JP2001194610A - 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
光走査装置及びそれを用いた画像形成装置Info
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Abstract
境変化があっても被走査面上におけるピント移動量が少
ない光走査装置及びそれを用いた画像形成装置を得るこ
と。 【解決手段】 光源手段と、光源手段から発せられた光
束を集光する第1結像光学系と、第1結像光学系からの
光束を偏向する偏向手段と、偏向手段によって偏向され
た光束で被走査面上を走査する第2結像光学系を有し、
第1結像光学系又は第2結像光学系の中に少なくとも1
つの屈折光学素子と回折光学素子を含む光走査装置にお
いて、光源手段からの光の発振波長が変化したときの被
走査面におけるピント移動と、環境温度が変化したとき
に被走査面におけるピント移動を該回光学素子のパワー
を適切に設定することによって補正すること。
Description
を用いた画像形成装置に関し、光源手段から出射した光
束を第1結像光学系によって集光し、該集光した光束を
偏向手段としてのポリゴンミラーにより反射偏向させ、
第2結像光学系を介して被走査面上を光走査して画像情
報を記録するようにした、例えば電子写真プロセスを有
するレーザービームプリンターやデジタル複写機等の画
像形成装置に好適な光走査装置に係り、特に環境温度変
化や光源手段からの光の初期使用の波長の変化があった
場合においても被走査面上におけるピント移動量を少な
く抑え、光束のスポット径の変動を小さく抑えることが
でき、良好な画像が常に得られる光走査装置及びそれを
用いた画像形成装置に関するものである。
光学系の要部概略図である。
源手段1から画像情報に基づいて変調され出射した光束
は、コリメータレンズ2と絞り3とシリンドリカルレン
ズ4とで構成される第1結像光学系L1へ入射する。
ータレンズ2により略平行光束に変換し、開口絞り3に
よって該光束を制限して副走査断面内にのみ所定の屈折
力を有するシリンドリカルレンズ4に入射させている。
光束のうち主走査断面内においてはそのまま略平行光束
の状態で出射する。
ミラー5(偏向手段)の偏向反射面5aにほぼ線像とし
て結像する。そしてポリゴンミラー5で反射偏向された
光束はfθ特性を有する第2結像光学系L2を介して被
走査面7(感光体ドラム面)上に導光され、該ポリゴン
ミラー5を回転させることによって該被走査面7(感光
体ドラム面)上を光走査して画像情報の記録を行ってい
る。
その光学系の一部に回折光学素子を応用して被走査面7
上におけるピント移動を補正したものが、例えば特開平
06−118346号公報で提案されている。
を、レーザーダイオードの発振波長の変動によるフレネ
ルレンズの焦点距離の変化と、温度変化に伴うフレネル
レンズの焦点距離変化とを相殺可能な値に設定してい
る。
は、光源手段から射出した光束を偏向手段へ導光する第
1の光学系と、偏向手段で偏向された光束を被走査面上
に結像させる第2の光学系とを有し、第1,第2の光学
系のうち少なくとも一方の光学系の一部に回折光学素子
を設けて、環境変動(温度変動)によって生じる光走査
光学系の副走査方向の収差変動が、回折光学素子のパワ
ー変化と光源手段の波長変動により補正されるようにし
ている。
が大きく変化する回折光学素子の特性を利用して、回折
光学素子以外の光学素子によって生じたピント移動を、
回折光学素子のパワー変化で相殺している。
におけるピント移動を引き起こす要因としては例えば光
源手段からの光の発振波長のバラツキや変動及び環境温
度の変化が挙げられるが、両者のピント変動のメカニズ
ムは大きく異なる。
によって起こる光学系のパワー変化のみが影響するのに
対し、後者は環境温度が変化することにより、光学素子
の材質の屈折率変化や位置変動、光源手段からの光の発
振波長の変化等が組み合わさって起こるピント変動であ
る。
案ではこれらの要因に対して必ずしも満足できるもので
はなかった。具体的には、特開平06−118346号
公報における光走査光学系では、環境変動によって生じ
るピント移動について考慮されていないものがある。例
えばコリメータレンズの位置変動によるピント移動や光
源手段からの光の発振波長が変化することによりコリメ
ータレンズ、シリンドリカルレンズ、fθレンズ等の屈
折力が変化して生じるピント移動である。そのため、環
境温度が変化したときにピント移動量を必ずしも良好に
補正するものではなかった。
て大きなバラツキがあり、使用波長によって光学系のパ
ワーが大きく変化する回折光学素子を用いた光走査光学
系においては、使用波長の変化によって生じるピント移
動量を無視することはできない。しかし、同公報におい
ては、これを考慮するものではなかった。
は、環境温度変化によって生じるピント移動に関して
は、上記のピント移動の要因まで含めて考慮されている
が、光源手段の使用波長(初期波長)のバラツキを考慮
するものではなかった。
源手段からの光の発振波長のバラツキや環境温度変化に
よる光源手段からの光の発振波長の変化、及び環境温度
変化による光学系の材質の屈折率変化が同時に発生した
場合においてもピント移動量を低減し、被走査面上にお
ける光束のスポット径の変動が小さく抑えられた常に良
質なる画像を形成することができる光走査装置及びそれ
を用いた画像形成装置の提供を目的とする。
装置は、光源手段と、該光源手段から発せられた光束を
集光する第1結像光学系と、該第1結像光学系からの光
束を偏向する偏向手段と、該偏向手段によって偏向され
た光束で被走査面上を走査する第2結像光学系を有し、
第1結像光学系又は第2結像光学系の中に少なくとも1
つの屈折光学素子と回折光学素子を含む光走査装置にお
いて、該光源手段からの光の発振波長が変化したときの
該屈折光学素子による被走査面におけるピント移動を該
回折光学素子のパワー変化で相殺できるときの回折光学
素子のパワーを第1パワーとし、環境温度が変化したと
きに該回折光学素子以外の光学素子によって生じる被走
査面におけるピント移動を該回折光学素子のパワー変化
で相殺できるときの該回折光学素子のパワーを第2パワ
ーとしたとき、前記回折光学素子のパワーを第1パワー
と第2パワーとの間の第3のパワーに設定したことを特
徴としている。
て、前記回折光学素子は副走査方向にパワーを有するこ
とを特徴としている。
て、前記回折光学素子は前記第1結像光学系に設けられ
ていることを特徴としている。
て、前記回折光学素子は前記第1結像光学系のうちの前
記偏向手段に最も近くの面に配置されていることを特徴
としている。
て、前記第1結像光学系はシリンドリカルレンズを有
し、該シリンドリカルレンズの片面に回折光学素子が設
けられていることを特徴としている。
て、前記第2結像光学系の副走査方向の縦倍率をαs
(倍)としたとき、前記シリンドリカルレンズの焦点距
離fcl(mm)は fcl≦500/αs を満足することを特徴としている。
て、前記シリンドリカルレンズは光軸方向の位置調整手
段を持たないことを特徴としている。
て、前記偏向手段によって偏向された光束を集光し光検
知手段へ入射させる第3結像光学系を有し、前記第1結
像光学系はシリンドリカルレンズを有し、前記第3結像
光学系は少なくとも主走査方向にパワーを有する結像レ
ンズを有し、前記シリンドリカルレンズと前記結像レン
ズとが一体に形成されていることを特徴としている。
て、前記回折光学素子のパワーを第1のパワーとしたと
きの、環境温度変化により生じるピント移動量をdΔS
λ_Tとし、前記回折光学素子のパワーを第2のパワー
としたときの前記光源手段の初期使用波長変化によって
生じるピント移動量をdΔST_λとし、前記回折光学
素子のパワーを第3のパワーとしたときの環境温度変化
によって生じるピント移動量をdΔS_T、前記光源手
段の初期使用波長変化によって生じるピント移動量をd
ΔS_λとしたとき |dΔST_λ|≧|dΔSλ_T|ならば |dΔS
_T|≧|dΔS−λ| |dΔST_λ|<|dΔSλ_T|ならば |dΔS
_T|≦|dΔS_λ| を満足することを特徴としている。
て、使用波長の変化が1nmあったときのピント移動量
が0.3mm以下となるように各要素を設定したことを
特徴としている。
項1乃至10の何れか1項に記載の光走査装置と、前記
被走査面に配置された感光体と、前記光走査装置で走査
された光束によって前記感光体上に形成された静電潜像
をトナー像として現像する現像器と、前記現像されたト
ナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナ
ー像を被転写材に定着させる定着器とから成ることを特
徴としている。
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光走査装置
と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変
換して前記光走査装置に入力せしめるプリンタコントロ
ーラとから成ることを特徴としている。
明の実施形態1の光走査装置をレーザービームプリンタ
ーやデジタル複写機等の画像形成装置に適用したときの
主走査方向の要部断面図(主走査断面図)、図1(B)
は図1(A)の一部分の副走査方向の要部断面図(副走
査断面)である。
ザ1から出射された光束は、コリメータレンズ2と絞り
3そしてシリンドリカルレンズ4とを含む第1結像光学
系によって偏向手段5に入射している。ここで半導体レ
ーザ1からの光束は、コリメータレンズ2により平行光
束とされ、絞り3で光束を制限されてシリンドリカルレ
ンズ4へ入射し、主走査方向はそのまま平行光束として
透過し、副走査方向は収束光束とされて主走査方向に長
手の線像として偏向手段5の偏向面5aに結像される。
転軸5bを回転中心として等速回転することにより、半
導体レーザ1から発せられた光束を反射偏向している。
該ポリゴンミラー5で反射偏向された光束は第1fθレ
ンズ6aと第2fθレンズ6bの2枚のfθレンズ6
a,6bで構成させるfθ特性を有する第2結像光学系
6によって主走査・副走査方向共に集光され、被走査面
である感光体ドラム面7上を光走査している。
ンドリカルレンズ4と2枚のfθレンズ6a,6bは共
に屈折光学素子であるトーリックレンズであり、プラス
チック材料で形成されており、シリンドリカルレンズ4
の半導体レーザ1側の面には副走査方向のみに曲率
(R)をつけたシリンドリカル面を形成し、ポリゴンミ
ラー5側の面は平面より成り、その平面上に副走査方向
のみにパワー(屈折力)を有する回折格子を形成し、回
折光学素子8としている。
諸数値を表1に示す。入射側の面をR1面、射出側の面
をR2面としている。
れた回折格子の形状は、位相関数をφ(y,z)とし
て、光軸との交点を原点とし、光軸方向をx軸、主走査
平面内において光軸と直交する軸をy軸、副走査平面内
において光軸と直交する軸をz軸としたとき、次式で
表現され表2に位相項の形状を示す。
m
び環境温度変化に伴う被走査面7上におけるピント移動
の補正について説明する。
ト移動の補正の原理を図2を用いて説明する。図2は本
実施形態の光走査光学系の副走査方向の光路を展開した
ときの要部断面図であり、基準状態(実線)とピント補
正時(破線)の結像関係の様子を示している。
ったと仮定する。シリンドリカルレンズ4及びfθレン
ズ6a,6bはプラスチック材料で形成されているが、
一般にプラスチック材料は温度が上昇すると屈折率が低
下する特性を有している。このため、全系の屈折力は減
少し、副走査方向のピント位置は図中の点Pから点Qへ
被走査面7から遠方へ移動し、ピントずれを起こしてし
まう。
ると、その発振波長が長くなる特性を有している。発振
波長が長くなると回折光学素子8で回折される角度が大
きくなるために、本来ポリゴンミラー5の偏向反射面5
a近傍の点Rに位置していた線像が、半導体レーザ1側
の点Sの位置に変動することになる。
及びfθレンズ6a,6bの屈折率の低下によって点Q
へ移動していたピント位置が再度点Pへ戻されることに
なる。即ち、これにより温度補償をしている。
て発振波長にバラツキがあり、使用する半導体レーザの
個々によって使用波長が異なる。
あり、使用波長が基準波長よりも長くなったと仮定す
る。コリメータレンズ2やシリンドリカルレンズ4、及
びfθレンズ6a,6b等のレンズは、使用波長が長く
なると屈折率が低下する特性があり、副走査方向のピン
ト位置は点Pから点Qの位置へ移動し、ピントずれを起
こす。
素子8で回折される回折角が大きくなり、回折光学素子
のパワーが強くなって、前述した通り点Qに移動してい
たピント位置が点Pの位置へ戻されることになる。即
ち、色補償をしている。
おいては副走査方向の回折光学素子8のパワーを最適に
設定することによって、独立に生じる環境温度変化によ
るピント移動と光源手段の発振波長の初期波長変化によ
るピント移動とをバランス良く補正している。
4の焦点距離(副走査断面内)をfcl=35.81m
m、レンズバックをSk_cl=34.50mmとし、
光源手段1の初期波長変動は±15nmとし、環境温度
変化を±25℃としたときのピント変動を回折光学素子
のタイプ別に比較する。
波長変化の温度係数は0.255nm/℃であり、環境
温度変化+25℃における波長変化は+6.375nm
であり、シリンドリカルレンズ4及びfθレンズ6a,
6bの環境温度変化+25℃における屈折率変化は−
0.00198であり、波長変化+6.375nmにお
ける屈折率変化は−0.00014である。
の樹脂で形成されており、1つはノリルであり線膨張係
数2.3、もう一つはポリサルフォンであり線膨張係数
5.6であって、環境温度変化+25℃でコリメータレ
ンズの位置が19.4μmポリゴンミラー側へ移動す
る。
移動量を以下の様に定義する。光源手段1の環境温度変
化による波長変化が6.375nm生じたときのコリメ
ータレンズ2によるピント移動量をCol λ1、シリ
ンドリカルレンズ4の屈折面によるピント移動量をCL
R λ1、シリンドリカルレンズ4の回折面によるピ
ント移動量をCLDOE λ1、fθレンズ6によるピ
ント移動量をfθ λ1とし、環境温度が25℃変化し
屈折率変化が生じたときのシリンドリカルレンズ4の屈
折面によるピント移動量をCL RN、fθレンズ6に
よるピント移動量をfθ Nとする。
5nm生じたときのコリメータレンズ2によるピント移
動量をCol λ2、シリンドリカルレンズ4の屈折面
によるピント移動量をCL R λ2、シリンドリカル
レンズ4の回折面によるピント移動量をCL DOE
λ2、fθレンズ6によるピント移動量をfθ λ2と
する。
2を光源ユニットに組込む際、コリメータレンズ2のピ
ント調整を行うため、半導体レーザ1の初期波長変化が
生じたときのコリメータレンズ2によるピント移動量C
ol λ2はキャンセルさせる。
長が基準波長から変化していてもピント移動がないよう
に回折光学素子8のパワー(第1パワー)を定めたタイ
プを色消しタイプとする。
ト移動量を表3に示す。
ント移動量が大きく、性能の劣化が大きい。さらに、環
境温度変化は光源手段の発振波長のバラツキとは異な
り、どの光走査装置においても起こり得る現象であるた
め、比較的小さな値に設定しておく事が望ましい。
ックを同じSk_cl=34.50mmとし、環境温度
変化があったときにピント移動がないように回折光学素
子のパワー(第2パワー)を定めたタイプを全系温度補
償タイプとする。
るピント移動量を表4に示す。
波長のバラツキによるピント移動量があまりにも大きす
ぎるため、設計深度の大半を占拠してしまうことにな
り、光走査装置の良品率を著しく低下させることにな
り、コストアップを招くので問題である。
イプと全系温度補償タイプの間に位置するタイプ(この
ときの回折光学素子のパワーを第3パワーとする。)に
設定し、光源手段からの光の初期波長変化によるピント
移動量と環境温度変化によるピント移動量をバランスさ
せて、被走査面上でのピント移動量が少なくなるように
している。
ない光走査装置を実現している。
みに回折格子を形成させているために、環境温度変化に
よるシリンドリカルレンズ4のレンズバックの変動量を
求めることにより、回折光学素子のパワーのタイプ(色
消しタイプ、又は全系温度補償タイプ又はそれらの間の
タイプ)を区別することができる。
におけるピント移動量の関係を表5に示してある。
でシリンドリカルレンズのレンズバック変動量はΔSk
_cl=+0.12mmとなり、全系温度補償系ではΔ
Sk_cl=−0.16となる。つまり、環境温度+2
5℃変化でシリンドリカルレンズのレンズバックの変動
をΔSk−cl=+0.12〜−0.16の間に設定す
ることで光源手段の初期波長変化によるピント移動量と
環境温度変化によるピント移動量をバランスさせること
ができる。
℃変化したときのシリンドリカルレンズのレンズバック
の変動量をΔSk_cl=0.00とすることで両者を
バランスさせている。
と、シリンドリカルレンズR1面の屈折力φ1は0.0
1813となり、シリンドリカルレンズR2面の回折力
φ2は0.01017となる。よってパワー比はφ2/
φ1=0.561となる。e=d/Nで、φ=1/f=
φ1+φ2−e・φ1・φ2で、fは焦点距離、Nはシ
リンドリカルレンズの屈折率で、dはシリンドリカルレ
ンズの面間隔、Skはレンズバックで、Δ=Sk‐fで
ある。
全系温度補償タイプのパワー比を示す。
とC3は位相多項式係数で、表2と同様にゼロである。
ワー)のφ2<実施形態1のφ2(第3のパワー)<全
系温度補償タイプのφ2(第2のパワ−)の関係を満た
す。
のパワーとした回折光学素子のタイプの光走査光学系に
おいて、各成分によるピント移動量を表6に示す。
nmによって生じるピント移動量はdΔS=−2.01
2mmであり、環境温度変化+25℃で生じるピント移
動量はdΔS=+1.652mmとなっており、両者の
ピント移動量をバランスさせている。ここで、光源手段
の初期波長変化及び環境温度変化は共に逆方向へ変化す
る場合もあるのでピント移動量はその絶対値で考えてい
る。
カルレンズ4を光軸方向のピント調整なしで配置するこ
とができ、組立て時間の短縮、工具の削減等コスト的に
もメリットがある。
態1との主たる相違点は、シリンドリカルレンズ4のレ
ンズバックを同じSk_cl=34.50mmとしたま
ま、回折光学素子のパワーのタイプを変更した点にあ
る。
度+25℃変化におけるシリンドリカルレンズのレンズ
バック変動量をΔSk_cl=+0.02mmとなるよ
うに設定した。
を色消しタイプに設定した光走査光学系において、環境
温度が25℃変化したときのピント変動量をdΔSλ_
Tとし、表4記載の全系温度補償タイプに設定した光走
査光学系において、光源手段1からの光の初期波長が1
5nm変化したときのピント変動量をdΔST_λと
し、回折光学素子をあるタイプに設定した光走査光学系
において、光源手段からの光の初期波長が15nm変化
したときのピント変動量をdΔS_λ、環境温度が25
℃変化したときのピント変動量をdΔS_Tとしたと
き、本実施形態においては、 |dΔSλ_T|<|dΔST_λ| なので、 |dΔS_T|≧|dΔS_λ| の範囲内に設定している。
成を表7に示す。
系において、各成分によるピント変動量を表8に示す。
ト移動量はdΔS_T=1.861mmであり、光源手
段の初期波長変化によるピント移動量dΔS_λ=1.
679mmであって、2つの要因によるピント移動量を
バランスさせ、且つピント移動量の合計を3.540m
mと小さく抑えている。
と、シリンドリカルレンズR1面の屈折力φ1は0.0
1935となり、シリンドリカルレンズR2面の回折力
φ2は0.00885となる。よってパワー比はφ2/
φ1=0.457となる。e=d/Nで、φ=1/f=
φ1+φ2−e・φ1・φ2で、fは焦点距離、Nはシ
リンドリカルレンズの屈折率で、dはシリンドリカルレ
ンズの面間隔、Skはレンズバックで、Δ=Sk‐fで
ある。
全系温度補償タイプのパワー比を示す。
1のパワー)のφ2<実施形態2のφ2(第3のパワ
ー)<全系温度補償タイプのφ2(第2のパワ−)の関
係を満たす。
があっても被走査面上のスポット径の変動を低減でき、
常に良好なる画像を提供することができる光走査装置を
構成できる。
形態1との主たる相違点は、初期波長のバラツキが±5
nmと少ない光源手段1を使用した点と、シリンドリカ
ルレンズ4のレンズバックを同じSk_cl=34.5
0mmとしたまま、回折光学素子8のパワーのタイプを
変更した点にある。
温度+25℃変化におけるシリンドリカルレンズ4のレ
ンズバック変動量をΔSk_cl=−0.10mmとな
るように設定した。
表9に示した構成である。
と被走査面7におけるピント移動量の関係を示してあ
る。
を色消しタイプ(Δ Sk_cl=0.12mm)に設
定した光走査光学系において、環境温度が25℃変化し
たときのピント移動量dΔSλ_T=2.910mmで
あり、全系温度補償タイプ(ΔSk_cl=−0.16
mm)に設定した光走査光学系において、光源手段1の
初期波長が5nm変化したときのピント移動量dΔST
_λ=1.542mmである。
リンドリカルレンズR1面の屈折力φ1は0.0118
7となり、シリンドリカルレンズR2面の回折力φ2は
0.01683となる。よってパワー比はφ2/φ1=
1.418となる。e=d/Nで、φ=1/f=φ1+
φ2−e・φ1・φ2で、fは焦点距離、Nはシリンド
リカルレンズの屈折率で、dはシリンドリカルレンズの
面間隔、Skはレンズバックで、Δ=Sk‐fである。
1のパワー)のφ2<実施形態3のφ2(第3のパワ
ー)<全系温度補償タイプのφ2(第2のパワ−)の関
係を満たす。
走査光学系において、各成分によるピント移動量を表1
1に示す。
ト移動量はdΔS_T=0.594mmであり、光源手
段1の初期波長変化によるピント変化量dΔS_λ=−
1.230mmであって、2つの要因によるピント移動
量をバランスさせている。また、光源手段1の初期波長
が基準波長のλ0=780nmからΔλ=−5nm変化
し、使用波長がλ=775mmの光走査光学系におい
て、常温のT0=25℃からΔT=+25℃変化して環
境温度がT=50℃となった場合、光源手段1の初期波
長変化によるピント移動と環境温度変化によるピント変
化の方向が光源手段から遠ざかる方向に一致するので、
ピント移動の合計も小さくすることでスポット径の変動
を抑えることが出来、本実施形態では、これを実現して
いる。
装置の主走査方向の断面図を示した。
信号を検出するための第3の結像光学系9を備えてお
り、ポリゴンミラー5で偏向された光束を同期検出手段
10へ導光する結像レンズ9を有している。結像レンズ
9をプラスチック材料で形成し、シリンドリカルレンズ
4と一体化することで部品点数を削減し、光走査装置の
コストダウンを図ることができる。
との主たる相違点は、シリンドリカルレンズ4のレンズ
バックをSk_cl=20.00mmとした点にある。
であり、環境温度が+25℃変化したときのシリンドリ
カルレンズのレンズバックの変動量はΔSk_cl=
0.00である。
を表12に示す。
シリンドリカルレンズR1面の屈折力φ1は0.030
29となり、シリンドリカルレンズR2面の回折力φ2
は0.01775となる。よってパワー比はφ2/φ1
=0.586となる。e=d/Nで、φ=1/f=φ1
+φ2−e・φ1・φ2で、fは焦点距離、Nはシリン
ドリカルレンズの屈折率で、dはシリンドリカルレンズ
の面間隔、Skはレンズバックで、Δ=Sk‐fであ
る。
系において、各成分によるピント変動量を表13に示
す。
てシリンドリカルレンズのレンズバックを変更した。こ
れを焦点距離で比較すると、実施形態1ではfcl=3
5.81mmであり、本実施形態ではfcl=21.3
0mmである。
距離を短く設定することで、使用波長の変化によるピン
ト移動量を少なく抑えることができる。これは、波長変
化によって生じるシリンドリカルレンズ通過後の焦線位
置の移動量が少なくなるためであり、焦線位置の移動量
に第2結像レンズの副走査方向の縦倍率αs=11.0
4を掛けて計算されるピント移動量が少なくなるためで
ある。
カルレンズの焦点距離をfclとし、第2結像光学系6
の副走査方向の縦倍率をαsとしたとき、式を満足す
る範囲内であれば、実用上問題無いレベルで補正するこ
とができる。
る光走査装置の副走査方向の断面図を示す。
ンズ4と2枚のfθレンズ6a,6bは合成樹脂で形成
されており、シリンドリカルレンズ4の半導体レーザ1
側の面には副走査方向のみに曲率(R)をつけたシリン
ドリカル面、fθレンズ6bはポリゴンミラー5側は平
面であって、その平面には副走査方向のみにパワーを有
した回折光学素子8を形成している。
に示し、第2fθレンズ6bの入射面に形成された回折
光学素子の形状を表15に示す。
手段の初期波長変化は実施形態1と同様である。本実施
形態における回折光学素子8は第2結像手段側の1つの
面に形成されており、回折光学素子8のパワーのタイプ
はピント移動の向きで定義することができる。
するピント移動は補正不足であり、光源手段の初期波長
変化に対するピント移動は過補正となるように回折光学
素子8のパワーが決定されている。
プと全系温度補償タイプの間のパワーに設定されてい
る。
査光学系において、光源手段の初期波長変化が生じたと
きのfθレンズの回折面におけるピント移動をfθ D
OEλとしたとき、各成分によるピント移動量は以下の
表16の通りである。
化したときのピント移動量はdΔS_T=1.905m
mであり、光源手段の初期波長が15nm変化したとき
のピント移動量はdΔS_λ=1.700mmであっ
て、回折光学素子8が第2結像光学系に配置された場合
においても両者のピント移動量をバランス良く補正する
ことができる。
光学素子を配置することで、fθレンズの設計自由度を
向上させることができる。
関して、第1・第2結像光学系に1つの回折光学素子を
用い、そのパワーを最適な値に設定することで、環境温
度変化と光源手段の初期波長変化に伴う副走査方向のピ
ント移動をバランス補正する方法について述べてきた
が、回折光学素子は1つに限ったものではなく、例え
ば、第1結像光学系中のシリンドリカルレンズと第2結
像光学系中のfθレンズの両方に構成したり、第1結像
光学系中のコリメータレンズと第2結像光学系中の第1
fθレンズと第2fθレンズの3個所に構成してもよ
い。
査方向のピント移動について述べてきたが、もちろん主
走査方向のピント移動についても主走査方向の回折作用
を有する回折光学素子を用いることにより容易に補正す
ることができる。
画像形成装置の説明を行う。
を示す副走査方向の要部断面図である。図6において、
符号104は画像形成装置を示す。この画像形成装置1
04には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117
からコードデータDcが入力する。このコードデータD
cは、装置内のプリンタコントローラ111によって、
画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画
像データDiは、光走査ユニット100に入力される。
そして、この光走査ユニット(マルチビーム走査光学装
置)100からは、画像データDiに応じて変調された
光ビーム(光束)103が出射され、この光ビーム10
3によって感光ドラム101の感光面が主走査方向に走
査される。
101は、モータ115によって時計廻りに回転させら
れる。そして、この回転に伴って、感光ドラム101の
感光面が光ビーム103に対して、主走査方向と直交す
る副走査方向に移動する。感光ドラム101の上方に
は、感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電
ローラ102が表面に当接するように設けられている。
そして、帯電ローラ102によって帯電された感光ドラ
ム101の表面に、前記光走査ユニット100によって
走査される光ビーム103が照射されるようになってい
る。
画像データDiに基づいて変調されており、この光ビー
ム103を照射することによって感光ドラム101の表
面に静電潜像を形成せしめる。この静電潜像は、上記光
ビーム103の照射位置よりもさらに感光ドラム101
の回転方向の下流側で感光ドラム101に当接するよう
に配設された現像器107によってトナー像として現像
される。
は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101に対
向するように配設された転写ローラ108によって被転
写材たる用紙112上に転写される。用紙112は感光
ドラム101の前方(図6において右側)の用紙カセッ
ト109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能
である。用紙カセット109端部には、給紙ローラ11
0が配設されており、用紙カセット109内の用紙11
2を搬送路へ送り込む。
された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図6
において左側)の定着器へと搬送される。定着器は内部
に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113と
この定着ローラ113に圧接するように配設された加圧
ローラ114とで構成されており、転写部から撒送され
てきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ11
4の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙1
12上の未定着トナー像を定着せしめる。更に定着ロー
ラ113の後方には排紙ローラ116が配設されてお
り、定着された用紙112を画像形成装置の外に排出せ
しめる。
トコントローラ111は、先に説明データの変換だけで
なく、モータ115を始め画像形成装置内の各部や、光
走査ユニット100内のポリゴンモータなどの制御を行
う。
することにより、光源手段からの光の発振波長のバラツ
キや環境温度変化による光源手段からの光の発振波長の
変化、及び環境温度変化による光学系の材質の屈折率変
化が同時に発生した場合においてもピント移動量を低減
し、被走査面上における光束のスポット径の変動が小さ
く抑えられた常に良質なる画像を形成することができる
光走査装置及びそれを用いた画像形成装置を達成するこ
とができる。
手段から偏向手段の間に配置された第1結像光学系と偏
向手段から被走査面までの間に配置された第2結像光学
系のうち少なくとも一方の光学系に回折光学素子を設け
て回折光学素子のパワーを適切に設定することにより、
装置の環境温度変化及び、光源手段からの光の初期波長
変化によるピント移動をバランスさせることができる。
ることにより、シリンドリカルレンズの光軸方向の調整
を廃止し、組立て時間の短縮や組立て工具の削減等、コ
スト的にメリットが生じる。
ト移動の補正原理の説明図
断面図
断面図
Claims (12)
- 【請求項1】 光源手段と、該光源手段から発せられた
光束を集光する第1結像光学系と、該第1結像光学系か
らの光束を偏向する偏向手段と、該偏向手段によって偏
向された光束で被走査面上を走査する第2結像光学系を
有し、第1結像光学系又は第2結像光学系の中に少なく
とも1つの屈折光学素子と回折光学素子を含む光走査装
置において、 該光源手段からの光の発振波長が変化したときの該屈折
光学素子による被走査面におけるピント移動を該回折光
学素子のパワー変化で相殺できるときの回折光学素子の
パワーを第1パワーとし、環境温度が変化したときに該
回折光学素子以外の光学素子によって生じる被走査面に
おけるピント移動を該回折光学素子のパワー変化で相殺
できるときの該回折光学素子のパワーを第2パワーとし
たとき、前記回折光学素子のパワーを第1パワーと第2
パワーとの間の第3のパワーに設定したことを特徴とす
る光走査装置。 - 【請求項2】 前記回折光学素子は副走査方向にパワー
を有することを特徴とする請求項1記載の光走査装置。 - 【請求項3】 前記回折光学素子は前記第1結像光学系
に設けられていることを特徴とする請求項2記載の光走
査装置。 - 【請求項4】 前記回折光学素子は前記第1結像光学系
のうちの前記偏向手段に最も近くの面に配置されている
ことを特徴とする請求項3記載の光走査装置。 - 【請求項5】 前記第1結像光学系はシリンドリカルレ
ンズを有し、該シリンドリカルレンズの片面に回折光学
素子が設けられていることを特徴とする請求項4記載の
光走査装置。 - 【請求項6】 前記第2結像光学系の副走査方向の縦倍
率をαs(倍)としたとき、前記シリンドリカルレンズ
の焦点距離fcl(mm)は次式を満足することを特徴
とする請求項5記載の光走査装置。 fcl≦500/αs - 【請求項7】 前記シリンドリカルレンズは光軸方向の
位置調整手段を持たないことを特徴とする請求項6記載
の光走査装置。 - 【請求項8】 前記偏向手段によって偏向された光束を
集光し光検知手段へ入射させる第3結像光学系を有し、 前記第1結像光学系はシリンドリカルレンズを有し、前
記第3結像光学系は少なくとも主走査方向にパワーを有
する結像レンズを有し、前記シリンドリカルレンズと前
記結像レンズとが一体に形成されていることを特徴とす
る請求項7記載の光走査装置。 - 【請求項9】 前記回折光学素子のパワーを第1のパワ
ーとしたときの、環境温度変化により生じるピント移動
量をdΔSλ_Tとし、前記回折光学素子のパワーを第
2のパワーとしたときの前記光源手段の初期使用波長変
化によって生じるピント移動量をdΔST_λとし、前
記回折光学素子のパワーを第3のパワーとしたときの環
境温度変化によって生じるピント移動量をdΔS_T、
前記光源手段の初期使用波長変化によって生じるピント
移動量をdΔS_λとしたとき次式を満足することを特
徴とする請求項1記載の光走査装置。 |dΔST_λ|≧|dΔSλ_T|ならば |dΔS
_T|≧|dΔS−λ| |dΔST_λ|<|dΔSλ_T|ならば |dΔS
_T|≦|dΔS_λ| - 【請求項10】 使用波長の変化が1nmあったときの
ピント移動量が0.3mm以下となるように各要素を設
定したことを特徴とする請求項1記載の光走査装置。 - 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか1項に記
載の光走査装置と、前記被走査面に配置された感光体
と、前記光走査装置で走査された光束によって前記感光
体上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現
像器と、前記現像されたトナー像を被転写材に転写する
転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる
定着器とから成ることを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項12】 請求項1乃至10のいずれか1項に記
載の光走査装置と、外部機器から入力したコードデータ
を画像信号に変換して前記光走査装置に入力せしめるプ
リンタコントローラとから成ることを特徴とする画像形
成装置。
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