JP2013068812A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴースト光を除去し、小型化を図ることができる光走査装置を提供する。
【解決手段】 シリンドリカルレンズからの2つの光束は、ポリゴンミラーの同一の偏向反射面に、Z軸方向に関して離間して斜入射される。ポリゴンミラーの同一の偏向反射面で反射された2つの光束(光束LBa、光束LBb)は、走査レンズ2105Aの入射側の面と射出側の面との間で交差する。この場合は、射出窓位置でのゴースト光と書き込み用の光束との距離を、ゴースト光のみを除去することができる距離にするとともに、走査レンズでの波面収差の増大を抑制することができる。
【選択図】図12

Description

本発明は、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、光により被走査面を走査する光走査装置及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真の画像記録では、レーザを用いた画像形成装置が広く用いられている。この画像形成装置は、感光性を有するドラム(以下では、「感光体ドラム」ともいう)、及び該感光体ドラムの表面に潜像を形成する光走査装置などを備えている。光走査装置は、レーザ光を射出する光源、該光源から射出されたレーザ光を偏向する光偏向器(例えば、ポリゴンミラー)、及び光偏向器で偏向されたレーザ光を感光体ドラムの表面に集光する走査光学系などを有している。
近年、画像形成装置において、カラー化、高速化が進み、感光体ドラムを複数(通常は4つ)有するタンデム方式の画像形成装置が普及してきている。
タンデム方式の画像形成装置は、感光体ドラムの数の増加に伴って大型化する傾向にあり、光走査装置を含め小型化が求められている。光走査装置の小型化には、光偏向器から各感光体ドラムに向かう複数のレーザ光の光路を重ね合わせることが有効である。
例えば、特許文献1には、互いに偏光方向が直交する第1の光束及び第2の光束を偏向器で偏向し、走査光学系を介して前記第1及び第2の光束をそれぞれ対応する被走査面に導き結像させる光走査装置において、前記走査光学系は、前記偏向器で偏向された光束の光路上に配置されたガラス製の第1の走査レンズと、前記第1の走査レンズを透過した光束の光路上に配置された樹脂製の第2の走査レンズと、前記第2の走査レンズを透過した光束の光路上に配置され、前記第1の光束を透過させ、前記第2の光束を反射する偏光分離素子と、を有することを特徴とする光走査装置が開示されている。
特許文献1に開示されている光走査装置では、偏光分離素子に入射する2つの光束が互いに直交する偏光方向を有していることを前提としている。しかしながら、光源の取付誤差や、樹脂で成形された走査レンズに生じうる複屈折の影響などで、偏光分離素子に入射するまでに、2つの光束の偏光方向の直交関係が維持されていない可能性があった。
この場合、偏光分離素子では、一方の光束は完全に反射されなければならないのに、一部が透過し、それがゴースト光として本来なら到達してはならない被走査面に到達する。また、他方の光束は、偏光分離素子を完全に透過しなければならないのに、一部が反射され、それがゴースト光として本来なら到達してはならない被走査面に到達する。そして、これらのゴースト光によって画像形成装置から出力される画像の品質が低下する。
特許文献1に開示されている光走査装置では、ゴースト光だけを除去することは、極めて困難であった。
本発明は、複数の被走査面を光によって第1の方向に沿って個別に走査する光走査装置であって、前記複数の被走査面における異なる2つの被走査面に対応する第1の光束と第2の光束を射出する光源装置と、前記光源装置からの前記第1の光束及び前記第2の光束が、前記第1の方向に直交する第2の方向に関して互いに離間して斜入射される反射面を有し、各光束を偏向する光偏向器と、前記光偏向器で偏向された前記第1の光束及び前記第2の光束の光路上に配置された走査レンズと、前記走査レンズを介した前記第1の光束の大部分を透過させ、前記第2の光束の大部分を反射する分岐光学素子とを備え、前記光偏向器で偏向された前記第1の光束及び前記第2の光束を前記第1の方向に直交する平面Sに投影したとき、両光束が前記光偏向器と前記分岐光学素子との間で交差する光走査装置である。
本発明の光走査装置によれば、ゴースト光を除去し、小型化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す図である。 図1における光走査装置を説明するための図である。 図2における光源ユニットLU1を説明するための図である。 図2における光源ユニットLU2を説明するための図である。 光源2200Aの発光部と光源2200Bの発光部のZ軸方向に関する位置関係を説明するための図である。 ビームスプリッタの作用を説明するための図である。 シリンドリカルレンズ2204Aに入射する2つの光束の光路、及びシリンドリカルレンズ2204Aから射出される2つの光束の光路を説明するための図である。 シリンドリカルレンズ2204Bに入射する2つの光束の光路、及びシリンドリカルレンズ2204Bから射出される2つの光束の光路を説明するための図である。 偏向反射面で偏向された2つの光束(LBa、LBb)の光路を説明するための図である。 偏向反射面で偏向された2つの光束(LBc、LBd)の光路を説明するための図である。 走査光学系A及び走査光学系Bを説明するための図である。 走査レンズ2105Aの配置位置を説明するための図である。 図12の一部を拡大した図である。 走査レンズ2105Bの配置位置を説明するための図である。 図14の一部を拡大した図である。 各走査レンズの形状の一例を説明するための図である。 ゴースト光を説明するための図である。 ゴースト光の除去を説明するための図(その1)である。 ゴースト光の除去を説明するための図(その2)である。 水平入射における走査レンズを通過する2つの光束の光路を説明するための図である。 斜入射における走査レンズを通過する2つの光束の光路を説明するための図である。 水平入射における走査レンズを通過する光束の、母線から該通過位置までのZ軸方向に関する距離d1を説明するための図である。 水平入射において、d1=0mmのときの副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係を説明するための図である。 図23における走査レンズの形状を説明するための図である。 水平入射において、d1=0.405mmのときの副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係を説明するための図である。 図25における走査レンズの形状を説明するための図である。 水平入射において、d1=0.810mmのときの副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係を説明するための図である。 図27における走査レンズの形状を説明するための図である。 図29(A)及び図29(B)は、それぞれ水平入射と斜入射とを比較するための図である。 図29(A)における走査レンズの形状を説明するための図である。 図29(B)における走査レンズの形状を説明するための図である。 図29(A)における走査レンズでの、光束LBbの主光線の通過位置を説明するための図である。 図33(A)は、図29(B)における走査レンズでの、光束LBbの主光線の通過位置を説明するための図であり、図33(B)は、図33(A)における縦軸のフルスケールを変更した図である。 図29(A)での副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係を説明するための図である。 図29(B)での副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係を説明するための図である。 本実施形態における走査レンズでの、光束LBbの主光線の通過位置を説明するための図である。 本実施形態での副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係を説明するための図である。 シリンドリカルレンズが2つの光束で共用される場合を説明するための図である。 シリンドリカルレンズが2つの光束に個別に設けられる場合を説明するための図である。 図40(A)及び図40(B)は、それぞれシリンドリカルレンズを2つの光束で共用することの利点を説明するための図である。 チルト偏心面の形状を説明するための図である。 ポリゴンミラーの異なる偏向反射面で反射された2つの光束の光路を説明するための図(その1)である。 ポリゴンミラーの異なる偏向反射面で反射された2つの光束の光路を説明するための図(その2)である。 ポリゴンミラーの異なる偏向反射面で反射された2つの光束の光路を説明するための図(その3)である。 走査制御装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 光走査装置の変形例1を説明するための図である。 Type2の光学系を説明するための図である。 Type2の光学系における走査レンズの形状を説明するための図である。 図49(A)は、Type2の光学系における走査レンズでの、光束LBbの主光線の通過位置を説明するための図であり、図49(B)は、図49(A)における縦軸のフルスケールを変更した図である。 Type2の光学系での、副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係を説明するための図である。 Type3の光学系を説明するための図である。 Type3の光学系における走査レンズの形状を説明するための図である。 図53(A)は、Type3の光学系における走査レンズでの、光束LBbの主光線の通過位置を説明するための図であり、図53(B)は、図53(A)における縦軸のフルスケールを変更した図である。 Type3の光学系での、副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係を説明するための図である。 光走査装置の変形例2を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図45に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換器などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置からの多色の画像情報を光走査装置2010に送る。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向(回転軸方向)に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの4色の画像情報(ブラックの画像情報、シアンの画像情報、マゼンタの画像情報、イエローの画像情報)に基づいて色毎に変調された4つの光束によって、対応する帯電された感光体ドラムの表面をそれぞれ走査する。これにより、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の詳細については後述する。
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる走査領域は「画像形成領域」あるいは「有効画像領域」などと呼ばれている。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出す。該記録紙は、所定のタイミングで転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。カラー画像が転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置2010の詳細について説明する。
この光走査装置2010は、一例として図2に示されるように、2つの光源ユニット(LU1、LU2)、ビームスプリッタ2205、2つのシリンドリカルレンズ(2204A、2204B)、2つの反射ミラー(M1、M2)、ポリゴンミラー2104、走査光学系A、走査光学系B、及び不図示の走査制御装置を有している。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2では図示省略、図11参照)の所定位置に組み付けられている。
光学ハウジング2300には、各感光体ドラムに向かう光束が通過するスリット状の4つの射出窓(2111a、2111b、2111c、2111d)が設けられている(図11参照)。各射出窓は、それぞれ防塵ガラスで覆われている。
以下では、便宜上、各光学部材において、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源ユニットLU1は、一例として図3に示されるように、光源2200A、カップリングレンズ2201A、1/2波長板2202A、及び開口板2203Aなどを有している。
光源ユニットLU2は、一例として図4に示されるように、光源2200B、カップリングレンズ2201B、1/2波長板2202B、及び開口板2203Bなどを有している。
各光源から射出される光の波長は同じ(ここでは、655nm)である。また、各光源は、それぞれ駆動回路を有している。各駆動回路は、走査制御装置によって制御される。
各カップリングレンズは、対応する光源から射出された光束を略平行光束とする。各カップリングレンズの焦点距離は同じ(ここでは、27mm)である。
1/2波長板2202Aは、カップリングレンズ2201Aを介した光束の光路上に配置され、該光束をp偏光に変換する。ここでは、該p偏光は、偏光方向(電界ベクトルの振動面)がZ軸方向に平行な直線偏光である。
開口板2203Aは、開口部を有し、1/2波長板2202Aを介した光束のビーム径を調整する。
開口板2203Aの開口部を通過した光束が光源ユニットLU1から射出される光束である。
1/2波長板2202Bは、カップリングレンズ2201Bを介した光束の光路上に配置され、該光束をs偏光に変換する。ここでは、該s偏光は、偏光方向(電界ベクトルの振動面)がZ軸方向に直交する直線偏光である。
開口板2203Bは、開口部を有し、1/2波長板2202Bを介した光束のビーム径を調整する。
開口板2203Bの開口部を通過した光束が光源ユニットLU2から射出される光束である。
なお、以下では、光源ユニットLU1から射出される光束を「光束LB1」といい、光源ユニットLU2から射出される光束を「光束LB2」という。ここでは、光束LB1はp偏光であり、光束LB2はs偏光である。すなわち、各光源ユニットから射出される光束は、偏光方向が互いに直交している。
そして、光束LB1は、光源2200Aの発光部を含みZ軸方向に直交する面に対して時計回りに傾斜した方向に射出される(図3参照)。一方、光束LB2は、光源2200Bの発光部を含みZ軸方向に直交する面に対して反時計回りに傾斜した方向に射出される(図4参照)。
また、一例として図5に示されるように、Z軸方向に関して、光源2200Aの発光部と光源2200Bの発光部は、距離Dだけ離れて配置されている。そして、光源2200Aから射出された光束及び光源2200Bから射出された光束は、X軸方向からみたとき、一旦交差してから対応するカップリングレンズに向かう。ここでは、D=0.12mmとしている。
図2に戻り、ビームスプリッタ2205は、光源ユニットLU1から射出された光束LB1及び光源ユニットLU2から射出された光束LB2の光路上に配置されている。
ビームスプリッタ2205は、入射するp偏光及びs偏光に対して、いずれも透過率と反射率が等しく、かつ入射光の偏光状態を維持したままで射出するビーム分割面を有している。ここでは、該ビーム分割面はいわゆるハーフミラー面である。
光束LB1及び光束LB2は、それぞれビームスプリッタ2205により反射光と透過光とに等しい光強度で分割される。以下では、ビームスプリッタ2205で分割された光束LB1の反射光を「光束LBa」、光束LB1の透過光を「光束LBd」といい、光束LB2の反射光を「光束LBb」、光束LB2の透過光を「光束LBc」という(図6参照)。光束LBa及び光束LBdはp偏光であり、光束LBb及び光束LBcはs偏光である。
シリンドリカルレンズ2204Aは、ビームスプリッタ2205から射出された光束LBa及び光束LBbの光路上に配置され、各光束を反射ミラーM1を介して、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。すなわち、シリンドリカルレンズ2204Aは、光束LBa及び光束LBbの線像をポリゴンミラー2104の偏向反射面に形成する。
一例として図7に示されるように、光束LBaと光束LBbは、Z軸方向に関する互いの間隔が増大しながらシリンドリカルレンズ2204Aに向かう。そして、シリンドリカルレンズ2204Aにおいて、光束LBaは、中心よりも−Z側の位置に入射し、光束LBbは、中心よりも+Z側の位置に入射する。そこで、光束LBa及び光束LBbは、シリンドリカルレンズ2204Aを通過する際に、Z軸方向に関して光路が曲げられ、Z軸方向に関する互いの間隔が減少しながらポリゴンミラー2104の偏向反射面に向かう。
そして、シリンドリカルレンズ2204Aを通過した光束LBa及び光束LBbは、ポリゴンミラー2104の偏向反射面に直交する面に対して傾斜した方向から、該偏向反射面におけるZ軸方向に離れた位置にそれぞれ入射する。
ここでは、偏向反射面における光束LBaの入射位置と光束LBbの入射位置のZ軸方向に関する距離d(図7参照)は、2.04mmである。
シリンドリカルレンズ2204Bは、光束LBc及び光束LBdの光路上に配置され、各光束を反射ミラーM2を介して、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。すなわち、シリンドリカルレンズ2204Bは、光束LBc及び光束LBdの線像をポリゴンミラー2104の偏向反射面に形成する。
一例として図8に示されるように、光束LBcと光束LBdは、Z軸方向に関する互いの間隔が増大しながらシリンドリカルレンズ2204Bに向かう。そして、シリンドリカルレンズ2204Bにおいて、光束LBdは、中心よりも−Z側の位置に入射し、光束LBcは、中心よりも+Z側の位置に入射する。そこで、光束LBc及び光束LBdは、シリンドリカルレンズ2204Bを通過する際に、Z軸方向に関して光路が曲げられ、Z軸方向に関する互いの間隔が減少しながらポリゴンミラー2104の偏向反射面に向かう。
そして、シリンドリカルレンズ2204Bを通過した光束LBc及び光束LBdは、ポリゴンミラー2104の偏向反射面に直交する面に対して傾斜した方向から、該偏向反射面におけるZ軸方向に離れた位置にそれぞれ入射する。
ここでは、偏向反射面における光束LBcの入射位置と光束LBdの入射位置のZ軸方向に関する距離d(図8参照)は、2.04mmである。
なお、以下では、光が偏向反射面に入射する際に、偏向反射面に直交する面に対して傾斜した方向から入射することを「斜入射」といい、その傾斜角を「斜入射角」という。また、光が偏向反射面に入射する際に、偏向反射面に直交する面に平行な方向から入射することを「水平入射」という。そして、斜入射に対応した光学系を「斜入射光学系」といい、水平入射に対応した光学系を「水平入射光学系」という。
ここでは、光束LBaの斜入射角θaは−0.9°、光束LBbの斜入射角θbは0.9°、光束LBcの斜入射角θcは0.9°、光束LBdの斜入射角θdは−0.9°である。
各シリンドリカルレンズの焦点距離は同じ(ここでは、58mm)である。
各光源とポリゴンミラー2104との間に配置されている光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。
ポリゴンミラー2104は、4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー2104は、Z軸方向に平行な軸まわりに等速回転し、シリンドリカルレンズ2204Aからの光束LBa及び光束LBb、シリンドリカルレンズ2204Bからの光束LBc及び光束LBdを、等角速度的に偏向する。4面鏡に内接する円の半径は8mmである。
光束LBa及び光束LBbは、ポリゴンミラー2104の回転軸の−X側に位置する偏向反射面に入射し、光束LBc及び光束LBdは、該回転軸の+X側に位置する偏向反射面に入射する。
Z軸方向からみたとき、ポリゴンミラー2104に入射する際の、光束LBa及び光束LBbと、光束LBc及び光束LBdとのなす角は、略90°である(図2参照)。そこで、光束LBaと光束LBdが、それぞれの対応する感光体ドラムにおける画像形成領域を同時に走査することはない。また同様に、光束LBbと光束LBcが、それぞれの対応する感光体ドラムにおける画像形成領域を同時に走査することはない。
偏向反射面に入射した各光束は、該偏向反射面に直交する面に対して傾斜した方向に反射される(図9及び図10参照)。
走査光学系Aは、一例として図11に示されるように、走査レンズ2105A、偏光分離素子2110A、2枚のチルト偏心レンズ(2107a、2107b)、5枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2108a、2108b、2109a)を有している。
走査レンズ2105Aは、ポリゴンミラー2104の−X側であって、走査レンズ2105Aの入射側の面における有効走査領域のY軸方向に関する中心を通過した光束LBaと光束LBbが、走査レンズ2105Aの入射側の面と射出側の面との間で交差する位置に配置されている(図12参照)。そして、走査レンズ2105Aの入射側の面における有効走査領域のY軸方向に関する中心を通過した光束LBa及び光束LBbは、走査レンズ2105Aの母線を横切って、走査レンズ2105Aから射出される(図13参照)。
なお、走査レンズにおける有効走査領域とは、感光体ドラムの画像形成領域に向かう光束が通過する領域をいう。
ポリゴンミラー2104の偏向反射面から走査レンズ2105Aの入射側の面までの光路長は55.112mmである。また、走査レンズ2105Aの中心肉厚は21mmである。さらに、走査レンズ2105Aの射出側の面から感光体ドラム2030a及び感光体ドラム2030bの表面までの光路長は229mmである。
偏光分離素子2110Aは、走査レンズ2105Aの−X側であって、走査レンズ2105Aを介した光束(光束LBa、光束LBb)の光路上に配置されている。
偏光分離素子2110Aは、対応する感光体ドラムの画像形成領域に向かうp偏光の光を透過させ、s偏光の光を−Z方向に反射する偏光分離素子である。偏光分離素子としては、例えば、特開2010−134411号公報にて開示されているワイヤグーリッド偏光素子を用いることができる。そこで、光束LBaの大部分は偏光分離素子2110Aを透過し、光束LBbの大部分は偏光分離素子2110Aで−Z方向に反射される。
チルト偏心レンズ2107aは、偏光分離素子2110Aを透過した光束の光路上に配置され、該光束の光路をプリズム効果によって変化させる。走査レンズ2105Aの射出側の面からチルト偏心レンズ2107aの入射側の面までの光路長は74mmである。また、チルト偏心レンズ2107aの中心肉厚は3mmである。
チルト偏心レンズ2107bは、偏光分離素子2110Aで反射された光束の光路上に配置され、該光束の光路をプリズム効果によって変化させる。走査レンズ2105Aの射出側の面からチルト偏心レンズ2107bの入射側の面までの光路長は74mmである。また、チルト偏心レンズ2107bの中心肉厚は3mmである。
チルト偏心レンズ2107aを通過した光束LBaは、折り返しミラー2106a、折り返しミラー2108a、折り返しミラー2109a、及び射出窓2111aを介して感光体ドラム2030aの表面に導光される。チルト偏心レンズ2107aの射出側の面から感光体ドラム2030aの表面までの光路長は152mmである。
チルト偏心レンズ2107bを通過した光束LBbは、折り返しミラー2106b、折り返しミラー2108b、及び射出窓2111bを介して感光体ドラム2030bの表面に導光される。チルト偏心レンズ2107bの射出側の面から感光体ドラム2030bの表面までの光路長は152mmである。
走査光学系Bは、走査レンズ2105B、偏光分離素子2110B、2枚のチルト偏心レンズ(2107c、2107d)、5枚の折り返しミラー(2106c、2106d、2108c、2108d、2109d)を有している。
走査レンズ2105Bは、ポリゴンミラー2104の+X側であって、走査レンズ2105Bの入射側の面における有効走査領域のY軸方向に関する中心を通過した光束LBcと光束LBdが、走査レンズ2105Bの入射側の面と射出側の面との間で交差する位置に配置されている(図14参照)。そして、走査レンズ2105Bの入射側の面における有効走査領域のY軸方向に関する中心を通過した光束LBc及び光束LBdは、走査レンズ2105Bの母線を横切って、走査レンズ2105Bから射出される(図15参照)。
ポリゴンミラー2104の偏向反射面から走査レンズ2105Bの入射側の面までの光路長は55.112mmである。また、走査レンズ2105Bの中心肉厚は21mmである。さらに、走査レンズ2105Bの射出側の面から感光体ドラム2030c及び感光体ドラム2030dの表面までの光路長は229mmである。
偏光分離素子2110Bは、走査レンズ2105Bの+X側であって、走査レンズ2105Bを介した光束(光束LBc、光束LBd)の光路上に配置されている。
偏光分離素子2110Bは、上記偏光分離素子2110Aと同等の偏光分離素子である。そこで、光束LBdの大部分は偏光分離素子2110Bを透過し、光束LBcの大部分は偏光分離素子2110Bで−Z方向に反射される。
チルト偏心レンズ2107cは、偏光分離素子2110Bで反射された光束の光路上に配置され、該光束の光路をプリズム効果によって変化させる。走査レンズ2105Bの射出側の面からチルト偏心レンズ2107cの入射側の面までの光路長は74mmである。また、チルト偏心レンズ2107cの中心肉厚は3mmである。
チルト偏心レンズ2107dは、偏光分離素子2110Bを透過した光束の光路上に配置され、該光束の光路をプリズム効果によって変化させる。走査レンズ2105Bの射出側の面からチルト偏心レンズ2107dの入射側の面までの光路長は74mmである。また、チルト偏心レンズ2107dの中心肉厚は3mmである。
チルト偏心レンズ2107cを通過した光束LBcは、折り返しミラー2106c、折り返しミラー2108c、及び射出窓2111cを介して感光体ドラム2030cの表面に導光される。チルト偏心レンズ2107cの射出側の面から感光体ドラム2030cの表面までの光路長は152mmである。
チルト偏心レンズ2107dを通過した光束LBdは、折り返しミラー2106d、折り返しミラー2108d、折り返しミラー2109d、及び射出窓2111dを介して感光体ドラム2030dの表面に導光される。チルト偏心レンズ2107dの射出側の面から感光体ドラム2030dの表面までの光路長は152mmである。
各感光体ドラム表面の光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って長手方向に移動する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が「副走査方向」である。
各走査レンズは、いずれも2つの画像形成ステーションで共用されている。
各走査レンズの各光学面のZ軸方向に直交する断面(主走査断面)の形状は、次の(1)式で表現される非円弧形状である。ここで、xはX軸方向のいわゆるデプスである。また、yはY軸方向に関する光軸からの距離である。そして、Kは円錐定数、A、A、A、A、A、A、…は係数である。さらに、Cm=1/Ryであり、Ryは近軸曲率半径である。
また、各走査レンズの各光学面のY軸方向に直交する断面(副走査断面)の形状は、次の(2)式で表現される。
上記(2)式におけるRz(0)は、副走査断面内における光軸上の曲率半径である。また、B、B、B、B、B、B、…は係数である。
各走査レンズの入射側の面形状及び射出側の面形状の具体例が図16に示されている。ここでは、上記(1)式におけるyの奇数次の係数(A、A、A、…)は、いずれも0である。これは、Y軸方向に対称な形状であることを意味している。また、上記(2)式において、yの奇数次の係数(B、B、B、…)は、0ではない。これは、Z軸方向の曲率の変化がY軸方向に非対称な形状であることを意味している。
各チルト偏心レンズの射出側の光学面における主走査断面の形状は、次の(3)式で表現される。D、D、D、D、…は係数である。
x=(D+D・y+D・y+D・y+D・y+・・・・)・z ……(3)
ここでは、D=2.848569×10−2、D=0、D=−9.647127×10−7、D=0、D=5.708654×10−11、D=0、D=−1.207798×10−15、D=0、D=1.61425×10−20、である。
なお、上記(3)式において、yの奇数次の係数(D、D、D、…)が0でない場合は、Z軸方向の曲率の変化がY軸方向に非対称な形状となる。
ところで、図17には、偏光分離素子2110Aがないと仮定したときの、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBaと光束LBbの光路が模式図的に示されている。この場合、偏向反射面で反射された光束LBaと光束LBbは、走査レンズ2105Aの配置位置で交差し、その後、離れながら感光体ドラム2030aに向かう。
これは、偏光分離素子2110Aが設けられていても、走査レンズ2105Aが樹脂製であって、偏向反射面で反射された光束LBaと光束LBbが走査レンズ2105Aで生じた複屈折の影響を受けた場合と類似している。この場合、光束LBaと光束LBbは、走査レンズ2105Aを通過後、偏光状態の直交関係が崩れ、光束LBaと光束LBbを偏光分離素子2110Aで完全に分離することはできない。すなわち、ゴースト光が発生する。
この場合、ゴースト光の除去の最も適切な場所は、偏光分離素子2110Aよりも後ろで、2つの光束が充分に離れた場所であり、かつ光走査装置の内部である。なお、光走査装置の外部にゴースト光の除去手段を設けることも考えられるが、光走査装置と該除去手段を非常に高い精度で位置合わせすることが必要となり、現実的ではない。従って、光走査装置から書き込み用の光束が射出される光学ハウジングの射出窓の周囲でゴースト光を除去することが好ましい(図18及び図19参照)。このように、ゴースト光を除去するため、偏向反射面上での2つの光束の反射位置をZ軸方向に関して離間させている。その結果、光偏向器により偏向された2つの光束の光路が重なっている従来技術(例えば、特許文献1参照)の課題であったゴースト光を除去することが可能となる。
ゴースト光の除去と両立させなければならない光学特性として波面収差がある。ゴースト光除去のために、2つの光束の偏向反射面上での反射位置をZ軸方向に関して離間させる構成において、水平入射光学系の場合、光束が走査レンズの母線から離れた箇所を通過するため(図20参照)、波面収差が大きくなる。一方、斜入射光学系の場合、光束が走査レンズの母線付近を通過するようにできるが(図21参照)、斜入射による波面収差が生じる。なお、以下では、便宜上、図21に示される光学系を「Type1」の光学系ともいう。
このType1の光学系では、光源から射出される光束の波長は782nm、ポリゴンミラーの偏向反射面から走査レンズの入射側の面までの光路長は57.112mm、走査レンズの射出側の面から感光体ドラムの表面までの光路長は224mmである。また、ここでは、分かりやすくするためチルト偏心レンズは設けられていない。
ここで、ゴースト光除去のために、偏向反射面上で2つの光束をZ軸方向に離間させる構成での波面収差について説明する。
波面収差を比較するため、ここでは、チルト偏心レンズが設けられていない構成で、水平入射光学系、斜入射光学系ともに光束の波長を782nm、ポリゴンミラーの偏向反射面から走査レンズの入射側の面までの光路長を57.112mm、走査レンズの射出側の面から感光体ドラムの表面までの光路長を224mmとして設計した場合が示されているが、上記チルト偏心レンズが設けられている実施形態と同様に、光束の波長を655nm、ポリゴンミラーの偏向反射面から走査レンズの入射側の面までの光路長を55.112mm、走査レンズの射出側の面から感光体ドラムの表面までの光路長を229mmとしても同様に設計可能である。
一例として、図22に示されるように、水平入射光学系において、射出窓位置でゴースト光除去が可能となるように、2つの光束の偏向反射面上での反射位置をZ軸方向に関して離間させると、2つの光束は走査レンズの母線から離れた箇所を通過し、このため波面収差が大きくなる。
図23には、水平入射光学系において、光束が走査レンズの母線位置を通過する場合の副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係が示されている。このときの走査レンズの形状が図24に示されている。なお、像高は、感光体ドラムにおける画像形成領域のY軸方向に関する中心を基準とする座標で表現した主走査方向の位置である。
図25には、水平入射光学系において、光束が走査レンズの母線から0.405mm離れた位置を通過する場合の副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係が示されている。このときの走査レンズの形状が図26に示されている。なお、図25では、像高が100mmでのデータと像高が−100mmでのデータとは、ほぼ重なっている。
図27には、水平入射光学系において、光束が走査レンズの母線から0.810mm離れた位置を通過する場合の副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係が示されている。このときの走査レンズの形状が図28に示されている。
図23、図25、図27から、光束の通過位置が走査レンズの母線から離れるにつれて波面収差が顕著に大きくなることがわかる。
図29(A)及び図29(B)には、水平入射光学系と斜入射光学系とが示されている。ここでは、一例として、光束LBbの書き込み用光束が通過する射出窓の近傍に光束LBaのゴースト光が到達する場合が示されている。このとき、射出窓位置において、光束LBbと光束LBaの距離が近いと、ゴースト光のみの除去は困難である。すなわち、ゴースト光の除去は、射出窓位置での書き込み用光束とゴースト光の距離に依存する。
図29(A)及び図29(B)では、2つの光束の偏向反射面上での反射位置をZ軸方向に関して離間させた場合の、水平入射光学系及び斜入射光学系での波面収差の比較を行うため、射出窓位置での光束LBbと光束LBaの距離を、いずれも3.46mmとしている。
図30には、図29(A)における走査レンズの形状が示されている。図31には、図29(B)における走査レンズの形状が示されている。
図32には、図29(A)における走査レンズでの光束LBbの主光線の通過位置が示されている。図33(A)及び図33(B)には、図29(B)における走査レンズでの光束LBbの主光線の通過位置が示されている。図33(A)及び図33(B)では、Y軸方向の位置が0mmのとき、光束LBbの主光線の入射側の面でのZ軸方向の位置(入射位置)は0.035mmであり、射出側の面でのZ軸方向の位置(射出位置)は−0.128mmである。すなわち、図33(A)及び図33(B)では、光束LBbの主光線は、母線を横切っている。
図34には、図29(A)における感光体ドラムでの副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係が示されている。図35には、図29(B)における感光体ドラムでの副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係が示されている。水平入射光学系では像高間で副走査方向のビームスポット径がばらついているのに対し、斜入射光学系では像高間での副走査方向のビームスポット径のばらつきが小さい。
このことから、2つの光束の偏向反射面上での反射位置をZ軸方向に関して離間させる構成において、斜入射光学系の方が水平入射光学系に比べ波面収差が小さいことがわかった。このことは本願の発明者等が見出した新しい知見である。
そこで、本実施形態では、斜入射光学系を採用し、2つの光束がそれぞれ走査レンズの母線を横切る構成とした。図36には、光束LBbの主光線の走査レンズ2105Aでの通過位置が示されている。また、光束LBbの感光体ドラム2030bでの副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係が図37に示されている。なお、図37では、像高が100mmでのデータと像高が−100mmでのデータとは、ほぼ重なっている。
本実施形態では、偏向反射面上での2つの光束のZ軸方向に関する距離、及び2つの光束の偏向反射面への斜入射角は、射出窓位置にてゴースト光の除去が可能となるように設定されている。この構成により、ゴースト光の除去と波面収差の抑制を両立させることが可能となった。
また、偏向反射面上で2つの光束をZ軸方向に関して離間させる構成において、斜入射とすることの効果は、光走査装置及び画像形成装置の薄型化にも及ぶ。射出窓位置での書き込み用の光束とゴースト光との距離を3.46mmとした場合、Z軸方向に関して、走査レンズの母線から偏向反射面での反射位置までの距離は、水平入射光学系で0.81mmであった(図29(A)参照)のに対し、斜入射光学系は0.70mmであった(図29(B)参照)。すなわち、斜入射とすることにより、ポリゴンミラーのZ軸方向の寸法(高さ)を小さくすることができ、光走査装置及び画像形成装置の薄型化に貢献する。
また、斜入射光学系では、水平入射光学系よりも、走査レンズのZ軸方向の寸法(高さ)を小さくすることができるため、走査レンズにおける複屈折の程度を小さくすることが可能である。
図38には、斜入射光学系において、2つの光束で1つのシリンドリカルレンズが共用されている構成が示されている。また、図39には、2つの光束に個別に対応して2つのシリンドリカルレンズが設けられた構成が示されている。図38及び図39では、ポリゴンミラー以降の構成は同じである。
2つの発光部のZ軸方向の間隔は、図38では0.12mmであり、図39では7.49mmである。すなわち、2つの光束で1つのシリンドリカルレンズが共用されている場合のほうが、2つの光束に個別に対応して2つのシリンドリカルレンズが設けられている場合よりも、2つの発光部のZ軸方向の間隔をきわめて小さくすることができる。
図40(A)には、2つの光束で1つのシリンドリカルレンズが共用されている場合の、2つの光源の配置例が示されている。また、図40(B)には、2つの光束に個別に対応して2つのシリンドリカルレンズが設けられている場合の、2つの光源の配置例が示されている。光源が搭載される回路基板は、Z軸方向の寸法が20mm以上あり、図40(B)では、光学ハウジングのZ軸方向の寸法(厚さ)を30mm以下にするのは困難である。すなわち、光走査装置の薄型化には図40(A)が好ましい。そこで、本実施形態では、2つの光束で1つのシリンドリカルレンズを共用し、光学ハウジングのZ軸方向の寸法(厚さ)を30mm以下とするのを実現している。
ところで、シリンドリカルレンズでの波面収差の増大を考慮する場合、該波面収差の増大を補正するための光学素子が必要となるが、ここでは、各チルト偏心レンズがその役割を担っている。
各チルト偏心レンズは、入射側の面及び射出側の面ともにノンパワーであるが、お互いに非平行であるため、プリズム効果によって光の方向を変えることができる。しかも、入射側の面と射出側の面との平行関係の崩れ方が、Y軸方向に沿って異なっているため、光の方向の変化量をZ軸方向の入射位置によって異ならせることができる。
本実施形態では、各チルト偏心レンズは、入射側の面を平面とし、射出側の面だけに傾きを与え、その傾き量がZ軸方向に沿って変化しているレンズである(図41参照)。
上記傾き量の変化の仕方は、Z軸方向に平行な軸に対して線対称となっている。つまり、各チルト偏心レンズは、ポリゴンミラーの回転軸に平行な対称軸を有しており、上記傾き量の変化を多項式で表現した場合には、yの奇数次の係数はすべて0である。
各チルト偏心レンズが、ポリゴンミラーの回転軸に平行な対称軸を有している場合は、2つの光束について、同一形状のチルト偏心レンズをそれぞれ使用できる利点がある。
なお、上記傾き量の変化を多項式で表現した場合にyの奇数次項があると、一方のチルト偏心レンズに対して、他方のチルト偏心レンズの奇数次項は符号が逆となる必要があるため、同一形状のチルト偏心レンズを使用することができない。
感光体ドラム位置での波面収差の大きさは、主走査方向(Y軸方向)に関して、像高0mmの位置に対して厳密には非対称であるが、この非対称性は実用的にはそれほど大きくないので、対称軸を有するチルト偏心レンズで充分に補正が可能である。
本実施形態では、チルト偏心レンズを設計する際に、波面収差の低減だけでなく、走査線曲がりの補正も同時に考慮している。これは、チルト偏心面の傾き量の変化を多項式で表現した場合に、定数項とyの偶数次項とに分離して考えることで、設計を簡便化している。すなわち、yの偶数次項で波面収差を低減させ、定数項で走査線曲がりを低減させている。
感光体ドラム上での走査線曲がりが改善されるということは、射出窓を通過する光束の軌跡も、湾曲したものから直線へ改善されることを意味し、書き込み用の光束とゴースト光の分離が更に容易になる。
また、ここでは、ポリゴンミラー2104における偏向反射面の数が4面であり、反射ミラーM1を介した光束(光束LBa、光束LBb)と反射ミラーM2を介した光束(光束LBc、光束LBd)は、互いに異なる偏向反射面に入射する。そして、ポリゴンミラー2104に入射する反射ミラーM1を介した光束と反射ミラーM2を介した光束とのなす角が、平面視において、略90°となるように設定されている。
そこで、光束LBaと光束LBd、及び光束LBbと光束LBcが、それぞれ対応する感光体ドラムにおける画像形成領域を同時に走査することはない。
例えば、図42に示されるように、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBaが、感光体ドラム2030aにおける書き込み開始位置に向かう時、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBdは、感光体ドラム2030dにおける書き込み終了位置よりも+Y側の位置に向かう。
また、図43に示されるように、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBaが、感光体ドラム2030aにおける画像形成領域の中央(像高0)位置に向かう時、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBdは、+Y方向に向かう。
そして、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBaが、感光体ドラム2030aにおける画像形成領域の中央(像高0)位置を越えると、光束LBdを反射するポリゴンミラー2104の偏向反射面が切り替わり、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBdの向かう方向は、+Y方向から−Y方向に切り替わる。
そして、図44に示されるように、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBaが、感光体ドラム2030aにおける画像形成領域の書き込み終了位置に向かう時、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBdは、感光体ドラム2030dにおける書き込み開始位置よりも−Y側の位置に向かう。
このように、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBaが、感光体ドラム2030aにおける画像形成領域を走査している時には、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBdは、感光体ドラム2030dにおける画像形成領域内には向かわない。
逆に、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBdが、感光体ドラム2030dにおける画像形成領域を走査している時には、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBaは、感光体ドラム2030aにおける画像形成領域内には向かわない。
同様に、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBbが、感光体ドラム2030bにおける画像形成領域を走査している時には、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBcは、感光体ドラム2030cにおける画像形成領域内には向かわない。
また、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBcが、感光体ドラム2030cにおける画像形成領域を走査している時には、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光束LBbは、感光体ドラム2030bにおける画像形成領域内には向かわない。
そこで、光束LBaが感光体ドラム2030aにおける画像形成領域を走査するタイミングでは、光束LB1は、ブラックの画像情報に応じて変調され、光束LBdが感光体ドラム2030dにおける画像形成領域を走査するタイミングでは、光束LB1は、イエローの画像情報に応じて変調される。
同様に、光束LBbが感光体ドラム2030bにおける画像形成領域を走査するタイミングでは、光束LB2は、シアンの画像情報に応じて変調され、光束LBcが感光体ドラム2030cにおける画像形成領域を走査するタイミングでは、光束LB2は、マゼンタの画像情報に応じて変調される。
なお、ポリゴンミラー2104に入射する反射ミラーM1を介した光束と反射ミラーM2を介した光束とのなす角は、平面視において、90°から少しずれていても良い。
次に、各感光体ドラムに潜像を形成する際の走査制御装置の動作について図45のタイミングチャートを用いて説明する。
(1)不図示の同期検知センサが光を検知し、該同期検知センサから出力される同期検知信号がハイレベルからローレベルに変化すると、タイマのカウント値を0リセットする。
(2)APC(Auto Power Control)を行う。
(3)タイマのカウント値がtBになると、ブラックの画像情報に応じて変調された光束が光源2200Aから射出されるように、光源2200Aの駆動回路を制御する。これによって、感光体ドラム2030aにおける画像形成領域が光束LBaによって走査される。同様にタイマのカウント値がtCになると、シアンの画像情報に応じて変調された光束が光源2200Bから射出されるように、光源2200Bの駆動回路を制御する。これによって、感光体ドラム2030bにおける画像形成領域が光束LBbによって走査される。
理想的にはtBとtCは等しい値をとるが、温度分布等により色ずれが発生することがある。その場合には、tBとtCは異なる値に設定されることがある。
(4)次に、同期検知信号が、ハイレベルからローレベルに変化すると、タイマのカウント値を0リセットする。
(5)APCを行う。
(6)タイマのカウント値がtYになると、イエローの画像情報に応じて変調された光束が光源2200Aから射出されるように、光源2200Aの駆動回路を制御する。これによって、感光体ドラム2030dにおける画像形成領域が光束LBdによって走査される。同様にタイマのカウント値がtMになると、マゼンタの画像情報に応じて変調された光束が光源2200Bから射出されるように、光源2200Bの駆動回路を制御する。これによって、感光体ドラム2030cにおける画像形成領域が光束LBcによって走査される。
理想的にはtYとtMは等しい値をとるが、温度分布等により色ずれが発生することがある。その場合は、tYとtMは異なる値に設定されることがある。
以降、上記(1)〜(6)の動作を繰り返し行う。
これによって、2つの光源で4つの感光体ドラムに対する書込を行うことができる。ところで、tB、tC、tY及びtMは、予め光走査装置毎に適切な値が求められ、走査制御装置のメモリに格納されている。
なお、図45では光源から射出される光束の光量(以下では、「射出光量」と略述する)を一定としているが、各光学素子の透過率及び反射率が相対的に異なると、感光体ドラム毎に到達する光束の光量が異なることがある。この場合には、各感光体ドラムに到達する光束の光量がほぼ同じになるように、感光体ドラム毎に射出光量を調整しても良い。
また、ここでは、各光源から1つの光束が射出される場合について説明したが、各光源から複数の光束が射出されても良い。この場合は、画素密度の高密度化、画像形成速度の高速化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、2つの光源ユニット(LU1、LU2)、ビームスプリッタ2205、2つのシリンドリカルレンズ(2204A、2204B)、2つの反射ミラー(M1、M2)、ポリゴンミラー2104、走査光学系A、走査光学系B、及び走査制御装置などを有している。
各シリンドリカルレンズは、それぞれ2つの光束で共用されている。
シリンドリカルレンズからの2つの光束は、ポリゴンミラー2104の同一の偏向反射面に、Z軸方向に関して離間して斜入射される。
走査光学系Aは、走査レンズ2105A、偏光分離素子2110A、2枚のチルト偏心レンズ(2107a、2107b)、5枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2108a、2108b、2109a)を有している。
走査光学系Bは、走査レンズ2105B、偏光分離素子2110B、2枚のチルト偏心レンズ(2107c、2107d)、5枚の折り返しミラー(2106c、2106d、2108c、2108d、2109d)を有している。
ポリゴンミラー2104の同一の偏向反射面で反射された2つの光束は、走査レンズの入射側の面と射出側の面との間で交差している。
各チルト偏心レンズは、シリンドリカルレンズでの波面収差の増大を補正するとともに、走査線曲がりを抑制する。なお、チルト偏心レンズは偏光分離素子の透過側及び反射側の両方に配置する必要はない。例えば、偏光分離素子の反射側で走査線曲がりが最適になるように設計し、透過側は偏光分離素子を透過することによる走査線曲がりのみを補正するチルト偏心レンズを配置するようにする構成も可能である。
この場合は、射出窓位置でのゴースト光と書き込み用の光束との距離を、ゴースト光のみを除去することができる距離にするとともに、走査レンズでの波面収差の増大を抑制することができる。すなわち、感光体ドラム表面でのビームスポット径の増大を招くことなく、ゴースト光を除去し、小型化を図ることができる。
そして、カラープリンタ2000は、光走査装置2010を備えているため、その結果として、画像品質を低下させることなく、小型化を図ることができる。
なお、上記実施形態において、前記光源ユニットLU1及び前記光源ユニットLU2に代えて、図46に示されるように、それぞれが2つの光源を有する光源ユニットLU3及び光源ユニットLU4を用いても良い。この場合は、4つの感光体ドラムの画像形成領域をほぼ同時に走査することができる。すなわち、画像形成速度の高速化を図ることができる。
また、上記実施形態において、同一の偏光反射面で反射され、走査レンズの入射側の面における有効走査領域のY軸方向の中心に向かう2つの光束が、一例として図47に示されるように、該走査レンズの入射側の面の前方で交差しても良い。この場合は、ポリゴンミラー2104のZ軸方向の寸法を更に小さくすることができる。以下では、図21に示される光学系(Type1)と区別するため、図47に示される光学系を、便宜上、「Type2」の光学系ともいう。
図48には、Type2の光学系における走査レンズの形状が示されている。図49(A)及び図49(B)には、Type2の光学系における走査レンズでの光束LBbの主光線の通過位置が示されている。ここでは、Y軸方向の位置が0mmのとき、光束LBbの主光線の入射側の面でのZ軸方向の位置(入射位置)は−0.137mmであり、射出側の面でのZ軸方向の位置(射出位置)は−0.326mmである。
また、この場合に、光束LBbの感光体ドラム2030bでの副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係が図50に示されている。図27に示される水平入射光学系に比べて、像高間での副走査方向のビームスポット径のばらつきが小さい。
また、上記実施形態において、同一の偏光反射面で反射され、走査レンズの入射側の面における有効走査領域のY軸方向の中心に入射した2つの光束が、一例として図51に示されるように、該走査レンズの射出側の面の後方で交差しても良い。この場合は、偏光分離素子を小さくすることができる。以下では、図51に示される光学系を、便宜上、「Type3」の光学系ともいう。
図52には、Type3の光学系における走査レンズの形状が示されている。図53(A)及び図53(B)には、Type3の光学系における走査レンズでの光束LBbの主光線の通過位置が示されている。ここでは、Y軸方向の位置が0mmのとき、光束LBbの主光線の入射側の面でのZ軸方向の位置(入射位置)は0.210mmであり、射出側の面でのZ軸方向の位置(射出位置)は0.073mmである。
また、この場合に、光束LBbの感光体ドラム2030bでの副走査方向のビームスポット径とデフォーカス量との関係が図54に示されている。図27に示される水平入射光学系に比べて、像高間での副走査方向のビームスポット径のばらつきが小さい。
上記Type1〜Type3の光学系の設計例は、チルト偏心レンズが設けられていない構成で、光束の波長を782nm、ポリゴンミラーの偏向反射面から走査レンズの入射側の面までの光路長を57.112mm、走査レンズの射出側の面から感光体ドラムの表面までの光路長を224mmとして設計した場合の一例を示すが、上記チルト偏心レンズが設けられている実施形態と同様に、光束の波長を655nm、ポリゴンミラーの偏向反射面から走査レンズの入射側の面までの光路長を55.112mm、走査レンズの射出側の面から感光体ドラムの表面までの光路長を229mmとしても同様に設計可能である。
また、上記実施形態において、前記光源ユニットLU1及び前記光源ユニットLU2に代えて、図55に示されるように、それぞれが1つの光源を有する光源ユニットLU5〜光源ユニットLU8を用いても良い。そして、Z軸方向からみたとき、各光源から射出された光束が、互いに異なる方向からポリゴンミラー2104に向かっても良い。この場合は、光源ユニットLU5から射出された光束LBaと光源ユニットLU6から射出された光束LBbは、ポリゴンミラー2104で反射された後、XZ平面に投影したときは交差するが、XY平面に投影したときは交差しない。同様に、光源ユニットLU7から射出された光束LBcと光源ユニットLU8から射出された光束LBdは、ポリゴンミラー2104で反射された後、XZ平面に投影したときは交差するが、XY平面に投影したときは交差しない。
また、上記実施形態において、光源2200Aからp偏光が射出される場合は、1/2波長板2202Aは不要である。同様に、光源2200Bからs偏光が射出される場合は、1/2波長板2202Bは不要である。
また、上記実施形態において、p偏光とs偏光が逆であっても良い。
また、上記実施形態では、4つの光束が1つのポリゴンミラーで偏向される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、2つのポリゴンミラーを設け、1つのポリゴンミラーで2つの光束が偏向されても良い。
また、上記実施形態において、各シリンドリカルレンズでの波面収差の増大を考慮する必要がなければ、前記チルト偏心レンズはなくても良い。
また、上記実施形態では、トナー像が感光体ドラムから転写ベルトを介して記録紙に転写される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、トナー像が記録紙に直接転写されても良い。
また、像担持体として光スポットの熱エネルギにより発色する発色媒体(ポジの印画紙)を用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により可視画像を直接、像担持体に形成することができる。
また、上記実施形態では、光走査装置がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。
2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2104…ポリゴンミラー(光偏向器)、2105A、2105B…走査レンズ、2106a〜2106d…折り返しミラー、2107a〜2107d…チルト偏心レンズ、2108a〜2108d…折り返しミラー、2109a,2109d…折り返しミラー、2110A、2110B…偏光分離素子、2111a〜2111d…射出窓、2200A,2200B…光源、2201A,2201B…カップリングレンズ、2202A,2202B…1/2波長板、2203A,2203B…開口板、2204A,2204B…シリンドリカルレンズ、2205…ビームスプリッタ、2300…光学ハウジング、LU1〜LU8…光源ユニット、M1,M2…反射ミラー。
特開2011−013289号公報

Claims (10)

  1. 複数の被走査面を光によって第1の方向に沿って個別に走査する光走査装置であって、
    前記複数の被走査面における異なる2つの被走査面に対応する第1の光束と第2の光束を射出する光源装置と、
    前記光源装置からの前記第1の光束及び前記第2の光束が、前記第1の方向に直交する第2の方向に関して互いに離間して斜入射される反射面を有し、各光束を偏向する光偏向器と、
    前記光偏向器で偏向された前記第1の光束及び前記第2の光束の光路上に配置された走査レンズと、
    前記走査レンズを介した前記第1の光束の大部分を透過させ、前記第2の光束の大部分を反射する分岐光学素子とを備え、
    前記光偏向器で偏向された前記第1の光束及び前記第2の光束を前記第1の方向に直交する平面Sに投影したとき、両光束が前記光偏向器と前記分岐光学素子との間で交差する光走査装置。
  2. 前記走査レンズの入射側の面における有効走査領域の前記第1の方向に関する中心に向かう前記第1の光束及び前記第2の光束を前記平面Sに投影したとき、
    両光束が、前記光偏向器と前記走査レンズの入射側の面との間で交差することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記走査レンズの入射側の面における有効走査領域の前記第1の方向に関する中心に入射した前記第1の光束及び前記第2の光束を前記平面Sに投影したとき、
    両光束が、前記走査レンズの射出側の面と前記分岐光学素子との間で交差することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  4. 前記走査レンズの入射側の面における有効走査領域の前記第1の方向に関する中心に入射した前記第1の光束及び前記第2の光束を前記平面Sに投影したとき、
    両光束が、前記走査レンズの入射側の面と前記走査レンズの射出側の面との間で交差することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  5. 前記走査レンズの入射側の面における有効走査領域の前記第1の方向に関する中心に入射した前記第1の光束及び前記第2の光束は、それぞれ前記走査レンズの母線を横切って前記射出側の面から射出されることを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
  6. 前記光源装置と前記光偏向器との間に設けられ、前記前記第1の光束及び前記第2の光束で共用され、各光束の線像を前記光偏向器の反射面に形成する線像形成素子を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光走査装置。
  7. 前記光源装置から射出された前記前記第1の光束と前記第2の光束は、前記第2の方向に関して、互いの間隔が増大しながら前記線像形成素子に向かい、
    前記線像形成素子から射出された前記前記第1の光束と前記第2の光束は、前記第2の方向に関して、互いの間隔が減少しながら前記光偏向器に向かうことを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
  8. 前記分岐光学素子を透過した光束の光路上及び前記分岐光学素子で反射された光束の光路上の少なくとも一方に配置され、該光束の光路を変化させる光学部材を有し、
    該光学部材は、入射側の面及び射出側の面の少なくとも一方がチルト偏心面であり、該入射側の面及び射出側の面はいずれもノンパワーであるとともに、互いに非平行であり、その平行状態からのずれ量が、前記第1の方向に関する位置によって異なっていることを特徴とする請求項6又は7に記載の光走査装置。
  9. 前記分岐光学素子を透過した前記第1の光束のみが通過する第1の射出窓、及び前記分岐光学素子で反射された前記第2の光束のみが通過する第2の射出窓を有する光学ハウジングを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光走査装置。
  10. 複数の像担持体と、
    前記複数の像担持体を画像情報に応じて変調された光束により走査する請求項1〜9のいずれか一項に記載の光走査装置と、を備える画像形成装置。
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