JP3734304B2 - 樹脂組成物及び樹脂フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、及びビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体との混合樹脂組成を主体とした重合体組成物に、特定の安定剤を加えて、耐熱分解安定性の改良を図った樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、一般包装用フィルムとして、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる重合体を用いたスチレン系樹脂の延伸フィルムが、ポリ塩化ビニルのフィルムに代替して使用量が増加している。この理由の1つとして、ポリ塩化ビニルのフィルムを使用後に焼却すると有毒ガスを発生するという環境上の問題が挙げられる。このスチレン系樹脂のフィルムが増える動きは、特に瓶やプラスチックボトルの円筒状容器に装着する熱収縮性の延伸フィルム、すなわちシュリンクラベル用包装フィルムの分野に於いて顕著である。
【0003】
シュリンクラベル用のスチレン系樹脂組成物に関する従来技術としては、特公平3−12535号公報、特公昭62−25701号公報に記載されるように、ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体(A)と、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体(B)との混合組成物が収縮特性、弾性率、耐衝撃強度等に優れた熱収縮性フィルムを与える重合体組成物として公知である。上記の重合体組成物は、従来技術のシュリンクラベル用重合体組成物の分野に属し、本発明が対象とする重合体組成物の範囲に含まれる。
【0004】
重合体組成物の更なる改良技術として、特開平5−104630号公報には、上記ブロック共重合体(B)を水素添加処理したブロック共重合体を第3成分として(A)、(B)に更に加えて、特定の熱収縮応力になるよう延伸する熱収縮性フィルムが記載されている。また、特開平7−82387号公報には、ゴム状重合体を分散粒子として含有するゴム変性スチレン系重合体を第3成分として(A)、(B)に更に加えて重合体組成物とし、この重合体組成物を特定の熱収縮率になるよう延伸する熱収縮性フィルムが記載されている。これらの重合体組成物は、シュリンクラベルの収縮特性、弾性率や耐衝撃性等の機械的特性、透明性等の光学的特性等を向上する改良技術であるが、重合体(A)とブロック重合体(B)の混合組成を主体としたこの重合体組成物も、本発明の対象とする重合体組成物の範囲に含まれる。
【0005】
しかし一方では、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる重合体を含有する重合体組成物は、高温で熱成形加工される際には、重合体の炭素原子間に共役二重結合部分が有るために熱劣化(部分的な架橋によるゲル化)が起こりやすく、熱劣化によって流動性を低下させ成形性を悪くしたり、着色により外観を悪くしたり、あるいは成形品の物性(弾性率や耐衝撃性など)を低下させる問題があった。特にシュリンクラベル用フィルムの場合は、ゲル化部分が表面の凹凸の要因となり、いわゆるフィシュアイゲルとして存在する為に、その後の印刷に於いて欠点(グラビヤ印刷に於いてインキが転写されずにインキが抜けたいわゆるインキ跳びの部分)ができやすく、一般的には40〜60μmの薄いフィルムであるが故に微細なゲルの低減まで求められるという問題があった。
【0006】
従来、上記の熱劣化を抑制するための耐熱安定剤として、特開昭63−27551号公報では、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレ−トを含む特定のアクリレート系化合物と特定のフェノ
ール系酸化防止剤と併用することが記載されており、また特公平7−25946号公報では、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレートを含む特定のアクリレート系化合物がブタジエン系樹脂組成物の無酸素下での熱劣化防止や着色防止に有効であることが記載されている。
【0007】
また、特公平7−25947号公報では、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレートを含む特定のアクリレート系化合物と特定のリン系化合物との併用が、特公平7−25948号公報では、前述同様の特定のアクリレート系化合物とイオウ系化合物との併用が、特開平7−26107号公報では、特定のアクリレート系化合物と炭化水素ワックスとの併用が、それぞれにブタジエン系樹脂組成物の無酸素化での熱劣化防止や着色防止に有効であることが記載されている。
【0008】
さらに、特開平6−23820号公報には、スチレンーブタジエンブロック共重合を含有する重合体を2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレートの存在下でフィルム加工することでフィッシュアイゲルの発生を抑制することが記載されている。
【0009】
上記のようなアクリレート系化合物またはアクリレート系化合物とリン系、イオウ系化合物などを併用した耐熱安定剤の使用により、以前よりも熱安定性の改善が図られてはいるものの、シュリンクラベル用フィルムのような加工製品の形態、すなわち微細なゲルの低減まで求められる場合には未だ十分な熱安定性が確保されてはいないのが現状である。
【0010】
上記のアクリレート系耐熱安定剤に限らず、フェノール系酸化防止剤を主体とした組成物についても多くの安定剤組成物が提案されているが、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなる重合体を主体とする樹脂組成物に対しての熱劣化の抑制に関しては、上記のアクリレート系化合物を添加した混合組成物としなければ、やや効果の劣るのが現状である。
【0011】
フェノール系酸化防止剤との組み合わせ例として、特開平7−109380号公報において、アルキル置換フェノール系酸化防止剤と特定のアミド化合物の提案がなされているが、これは着色(黄変)原因となる特定の構造のカルボニル化合物の生成を抑えることにより熱可塑性樹脂の黄変を抑制する効果のある酸化防止剤組成物を提案したものであり、この提案は本発明における熱劣化(部分的な架橋によるゲル化)抑制とは全く狙いとする効果が異なるものであり、熱劣化抑制効果は薄いのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、本発明の対象とする公知の重合体組成物、すなわちビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルの共重合体(A)及びビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体(B)との混合樹脂組成を主体とする重合体組成物は、シュリンクラベル用として収縮特性、弾性率、耐衝撃性等の優れた特性を発揮し得るものであるが、印刷における欠点(インキ跳び)の原因になる微細なゲルを少なくするような耐熱分解安定性が、従来の熱安定剤組成では確保されていないという課題がある。
【0013】
一方、上記の重合体組成物は、共重合体(A)とブロック共重合体(B)が完全な相溶性を有しない為に相分離が進行しやすく熱劣化の進行も速くなるという新たな問題もあり、耐熱分解安定性の確保をより難しくしている重合体組成物である。このような完全な相溶性を有しない重合体組成物に耐熱安定剤を添加し、熱劣化が改善された樹脂組成物は、これまで例がないのが現状である。
【0014】
本発明者らは、上記の課題及び現状を鋭意検討した結果、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素のブロック重合体を含有する為に熱劣化しやすく、しかも完全な相溶性を有さず熱劣化の進行が速くなるという不利な点をも合わせ持つシュリンクラベル用重合体組成物について、特定の耐熱安定剤を配合することによってインキ跳びの要因となるゲルの生成を抑制し得る耐熱安定性のある樹脂組成物を見いだし、本発明の課題を解決し得るに至った。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
下記(A)、(B)を、その合計が50重量%を越える量で混合された重合体組成物に耐熱安定剤を配合した樹脂組成物において、該耐熱安定剤が下記(C)、(D)を必須成分として有するとともに、該(C):(D)の重量比率が10:1〜1:6であることを特徴とする樹脂組成物。
【0016】
(A)ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体であって、ビニル芳香族炭化水素の含有量が20〜95重量%よりなる共重合体10〜90重量%
(B)ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が20〜95重量%であるブロック共重合体10〜90重量%
(C)2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレートを、重合体組成物の合計100重量部に対して0.03〜3重量部
(D)一般式(2)で表されるアルキルジエタノールアミン系化合物、一般式(3)で表される(ヒドロキシ)アルキルモノエタノールアミン系化合物のうち少なくとも1種以上でその合計量を、重合体組成の合計量100重量部に対し0.03〜3重量部
【0017
【化
Figure 0003734304
【0018
(式中、RはC7〜C21のアルキル基を表す)
【0019
【化
Figure 0003734304
【0020
(式中、RはC7〜C21のアルキル基、又はヒドロキシアルキル基を表す)
すなわち、本発明の樹脂組成物が従来技術の樹脂組成物と相違する点は、耐熱安定剤またはその補助的効果のあるものとしては知られていなかった特定の化合物であるアルキル、ジ/又はモノ、エタノール、アミン系化合物、またはヒドロキシアルキルモノエタノールアミン系化合物を耐熱安定剤として、従来公知の重合体組成物に配合することにあり、一般に耐熱安定剤として用いられる特定のアクリレート系化合物と併用することでゲル化を抑制する、すなわち熱劣化を抑制する効果を発現するものである。なお、本発明において、樹脂組成物とは、重合体組成物に耐熱安定剤、酸化防止剤等の添加剤を混合したものをいい、該樹脂組成物を延伸したものを樹脂フイルムという。
【0021
以下、本発明の重合体組成物および耐熱安定剤について順次説明する。まず、共重合体(A)に用いられるビニル芳香族炭化水素とは、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等から選ばれる1種以上のスチレン系単量体をいい、特に一般的にはスチレンが選ばれる。
【0022
また、脂肪族不飽和カルボン酸エステルとは、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル等の炭素数C1〜C12好ましくはC3〜C12のアルコールとアクリル酸とのエステル誘導体、又は同様にC1〜C12、好ましくはC3〜C12のアルコールとメタアクリル酸とのエステル誘導体、又はα,βジカルボン酸(例えばフマル酸、マレイン酸、イタコン酸等)、またはこれらジカルボン酸とC2〜C12のアルコールとのモノ又はジエステル誘導体等から選ばれる少なくとも1種の単量体である。これらの内、好ましくはエステル類主体で、より好ましいものはアクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル等のエステル類を主体とするものである。
【0023
ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体(A)は、ビニル芳香族炭化水素含有量が20〜95重量%、好ましくは50〜90重量%のものであり、20重量%未満であると一般的には成形体の硬さ(腰の強さ)が不足し実用上使いにくく、95重量%を越えると一般的には脂肪族不飽和カルボン酸エステルを導入する目的である成形体の軟化温度をさげる効果、すなわちシュリンクラベル用フィルムとしての低温収縮性の発現の効果などが薄れる傾向にあり好ましくない。
【0024
つぎに、ブロック共重合体(B)は、少なくとも1個、好ましくは2個以上のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が20〜95重量%、好ましくは50〜90重量%のものである。該ブロック共重合体(B)は、一般的には成形体になった場合の脆さを改善するために共役ジエンを主体とする重合体ブロックを導入されるものであり、ビニル芳香族炭化水素含有量が95重量%を越えると、脆さの改善効果が得られずに実用上使いにくく、また20重量%未満であると共重合体(A)との相溶性が悪くなり、成形体の透明性が悪くなるとともに成形体の硬さ(腰の強さ)が不足し実用上使いにくい。
【0025
該ブロック共重合体(B)に用いられるビニル芳香族炭化水素とは、前述の共重合体(A)に用いるビニル芳香族炭化水素と同じグループから選んだ少なくとも1種のスチレン系単量体をいい、特に一般的にはスチレンが選ばれる。ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックとは、ビニル芳香族炭化水素を50重量%を越える量で含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック、及び/又は、ビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックを示す。
【0026
該ブロック共重合体(B)に用いられる共役ジエンとは、共役2重結合を有するオレフィン類で、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等であるが、特に一般的には1,3−ブタジエンが選ばれる。これらは2種以上混合してもよく、他の単量体と更に共重合しても差し支えない。共役ジエンを主体とする重合体ブロックとは、共役ジエンを50重量%を越える量で含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体ブロック、及び/又は、共役ジエン単独重合体ブロックを示す。この共重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布していても、又テーパー状に分布していても
よい。
【0027】
共重合体(A)とブロック共重合体(B)の混合組成物において、シュリンクラベル用フィルムとして、より優れた品質とする為にはブロック共重合体(A)と重合体(B)の混合比率は、好ましくは重量比率で10:90〜90:10、のものである。すなわち、該ブロック共重合(A)の混合比率が、重合体(B)との和に対して10重量%未満であると、フィルムなどの成形体の機械的強度の付与(脆さの改善)などの為にブロック共重合体(A)を混合している効果が薄れ、90重量%を越えると軟化温度を下げたり硬さ(剛性)の保持などの為に重合体(B)を混合している効果が薄れるからである。
【0028
さらに、本発明における耐熱安定剤に用いる特定のフェニルアクリレート系化合物(C)は、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレートである。
【0029
本発明における耐熱安定剤に用いるもう一つの必須成分であるアミン系化合物(D)については、下記一般式(2)で表されるアルキルジエタノールアミン系化合物において、置換基Rは炭素数C7〜C21のアルキル基を表し、下記一般式(3)で表される(ヒドロキシ)アルキルモノエタノールアミン系化合物において、置換基Rは同様に炭素数C7〜C21のアルキル基、又は、炭素数C7〜C21のヒドロキシアルキル基を表す。
【0030
【化
Figure 0003734304
【0031
【化
Figure 0003734304
【0032
これらは例えば、脂肪酸とジ/又はモノ、エタノールアミン系化合物との縮合反応などにより得ることができる。製法によっては本発明の請求範囲に含まれない不純物を含有してしまう場合、すなわち原料の脂肪酸が炭素数C7〜C21以外のものも有する結果C7〜C21以外のアルキル基を有したアルキル、ジ/又はモノ、エタノールアミン系化合物も含有して得られる場合や、ジアルキルモノエタノールアミン系化合物などの副生成物も含有する場合、などでも支障はなく、前記の本発明における特定のアルキル、ジ/又はモノエタノールアミン系化合物を純分として添加量などを決めればよい。
【0033
本発明における耐熱分解安定剤に用いる特定のアクリレート系化合物(C)及び特定のアミン系化合物(D)は、重合体組成の合計、100重量部に対してそれぞれに0.03〜3重量部含有し、(C):(D)の重量比が10:1〜1:6のものであるが、それぞれの含有量が0.1〜2重量部であるとより好ましい。重量比率が上記の範囲内にないと(C)、(D)の併用効果が充分に発揮されずに、ゲル化抑制効果がやや劣る結果となる。
【0034
本発明の樹脂組成物に、他の耐熱安定剤や酸化防止剤(例えば本発明に用いる特定のアクリレート系化合物を除くフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤など)を混合し、本発明における必須の耐熱安定剤(C)及び(D)と併用した組成とすると、熱劣化の抑制には好ましい結果が得られる場合があり、特にリン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤あるいはその両方を合計で0.03〜3重量部添加すると好ましく、0.1〜2重量部添加するとより好ましい。
【0035
これら添加剤の具体例として、酸化防止剤としては、例えば、n−オクラデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン、ペンタエリスチリルテトラキシス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシルフェニル)プロピオネート〕などのフェノール系酸化防止剤、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスファイトなどのリン系酸化防止剤、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキシス(3−ラウリルチオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。
【0036
また、本発明の樹脂組成物には、その特性を害さない限り、耐熱安定剤や酸化防止剤を除く他の添加剤(例えば、本発明に用いる特定のアミン系化合物を除く帯電防止剤、滑剤、防曇剤、無機微粉体、高分子微粒子、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤など)を更に混合しても良い。本発明の樹脂組成物は、従来公知の配合方法を採用できるが、該耐熱安定剤ができるだけ均一に重合体組成物中に存在していることが望ましい。配合方法としては、オープンロール、インテンシブミキサー、2軸ローター付の連続混練機、単軸/又は2軸の押出混練機などの溶融混練方法が好ましい例として挙げられる。
【0037
本発明により得られた樹脂組成物を、延伸して得られる樹脂フイルムは、一般に使用される1軸又は2軸の延伸設備を用いて製造でき、例えばバブル延伸やTダイなどによる成形後のテンター延伸、ロール延伸などによる方法により製造することができる。また、本発明の樹脂フイルムは、多層構造の少なくとも1層を構成するフイルムとしても利用することができる。
【0038
【発明の実施の形態】
以下に好ましい実施例、比較例を挙げて本発明を説明するが、以下の実施例、比較例において、%及び部はすべて重量基準の%及び部である。また、以下の実施例、比較例に用いた重合体組成物は、ブロック共重合体(A)として以下の(a−1)、重合体(B)として以下の(b−1)、更に第3成分として以下の(h−1)及び(h−2)を、それぞれ(a−1):(b−1):(h−1):(h−2)=54:40:4:2の比率で混合したものを用いた。
【0039
(a−1):スチレンーブチルアクリレート共重合体[スチレン含有量:84%、重量平均分子量:40万、MFR:4(200℃、5kg)、ビカット軟化点:72℃]
(b−1):B−A−B−A構造のリニアー型スチレンーブタジエンブロック共重合体[スチレン含有量:70%、数平均分子量:12万、MFR:5(200℃、5kg荷重)、ビカット軟化点:84℃]
(h−1):B−A−B構造の水素添加スチレンーブタジエンブロック共重合体[スチレン含有量:32%、MFR:3(200℃、5kg荷重)]
(h−2):ハイインパクトポリスチレン[スチレン含有量:91%、ゴム種:スチレ
ンーブタジエン共重合体、ゴム粒径:0.3μm、ビカット軟化点:105℃、MFR:3(200℃、5kg)]
また、以下の実施例、比較例に用いた耐熱安定剤は、アクリレート系化合物(C)として以下の(c−2)を表1に示した比率で混合し、アミン系化合物(D)として以下の(d−1)、(d−2)、(d−3)又は(d−4)を表1に示した比率で混合したものを用いた。
【0040
c−2):2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェニルアクリレート
(d−1):N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン[アルキル基の炭素数C12〜18のものの混合組成]:デノン2035[丸菱油化(株)製]
(d−2):N−(2−ヒドロキシエチル)ドデシルアミン:ナイミーンL201[日本油脂(株)製]
(d−3):N−ヒドロキシアルキル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン[アルキレン鎖の炭素数C12、C14の混合組成]:エレコン100[大日精化(株)製]
ま た、以下の比較例に用いたアミン系化合物として以下の(d−4)を表1に示す比率で混合したものを用いた。
【0041
(d−4):ポリオキシエチレンドデシルアミン:ナイミーンL−202[日本油脂(株)製]
また、以下の実施例、比較例にはフェノール系酸化防止剤(e−1)、リン系防止剤(e−2)、及びイオウ系酸化防止剤(e−3)をさらに添加する例があり、それぞれ以下に示すものである。これらは表1に示す比率で混合したものを用いた。
【0042
(e−1):3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン
(e−2):トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト
(e−3):ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート
さらに、以下に実施例及び比較例における各種の物性の測定法、及び評価方法を示す。
【0043
(1)MFI保持率:
耐熱安定剤などを配合したペレット状の樹脂組成物をメルトフローインデクサー内の250℃に加熱されたシリンダー内に充填し、充填終了時点から3分後のMFI(250℃、2.16kg)を測定(W3)後、更に充填終了時点から30分後のMFI(250℃、2.16kg)を測定(W30)する。但し、MFIは1分間の吐出重量を10倍して求めた。MFI保持率は、次の計算式にて算出した。
【0044
MFI保持率=(W30/W3)×100 (%)
(但し小数点以下は四捨五入し数値は整数とする)
メルトインデクサーのシリンダー内に250℃で加熱された樹脂組成物は、熱劣化(部分的な架橋によるゲル化)が起きることによりその流動性が低下しMFIが低下する。従って、上記のMFI保持率が高い樹脂組成物ほど、熱劣化に対して安定であり、評価ランクは、判定基準として保持率85〜100%を◎、75〜84%を○、60〜74%を△、0〜59%を×とした。
【0045
(2)ゲル分率:
上記のMFI保持率評価において、30分後のMFI測定の際にダイから流出させたストランド状の樹脂組成物を室温下(約23℃)に冷却したものを用い、該樹脂組成物を室温下(約23℃)24時間トルエン中に浸漬し溶解する。次いで、その溶解液を吸引濾過し、トルエン不溶分を濾紙上に捕捉したのち、トルエンを蒸散させ、トルエンに不溶である樹脂組成物の重量を秤量する。ゲル分率はトルエンへの浸漬に用いた樹脂組成物の重量に対するトルエン不溶である樹脂組成物の重量の割合を%で表すが、小数点以下は四捨五入し数値は整数とした。
【0046
ゲル分率による評価は、加熱によるゲル化を直接的に表すもので、前述のMFI保持率の評価を補足する評価手法である。評価ランクは、判定基準としてゲル分率0%を◎、1〜3%を△、4%以上を×とした。
(3)ヘイズ上昇値:耐熱安定剤などを配合したペレット状の樹脂組成物を熱プレスを用いて厚み1.25mmのシート状に加工する。なお、熱プレスによる予熱は230℃で3分間のものと30分間のものと2種類用意する。その後、2種類のものそれぞれについて、2軸のストレッチャー延伸機にて、縦、横ともに5倍に延伸して厚み50μmのフィルムを得る。なお、延伸時の予熱は90℃で3分間行なう。このフィルムをASTM D1003に準じてヘイズ値を測定する。ヘイズ上昇値は、熱プレス加工時の予熱が30分間のもののヘイズ値から3分間のもののヘイズ値を差し引いて求める。なお、この値は、小数以下第2位を四捨五入し小数以下第1位までを有効数字として算出する。
【0047
上記のヘイズ上昇値は、該樹脂組成物の相分離のしやすさを表す評価尺度である。なぜなら、上記の熱プレスによる加工時に30分間予熱する間に、完全な相溶性を有しない重合体組成物成分の相分離すなわちブロック共重合体(A)と重合体(B)の相分離が進行すると、ミクロな分散状態でなくなり、各重合体組成物の屈折率の相違により透明性が悪くなる(ヘイズ値の上昇)からである。
【0048
評価ランクは、判定基準としてヘイズ上昇値が0.5以下を◎、0.6〜1.0を○、1.1〜1.5を△、1.6以上を×とした。
(4)インキ跳び数:
耐熱安定剤などを配合したペレット状の樹脂組成物を単軸押出機(65φ)を用いてTダイから厚み400μm、幅200mmのシート状に押出し、縦延伸ロールにより縦方向1.23倍、テンター延伸(テンターオーブン温度は90℃)により横方向6.5倍に逐次延伸し、トリムカットして厚さ50μm、幅860mmの熱収縮性の樹脂フイルムを得た。このフィルムをグラビヤ印刷機にて片側の全面に印刷(べた印刷)しインキの抜けている印刷不良部、いわゆるインキ跳びの数をフィルムの長さ20m分について数えた。なお、数えるインキ跳びは、インキの抜けた部分が0.7mmφの面積に相当するもの以上のものとし、インキ跳びがゲルに起因しないもの(混入異物等に起因するもの)は除外した。
【0049
上記のインキ跳び数は、部分的なゲル化部分が要因となる印刷の欠点(インキ跳び)の数を印刷面積17.2m2 あたりで数えたものであり、印刷用フィルム、特にシュリンクラベル用フィルムとして使われた場合のインキ跳びへ及ぼす影響として、該樹脂組成物の熱劣化(部分的な架橋によるゲル化)の程度が評価される。
【0050
評価ランクは、判定基準として上記のインキ跳び数が2個以下を◎、3〜6を○、7〜14個を△、15個以上を×とした。
(5)総合評価:
上記の評価(1)〜(4)の評価ランクを平均した(◎を3、○を2、△を1、×を0として数値を平均したのち四捨五入し、再度◎、○、△、×に置き換えた)ものであるが、これにより◎は非常に優れた熱安定性があり、実用上問題のない樹脂組成物であり、○は◎に対しやや熱安定性のレベルが及ばないが、用上問題のない樹脂組成物であり、△は熱安定性が不足し実用上少し問題のある樹脂組成物であり、×は熱安定性がかなり不足するために実用上問題の大きい樹脂組成物であるという見方ができる。
【0051
【実施例1】
重合体組成物としては、前述のようにスチレンーブチルアクリレート共重合体(a−1)、スチレンーブタジエンブロック共重合体(b−1)、水素添加スチレンーブタジエンブロック共重合体(h−1)、ハイインパクトポリスチレン(h−2)を54:40:4:2の比率で準備した。
【0052
また耐熱安定剤として、表1に示すように、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート(c−2)を0.5部、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン[アルキル基の炭素数C12〜18のものの混合組成]:デノン2035[丸菱油化(株)製](d−1)を0.4部となる量を準備した。
【0053
さらに酸化防止剤として、表1に示すように3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン(e−1)と、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(e−3)をそれぞれ0.2部となる量を準備し、これら重合体組成物、耐熱安定剤、酸化防止剤をドラムブレンダーによりブレンドした。
【0054】
このブレンドした組成物を同方向2軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM−45)により、バレルの最高設定温度:180℃、押出吐出量:30kg/hrの条件で溶融混練し、ストランドダイより吐出させ、水冷させたのちペレタイザーによりペレット状(約2mmφ×約3mm長さの略円柱状)にした樹脂組成物を得た。
【0055
このペレット状樹脂組成物を用いて、前述の評価方法に基づき、(1)MFI保持率、(2)ゲル分率、(3)ヘイズ上昇値、(4)インキ跳び数、(5)総合評価の評価をそれぞれ行なった。結果は表2に示すように、(1)MFI保持率が92%で評価ランクは◎であり、(2)ゲル分率は0%で評価ランクは◎であり、(3)ヘイズ上昇値は0.2%で評価ランクは◎であり、(4)インキ跳び数は0で評価ランクは◎であった。従って、(5)総合評価は◎であり非常に優れた熱安定性のある樹脂組成物であることが判る。
【0056】
【実施例2〜4、比較例1〜2】
実施例1のN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン(d−1)の添加量を0.05(実施例2)、1.0(実施例3)、3.0(実施例4)と変えたことを除けば、重合体組成物及び他の耐熱安定剤や酸化防止剤の配合を同じにし、ついで実施例1と同様の方法によるペレット状の樹脂組成物を作成して実施例2〜4とし、実施例1と同様の評価をそれぞれ行なった。それぞれの実施例における評価結果〔(1)MFI保持率、(2)ゲル分率、(3)ヘイズ上昇値、(4)インキ跳び数〕は表2に示した。
【0057
比較例1に用いた耐熱安定剤は、アクリレート化合物(c−2)とフェノール系酸化防止剤(e−1)とイオウ系酸化防止剤(e−3)を組み合せた従来技術の範疇に入るものであるが、総合評価は△であり熱安定性が充分ではないことが判る。
比較例2も、アルキルジエタノールアミン系化合物(d−1)の配合量が、0.01と本発明の範囲外であるため、総合評価は△であり、熱安定性は充分でない。
【0058
比較例1に対して、更にアルキルジエタノールアミン系化合物(d−1)を加えた場合が実施例2〜4であるが、総合評価は◎又は○であり、優れた熱安定性を発揮することが明らかである。
また、アルキルジエタノールアミン系化合物(d−1)の配合量が0.05部である実施例2と、3.0部である実施例4については総合評価は○であり実用上問題ないものの、(d−1)の配合量が0.4部である実施例1と1.0部である実施例3の総合評価の◎に対してはやや熱安定性が劣ることから、該アルキルジエタノールアミン系化合物(d−1)が特定の配合量の範囲内においてより優れた熱安定性を発揮する傾向が明らかである。
【0059
すなわち、アクリレート系化合物(c−2)に対し、アルキルジエタノールアミン系化合物(d−1)との重量比率を、実施例2〜4の範囲内である10:1〜1:6のように変化させた重量比率の範囲内であれば、両者の併用効果が熱安定性に対して発揮されることが判る。
【0060
【実施例5〜6、比較例3】
実施例5は実施例1に対して、また比較例3は比較例1に対して、フェノール系酸化防止剤(e−1)とイオウ系酸化防止剤(e−3)を添加しない点を除けば、重合体組成物及び他の耐熱安定剤の配合を同じにし、さらに実施例6は、実施例1に対してイオウ系酸化防止剤(e−3)をリン系酸化防止剤であるトリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(e−2)に変えた点を除けば、重合体組成物及び他の耐熱安定剤や酸化防止剤の配合を同じにした場合を示す。ついで、これらの実施例、比較例について、実施例1と同様の方法によるペレット状の樹脂組成物を作成し、同様の評価をそれぞれ行なった。実施例5は、比較例3に対して、アルキルジエタノールアミン系化合物(d−1)が配合されていることが異なっている。それぞれの例における耐熱安定剤や酸化防止剤(以下、添加剤)の配合比率は表1に、またそれぞれの例における評価結果は表2に示した。
【0061
これらの評価結果より、酸化防止剤(e−1)、(e−2)、(e−3)を併用することで耐熱安定性の向上がみられるが、優れた耐熱安定性を発揮させるための必須の添加物とは言えず、アクリレート系化合物(c−2)とアルキルジエタノールアミン系化合物(d−1)を組み合わせて添加したことにより優れた耐熱安定性を発揮することが明らかである。
【0062
【比較例4】
耐熱安定剤や酸化防止剤などを全く添加しなかったことを除けば、実施例1と同様の方法によるペレット状の樹脂組成物を作成し、同様の評価を行なった。各種添加剤の配合比率は表1に示す通りであり、評価結果は表2に示した。この評価結果は、総合評価が×で熱安定性が不十分であり、本発明の実施例に用いている耐熱安定剤組成物の効果が大きいことを裏付けている。
【0063
【実施例、比較例5】
実施例8、9及び比較例5については、実施例1で用いたアルキルジエタノールアミン系化合物(d−1)を他のアミン系化合物(d−2〜d−4)に変えたことを除けば、重合体組成物及び他の耐熱安定剤や酸化防止剤の配合を同じにし、ついで実施例1と同様の方法によるペレット状の樹脂組成物を作成し、同様の評価をそれぞれ行なった。また、実施例10は実施例9に対してフェノール系酸化防止剤(e−1)とイオウ系酸化防止剤(e−3)を添加しなかったことのみが配合において異なる。それぞれの例における各種添加剤の配合比率は表1に示す通りであり、それぞれの例における評価結果は表2に示した。
【0064
これらの評価結果より、本発明の樹脂組成物において必須となる特定のアミン系化合物(D)の(d−2、d−3)を用いた場合は、優れた耐熱安定性を発揮することが明らかである。また、ポリオキシエチレンドデシルアミン(d−4)を用いた場合は、あまり耐熱安定性が向上していないことから、必須となるアミン系化合物(D)には特定構造のものに限られることが判る。また、優れた耐熱安定性を発揮するための必須の添加剤と言えないまでも、酸化防止剤(e−1)及び(e−3)を併用することは、より好ましいことが判る。
【0065
【表1】
Figure 0003734304
【0066
【表2】
Figure 0003734304
【0067
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、シュリンクラベルフイルム用として有用であった公知の重合体組成物に、特定のアクリレート系化合物とアルキルジエタノールアミン化合物を特定の割合で配合されたものであり、この樹脂組成物は優れた熱安定性(ゲル化抑制効果の高い)を保持し、それによりシュリンクラベル用フィルムのフィシュアイゲルに起因する印刷不良問題などの厳しい品質要求に対しても、実用上充分な熱劣化抑制の効果を発揮し得る効果がある。

Claims (2)

  1. 下記(A)、(B)を、その合計が50重量%を越える量で混合された重合体組成物に耐熱安定剤を配合した樹脂組成物において、該耐熱安定剤が下記(C)、(D)を必須成分として有するとともに、該(C):(D)の重量比率が10:1〜1:6であることを特徴とする樹脂組成物。
    (A)ビニル芳香族炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸エステルとの共重合体であって、ビニル芳香族炭化水素の含有量が20〜95重量%よりなる共重合体10〜90重量%
    (B)ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が20〜95重量%であるブロック共重合体10〜90重量%
    (C)2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレートを、重合体組成物の合計100重量部に対して0.03〜3重量部
    (D)一般式(2)で表されるアルキルジエタノールアミン系化合物、一般式(3)で表される(ヒドロキシ)アルキルモノエタノールアミン系化合物のうち少なくとも1種以上でその合計量を、重合体組成の合計量100重量部に対し0.03〜3重量部
    Figure 0003734304
    (式中、RはC7〜C21のアルキル基を表す)
    Figure 0003734304
    (式中、RはC7〜C21のアルキル基、又はヒドロキシアルキル基を表す)
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物が延伸された樹脂フィルム。
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