JP4568618B2 - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は光走査装置および画像形成装置に関する。
光走査装置は従来から、光プリンタやデジタル複写機、光プロッタ等の画像形成装置に関連して広く知られているが、近時、低価格化とともに「環境変動の影響を受け難く、高精細な画像を形成できる光走査装置」が求められている。また、光走査装置を用いる画像形成装置として、複数の感光体を光走査し、形成される静電潜像を異なる色のトナーで可視化し、得られる色違いのトナー画像を合成してカラー画像を得る方式のものも知られている(特許文献1)。
光走査装置に用いられる各種のレンズを樹脂材料で形成すると、樹脂製レンズは、軽量で低コストに形成でき、また、非球面に代表される特殊な面形状の形成が容易であるため、樹脂製レンズに特殊面を採用することにより、光学的な特性を向上させるとともに、光学系を構成するレンズ枚数を低減させることができる。
即ち、樹脂製レンズの採用は、光走査装置のコンパクト化・軽量化・低コスト化に資するところが大きい。しかし反面、良く知られたように、樹脂製レンズは、環境変化、特に温度変化に伴って、形状が変化したり屈折率が変化したりするので、光学特性とくにパワーが設計値から変化し、被走査面上の光スポットの径である「ビームスポット径」が環境変動により変動する問題がある。
温度変化に伴う樹脂製レンズのパワー変動は、正レンズと負レンズとで互いに逆に発生するので、光走査装置の光学系内に、正と負の樹脂製レンズを含め、これら正・負樹脂製レンズにおいて発生する「環境変化に起因する光学特性変化」を互いに相殺させる方法は従来から良く知られている。
また、光走査装置の光源として一般的な半導体レーザは、温度が上昇すると発光波長が長波長側へずれる性質(「温度変化による波長変化」)があり、また「モードホップ」による波長変化もある。光源における波長変化は、光走査装置に用いられる光学系の色収差による特性変化を惹起し、この特性変化もビームスポット径変動の原因となる。
したがって、光学系内に樹脂製レンズを含み、光源に半導体レーザを用いる光走査装置では、温度変化に伴う光学特性の変化とともに、光源における波長変化に伴う光学特性の変化をも考慮した光学設計を行う必要がある。
温度変化に伴う光学特性の変化と、光源における波長変化とを考慮し、パワー回折面を採用して光学特性を安定させた光走査装置(レーザ走査装置)として、特許文献2〜4記載のものが知られている。
特許文献2は、レーザ光源から射出されたレーザ光を主走査方向には平行光とし副走査方向には光偏向器の偏向反射面近傍に集光させる光源光学系を「回転対称軸を持たない1面以上の反射面と、2面の透過面とを有し、透過面にパワー回折面を設け、樹脂で構成された1つの光学素子」とした光走査装置を開示し、また、比較例として「半導体レーザからの光ビームをコリメートする樹脂製のコリメータレンズと、コリメートされた光ビームを副走査方向に集束させる樹脂製のシリンダレンズの各々に1面ずつパワー回折面を設けた光走査装置」を開示している。「パワー回折面」は、回折によるレンズパワーを持つ回折面である。
特許文献3は、光偏向器よりも光源側に回折面を配すると共に、偏向光束を被走査面に向かって収束させる走査光学系にも回折面を配し、波長変動に伴う回折角の変化により、「被走査面を走査する光束の集光位置」の変動を軽減・補償する方法を開示している。
特許文献4は、半導体レーザから放射される発散性のレーザ光束を平行光束化するコリメートレンズのレンズ面をパワー回折面とすることにより、半導体レーザの発光波長変動に伴う「被走査面を走査するレーザ光束の集光位置の変動」を補正する方法を開示している。
特許文献2記載の「回転対称軸を持たない1面以上の反射面と、2面の透過面とを有し、透過面にパワー回折面を設け、樹脂で構成された1つの光学素子」による光源光学系は、1つの光学素子内に透過面と反射面とを形成しなければならず、曲面形状の反射面が含まれるため製造が必ずしも容易ではない。
また、半導体レーザからのレーザ光束を平行光束化するコリメータレンズは一般に「光走査装置に用いられる光学素子のうちで最も強いパワーを持つレンズ」であり、特許文献2に「比較例として開示されているもの」や特許文献4のように、コリメータレンズにパワー回折面を採用する場合には、副作用として「コリメートされた光ビームの波面収差の劣化」が懸念される。光ビームの波面収差の劣化は、ビームスポット径を増大させる作用を有するため、高精細な画像形成を行うために極めて小さいビームスポット径が要求される場合には重大な問題となる。
また、光走査装置では、光源と被走査面との間に配置される光学素子のうちに「主走査方向と副走査方向とで結像作用の異なるアナモフィック光学素子」が含まれるのが一般的であり、光走査装置における結像作用は主走査方向と副走査方向とで一般に異なる。上記特許文献2や特許文献4記載の「コリメートレンズにパワー回折面を形成する方法」では、形成されるパワー回折面が光軸に関して回転対称であるため、半導体レーザの発光波長変動の影響を主走査方向と副走査方向とで独立に補正できない。
また、特許文献3に記載の方法の場合、パワー回折面を形成する「偏向光束を被走査面に向かって収束させる走査光学系」は一般に主走査方向に長い大型のレンズであり、このような大型のレンズの有効領域に回折面を形成しようとすると、回折面が大面積になるため、回折面の加工に時間がかかり、回折面を形成したレンズの製造効率が低いためコストアップを招来し易い。
特開2004−280056 特開2002−287062 特許第3397683号明細書 特開2000−171741
この発明は上述した事情に鑑み、パワー回折面を用いた光走査装置において、温度変動によるビームスポット径変動のみならず、モードホップによる発振波長の変化によるビームスポット径変動をも低減し、より安定したビームスポット径で光走査を行い得る光走査装置の実現、さらには、かかる光走査装置を用いる画像形成装置の実現を課題とする。
この発明の光走査装置は「半導体レーザからの光ビームをカップリングレンズにより所望のビーム形態の光ビームに変換した後、アナモフィック光学素子を介して光偏向器に導光し、光偏向器により偏向された光ビームを、走査光学系により被走査面上に集光させて光スポットを形成し、被走査面を光走査する光走査装置」であって、以下のごとき特徴を有する(請求項1)。
即ち、「走査光学系」は1以上の樹脂製レンズを含む。
また、カップリングレンズ側からの光ビームを光偏向器に導光する「アナモフィック光学素子」は、片面が「球面上に同心円状のパワー回折面を形成」され、他方の面が「シリンドリカル面上に直線状のパワー回折面を形成」された樹脂製レンズである。
そして、半導体レーザにおけるモードホップや温度変化に起因する、主走査方向および/または副走査方向のビームウエスト位置の変動を「略0とする」ように、上記各パワー回折面のパワーが設定される。
即ち、使用環境範囲内における半導体レーザの温度変化や上記半導体レーザにおけるモードホップに起因する、「主走査方向の集光におけるビームウエスト位置」および/または「副走査方向の集光におけるビームウエスト位置」の、被走査面位置に対する変動を、各パワー回折面による回折角変化により補償するように、各パワー回折面のパワーを設定する。
「パワー回折面」は前述の如く、レンズ作用と同等な回折機能を有する回折面であり、これが同心円状であるとは「パワー回折面を構成する格子溝の形状が同心円状である」ことを意味し、これが主走査方向に平行な直線状であるとは「パワー回折面を構成する格子溝の形状が主走査方向に平行な直線状である」ことを意味する。上記「モードホップや温度変化に起因する」とは「モードホップおよび/または温度変化に起因する」との意味である。
上記の如く「カップリングレンズ」は、半導体レーザからの光ビームを「所望のビーム形態の光ビーム」に変換するが、ここに言う「所望のビーム形態の光ビーム」は、「平行ビーム」であることもできるし「弱い発散性もしくは弱い収束性の光ビーム」であることもできる。カップリングレンズにより変換された光ビームがどのようなものであるかに応じて、カップリングレンズよりも像側の光学系の性質が調整されるのである。
光走査装置が被走査面上に形成する光スポットは、光源である半導体レーザの発光部の像であるが、光源と被走査面との間に配置される光学系のパワーは一般に、主走査方向と副走査方向とで異なっているので、ビームウエスト位置は、主走査方向と副走査方向とで別個に考える必要がある。
即ち、被走査面に向かって集光する光束の「主走査方向での集光におけるビームウエスト位置」は、「副走査方向での集光におけるビームウエスト位置」と別個に考慮する必要がある。
以下では、「主走査方向での集光におけるビームウエスト位置」を簡単に「主走査方向のビームウエスト位置」と称し、「副走査方向での集光におけるビームウエスト位置」を簡単に「副走査方向のビームウエスト位置」と称する。
上記「球面上に同心円状のパワー回折面が形成される。」とは、同心円状のパワー回折面が形成される面自体が球面形状であることを意味し、「シリンドリカル面上に直線状のパワー回折面が形成される。」とは、直線状のパワー回折面が形成される面自体がシリンドリカル面であることを意味する。
このようにパワー回折面を球面やシリンドリカル面上に形成すると、パワー回折面のパワーと「パワー回折面の形成された曲面の光学パワー」とをパワーとして合成することができる。
請求項1の光走査装置におけるアナモフィック光学素子は「同心円状のパワー回折面のパワーと、この同心円状のパワー回折面が形成されている球面のパワーとを、基準波長に対して相殺させる」ことにより、「基準波長に対して、主走査方向にパワーを持たず、副走査方向に正のパワーを有する光学素子」として構成することができる(請求項2)。
「基準波長」は、光学系設計上の半導体レーザの発光波長である。
半導体レーザの「基準波長からのモードホップによる発光波長変化」は0.8nm以下である。
この場合、カップリングレンズのカップリング作用は「コリメート作用」とするのが好ましい。
アナモフィック光学素子が「主走査方向にパワーを持たない」ようにすると、光学系の初期の組付け時における加工誤差や組み付け誤差などに起因する副走査方向のビームウエスト位置変動を、アナモフィック光学素子を光軸方向へ変位させることにより「主走査方向の光学特性に影響を与えることなく」調整することができる。
請求項1の場合のように、片方の面を「球面に形成された同心円状のパワー回折面」とすると、この面は光軸を回転軸とした回転によって光学性能の劣化には寄与しなくなるので、入射面と射出面の位置合わせが容易である。
請求項1または2記載の光走査装置におけるカップリングレンズは「ガラス製レンズ」である。ガラス製レンズは環境変動の影響を受けにくいので、ガラス製カップリングレンズを用いると他の光学素子の設計が容易になる。
この発明の光走査装置に関して若干付言すると、光源として用いられる半導体レーザは通常のものを1つ用いてシングルビーム走査方式を行うように構成することもできるが、半導体レーザアレイや「2以上の半導体レーザからの光ビームを合成する方式」の光源を用いることにより、周知の「マルチビーム走査方式」を実行するように構成することもできる。
この発明の画像形成装置は「感光性の像担持体に対して光走査手段による光走査を行って潜像を形成し、この潜像を現像手段で可視化して画像を得る画像形成部を1以上有する画像形成装置」であって、像担持体の光走査を行う光走査手段として請求項1または2記載の光走査装置を1以上用いたことを特徴とする(請求項3)。
画像形成部は1以上であるから、画像形成部を1つとしてモノクロームの画像形成を行うようにすることもできるし、2以上の画像形成部にして2色画像や多色画像、さらにはカラー画像を形成するように画像形成装置を構成することもできる。この場合、各画像形成部において光走査を行う光走査装置は、画像形成部ごとに別個のものであってもよいし、例えば、特許文献1等により知られたように「光学要素の一部、例えば光偏向器や走査光学系の一部を、複数の走査光学系で共有する」ようにしてもよい。
画像形成部が2以上ある場合、2以上の画像形成部を同一の像担持体に対して異なる位置に設定することもできるし、所謂タンデム式のカラー画像形成装置のように、前後方向に配列させた複数の像担持体の個々に対して個別の画像形成部を設定することもできる。
ここで、光走査装置の光学系に樹脂製レンズが含まれる場合に、環境変動や波長変化に対して「被走査面に向かって集光される光ビーム」のビームウエスト位置の変動を簡単に考察する。
先ず、温度変動によるビームウエスト位置変動の原因となるものとして、温度変動に伴う「樹脂製レンズの屈折率自体の変化」、「樹脂製レンズの形状変化」、「半導体レーザの波長変化による樹脂製レンズの屈折率変化(色収差)」が考えられる。
「樹脂製レンズの屈折率」は温度上昇に伴う膨張による低密度化により減少する。
「樹脂製レンズの形状」は、温度上昇に伴う膨張によりレンズ面の曲率が減少する。
「半導体レーザの発光波長」は、一般に温度上昇とともに長波長側へずれる。波長が長波長側へずれると、樹脂製レンズの屈折率は、一般に、減少する側へずれる。
即ち、樹脂製レンズは、正レンズであるか負レンズであるかに拘わらず、温度上昇とともにその「半導体レーザからの光に対するパワーの絶対値」が減少するように変化する。
一方、パワー回折面の「回折部」によるパワーは、回折角が波長に比例するところから、パワー回折面の「回折部」のパワーは、それが正であっても負であっても、パワーの絶対値は「波長が長くなると大きくなる」傾向を持つ。
従って、例えば、光走査装置の光学系における「樹脂製レンズの合成パワー」が正(または負)である場合には、パワー回折面の「回折部」のパワーを正(または負)とすることにより、樹脂製レンズにおける「温度変動に伴うパワー変化」を、パワー回折面の「回折部」における「温度変動に伴うパワー変化」で相殺することが可能になる。
上記の如く、この発明の光走査装置に用いられるアナモフィック光学素子のパワー回折面は、球面やシリンドリカル面に形成され、回折面を形成している基板に当たる部分もパワーを有する。このように「基板に当たる部分」の有するパワーを除いた部分、即ち、回折面のみのパワーを生じる部分を、上記の如くパワー回折面の「回折部」と称するのである。
説明を具体的にするため、光学系内に含まれる樹脂製レンズのパワーと、パワー回折面の「回折部」のパワーがともに正である場合に、環境温度が上昇した場合を考える。
このとき、
樹脂製レンズの屈折率の変化によるビームウエスト位置変動量:A
樹脂製レンズの形状変化によるビームウエスト位置変動量:B
半導体レーザの発光波長変化に起因する樹脂製レンズの屈折率変化によるビームウエスト位置変動量:C
半導体レーザの発光波長変化に起因するパワー回折面の「回折部」におけるパワー変化によるビームウエスト位置変動量:D
とすると、A>0、B>0、C>0で、D<0(光偏向器から離れる向きの変化を正としている。)である。
そして、この温度変化に伴うトータルのビームウエスト位置変動量は、A+B+C−Dである。A〜Cは、樹脂製レンズを含む光学系が定まれば定まるので、ビームウエスト位置変動量が0となる条件:A+B+C−D=0を満たすようにパワー回折面の「回折部」のパワーを設定することにより、温度変化に伴うビームウエスト位置変動を良好に補正できる。
ところで、前述したように光源である半導体レーザの発光波長の変化は、温度変化によるもののみでなく、モードホップによる波長変化もある。モードホップによる発光波長変化は微視的な物理現象によって引き起こされるため予測が極めて困難である。
モードホップによる発光波長変化は温度変化と無関係に生じ、「基準温度からの温度変化がない状態」でモードホップによる発光波長変化が起こると、上記AとBは0であるから、モードホップによるDの変化が過剰となり、ビームウエスト位置変動量がC−D<0となって補正されず、ビームウエスト位置が大きく変化する。
このように、光走査装置にパワー回折面を採用した場合、温度変動によるビームウエスト位置変動を補正するだけでなく、モードホップによる発光波長変化によるビームウエスト位置変動を低減するようにしないと、常に安定したビームスポット径を得ることはできない。
温度変動によるビームウエスト位置変動を補正するだけでなく、モードホップによる発光波長変化によるビームウエスト位置変動を低減するには、パワー回折面の「回折部」に与えるパワーを適切に設定する必要がある。パワー回折面の「回折部」に余り大きなパワーを与えてしまうと、モードホップによる発光波長変化によるビームウエスト位置変動を増大させてしまう。
以上を鑑み、この発明の光走査装置では、半導体レーザにおけるモードホップや温度変化に起因する、主走査方向および/または副走査方向のビームウエスト位置の変動を「略0とする」ように、パワー回折面の「回折部」のパワーを設定するのである。
このように設定されるパワー回折面の「回折部」の(主走査方向および/または副走査方向の)パワー:Pm(主走査方向)、Ps(副走査方向)は、カップリングレンズのパワー:Pcm(主走査方向)、Pcs(副走査方向)に対して、
(1)4<Pcm/Pm<26
(2)0.5<Pcs/Ps<26
の範囲であることが好ましい。この発明においては、アナモフィック光学素子の入射側面・射出側面ともにパワー回折面が形成されるので、ここに言うPm、Psはアナモフィック光学素子各面のパワー回折面のパワーを「主・副走査方向それぞれ合成したパワー」である。
条件(1)のパラメータ:Pcm/Pmを横軸にとり、モードホップによる発光波長変化による主走査方向のビームウエスト位置の変動量を縦軸にとり、両者の関係を調べると、「モードホップによる発光波長変化による主走査方向のビームウエスト位置の変動量」はパラメータ:Pcm/Pmの増加と共に直線的に増大する。
「モードホップによる発光波長変化による主走査方向のビームウエスト位置の変動量」は0.5mm以下に抑えることが好ましい。上記直線的な増大の関係において「モードホップによる発光波長変化による主走査方向のビームウエスト位置の変動量:0.5mm」に対応するパラメータ:Pcm/Pmの値は26である。従って、条件(1)のパラメータの上限値は26として与えられる。
条件(1)のパラメータ:Pcm/Pmを横軸にとり、温度変化による主走査方向のビームウエスト位置の変動量を縦軸にとり、両者の関係を調べると、「温度変動による主走査方向のビームウエスト位置の変動量」はパラメータ:Pcm/Pmの増加と共に直線的に減少する。
「温度変化による主走査方向のビームウエスト位置の変動量」も0.5mm以下に抑えることが好ましい。上記直線的な減少の関係において「温度変化による主走査方向のビームウエスト位置の変動量:0.5mm」に対応するパラメータ:Pcm/Pmの値は4である。従って、条件(1)のパラメータの下限値は4として与えられる。
条件(2)についても同様であり、条件(2)のパラメータ:Pcs/Psを横軸にとり、モードホップによる発光波長変化による副走査方向のビームウエスト位置の変動量を縦軸にとり、両者の関係を調べると、「モードホップによる発光波長変化による副走査方向のビームウエスト位置の変動量」は、パラメータ:Pcm/Pmの増加と共に直線的に増大する。
「モードホップによる発光波長変化による副走査方向のビームウエスト位置の変動量」も0.5mm以下に抑えることが好ましく、上記直線的な増大の関係において「モードホップによる発光波長変化による副走査方向のビームウエスト位置の変動量:0.5mm」に対応するパラメータ:Pcs/Psの値は26である。従って、条件(2)のパラメータの上限値は26として与えられる。
条件(2)のパラメータ:Pcs/Psを横軸にとり、温度変化による副走査方向のビームウエスト位置の変動量を縦軸にとり、両者の関係を調べると、「温度変動による副走査方向のビームウエスト位置の変動量」はパラメータ:Pcs/Psの増加と共に直線的に減少する。
「温度変化による副走査方向のビームウエスト位置の変動量」も0.5mm以下に抑えることが好ましい。上記直線的な減少の関係において「温度変化による副走査方向のビームウエスト位置の変動量:0.5mm」に対応するパラメータ:Pcs/Psの値は0.5である。従って、条件(2)のパラメータの下限値は0.5として与えられる。
上記の如く、この発明の光走査装置では、半導体レーザにおけるモードホップや温度変化に起因する、主走査方向および/または副走査方向のビームウエスト位置の変動を「略0とする」ように、パワー回折面のパワーを設定するので、温度変動のみならずモードホップによる発光波長変動に対してもビームウエスト位置変動が有効に補正され、常に安定したビームスポット径で光走査を行うことができ、この光走査装置を用いることによりこの発明の画像形成装置は安定した画像形成が可能である。
以下、発明の実施の形態を説明する。
図1は、光走査装置の実施の1形態の光学配置を示している。
符号1は光源である半導体レーザ、符号2はカップリングレンズ、符号3はアパーチュア、符号4はアナモフィック光学素子、符号5は光偏向器である回転多面鏡のポリゴンミラー、符号6は走査光学系、符号8は被走査面をそれぞれ示す。また、符号G1はポリゴンミラー5を収納する防音ハウジング(図示されず)の窓を塞ぐ防音ガラスを示し、符号G2は図1の光学系を収納するハウジングの偏向光ビームの射出部に設けられた防塵ガラスを示している。
半導体レーザ1から放射された発散性の光ビームは、カップリングレンズ2により実質的な平行光ビームに変換され、アパーチュア3によりビーム整形されてアナモフィック光学素子4に入射する。アナモフィック光学素子4を透過した光ビームは、副走査方向に集束しつつ防音ガラスG1を透過してポリゴンミラー5の偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像し、偏向反射面に反射されると、防音ガラスG1を透過して走査光学系6に入射する。
走査光学系6は2枚のレンズ6−1、6−2により構成され、これらレンズ6−1、6−2を透過した光ビームは防塵ガラスG2を介して被走査面8に入射し、走査光学系6の作用により被走査面8上に光スポットを形成する。
ポリゴンミラー5が等速回転すると、偏向反射面により反射された光ビームは等角速度的に偏向する。走査光学系6は等角速度的に偏向しつつ入射してくる光ビームによる光スポットが、被走査面上において主走査方向(図の上下方向)へ等速的に移動するようにするfθ特性を有しており、光スポットは、被走査面8を等速的に光走査する。
走査光学系6もアナモフィックで、副走査方向においてはポリゴンミラー5の偏向反射面位置と被走査面位置とを幾何光学的な共役関係としており、これによりポリゴンミラーの面倒れを補正している。被走査面8は、実体的には「感光性媒体の感光面」である。
アナモフィック光学素子4は「片面が、球面上に同心円状のパワー回折面が形成された面で、他方の面が、シリンドリカル面上に直線状のパワー回折面が形成された面」であるアナモフィックな樹脂製レンズである。
図2はアナモフィック光学素子4を説明図的に示している。
図2において、(2A)に示すのは「アナモフィック光学素子4の入射側面を光軸方向から見た図」であり、(2B)に示すのは「アナモフィック光学素子4の射出側面を光軸方向から見た図」である。これらの図においては、左右方向が主走査方向、上下方向が副走査方向である。また、(2C)はアナモフィック光学素子4の「光軸を含み主走査方向に平行な仮想的断面上の断面形状」を説明図的に示し、(2D)はアナモフィック光学素子4の「光軸を含み副走査方向に平行な仮想的断面上の断面形状」を説明図的に示している。
アナモフィック光学素子4の入射側面4Aは、図(2A)に示すように、光軸方向から見ると「同心円状の溝の集合によるパワー回折面」が形成されているが、このパワー回折面4ARは図(2C)、(2D)に示すように「凹の球面」の上に形成されている。入射側のパワー回折面4ARの「同心円状のパワー回折面」は正のパワーを有するが、このパワー回折面を形成された凹球面は負のパワーを有する。同心円状のパワー回折面による正のパワーと、凹の球面による負のパワーとは基準波長に対しては互いに相殺する。
アナモフィック光学素子4の射出側面4Bは、図(2B)に示すように、光軸方向から見ると、「直線状の溝の集合」による直線状のパワー回折面4BRが形成されている。このパワー回折面4BRは図(2D)に示すように「凹のシリンドリカル面」の上に形成されている。射出側のパワー回折面4BRの「直線状のパワー回折面」は副走査方向に正のパワーを有するが、このパワー回折面を形成された凹シリンドリカル面は負のパワーを有する。直線状のパワー回折面による副走査方向の正のパワーは、基準波長に対して凹シリンドリカル面による副走査方向の負のパワーを凌駕する。
従って、アナモフィック光学素子4は、同心円状のパワー回折面のパワーと、このパワー回折面が形成されている凹球面のパワーとが基準波長に対して相殺し、直線状のパワー回折面による副走査方向の正のパワーが、基準波長に対して凹シリンドリカル面による副走査方向の負のパワーを凌駕することにより、「基準波長に対して、主走査方向にパワーを持たず、副走査方向に正のパワーを有する」光学素子となっている。
従って、光源側からアナモフィック光学系4に入射する光ビーム(平行光ビーム)は、アナモフィック光学素子4を透過すると、主走査方向には平行で、副走査方向には集束するビーム形態となる。
パワー回折面の主・副走査方向のパワーは、半導体レーザ1におけるモードホップや温度変化に起因する、「主走査方向および/または副走査方向のビームウエスト位置」の被走査面位置に対する変動を略0とするように設定される。
以下、上記実施の形態に関する具体的な実施例を挙げる。
実施例および後述する比較例において用いるガラス材料(ガラス1およびガラス2と称する。)および樹脂材料(樹脂と称する。)のデータを表1に挙げる。
Figure 0004568618
表1において「中央値」とあるのは、基準温度:25℃における使用波長(基準波長)に対する屈折率、「波長飛び」とあるのは、モードホップにより波長飛びを生じたときの屈折率、「温度変動」とあるのは、温度が基準温度から20度上昇したときの屈折率である。モードホップによる「波長飛び」は、余裕を見て0.8nmの波長変化を想定している。
光学系の各要素は以下の如くである。
「光源」
光源である半導体レーザ1は、基準波長である設計上の発光波長:655nmで、標準温度:25℃に対して温度が1℃上昇すると、発光波長が0.2nm長波長側へずれる。モードホップは上記の如く0.8nmの波長変化を想定している。
「カップリングレンズ」
カップリングレンズ2は、上記ガラス1を材料とするガラスレンズであり、焦点距離:27mmでコリメート作用を有するように、前側主点が半導体レーザ1の発光部から27mm離れた位置になるように配置される。カップリングレンズ2には非球面が用いられ、コリメートされた光ビームの波面収差を非球面により十分に補正している。
半導体レーザ1とカップリングレンズ2とは、線膨張係数:7.0×10−5の材質による保持部材に固定的に保持されている。
「アパーチュア」
アパーチュア3は、主走査方向の開口径:8.14mm、副走査方向の開口径:2.96mmの「長方形形状の開口」を有し、カップリングレンズ2によりコリメートされた光ビームをビーム整形する。
「アナモフィック光学素子」
アナモフィック光学素子4は、入射側面が「凹球面上に形成された同心円状のパワー回折面」で、射出側面は「凹シリンドリカル面に形成された直線状のパワー回折面」を形成したものである。
入射側面のパワー回折面は、位相関数:Winが、
in=C・r
で表されるものであり、射出側面のパワー回折面は、位相関数:woutが、
out=C・Z
で表されるものである。尚、rは、主走査方向の座標をY、副走査方向の座標をZ(共に光軸位置を原点とする。)として、
=Y+Z
で表される。
上記係数:C、Cは、
=−1.07033×10−3、C=−7.8825×10−3
である。
「光偏向器」
光偏向器のポリゴンミラー5は反射面数:5面で内接円半径:18mmのものである。
アナモフィック光学素子4の射出側面と、ポリゴンミラー5の回転軸との距離は、図1の配置で「左右方向の距離:x」、「上下方向の距離:y」が、x=82.97mm、y=112.77mmに設定されている。
防音ガラスG1はガラス1を材質とし、厚さ:1.9mmで、上記y方向(図の上下方向)からの傾き角:αは16度である。
また、光源側から入射する光ビームの進行方向と、偏向反射面により「被走査面8における像高:0の位置へ向けて反射される光ビームの進行方向」のなす角:θは58度である。表2に、上に述べた「光源から光偏向器までの光学系データ」を示す。
Figure 0004568618
上の表記に於いて、Rは主走査方向の曲率半径、Rは副走査方向の曲率半径、Lは面間隔で、単位はmmである。
表3に、光偏向器以降の光学系データを与える。
Figure 0004568618
上の表記においてRは「主走査方向の近軸曲率」、Rは「副走査方向の近軸曲率」であり、D、Dは「各光学素子の原点から次の光学素子の原点までの相対距離」を表している。単位はmmである。
例えば、光偏向器に対するD、Dについてみると、光偏向器(ポリゴンミラー5)の回転軸から見て、走査光学系6のレンズ6−1の入射面の原点(入射側面の光軸位置)は、光軸方向(x方向、図1の左右方向)に79.75mm離れ、主走査方向(y方向、図1の上下方向)に8.8mm離れている。
また、レンズ6−1の光軸上の肉厚は22.6mm、レンズ6−1と6−2の間の面間隔は75.85mm、レンズ6−2の光軸上の肉厚は4.9mm、レンズ6−2から被走査面までの距離は158.71mmである。なお、走査光学系6のレンズ6−2と被走査面の間には、図1に示すように「表1のガラス1」を材質とする厚さ:1.9mmの防塵ガラスG2が配置される。
走査光学系6のレンズ6−1、6−2の各面は非球面である。
レンズ6−1の入射側面とレンズ6−2の入射側面および射出側面は、主走査方向には「式1で与えられる非円弧形状」で、副走査断面(光軸と副走査方向とに平行な仮想的断面)内の曲率が主走査方向に「式2に従って変化」する特殊面である。
また、レンズ6−1の射出側面は「式3により表現される共軸非球面」である。
「非円弧形状」
主走査断面内の近軸曲率半径:R、光軸からの主走査方向の距離:Y、円錐定数:K、高次の係数:A、A、A、A、A、…、光軸方向のデプス:Xとして周知の次式1で表現される。
X=(Y2/Rm)/[1+√{1-(1+Km)(Y/Rm)2}]+A1Y+A2Y2+A3Y3+A4Y4+A5Y5+・・(式1)
「副走査断面における曲率の変化」
副走査断面内の曲率:C(Y)(Y:光軸位置を原点とする主走査方向の座標)が主走査方向に変化する状態を表現する式は、光軸を含む副走査断面内の曲率半径:R(0)、B、B、B、…を係数として次の通りである。
Cs(Y)={1/Rs(0)}+B1Y+B2Y2+B3Y3+B4Y4+・・ (式2)
「回転対称非球面」
近軸曲率半径:R、光軸からの距離:H、円錐定数:K、高次の係数をA、A、A、A、A、…、光軸方向のデプス:Xとして次式で表される。
X=(H2/R)/[1+√{1-(1+K)(H/R)2}]+A1Y+A2Y2+A3Y3+A4Y4+A5Y5+・・(式3)
レンズ6−1の入射側面(特殊面)の係数を表4に挙げる。
Figure 0004568618
レンズ6−1の射出側面(共軸非球面)の係数を表5に挙げる。
Figure 0004568618
レンズ6−2の入射側面(特殊面)の係数を表6に挙げる。
Figure 0004568618
レンズ6−2の射出側面(特殊面)の係数を表7に挙げる。
Figure 0004568618
実施例1における、主走査方向及び副走査方向のビームスポット径と「被走査面位置からのデフォーカス量(被走査面位置から被走査面に直交する方向へのずれ)」の関係を、図3(a)、(b)に示す。
これらの図には、基準温度:25℃のときの関係(「常温」)と、常温に対して20℃の温度上昇があるときの関係(「温度変動」)と、モードホップにより発光波長が0.8nm変化した場合の関係(「波長飛び」)を示している。
図3(a)は主走査方向のビームスポット径、(b)は副走査方向のビームスポット径に関するものであり、何れも「光スポットの像高:0」のときのものである。図3から明らかなように、実施例1の光走査装置では、ビームスポット径とデフォーカス量との関係は、主・副走査方向とも「常温状態でも温度変動状態でも波長飛び状態でも」実質的に変化しない。このことは、主走査方向・副走査方向のビームウエスト位置が、温度変動やモードホップに拘わらず実質的に変化しない(ビームウエスト位置が被走査面位置から変動していない。)ことを意味している。
因みに、実施例1において、パワー回折面の主・副走査方向のパワー:Pm(主走査方向)、Ps(副走査方向)と、カップリングレンズの(主走査方向および/または副走査方向の)パワー:Pcm(主走査方向)、Pcs(副走査方向)に対する比:Pcm/Pm、Pcs/Psの値はそれぞれ、
Pcm/Pm=9.2、Pcs/Ps=1.1
であって、前述の条件(1)、(2)を満足する。なお、Pmは、入射側面におけるパワー回折面(同心円状のパワー回折面)の回折部の主走査方向のパワーであり、Psは、入射側面のパワー回折面の回折部の副走査方向のパワーと、射出側面のパワー回折面の回折部の副走査方向のパワーを合成したパワーである。
即ち、上記実施例1の光走査装置は、半導体レーザ1からの光ビームをカップリングレンズ2により所望のビーム形態の光ビームに変換した後、アナモフィック光学素子4を介して光偏向器5に導光し、光偏向器により偏向された光ビームを、走査光学系6により被走査面8上に集光させて光スポットを形成し、被走査面8を光走査する光走査装置であって、走査光学系6は1以上の樹脂製レンズ6−1、6−2を含み、アナモフィック光学素子4は、片面が同心円状のパワー回折面を有する回転対称形状な面であり、他方の面が主走査方向に平行で副走査方向にのみ集光作用を有するパワー回折面を有する面である樹脂製レンズであり、半導体レーザ1におけるモードホップや温度変化に起因する、主走査方向および副走査方向のビームウエスト位置の変動を略0とするように、各パワー回折面のパワーを設定したものである
また、アナモフィック光学素子4は、片面が、球面上に同心円状のパワー回折面を形成され、他方の面が、シリンドリカル面上に直線状のパワー回折面を形成されたものであり、同心円状のパワー回折面のパワーと、このパワー回折面が形成されている球面のパワーとが基準波長に対して相殺することにより、基準波長に対して、主走査方向にパワーを持たず、副走査方向に正のパワーを有する。また、カップリングレンズ2はガラス製レンズである
以下に、比較例を挙げる。
「比較例」
比較例では、上記実施例1において、アパーチュア3の開口の開口径を主走査方向につき7.85mm、副走査方向につき3mmに変え、アナモフィック光学素子4として「表1のガラス2」を材質とするシリンダレンズを用いた。また、光偏向器以降の光学配置に対して、実施例1と条件を同じにするため、シリンダレンズと光偏向器との位置関係を変更した。他は実施例1と同一である。
比較例の光源から光偏向器までのデータを表2に倣って表8に示す。
Figure 0004568618
図4は、比較例の光走査装置における、主走査方向及び副走査方向のビームスポット径とビームウエスト位置が、被走査面に対してデフォーカスしたときの関係を、図3(a)、(b)に倣って示している。これらの図には基準温度:25℃のときの関係(「常温」)と、常温に対して20℃の温度上昇があるときの関係(「温度変動」)とを示している。
図4から明らかなように、比較例ではパワー回折面が用いられていないので、温度が上昇すると主走査方向(図4(a))・副走査方向(図4(b))ともにビームウエスト位置変動が大きく、高精細な画像書き込み行うためには、環境変動によるビームウエスト位置変動を極力抑える措置が必要となることが分かる。
図5は、画像形成装置の実施の1形態を略示している。
この画像形成装置は「タンデム型フルカラー光プリンタ」である。
装置下部側には、水平方向に配設された給紙カセット30から給紙される転写紙(図示されず)を搬送する搬送ベルト32が設けられている。搬送ベルト32の上部には、イエローY用の感光体7Y、マゼンタM用の感光体7M、シアンC用の感光体7C、及びブラックK用の感光体7Kが上流側から順に等間隔で配設されている。なお、以下において、符号中のY、M、C、Kでイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを区別する。
感光体7Y、7M、7C、7Kは全て同一径に形成され、その周囲に、電子写真プロセスに従いプロセス部材が順に配設されている。感光体3Yを例に採れば、帯電チャージャ40Y、光走査装置50Y、現像装置60Y、転写チャージャ30Y、クリーニング装置80Y等が順に配設されている。他の感光体3M、3C、3Kについても同様である。
即ち、この画像形成装置は、感光体7Y、7M、7C、7Kを各色毎に設定された被走査面とするものであり、各々に対して光走査装置50Y、50M、50C、50Kが1対1の対応関係で設けられている。
これら光走査装置は、それぞれが図1に示したような光学配置を有するものを独立に用いることもできるし、例えば、特開2004−280056等により従来から知られたもののように、光偏向器(回転多面鏡)を共用し、各光走査装置における走査光学系のレンズ6−1を、感光体7Mと7Yの光走査に共用するとともに、感光体7Kと7Cの光走査に共有するものとすることもできる。
搬送ベルト32の周囲には、感光体7Yよりも上流側に位置させてレジストローラ9と、ベルト帯電チャージャ10が設けられ、感光体7Kよりも下流側に位置させてベルト分離チャージャ11、除電チャージャ12、クリーニング装置13等が設けられている。ベルト分離チャージャ11よりも搬送方向下流側には定着装置14が設けられ、排紙トレイ15に向けて排紙ローラ16で結ばれている。
このような構成において、例えば、フルカラーモード時であれば、各感光体7Y、7M、7C、7Kに対し、Y、M、C、K各色の画像信号に基づき各光走査装置50Y、50M、50C、50Kによる光走査で静電潜像が形成される。これら静電潜像は対応する色トナーで現像されてトナー画像となり、搬送ベルト32上に静電的に吸着されて搬送される転写紙上に順次転写されることにより重ね合わせられ、定着装置14によりフルカラー画像として定着された後、排紙トレイ15上に排紙される。
かかる画像形成装置に、実施例で説明した光走査装置を用いることにより、常に安定したビームスポット径を得ることができ、高精細な印字に適した画像形成装置をコンパクトで且つ安価に実現できる
光走査装置の実施の1形態を説明するための図である。 アナモフィック光学素子を説明するための図である。 実施例の特性を説明するための図である。 パワー回折面を用いない比較例の特性を説明するための図である。 画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。
符号の説明
1 半導体レーザ
2 カップリングレンズ
3 アパーチュア
4 アナモフィック光学素子
5 光偏向器
6 走査光学系
8 被走査面

Claims (3)

  1. 半導体レーザからの光ビームをカップリングレンズにより所望のビーム形態の光ビームに変換した後、アナモフィック光学素子を介して光偏向器に導光し、上記光偏向器により偏向された光ビームを、走査光学系により被走査面上に集光させて光スポットを形成し、上記被走査面を光走査する光走査装置であって、
    カップリングレンズがガラスレンズであり、
    半導体レーザの光学系設計上の発光波長である基準波長からのモードホップによる発光波長変化が0.8nm以下であり、
    上記走査光学系は1以上の樹脂製レンズを含み、
    上記アナモフィック光学素子は、片面が、球面上に同心円状のパワー回折面を形成され、他方の面が、シリンドリカル面上に直線状のパワー回折面を形成された樹脂製レンズであり、
    使用環境範囲内における半導体レーザの温度変化と上記半導体レーザにおける上記モードホップとに起因する波長変化による、主走査方向の集光におけるビームウエスト位置および/または副走査方向の集光におけるビームウエスト位置の、被走査面位置に対する変動を、上記各パワー回折面による回折角変化により補償するように、上記各パワー回折面のパワーを設定したことを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、
    アナモフィック光学素子は、同心円状のパワー回折面のパワーと、このパワー回折面が形成されている球面のパワーとが、光学系設計上の半導体レーザの発光波長である基準波長に対して相殺することにより、上記基準波長に対して、主走査方向にパワーを持たず、副走査方向に正のパワーを有することを特徴とする光走査装置。
  3. 感光性の像担持体に対して光走査手段による光走査を行って潜像を形成し、この潜像を現像手段で可視化して画像を得る画像形成部を1以上有する画像形成装置において、
    像担持体の光走査を行う光走査手段として、請求項1または2記載の光走査装置を1以上用いたことを特徴とする画像形成装置
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