールアミンの配合量が、シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部である、上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のゴム組成物。
(5) Rの炭素数が11〜18であり、m+nが2〜5である、上記(1)〜(4)の何れか一つに記載のゴム組成物。
(6) 上記(1)〜(5)の何れか一つに記載のゴム組成物をタイヤ部材に用いてなることを特徴とするタイヤ。
(7) 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分100質量部に対して、シリカ55〜200質量部と、下記式(I)で表されるアルカノールアミンの少なくとも一種0.5〜15質量部とを配合する、未加硫ゴムの粘度低減方法。
Figure 0005918780
〔上記式(I)中において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、m、nは、平均付加モル数を意味し、mとnはm+n=1〜20となる数値である。〕
(8) 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする上記(7)に記載の未加硫ゴムの粘度低減方法。
(9) シランカップリング剤が、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部である、上記(8)に記載の未加硫ゴムの粘度低減方法。
(10) アルカノールアミンの配合量が、シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部である、上記(7)〜(9)の何れか一つに記載の未加硫ゴムの粘度低減方法。
(11) Rの炭素数が11〜18であり、m+nが2〜5である、上記(7)〜(10)の何れか一つに記載の未加硫ゴムの粘度低減方法。
本発明によれば、ゴム組成物へのシリカの分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度低減と、加硫ゴムの発熱性を改良するゴム組成物及びそれを用いたタイヤ、並びに、未加硫ゴムの粘度低減方法が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明のゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分100質量部に対して、シリカ55〜200質量部と、下記式(I)で表されるアルカノールアミンの少なくとも一種0.5〜15質量部とを配合してなることを特徴とするものである。
Figure 0005918780
〔上記式(I)中において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れかを表し、m、nは、平均付加モル数を意味し、mとnはm+n=1〜20となる数値である。〕
本発明のゴム組成物に用いるゴム成分は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。これらのゴム成分は、一種単独で用いても、二種以上をブレンドして用いてもよい。
本発明のゴム組成物に用いるシリカとしては、特に制限はなく、市販のゴム組成物に使用されているものが使用でき、中でも湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等を使用することができ、特に、湿式シリカの使用が好ましい。
これらのシリカの配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して55〜200質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは、55〜150質量部の範囲とすることが望ましく、より更に好ましくは、55〜120質量部、更に60〜120質量部、より更に70〜100質量部の範囲とすることが望ましい。特に、本発明の場合、シリカが上記ゴム成分100質量部に対して55質量部以上の高い配合量であっても、本発明の効果を発揮できるものである。
このシリカの配合量が上記ゴム成分100質量部に対してヒステリシスを低下させる効果の観点から、55質量部以上が好ましく、一方、作業性を向上させる観点から200質量部以下が好ましい。
本発明において、補強性の観点から、シランカップリング剤を用いることが好ましい。
用いることができるシランカップリング剤は、特に制限なく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどの少なくとも1種が挙げられる。
これらのシランカップリング剤の配合量は、シリカの配合量によって変動するものであるが、シリカ100質量部に対し、カップリング剤を入れる効果の観点から、1質量部以上が好ましく、一方、補強性、発熱性を維持する観点から、20質量部以下が好ましい。その観点から、更に好ましくは、1〜12質量部、より更に好ましくは6〜12質量部の範囲が望ましい。
本発明では、上記シリカ以外にも補強性充填剤として、カーボンブラックなどを併用できる。
用いることができるカーボンブラックは、特に制限なく、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを用いることができる。
これらのカーボンブラックの配合量も、特に限定されるものではないが、好ましくは、前記ゴム成分100質量部に対し、0〜60質量部、更に好ましくは、10〜50質量部であることが望ましい。なお、発熱性を維持する観点から、60質量部以下が好ましい。
本発明に用いる下記式(I)で表されるアルカノールアミンは、シリカ配合ゴムの未加硫粘度低減と、加硫ゴムの発熱性を改良して本発明の効果を発揮させるために配合するものである。
Figure 0005918780
〔上記式(I)中において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、m、nは、平均付加モル数を意味し、mとnはm+n=1〜20となる数値である。〕
上記式(I)において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソセチル基、オクタデシル基、イソステアリル基、ドコシル基、テトラコシル基などのアルキル基、アリル基、3−ブテニル基、メタリル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1,−ジメチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基、オレイル基、テトラコシリデン(テトラコセニル)基などのアルケニル基が挙げられ、好ましくは、粘度低減効果の観点からRの炭素数は6以上であり、合成のコストと粘度低減効果の両立の観点から18以下である。その観点から、さらに好ましくは炭素数11〜18、より更に好ましくは炭素数14〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、ヘプタデセニル基である。
また、式(I)において、m、nは、平均付加モル数を意味し、mとnはm+n=1〜20となる数値であり、シリカ表面との相互作用の観点から好ましくは1.5以上、発熱性を維持する観点から10以下である。その観点から、さらに好ましくは1.5〜5であり、1.5〜3.5がより更に好ましく、2〜3.5が更により好ましい。なお、m、nは、同一でも異なっていてもよいが、それぞれ独立して、0を超える正の数が好ましく、0.5〜5がより好ましく、0.5〜2.5が更に好ましい。
具体的に用いることができる上記式(I)で表されるアルカノールアミンとしては、例えば、例えば、POE(2)オクチルアミン、POE(4)デシルアミン、POE(2)ドデシルアミン、POE(5)ドデシルアミン、POE(15)ドデシルアミン、POE(2)テトラデシルアミン、POE(2)ヘキサデシルアミン、POE(2)オクタデシルアミン、POE(20)オクタデシルアミン、POE(2)オクタデセニルアミン、〔ここで、POE(n)はポリオキシエチレンが平均nモル付加していることを示す。〕の少なくとも1種を挙げることができ、中でも、POE(2)ドデシルアミン、POE(5)ドデシルアミン、POE(2)テトラデシルアミン、POE(2)ヘキサデシルアミン、POE(2)オクタデシルアミンの使用が望ましい。
なお、上記式(I)で表されるアルカノールアミンの合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。
これらのアルカノールアミンの少なくとも一種の配合量は、好ましくは、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜15質量部、更に好ましくは、本発明の更なる効果を発揮せしめる観点から、1〜15質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましく、3〜7質量部がより更に好ましい。また、アルカノールアミンの少なくとも一種の配合量は、シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましく、1〜15質量部が更に好ましく、1〜7質量部がより更に好ましく、2〜6質量部がより更に好ましい。
このアルカノールアミンの少なくとも一種の配合量が、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上では、未加硫粘度低減効果が高く、一方、20質量部以下では、ゴムヤケ性への影響が小さく好ましい。
本発明のゴム組成物には、上記ゴム成分、シリカ、上記式(I)で表されるアルカノールアミンの他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、軟化剤、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これらの配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
また、本発明のゴム組成物は、ゴム成分と、シリカと、上記アルカノールアミンの少なくとも一種と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とをロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練り、熱入れ、押出等することにより得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等の空気入りタイヤのタイヤ部材の用途を始め、防振ゴム、ベルト,ホースその他の工業製品等の用途にも用いることができる。
このように構成されるゴム組成物が、何故、ゴム組成物へのシリカの分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度低減と、加硫ゴムの発熱性も良好となるかは以下のように推察される。
すなわち、本発明のゴム組成物において、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分100質量部に対して、シリカを55〜200質量部と高配合した配合系に、上記式(I)で表されるアルカノールアミンの少なくとも一種が配合されると、シリカ表面の疎水化により、シリカ同士の凝集を抑制し、未加硫ゴムの粘度を低減し、また、シリカ表面での促進剤の吸着を抑制するため、発熱性も改良できて、加工性も良好となるものと推察される。
次に、本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種配合剤を配合させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階でタイヤ部材として、例えば、トレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。このようにして得られた本発明のタイヤは、低発熱性に優れるので、燃費性が良好であると共に、しかも該ゴム組成物の加工性が良好であるので、生産性にも優れたものとなる。
更に、本発明の未加硫ゴムの粘度低減方法は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分100質量部に対して、シリカを55〜200質量部と高配合した配合系に、上記式(I)で表されるアルカノールアミンの少なくとも一種を配合することにより、シリカ表面の疎水化により、シリカ同士の凝集を抑制し、未加硫ゴムの粘度が低減されるものとなる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の組成物、方法を開示する。好ましい態様、数値範囲は前述の通りである。
〔1〕 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分100質量部に対して、シリカ55〜200質量部、好ましくは55〜150質量部、より好ましくは60〜120質量部、より更に好ましくは70〜100質量部と、下記一般式(I)で表されるアルカノールアミンの少なくとも一種0.5〜15質量部、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは2〜10質量部、より更に好ましくは3〜7質量部とを配合してなることを特徴とするゴム組成物。
Figure 0005918780
〔上記式(I)中において、Rは、炭素数1〜24、好ましくは6〜18、より好ましくは11〜18、さらに好ましくは14〜18のアルキル基又はアルケニル基を表し、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、m、nは、平均付加モル数を意味し、mとnはm+n=1〜20、好ましくは1.5〜10、より好ましくは1.5〜5、更に好ましくは1.5〜3.5、より更に好ましくは2〜3.5となる数値である。m、nは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、0を超える正の数が好ましく、0.5〜5がより好ましく、0.5〜2.5が更に好ましい。〕
〔2〕 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする上記〔1〕に記載のゴム組成物。
〔3〕 シランカップリング剤が、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部、好ましくは1〜12質量部、より好ましくは6〜12質量部である、上記〔2〕に記載のゴム組成物。
〔4〕 アルカノールアミンの配合量が、シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部、好ましくは0.5〜15質量部、より好ましくは1〜15質量部、更に好ましくは1〜7質量部、より更に好ましくは2〜6質量部である、上記〔1〕〜〔3〕の何れか一つに記載のゴム組成物。
〔5〕 Rの炭素数が11〜18であり、m+nが2〜5である、上記〔1〕〜〔4〕の何れか一つに記載のゴム組成物。
〔6〕 上記〔1〕〜〔5〕の何れか一つに記載のゴム組成物をタイヤ部材に用いてなることを特徴とするタイヤ。
〔7〕 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分100質量部に対して、シリカ55〜200質量部、好ましくは55〜150質量部、より好ましくは60〜120質量部、より更に好ましくは70〜100質量部と、下記式(I)で表されるアルカノールアミンの少なくとも一種0.5〜15質量部、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは2〜10質量部、より更に好ましくは3〜7質量部とを配合する、未加硫ゴムの粘度低減方法。
Figure 0005918780
〔上記式(I)中において、Rは、炭素数1〜24、好ましくは6〜18、より好ましくは11〜18、更に好ましくは14〜18のアルキル基又はアルケニル基を表し、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、m、nは、平均付加モル数を意味し、mとnはm+n=1〜20、好ましくは1.5〜10、より好ましくは1.5〜5、さらに好ましくは1.5〜3.5、より更に好ましくは2〜3.5となる数値である。m、nは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、0を超える正の数が好ましく、0.5〜5がより好ましく、0.5〜2.5が更に好ましい。〕
〔8〕 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする上記〔7〕に記載の未加硫ゴムの粘度低減方法。
〔9〕 シランカップリング剤が、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部、好ましくは1〜12質量部、より好ましくは6〜12質量部である、上記〔7〕又は〔8〕に記載の未加硫ゴムの粘度低減方法。
〔10〕 アルカノールアミンの配合量が、シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部、好ましくは0.5〜15質量部、より好ましくは1〜15質量部、更に好ましくは1〜7質量部、より更に好ましくは2〜6質量部である、上記〔7〕〜〔9〕の何れか一つに記載の未加硫ゴムの粘度低減方法。
〔11〕 Rの炭素数が11〜18であり、m+nが2〜5である、上記〔7〕〜〔10〕の何れか一つに記載の未加硫ゴムの粘度低減方法。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〜6及び比較例1〜5〕
下記表1及び表2に示す配合処方で常法により、ゴム組成物を調製した。表1及び表2中の数値は質量部である。
表1及び表2で得られたゴム組成物について、下記測定方法により、未加硫ゴム粘度の測定を行った。また、得られたゴム組成物を160℃で14分間加硫して、得られた加硫ゴムに対し、下記測定方法により粘弾性(tanδ)の測定を行った。
更に、表2で得られたゴム組成物について、下記評価方法により変色性について評価した。
これらの結果を下記表1及び表2に示す。
〔未加硫ゴム粘度の測定方法〕
未加硫ゴム粘度は、JIS K 6300−1:2001(ムーニー粘度)に準拠して行った。
なお、評価は、表1では比較例1の値、表2では比較例4の値を100として指数表示した。未加硫ゴム粘度は、値が小さいほど作業性が良好であることを示す。
〔粘弾性(tanδ)の測定方法〕
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、表1では比較例1の値、表2では比較例4の値を100として指数表示した。この値が小さい程、低発熱性であり、燃費性が良好であることを示す。
〔変色性の評価方法〕
表2で得られたゴム組成物について、160℃で20分間プレス加硫して、得られた試験片(厚さ10mm)を使用し、3ヵ月屋外に晒した後に、下記評価基準により変色性を評価した。
評価基準:
○:変化の認められないもの。
△:変化が多少認められるもの。
×:明らかに差の分かるもの。
Figure 0005918780
Figure 0005918780
上記表1及び表2の*1〜*15は下記のとおりである。
*1)タフデン2830〔旭化成ケミカルズ社製〕(ゴム成分100質量部、油成分37.5質量部)
*2)シースト7HM〔東海カーボン社製〕
*3)東ソーシリカ株式会社製「ニプシールVN3」
*4)ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*5)マイクロクリスタリンワックス、オゾエース0701〔日本精蝋社製〕
*6)ノクラック6C〔大内新興化学工業社製〕
*7)ノンフレックスRD−S〔精工化学社製〕
*8)ノクセラーD〔大内新興化学工業社製〕
*9)ノクセラーDM〔大内新興化学工業社製〕
*10)サンセラーCM−G〔三新化学工業社製〕
*11)ファーミンDM8098〔ジメチルステアリルアミン、花王社製〕
*12)アミート102〔POE(2)ドデシルアミン、花王株式会社製〕
*13)アミート105〔POE(5)ドデシルアミン、花王株式会社製〕
*14)アミート302〔POE(2)オクタデシルアミン、花王株式会社製〕
*15)アミート320〔POE(20)オクタデシルアミン、花王株式会社製〕
上記表1から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜4のゴム組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜2に較べて、未加硫ゴム粘度、粘弾性(tanδ)の評価結果から、未加硫ゴムの粘度低減効果と、加硫ゴムの発熱性も良好となるゴム組成物となることが判明した。
また、上記表2の各ゴム組成物は、シリカの配合量の下限値(55質量部)の意義を明確化する点から行った実施例6〜7及び比較例3〜5であり、当該表2から明らかなように、本発明範囲となる実施例5〜6のゴム組成物は、本発明の範囲外となる比較例3〜5に較べて、未加硫ゴム粘度、粘弾性(tanδ)、変色性の評価結果から、未加硫ゴムの粘度低減効果と、加硫ゴムの発熱性も良好となり、経時的な変色も少ないゴム組成物となることが判明した。
タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等の空気入りタイヤのタイヤ部材の用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホースなどのゴム製品に好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分100質量部に対して、シリカ55〜200質量部と、下記式(I)で表されるアルカノールアミンの少なくとも一種0.5〜15質量部とを配合してなることを特徴とするゴム組成物。
    Figure 0005918780
    〔上記式(I)中において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、m、nは、平均付加モル数を意味し、mとnはm+n=1〜20となる数値である。〕
  2. 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. シランカップリング剤が、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部である、請求項2に記載のゴム組成物。
  4. アルカノールアミンの配合量が、シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部である、請求項1〜3の何れか一つに記載のゴム組成物。
  5. の炭素数が11〜18であり、m+nが2〜5である、請求項1〜4の何れか一つに記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか一つに記載のゴム組成物をタイヤ部材に用いてなることを特徴とするタイヤ。
  7. 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分100質量部に対して、シリカ55〜200質量部と、下記式(I)で表されるアルカノールアミンの少なくとも一種0.5〜15質量部とを配合する、未加硫ゴムの粘度低減方法。
    Figure 0005918780
    〔上記式(I)中において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、m、nは、平均付加モル数を意味し、mとnはm+n=1〜20となる数値である。〕
  8. 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする請求項7に記載の未加硫ゴムの粘度低減方法。
  9. シランカップリング剤が、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部である、請求項8に記載の未加硫ゴムの粘度低減方法。
  10. アルカノールアミンの配合量が、シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部である、請求項7〜9の何れか一つに記載の未加硫ゴムの粘度低減方法。
  11. の炭素数が11〜18であり、m+nが2〜5である、請求項7〜10の何れか一つに記載の未加硫ゴムの粘度低減方法。
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