JP6234085B2 - 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付の図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされる。
図1に本発明の実施例1に係る光走査装置の要部の主走査方向断面図(主走査断面図)を示す。図2に要部の副走査方向断面図(副走査断面図)を示す。図1、2に示すように、本発明の光走査装置は、光源側から順に、光源手段1、図3に拡大図で示す入射光学系LA(2〜6)、偏向手段としての光偏向器10である回転多面鏡、結像光学系20を有する。
光源手段1は、複数の発光点(発光部)を有する半導体レーザ(マルチビーム光源)より構成される。半導体レーザ1は複数の発光点のうち、少なくとも1つの発光点は、後述する第1コリメータレンズ群3の光軸からの距離が他の1つの発光点の光軸からの距離と異なっている。本実施例では図4に示すように発光点が一次元状に配列し、32個の発光点から成る面発光レーザで構成されている。面発光レーザはアレイ化が容易であり、軸上もしくはその近傍の発光点LD16、主走査方向の最軸外の発光点LD1及びLD32を含む、発光点が主走査方向の位置を異にする32ビーム並んだ1次元アレイ構造をなす。これは、32ビームレーザを使用することにより高速化、高精細化が達成するためである。各々の発光点は独立変調可能に構成されており、不図示のレーザドライバーにより発光強度やタイミングが制御される。またレーザ光源の組み立て時の取り付け誤差により発生するビーム間隔誤差を抑制するために、入射光学系LAの光軸と平行な軸を中心に回転可能に保持されている。
なお、実施例においては、光源手段は、1次元で配列した構造からなるものとして例示するが、本発明は、これに限定されることはなく、2次元状に配列した構造を有する光源手段も同様に適用することができる。
本実施例の入射光学系LAは、光源側から順に、第1の絞り2、コリメータ光学系3及び4、副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズ5、第2の絞り6、光束の一部を分割して反射するプリズム7を含む。
0.1 < fcol1/fcol2 < 1/3 (1)
を満たすことが望ましい。これにより、第2コリメータレンズ群の本体内で光軸方向に移動によるピント変化敏感度が適切に設定され、第2コリメータレンズ群を本体内で光軸方向に移動させることにより製造誤差に起因する主走査方向のピント位置を適切に調整することを可能とする。
0.5<|L|/fcol<2 (2)
を満足する。この構成により像面湾曲を低減させている。さらに、光軸から最軸外発光点までの距離が0.5mm以上離れている光学系を用いる場合には、より好ましくは、
0.5<|L|/fcol<1.5 (2a)
を満足すると像面湾曲をより良好に低減する。式(2)が満たされないと像面湾曲量が大きくなりビーム間のスポット径差が大きくなるので高解像化が困難になる。
面発光レーザは端面発光型のレーザと異なり、APC(Auto Power Control)センサを素子内に配置できないので、レーザの外部に光量検知センサ(APC用センサ)9を有する。APCセンサ9は光量を検知する光量検知センサであって、光源手段1である面発光レーザの各ビームが所望の光量となるように面発光レーザを発光させるために光量をフィードバックする。プリズム7、集光レンズ8、光量検知センサ9は、APC光学系を構成する。光源手段1である面発光レーザから出射した光束は、第2の絞り6を通過した後、プリズム7の入射面で一部が反射され、反射光は集光レンズ8で集光され、光量検知センサ9で光量が検知される。この検知された光量に基づいて、光源手段1の面発光レーザの発光光量を制御する。
偏向手段としての光偏向器10は、5面構成のポリゴンミラー(回転多面鏡)よりなり、モータ等で構成される駆動手段(不図示)により、副走査方向に平行な回転軸周りに図中矢印A方向に一定速度で回転している。入射光学系から反射面に入射した光束は、前記のポリゴンミラーの回転により主走査面内において一方向に偏向される。
結像光学系(fθレンズ系)20は、第1の結像レンズ20aと第2の結像レンズ(fθレンズ)20bとにより構成され、集光機能とfθ特性とを有する。第1の結像レンズ20aはガラス製の平凸球面レンズ、第2の結像レンズ20bは主走査面内で非球面形状のアナモフィックレンズである。結像光学系20は光偏向器10によって反射偏向された画像情報に基づく光束を被走査面としての感光ドラム面30上に導光し、スポット状に結像させる。また、副走査断面内において光偏向器10の反射面10aと感光ドラム面7との間を共役関係にすることにより、面倒れ補正光学系を構成している。
本実施例の入射光学系LAの展開図を図3に示す。
本実施例のコリメータ光学系は、合成の焦点距離f=75mmである。また、第1コリメータレンズ群の焦点距離fcol1は88.6mmであり、第2コリメータレンズ群の焦点距離は335.1mmなので、パワー比は1/88.6:1/335.1≒4:1、であり、式(1)を満たす。また、第1コリメータレンズ群を貼り合わせレンズで構成することにより、第1コリメータレンズ群を独立した複数のレンズの設置位置を調整する必要がある場合に比べて、調整、固定時の保持を容易に行えるようにしている。
III=h2ha2A+2h2ha2B+φ (3)
と表される。従って、光学系のパワー配置及び光学系内の絞り位置を適切に設定することにより、像面湾曲量を低減させることができる。入射光学系のパワー配置は前述したように収差補正以外の要件(光量、ピント調整敏感度)で決まるので、装置の大きさや製造コストの制約の範囲内で、入射光学系内の絞り位置を調整し像面湾曲を補正することができる。
0.5<87/75=1.16<2
0.5<87/75=1.16<1.5
となり、式(2)及び(2a)を満足し、像面湾曲を適切に抑制している。
ΔM=|Δmcol|×(ffθ/fcol)2 (4)
で算出できる。本実施例におけるピント差ΔMは、
ΔM=0.0015×(250/75)2=0.017mm
である。通常、主走査方向のピント差ΔMは0.5mm以下であれば問題ない。すなわち、
ΔM=|Δmcol|×(ffθ/fcol)2≦0.5mm (5)
を満たしていると問題はない。さらに、小スポット高解像度対応光学系では光学素子の製造誤差や取り付け誤差を考慮すると、望ましくは、
ΔM=|Δmcol|×(ffθ/fcol)2≦0.2mm (5a)
さらに望ましくは、
ΔM=|Δmcol|×(ffθ/fcol)2≦0.05mm (5b)
を満たすようにすると良い。本実施例では、
|Δmcol|=0.0015
(ffθ/fcol)2=11.1
なので、
|Δmcol|×(ffθ/fcol)2=0.0167
であり、条件(5)、(5a)、(5b)を満足し、発光点間のスポット径のばらつきが小さい高解像の結像光学系を実現している。
また、本実施例では、凸レンズと凹レンズを用いることで色収差も補正している。入射光学系に軸上色収差がある場合、レーザ光源の波長のばらつきにより被走査面でスポット径(ピント)がばらつくという問題が生じる。本実施例では、第1コリメータレンズ群を凸レンズと凹レンズの張り合わせレンズとし、凹レンズの分散が他の凸レンズの分散より大きくなる(アッベ数が小さくなる)ように構成している。具体的には、凹レンズのガラス材料としてアッベ数=25.68のs−tih11(OHARA社製)を用いている。
Δmcol>ΔT(1.5) (6)
を満たすように構成している。これにより、凹レンズを用いない場合に比べ、ピント差が無視できるレベルまで軸上色収差が補正されている。
本発明の入射光学系は、光源と第1コリメータレンズ群の張り合わせレンズが同一部材に保持されており、製造工程において光源と第1コリメータレンズ群のレンズ間距離が調整されている。調整後、第1コリメータレンズ群は接着固定されて光源との間隔は固定される。その状態で光源と第1コリメータレンズ群を一体に保持した光源ユニットが走査装置本体に取り付けられる。また、走査装置本体においては、第2コリメータレンズ群の凸レンズを光軸方向に移動させることにより、主走査方向のピント位置を調整している。本実施例では、光軸方向位置ずれによるピント変化が大きい第1コリメータレンズ群と光源を一体の光源ユニットとすることで、より高精度な位置調整を可能としている。また、第2コリメータレンズ群を光走査装置内で独立に移動可能な構成とすることができるので、光源部以外の製造ばらつきで発生するピントずれも補正できる。すなわち、第1コリメーラレンズ群と第2コリメータレン群はそれぞれ独立に光軸方向の位置が調整可能に保持されている。また、入射光学系のレンズの中で主走査方向のパワーが最も弱いレンズである第2コリメータレンズは、光走査装置内で光軸方向に移動可能に保持されている。したがって、光源から第2コリメータレンズ群まで全てを一体的に保持した状態で操作装置本体に設置する場合に比べ、被走査面上のピント位置を高精度に調整できるというメリットを有する。尚、本実施例の副走査方向のピント位置は、副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズ5を光軸方向に動かすことによって調整している。
0.5<|L|/f<2
を満足するよう構成することにより本発明の効果を得ることができる。
|Δmcol|=0.00015(mm)
(ffθ/fcol)2=11.1
なので、
|Δmcol|×(ffθ/fcol)2=0.0167
であるので、条件(5)、(5a)、(5b)を満足し、良好に高解像の結像光学系を実現できる。
ΔM>ΔT(1.5) (6)
を満たすように構成している。したがって、像面湾曲によるピント差と波長差によるピント変化の和は、
0.15μm+0.5μm=0.65μm
であり、被走査面でも7.2μmなので、スポット径の差は問題とならない。
0.5 < 87/75 < 2
とし、式(1)を満足している。
図11は、本発明の第1又は第2の実施例で示した光走査装置を含む画像形成装置の実施例を示す副走査方向の要部断面図である。画像形成装置104には、パーソナルコンピュータの外部機器117からコードデータDcが入力される。コードデータDcは、画像形成装置内のプリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。画像データDiは、実施例1または2に示した構成を有する光走査ユニット100に入力される。光走査ユニット100からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム103が出射され、この光ビーム103によって感光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。
図12は本発明の第1又は第2の実施例で示した光走査装置を含むカラー画像形成装置の実施例の要部概略図である。本実施例は、光走査装置(光結像光学系)を4個並べ各々並行して像担持体である感光ドラム面上に画像情報を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。図12において、60はカラー画像形成装置、11,12,13,14は各々実施例1または2に示した構成を有する光走査装置、21,22,23,24は各々像担持体としての感光ドラム、31,32,33,34は各々現像器、51は搬送ベルトである。尚、図12においては現像器で現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器(不図示)と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器(不図示)とを有している。
3 コリメータレンズ
4 シリンドリカルレンズ
5 第2の絞り
10 偏向手段(ポリゴンミラー)
10a 偏向面
20 結像光学系(走査光学系)
20a 第1の結像レンズ
20b 第2の結像レンズ
11、12、13、14 光走査装置
100 光走査装置
Claims (12)
- 複数の発光部を有する光源と、該光源からの光束を偏向して被走査面を主走査方向に走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に入射させる入射光学系と、を備える光走査装置であって、
前記入射光学系は、前記光源からの光束の収束度を変換する第1光学系と、主走査方向及び副走査方向のうち前記発光部の配置間隔が広い方である第1方向において前記第1光学系からの光束の幅を制限する絞りと、を有し、
前記第1光学系は、非球面を含まない光学素子で構成される、前記光源の側から順に配置された第1光学素子群と第2光学素子群とを有し、
前記第2光学素子群の前記偏向器に最も近い光学面から前記絞りまでの距離をL、前記第1方向と光軸方向とに平行な第1断面内における前記入射光学系の焦点距離をf、とするとき、
0.5<|L|/f<2
なる条件を満足することを特徴とする光走査装置。 - 前記第1方向は、主走査方向であることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
- 前記第1断面内において、前記第1光学素子群は正のパワーを有し、前記第2光学素子群は前記第1光学素子群よりも弱い正のパワーを有し、前記第1光学素子群の焦点距離をfcol1、前記第2光学素子群の焦点距離をfcol2、とするとき、
0.1<fcol1/fcol2<1/3
なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。 - 前記第1光学素子群は、凸レンズ及び凹レンズを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記第1光学素子群は、前記光源の側から順に配置され、互いに接合された凹レンズ及び凸レンズから成ることを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
- 前記偏向器からの光束を前記被走査面に導光する結像光学系を備え、前記第1断面において、前記結像光学系の焦点距離をffθ、前記入射光学系の焦点距離をfcol、前記光源における軸上発光部からの第1光束と最軸外発光部からの第2光束との波長が互いに同じであるときの、前記入射光学系の前記第1光束及び前記第2光束に対するピント差をΔmcol、とするとき、
|Δmcol|×(ffθ/fcol)2≦0.5mm
なる条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光走査装置。 - 前記第1光学素子群及び前記第2光学素子群は、互いに独立して光軸方向に移動可能に保持されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記第1断面内において、前記第1光学素子群の焦点距離をfcol1、前記第2光学素子群の焦点距離をfcol2、とするとき、
0.1<fcol1/fcol2<1/3
なる条件を満足することを特徴とする請求項7に記載の光走査装置。 - 前記光源と前記第1光学素子群とは、同一の部材により保持されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記入射光学系において、前記第1断面内での光束の収束度を変換する光学素子のうち前記第1断面内でのパワーが最も小さい光学素子は、光軸方向に移動可能に保持されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光走査装置と、該光走査装置によって前記被走査面に形成される静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像された前記トナー像を被転写材に転写する転写器と、転写された前記トナー像を前記被転写材に定着させる定着器と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光走査装置と、外部機器から出力されたコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力するプリンタコントローラと、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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