JP2009058677A - 光走査装置・画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学素子に採用される回折面の楕円形状の楕円率が小さくなることによる回折面の加工難易度の問題を解消し、安価で成形しやすいものとするとともに、成形容易性に基づく回折面の精度向上を図る。
【解決手段】半導体レーザ1と光学素子1は同一の連続した部材によって固定されており、光学素子2は回折光学素子である。回折光学素子としての光学素子2は、その回折部パワーが光走査装置内部の温度変化に起因する主走査方向および副走査方向のビームウェスト位置の変動を略0とするように設定された楕円形状の溝を有しており、半導体レーザ1と光学素子1を固定している部材の線膨張係数は、上記楕円形状の楕円率を増大させるように設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、像担持体に潜像を形成する光走査装置、該光走査装置を有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関する。
光走査装置は従来から、光プリンタやデジタル複写機、光プロッタ等の画像形成装置に関連して広く知られているが、近時、低価格化とともに環境変動の影響を受け難く、高精細な画像を形成できるものが求められている。
光走査装置に用いられる各種のレンズを樹脂材料で形成すると、樹脂製レンズは、軽量であり、低コストで形成できるとともに、非球面に代表される特殊な面形状の形成が容易であるため、樹脂製レンズに特殊面を採用することにより、光学的な特性を向上させるとともに、光学系を構成するレンズ枚数を低減させることができる。
すなわち、樹脂製レンズの採用は、光走査装置のコンパクト化・軽量化・低コスト化に資するところが大きい。しかし反面、良く知られたように、樹脂製レンズは、環境変動、特に温度変動に伴って、形状が変化したり、屈折率が変化したりするので、光学特性とくにパワーが設計値から変化し、被走査面上の光スポットの径である「ビームスポット径」が環境変動により変化する問題がある。
温度変動に伴う樹脂製レンズのパワー変化は、正レンズと負レンズとで互いに逆に発生するので、光走査装置の光学系内に、正と負の樹脂製レンズを含め、これら正・負樹脂製レンズにおいて発生する「環境変動に起因する光学特性変化」を互いに相殺させる方法は良く知られている。
また、光走査装置の光源として一般的な半導体レーザは、温度が上昇すると発光波長が長波長側へずれるという性質(「温度変動による波長変化」)がある。光源における波長変化は、光走査装置に用いられる光学系の色収差による特性変化を惹起し、この特性変化もビームスポット径変化の原因となる。
したがって、光学系内に樹脂製レンズを含み、光源に半導体レーザを用いる光走査装置では、温度変動に伴う光学特性の変化とともに、光源における波長変化に伴う光学特性の変化をも考慮した光学設計を行う必要がある。
温度変動に伴う光学特性の変化と、光源における波長変化とを考慮し、回折面を採用して光学特性を安定させた光走査装置(レーザ走査装置)として、特許文献1に記載のものが知られている。
特許文献1には、レーザ光源から射出されたレーザ光を所望の形態に変換するカップリングレンズと、光偏向器の偏向反射面近傍に副走査方向にのみ集光させるシリンドリカルレンズに、それぞれ同心円状の回折面と直線状の回折面を採用する光走査装置が開示されている。
このようにすると、主走査方向および副走査方向の、温度変動に起因する光走査装置全体のパワー変化を相殺することができるので、常に安定したビームスポット径を得ることができる。
しかし、特許文献1に記載のタイプは、回折面を少なくとも2面用いなければならない。回折面を多用することの課題として、回折効率の低下、すなわち所望の回折次数以外の回折光が発生することによる光伝達効率の低下が挙げられる。もちろん、設計値どおりに成形品が加工されればこのような課題は発生しない。しかし、実際の成形では必ず加工ばらつきが起き、このため回折効率の低下は不可避的に生ずる。通常のガラスよりも樹脂の方が一般的に光の透過率は悪く、その上回折効率の低下によって更に伝達効率が低下すると、被走査面上に設置された感光体上に光ビームが到達しても露光されないという事態を引き起こす。
最も簡単な解決方法としては、半導体レーザの出力を大きくすればよいが、これは消費エネルギーの増大や不要な熱の発生など別の課題を誘発する。
そこで、溝の形状を楕円状にすることで複数の回折面を1枚に集約するようなタイプが提案されている(特許文献2、3参照)。
特開2006−235069号公報 特開2006−154701号公報 特開2007−11113号公報
特許文献2、3のタイプだと、確かに上記した課題は解消されるが、溝の形状を楕円にした場合の大きな課題として加工性が挙げられる。
すなわち、楕円形状は円弧形状と異なり常に部分曲率が変化し、特に長手方向端部で最大値をとる。通常、このような面形状の創生は、金駒と呼ばれる金属型にバイトで加工を施すことで行われる。
バイトはその強度、工具寿命などから当然有限な大きさを有している。従って、楕円形状の曲率が大きすぎると、原理的に加工ができないことが生じうる。
楕円形状の曲率が大きくなるに伴い加工の難易度は高くなるので、現有の切削加工装置では対応できなかったり、加工精度が必然的に低下して光学素子の回折面の精度低下(回折効率の低下、波面収差の劣化、散乱光の発生等の原因となる)を招くことになる。
難易度の高い加工が可能な装置を導入することも一方法であるが、この場合設備コストの増大を来たし、光学素子の製造コストの増大につながるのを避けられない。
楕円形状の曲率は、楕円の長軸と短軸で決まる楕円率(=短軸÷長軸)に依存するので、この値を適切に設定することにより、金型の加工容易性を確保することができる。
この加工容易性は、光学素子の回折面の精度向上につながり、安価で信頼性の高い光学素子を実現できることになる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、楕円形状の回折面を用いた光走査装置において、温度変動によるビームスポット径変化を低減し、より安定したビームスポット径で光走査を行い得る光走査装置の実現、さらには、かかる光走査装置を用いる画像形成装置の実現を課題とする。
また、これらの装置に搭載される光学素子に採用される回折面の楕円形状に対する加工精度を高くすることなく、安価で成形しやすいものとすることが本発明の目的である。
ビームウェスト位置変化の補正に対する従来の設計思想は、半導体レーザとカップリングレンズの間隔の伸縮調整等によりある程度補正をした後で、必要であれば回折光学素子で補正をするというものであるため、回折面における主走査方向の回折部のパワーは比較的小さいものとなり、これを楕円として形成すると必然的に楕円率が小さくなるのである。
換言すれば、回折光学素子は最終的な補正調整手段としてしか認識されていなかった。この点についての詳細は、後述の実施例で説明する。
本発明は、従来の設計思想とは逆の発想で、回折光学素子の補正機能を積極的に活用してビームウェスト位置変化の補正を行うとともに、回折面の楕円形状における楕円率を高めてこれによる上記利点(金型の加工容易性による回折面の精度向上及びコストの低減)を享受しようというものである。
したがって、本発明は楕円形状の回折面を有する回折光学素子を用いることを前提とする。
具体的には、請求項1記載の発明では、光源からの光ビームを所望のビーム形態の光ビームに変換する光学素子1と、該光ビームを光偏向器に導光する光学素子2と、上記光偏向器により偏向された光ビームを被走査面上に集光させて光スポットを形成し、該被走査面を光走査する光学素子3と、を備えた光走査装置において、上記光源と上記光学素子1は同一の連続した部材によって固定されており、上記光学素子1、2のうち1つは回折光学素子であり、上記回折光学素子は、その回折部パワーが光走査装置内部の温度変化に起因する主走査方向および副走査方向のビームウェスト位置の変動を略0とするように設定された楕円形状の溝を有しており、上記光源と上記光学素子1を固定している部材の線膨張係数を、上記楕円形状の楕円率を増大させるように設定したことを特徴とする。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の光走査装置において、上記回折光学素子の回折面と反対側の面は、アナモフィックな屈折面であることを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の光走査装置において、上記回折光学素子の回折面は、その回折部パワーと屈折部パワーの総合パワーが0であるマルチステップ形状をしていることを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1つに記載の光走査装置において、上記回折光学素子は、上記光学素子2として採用されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、請求項4記載の光走査装置において、上記光学素子2は、樹脂で成形されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明では、請求項1〜5のいずれか1つに記載の光走査装置において、上記光学素子1は、樹脂で成形されていることを特徴とする。
請求項7記載の発明では、請求項1記載の光走査装置において、上記光学素子1が回折光学素子であり、且つ、上記光学素子1が上記光学素子2の機能を兼ねていることを特徴とする。
請求項8記載の発明では、請求項7記載の光走査装置において、上記光学素子1の回折面と反対側の面は、アナモフィックな屈折面であることを特徴とする。
請求項9記載の発明では、請求項7、8記載の光走査装置において、上記光学素子1の回折面は、その回折部パワーと屈折部パワーの総合パワーが0であるマルチステップ形状をしていることを特徴とする。
請求項10記載の発明では、請求項7〜9のいずれか1つに記載の光走査装置において、上記光学素子1は、樹脂で成形されていることを特徴とする。
請求項11記載の発明では、感光性の像担持体に対して光走査手段による光走査を行って潜像を形成し、この潜像を現像手段で可視化して画像を得る画像形成部を1以上有する画像形成装置において、上記光走査手段として、請求項1〜10のいずれか1つに記載の光走査装置を1つ用いたことを特徴とする。
画像形成部は1以上であるから、画像形成部を1つとしてモノクロームの画像形成を行うようにすることもできるし、2以上の画像形成部にして2色画像や多色画像、さらにはカラー画像を形成するように画像形成装置を構成することもできる。この場合、各画像形成部において光走査を行う光走査装置は、画像形成部ごとに別個のものであってもよいし、例えば、特開2004−280056号公報等により知られたように、光学要素の一部、例えば光偏向器や走査光学系の一部を、複数の走査光学系で共有するようにしてもよい。
画像形成部が2以上ある場合、2以上の画像形成部を同一の像担持体に対して異なる位置に設定することもできるし、所謂タンデム式のカラー画像形成装置のように、前後方向に配列させた像担持体の個々に対して個別の画像形成部を設定することもできる。
ここで、光走査装置の光学系に樹脂製レンズが含まれる場合に、環境変動に対して「被走査面に向かって集光される光ビーム」のビームウェスト位置の変化を簡単に考察する。
先ず、温度変動によるビームウェスト位置変動の原因となるのは、温度変動に伴う「樹脂製レンズの屈折率自体の変化」、「樹脂製レンズの形状変化」、「半導体レーザの波長変化による樹脂製レンズの屈折率変化(色収差)」が考えられる。
「樹脂製レンズの屈折率自体」は温度上昇に伴う膨張による低密度化により減少する。
「樹脂製レンズの形状」は、温度上昇に伴う膨張によりレンズ面の曲率が減少する。
「半導体レーザの発光波長」は、一般に温度上昇とともに長波長側へずれる。波長が長波長側へずれると、樹脂製レンズの屈折率は、一般に、減少する側へずれる。
すなわち、樹脂製レンズは、正レンズであるか負レンズであるかに拘わらず、温度上昇とともにその「パワーの絶対値」が減少するように変化する。一方、回折面の「回折部」によるパワーは、回折角が波長に比例するところから、回折面の「回折部」のパワーは、それが正であっても負であっても、パワーの絶対値は「波長が長くなると大きくなる」傾向を持つ。
したがって、例えば、光走査装置の光学系における「樹脂製レンズの合成パワー」が正(または負)である場合には、回折面の「回折部」のパワーを正(または負)とすることにより、樹脂製レンズにおける「温度変動に伴うパワー変化」を、回折面の「回折部」における「温度変動に伴うパワー変化」で相殺することが可能になる。
ここで、回折面の「回折部」と言っているのは、本発明における光学素子の回折面は、必ずしも平面の基板に形成されたものではなく、球面やシリンドリカル面の基板に形成されたものを含んでいるので、回折面を形成している基板に当たる部分にもパワーを有することになる。従って、この基板に当たる部分のパワーを除いた回折面のみのパワーという意味で、本明細書中ではこれを回折面の「回折部」と呼ぶ。
いま少し具体的に説明するために、光学系内に含まれる樹脂製レンズのパワーと、回折面の「回折部」のパワーがともに正である場合に、環境温度が上昇した場合を考える。
このとき樹脂製レンズの屈折率の変化によるビームウェスト位置変化量:A
樹脂製レンズの形状変化によるビームウェスト位置変化量:B
半導体レーザの発光波長変化に起因する樹脂製レンズの屈折率変化によるビームウェスト位置変化量:C
半導体レーザの発光波長変化に起因する回折面の「回折部」のパワー変化によるビームウェスト位置変化量:D
とすると、A>0、B>0、C>0で、D<0(光偏向器から離れる向きの変化を正としている。)である。
そして、この温度変動に伴うトータルのビームウェスト位置変動量は、A+B+C−Dである。A〜Cは、樹脂製レンズを含む光学系が定まれば定まるので、ビームウェスト位置変化量が0となる条件:A+B+C−D=0を満たすように回折面の「回折部」のパワーを設定することにより、温度変動に伴うビームウェスト位置変化を良好に補正できる。
本発明によれば、回折面の楕円形状における楕円率を高めることができ、よって金型の加工容易性による回折面の精度向上及びコストの低減を実現できる。
温度変動に起因する主走査方向および副走査方向のビームウェスト位置の変化を「略0とする」ように、回折面のパワーを設定するので、温度変動に対してビームウェスト位置変化が有効に補正され、常に安定したビームスポット径で光走査を行うことができ、この光走査装置を用いることによりこの発明の画像形成装置は安定した画像形成が可能である。
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。
まず、図1乃至図4に基づいて第1の実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係る光走査装置の光学配置を示している。
符号1は光源としての半導体レーザ、符号2は光学素子1としてのカップリングレンズ、符号3はアパーチュア、符号4は光学素子2としてのアナモフィック光学素子、符号5は光偏向器である回転多面鏡のポリゴンミラー、符号6は光学素子3としての走査光学系、符号8は被走査面をそれぞれ示す。
符号G1はポリゴンミラー5を収納する防音ハウジング(図示せず)の窓を塞ぐ防音ガラスを示し、符号G2は図1の光学系を収納するハウジングの偏向光ビームの射出部に設けられた防塵ガラスを示している。
半導体レーザ1から放射された発散性の光ビームは、カップリングレンズ2により実質的な平行光ビームに変換され、アパーチュア3によりビーム整形されてアナモフィック光学素子4に入射する。アナモフィック光学素子4を透過した光ビームは、副走査方向に集束しつつ防音ガラスG1を透過してポリゴンミラー5の偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像し、偏向反射面で反射されると、防塵ガラスG1を透過して走査光学系6に入射する。
走査光学系6は2枚のレンズ6−1、6−2により構成され、これらレンズ6−1、6−2を透過した光ビームは防塵ガラスG2を介して被走査面8に入射し、走査光学系6の作用により被走査面8上に光スポットを形成する。
ポリゴンミラー5が等速回転すると、偏向反射面により反射された光ビームは等角速度的に偏向する。走査光学系6は等角速度的に偏向しつつ入射してくる光ビームによる光スポットが、被走査面上において主走査方向(図の上下方向)へ等速的に移動するようにするfθ特性を有しており、光スポットは、被走査面8を等速的に光走査する。
走査光学系6もアナモフィックな光学素子であり、副走査方向においてはポリゴンミラー5の偏向反射面位置と被走査面位置とを幾何光学的な共役関係としており、これによりポリゴンミラーの面倒れを補正している。被走査面8は、実体的には「感光性媒体の感光面」である。
アナモフィック光学素子4は「片面が球面に形成された同心円状のパワー回折面、他方の面はシリンドリカル面に形成された直線状のパワー回折面を有するアナモフィックな樹脂製レンズ」である。
以下、本実施形態に関する具体的な実施例を挙げる。
後述する実施例および比較例において用いるガラス材料(ガラス1およびガラス2と称する。)および樹脂材料(樹脂と称する。)のデータを表1に挙げる。
Figure 2009058677
表1において「中央値」とあるのは、基準温度:25℃における使用波長に対する屈折率、「温度変動」とあるのは、温度が基準温度から20度上昇したときの屈折率である。
表2に、光偏向器以降の光学系データを与える。
Figure 2009058677
上の表記においてRは「主走査方向の近軸曲率」、Rは「副走査方向の近軸曲率」であり、D、Dは「各光学素子の原点から次の光学素子の原点までの相対距離」を表している。単位はmmである。
例えば、光偏向器に対するD、Dについてみると、光偏向器(ポリゴンミラー5)の回転軸から見て、走査光学系6におけるレンズ6−1の入射面の原点(入射側面の光軸位置)は、光軸方向(x方向、図1の左右方向)に79.75mm離れ、主走査方向(y方向、図1の上下方向)に8.8mm離れている。
また、レンズ6−1の光軸上の肉厚は22.6mm、レンズ6−1と6−2の間の面間隔は75.85mm、レンズ6−2の光軸上の肉厚は4.9mm、レンズ6−2から被走査面までの距離は158.71mmである。なお、走査光学系6のレンズ6−2と被走査面の間には、図1に示すようにガラス1を材質とする厚さ:1.9mmの防塵ガラスG2が配置される。
走査光学系6のレンズ6−1、6−2の各面は非球面である。
レンズ6−1の入射側面とレンズ6−2の入射側面および射出側面は、主走査方向には「式1で与えられる非円弧形状」で、副走査断面(光軸と副走査方向とに平行な仮想的断面)内の曲率が主走査方向に「式2に従って変化」する特殊面である。
また、レンズ6−1の射出側面は「式3により表現される共軸非球面」である。
[非円弧形状]
主走査断面内の近軸曲率半径:R、光軸からの主走査方向の距離:Y、円錐定数:K、高次の係数:A、A、A、A、A、…、光軸方向のデプス:Xとして次式(1)で表現される。
Figure 2009058677
[副走査断面における曲率の変化]
副走査断面内の曲率:C(Y)(Y:光軸位置を原点とする主走査方向の座標)が主走査方向に変化する状態を表現する式は、光軸を含む副走査断面内の曲率半径:R(0)、B、B、B、…を係数として次式(2)に示す通りである。
(Y)=1/R(0)+B・Y+B・Y+B・Y+B・Y+B・Y+B・Y+・・・ (2)
[回転対称非球面]
近軸曲率半径:R、光軸からの距離:H、円錐定数:K、高次の係数をA、A、A、A、A、…、光軸方向のデプス:Xとして次式(3)で表される。
Figure 2009058677
レンズ6−1の入射側面(特殊面)の係数を表3に挙げる。
Figure 2009058677
レンズ6−1の射出側面(共軸非球面)の係数を表4に挙げる。
Figure 2009058677
レンズ6−2の入射側面(特殊面)の係数を表5に挙げる。
Figure 2009058677
レンズ6−2の射出側面(特殊面)の係数を表6に挙げる。
Figure 2009058677
本実施形態では、光学素子2としてのアナモフィック光学素子4に本発明のパワー回折面を採用した例を示す。
アナモフィック光学素子4は「片面が回折部パワーと屈折部パワーの総合パワーが0であるマルチステップ形状をした楕円状の溝として構成された回折面、反対面はアナモフィック面を有する樹脂製レンズ」である。
図2はアナモフィック光学素子4を説明図的に示しており、図の左右方向が主走査方向、上下方向が副走査方向である。図2において符号4によりアナモフィック光学素子を示す部分は光軸方向から見た状態であり、片側の面4aには図示の如く「回折部パワーと屈折部パワーの総合パワーが0であるマルチステップ形状をした楕円状の溝として構成された回折面」、他方の面4bには図示の如く「アナモフィック面」が形成されている。
アナモフィック光学素子4の上方の図(c)は、アナモフィック光学素子4の「主走査方向と光軸方向とに平行な仮想的切断端面」における端面図であり、左側の図(b)は、アナモフィック光学素子4の「副走査方向と光軸とに平行な仮想的切断端面」における端面図である。これら端面図に示されたように、片面は回折部パワーと屈折部パワーの総合パワーが0であるマルチステップ形状をした楕円状の溝として構成された回折面、他方の面はアナモフィック面を有するレンズになっている。
光源側からアナモフィック光学素子4に入射する光ビーム(平行光ビーム)は、アナモフィック光学素子4を透過すると、主走査方向には平行で、副走査方向には集束するビーム形態となる。
回折面のパワーは、温度変動に起因する、主走査方向および副走査方向のビームウェスト位置変化を略0とするように設定される。
次に、回折面をマルチステップ形状とすることのメリットについて説明する。
上記のようにしてパワーを設定された回折面は、一般に様々な形状をとりうるが、先にも述べたように、回折面の形成には微細加工の技術が必要である。更に、その精度も極めて高いものが要求される。この精度が確保できないと、回折効率の低下、波面収差の劣化、散乱光の発生等、好ましくない現象が多岐に亘り発生する。
また、このような精度を確保するためには、非常に優れた計測技術も不可欠である。しかし、球面を基本形状とした回折面ですらその計測には困難を伴い、高い品質の回折面が得られていないのが実情である。
そこで、本発明の回折面は、階段構造でかつほぼノンパワーとすることを最大の特徴としている。階段構造とするためには、回折面の「回折部」のパワーと「屈折部」のパワーを、絶対値が等しく異符号のものとすればよい。このとき得られる回折面は必然的に階段構造となる。このような構造を取ると、回折面とバックカットの関係はどこでもほぼ直角となり、計測が容易になるばかりでなく、加工も非常にしやすいという利点がある。
更に、得られた回折面はノンパワーであるから、反対側の面に対する面間偏心があってもそれによる影響が極めて少ないため、加工精度に対する要求も抑えることが可能となる。
また、レンズそのもののパワーは入射面と射出面のパワーの合成として与えられるが、一方の面がノンパワーでも反対側のパワーを適切に設定することで、所望のレンズパワーを得ることができる。従って、このような階段構造の回折面は、いかなるパワーのレンズにも採用することができるのである。
もちろん、回折面の面精度も局所的に非平面であるところがないため、非常に滑らかに仕上げることができ、散乱光の発生やビームスポット径太りの発生も殆どない。
さらに、この階段構造の回折面を、マルチビーム光源を用いた光走査装置に展開した場合には、この光学素子による光軸方向の回転による、被走査面上の走査線ピッチの変動が起こりにくい、というメリットもある。
実施例を説明する前に、本発明の技術思想を適用しない比較例を説明する。比較例としての光学系の各要素は以下の如くである。
[光源]
光源である半導体レーザ1は設計上の発光波長:655nmで、標準温度:25℃に対して温度が1℃上昇すると、発光波長が0.2nm、長波長側へずれる。
[カップリングレンズ]
カップリングレンズ2は、上記ガラス1を材料とするガラスレンズであり、焦点距離:27mmでコリメート作用を有するように、前側主点が半導体レーザ1の発光部から27mmはなれた位置に位置するように配置される。カップリングレンズ2には非球面が用いられ、コリメートされた光ビームの波面収差を非球面により十分に補正している。
半導体レーザ1とカップリングレンズ2とは、線膨張係数:2.1×10−5の材質による保持部材に固定的に保持されている。
[アパーチュア]
アパーチュア3は、主走査方向の開口径:8.14mm、副走査方向の開口径:2.96mmの「長方形形状の開口」を有し、カップリングレンズ2によりコリメートされた光ビームをビーム整形する。
[アナモフィック光学素子]
アナモフィック光学素子4は、入射側面が「回折部パワーと屈折部パワーの総合パワーが0であるマルチステップ形状をした楕円状の溝として構成された回折面」で、射出側面は「アナモフィック面」を形成したものである。
回折面は、主走査方向・副走査方向ともに、以下の2次の位相関数:w
w=C・y+C・z
で表されるものである。Yは光軸を原点とする主走査方向の座標、Zは光軸を原点とする副走査方向の座標で、係数:C、Cは、C=2.02×10−3、C=1.715×10−2である。
[光偏向器]
光偏向器のポリゴンミラー5は反射面数:5面で内接円半径:18mmのものである。
アナモフィック光学素子4の射出側面と、ポリゴンミラー5の回転軸との距離は、図1の配置で「左右方向の距離:x」、「上下方向の距離:y」が、x=82.97mm、y=112.77mmに設定されている。
防音ガラスG1はガラス1を材質とし、厚さ:1.9mmで、上記y方向(図の上下方向)からの傾き角:αは16度である。
また、光源側から入射する光ビームの進行方向と、偏向反射面により「被走査面8における像高:0の位置へ向けて反射される光ビームの進行方向」のなす角:θは58度である。
表7に、上に述べたところを示す。
Figure 2009058677
上の表記に於いて、Rは主走査方向の曲率半径、Rは副走査方向の曲率半径、Lは面間隔で、単位はmmである。
このときの25℃における45℃のビームウェスト位置変化量は、
主走査方向:−0.04mm
副走査方向:0.11mm
であり、主走査方向、副走査方向ともに良好に補正されていることが分かる。しかし、このときの楕円率は、
楕円率=0.12
となり、このような回折面の加工は以下のような理由により極めて困難である。一般に回折面の加工(型製作上の加工)は、図6に示すように、金駒と呼ばれる金属型100をバイト101で設計上の回折面の寸法に沿って切削することによりなされ、加工された型に樹脂やガラスを流し込むことにより光学素子の回折面を得ることができる。
このため、工具(バイト101)の切れ刃以外の箇所の干渉が生じやすく、その分工具を細める工夫が必要で、工具自体の強度確保が困難である。
加工機へ高い応答速度を要求することとなり、精度とのトレードオフが生じやすく精度の確保が困難である。
一般的に、なぜこのような楕円率になるのか、について若干補足する。
通常の光学設計において、温度変動によるビームウェスト位置変化については、副走査方向よりも主走査方向を重視して行われる。これは、各々の結像横倍率が一桁程度異なる上、ビームウェスト位置変化量はその2乗に比例して発生するため、温度変動に極めて敏感な主走査方向に注目してそれを補正するような設計を行った方が、光走査装置全体の安定性を確保しやすくなるからである。
特に、光走査装置を構成する光学素子の中で最もパワーが大きいのが光学素子1としてのカップリングレンズであり、そのため光源1としての半導体レーザとカップリングレンズの間隔の温度変動による変化が、主走査方向のビームウェスト位置変化に大きく寄与する。
ところで、温度が上昇した場合には、上述したように全体的なパワーは低下する傾向になり、この分のビームウェスト位置変化は、被走査面から見て、光偏向器から離れる側に発生する。一方、半導体レーザとカップリングレンズの間隔は膨張によって広がるので、この分のビームウェスト位置変化は、被走査面から見て、光偏向器に近づく側に発生する。
つまり、半導体レーザとカップリングレンズの間隔の広がりを適切に設定することで、パワー低減によるビームウェスト位置変化を相殺することが可能である。これは、半導体レーザとカップリングレンズを固定する材質の線膨張係数を適切に設定することを意味する。
しかし、理想的な線膨張係数の材質が常に存在するとは言えない。また、あったとしても非常に高価で実用的ではない場合もありうる。そこで、一般には、理想的な線膨張係数に近く、実用的或いは汎用的な樹脂材料を選択して用い、その差分によって発生する主走査方向のビームウェスト位置変化は無視するか、回折面などの導入で補正するようなことが行われる。
従って、回折面における主走査方向の回折部のパワーは比較的小さいことになり、これを楕円として形成すると必然的に楕円率が小さくなるのである。
本発明は、この設計のプロセスを逆転させたものである。すなわち、主走査方向の温度変動によるビームウェスト位置変化を補正するためには、
(1)光走査装置を構成する光学素子全体の屈折パワー変化によるビームウェスト位置変化
(2)半導体レーザとカップリングレンズの間隔の伸縮によるビームウェスト位置変化
(3)回折面における回折部のパワー変化によるビームウェスト位置変化
のバランスを取りさえすればいいので、(1)と(2)のバランスを先に考慮して、その差分を(3)で補正するという従来の設計プロセスではなく、(1)〜(3)を総合的にバランスさせることで、加工しやすい回折面の形状をある程度想定して設計を行うのである。
換言すれば、ビームウェスト位置変化の補正に対する回折光学素子のウェートを高めて回折面の楕円形状における楕円率が小さくなることを回避するというものである。
本実施形態では、実際の加工精度との関係から、楕円率を0.15以上とすることを目標としている。
このように設計した実施例を以下にいくつか説明する。
[実施例1]
半導体レーザ1とカップリングレンズ2とは、線膨張係数:1.0×10−5の材質による保持部材に固定的に保持されている。
アナモフィック光学素子4の回折面の係数:C、Cは、C=2.95×10−3、C=1.747×10−2である。
このときの25℃における45℃のビームウェスト位置変化量は、
主走査方向:−0.03mm
副走査方向:−0.13mm
であり、主走査方向、副走査方向ともに、良好に補正されていることが分かる。このときの楕円率は、
楕円率=0.169
となり、このとき回折面の加工は比較的容易に行える。
この加工容易性は、回折面の精度向上につながり、回折機能の品質維持に寄与する。
この本発明の「回折面の楕円形状における楕円率を増大させる思想」は回折光学素子の材質(ガラス、樹脂)を問わず適用でき、回折光学素子を樹脂で成形した場合には低コスト化が同時にもたらされる。
ここで、本実施例でのビームウェスト位置の許容量について述べる。
図3、4は、横軸をデフォーカス量(感光体からの光軸方向に沿ったズレ量)、縦軸をビームスポット径にとったときのグラフを示す。図3は主走査方向、図4は副走査方向でのグラフである。
本光学系のビームスポット径の狙いは70μm×90μmである。一般にはビームスポット径の変動許容量は、狙いの値の±10%程度と考えられており、この場合には、主走査、副走査方向ともに±10μmとして設定している。
従って、ビームウェスト位置(ビームスポットの最小値の位置)の許容変動量は、主走査方向で約6mm、副走査方向で約13.5mmである。
実際は、ビームスポット径が太るのは、ビームウェスト位置変動によるものだけではなく、波面の乱れによる波動光学的要因によるものがあるので、ビームウェスト位置の許容変動量はこれよりももっと小さい値になる。
ビームウェスト位置変動を引き起こす要因としては、部品の加工誤差、取付誤差によるものと、温度変動によるものに大別される。このうち、部品の加工誤差、取付誤差によるものは、主走査方向で約5mm、副走査方向で約8mm発生する。この量は、当然各々の誤差許容量を厳しく設定すれば、ビームウェスト位置変動量をもっと低減させることは可能であるが、それはコストの増大をもたらす。
以上のことから、温度変動によるビームウェスト位置の許容量は、主走査方向で1mm以下、副走査方向で6.5mm以下である。これを基準にビームウェスト位置変化量についての補正の良否を判断している(比較例において同じ)。
この許容量は以外に大きいように思えるが、走査光学系を1枚で構成するようなタイプでは特に副走査方向の横倍率が大きくなる傾向にあり、温度変動による副走査方向のビームウェスト位置変動量は非常に大きい。例えば、本実施例で、もし回折光学素子がなく、従来のガラスレンズで代用した場合、主走査方向で約1mm、副走査方向で約12mmであり、ビームスポット径は破綻している。
また逆に、温度変動によるビームウェスト位置変動量をできる限り抑えておけば、その分を部品の加工誤差、取付誤差に割り付けることが可能になり、生産性の向上をもたらすことになる。
[実施例2]
半導体レーザ1とカップリングレンズ2とは、線膨張係数:5.0×10−6の材質による保持部材に固定的に保持されている。
アナモフィック光学素子4の回折面の係数:C、Cは、C=3.38×10−3、C=1.758×10−2である。
このときの25℃における45℃のビームウェスト位置変化量は、
主走査方向:−0.03mm
副走査方向:0.1mm
であり、主走査方向、副走査方向ともに、良好に補正されていることが分かる。このときの楕円率は、
楕円率=0.192
となり、実施例1よりも更に加工は容易となっている。
[実施例3]
楕円率は、カップリングレンズを樹脂化するだけで更に大きく設定することができるようになる。
具体的に、カップリングレンズの材質を表1における樹脂1とし、焦点距離:35.06mmでコリメート作用を有するように、前側主点が半導体レーザ1の発光部から35.06mmはなれた位置に位置するように配置し、半導体レーザ1とカップリングレンズ2とは、線膨張係数:5.0×10−5の材質による保持部材に固定的に保持されているとする。
このとき、アナモフィック光学素子4の回折面の係数:C、Cは、C=7.8×10−3、C=1.55×10−2である。
このときの25℃における45℃のビームウェスト位置変化量は、
主走査方向:0.02mm
副走査方向:0.1mm
であり、主走査方向、副走査方向ともに、良好に補正されていることが分かる。このときの楕円率は、
楕円率=0.5
となり、実施例2よりも更に加工は容易となっている。
[実施例4]
実施例3において、線膨張係数:5.0×10−6の材質による保持部材に変更する。
このとき、アナモフィック光学素子4の回折面の係数:C、Cは、C=9.35×10−3、C=1.71×10−2である。
このときの25℃における45℃のビームウェスト位置変化量は、
主走査方向:−0.03mm
副走査方向:0.04mm
であり、主走査方向、副走査方向ともに、良好に補正されていることが分かる。このときの楕円率は、
楕円率=0.55
となり、実施例3よりも更に加工は容易となっている。
[実施例5]
以上は、光学素子1と光学素子2を独立なものとして扱った光走査装置の例を示したが、この2つの光学素子を一体化させてもよい。すなわち、この一体化光学素子は、半導体レーザから放射された発散性の光ビームを主走査方向には実質的な平行光ビームに変換し、副走査方向には防音ガラスG1を透過してポリゴンミラー5の偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像するように集束する機能を有する。
この場合、一体化した素子を樹脂で成形してもよい。
図5に、上記光走査装置を有する画像形成装置の一例(第2の実施形態)を示す。
この画像形成装置は「タンデム型フルカラー光プリンタ」である。
装置下部側には、水平方向に配設された給紙カセット30から給紙される転写紙(図示せず)を搬送する搬送ベルト32が設けられている。
搬送ベルト32の上部には、複数の像担持体として、イエローY用の感光体7Y、マゼンタM用の感光体7M、シアンC用の感光体7C、及びブラックK用の感光体7Kが上流側から順に等間隔で配設されている。なお、以下において、符号中のY、M、C、Kでイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを区別する。
感光体7Y、7M、7C、7Kは全て同一径に形成され、その周囲に、電子写真プロセスに従いプロセス部材が順に配設されている。感光体3Yを例に採れば、帯電チャージャ40Y、光走査装置50Y、現像装置60Y、転写チャージャ30Y、クリーニング装置80Y等が順に配設されている。他の感光体3M、3C、3Kについても同様である。
すなわち、この画像形成装置は、感光体7Y、7M、7C、7Kを各色毎に設定された被走査面とするものであり、各々に対して光走査装置50Y、50M、50C、50Kが1対1の対応関係で設けられている。
これら光走査装置は、それぞれが図1に示したような光学配置を有するものを独立に用いることもできるし、例えば、特開2004−280056号公報等により、従来から知られたもののように、光偏向器(回転多面鏡)を共用し、各光走査装置における走査光学系のレンズ6−1を、感光体7Mと7Yの光走査に共用するとともに、感光体7K、7Cの光走査に共有するものとすることもできる。
搬送ベルト32の周囲には、感光体7Yよりも上流側に位置させてレジストローラ対9と、ベルト帯電チャージャ10が設けられ、感光体7Kよりも下流側に位置させてベルト分離チャージャ11、除電チャージャ12、クリーニング装置13等が設けられている。ベルト分離チャージャ11よりも搬送方向下流側には定着装置14が設けられ、排紙トレイ15に向けて排紙ローラ16で結ばれている。
このような構成において、例えば、フルカラーモード時であれば、各感光体7Y、7M、7C、7Kに対し、Y、M、C、K各色の画像信号に基づき各光走査装置50Y、50M、50C、50Kによる光走査で静電潜像が形成される。これら静電潜像は対応する色トナーで現像されてトナー画像となり、搬送ベルト32上に静電的に吸着されて搬送される転写紙上に順次転写されることにより重ね合わせられ、定着装置14によりフルカラー画像として定着された後、排紙トレイ15上に排紙される。
かかる画像形成装置に、実施例で説明した光走査装置を用いることにより、常に安定したビームスポット径を得ることができ、高精細な印字に適した画像形成装置をコンパクトで且つ安価に実現できる。
光走査装置の光学配置を示す概要平面図である。 アナモフィック光学素子を説明するための図である。 横軸をデフォーカス量、縦軸をビームスポット径にとったときの主走査方向におけるグラフである。 横軸をデフォーカス量、縦軸をビームスポット径にとったときの副走査方向におけるグラフである。 画像形成装置の概要構成図である。 金属型上における回折面の加工例を示す斜視図である。
符号の説明
1 光源としての半導体レーザ
2 は光学素子1としてのカップリングレンズ
4 光学素子2としてのアナモフィック光学素子
5 光偏向器としてのポリゴンミラー
6 光学素子3としての走査光学系
7Y、7M、7C、7K 像担持体としての感光体
8 被走査面
50Y、50M、50C、50K 光走査装置

Claims (11)

  1. 光源からの光ビームを所望のビーム形態の光ビームに変換する光学素子1と、
    該光ビームを光偏向器に導光する光学素子2と、
    上記光偏向器により偏向された光ビームを被走査面上に集光させて光スポットを形成し、該被走査面を光走査する光学素子3と、
    を備えた光走査装置において、
    上記光源と上記光学素子1は同一の連続した部材によって固定されており、
    上記光学素子1、2のうち1つは回折光学素子であり、
    上記回折光学素子は、その回折部パワーが光走査装置内部の温度変化に起因する主走査方向および副走査方向のビームウェスト位置の変動を略0とするように設定された楕円形状の溝を有しており、
    上記光源と上記光学素子1を固定している部材の線膨張係数を、上記楕円形状の楕円率を増大させるように設定したことを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、
    上記回折光学素子の回折面と反対側の面は、アナモフィックな屈折面であることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項1又は2記載の光走査装置において、
    上記回折光学素子の回折面は、その回折部パワーと屈折部パワーの総合パワーが0であるマルチステップ形状をしていることを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    上記回折光学素子は、上記光学素子2として採用されていることを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項4記載の光走査装置において、
    上記光学素子2は、樹脂で成形されていることを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    上記光学素子1は、樹脂で成形されていることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項1記載の光走査装置において、
    上記光学素子1が回折光学素子であり、且つ、上記光学素子1が上記光学素子2の機能を兼ねていることを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項7記載の光走査装置において、
    上記光学素子1の回折面と反対側の面は、アナモフィックな屈折面であることを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項7、8記載の光走査装置において、
    上記光学素子1の回折面は、その回折部パワーと屈折部パワーの総合パワーが0であるマルチステップ形状をしていることを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか1つに記載の光走査装置において、
    上記光学素子1は、樹脂で成形されていることを特徴とする光走査装置。
  11. 感光性の像担持体に対して光走査手段による光走査を行って潜像を形成し、この潜像を現像手段で可視化して画像を得る画像形成部を1以上有する画像形成装置において、
    上記光走査手段として、請求項1〜10のいずれか1つに記載の光走査装置を1つ用いたことを特徴とする画像形成装置。
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