JP2009053378A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高コスト化を招くことなく、安定した光走査を行う。
【解決手段】光源1、カップリングレンズ2、回折レンズ4、ポリゴンミラー5、及び走査レンズ6を備え、回折レンズ4は、均一な温度変化時において、走査レンズ6のパワー減少によるピントずれ量ΔSに対して、補正過剰となるピントずれ量ΔSが得られるような回折面を有している。これにより、走査レンズ6の温度が、光源1の温度よりも高くなるような、不均一な温度分布が発生しても、ピント位置ずれを抑制することができる。従って、高コスト化を招くことなく、安定した光走査が可能となる。
【選択図】図11

Description

本発明は、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、光束により被走査面を走査する光走査装置、及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
近年、光プリンタ装置、デジタル複写機、及び光プロッタ等の画像形成装置には、低価格化とともに、温度変化に対する高い安定性が求められている。また、これらの画像形成装置は、光源からの光束により被走査面を走査する光走査装置を備えている。
高精度加工技術の進歩に伴い、高い安定性、低価格化、部品点数の低減を実現する方法として、微細な形状を有する光学素子(回折レンズ、位相シフタ、サブ波長構造(SWS:SubWavelength Structure)素子等)の利用が考えられる。
光走査装置への回折レンズの利用は、少ない部品点数で高機能、多機能を実現できるため、光学特性の高精度化はもとより光走査装置の小型化にも大きな効果をもたらすことが予想される。
例えば、特許文献1には、半導体レーザからなる光源と、該光源からの光束をカップリングするカップリング光学系と、該カップリング光学系からの光束を主走査方向は平行光とし、副走査方向は偏向器に集束させる光束とする第1光学系と、該第1光学系からの光束を主走査方向に偏向させる偏向器と、該偏向器により偏向された光束を集光させる走査光学系と、を備えた光走査装置であって、カップリング光学系を構成する全てのレンズの材質を樹脂とし、該レンズの少なくとも1面に回折光学面を備えた光走査装置が開示されている。
また、特許文献2には、レーザ光を発するレーザ光源と、入射してきたレーザ光を主走査方向に偏向させる偏向器と、レーザ光源から射出されたレーザ光を主走査方向についてはほぼ平行光にし、副走査方向については偏向器の偏向面近傍で集光させる光源光学系と、偏向器により偏向されたレーザ光を再び集光させる走査光学系と、を備えるレーザ走査装置であって、光源光学系が樹脂で構成された1つの光学素子から成り、その光学素子が、回転対称軸を持たない少なくとも1面の反射面と、2面の透過面(2面とも回折面であり、それら2面の回折面において波長変化時の回折角の変化が互いに逆方向となるように構成されている。)と、を有するレーザ走査装置が開示されている。
また、特許文献3には、光源手段と、該光源手段からの光束を光偏向手段に導光する光学手段と、該光偏向手段からの光束を被走査面に導光する結像光学系と、を有し、該光偏向手段の回動動作に基いて該被走査面を光走査する光走査装置において、該光学手段は1以上の面に回折部を有しており、焦点距離、スポット径、発振波長、パワー、及び分散値を含む特定の式が特定の条件を満足する光走査装置が開示されている。
特開2005−258392号公報 特開2002−287062号公報 特開2004−126192号公報
2π以上の位相差に対応した微細な段差を有する回折レンズは、屈折レンズと同様に、光束の屈折、集光等の機能を付与することができる。また、回折レンズの屈折レンズと異なる性質として、強い負分散が挙げられる。この回折レンズの性質と光学系の温度変化に伴う光源の波長変化とを適切に組み合わせることにより、いわゆる温度補償機能が実現できる。
上記温度補償機能は、光学系の温度変化による光学特性の変化と、光源の波長変化とがバランス良く発生することで実現される。そのため、半導体LDに代表されるレーザ光源を用いる際には、光源素子個別の波長差、発光途中の波長遷移(モードホップ)、アレイ素子においては発光部間の波長差等、光源の波長ばらつきによる幾何収差の悪化を考慮しなければならない。これは、光の波動的な特性を幾何収差補正に持ち込んだために生じる必然的な課題とも言える。
上述したように、温度補償機能を有する回折レンズは、温度変化が発生したとき、(1)光源の波長変動による回折レンズの負分散特性と、(2)全光学素子の熱膨張によるピントずれとを、バランスさせることによりその機能を実現させている。特に、上記(2)に関して支配的なものは、走査光学系に含まれる走査レンズの熱膨張である。従って回折レンズの温度補償機能設計は、負分散特性と走査光学系の温度変化分のバランシングによってなされると言ってよい。
ところで、実際の光走査装置においては、温度変化は装置内において均一に発生しない。これは、(A)光源の駆動による発熱、(B)偏向器の駆動による発熱、(C)光走査装置外の熱源による発熱、のように、発熱源が独立しているためである。
特に、上記(B)は、偏向器が高速で駆動するために発生する熱であり、光走査装置内の温度に関して最も支配的な発熱である。上記(A)は一般的に電気回路の駆動による発熱であるため、上記(B)の発熱量に対しては極めて小さい。
このように、独立した熱源と、その熱量の差から、光走査装置の駆動中に装置内に不均一な温度分布が生じる。現実的には、最も発熱量が大きい偏向器を中心とし、光走査装置内に熱が拡散するような温度分布となる。このような温度分布は、筐体の形状や気流に関係する複雑な現象であり、光学設計時に予め想定するのは極めて困難である。従って、上記のような温度補償機能を有する回折レンズを設計する際には、「光走査装置内が均一に温度変化した場合」に立脚する等、特定のパターンを想定するしかないのが現状である。
上述した不均一な温度分布の発生とは、偏向器近傍が高温、そこから遠い光学素子は低温というような温度差が生じることを意味する。上記温度補償機能を有する回折レンズは、光源の波長変化と走査光学系の温度による変化とがバランスされることを想定して設計されているため、不均一な温度分布の発生はそのバランスを崩してしまう。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、高コスト化を招くことなく、安定した光走査ができる光走査装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することができる画像形成装置を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、光束により被走査面を走査する光走査装置であって、光源と;前記光源からの光束の光路上に配置され、少なくとも1つの面に回折面を有する少なくとも1つの回折光学素子を含む偏向器前光学系と;前記偏向器前光学系を介した光束を偏向する偏向器と;前記偏向器で偏向された光束を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備え、稼動時に、前記走査光学系の温度と前記光源の温度とは互いに異なり、前記回折面は、前記走査光学系及び前記光源の温度が互いに等しいと仮定したときに、前記少なくとも1つの回折光学素子による光束の合焦位置のずれ量が、前記走査光学系による光束の合焦位置のずれ量を相殺するずれ量に対して、大きくあるいは少なくなるように、稼動時の前記走査光学系の温度と前記光源の温度の大小関係に応じて設定されていることを特徴とする光走査装置である。
これによれば、回折面は、走査光学系及び光源の温度が互いに等しいと仮定したときに、少なくとも1つの回折光学素子による光束の合焦位置のずれ量が、走査光学系による光束の合焦位置のずれ量を相殺するずれ量に対して、大きくあるいは少なくなるように、稼動時の走査光学系の温度と光源の温度の大小関係に応じて設定されている。。そこで、稼動時に、走査光学系の温度と光源の温度とが互いに異なっていても、その温度差による合焦位置のずれの残差を従来よりも小さくすることができる。従って、結果として、高コスト化を招くことなく、安定した光走査が可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と;前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報が含まれる光束を走査する少なくとも1つの本発明の光走査装置と;を備える画像形成装置である。
これによれば、少なくとも1つの本発明の光走査装置を備えているために、結果として、高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ500の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ500は、感光体ドラム511、帯電ローラ512、現像装置513、転写ローラ514、クリーニング装置515、定着装置516、光走査装置900、カセット518、レジストローラ対519、給紙コロ520、排紙ローラ対522、及びトレイ523などを備えている。
感光体ドラム511は、像担持体であり、その表面には光導電性を有する感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム511の表面が被走査面である。
帯電ローラ512、現像装置513、転写ローラ514及びクリーニング装置515は、それぞれ感光体ドラム511の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム511の回転方向(図1における矢印方向)に沿って、帯電ローラ512→現像装置513→転写ローラ514→クリーニング装置515の順に配置されている。
帯電ローラ512は、感光体ドラム511の表面を均一に帯電させる帯電手段である。帯電手段としては「コロナチャージャ」を用いることもできる。
光走査装置900は、帯電ローラ512で帯電された感光体ドラム511の表面を、上位装置(例えばパソコン)からの画像情報に基づいて変調された光(走査光)LBで走査する。この光走査装置900による光走査により、感光体ドラム511の表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像(静電潜像)が形成される。この潜像は、いわゆるネガ潜像であり、感光体ドラム511の回転に伴って現像装置513の方向に移動する。なお、光走査装置900の構成については後述する。
現像装置513は、トナーが格納されているトナーカートリッジを有しており、感光体ドラム511の表面における光が照射された部分にだけトナーを付着させる。すなわち、現像装置513は、感光体ドラム511の表面に形成された潜像にトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着された潜像(以下、便宜上「トナー画像」ともいう)は、感光体ドラム511の回転に伴って転写ローラ514の方向に移動する。
カセット518は、レーザプリンタ500の本体に着脱可能であり、その中には転写対象物としての転写紙Pが収納されている。このカセット518の近傍には給紙コロ520が配置されており、該給紙コロ520は、カセット518に収納されている転写紙Pの最上位の1枚を取り出す。
レジストローラ対519は、転写ローラ514の近傍に配置され、給紙コロ520により取り出された転写紙の先端部を捕捉する。そして、レジストローラ対519は、感光体ドラム511上のトナー画像が転写位置へ移動するタイミングに合わせて、転写紙を転写ローラ514と感光体ドラム511との間隙へ送り込む。送り込まれた転写紙は、転写ローラ514によりトナー画像と重ね合わされ、トナー画像が静電転写される。
トナー画像が転写された転写紙は、定着装置516へ送られ、定着装置516にてトナー画像が定着され、搬送路521を通り、排紙ローラ対522によりトレイ523上に排出される。
トナー画像が転写された後の感光体ドラム511の表面は、クリーニング装置515によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
次に、前記光走査装置900の構成について説明する。
この光走査装置900は、一例として図2に示されるように、光源1、カップリングレンズ2、開口板3、回折レンズ4、ポリゴンミラー5、走査レンズ6、折り曲げミラー7、同期ミラー9、同期レンズ10、及び同期検知センサ11などを備えている。
そして、本明細書では、図3に示されるように、XYZ3次元直交座標系において、感光体ドラム511の長手方向に沿った方向をY軸方向、走査レンズ6の光軸に沿った方向をX軸方向として説明する。なお、図3では、便宜上、折り曲げミラー7、同期ミラー9、同期レンズ10、及び同期検知センサ11は、図示を省略している。
光源1は、一例として、設計上の発振波長が655nmの垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)を有している。この面発光レーザは、基準温度(T=25℃)に対して温度が1℃上昇すると、発振波長が0.2nmだけ長波長側へずれるという特性を有している。なお、光源1からポリゴンミラー5に向かう光束の進行方向を、以下では、便宜上「W方向」とする。
カップリングレンズ2は、焦点距離が約27mmであり、光源1から射出された光束を略平行光とする。
カップリングレンズ2は、一例として、ガラス製のレンズである。このガラスは、一例として、655nmの光に対する基準温度での屈折率が1.515141であり、温度が基準温度から20℃上昇したときの屈折率が1.515062であり、線膨張係数が7.5×10−6/Kの物性を有するガラスである。
カップリングレンズ2は、入射面及び射出面のいずれも非球面であり、カップリングされた光束の波面収差を十分に補正している。
なお、光源1とカップリングレンズ2は、線膨張係数が2.4×10−5/Kの材料を用いた保持部材(図示省略)によって保持されている。
開口板3は、一例として、主走査方向に対応する方向(ここでは、W方向及びZ軸方向のいずれにも直交する方向)の幅が2.3mm、副走査方向に対応する方向(ここでは、Z軸方向)の幅が2.4mmの矩形形状の開口部を有し、カップリングレンズ2を介した光束を整形し、感光体ドラム511上におけるビームスポット径を決定する。
回折レンズ4は、開口板3の開口部を通過した光束をポリゴンミラー5の偏向反射面近傍に副走査方向に対応する方向(ここでは、Z軸方向)に関して結像する。
回折レンズ4は、肉厚が2mmの樹脂製のレンズである。この樹脂は、一例として、655nmの光に対する基準温度での屈折率が1.527257であり、温度が基準温度から20℃上昇したときの屈折率が1.525368であり、線膨張係数が7.0×10−5/Kの物性を有する樹脂である。また、回折レンズ4の副走査方向に対応する方向(ここでは、Z軸方向)に関する焦点距離は約48mmである。
回折レンズ4の入射面は、一例として図4(A)に示されるように、主走査方向に対応する方向の近軸曲率半径が∞、副走査方向に対応する方向の近軸曲率半径が24.78mmのシリンドリカル面である。
回折レンズ4の射出面は、一例として図4(B)に示されるように、段差により分割された光軸に垂直な複数の平面領域を有する回折面である。1段の段差は光束に関して2πの位相差を与える段差である。ここでは、回折レンズ4の射出面は、1段の段差が約1.2μmで、44段の階段形状を有している。すなわち、回折レンズ4の射出面は、マルチステップ形状を有している。
上記回折面は、一例として図5に示されるように、回折効果を有する面(以下、便宜上「第1の面」ともいう)と屈折効果を有する面(以下、便宜上「第2の面」ともいう)とが合成された面形状を有している。
ここでは、上記第2の面は、曲率半径17.6mmの凹シリンドリカル面である。また、上記第1の面は、第2の面と同じ曲率半径の凸フレネル面の形状を適切な段差及びピッチで折り返した形状である。これにより、第1の面のパワーは、第2の面のパワーにより相殺され、回折レンズ4の射出面は、主走査方向に対応する方向及び副走査方向に対応する方向ともにノンパワーとなる。なお、第1の面のパワーは、波長変動時の負分散によるパワー変動の大きさに相当し、マルチステップ形状における段数によって決定される。なお、回折レンズ4の回折面の詳細については後述する。
光源1とポリゴンミラー5との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器前光学系は、カップリングレンズ2と開口板3と回折レンズ4とから構成されている。
ポリゴンミラー5は、一例として、内接円の半径が13mmの6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面である。なお、このポリゴンミラー5は、厚さ1.9mmの防音ガラス12で囲まれている。この防音ガラス12の素材のガラスは、カップリングレンズ2の素材のガラスと同じである。
走査レンズ6は、ポリゴンミラー5によって偏向された光束を、感光体ドラム511の表面に対して略等速運動となるよう変換し、且つ常に感光体ドラム511の表面に集光するように設計されている。
ここでは、走査レンズ6は、肉厚が13.5mmの樹脂製のレンズである。この樹脂は回折レンズ4の素材と同じ物性を有する樹脂である。
この走査レンズ6は、一例として、主走査方向に対応する方向(ここでは、Y軸方向)の近軸曲率半径Rmが179mm、副走査方向に対応する方向(ここでは、Z軸方向)の近軸曲率半径Rsが96.40mmの入射面と、主走査方向に対応する方向の近軸曲率半径Rmが−157.26mm、副走査方向に対応する方向の近軸曲率半径Rsが−19.33mmの射出面を有している。そして、副走査方向に対応する方向の横倍率は約−3.73倍である。
また、走査レンズ6の各面(入射面及び射出面)は、いずれも非球面であり、主走査方向に対応する方向には非円弧形状で、いわゆる副走査断面(ここでは、光軸と副走査方向に対応する方向とに平行な仮想的断面)内の曲率が主走査方向に対応する方向に従って変化する特殊面である。
折り曲げミラー7は、走査レンズ6を介した光束の光路を感光体ドラム511の表面に向けて折り曲げる。これにより、感光体ドラム511の表面にビームスポットが形成される。このビームスポットは、ポリゴンミラー5の回転に伴って感光体ドラム511の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム511上を走査する。
ポリゴンミラー5と感光体ドラム511との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、走査光学系は、走査レンズ6と折り曲げミラー7とから構成されている。なお、折り曲げミラー7と感光体ドラム511の間には、厚さ1.9mmの防塵ガラス(不図示)が配置されている。この防塵ガラスは、前記防音ガラスと同じ物性を有するガラスでできている。
なお、ポリゴンミラー5の回転中心と走査レンズ6の入射面の原点(入射面の光軸位置)は、光軸方向(ここでは、X軸方向)に43mm離れ、主走査方向に対応する方向(ここでは、Y軸方向)に6.35mm離れている。
そして、走査レンズ6の射出面の原点(射出面の光軸位置)と感光体ドラム511の表面は、光軸方向(ここでは、X軸方向)に176mm離れている。
また、W方向と、ポリゴンミラー5の偏向反射面により感光体ドラム511の表面における像高0の位置(図3における符号p0の位置)へ向けて反射される光束の進行方向とのなす角(図3におけるθ)は68度である。
本実施形態では、光走査装置900は、一例として図6に示されるように、2つの筐体(第1筐体14、第2筐体15)を有している。第1筐体14には、光源1、カップリングレンズ2、開口板3、回折レンズ4、ポリゴンミラー5、走査レンズ6、同期ミラー9、同期レンズ10、及び同期検知センサ11が収容されている。なお、開口板3は、第1筐体14と一体化されていても良いし、素子として組み付けられていても良い。また、光源1は、第1筐体14の壁面に形成された孔に圧入されている。そして、第2筐体15には、第1筐体14及び折り曲げミラー7が収容されている。
カップリングレンズ2、回折レンズ4、走査レンズ6のいずれかは、UV硬化樹脂に代表される接着剤を必要箇所に塗布され、冶具等で位置決めされた後、UV照射等の方法で固定され、組み付けられる。この組付けを実施する際、第1筐体14から発せられる光束をモニタリングし、それをフィードバックすることで接着剤硬化前に誤差を調整し、吸収することができる。
前述したように、稼働時は、ポリゴンミラー5が光走査装置内の温度に関して最も支配的な発熱であり、一例として図7に示されるように、光走査装置内は、ポリゴンミラー5を中心にして周囲に熱が拡散するような温度分布となる。すなわちポリゴンミラー5に近い光学素子ほど高温になる。一例として図8には、光源1、ポリゴンミラー5、及び走査レンズ6の温度変化が示されている。このように、温度変化が飽和しても、不均一な温度分布が残留していることがわかる。
温度が上昇すると、一般の屈折レンズは、熱膨張及び光源波長の長波長化による材料分散の影響を受けて焦点距離が長くなる。すなわち、屈折レンズのパワーが減少する。これにより、屈折レンズを含む光学系では、合焦位置のずれ(ピント位置ずれ)が生じる。特に、樹脂製の屈折レンズは、膨張量が大きく、ピント位置のずれ量(以下では、便宜上「ピントずれ量」と略述する)は極めて大きいものとなる。
一方、回折レンズは、光源波長が長波長化すると、焦点距離が短くなるという特性(負分散特性)を有している。
そこで、屈折レンズを含む光学系に回折レンズを導入し、温度上昇時の屈折レンズによるピントずれ量を補償するような回折面を回折レンズに形成すれば、温度変化に対してロバストな光学系を実現することができる。
しかしながら、不均一な温度分布は、光走査装置の使用条件や環境等が影響する複雑な現象であり、想定した光走査装置の設計から一意に仮定することができない。そのため、一例として図9に示されるように、従来、温度補償機能をもつ回折レンズ4´は、「温度分布が均一な状態」を仮定して、すなわち「全ての光学素子が同様な温度変化をする」ものとして設計されている。
図9では、温度変化ΔTによって走査レンズ6の熱膨張及び光源1における波長シフトが発生し、そのときの走査レンズ6のパワー減少によるピントずれ量をΔSとし、回折レンズ4´の負分散特性によるピントずれ量をΔS4´としている。なお、図9〜図12は、副走査断面を示し、便宜上、折り曲げミラー7の図示を省略している。
そこで、ΔS+ΔS4´がほぼ0となるように回折レンズ4´を設計すると、温度変化に起因するピント位置ずれが抑制された、いわゆる「温度補償」が成立することになる。これが、従来の温度補償である。
この場合に、一例として図10に示されるように、不均一な温度分布が発生し、「光源1が走査レンズ6ほどに温度上昇しない」ときには、|ΔS|>|ΔS4´|となり、補償されないピントずれ量である「補正残差」が発生する。すなわち、上記「温度補償」は不完全な状態に留まってしまい、光走査装置の温度安定性を脅かすものとなる。
一方、本実施形態では、回折レンズ4は、一例として図11に示されるように、温度変化が均一であると仮定したときに、負分散特性によるピントずれ量ΔSが、走査レンズ6のパワー減少によるピントずれ量ΔSに対して過剰(|ΔS|<|ΔS|)となるように、回折面の第1面のパワー(以下では、便宜上「補正パワー」という)が設定されている。すなわち、回折レンズ4は、従来の回折レンズ4´よりも、過剰な補正パワーを有している。
そこで、不均一な温度分布が発生し、「光源1が走査レンズ6ほどに温度上昇しない」ときには、一例として図12に示されるように、「補正残差」が従来よりも小さくなる。なお、補正パワーの過剰の程度は、光学素子の大きさ、稼動時のポリゴンミラー5の温度、光源1及び走査レンズ6のポリゴンミラー5からのそれぞれの距離、並びに予備的なテストなどから決定される。
すなわち、本実施形態では、「ほぼ確実に発生するがその量の予測が困難である温度分布」による「光走査装置の稼動時における光学特性の温度安定性」の劣化を、「均一な温度変化を前提としたときの回折レンズの設計を、敢えて過剰な補正パワーとする」ことで、「不均一な温度分布が発生したときの補正残差」を従来よりも低減している。そこで、強い熱源であるポリゴンミラーを有する光走査装置の温度安定性を回折レンズにより実現するのに好適である。
図13には、ピントずれ量の具体例が示されている。CASE1は、回折レンズ4に代えて、同じ焦点距離を持つガラス製のシリンドリカルレンズを用い、走査レンズ6も光源1も温度が20℃上昇した場合である。この場合には、主として樹脂製の走査レンズ6が熱膨張することにより焦点距離が長くなり、大きなピント位置ずれが発生する。
CASE2は、回折レンズ4を用い、走査レンズ6も光源1も温度が20℃上昇した場合である。この場合には、回折レンズ4が過剰な補正パワーを有しているため、ピント位置ずれは像面に対してアンダー側に発生している。このときのピントずれ量は「補正残差」ということになるが、CASE1の場合と比較すると、ピントずれ量そのものは低減されている。
CASE3は、回折レンズ4を用い、走査レンズ6の温度が20℃上昇し、光源1が17℃上昇した場合である。強い負分散特性を有する回折レンズ4と0.2nm/℃の温度−発振波長特性を有する光源1を考慮すれば、温度差3℃は決して小さい値ではない。このとき、CASE2と比較すれば「走査レンズ6のパワー減少に対する光源1における発振波長のシフト量が不足している状態」と見ることができる。しかし、本実施形態では、「(均一な温度変化時において)過剰な補正パワー」を有する回折レンズ4を用いているので、この不足分をその過剰補正分で補い、ピント位置ずれを適切に低減することができる。このように、ポリゴンミラーが主要な熱源で、走査レンズが光源よりもポリゴンミラーに近いレイアウトである場合は、本実施形態と同等の効果は常に得られる。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置900によると、光源1、カップリングレンズ2、回折レンズ4、ポリゴンミラー5、及び走査光学系を備え、回折レンズ4は、均一な温度変化時において、走査レンズ6のパワー減少に対して過剰な補正パワーが得られるような回折面を有している。これにより、走査レンズ6の温度が、光源1の温度よりも高くなるような、不均一な温度分布が発生しても、ピント位置ずれを抑制することができる。従って、高コスト化を招くことなく、安定した光走査が可能となる。
ところで、単一の走査レンズで走査光学系におけるレンズ系を設計する場合、走査レンズをポリゴンミラーから離れた位置に配置すると長尺化・厚肉化が避けられない上に、感光体ドラムの表面での等速性と結像性能の両立が困難となる。そのため、単一の走査レンズは、比較的ポリゴンミラーに近い位置に配置されるのが一般的である。しかしながら、走査レンズがポリゴンミラーに近づくと、ポリゴンミラーの発熱の影響を強く受け、稼動時の光源との温度差が大きくなる。すなわち、不均一な温度分布が発生し、従来の回折レンズでは、大きな「補正残差」が発生するおそれがあった。
本実施形態では、走査光学系におけるレンズ系が単一の走査レンズで構成されているが、回折レンズ4が、均一な温度変化時において、走査レンズ6のパワー減少に対して過剰な補正パワーが得られるような回折面を有しているため、稼動時の光源と走査レンズとの温度差が大きくても、「補正残差」を小さくすることができる。すなわち、走査光学系におけるレンズ系が単一の走査レンズで構成されている場合に、大きな効果が得られる。
また、本実施形態によると、光源1からの光束を、屈曲することなくポリゴンミラー5に入射することができるため、反射ミラーなどの光束を屈曲させる光学素子が不要となり、低コスト化を図ることができる。また、これにより、部品公差、取付公差の低減を図ることができる。
また、本実施形態によると、回折レンズ4の回折面の形状は、マルチステップ状であるため、回折面の転写形状を成形用の金型(あるいは金駒)に容易に精度良く形成することができる。
また、本実施形態によると、回折レンズ4の回折面は、光学的にはノンパワーの面と等価であるため、偏心に対して光学性能が劣化しにくくなり、部品のばらつき、組付誤差に対してもロバストな光走査装置を実現できる。
また、本実施形態によると、回折レンズ4は樹脂製であるため、低コストで高い精度の回折面を得ることができる。
また、本実施形態によると、光源、偏向器前光学系、偏向器、及び走査光学系は、同一の筐体内に収容されているため、光走査装置の光学特性を随時フィードバックしながら光学素子の位置に関する微妙な調整を行い、部品・光学素子のもつ誤差を最低限に抑えて組付けることが可能となる。特に部品・光学素子が樹脂製の場合には、形状精度がガラスや金属に比べて劣っているので、上記調整は有効である。すなわち、光学特性に現れる誤差の影響を最低限に抑えて光走査装置を製造することができる。
また、第1筐体14と第2筐体15とに分けた構成とすることで、第1筐体14を光学特性を司るユニットとして共通化し、第2筐体15は感光体ドラムのレイアウトに応じて選択する、といったユニット共通化が図れ、様々な光走査装置が構成可能となる。さらに、第1筐体14の共通化は、多種の光走査装置を展開する際に低価格化の効果がある。
また、本実施形態によると、部品点数を増加させることなく高安定な光走査装置を実現することができる。そのため、光走査装置の生産に関わる材料の使用量を増やす必要がなく、その結果として資源採掘量及びプラスチックゴミ排出量に関して環境負荷の増大を抑制することが可能となる。
また、本実施形態に係るレーザプリンタ500によると、高コスト化を招くことなく、安定した光走査ができる光走査装置900を備えているため、結果として高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
なお、上記実施形態において、光源1の面発光レーザが、複数の発光部を有していても良い。この場合には、同時に複数の走査が可能となり、画像形成の高速化を図ることができる。
また、上記実施形態では、走査光学系におけるレンズ系が単一の走査レンズからなる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、光軸方向に沿って回折面を見たとき、段差により描かれる図形が主走査方向に平行な直線状の場合について説明したが、これに限らず、段差により描かれる図形が同心円状であっても、あるいは楕円状であっても良い。直線状の回折面は副走査方向にのみ独立に回折面の効果をもたらす1つの形態である。
また、上記実施形態では、走査レンズ6の温度が、光源1の温度よりも高くなるような、不均一な温度分布が発生する場合について説明したが、反対に、光源1の温度が、走査レンズ6の温度よりも高くなるような、不均一な温度分布が発生する場合には、回折レンズ4は、温度変化が均一であると仮定したときに、負分散特性によるピントずれ量ΔSが、走査レンズ6のパワー減少によるピントずれ量ΔSに対して不足(|ΔS|>|ΔS|)となるように、回折面の補正パワーを設定すれば良い(図14参照)。これにより、光源1の温度が、走査レンズ6の温度よりも高くなるような、不均一な温度分布が発生しても、ピント位置ずれを抑制することができる(図15参照)。
また、上記実施形態では、感光体ドラム511から転写紙へのトナー画像の転写が、感光体ドラム511から転写紙へ直接的に行われる直接転写方式の場合について説明したが、感光体ドラム511から一旦中間転写ベルト等の中間転写媒体に転写した後、この中間転写媒体から転写紙へ転写する中間転写方式であっても良い。
また、上記実施形態では、像担持体がドラム状の場合について説明したが、これに限らず、シート状やベルト状であっても良い。例えば、シート状の光導電性の感光体として酸化亜鉛紙を用いても良い。
なお、上記実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ500の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光プロッタやデジタル複写装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で転写対象物としての印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、像担持体としてビームスポットの熱エネルギにより発色する発色媒体(ポジの印画紙)を用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により可視画像を直接、像担持体に形成することができる。
要するに、上記光走査装置900を備えた画像形成装置であれば、結果として高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
また、カラー画像を形成する画像形成装置であっても、カラー画像に対応した光走査装置を用いることにより、高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することが可能となる。
一例として、多色のカラー画像を形成することができるタンデムカラー機2000が図16に示されている。このタンデムカラー機2000は、ブラック用の感光体ドラムK1、帯電器K2、現像器K4、クリーニング手段K5、及び転写用帯電手段K6と、シアン用の感光体ドラムC1、帯電器C2、現像器C4、クリーニング手段C5、及び転写用帯電手段C6と、マゼンタ用の感光体ドラムM1、帯電器M2、現像器M4、クリーニング手段M5、及び転写用帯電手段M6と、イエロー用の感光体ドラムY1、帯電器Y2、現像器Y4、クリーニング手段Y5、及び転写用帯電手段Y6と、光走査装置900Aと、転写ベルト80と、定着手段30などを備えている。
光走査装置900Aは、ポリゴンミラーと、ブラック用の光源、偏向器前光学系及び走査光学系と、シアン用の光源、偏向器前光学系及び走査光学系と、マゼンタ用の光源、偏向器前光学系及び走査光学系と、イエロー用の光源、偏向器前光学系及び走査光学系と、を備えている。各偏向器前光学系は、前記光走査装置900の偏向器前光学系と同様の偏向器前光学系である。
各感光体ドラムの周囲に、感光体ドラムの回転方向(図16中の矢印の方向)に沿って、対応する帯電器、現像器、転写用帯電手段、及びクリーニング手段がそれぞれ配置されている。各帯電器は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。この帯電器によって帯電された感光体ドラム表面に光走査装置900Aにより光束が照射され、感光体ドラムに静電潜像が形成されるようになっている。そして、対応する現像器により感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写用帯電手段により、記録紙に各色のトナー像が転写され、最終的に定着手段30により記録紙に画像が定着される。すなわち、各色のトナー画像を同一のシート状記録媒体に転写・定着して合成的にカラー画像や多色画像を得ることができる。
光走査装置900Aの各偏向器前光学系は、いずれも回折レンズを含み、該回折レンズは、均一な温度変化時において、対応する走査レンズのパワー減少に対して過剰な補正パワーが得られるような回折面を有している。これにより、走査レンズの温度が、光源の温度よりも高くなるような、不均一な温度分布が発生しても、ピント位置ずれを抑制することができる。従って、高コスト化を招くことなく、安定した光走査が可能となる。
タンデムカラー機2000は、光走査装置900Aを備えているため、各感光体ドラム表面でのビームスポット径の変動を抑えることができる。従って、出力画像のドット径の変動を抑えることができ、ドット径の揃った高画質な画像を提供することが可能となる。また、感光体ドラム表面上におけるビームスポット径が安定化するということは、複数あるプロセス制御条件のうちの1つが安定化するということを意味する。従って、プロセス制御の実行頻度を低減することができ、省エネ等の環境負荷低減が可能となる。
以上説明したように、本発明の光走査装置によれば、高コスト化を招くことなく、安定した光走査を行うのに適している。また、本発明の画像形成装置によれば、高コスト化を招くことなく、高品質の画像を安定して形成するのに適している。
本発明の一実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を説明するための図である。 図1における光走査装置の概略構成を示す斜視図である。 図1における光走査装置の概略構成を示す平面図である。 図4(A)は、図2における回折レンズの入射面を説明するための図であり、図4(B)は、図2における回折レンズの射出面を説明するための図である。 図2における回折レンズの回折面を説明するための図である。 筐体1と筐体2を説明するための図である。 不均一な温度分布を説明するための図である。 光源1、ポリゴンミラー5、走査レンズ6の温度変化を説明するための図である。 従来の回折レンズの温度補償機能を説明するための図(その1)である。 従来の回折レンズの温度補償機能を説明するための図(その2)である。 図2における回折レンズの温度補償機能を説明するための図(その1)である。 図2における回折レンズの温度補償機能を説明するための図(その2)である。 ピントずれ量の具体例を説明するための図である。 光源の温度が走査レンズの温度よりも高くなるときの回折レンズを説明するための図(その1)である。 光源の温度が走査レンズの温度よりも高くなるときの回折レンズを説明するための図(その2)である。 タンデムカラー機の概略構成を説明するための図である。
符号の説明
1…光源、2…カップリングレンズ(偏向器前光学系の一部)、3…開口板(偏向器前光学系の一部)、4…回折レンズ(偏向器前光学系の一部、回折光学素子)、5…ポリゴンミラー(偏向器)、6…走査レンズ(走査光学系の一部、レンズ系)、7…折り曲げミラー(走査光学系の一部、ミラー系)、500…レーザプリンタ(画像形成装置)、511…感光体ドラム(像担持体)、900…光走査装置、900A…光走査装置、2000…タンデムカラー機(画像形成装置)、K1,C1,M1,Y1…感光体ドラム(像担持体)。

Claims (10)

  1. 光束により被走査面を走査する光走査装置であって、
    光源と;
    前記光源からの光束の光路上に配置され、少なくとも1つの面に回折面を有する少なくとも1つの回折光学素子を含む偏向器前光学系と;
    前記偏向器前光学系を介した光束を偏向する偏向器と;
    前記偏向器で偏向された光束を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備え、
    稼動時に、前記走査光学系の温度と前記光源の温度とは互いに異なり、
    前記回折面は、前記走査光学系及び前記光源の温度が互いに等しいと仮定したときに、前記少なくとも1つの回折光学素子による光束の合焦位置のずれ量が、前記走査光学系による光束の合焦位置のずれ量を相殺するずれ量に対して、大きくあるいは少なくなるように、稼動時の前記走査光学系の温度と前記光源の温度の大小関係に応じて設定されていることを特徴とする光走査装置。
  2. 稼動時に、前記走査光学系の温度は、前記光源の温度よりも高くなり、
    前記回折面は、前記走査光学系及び前記光源の温度が互いに等しいと仮定したときに、前記少なくとも1つの回折光学素子による光束の合焦位置のずれ量が、前記走査光学系による光束の合焦位置のずれ量を相殺するずれ量よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記光源からの光束は、屈曲されることなく前記偏向器に入射することを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
  4. 稼動時に、前記光源の温度は、前記走査光学系の温度よりも高くなり、
    前記回折面は、前記走査光学系及び前記光源の温度が互いに等しいと仮定したときに、前記少なくとも1つの回折光学素子による光束の合焦位置のずれ量が、前記走査光学系による光束の合焦位置のずれ量を相殺するずれ量よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  5. 前記走査光学系のレンズ系は、単一の走査レンズで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光走査装置。
  6. 前記回折面の形状は、マルチステップ状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光走査装置。
  7. 前記少なくとも1つの回折光学素子は、樹脂製であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光走査装置。
  8. 前記走査光学系は、前記偏向器で偏向された光束が入射するレンズ系と、該レンズ系を介した光束を前記被走査面に導くミラー系とを有し、
    前記光源、前記偏向器前光学系、前記偏向器、及び前記レンズ系は、第1の筐体内に収容され、前記ミラー系は、第2の筐体内に収容されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光走査装置。
  9. 少なくとも1つの像担持体と;
    前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報が含まれる光束を走査する少なくとも1つの請求項1〜8のいずれか一項に記載の光走査装置と;を備える画像形成装置。
  10. 前記画像情報は、カラー画像情報であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
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