JP5544814B2 - ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加硫可能なゴム、融点が100〜180℃のポリアミドエラストマーおよびシランカップリング剤からなるゴム組成物に関する。
一般にゴムに樹脂や繊維を配合すると高弾性化するものの引張強度の低下や発熱性、疲労性が悪化するという問題がある。特にポリアミドとゴムは相溶化しにくいため、界面での剥離が生じやすく、前述のような問題が生ずる原因となっている。
ゴムに樹脂や繊維を配合して高弾性化を図る方法は広く行なわれており、種々の提案がなされている。
例えば特許文献1にはゴムに微細化(あるいは短繊維化)した熱可塑性ポリアミドとシリカ粒子を配合し、OA機器のロールの耐摩耗性を改良したゴム組成物が開示されている。また、特許文献2には天然ゴム等にポリアミドエラストマーと微粒子カーボンブラックを配合することで、高弾性率で振動エネルギーを効率良く吸収する免震積層体用ゴム組成物が開示されている。
しかし、いずれの技術に関しても、所望の効果は得られるものの、引張強度等が低下する問題があり、タイヤ用部材等に用いる場合には、より実用性の高いものが求められていた。

特開平7−224189号公報 特開平10−237221号公報
本発明の目的は、加硫可能なゴム、融点が100〜180℃のポリアミドエラストマーおよびシランカップリング剤を溶融混錬することで、異種高分子間の界面を活性化させることで相溶化し、高弾性で、引張強度が高く、発熱性、疲労性さらには無機充填剤の分散性の優れたゴム組成物を提供することにある。
本発明は、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、融点が100〜180℃のポリアミドエラストマー(B)が0.1〜50重量部とシランカップリング剤(C)0.1〜100重量部を配合することを特徴とするゴム組成物に関する。
本発明は、(B)のポリアミドエラストマーのソフトセグメントがポリエーテルであり、ショアーD硬度が30〜75であることを特徴とする前記のゴム組成物に関する。
本発明は、(C)のシランカップリング剤がアルコキシシランであることを特徴とする前記のゴム組成物に関する。
該加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、融点が100〜180℃の該ポリアミドエラストマー(B)が0.1〜50重量部、該シランカップリング剤(C)0.1〜100重量部およびゴム補強剤(D)1〜100重量部を配合することを特徴とする前記のゴム組成物に関する。
(1) 該加硫可能なゴム(A)と該ポリアミドエラストマー(B)及び該シランカップリング剤(C)をポリアミドエラストマーの融点以上の温度で溶融混練りする工程、次いで
(2) (1)の溶融混練り物とゴム補強剤(D)1〜100重量部及び(C)と(D)以外の添加剤(E)をポリアミドエラストマーの融点以上の温度で溶融混練りする工程を特徴とする前記のゴム組成物の製造方法に関する。
(1) 該加硫可能なゴム(A)と該ポリアミドエラストマー(B)及び該シランカップリング剤(C)をポリアミドエラストマーの融点以上の温度で溶融混練りする工程、次いで
(2) (1)の溶融混練り物とゴム補強剤(D)1〜100重量部及び(C)と(D)以外の添加剤(E)をポリアミドエラストマーの融点以上の温度で溶融混練りする工程により製造されることを特徴とする前記のゴム組成物に関する。
本発明によれば、異種高分子間の界面を活性化させることで相溶化し、高弾性で、引張強度が高く、発熱性、疲労性さらには無機充填剤の分散性の優れたゴム組成物を提供することができる。
〔加硫可能なゴム〕
本発明で使用する加硫可能なゴムとしては、特に制限なく、公知のものを使用することができる。例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、シンジオタクチック−1.2−ポリブタジエン含有のブタジエンゴム(VCR)、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴムなどのジエン系単量体の重合体;アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ニトリルクロロプレンゴム、ニトリルイソプレンゴムなどのアクリロニトリル−ジエン共重合ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンクロロプレンゴム、スチレンイソプレンゴムなどのスチレン−ジエン共重合ゴム,エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などが挙げられる。この中で、ブタジエンゴム、シンジオタクチック−1.2−ポリブタジエン含有のブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム,イソプレンゴムが好ましい。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明のゴム組成物は、加硫剤、加硫促進剤を添加することができる。
加硫剤としては、硫黄、加熱により硫黄を生成させる化合物、有機過酸化物、酸化マグネシウム等の金属酸化物、多官能性モノマー、シラノール化合物等が挙げられる。加熱により硫黄を生成させる化合物としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。
加硫促進剤としては、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類等が挙げられ、より具体的には、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジンクジ−n−ブチルジチオカーバイト(ZnBDC)、ジンクジメチルジチオカーバイト(ZnMDC)等が挙げられる。
その他、必要に応じて、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸等、通常ゴム組成物に用いられる公知の添加剤を配合することができる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系等の老化防止剤が挙げられる。より具体的には、老化防止剤としてはフェノール系の2,6一ジーt−ブチル−p−クレゾール(BHT)、リン系のトリノニルフェニルフォスファイト(TNP)、硫黄系の4.6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(TPL)等が挙げられる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、再生ゴム、粉末ゴム等の有磯充填剤が挙げられ、プロセスオイルとしては、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のプロセスオイルが挙げられる。
〔融点が100〜180℃のポリアミドエラストマー〕
本発明に用いられる融点が100〜180℃のポリアミドエラストマーは、ハードセグメントはポリアミドであり、ソフトセグメントはポリエーテルやポリエステルを用いたマルチブロックコポリマーである。アミド成分はナイロン6,66,610,11,12などであり、ポリエーテルの代表例はジオールポリ(オキシテトラメチレン)グリコール,ポリ(オキシプロピレン)グリコールなどであり、ポリエステルの代表例はポリ(エチレンアジペート)グリコール,ポリ(ブチレン−1,4アジペート)グリコールなどである。
融点が100℃より低いポリアミドエラストマーを用いると、耐熱性の点で劣るため好ましくなく、融点が180℃より高いとゴムとの混練り時に溶融分散しないため好ましくない。
本発明に用いられるポリアミドエラストマーの融点は、100℃〜180℃であるが、特に好ましくは、120℃〜170℃がより好ましい。
さらに、本発明においてポリアミドエラストマーの量は、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、0.1〜50重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜40重量部、さらにより好ましくは0.3〜30重量部、特に好ましくは0.5〜20重量部である。
ポリアミドエラストマーの量が、加硫可能なゴム(A)100重量部に対し、0.1重量部より少ないと効果が発現せず、50重量部より多いと加工性が悪化するため好ましくない。
特に、ポリアミド形成性モノマー[即ち、アミノカルボン酸化合物(D1)及び/又はラクタム化合物(D2)]、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン化合物(E)(Yはポリオキシブチレンである)、及びジカルボン酸(F)を重合して得られるポリエーテルポリアミドエラストマーが好ましい。
前記ポリエーテルポリアミドエラストマーにおいて、ポリアミド形成性モノマー、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン、及びジカルボン酸に含まれる末端のカルボン酸又はカルボキシ基と、末端のアミノ基とがほぼ等モルになるような割合が好ましい。
特に、ポリアミド形成性モノマーの一方の末端がアミノ基で、他方の末端がカルボン酸又はカルボキシ基の場合、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン及びジカルボン酸は、ポリエーテルジアミンのアミノ基とジカルボン酸のカルボキシ基がほぼ等モルになるような割合とするのが好ましい。
〔アミノカルボン酸化合物(D1)及びラクタム化合物(D2)〕
次に、アミノカルボン酸化合物(D1)及びラクタム化合物(D2)について説明する。
本発明に使用するアミノカルボン酸化合物(D1)は、下記式(1)で表される化合物である。
N−R−COOH (1)
ここで、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表わし、炭素数2〜20の脂肪族、脂環族若しくは芳香族の炭化水素基又は炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、さらに好ましくは炭素数3〜18の上記炭化水素基又は炭素数3〜18のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数4〜15の上記炭化水素基又は炭素数4〜15のアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数10〜15の上記炭化水素基又は炭素数10〜15アルキレン基を示す。
本発明に使用するラクタム化合物(D2)は、下記式(2)で表される化合物である。ここで、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表わし、炭素数3〜20の脂肪族、脂環族若しくは芳香族の炭化水素基又は炭素数3〜20のアルキレン基であることが好ましく、さらに好ましくは炭素数3〜18の上記炭化水素基又は炭素数3〜18のアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数4〜15の上記炭化水素基又は炭素数4〜15のアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数10〜15の上記炭化水素基又は炭素数10〜15のアルキレン基を示す。
Figure 0005544814
アミノカルボン酸化合物(D1)及びラクタム化合物(D2)としては、ω−アミノカルボン酸、ラクタム、又はジアミンとジカルボン酸から合成されるもの及びそれらの塩から選ばれる少なくとも一種の脂肪族、脂環族及び/又は芳香族を含むポリアミド形成性モノマーが使用される。
ジアミンとジカルボン酸から合成されるもの及びそれらの塩において、ジアミンとしては、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン及び芳香族ジアミン、又はこれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種のジアミン化合物などを挙げることができる。ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸、又はこれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸化合物などを挙げることができる。特に、脂肪族ジアミン化合物と脂肪族ジカルボン酸化合物との組合せを使用することにより、低比重で、引張り伸びが大きく、耐衝撃性に優れ、溶融成形性が良好なポリエーテルポリアミドエラストマーを得ることができる。
ジアミンとジカルボン酸とのモル比(ジアミン/ジカルボン酸)は、0.9〜1.1の範囲が好ましく、0.93〜1.07の範囲がさらに好ましく、0.95〜1.05の範囲がより好ましく、0.97〜1.03の範囲が特に好ましい。このモル比が上記範囲内にあれば、高分子量化が容易となる。
上記のジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミンなどの炭素数2〜20の脂肪族ジアミンなどのジアミン化合物を挙げることができる。
ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸のような炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン酸化合物を挙げることができる。
ラクタムの具体例としては、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ウンデカラクタム、ω−ドデカラクタム、2−ピロリドンなどの炭素数5〜20の脂肪族ラクタムなどを挙げることができる。
ω−アミノカルボン酸の具体例としては、6-アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などの炭素数5〜20の脂肪族ω−アミノカルボン酸などを挙げることができる。
〔XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(E)〕
本発明に使用するXYX型トリブロックポリエーテルジアミン(E)は、下記式(3)で表される化合物であり、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールなどの両末端にプロピレンオキシドを付加することによりポリプロピレングリコールとした後、このポリプロピレングリコールの末端にアンモニアなどを反応させることによって製造されるポリエーテルジアミンなどを用いることができる。
Figure 0005544814
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(E)の具体例としては、米国HUNTSMAN社製XTJ−533(一般式(3)において、xがおよそ12、yがおよそ11、zがおよそ11)、XTJ−536(一般式(3)において、xがおよそ8.5、yがおよそ17、zがおよそ7.5)、そしてXTJ−542(一般式(3)において、xがおよそ3、yがおよそ9、zがおよそ2)などを用いることができる。
また、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(E)として、XYX−1(一般式(3)において、xがおよそ3、yがおよそ14、zがおよそ2)、XYX−2(一般式(3)において、xがおよそ5、yがおよそ14、zがおよそ4)、そしてXYX−3(一般式(3)において、xがおよそ3、yがおよそ19、zがおよそ2)なども用いることができる。
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(E)において、x及びzは1〜20、好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜16、より好ましくは1〜14、特に好ましいのは1〜12であり、yは4〜50、好ましくは5〜45、さらに好ましくは6〜40、より好ましくは7〜35、特に好ましいのは8〜30である。またx、y及びzの組合せとしては、xが2〜6の範囲、yが6〜12の範囲、zが1〜5の範囲の組合せ、あるいはxが2〜10の範囲、yが13〜28の範囲、zが1〜9の範囲の組合せなどを好ましく例示することができる。
XYX型トリブロックポリエーテルジアミン(E)において、x及びzがそれぞれ上記の範囲より小さい場合には、得られるエラストマーの透明性が劣るため好ましくなく、yが上記範囲より小さい場合には、ゴム弾性が低くなるので好ましくない。また、x及びzが上記範囲より大きい場合又は、yが上記範囲より大きい場合ポリアミド成分との相溶性が低くなり強靭なエラストマーが得られにくいため好ましくない。
〔ジカルボン酸化合物(F)〕
本発明に使用するジカルボン酸化合物(F)は、下記式(4)で表される化合物である。
HOOC−(R−COOH (4)

ここで、Rは、炭化水素鎖を含む連結基を表わし、炭素数1〜20の脂肪族、脂環族若しくは芳香族の炭化水素基又は炭素数1〜20のアルキレン基であることが好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜15の上記炭化水素基又は炭素数1〜15のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数2〜12の上記炭化水素基又は炭素数2〜12のアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数4〜10の上記炭化水素基又は炭素数4〜10のアルキレン基を示すものである。また、mは0又は1を示す。
ジカルボン酸化合物(F)としては、脂肪族、脂環族及び芳香族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸又はこれらの誘導体を用いることができる。
ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数2〜25の直鎖脂肪族ジカルボン酸、又は、トリグリセリドの分留により得られる不飽和脂肪酸を二量化した炭素数14〜48の二量化脂肪族ジカルボン酸(ダイマー酸)及びこれらの水素添加物(水添ダイマー酸)などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、および、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。ダイマー酸及び水添ダイマー酸としては、ユニケマ社製商品名「プリポール1004」、「プリポール1006」、「プリポール1009」、「プリポール1013」などを用いることができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの全成分に対する、ポリアミド形成性モノマーの割合は、好ましくは10〜95質量%、さらに好ましくは15〜90質量%、より好ましくは15〜85質量%、特に好ましくは15〜80質量%、最も好ましくは15〜70質量である。ポリエーテルポリアミドエラストマーの全成分に対するポリアミド形成性モノマーの割合が、10質量%以上であれば、ポリアミド成分の結晶性を向上されることができ、強度、弾性率などの機械的物性を向上させることができる。95質量%以下であれば、ゴム弾性や柔軟性などのエラストマーとしての機能、性能を発現させることができる。
また、ポリエーテルポリアミドエラストマーの全成分に対する(E)化合物と(F)化合物との合計量の割合は、好ましくは5〜90質量%、さらに好ましくは10〜85質量%、より好ましくは15〜85質量%、特に好ましくは20〜85質量%、最も好ましくは30〜85質量である。
ポリエーテルポリアミドエラストマーのショアーD硬度は、好ましくは30〜75の範囲、より好ましくは33〜72、特に好ましくは35〜70の範囲のものである。なお、本発明において、硬度(ショアD)は、ASTM D2240に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの曲げ弾性率は、好ましくは20〜450MPa、さらに好ましくは20〜400MPa、より好ましくは20〜350MPa、特に好ましくは20〜300MPaが好ましい。弾性率が上記範囲であることにより、特に強靭性とゴム弾性に優れるエラストマーが得られる。なお、本発明において、曲げ弾性率は、ASTM D790に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの引張り降伏点強度は、好ましくは3〜25MPaの範囲、さらに好ましくは3〜22MPaの範囲、より好ましくは3〜20MPaの範囲、特に好ましくは3〜18MPaの範囲が好ましい。引張り降伏点強度が上記範囲であることにより、特に強靭性とゴム弾性に優れるエラストマーが得られる。なお、本発明において、引張り降伏点強度は、ASTM D−638に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの引張り破断伸びは、300%以上が好ましく、特に600%以上が好ましい。この範囲よりも少ないと、強靭性、ゴム弾性などのエラストマーとしての性能が発現しにくくなるために好ましくない場合がある。なお、本発明において、引張り破断伸びは、ASTM D−638に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの曲げ強さは、好ましくは0.8〜15MPa、さらに好ましくは1〜13MPa、より好ましくは1.1〜10MPa、特に好ましくは1.2〜9MPaが好ましい。ポリエーテルポリアミドエラストマーの曲げ強さが、上記範囲内では、曲げ強さなどの強靭性とゴム弾性とのバランスの優れるエラストマーが得られるために好ましい。なお、本発明において、曲げ強さは、ASTM D−790に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーは、23℃におけるアイゾットノッチ付き衝撃強さの測定において破壊しないこと(NBと略す)が、特に耐衝撃性に優れるために好ましい。なお、本発明において、アイゾットノッチ付き衝撃強さは、ASTM D−256に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの荷重たわみ温度は、50℃以上が好ましい。上記範囲内であると使用時に材料が変形しにくくなるために好ましい。なお、本発明において、荷重たわみ温度は、ASTM D−648に準拠して測定することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの相対粘度(ηr)は、1.2〜3.5(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)の範囲にあることが好ましい。
〔ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造方法〕
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造方法として、一例を挙げると、ポリアミド形成性モノマー、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン及びジカルボン酸の三成分を、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じさらに減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができ、さらにポリアミド形成性モノマー、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン及びジカルボン酸の三成分を同時に、加圧及び/又は常圧下で溶融重合し、必要に応じさらに減圧下で溶融重合する工程からなる方法を用いることができる。なお、ポリアミド形成性モノマーとジカルボン酸の二成分を先に重合させ、ついで、XYX型トリブロックポリエーテルジアミンを重合させる方法も利用できる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造に当たり、原料の仕込む方法に特に制限はないが、ポリアミド形成性モノマー、XYX型トリブロックポリエーテルジアミン及びジカルボン酸の仕込み割合は、全成分に対してポリアミド形成性モノマーが好ましくは10〜95質量%、特に好ましくは15〜90質量%の範囲、XYX型トリブロックポリエーテルジアミンが好ましくは3〜88質量%、特に好ましくは8〜79質量%の範囲である。原料のうち、XYX型トリブロックポリエーテルジアミンとジカルボン酸は、XYX型トリブロックポリエーテルジアミンのアミノ基とジカルボン酸のカルボキシ基がほぼ等モルになるように仕込むことが好ましい。
重合温度は、好ましくは150〜300℃、さらに好ましくは160〜280℃、特に好ましくは180〜250℃である。重合温度が150℃以上であれば、重合反応が良好に進行し、300℃以下であれば、熱分解が抑えられ、良好な物性のポリマーを得ることができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーは、ポリアミド形成性モノマーとしてω−アミノカルボン酸を使用する場合、常圧溶融重合又は常圧溶融重合とそれに続く減圧溶融重合での工程からなる方法で製造することができる。
一方、ポリアミド形成性モノマーとしてラクタム、又はジアミンとジカルボン酸から合成されるもの及び/又はそれらの塩を用いる場合には、適量の水を共存させ、0.1〜5MPaの加圧下での溶融重合とそれに続く常圧溶融重合及び/又は減圧溶融重合からなる方法で製造することができる。
重合時間は、通常0.5〜30時間である。重合時間が0.5時間以上であれば、分子量を上昇させることができ、30時間以下であれば、熱分解による着色などが抑えられ、所望の物性を有するポリエーテルポリアミドエラストマーが得ることができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造は、回分式でも、連続式でも実施することができ、またバッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置などを単独であるいは適宜組み合わせて用いることができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造の際に、必要に応じて分子量調節や成形加工時の溶融粘度安定のために、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのモノアミン及びジアミン、酢酸、安息香酸、ステアリン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などのモノカルボン酸、或はジカルボン酸などを添加することができる。
これらの使用量は、最終的に得られるエラストマーの相対粘度が1.2〜3.5(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)の範囲になるように適宜添加することが好ましい。
上記のモノアミン及びジアミン、モノカルボン酸及びジカルボン酸などの添加量は、得られるポリエーテルポリアミドエラストマーの特性を阻害されない範囲とするのが好ましい。
ポリエーテルポリアミドエラストマーの製造の際に、必要に応じて触媒として、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸などを、また触媒と耐熱剤の両方の効果をねらって亜リン酸、次亜リン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機系リン化合物を添加することができる。添加量は、通常、仕込み原料に対して50〜3000ppmである。
ポリエーテルポリアミドエラストマーは、その特性が阻害されない範囲で、耐熱剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、スリップ剤、結晶核剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、離型剤、可塑剤、顔料、染料、香料、難燃剤、補強材などを添加することができる。
ポリエーテルポリアミドエラストマーは、吸水性が低く、溶融成形性に優れ、成形加工性に優れ、強靭性に優れ、耐屈曲疲労性に優れ、反発弾性に優れ、低比重性、低温柔軟性に優れ、低温耐衝撃性に優れ、伸長回復性に優れ、消音特性に優れ、ゴム的な性質及び透明性などに優れている。
ポリエーテルポリアミドエラストマーは、本発明で使用するポリエーテルポリアミドエラストマーを除くポリアミド、ポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリウレタン、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂との相溶性が良く、これらの熱可塑性樹脂とブレンドすることにより、これらの樹脂の成形性、耐衝撃性、弾性及び柔軟性などを改良することができる。またポリエーテルポリアミドエラストマーはガスバリア性を有しているが他の樹脂と混合することにより、さらにガスバリア性を上げることができる。
本発明におけるポリエーテルポリアミドエラストマーは、市販品として「UBESTA XPA 9040X1、同9040F1、同9048X1、同9048F1、同9055X1、同9055F1、同9063X1、同9063F1、同9040X2、同9048X2、同9040F2、同9048F2」(宇部興産株式会社製)などを使用することができる。
射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形などの公知の成形方法により、シート状成形物を得ることができる。
またポリエーテルポリアミドエラストマーは、ゴムに添加して加硫する場合に加硫を促進する効果があり、ゴム製品の生産性向上に寄与できる。
〔シランカップリング剤〕
本発明に係るゴム組成物に配合されるシランカップリング剤(C)としては、アルコキシシラン類、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシプロピルシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、N-ドデシルトリエトキシシランである。
上記のアルコキシシランを含め、ビニル基を含むアルコキシシラン類、エステル結合を有するアルコキシシラン類、エポキシ基を有するアルコキシシラン類、エポキシ基を有するアルコキシシラン類、メルカプト基を有するアルコキシシラン類、スルフィド基を有するアルコキシシラン類、クロル基を有するアルコキシシラン類、スチリル基を有するアルコキシシラン類、ウレイド基を有するアルコキシシラン類およびイソシアネート基を有するアルコキシシラン類などを用いることが出来る。
ビニル基を有するアルコキシシラン類としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、トリクロロビニルシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリクロロシラン、ビニルトリス(2- メトキシエトキシ) シラン
アクリロキシ基またはメタクリロキシ基を有するアルコキシシラン類、例えば、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランである。
エステル結合を有するアルコキシシラン類としては、例えば、トリアセトキシメチルシラン、ジアセトキシジメチルシランである。
エポキシ基を有するアルコキシシラン類としては、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどがある。
アミノ基を有するアルコキシシラン類としては、例えば、3-(N- フェニル) アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-(2- アミノエチル)-3- アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2- アミノエチル)-3- アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルなどがある。
メルカプト基を有するアルコキシシラン類としては、例えば、3- メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどがある。
スルフィド基を有するアルコキシシラン類としては、例えば、3- オクタノイルチオ-1- プロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどがある。
クロル基を有するアルコキシシラン類としては、例えば、クロロメチルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルジメトキシメチルシラン、3-クロロプロピルトリクロロシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ブチルトリクロロシラン、クロロヘキシルトリクロロシラン、ドデカシルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n-デシルトリクロロシラン、n-オクチルトリクロロシラン、n-テトラデシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシランなどがある。
スチリル基を有するアルコキシシラン類としては、例えば、p-スチリルトリメトキシシランなどがある。
ウレイド基を有するアルコキシシラン類としては、例えば、3-ウレイドプロピルトリエトキシシランなどがある。
イソシアネート基を有するアルコキシシラン類としては、例えば、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、トリス-(3- トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどがある。
シランカップリング剤は、上記化合物を複数組み合わせて使用しても良い。
使用されるシランカップリング剤の量は、加硫可能なゴム(A)100重量部に対して0.1〜100重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜50重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部である。
特に、アミノ基、エポキシ基を有するアルコキシシランが望ましい。
また、アミノ基を有するシランカップリング剤を使用した際、SBRのような加硫可能なゴムとポリアミド系樹脂の双方に効果があり、その結果、両者の界面が活性化されるため相溶性が増すのでより好ましい。
同様にエポキシ基を有するシランカップリング剤でも同様の効果が得られる。
〔ゴム補強剤〕
本発明に係るゴム組成物にはゴム補強剤を配合しても良い。
ゴム補強剤としては、各種のカーボンブラック、ホワイトカーボン、シリカ、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等などが挙げられる。なかでも、カーボンブラック及びシリカのうち少なくとも1以上であることが好ましい。特に好ましくは、粒子径が90nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/100g以上のカーボンブラックであり、例えば、FEF、FF、GPF、SAF、ISAF、SRF、HAF等が用いられる。
シリカ粒子はシリカ純度が97%以上でなくてはならない。純度97%未満のシリカはゴムの補強効果が充分ではないので、このようなシリカをブレンドしたゴム組成物は耐磨耗性が充分ではない。シリカ粒子の平均粒径は0.1〜50μ、好ましくは1〜50μ、特に好ましくは5〜50μの範囲である。かかるシリカ粒子は、例えば完全溶融した石英ガラスを然るべき粒径になるように粉砕するなどの方法によりえることができる。又、シリカの純度が97%以上の天然石英を粉砕したものも好ましく用いられる。さらに、シラン等の有機珪素化合物を加水分解して得られた粒子も好ましく用いられる。
使用されるゴム補強剤の量は、加硫可能なゴム(A)100重量部に対して1〜100重量部が好ましく、より好ましくは10〜80重量部、特に好ましくは20〜70重量部である。
ゴム補強剤に用いるカーボンブラックとシリカは混合するとより加工性と低エネルギーロス性や摩耗性などの両立が可能となる。特に、両者の重量比がカーボンブラック/シリカが90/10〜10/90が良く、より好ましくは、80/20〜20/80、特に好ましくは70/30〜30/70である。
シリカが10%より少ないと、エネルギーロスが大きくなり、90%より多いと加工性や摩耗性が悪くなる欠点がある。
シランカップリング剤を用いたゴム組成物は、シリカなどのゴム補強剤との混合により、ゴム補強剤のゴムマトリクス中での分散性を向上させる働きがある。その結果、低燃費性などの効果にもつながる。
本発明に係るゴム組成物は、上記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練時の最高温度がポリアミドエラストマーの融点以上となる条件で混練りすることで得られる。
混練時の最高温度はポリアミドエラストマーの融点と同じ温度〜融点よりも50℃高い温度の範囲が好ましい、さらに好ましくは、融点よりも5℃高い温度〜融点よりも40℃高い温度である。
混練時の最高温度はポリアミドエラストマーの融点より低いとポリアミドエラストマーが溶融分散せず、融点よりも50℃高い温度であると加硫可能なゴムが劣化する場合がある。
〔その他添加剤〕
本発明に係るゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤・活性剤、スコーチ防止剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を混練してもよい。
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが用いられる。
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。
スコーチ防止剤(リターダー)としては、有機酸やニトロソ化合物、N−シクロヘキシルチオフタルイミド、スルホンアミド誘導体などが用いられる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる。
プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。また、大豆油を用いる事も出来る。
(C)と(D)以外の添加剤(E)としては、プロセスオイル、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤などが好ましい。
プロセスオイルの量としては、加硫可能なゴム(A)100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、
酸化亜鉛の量としては、加硫可能なゴム(A)100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましく、
ステアリン酸の量としては、加硫可能なゴム(A)100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、老化防止剤の量としては、加硫可能なゴム(A)100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましい。
上記の量より少ないと、その効果が発現せず、逆に量が多すぎるとゴム表面へのブルームなどの問題が生ずるので好ましくない。
〔製造工程〕
本願発明で得られるゴム組成物は、以下の2段階工程による製造方法で得ることが出来る。
(1)加硫可能なゴム(A)とポリアミドエラストマー(B)及び該シランカップリング剤(C)をポリアミドエラストマーの融点以上の温度で溶融混練りする工程を行い、次いで(2)前述の(1)の工程で得られた溶融混練り物とゴム補強剤(D)1〜100重量部及び(C)と(D)以外の添加剤(E)をポリアミドエラストマーの融点以上の温度で溶融混練りする工程に基づいてゴム組成物を生成することが望ましい。
特に、製造工程に関してポリアミドエラストマーの融点以上の温度で溶融混練りする工程は、加硫可能なゴム中にポリアミドエラストマーを分散させると共にシランカップリング剤による相溶化が促進され、ゴムの補強効果が得られる。
上記2段階工程で得られたゴム組成物は、ポリアミドエラストマーの分散が更に進み、ゴム補強剤やその他添加剤も分散されるので、より高いゴムの補強効果が得られる。
本発明のゴム組成物は、高弾性で引張強度が高く、発熱性、疲労性の優れたゴム組成物に関するもので、タイヤにおけるトレッド・サイドウォール・チェーファー等のタイヤ外部部材やカーカス・ベルト・ビードおよびインナーライナー等のタイヤ内部部材および防振ゴム・ゴムベルト・ホース・免震ゴム・防舷材等の工業用品や紳士靴、婦人靴、スポーツシューズ等の履物、工業用・印刷用・OA機器用等のゴムロール、ゴルフボール・テニスボール・スポーツ床等のスポーツ用品、農耕用・フォークリフト用等のソリッドタイヤ、ゴムクローラー、キャスター、シーリング材、接着剤、ゴムシート、防水材、パッキン類、スポンジ製品などにも用いる事ができる。
さらに、タイヤのインナーライナーに適用する場合、ポリアミドエラストマーとガスバリア性の高いゴムや樹脂の混合物を使用することができる。ガスバリア性の高いゴムや樹脂としては、たとえば公知の材料であるハロゲン化ブチルゴム、EVOH、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、非晶ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ナイロン6、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールなどを混ぜたものを使用することもできる。この場合、カーカスとインナーライナーを直接積層しても良い。
以下、実施例及び比較例を示して、本発明について具体的に説明する。実施例及び比較例において、加硫可能なゴムの物性、並びに得られたゴム組成物の配合物及び加硫物の物性は、以下のようにして測定した。
[加硫可能なゴム物性]
(1)ムーニー粘度(ML)
ムーニー粘度(ML)は、JIS−K6300に準拠し、100℃にて予熱1分測定4分の値をムーニー粘度計(島津製作所製、SMV−202)により測定した。
(2)固有粘度[η]
固有粘度[η]は、試料ゴム0.1gとトルエン100mlを三角フラスコに入れて30℃で完全溶解させ、その後、30℃に維持された恒温水槽中で、キャノンフェンスケ動粘度計に上記溶液10mlを入れ、溶液の落下時間(T)を測定し、下記式により求めた値とする。
ηsp=T/T0−1(T0:トルエンだけの落下時間)
ηsp/c=[η]+k’[η]2
(ηsp:比粘度、k’:ハギンズ定数(0.37)、c:試料濃度(g/ml))
(3)トルエン溶液粘度(Tcp)
トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後
、標準液として粘度計校正用標準液(JIS−Z8809)を用い、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。
(4)ミクロ構造
ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス740cm−1、トランス967cm−1、ビニル910cm−1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
(5)ηsp/c
ηsp/cは、1.2ポリブタジエン結晶繊維の分子量の目安として、0.20g/dlのo−ジクロロベンゼン溶液から135℃で還元粘度を測定した。
[配合後のゴム物性]
ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、JIS−K6300に準拠し、100℃にて
予熱1分測定4分の値をムーニー粘度計(島津製作所製、SMV−202)により測定した。数値が小さいほど粘度が低く、流動性が良好なことを示す。
ダイ・スウェルは、配合物の寸法安定性の目安として、加工性測定装置(モンサント社製、MPT)を用いて、100℃、100sec−1のせん断速度で、押出時の配合物の断面積とダイオリフィス断面積(但し、L/D=1.5mm/1.5mm)の比を測定した。数値が小さいほど押出加工性が良好なことを示す。
加硫特性(t90)はJSR社製キュラストメーターII F型を用いて、150℃で加硫トルクが90%に達するまでの時間を測定した、数値が小さいほど加硫時間が短くなることを示す。
[加硫物の物性]
JIS−A硬度は、JIS−K6253に規定されている測定法に従ってタイプAで測定した、数値が大きいほど硬度が高いことを示す。
引張応力は、JIS−K6251に準拠して100%引張応力を測定した。数値が大きいほど引張応力が高いことを示す。
引張強度・破断伸びは、JIS−K62511に準拠して、破断時の引張強さおよび伸びを測定した。数値が大きいほど引張強度・破断伸びが高いことを示す。
引裂強度は、JIS−K6252に準拠して測定した。数値が大きいほど引裂応力が高いことを示す。
伸張疲労性は、伸張疲労試験機(上島製作所製)を用いて、ダンベル状3号形(JIS−K6251)試験片の中央に0.5mmの傷を入れ、初期歪50%、300回/分の条件で試験片が破断した回数を測定した。数値が大きいほど伸張疲労性が良好なことを示す。
発熱性は、JIS−K6265に規定されている測定方法に準じて測定した。数値が小さいほど発熱量が小さく、良好なことを示す。
損失係数(tanδ)は、RPA2000(アルファテクノロジーズ社製)を使用して、60℃、10Hz、2%歪の条件で測定した。数値が小さいほどエネルギーロスが小さく、良好なことを示す。
屈曲亀裂成長性は、JIS−K6260に準拠し、ディマーチャ屈曲試験機(上島製作所製)を用いて、試験片つかみ具の運動距離を30mmで1万回屈曲したときの亀裂長さを測定した。数値が小さいほど耐屈曲亀裂成長性が良好なことを示す。
摩耗性は、JIS−K6265に規定されているランボーン摩耗試験機を使用してスリップ率20%の条件で測定した。数値が大きいほど摩耗量が少なく、良好なことを示す。
酸素透過性は、ASTM−D3985に準じて酸素ガス透過量測定装置(モダンコントロール社製MOCON−OX−TRAN2/20)を使用して、23℃、相対湿度50%の条件で測定した。数値が小さいほど酸素透過量が少なく、ガスバリアー性が良好なことを示す。
以下、ポリエーテルポリアミドエラストマーの特性値は、次のようにして測定した。
(1)相対粘度(ηr)(0.5質量/容量%メタクレゾール溶液、25℃)
試薬特級品のm−クレゾールを溶媒として、5g/dm3の濃度で、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
(2)末端カルボキシ基濃度([COOH])
重合物約1gに40ミリリットルのベンジルアルコールを加え、窒素ガス雰囲気で加熱溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてフェノールフタレインを加えて、N/20水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定した。
(3)末端アミノ基濃度([NH])
重合物約1gを40ミリリットルのフェノール/メタノール混合溶媒(容量比:9/1)に溶解し、得られた試料溶液に指示薬としてチモールブルーを加えて、N/20塩酸で滴定した。
(4)融点(Tm)及び結晶化温度(Tc)
Tm及びTcは、株式会社島津製作所製示差走査熱量計DSC−50を用いて窒素雰囲気下で測定した。室温から230℃まで10℃/minの速度で昇温し(昇温ファーストランと呼ぶ)、230℃で10分保持したのち、−100℃まで10℃/minの速度で降温し(降温ファーストランと呼ぶ)、次に230℃まで10℃/minの速度で昇温した(昇温セカンドランと呼ぶ)。得られたDSCチャートから降温ファーストランの発熱ピーク温度をTc、昇温セカンドランの吸熱ピーク温度をTmとした。
(5)組成
ポリエーテルポリアミドエラストマーの組成は、重トリフロロ酢酸を溶媒として、4質量%の濃度で、日本電子株式会社製JNM−EX400WB型FT−NMRを用いて、室温で測定したプロトンNMRスペクトルから各成分の組成を求めた。
(6)ショアーD硬度
ASTM D2240に準拠してショアーDを測定した。射出成形により成形した厚さ6mmのシートを用いて測定した。測定は、温度23℃で行った。
(7)機械的物性:以下に示す(i)〜(iv)の測定は、下記の試験片を射出成形により成形し、これを用いて行った。
(i)引張り試験(引張り降伏点強さ及び引張り破断伸び):ASTM D638に記載のTypeIの試験片をASTM D638準拠して測定した。
(ii)曲げ試験(曲げ弾性率及び曲げ強度):試験片寸法6.35mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D790に準拠して測定した。
(iii)衝撃強さ(アイゾットノッチ付):試験片寸法12.7mm×12.7mm×63.5mmの試験片を用いてASTM D256に準拠し、23℃で測定した。
(iv)荷重たわみ温度:試験片寸法6.35mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D648に準拠し、荷重0.45MPaで測定した。
製造例1(PAE1の製造)
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に宇部興産(株)製12−アミノドデカン酸8.000kg、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)10.471kg及びアジピン酸1.529kg及びを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら徐々に加熱を行った。3時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で8時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は0.05MPaに調整した。次に、撹拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約12kgのペレットを得た。得られたペレットは白色強靱でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.16、[COOH]=1.28×10−5eq/g、[NH]=1.86×10−5eq/g、Mn=63700、Tm=135℃、Tc=59℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=40.7/52.9/6.4(重量%)(ただし、PA12、XTJ−542及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、XTJ−542はABA型トリブロックポリエーテルジアミン単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す。)であった。得られたペレットを射出成形し、各種物性測定用試料得た。得られた試料のショアーD硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
ショアーD硬度:40,曲げ弾性率:76MPa,曲げ強度:4.3MPa,引張り降伏強度:6.3MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:NB,荷重たわみ温度:48℃。
製造例2(PAE2の製造)
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に宇部興産(株)製12−アミノドデカン酸11.200kg、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)7.678kg及びアジピン酸1.121kg及びを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら徐々に加熱を行った。3時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で6時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は0.05MPaに調整した。次に、撹拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約12kgのペレットを得た。得られたペレットは白色強靱でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.22、[COOH]=1.61×10−5eq/g、[NH]=2.17×10−5eq/g、Mn=52900、Tm=154℃、Tc=109℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=56.5/38.9/4.6(重量%)(ただし、PA12、XTJ−542及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、XTJ−542はABA型トリブロックポリエーテルジアミン単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す。)であった。得られたペレットを射出成形し、各種物性測定用試料得た。得られた試料のショアーD硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
ショアーD硬度:48,曲げ弾性率:132MPa,曲げ強度:7.2MPa,引張り降伏強度:9.2MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:NB,荷重たわみ温度:73℃。
製造例3(PAE3の製造)
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、圧力調整装置及びポリマー取り出し口を備えた70リットルの圧力容器に宇部興産(株)製12−アミノドデカン酸14.000kg、ABA型のトリブロックポリエーテルジアミン(HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)5.236kg及びアジピン酸0.764kg及びを仕込んだ。容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを流速300リットル/分で供給しながら徐々に加熱を行った。3時間かけて室温から230℃まで昇温し、230℃で6.5時間重合を行った。加熱を始めてから容器内の圧力は0.05MPaに調整した。次に、撹拌を停止し、ポリマー取り出し口から溶融状態の無色透明のポリマーを紐状に抜き出し、水冷した後、ペレタイズして、約13kgのペレットを得た。得られたペレットは白色強靱でゴム弾性に富む柔軟なポリマーであり、ηr=2.05、[COOH]=2.48×10−5eq/g、[NH]=2.82×10−5eq/g、Mn=37700、Tm=163℃、Tc=123℃であった。ポリマー組成はPA12/XTJ−542/AA=70.1/26.6/3.3(重量%)(ただし、PA12、XTJ−542及びAAはポリマー中の各成分を表し、PA12はナイロン12単位を、XTJ−542はABA型トリブロックポリエーテルジアミン単位を、AAはアジピン酸単位をそれぞれ表す。)であった。得られたペレットを射出成形し、各種物性測定用試料得た。得られた試料のショアーD硬度及び機械的物性は、以下のとおりである。
ショアーD硬度:55,曲げ弾性率:232MPa,曲げ強度:11.9MPa,引張り降伏強度:14.8MPa,引張り破断伸び:300%以上,衝撃強さ:NB,荷重たわみ温度:78℃。
参考例1〜5
ラボプラストミル(東洋精機製作所製)を使用して、表1の組成に従ってBR150LとPEA2及びシランカップリング剤(表中SC表示)を投入し、スタート温度120℃で3分間混練した。混練物の排出時の温度は160℃であった。
Figure 0005544814
実施例1〜4及び比較例1〜2
表2に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除く参考例の混練り物とNR及び配合剤をラボプラストミル(東洋精機製作所製)を使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は160℃〜170℃であった。
次いで、一次混練物を60℃の6インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。
次に、二次混練物を金型に入れて150℃×15分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果はまとめて表2示した。
表2から、実施例1〜4のゴム組成物は、比較例1比べて、硬度や引張特性が高く、摩耗性や発熱性及び疲労性に優れていることが分かる。
また、比較例2はPAEを配合していないため、硬度や引張応力が低く、発熱性が低下した。
Figure 0005544814
実施例5〜6及び比較例3〜4
表3に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除く参考例の混練り物やゴム・PAE及び配合剤をラボプラストミル(東洋精機製作所製)を使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は160℃〜170℃であった。
次いで、一次混練物を60℃の6インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。
次に、二次混練物を金型に入れて150℃×15分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果は、まとめて表3に示した。
表3から、実施例5〜6のゴム組成物は、比較例3に比べて、硬度や引張特性が高く、摩耗性や発熱性及び疲労性に優れていることが分かる。
また、比較例4はPAEを配合していないため、硬度や引張応力が低く、摩耗性や発熱性が低下した。
Figure 0005544814
参考例6,7
ラボプラストミル(東洋精機製作所製)を使用して、表4の組成に従ってBR14HとPEA及びシランカップリング剤(表中SC表示)を投入し、スタート温度120℃で4分間混練した。混練物の排出時の温度は160℃であった。
Figure 0005544814
実施例7〜9及び比較例5〜6
表5に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除く参考例の混練り物やゴム・PAE及び配合剤をラボプラストミル(東洋精機製作所製)を使用してスタート温度90℃で5分間混練し、一次混練物を得た。この際、最高混練温度は160℃〜170℃であった。
次いで、一次混練物を60℃の6インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、二次混練物を得た。得られた二次混練物をRPA2000を用いてフィラー分散性(FDI)を測定した。
次に、二次混練物を金型に入れて150℃×15分間プレス加硫を行い、加硫物を得た。得られた加硫物の物性を測定し、結果は、まとめて表3に示した。
フィラー分散性(FDI)はレオメトリックス社製RPA2000を用いて、120℃、1Hzで貯蔵弾性率(G‘)の歪分散を測定した。
次にFDI=G’(42%)/G’(1.4%)を計算し、比較例5を100として指数で表示した。数値が大きいほどフィラーの分散性が良いことを示す。
表5から、実施例7〜9のゴム組成物は、比較例5,6に比べて、フィラー分散性が良く、引張強度が高く、摩耗性や発熱性及び疲労性に優れていることが分かる。
Figure 0005544814

Claims (2)

  1. 加硫可能なゴム(A)、ポリアミドエラストマー(B)及びシランカップリング剤(C)をポリアミドエラストマーの融点以上の温度で溶融混練りする第1工程と、
    該第1工程で得られた溶融混練り物、ゴム補強剤(D)、並びに加硫促進剤及び硫黄以外の添加剤(E)をポリアミドエラストマーの融点以上の温度で溶融混練りする第2工程と、を備えることを特徴とするゴム組成物の製造方法。
  2. 前記第2工程で得られた溶融混練り物、加硫促進剤及び硫黄を混練りする第3工程を更に備えることを特徴とする請求項に記載のゴム組成物の製造方法。
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